平成23年6月24日

証券取引等監視委員会

株式会社ベネフィットアロー及びその役員等3名の金融商品取引法違反行為に係る裁判所への緊急差止命令の申立て(同法第192条第1項)について

  • 1.申立ての内容等

    証券取引等監視委員会が、株式会社ベネフィットアロー(東京都中央区、代表取締役社長 山田貴則、資本金100万円、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録等はない。以下「当社」という。)に対して金融商品取引法(以下「金商法」という。)第187条に基づく調査を行った結果、下記2.の事実が認められたことから、本日、証券取引等監視委員会は、金商法第192条第1項の規定に基づき、東京地方裁判所に対し、当社及び当社代表取締役山田貴則並びに当社関係者萩原勝巳及び芳賀彰を被申立人として金商法違反行為(無登録で、同法第2条第2項の規定により有価証券とみなされる同項第5号及び第6号に掲げる権利の募集又は私募の取扱いを行うこと)の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行った。

  • 2.事実関係

    当社は、平成22年11月ころ以降、有限会社フロンティア(東京都中央区、適格機関投資家等特例業務届出者。以下「フロンティア社」という。)から委託を受け、多数の個人投資家に対し、フロンティア社が業務執行組合員となっている組合契約に基づく権利の取得の申込みを勧誘し、多数の個人投資家に当該権利を取得させた。当社の株主である萩原勝巳及び当社代表取締役山田貴則は、当社の従業員に指示して、上記行為に当たらせた。

    芳賀彰は、平成22年6月ころ以降、当社、株式会社コンサルティングファーム(東京都中央区)、Rリサーチ株式会社(東京都中央区)、株式会社セカンドミリオン(東京都港区)、リミックスマネージメント株式会社(東京都台東区)、フロンティアターゲット株式会社(東京都台東区)及び株式会社ツアーコンサルタント(東京都台東区)(以下、併せて「委託会社」という。なお、委託会社は全て適格機関投資家等特例業務届出者である。)から委託を受け、勧誘を専門とする複数のグループに指示して、多数の個人投資家に対し、委託会社が営業者となっている匿名組合契約又は委託会社が業務執行組合員となっている組合契約に基づく権利の取得の申込みを勧誘し、多数の個人投資家に当該権利を取得させた。

    被申立人らの上記行為は、いずれも、金商法第28条第2項に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、同法第29条に違反するものである。

    当社に対しては、平成23年4月に関東財務局から無登録で金融商品取引業を行っているとして警告書が発出されていたが、上記のとおり、当社は、その後も無登録で金融商品取引業を行っていたものであり、また、芳賀彰は、当社以外の他の委託会社に係る組合契約に基づく権利の取得の申込みの勧誘を行っていたものである。

    以上からすれば、被申立人らは上記違法行為を今後も行う蓋然性が高く、これを可及的速やかに禁止・停止させる必要がある。


金商法違反行為の禁止・停止の申立て

参考条文

○適格機関投資家等特例業務

金融商品取引法

(定義)

第二条この法律において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう。

一 〜 二十一 (略)

前項第一号から第十五号までに掲げる有価証券(略)のうち、流通性その他の事情を勘案し、社債券その他の前項各号に掲げる有価証券とみなすことが必要と認められるものとして政令で定めるもの(略)は、(略)当該有価証券とみなし、次に掲げる権利は、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であつても有価証券とみなして、この法律の規定を適用する。
一 〜 四 (略)

  • 民法(略)第六百六十七条第一項に規定する組合契約、商法(略)第五百三十五条に規定する匿名組合契約(略)に基づく権利、(略)その他の権利(略)のうち、当該権利を有する者(略)が出資又は拠出をした金銭(略)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であつて、次のいずれにも該当しないもの(略)

    • イ〜ニ(略)

  • 外国の法令に基づく権利であつて、前号に掲げる権利に類するもの

  • (略)

    3 〜 7(略)

この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(略)のいずれかを業として行うことをいう。

一 〜 八 (略)

 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い

十 〜 十八 (略)

9 〜(以下、略)

第二十八条この章において「第一種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

一 〜 五 (略)

この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

  • 一  (略)

  • 二  第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利についての同条第八項第一号から第三号まで、第五号、第八号又は第九号に掲げる行為

  • 三 ・  (略)

3 〜(以下、略)

(登録)

第二十九条金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。

  •  適格機関投資家等(略)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に係る私募(略)
    イ 〜 ハ (略)

  •  第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利(略)を有する適格機関投資家等から出資され、又は拠出された金銭(略)の運用を行う同条第八項第十五号に掲げる行為

2 〜(以下、略)

○緊急差止命令の申立て

金融商品取引法

(審問等に関する調査のための処分)

第百八十七条内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、(略)第百九十二条の規定による申立てについて、必要な調査をするため、当該職員に、次に掲げる処分をさせることができる。

  •  関係人若しくは参考人に出頭を命じて意見を聴取し、又はこれらの者から意見書若しくは報告書を提出させること。

  • 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。

  • 関係人に対し帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。

  • 関係人の業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。

(裁判所の禁止又は停止命令)

第百九十二条裁判所は、緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。

裁判所は、前項の規定により発した命令を取り消し、又は変更することができる。

前二項の事件は、被申立人の住所地の地方裁判所の管轄とする。

第一項及び第二項の裁判については、非訟事件手続法 (略)の定めるところによる。

第百九十八条次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  • 一 〜 七(略)

  • 第百九十二条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反した者

第二百七条法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

  • 一 ・二(略)

  • 第百九十八条第八号又は第百九十八条の三から第百九十八条の五まで 三億円以下の罰金刑

  • 四 〜 六(略)

2 〜 (以下、略)