平成24年10月16日

証券取引等監視委員会

株式会社スタッツインベストメントマネジメントに対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会が株式会社スタッツインベストメントマネジメント(東京都千代田区、代表取締役 山下 達也(やました たつや)、資本金75百万円、役職員11名、投資運用業、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る法令違反の事実が認められたので、平成24年10月10日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • 投資一任契約に係る善管注意義務違反

      株式会社スタッツインベストメントマネジメント(以下「当社」という。)が、A厚生年金基金(以下「A基金」という。)との間で締結した年金投資一任契約(以下「年金一任契約」という。)に関し、以下の問題が認められた。

    • (1)年金一任契約締結に至るまでの経緯

      平成21年11月、当社代表取締役山下達也(以下「山下社長」という。)は、株式会社ナレッジキャピタル(以下「ナレッジ社」という。)から、「某年金基金が投資事業組合に出資するために、そのスキーム上、投資一任契約を締結できる運用会社を探しているので、その基金の相談に乗って欲しい。」旨の依頼を受けた。

      その後、山下社長は、ナレッジ社社長とともにA基金を訪問し、A基金のB事務長(当時)から、「当基金では、現在、投資事業有限責任組合を通じた未公開株投資を行っているが、運用会社の後任を探している。」との説明を受け、新たな投資事業有限責任組合を組成する際には、当該組合への出資を行う投資一任先を当社に依頼したい旨説明を受けた。

      当社は、平成21年12月中旬頃、ナレッジ社が運営する丙号投資事業有限責任組合(以下「丙号組合」という。)に対し出資することを前提とした年金一任契約を締結し、その後、丙号組合に対する出資を行った。

    • (2)丙号組合に対する出資前の調査等が不適切な状況

      丙号組合への出資前に当社が行った調査・検討の状況について検証したところ、次のイ及びロのとおり極めて不適切な状況が認められた。

      • ナレッジ社に関する調査の不備

        • (イ)当社は、未公開株を投資対象とする投資事業有限責任組合への投資経験がなかったものの、平成21年11月、ナレッジ社が作成したA基金向け提案資料及びナレッジ社社長からのヒアリングを基に、ナレッジ社が運営する丙号組合が、年金一任契約に係る投資対象として適切である旨判断したとしている。

          しかしながら、提案資料には、ナレッジ社の設立時期や上場実績に関し虚偽の内容が記載されていたところ、当社は当該記載の真偽に係る基本的な調査も行っていない。

        • (ロ)当社は、丙号組合の組成前にナレッジ社が運営していた、未公開株を投資対象とする投資事業有限責任組合の収益状況について調査する必要があるところ、何ら具体的に調査を行っていない。

      • 顧客であるA基金の意思確認の不備

        当社は、不注意により年金一任契約書の調印を失念したまま、丙号組合への出資を行っており、A基金の意思決定が行われていることについて十分な確認を行っていない。

    • (3)丙号組合に対する出資後のモニタリングが不適切な状況

      丙号組合への出資後に、当社が丙号組合に対し行ったモニタリングの状況を検証したところ、丙号組合に係る事業年度の始期及び終期に変更があったことについて、ナレッジ社が変更契約書を作成していないことや、上記変更にもかかわらず、ナレッジ社が、変更前の事業年度の始期及び終期に従って管理報酬を受け取っていた状況を把握しておらず、適正にモニタリングを行っていない状況が認められた。

    当社は、年金一任契約の締結により、A基金のために善良なる管理者の注意をもって、年金一任契約の内容に従って、年金資産の運用として適切な投資方法及び投資先を、十分な調査・検討の上で決定し、丙号組合への出資後も、丙号組合に対するモニタリングを適正に実施すべき義務を負っていたものであるが、上記(2)及び(3)のとおり、年金一任契約に関し、当社が実施した、丙号組合への出資の決定の際の調査等及び出資後の丙号組合に対するモニタリングは極めて不適切であり、当社は、金融商品取引法第42条第2項に定める、善良なる管理者の注意義務に違反したと認められる。


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(権利者に対する義務)

第四十二条 (略)

2 金融商品取引業者等は、権利者に対し、善良な管理者の注意をもつて投資運用業を行わなければならない。