平成24年11月30日

証券取引等監視委員会

ヴィンキュラムジャパン株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、ヴィンキュラムジャパン株式に係る相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者は、ヴィンキュラムジャパン株式会社の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、平成22年4月12日午前9時16分頃から同日午後2時29分頃までの間、直前約定値より高値で自己の売り注文と買い注文を発注して対当させたり、成行買い注文を連続して発注し高値で約定させるなどして株価を制限値幅の上限値まで引き上げた上、買い特別気配を表示させながら同値に約定させる意思のない大量の買い注文を発注するなどの方法により、同株式合計127株を買い付ける一方、同株式100株を売り付けるとともに、同株式200株の買付けの委託を行うなどし、もって、自己の計算において、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

    課徴金納付命令対象者が行った上記の行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」及び「その委託等」の違反行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、 442万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。


(別紙)

  • 課徴金の額の計算方法について

    • 1.金融商品取引法第174条の2第1項に基づき、課徴金の額は、

      • (1) 売買対当数量(注1)に係るものについて、

        (有価証券の売付価額)-(有価証券の買付価額)

        と、

      • (2) 当該違反行為に係る有価証券の売付数量が買付数量を超える場合の、当該超える数量に係るものについて、

        (有価証券の売付価額)-(当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の当該有価証券の最低価格×当該超える数量)

        または、

        当該違反行為に係る有価証券の買付数量が売付数量を超える場合の、当該超える数量に係るものについて、

        (当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の当該有価証券の最高価格×当該超える数量)-(有価証券の買付価額)

        との合計額として計算される。

        • (注1)売買対当数量:当該違反行為に係る有価証券の売付数量と買付数量のうち、いずれか少ない数量をいう。

    • 2.課徴金納付命令対象者の違反行為について、本件における課徴金の額は、下記(1)及び(2)によりそれぞれ算定される額の合計 4,424,300円

      ⇒課徴金の額は、1万円未満を切り捨てるため、442万円

      • (1) 当該違反行為に係る売買対当数量は、

        • (i)当該違反行為に係る有価証券の売付数量は、100株であり、

        • (ii)当該違反行為に係る有価証券の買付数量は、実際の買付け等の数量127株に、金融商品取引法第174条の2第8項及び同法施行令第33条の13第1号により、違反行為開始時にその時の価格(58,500円)で買付け等をしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量209株を加えた336株である

          ことから、100株となる。

        当該売買対当数量に係るものについて、

        売付価額5,850,000円(注2)- 買付価額5,850,000円(注3)= 0円

        • (注2)売付価額は、「58,500円×100株」の額である。

        • (注3)買付価額は、「58,500円×100株」の額である。

        • (注4)買付価額の算定においては、金融商品取引法施行令第33条の14第5項の規定により、当該違反行為に係る有価証券の買付けのうち最も早い時期に行われたものから順次当該売買対当数量に達するまで割り当てることとなる。

          本件においては、違反行為の開始時点において所有しており、金融商品取引法第174条の2第8項及び同法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時点にその時における価格(58,500円)で買い付けたものとみなされるもの(みなし買付け)が、当該売買対当数量を超えるため、すべてみなし買付け分が割り当てられることとなる。

      • (2) 上記(1)のとおり、当該違反行為に係る有価証券の買付数量が、売付数量を超えることから、

        当該超える数量236株(336株-100株)について、

        当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該有価証券の最高価格のうち最も高い価格(77,800円)に当該超える数量を乗じて得た額

        18,360,800円(77,800円×236株)- 買付価額13,936,500円(注5)

        =4,424,300円

        • (注5)買付価額は、

          「58,500円×209株+60,000円×2株+62,000円×2株+63,000円×14株+64,800円×1株+64,900円×8株」

          の合計額である。

        •  

サイトマップ

ページの先頭に戻る