平成25年3月15日

証券取引等監視委員会

株式会社Jouleに対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    近畿財務局長が株式会社Joule(大阪府大阪市、代表取締役 清水 崇(しみず たかし)、資本金5百万円、役職員2名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • 業務停止命令違反、検査忌避及び業務改善命令違反

      株式会社Joule(以下「当社」という。)は、平成21年11月20日付で近畿財務局(以下「当局」という。)より、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第52条第1項の規定に基づく業務停止命令(金融商品取引業の全ての業務を同月30日から同年12月29日まで停止すること)を受けたほか、金商法第51条の規定に基づき業務改善命令を受け、再発防止策の策定等の報告を求められた。

      当社は、当該業務改善命令に基づき、当局に対して、平成21年12月10日付で再発防止のための改善策をとりまとめた報告書を提出した後、同22年3月から同23年3月までに業務改善状況に係る報告書(以下「改善報告」という。)を3回提出した。

      今回検査において、業務停止命令及び業務改善命令の履行状況について検証したところ、以下の問題が認められた。

    • (1)業務停止命令違反

      当社は、業務停止期間中に、業務停止命令に違反する行為であると認識しながら、同期間中に投資顧問契約を申し込んだ顧客6名と7件の投資顧問契約を締結していた。

    • (2)検査忌避

      当社は、業務停止期間中に顧客6名と7件の投資顧問契約を締結していたにもかかわらず、今回検査において、当該投資顧問契約が業務停止期間前に締結したことを示す電子メールを偽造して検査官に提出し、その旨を説明した。

    • (3)業務改善命令違反

      当社が当局に提出した改善報告の内容を検証したところ、改善報告の内容に虚偽があり、再発防止策が講じられておらず、業務改善命令違反が認められた。

      • 広告の審査を含む日常業務のリーガルチェック

        当社は、改善報告として広告の審査を含む日常業務に係るA法律事務所のリーガルチェックを受けた旨の報告を行っていたが、実際にはA法律事務所からリーガルチェックを受けていなかった。

      • セミナー・研修

        当社は、改善報告として代表取締役が法令遵守意識を高めるため弁護士等が主催するセミナーに参加し、その内容を職員に研修を行った旨の報告を行っていたが、実際には代表取締役はセミナーに参加しておらず、職員への研修も行っていなかった。

      • 内部監査

        当社は、改善報告として弁護士に依頼し内部監査を実施した旨の報告を行っていたが、実際には弁護士に依頼しておらず、内部監査を実施していなかった。

      上記(1)及び(3)は、当局の業務停止命令及び業務改善命令に違反する行為であり、金商法第52条第1項第6号に規定する「金融商品取引業に関し法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当すると認められる。

      また、上記(2)は、当局の検査を忌避する行為であり、同法第198条の6第11号に該当すると認められる。

* 平成25年4月10日更新


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(金融商品取引業者に対する業務改善命令)

第五十一条 内閣総理大臣は、金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該金融商品取引業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(金融商品取引業者に対する監督上の処分)

第五十二条 内閣総理大臣は、金融商品取引業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該金融商品取引業者の第二十九条の登録を取り消し、第三十条第一項の認可を取り消し、又は六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

一〜五 (略)

六 金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し法令(第四十六条の六第二項を除く。)又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき。

七〜十一 (略)

2〜5 (略)

(報告の徴取及び検査)

第五十六条の二 内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、金融商品取引業者等、これと取引をする者、当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)がその総株主等の議決権の過半数を保有する銀行等(以下この項において「子特定法人」という。)、当該金融商品取引業者等を子会社(第二十九条の四第三項に規定する子会社をいう。以下この条において同じ。)とする持株会社(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九条第五項第一号に規定する持株会社をいう。以下この条において同じ。)若しくは当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者に対し当該金融商品取引業者等の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料(当該子特定法人にあつては、当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)の財産に関し参考となるべき報告又は資料に限る。)の提出を命じ、又は当該職員に当該金融商品取引業者等、当該子特定法人、当該金融商品取引業者等を子会社とする持株会社若しくは当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該子特定法人にあつては当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)の財産に関し必要な検査に、当該金融商品取引業者等を子会社とする持株会社又は当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者にあつては当該金融商品取引業者等の業務又は財産に関し必要な検査に限る。)をさせることができる

第百九十八条の六 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一〜十 (略)

十一 第五十六条の二、第六十条の十一、第六十三条第八項、第六十六条の二十二、第六十六条の四十五第一項、第七十五条、第七十九条の四、第百三条の四、第百六条の六第一項、第百六条の十六、第百六条の二十第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六条の二十七(第百九条において準用する場合を含む。)、第百五十一条(第百五十三条の四において準用する場合を含む。)、第百五十五条の九、第百五十六条の十五、第百五十六条の三十四、第百八十五条の五又は第百八十七条第四号の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

十二〜十八(略)