平成25年6月21日

証券取引等監視委員会

株式会社オービックに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社オービックに係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    株式会社オービックは、海外の不動産プロジェクトを資金使途とする社債(私募債)に対する投資を行っていたが、社債発行者が破綻したことから、連帯保証人の資力に依拠して当該社債の償還可能性を評価していた。その後、当社は、当該連帯保証人の財政状態が大幅に毀損した可能性をうかがわせる事象を把握したが、社債の評価体制の不備等により、当該事象の影響を十分確認せずに当該社債の評価を誤った結果、当該社債に係る投資有価証券評価損等を計上しなかった。

    この結果、関東財務局長に対し、別紙1のとおり、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」以下の有価証券報告書等を提出したものである。

    • 平成23年12月第3四半期四半期報告書(平成24年2月14日提出)
    • 平成24年3月期有価証券報告書(平成24年6月29日提出)
  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、884万9,999円である。(計算方法については別紙2のとおり。)


  • (別紙1)株式会社オービックの有価証券報告書等の虚偽記載内容
    番号 開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容(注) 事由
    平成24年
    2月14日
    第45期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成23年12月第3四半期四半期報告書) 平成23年4月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結四半期純損益が▲6,025百万円であるところを7,242百万円と記載 ・投資有価証券評価損の不計上
    平成24年
    6月29日
    第45期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成24年3月期有価証券報告書) 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結当期純損益が▲2,910百万円であるところを10,357百万円と記載 ・投資有価証券評価損の不計上

    (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

(別紙2)課徴金の計算方法

  • 金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項の規定により、平成23年12月第3四半期四半期報告書及び平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    (i) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    (平成23年12月第3四半期四半期報告書 8,698,214円  
    平成24年3月期有価証券報告書 8,853,298円

    (ii) 6,000,000円

    を超えることから、

    平成23年12月第3四半期四半期報告書については、8,698,214円の2分の1に相当する額である4,340,000円(金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨て。以下、この項において同じ。)平成24年3月期有価証券報告書については、8,850,000円

    となる。

    ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり8,850,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分した金額(同第28項の規定により1円未満の端数を切り捨て)が課徴金の額となる。

    平成23年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は2,911,978円
    平成24年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は5,938,021円

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