平成25年11月1日

証券取引等監視委員会

ウェッジホールディングス株式に係る偽計に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、ウェッジホールディングス株式に係る偽計について証券取引検査等を行った結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者は、株式会社ウェッジホールディングス(以下「ウェッジホールディングス」という。)、昭和ホールディングス株式会社及びタイ王国に本店を置き、リゾートホテル所有法人への投資事業を業とするA.P.F.HOSPITALITY CO.,LTD(以下「ホスピタリティ」という。)の取締役等として、これらの各法人等により構成されるアジア・パートナーシップ・ファンド・グループ(以下「APFグループ」という。)を統括していたものであるが、昭和ホールディングス株式会社及び課徴金納付命令対象者の同族会社が保有しているウェッジホールディングス株式等の価格を上昇させようと企て、真実は、ウェッジホールディングスがホスピタリティ発行の仕組債兼転換社債を引き受けるに当たり、同社は、タイ民商法上転換社債の発行を禁じられた会社形態であり、タイ証券取引委員会からその発行の許可を受けることができず、かつ、その払込みは、払込金額8億円に満たない資金をAPFグループ内において循環させるなどして仮装するものであることから、ウェッジホールディングスにおいて、その転換権等の行使による株式の取得や、債務超過状態であったホスピタリティからの受取利息等の投資収益の増加は見込めず、上記社債に8億円の資産価値など認められないにもかかわらず、ウェッジホールディングス株式等の価格の上昇を図る目的をもって、平成22年3月4日、適時開示情報伝達システムであるTDnetにより、ウェッジホールディングスにおいて、同社債を引き受けることにより、転換権等の行使による株式取得や受取利息等の投資収益の増加が見込まれるなどの虚偽の内容を含む公表を行い、さらに、同月5日から同月12日までの間、同社債の払込金額8億円に満たない資金をウェッジホールディングス及びホスピタリティを含むAPFグループ内において循環させるなどして同社債の払込みを仮装した上、同月9日、同TDnetにより、ウェッジホールディングスにおいて、同社債の引受けによって受取利息等の投資収益が増加する見込みとなった旨の虚偽及び同社債の資産価値に疑義を抱かせるような重要な事情を一切考慮しない内容の業績予想数値等の公表を行い、これら一連の行為により、同社の株式等の価格を上昇させ、もって、有価証券の相場の変動を図る目的をもって、偽計を用い、当該偽計により有価証券の価格に影響を与えたものである。

    課徴金納付命令対象者が行った上記行為は、金融商品取引法第173条第1項に規定する「第158条の規定に違反して、偽計を用い」た違反行為に該当し、これにより「有価証券等の価格に影響を与えた」ものと認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、40億9605万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、タイ証券取引委員会(Securities and Exchange Commission Thailand)より支援がなされている。


(別紙)

課徴金の額の計算方法について

  • 1.金融商品取引法第173条第1項第2号の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、違反行為期間において、当該違反者が当該違反行為に係る有価証券等について自己の計算において行った有価証券の買付け等の数量(注1)が、当該違反者が当該違反行為に係る有価証券等について自己の計算において行った有価証券の売付け等の数量を超える場合、

    当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該有価証券等に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第130条に規定する最高の価格(注2)のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額

    を控除した額。

    • (注1)違反者(又は違反者の特定関係者)が、違反行為の開始時に当該違反行為に係る有価証券を所有している場合は、金融商品取引法第173条第7項及び金融商品取引法施行令第33条の8の3第1号の規定により、当該違反者が、違反行為の開始時に違反行為の開始前の価格で有価証券の買付け等を自己の計算においてしたものとみなす。

      また、当該有価証券が非上場有価証券等である場合における「違反行為の開始前の価格」については、金融商品取引法施行令第33条の6第2号の規定により、金融商品取引所に上場されている有価証券等で違反行為に係るものについて、違反行為の直近の価格に基づき合理的な方法により算出した価格として計算する。

    • (注2)金融商品取引法第130条に規定する最高の価格がない場合で、有価証券の売付け等が非上場有価証券の売付けであるときは、金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の9第3項第2号の規定により、上場有価証券等で違反行為に係るものについて、金融商品取引法第130条に規定する最高の価格に基づき合理的な方法により算出した価格として計算する。

  • 2.本件における課徴金の額は、下記(1)及び(2)によりそれぞれ算定される額の合計額4,096,056,500円から、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた40億9,605万円となる。

    • (1)株式に係る課徴金の算定

      違反行為期間におけるウェッジホールディングス株式の売付け等の数量は0であり、当該株式の買付け等の数量は、違反者の特定関係者である同族会社が違反行為の開始時に当該株式を所有していたため、違反者が違反行為の開始時に自己の計算において違反行為の開始前の価格(12,000円)で買付け等をしたものとみなされる当該株式の数量132,134株である。

      違反行為期間における買付け等の数量が売付け等の数量を超えることから、当該超える132,134株について、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該株式の最高価格のうち最も高い価格(39,250円)に、当該超える数量を乗じて得た額から、当該超える数量に係る当該株式の買付け等の価額を控除した額

      (39,250円×132,134株)−(12,000円×132,134株)=3,600,651,500円

    • (2)無担保転換社債型新株予約権付社債に係る課徴金の算定

    違反者の同族会社は、違反行為期間中、ウェッジホールディングス発行の無担保転換社債型新株予約権付社債(以下「本件CB」という。)10口を転換権未行使の状態で保有していたところ、本件CBは、転換権の対象となる株式を取得できる権利であって、偽計行為により、当該株式の価格に連動させて、本件CBの価格等にも影響を与えることが可能となるものであることから、本件CBも「違反行為に係る有価証券等」として課徴金の計算の基礎に含める。

    違反行為期間における本件CBの売付け等の数量は0であり、本件CBの買付け等の数量は、違反者の特定関係者である同族会社が違反行為の開始時に本件CBを所有していたため、違反者が違反行為の開始時に自己の計算において違反行為の開始前の価格で買付け等をしたものとみなされる本件CBの数量10口である。

    違反行為期間における買付け等の数量が売付け等の数量を超えることから、当該超える10口について、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該株式の最高価格に基づき合理的な方法により算出した価格のうち最も高い価格(39,250円に、本件CB1口あたりに割り当てられる当該株式数1,818株を乗じた71,356,500円)に、当該超える数量(本件CBの買付け等の数量10口)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る本件CBの買付け等の価額(当該株式に係る違反行為の直近の価格に基づき合理的な方法により算出された価格(12,000円に本件CB1口あたりに割り当てられる当該株式数1,818株を乗じた21,816,000円)に、本件CBの買付け等の数量10口を乗じて得た額)を控除した額

    (39,250円×1,818株×10口)−(12,000円×1,818株×10口)=495,405,000円

【参考】課徴金の計算の基礎となる有価証券の数量及び課徴金額の算定

課徴金の計算の基礎となる有価証券の数量は、下表のとおり、株式132,134株及び無担保転換社債型新株予約権付社債(以下「本件CB」という。)10口である。

(1) 株式に係る課徴金額の算定

当該株式1株あたりの違反行為開始前の価格

 

12,000円

 

 

39,250円

当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該株式1株あたりの最高価格のうち最も高い価格

 

(39,250円×132,134株)−(12,000円×132,134株)=3,600,651,500円 (I)

(2) 本件CBに係る課徴金額の算定

本件CB(転換権の対象となる株式を1口あたり1,818株取得できる権利。以下同じ。)1口あたりの違反行為開始前の価格として、違反行為に係る株式について違反行為の直近の価格に基づき合理的な方法により算出した価格

 

12,000円×1,818株

   

39,250円×1,818株

当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における本件CB1口あたりの最高価格に相当するものとして違反行為に係る株式の最高価格に基づき合理的な方法により算出した価格のうち最も高い価格

 

(39,250円×1,818株×10口)−(12,000円×1,818株×10口)=495,405,000円 (II)

課徴金の合計((I)+(II))

3,600,651,500円+495,405,000円=4,096,056,500円

の1万円未満の端数を切り捨てた40億9,605万円

参考資料:違反行為概要図(PDF:71KB)

 

 

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