平成26年5月16日

証券取引等監視委員会

おひさまエネルギーファンド株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会がおひさまエネルギーファンド株式会社(長野県飯田市、代表取締役 原 亮弘(はら あきひろ)、資本金1千万円、常勤役職員2名、第二種金融商品取引業)を検査した結果、下記のとおり、法令違反等の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    当社は、市民出資による自然エネルギー事業への投資を目的として組成された匿名組合契約(以下「ファンド」という。)に基づく権利(以下「ファンド持分」という。)に係る取得勧誘を業として行う第二種金融商品取引業者であり、第二種金融商品取引業に係る登録を受けた日(平成20年6月)以降、検査基準日(平成25年11月)までの間、計7種類14本のファンド持分(以下、当社が取得勧誘を行ったファンドを「本件ファンド」といい、それに基づく権利を「本件ファンド持分」という。)につき取得勧誘を行っている。

    また、本件ファンドのほとんどにおいて、当社自身のほか当社と実質的に一体と認められる関係会社が営業者を務めており、当社は、本件ファンドの運用状況を把握できる状況にある。

    今回の検証の結果、本件ファンドにおいてファンド資金の私的流用等の問題は認められなかったものの、当社等においては、少ない人的資源を自然エネルギー事業に係る業務等に費やす状況となっており、資金管理に係る業務について、代表取締役 原 亮弘(以下「原社長」という。)一人で集中的に管理することとなっていたため、ファンドの資金の管理等につき以下のとおり不適切な状況が認められた。

    • (1)分別管理が確保されていないにもかかわらずファンド持分の取得勧誘を行っている状況

      当社が本件ファンド持分の取得勧誘の際に使用している匿名組合契約書等の内容を検証したところ、営業者の固有財産とファンド資金との分別管理を行うことが確保されておらず、また、ファンド持分に関し出資された金銭であることが名義により明らかとなる預貯金口座が開設されていない状況が認められた。

      そして、実際の分別管理の状況を検証したところ、各出資者からの出資金は、各営業者名義の預貯金口座に対して振り込まれており、現に、各営業者の固有財産とファンド資金の分別管理が確保されていない状況が認められた。

      更に、本件ファンドのうち、当社又は当社と実質的に一体と認められる関係会社が営業者を務めるファンドは、契約締結前交付書面等により、ファンド立上げ直後の事業利益が発生していない計算期間等においては現金分配が行えないこととされているにもかかわらず、原社長は業務多忙で個別のファンド収益の算出が困難であるとして、当初の計画として掲げた目標に概ね沿った金額の現金分配を行っていた。

      このように、事業利益が発生しておらず、契約上、現金分配を行うことができない事業状況であったにもかかわらず、目標に沿った現金分配を行ったことに伴い、一部の本件ファンド間で資金の貸借が行われてファンドからの現金分配に充当されるなど、本件ファンドの出資金の管理には不適切な状況が認められた。

      以上のとおり、当社は、本件ファンドについて分別管理が確保されていない状況にあり、また、当該状況を当然に知りうる立場にあったにもかかわらず、当該状況が発生した後においても、ファンド資金に係る管理態勢を見直すことなく、新たなファンド持分の取得勧誘を継続していた。

    • (2)当局への虚偽報告

      当社は、関東財務局長による平成25年6月28日付の報告徴取命令に基づく報告書において、本件ファンドの分別管理に係る事項につき、「顧客の出資金および運用が、営業者の固有財産とは区分されたファンドの管理口座において管理されていることが確認された」等の虚偽の報告を行っていた。

    当社における上記(1)の状況は、金融商品取引法第40条の3(分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止)に違反するものと認められ、また、上記(2)については、同法第52条第1項第6号に掲げる「金融商品取引業に関し法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当するものと認められる。


(参考条文)

○金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止)

第四十条の三 金融商品取引業者等は、第二条第二項第五号若しくは第六号に掲げる権利又は同条第一項第二十一号に掲げる有価証券(政令で定めるものに限る。)若しくは同条第二項第七号に掲げる権利(政令で定めるものに限る。)については、当該権利又は有価証券に関し出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)が、当該金銭を充てて行われる事業を行う者の固有財産その他当該者の行う他の事業に係る財産と分別して管理することが当該権利又は有価証券に係る契約その他の法律行為において確保されているものとして内閣府令で定めるものでなければ、第二条第八項第一号、第二号又は第七号から第九号までに掲げる行為を行つてはならない。

(金融商品取引業者に対する監督上の処分)

第五十二条 内閣総理大臣は、金融商品取引業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該金融商品取引業者の第二十九条の登録を取り消し、第三十条第一項の認可を取り消し、又は六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

一〜五 (略)

六 金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し法令(第四十六条の六第二項を除く。)又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき。

七〜十一 (略)

2〜5 (略)

○金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)(抄)

(分別管理が確保されているもの)

第百二十五条 法第四十条の三に規定する内閣府令で定めるものは、同条に規定する権利又は有価証券に関し出資され、又は拠出された金銭を充てて事業を行う者(当該事業に係る業務を執行する者を含む。以下この条において「事業者」という。)に対し、当該事業者の定款(当該事業に係る規約その他の権利又は有価証券に係る契約その他の法律行為を含む。)により次に掲げる基準を満たすことが義務付けられていることにより、当該金銭が当該事業者の固有財産その他当該事業者の行う他の事業に係る財産と分別して管理されていることが確保されているものとする。

一 (略)

二 当該金銭が、次に掲げる方法により、適切に管理されていること。

イ (略)

ロ 銀行、協同組織金融機関、株式会社商工組合中央金庫又は外国の法令に準拠し、外国において銀行法第十条第一項第一号に掲げる業務を行う者への預金又は貯金(当該金銭であることがその名義により明らかなものに限る。)

ハ (略)