平成26年6月13日
証券取引等監視委員会
むさし証券株式会社による相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について
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1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、むさし証券株式会社(以下「むさし証券」という。)による相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
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2.法令違反の事実関係
むさし証券は、第一種金融商品取引業を行うことにつき内閣総理大臣の登録を受けている株式会社であるが、同社ディーラーにおいて、同社の業務に関し、TOPIX先物(平成25年9月限月)について、市場デリバティブ取引を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成25年7月29日から同月31日まで及び同年9月9日から同月11日までの間、合計6取引日にわたり、約定させる意思がないのに、買い最良気配値に多数の買い注文を発注したり、売り最良気配値に多数の売り注文を発注したりするなどの方法により、上記先物合計2016単位を買い付ける一方、同先物合計2016単位を売り付けるとともに、同先物合計4万3554単位の買い注文及び合計4万4889単位の売り注文を発注し、もって、自己の計算において、市場デリバティブ取引が繁盛であると誤解させ、かつ、上記先物の相場を変動させるべき一連の市場デリバティブ取引及び申込みをしたものである。
むさし証券が行った上記の行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」及び「その申込み」に該当すると認められる。
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3.課徴金の額の計算
上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、543万円である。
計算方法の詳細については、別紙のとおり。
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4.その他
本件については、日本取引所自主規制法人より支援がなされている。
<参考>むさし証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について
(別紙)
○課徴金の額の計算方法について
1.金融商品取引法第174条の2第1項に基づき、課徴金の額は、売買対当数量(注1)に係るものについて、
(有価証券の売付け等の価額)-(有価証券の買付け等の価額)
として計算される。
(注1)売買対当数量:当該違反行為に係る有価証券の売付け等数量と買付け等数量のうち、いずれか少ない数量をいう。
2.本件における課徴金の額は、金融商品取引法第176条第2項の規定により、下記(1)及び(2)によりそれぞれ計算した額(注2)の1万円未満を切り捨てた額を合計した543万円となる。
(1)平成25年7月29日ないし同月31日における一連の市場デリバティブ取引及び申込みについて
(有価証券の売付け等の価額)22,641,455,000円-(有価証券の買付け等の価額)
22,636,145,000円=5,310,000円
(2)平成25年9月9日ないし同月11日における一連の市場デリバティブ取引及び申込みについて
(有価証券の売付け等の価額)356,675,000円-(有価証券の買付け等の価額)
356,550,000円=125,000円
(注2)有価証券の売付け等の価額及び買付け等の価額の明細は、[
別表(PDF:64KB)]記載のとおりである。