平成26年6月17日

証券取引等監視委員会

株式会社トラフィックに対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    関東財務局長が株式会社トラフィック(東京都中央区、代表取締役 稲葉 智也(いなば ともなり)、資本金9百万円、常勤役職員9名、投資助言・代理業、適格機関投資家等特例業務)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る法令違反等の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    株式会社トラフィック(以下「当社」という。)は、適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)の届出を行い、特例業務として自らを営業者とし、外国為替証拠金取引及び有価証券等の取引を主な投資対象事業とする複数の匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の私募(取得勧誘)を行い、その出資金の運用を行っている。そのような中、当社の行う業務の運営状況を検証したところ、以下の問題点が認められた。

    • (1)ファンドの運用において、投資者保護上重大な問題が認められる状況

      当社は、検査基準日(平成25年1月)現在、運用している7つのファンドのうち4つのファンドについて、その出資金の一部を、匿名組合契約書に定められた投資対象事業以外の使途(当社と本店の所在地を同一とし、当社に社員を出向させ、かつ、当社の元取締役が代表取締役を務める2社に対する金銭貸付)に充当していた。なお、当社は、上記2社による資金の使用目的を確認することなく当該貸付を行っており、また、当該4つのファンドの運用報告書には当該貸付の状況を記載していなかった。

      更に、当社は、上記7つのファンドのうち1つのファンドについては、顧客からの出資金の一部を別のファンドの運用に充当していた。

      当社が行った上記の行為は、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

    • (2)無登録でファンドの出資持分の私募を行っている状況

      特例業務については、1名以上の適格機関投資家を相手方とする取得勧誘が行われることが要件とされている。

      当社は、今回の検査対象期間中(平成22年4月〜同25年1月)、10のファンド(以下「本件10ファンド」という。)の営業者として、出資持分の私募(取得勧誘)を行っている。

      本件10ファンドに、唯一の適格機関投資家として出資しているのは、甲投資事業有限責任組合(以下「甲組合」という。)であるが、甲組合の業務執行は、当社が行っている。

      このため、当社は、本件10ファンドの営業者であるとともに、甲組合の業務執行者でもあることから、甲組合からの本件10ファンドに対する出資は、適格機関投資家を相手方とする取得勧誘によるものとは認められない。

      したがって、当社が行った本件10ファンドの出資持分の私募(取得勧誘)は、特例業務の要件を満たさないものと認められる。

      当社が特例業務の要件を満たすことなく行った本件10ファンドの出資持分の私募(取得勧誘)は、金融商品取引法第28条第2項に規定する「第二種金融商品取引業」に該当するものであり、当社が同法第31条第4項に基づく変更登録を受けることなく第二種金融商品取引業を行うことは、同法第29条に違反するものと認められる。


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(定義)

第二条 (略)

2〜7 (略)

8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(その内容等を勘案し、投資者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるもの及び銀行、優先出資法第二条第一項 に規定する協同組織金融機関(以下「協同組織金融機関」という。)その他政令で定める金融機関が行う第十二号 、第十四号、第十五号又は第二十八条第八項各号に掲げるものを除く。)のいずれかを業として行うことをいう。

一〜六 (略)

七 有価証券(次に掲げるものに限る。)の募集又は私募

イ〜ホ(略)

ヘ 第二項の規定により有価証券とみなされる同項第五号又は第六号に掲げる権利

(以下、略)

第二十八条(略)

2 この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

一 第二条第八項第七号に掲げる行為

(以下、略)

(登録)

第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

(金融商品取引業者に対する業務改善命令)

第五十一条 内閣総理大臣は、金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該金融商品取引業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条 次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。

一 適格機関投資家等(適格機関投資家以外の者で政令で定めるもの(その数が政令で定める数以下の場合に限る。)及び適格機関投資家をいう。以下この条において同じ。)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に係る私募(適格機関投資家等(次のいずれにも該当しないものに限る。)以外の者が当該権利を取得するおそれが少ないものとして政令で定めるものに限る。)

(以下、略)