平成26年7月3日

証券取引等監視委員会

株式会社Grant及びその役員等3名の金融商品取引法違反行為に係る裁判所への申立てについて

  • 1.申立ての内容等

    証券取引等監視委員会が、株式会社Grant(大阪市北区、代表取締役 奥寺晃司(おくでらこうじ)、資本金100万円、役職員2名、金融商品取引業の登録等はない。以下「当社」という。)に対して金融商品取引法(以下「金商法」という。)第187条第1項に基づく調査を行った結果、下記2.の事実が認められたことから、本日、証券取引等監視委員会は、金商法第192条第1項の規定に基づき、大阪地方裁判所に対し、当社、当社の代表取締役奥寺晃司、当社関係者川田誠(かわだまこと)及び同宿利原卓(やどりはらたく。以下、奥寺晃司、川田誠及び宿利原卓を併せて「川田ら」という。また、当社及び川田らを併せて「当社ら」という。)を被申立人として金商法違反行為(無登録で、同法第2条第2項の規定により有価証券とみなされる同項第5号又は6号に掲げる権利の募集又は私募の取扱いを行うこと)の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行った。

  • 2.事実関係

    川田らは、平成23年12月頃以降、川田が「会長」を務める当社において、自ら又は多数の金融商品取引業の登録のない代理店(以下「無登録代理店」という。)を利用して、多数の一般投資家に対し、海外の第一次販売代理店から紹介された、海外集団投資スキーム持分に該当する積立型の金融商品(以下「海外ファンド」という。)に係る取得勧誘を行っている。

    その結果、海外ファンドを取得した顧客は、平成23年12月頃から平成26年5月頃までの間で、延べ約1,600名に及び、同月までの積立額の合計は約16億円に上る。

    なお、当社らは、川田らが実質支配する海外の関連法人を介するなどして、無登録代理店に対して、販売手数料として、顧客の拠出金額に応じた金銭を支払っていた。

    当社らは、現在においても、多数の一般投資家に対し、海外ファンドに係る取得勧誘を行っており、こうした取得勧誘行為は、金商法第28条第2項第2号に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、無登録でこれを行うことは同法第29条に違反するものである。

    そして、当社らは、平成26年5月において、より多くの顧客を獲得することを目的として、無登録代理店を増やす方法を企画し、海外ファンドの取得勧誘の拡大を図っている。

    なお、以上に加え、川田らは、平成19年8月頃から平成21年12月頃までの間、川田が代表者を務める株式会社アビオン35(金融商品取引業の登録等はない。)において、また平成22年1月頃から平成23年11月頃までの間、宿利原が代表者を務めるジースリー株式会社(第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)において、自ら又は上記無登録代理店を利用して、海外ファンドに係る取得勧誘を行っていた。その結果、海外ファンドを取得した顧客は、平成19年8月頃から平成23年11月頃までの間で、延べ約2,400名に及び、本年5月までの積立額の合計は約73億円に上る。

    さらに、川田らは、平成19年3月頃から平成24年5月頃までの間、自ら又は上記無登録代理店を利用して、同人らが実質支配する国内外の関連法人等が営業者となり組成・運用する複数のファンドの持分(主に匿名組合契約に基づく権利)の取得勧誘を行っていたところ、これらのファンド持分を取得した一般投資家は、上記期間で、延べ約1,600名に及び、その出資額は約56億円に上る。

    以上からすれば、当社らは上記違法行為を今後も行う蓋然性が高く、これを可及的速やかに禁止・停止させる必要がある。

PDF参考資料(PDF:47KB)


金融商品取引法違反行為に係る裁判所への申立て
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参考条文

○第二種金融商品取引業

金融商品取引法(抄)

(定義)

第二条 この法律において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう。
一〜二十一 (略)

2 (前略)、次に掲げる権利は、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であつても有価証券とみなして、この法律の規定を適用する。

一〜四 (略)

五 民法(中略)第六百六十七条第一項に規定する組合契約、商法(中略)第五百三十五条に規定する匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律(中略)第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律(中略)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権その他の権利(外国の法令に基づくものを除く。)のうち、当該権利を有する者(中略)が出資又は拠出をした金銭(中略)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であつて、次のいずれにも該当しないもの(略)

イ〜ニ (略)

外国の法令に基づく権利であつて、前号に掲げる権利に類するもの

七 (略)

3〜7 (略)

8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(略)のいずれかを業として行うことをいう。

一〜八 (略)

九 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い

十〜十八(略)

9〜39 (略)

第二十八条 (略)

2 この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

一 (略)

二 第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利についての同条第八項第一号から第三号まで、第五号、第八号又は第九号に掲げる行為

三・四 (略)

3〜8 (略)

(登録)

第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

○緊急差止命令に係る申立て

金融商品取引法(抄)

(審問等に関する調査のための処分)

第百八十七条 内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、この法律の規定による審問、この法律の規定による処分に係る聴聞又は第百九十二条の規定による申立てについて、必要な調査をするため、当該職員に、次に掲げる処分をさせることができる。

一 関係人若しくは参考人に出頭を命じて意見を聴取し、又はこれらの者から意見書若しくは報告書を提出させること。

二 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。

三 関係人に対し帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。

四 関係人の業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。

 (略)

(裁判所の禁止又は停止命令)

第百九十二条 裁判所は、緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。

2 裁判所は、前項の規定により発した命令を取り消し、又は変更することができる。

3 前二項の事件は、被申立人の住所地又は第一項に規定する行為が行われ、若しくは行われようとする地の地方裁判所の管轄とする。

4 第一項及び第二項の裁判については、非訟事件手続法 (平成二十三年法律第五十一号)の定めるところによる。

第百九十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一〜七 (略)

 第百九十二条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反した者

第二百七条 法人(中略)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一・二 (略)

三 第百九十八条(中略)又は第百九十八条の三から第百九十八条の五まで 三億円以下の罰金刑

四〜六 (略)

2・3 (略)