平成26年8月6日

証券取引等監視委員会

株式会社グランター及びその役職員2名の金融商品取引法違反行為に係る裁判所への申立てについて

  • 1.申立ての内容等

    証券取引等監視委員会が、株式会社グランター(東京都港区、代表取締役 木戸雄介(きどゆうすけ)、資本金500万円、役職員8名、金融商品取引業の登録等はない。以下「当社」という。)に対して金融商品取引法(以下「金商法」という。)第187条第1項に基づく調査を行った結果、下記2.の事実が認められたことから、本日、証券取引等監視委員会は、金商法第192条第1項の規定に基づき、東京地方裁判所に対し、当社、当社の代表取締役木戸雄介及び当社職員清水充(しみずみつる。当社の職位上の「専務取締役」である。以下、当社、木戸雄介及び清水充を併せて「当社ら」という。)を被申立人として金商法違反行為(無登録で、投資一任契約の締結の媒介及び同法第2条第2項の規定により有価証券とみなされる同項第3号又は5号若しくは6号に掲げる権利の募集又は私募の取扱いを行うこと)の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行った。

  • 2.事実関係

    当社らは、全国各地で「資産運用セミナー」と称するセミナーを頻繁に開催して参加者に対し取得勧誘を行っているところ、平成25年10月頃以降、多数の一般投資家に対し、当社の関連会社である外国法人のPB EDGE COMPANY LIMITED(以下「PB社」という。)が運用を行うとする「資産管理口座」と称するラップ口座の開設の勧誘を行い、多数の一般投資家とPB社との間で、投資一任契約を締結させた。

    また、当社らは、平成26年1月頃以降、多数の一般投資家に対し、当社の関連会社であるSTパートナーズ株式会社が発行する社債の取得を行うことを事業内容とするSTP合同会社の社員権に係る取得勧誘を行っている。

    さらに、当社らは、平成24年10月頃以降、多数の一般投資家に対し、海外集団投資スキーム持分に該当する積立型の金融商品(以下「海外ファンド」という。)に係る取得勧誘を行っている。

    その結果、平成25年10月頃から平成26年6月頃までの間に、延べ1826名の一般投資家がPB社との間で投資一任契約を締結し、約6億円を出資した。また、同年1月頃から同年6月頃までの間に、延べ1129名の一般投資家がSTP合同会社の社員権を取得し、約7億円を出資した。さらに、平成24年10月頃から平成26年6月頃までの間に、延べ251名の一般投資家が海外ファンドを取得し、同月までに合計約4500万円を出資した。

    なお、当社らは、顧客となっていた個人又は法人に対して、一般投資家を当社に紹介するよう委託するとともに、出資金額に応じた紹介手数料を毎月支払っている。

    当社らの上記各行為は、金商法第28条第3項第2号に規定する「投資助言・代理業」又は同条第2項第2号に規定する「第二種金融商品取引業」にそれぞれ該当し、無登録でこれを行うことはいずれも同法第29条に違反するものである。

    そして、当社らは、こうした勧誘行為を現在まで継続しているとともに、今後も継続して勧誘を行っていくことを計画している。

    以上に加え、当社らは、平成23年10月頃から平成25年9月頃までの間、当社の関連会社である外国法人のStep 1 Up (Asia) Limitedが運用を行うとするラップ口座の開設の勧誘を行い、延べ4553名の一般投資家と同社との間で投資一任契約を締結させ、約27億円を出資させた。また、当社は、平成24年10月頃から平成26年3月頃までの間、当社又は当社の関連会社である国内法人の株式会社エッジコンストラクショングループが組成するファンドの持分の取得勧誘を行い、延べ2224名の一般投資家に約40億円を出資させた。そして、当社らは、これらの顧客に対する配当支払が負担となったことなどから、当該顧客に対し、上記PB社が運用を行うとするラップ口座及びSTP合同会社の社員権への出資金の移行を勧めている。

    以上からすれば、当社らは上記違法行為を今後も行う蓋然性が高く、これを可及的速やかに禁止・停止させる必要がある。

PDF参考資料(PDF:49KB)


金融商品取引法違反行為に係る裁判所への申立て
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参考条文

○投資助言・代理業及び第二種金融商品取引業

金融商品取引法(抄)

(定義)

第二条 この法律において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう。

一〜二十一 (略)

2 (前略)、次に掲げる権利は、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であつても有価証券とみなして、この法律の規定を適用する。

一・二 (略)

三 合名会社若しくは合資会社の社員権(政令で定めるものに限る。)又は合同会社の社員権

四 (略)

五 民法(中略)第六百六十七条第一項に規定する組合契約、商法(中略)第五百三十五条に規定する匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律(中略)第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律(中略)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権その他の権利(外国の法令に基づくものを除く。)のうち、当該権利を有する者(中略)が出資又は拠出をした金銭(中略)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であつて、次のいずれにも該当しないもの(略)

イ〜ニ (略)

六 外国の法令に基づく権利であつて、前号に掲げる権利に類するもの

七 (略)

3〜7 (略)

8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(略)のいずれかを業として行うことをいう。

一〜八 (略)

九 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い

十・十一 (略)

十二 (略)

イ (略)

ロ イに掲げるもののほか、当事者の一方が、相手方から、金融商品の価値等の分析に基づく投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づき当該相手方のため投資を行うのに必要な権限を委任されることを内容とする契約(以下「投資一任契約」という。)

十三 投資顧問契約又は投資一任契約の締結の代理又は媒介

十四〜十八 (略)

9〜39 (略)

第二十八条 (略)

2 この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

一 (略)

二 第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利についての同条第八項第一号から第三号まで、第五号、第八号又は第九号に掲げる行為

三・四 (略)

3 この章において「投資助言・代理業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

一 (略)

二 第二条第八項第十三号に掲げる行為

4〜8 (略)

(登録)

第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

○緊急差止命令に係る申立て

金融商品取引法(抄)

(審問等に関する調査のための処分)

第百八十七条 内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、この法律の規定による審問、この法律の規定による処分に係る聴聞又は第百九十二条の規定による申立てについて、必要な調査をするため、当該職員に、次に掲げる処分をさせることができる。

一 関係人若しくは参考人に出頭を命じて意見を聴取し、又はこれらの者から意見書若しくは報告書を提出させること。

二 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。

三 関係人に対し帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。

四 関係人の業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。

 (略)

(裁判所の禁止又は停止命令)

第百九十二条 裁判所は、緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。

2 裁判所は、前項の規定により発した命令を取り消し、又は変更することができる。

3 前二項の事件は、被申立人の住所地又は第一項に規定する行為が行われ、若しくは行われようとする地の地方裁判所の管轄とする。

4 第一項及び第二項の裁判については、非訟事件手続法 (平成二十三年法律第五十一号)の定めるところによる。

第百九十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一〜七 (略)

八 第百九十二条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反した者

第二百七条 法人(中略)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一・二 (略)

三 第百九十八条(中略)又は第百九十八条の三から第百九十八条の五まで 三億円以下の罰金刑

四〜六 (略)

2・3 (略)