平成27年3月3日

証券取引等監視委員会

クエストキャピタルマネージメント有限会社に対する検査結果について

  • 1.検査結果

    証券取引等監視委員会がクエストキャピタルマネージメント有限会社(所在地 東京都港区、取締役 松井 直幸(まつい なおゆき)、資本金5百万円、常勤役職員1名、適格機関投資家等特例業務届出者。以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該適格機関投資家等特例業務届出者等に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、金融庁長官に対して、適切な措置を講じるための情報提供を行った。

  • 2.事実関係

    当社は、AR1有限責任事業組合(以下「AR1」という。)、AR2有限責任事業組合(以下「AR2」という。)及びKLEM任意組合(以下「KLEM」といい、AR1及びAR2と併せて「本件ファンド」という。)の業務執行組合員として、組合財産の運用、管理等を行っている。

    しかしながら、当社は、平成25年10月に適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)の届出を行った際、既に組合財産の運用、管理等を行っていた本件ファンドについて、その旨を全く記載しなかった。また、当社は、同26年7月の関東財務局長からの報告命令に対しても、本件ファンドにおいて多額の出資金を集めていたにもかかわらず、記載しない又は偽った金額を記載することにより虚偽の報告を行っている。

    そのような中、本件ファンド業務の運営状況等を検証したところ、以下の問題点が認められた。

    • (1)第二種金融商品取引業に係る無登録営業

      当社は、自身を営業者とするAR1及びKLEMの各出資持分の取得勧誘を行っているところ、AR1及びKLEMはいずれも適格機関投資家からの出資を受けておらず、当該取得勧誘は金融商品取引法第63条第1項第1号に規定する特例業務の要件を充足していない。

      当社が行った上記行為は、同法第28条第2項に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、同法第29条に基づく登録を受けないまま、上記行為を行うことは、同条に違反するものと認められる。

    • (2)投資者保護上問題が認められる状況

      • 無登録の者にファンドの取得勧誘を行わせている状況

        当社は、金融商品取引業の登録を受けていないAR2の一部の組合員等(大和久茂則(千葉県千葉市)、玉田宏(東京都渋谷区)、池田崇宏(東京都港区)及びグローバルエコシス株式会社(東京都新宿区、代表取締役 伊藤直人))と、「準業務執行組合員契約」と称する合意を締結した上(以下、AR2との間で、同合意を締結した組合員等を「準業務執行組合員等」という。)、準業務執行組合員等にAR2の取得勧誘を行わせ、金銭を支払っている。

        準業務執行組合員等が行った行為は、同法第28条第2項に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、同法第29条に基づく登録を受けないまま、上記行為を行うことは、同条に違反するものと認められる。

      • 出資金の流用等

        当社は、AR2の出資金について、契約上定められた投資対象事業による運用をほとんど行っておらず、したがって、運用収益が発生していないため、契約上は分配を行わないものとされているにもかかわらず、AR2の組合員に対し、出資金を原資として、配当金を定期的に支払っているほか、準業務執行組合員等に対する金銭支払並びに他のファンドの組合員に対する配当金及び償還金に出資金を流用している。

      • 組合員に対する虚偽の運用報告書の交付等

        当社は、AR2の一部の組合員に対し、運用収益が発生しているという虚偽の内容を記載した運用報告書を交付しているほか、契約上定められた投資対象事業により出資金を運用している旨の虚偽の説明を行っている。

    当社は、無登録の者にAR2の取得勧誘を行わせているとともに、AR2の出資金を流用し、さらに組合員に虚偽の運用報告書を交付するなどしており、こうした状況は、投資者保護上重大な問題があると認められる。


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(登録)

第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条 次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。

一 適格機関投資家等(適格機関投資家以外の者で政令で定めるもの(その数が政令で定める数以下の場合に限る。)及び適格機関投資家をいう。以下この条において同じ。)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に係る私募(適格機関投資家等(次のいずれにも該当しないものに限る。)以外の者が当該権利を取得するおそれが少ないものとして政令で定めるものに限る。)

(以下、略)

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