平成27年6月26日

証券取引等監視委員会

日本クラウド証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    関東財務局長が日本クラウド証券株式会社(東京都港区、代表取締役 大前 和徳(おおまえ かずのり)、資本金117百万円、常勤役職員16名、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • (1)分別管理を適切に行っていない状況

      日本クラウド証券株式会社(以下「当社」という。)は、グリーンシート銘柄(日本証券業協会により創設された、非上場株式等の取引制度に基づく銘柄)の売買等及び募集の取扱いに係る業務(以下、当該行為に係る業務を「第一種業務」という。)並びに匿名組合の出資持分に係る募集の取扱いに係る業務(以下、当該行為に係る業務を「第二種業務」という。)に関し、顧客から金銭の預託を受け(以下、当該金銭を「顧客預り金」という。)、業務システムを使用して両業務に係る顧客預り金の管理を行うとしていた。

      しかしながら、当社経営陣は、法令遵守の意識が不十分であったことから、顧客預り金を正確に算定するために必要となる社内規程や業務システムを整備するなどの内部管理態勢を構築しないまま、第一種業務及び第二種業務を運営していた。

      このため、当社は、下記ア及びイのとおり、第一種業務及び第二種業務に係る顧客預り金残高を正確に把握できておらず、遅くとも第二種業務を開始した平成25年12月10日から検査基準日(同27年2月24日)までの間、顧客預り金について適切な分別管理ができていない状況を継続させていた。

      • 第一種業務に関し、業務システムへの入力作業において多数の遅延等を発生させているところ、それらの補正を完了させておらず、顧客預り金残高を正確に把握していない。

      • 第二種業務に関し、上記アと同様に業務システムへの入力作業の遅延等に係る補正を完了させていないほか、顧客の出資金を匿名組合の営業者名義の銀行口座に送金するまでの間、当社銀行口座に滞留させている状況にあるにもかかわらず、顧客預り金として管理すべき金額に含めていない。

      当社における上記(1)の状況は、金融商品取引法第43条の2第2項に違反するものと認められる。

    • (2)顧客に対し必要な情報を適切に通知していないと認められる状況

      当社は、第一種業務又は第二種業務において成立した取引について、金銭の受渡年月日等を記載した取引残高報告書を業務システムにより作成し、四半期ごとに顧客に交付している。

      しかしながら、当社は、取引量の増加等に伴い業務システムへの取引内容の入力遅延が発生したことにより、平成26年1月から同年9月までの3四半期において、第一種業務及び第二種業務について、金銭の受渡しに係る事項を正確に記載していない取引残高報告書を交付しており、受渡状況等につき不適切な情報を顧客に通知している。

      当社における上記(2)の状況は、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第8号に掲げる「顧客の有価証券の売買その他の取引等に関し、受渡状況その他の顧客に必要な情報を適切に通知していないと認められる状況」に該当するものと認められる。


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(適合性の原則等)

第四十条 金融商品取引業者等は、業務の運営の状況が次の各号のいずれかに該当することのないように、その業務を行わなければならない。

一 (略)

前号に掲げるもののほか、業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱いを確保するための措置を講じていないと認められる状況、その他業務の運営の状況が公益に反し、又は投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定める状況にあること。

(分別管理)

第四十三条の二(略)

金融商品取引業者等は、次に掲げる金銭又は有価証券について、当該金融商品取引業者等が金融商品取引業(登録金融機関業務を含む。以下この項において同じ。)を廃止した場合その他金融商品取引業を行わないこととなつた場合に顧客に返還すべき額として内閣府令で定めるところにより算定したものに相当する金銭を、自己の固有財産と分別して管理し、内閣府令で定めるところにより、当該金融商品取引業者等が金融商品取引業を廃止した場合その他金融商品取引業を行わないこととなつた場合に顧客に返還すべき額に相当する金銭を管理することを目的として、国内において、信託会社等に信託をしなければならない。

(略)

二 対象有価証券関連取引に関し、顧客の計算に属する金銭又は金融商品取引業者等が顧客から預託を受けた金銭(前号に掲げる金銭を除く。)

(略)

(略)

金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)(抄)

(業務の運営の状況が公益に反し又は投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるもの)

第百二十三条法第四十条第二号に規定する内閣府令で定める状況は、次に掲げる状況とする。

一〜七(略)

顧客の有価証券の売買その他の取引等に関し、受渡状況その他の顧客に必要な情報を適切に通知していないと認められる状況

(以下、略)