平成28年2月2日

証券取引等監視委員会

Evo Investment Advisors Ltd.による相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、Evo Investment Advisors Ltd.(以下「エボ・インベストメント」という。)による相場操縦について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、平成28年1月29日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    エボ・インベストメントは、英国領ケイマン諸島(以下「ケイマン」という。)の法令に基づいて設立され、ケイマンに登記住所を置く会社であり、同社の子会社でありケイマン法に基づく会社型のファンド(以下「フィーダー・ファンド」という。)及びフィーダー・ファンドの子会社でありケイマン法に基づく会社型のファンド(以下「マスター・ファンド」という。)との間で締結したインベストメント・マネジメント契約に基づいて、マスター・ファンドに出資された資産の運用権限を有していたものであるが、エボ・インベストメントのトレーダーとして株式売買業務に従事していた者において、同社のマスター・ファンドの運用に係る業務として、東京証券取引所マザーズ市場に上場している株式会社ディー・ディー・エスの株式につき、私設取引システム (Proprietary Trading System。以下「PTS」という。)を利用した同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成26年5月15日午前8時20分頃から同日午前8時55分頃までの間、金融商品取引所の午前立会時間開始前の注文受付時間に、株式会社東京証券取引所において、約定させる意思のない大量の成行条件の買い注文を発注して寄前気配値段を引き上げた上で、PTSで売り注文を発注し、その売り注文を自己に有利な価格で約定させるなどの方法により、同株式合計28万6700株の買い注文を発注するとともに、同株式合計2万7500株を売り付け、もって、自己の計算において、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、取引所金融商品市場における同株式の相場を変動させるべき一連の買付けの委託及び売付けをしたものである。

    違反行為事実の概要については、別図1及びのとおり。

    エボ・インベストメントが行った上記の行為は、金融商品取引法第174条の2第1項に規定する「第159条第2項第1号の規定に違反する一連の有価証券売買等」及びその「委託等」に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為について金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、920万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)及び日本取引所自主規制法人より支援がなされている。


(別図1)

違反行為事実の概要について(1)

違反行為事実の概要について(1)
(クリックすると拡大されます)

(別図2)

違反行為事実の概要について(2)

違反行為事実の概要について(2)
(クリックすると拡大されます)

(別紙)

課徴金の額の計算方法について

  • 1.当該違反行為に係る課徴金の額は、金融商品取引法第174条の2第1項の規定により、

    • (1)当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(注1)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (注1)売買対当数量:当該違反行為に係る有価証券の売付け等数量と買付け等数量のうち、いずれか少ない数量をいう。

    及び

    • (2)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(注2)が当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量を超える場合は、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券等に係る有価証券の売付け等についての同法第67条の19又は第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (注2)金融商品取引法第174条の2第8項及び同法施行令第33条の13第1号の規定により、違反者が違反行為の開始時に当該違反行為に係る有価証券を所有している場合には、上記(1)及び(2)に掲げる課徴金の額の計算において、当該違反者が、当該違反行為の開始時にその時における価格で当該違反行為に係る有価証券の買付け等を自己の計算においてしたものとみなす。

    を合計し、

    • (3)同法第176条第2項の規定により、前記(1)及び(2)の合計額に一万円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる

    ことで算出される。

  • 2.本件では、

    • (1)売買対当数量(注3)に係る課徴金の額 8,990,940円(注4)

      (注3)当該違反行為に係る売買対当数量は、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量が27,500株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、当該違反行為の開始時に所有しており、金融商品取引法第174条の2第8項及び同法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為開始時にその時における価格(1,182円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる27,800株であることから、27,500株となる。

      (注4)算定式は次のとおり。

      (1,399円×100株+1,400円×1,900株+1,420円×100株+1,440円×2,500株+1,450円×5,400株+1,460円×1,000株+1,480円×3,600株+1,480.1円×100株+1,480.2円×100株+1,480.3円×100株+1,490円×100株+1,500円×1,400株+1,530円×900株+1,540円×100株+1,542円×100株+1,549.8円×100株+1,549.9円×200株+1,560円×1,300株+1,563円×200株+1,565円×100株+1,566円×100株+1,567円×100株+1,589.9円×800株+1,595円×100株+1,600円×5,500株+1,610円×600株+1,650円×900株)−(1,182円×27,500株)

      =8,990,940円

    及び

    • (2)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量を超える当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量(300株)に係る課徴金の額 215,100円(注5)

      (注5)当該違反行為が終了してから、1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金融商品取引法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(1,899円)に当該超える数量(300株(27,800株−27,500株))を乗じて得た額(569,700円)から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額(1,182円×300株=354,600円)を控除することで算出される。

    を合計し(9,206,040円)、

    • (3)一万円未満の端数(6,040円)を切り捨てた金額である

      920万円が課徴金の額となる。

【参考】課徴金の額の計算に係る考え方の例

課徴金の額の計算に係る考え方の例

別表(PDF:62KB)

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