平成28年6月7日

証券取引等監視委員会

共和証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.勧告の内容

    関東財務局長が共和証券株式会社(東京都中央区、法人番号8010001041456、代表取締役社長 梅原 知彦(うめはら ともひこ)、資本金5億円、常勤役職員90名、第一種金融商品取引業、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をする行為

      株式会社ページワン・ネオ・バンク(東京都中央区、代表取締役 山科 豊弘、金融商品取引業の登録はない。以下「PNB社」という。)は、PNB1号合同会社及びPNB2号合同会社(以下、それぞれ「PNB1号社」、「PNB2号社」といい、併せて「本件2社」という。)を設立し、本件2社との間で締結した業務委任契約に基づき、本件2社が行う一般売掛債権の買取業務全般を管理・運営している。

      本件2社は、一般事業会社の一般売掛債権の買取業務を行うためとして、PNB1号社において「PNB1号合同会社発行私募社債」を、PNB2号社において「PNB2号合同会社発行私募社債」(以下、それぞれ「PNB1号債」、「PNB2号債」といい、併せて「本件2社債」という。)をそれぞれ発行し、資金を調達している。

      本件2社債は、共和証券株式会社(以下「当社」という。)が販売しており、その発行残高は、平成28年3月末現在、それぞれ約8.9億円、約7.5億円、合計で約16.4億円となっている。

      関東財務局において、本件2社債の実態を検証したところ、 以下の事実が認められた。

      • 本件2社は、「裏付資産」として、一般事業会社(以下「クライアント企業」という。)から一般売掛債権を買い取っているとしているが、一般売掛債権の買取業務を開始した当初から、クライアント企業の一部について、買い取ったとする一般売掛債権が実在しておらず、事実上、クライアント企業に対する無担保での貸付けとなっている。

        なお、平成28年4月5日現在、本件2社が買い取ったとする一般売掛債権のうち約6割が実在しておらず、無担保での貸付けとなっており、当該貸付額の少なくとも3分の2程度が回収不能となっている。

      また、本件2社が実際に一般売掛債権を買い取ったものについても、

      • 本件2社は、クライアント企業から買い取る一般売掛債権の債務者(以下「債務者」という。)について、「上場企業・上場系列、大手調査会社評点55点以上」の企業であることとの基準を設けているが、一般売掛債権の買取業務を開始した当初から、当該基準を満たさない債務者に係る一般売掛債権の買取りが行われている。

        なお、平成28年4月5日現在、約4割の債務者が当該基準を満たしていない。

      なお、本件2社が買い取る一般売掛債権の支払については、債務者が本件2社に直接行うものとしているが、債務者から直接支払われているかのように見せかけるため、PNB社からの依頼により、クライアント企業の多くが債務者の名を騙って本件2社に入金している状況にある。

      当社は、本件2社債の販売に当たって、商品内容や発行会社等の審査をほとんど行っておらず、販売を開始した後も事後的なモニタリングをほとんど行っていないため、上記ア及びイの事実を把握していなかった。こうしたことから、当社による本件2社債の販売について、以下の問題が認められた。

      上記アに関し、本件2社が買い取ったとする一般売掛債権の一部が実在しておらず、無担保での貸付けとなっていたにもかかわらず、本件2社債の販売用資料において、事実に反し、本件2社債の「裏付資産」が「発行体の保有する真正譲渡された一般売掛債権」であると記載し、説明していた。

      上記イに関し、本件2社が買い取った一般売掛債権の債務者の一部について、「上場企業・上場系列、大手調査会社評点55点以上」の基準を満たしていない企業であったにもかかわらず、本件2社債の販売用資料において、事実に反し、買い取りを行う一般売掛債権の債務者は、当該基準を満たした企業であると記載し、説明していた。

      当社の上記の行為は、金融商品取引法第38条第8号(平成26年5月30日法律第44号による改正前は同条第7号)に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示(略)をする行為」に該当するものと認められる。


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(禁止行為)

第三十八条金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。

一~七(略)

前各号に掲げるもののほか、投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるものとして内閣府令で定める行為

金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)(抄)

(禁止行為)

第百十七条法第三十八条第八号に規定する内閣府令で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(略)

金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をし、又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

(以下、略)

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