平成28年10月7日

証券取引等監視委員会

東京アジアレプラカン株式会社に対する検査結果及び勧告について

  • 1.検査結果

    関東財務局長が東京アジアレプラカン株式会社(東京都千代田区、法人番号7010001164373、代表取締役 朝日 聡一(あさひ としかず)、資本金400万円、常勤役職員8名、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該適格機関投資家等特例業務届出者に係る問題が認められた。

  • 2.事実関係

    当社は、適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)として、自らを営業者とする3つの匿名組合の権利の取得勧誘及び出資金の運用を行っている(出資者:延べ75名、出資総額:約2.7億円)。今回検査において、当社の特例業務の運営状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

    • (1)無登録で第二種金融商品取引業及び投資運用業を行っている状況

      当社は、レプラカン匿名組合(以下「レプラカンファンド」という。)について、合同会社CHERISH(特例業務届出者。同社に対する検査結果は平成28年4月22日に公表済。以下「C社」という。)が無限責任組合員を務めるGRACE投資事業有限責任組合(以下「GRACE LPS」という。)から適格機関投資家として出資(以下「適格機関投資家出資」という。)を受けたとしている。

      しかしながら、当社は、GRACE LPSからの適格機関投資家出資に先立ち、C社の代表社員である松浦直樹氏に対し、架空のコンサルティング報酬名目で出資額に相当する金銭を支払っており、実際には当社が出資金を負担している状況が認められた。

      したがって、レプラカンファンドに対するGRACE LPSからの出資金は、適格機関投資家出資がなされているかのような外観を仮装したものに過ぎず、適格機関投資家出資とは到底評価し得ないものであり、当該ファンドは、平成27年法律第32号による改正前の金融商品取引法第63条第1項第1号及び第2号に規定する特例業務の要件を満たしていない。

      当社が行った上記の行為は、金融商品取引法第28条第2項に規定する「第二種金融商品取引業」及び同条第4項に規定する「投資運用業」に該当し、当社が同法第29条に基づく登録を受けることなく、当該行為を行うことは、同条に違反するものと認められる。

    • (2)投資者保護上問題のある業務運営

      当社のストールファンドに係る業務運営の状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

      • 不適切な分配金の支払いを行っている状況

        ストールファンドの匿名組合契約約款(以下「約款」という。)においては、運用収益の中から分配金を支払うことが定められていた。また、運用収益の算定においては、実現益のみならず評価損を考慮することが前提とされていた。

        しかしながら、当社は、評価損を考慮せず、実現益のみに基づき運用収益を算定し、評価損の状況を顧客に報告することなく、出資金を原資として、運用収益を上回る分配金を顧客に支払った。

      • 不当に営業者報酬を受領している状況

        当社は、ストールファンドの運用における日経225先物取引において、営業者報酬(成功報酬)を得ることを目的として、相場の変動にかかわらず必ず一方の取引で実現益が出せる両建て取引を複数回にわたり行うことにより、見せかけの実現益を出し、出資金を原資として、不当に営業者報酬(成功報酬)を受領した。

      • 出資金を流用して中途解約者の解約償還金を支払っている状況

        当社は、運用元本の毀損による顧客からの苦情や紛争が発生することをおそれ、中途解約者に対して適正な償還金額を上回る解約償還金を支払うため、出資金を流用した。

      • 純資産額を無視して顧客に誤った出資口数を取得させている状況

        約款において、出資口数は、出資金額を一口あたりの純資産額で除した値とすると定められている。しかしながら、当社は、ストールファンドの純資産額が変動しているにもかかわらず、事務が煩雑になる等の理由から、全ての出資に対して一口1円として出資口数を算定し、約款に反する不公平な方法により出資口数の割り当てを行っていた。

      当社が行った上記アからエの行為は、投資者保護上重大な問題があると認められる。また、当社は、検査基準日(平成28年4月18日)現在においても、何ら業務運営の改善を図っておらず、出資金が毀損している状況等について顧客への説明を一切行っていないなど、著しく不適切な業務運営を継続している。

      以上のことから、当社の業務運営は、金融商品取引法第63条の5第1項に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

  • 3.勧告の内容

    上記事実関係のうち、無登録で投資運用業を行っている状況及び投資者保護上問題のある業務運営については、平成27年法律第32号による改正後の金融商品取引法の施行日(平成28年3月1日)以降も継続していることから、当該事実について、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

参考資料(PDF:249KB)


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(登録)

第二十九条金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。

適格機関投資家等(適格機関投資家以外の者で政令で定めるもの(その数が政令で定める数以下の場合に限る。)及び適格機関投資家をいう。以下この条において同じ。)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に係る私募(適格機関投資家等(次のいずれにも該当しないものに限る。)以外の者が当該権利を取得するおそれが少ないものとして政令で定めるものに限る。)

イ~ハ(略)

第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利(同一の出資対象事業(同項第五号に規定する出資対象事業をいう。)に係る当該権利を有する者が適格機関投資家等(前号イからハまでのいずれにも該当しないものに限る。)のみであるものに限る。)を有する適格機関投資家等から出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)の運用を行う同条第八項第十五号に掲げる行為

(以下、略)

(特例業務届出者に対する監督上の処分等)

第六十三条の五内閣総理大臣は、特例業務届出者の業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該特例業務届出者に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(以下、略)

(注)第六十三条の条文は、平成28年3月1日に施行された平成27年法律第32号による改正前のものである。

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