平成28年12月9日

証券取引等監視委員会

株式会社ハナテン役員からの情報受領者2名による内部者取引違反行為及び当該役員による公開買付けの実施に関する事実に係る伝達違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社ハナテン役員からの情報受領者2名による内部者取引及び当該役員による公開買付けの実施に関する事実に係る伝達について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    (1)課徴金納付命令対象者(1)について

    課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社ハナテン(以下「ハナテン」という。平成28年1月21日上場廃止。)の役員である課徴金納付命令対象者(3)から、同人が、職務に関し株式会社ビッグモーター(以下「ビッグモーター」という。)の役員からの伝達により知った、同社の業務執行を決定する機関が、ハナテン株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成27年10月30日より前の同年7月15日、自己の計算において、ハナテン株式合計2万株を買付価額合計860万6200円で買い付けたものである。

    違反行為事実の概要については、別図のとおり。

    課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に該当すると認められる。

    (2)課徴金納付命令対象者(2)について

    課徴金納付命令対象者(2)は、ハナテンの役員である課徴金納付命令対象者(3)から、同人が、職務に関しビッグモーターの役員からの伝達により知った、同社の業務執行を決定する機関が、ハナテン株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成27年10月30日より前の同年10月19日から同月27日にかけて、自己及び自己以外の者の計算において、ハナテン株式合計1万6200株を買付価額合計631万2100円で買い付けたものである。

    違反行為事実の概要については、別図のとおり。

    課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等」をした行為に該当すると認められる。

    (3)課徴金納付命令対象者(3)について

    ア.違反行為事実A

    課徴金納付命令対象者(3)は、ハナテンの役員であるが、同人が、職務に関しビッグモーターの役員からの伝達により知った、同社の業務執行を決定する機関が、ハナテン株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を、課徴金納付命令対象者(1)に対し、上記事実の公表がされる前にハナテン株式の買付けをさせることにより課徴金納付命令対象者(1)に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。

    課徴金納付命令対象者(1)は、上記事実の公表がされた平成27年10月30日より前の同年7月15日、自己の計算において、ハナテン株式合計2万株を買付価額合計860万6200円で買い付けたものである。

    イ.違反行為事実B

    課徴金納付命令対象者(3)は、上記事実を、課徴金納付命令対象者(2)に対し、上記事実の公表がされる前にハナテン株式の買付けをさせることにより課徴金納付命令対象者(2)に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。

    課徴金納付命令対象者(2)は、上記事実の公表がされた平成27年10月30日より前の同年10月19日から同月27日にかけて、自己の計算において,ハナテン株式合計8500株を買付価額合計331万2100円で買い付けたものである。

    違反行為事実の概要については、別図のとおり。

    課徴金納付命令対象者(3)が行った上記ア.ないしイ.の行為は、金融商品取引法第175条の2第2項に規定する「第167条の2第2項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の買付け等若しくは売付け等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、下記のとおりである。

    課徴金納付命令対象者(1)217万円

    課徴金納付命令対象者(2)177万円

    課徴金納付命令対象者(3)171万円

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

  • 4.その他

    本件については、日本取引所自主規制法人より提供された情報も参考として、実態解明を行ったものである。


(別図)

違反行為事実の概要について

違反行為事実の概要について
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(別紙)

課徴金の額の計算方法について

(1)課徴金納付命令対象者(1)について

ア.金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。

(539円×20,000株)

−(428円×2,300株+429円×6,200株+430円×3,000株+432円×8,500株)

= 2,173,800円

イ.金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

(2)課徴金納付命令対象者(2)について

ア.自己の計算に係る課徴金の額

金融商品取引法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格に自己の計算による当該有価証券の買付けの数量(注1)を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額のうち自己以外の者の計算による額(注2)を控除した額。

{539円×(16,200株×3,312,100円/6,312,100円(注1))}

−{(382円×200株+384円×1,300株+385円×900株+386円×1,800株

+387円×500株+388円×3,400株+389円×900株+390円×4,400株

+398円×800株+399円×2,000株)−3,000,000円(注2)

= 1,269,670.69円(注3)

(注1)自己の計算による買付けの数量は、自己及び自己以外の者の計算による買付けの数量16,200株に、自己の計算による買付けの額3,312,100円/自己及び自己以外の者の計算による買付けの額6,312,100円を乗じて得た数量。

(注2)自己以外の者から預かった運用資金3,000,000円。

(注3)小数点以下の端数が生じた場合は、小数第三位を切り捨てて表記しているが、計算の過程においては、端数処理は行っていない(当資料において、以下、同じ)。

イ.自己以外の者の計算に係る課徴金の額

金融商品取引法第175条第2項第3号ロの規定により、金融商品取引法第167条第1項に規定する買付け等をした者が、自己以外の者の計算において、当該買付け等をした場合において、当該者が運用対象財産の運用として当該買付け等を行った者以外の者であるとき、当該買付け等に係る手数料、報酬その他の対価の額として金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令(以下「課徴金府令」という。)第1条の21第6項で定める、算定対象取引(注4)について金融商品取引行為の対価として当該者に支払われ、又は支払われるべき金銭その他の財産の価額の総額。

本件では、自己以外の者の計算による利益(注5)から、課徴金納付命令対象者(2)が自己以外の者へ運用益として渡した額450,000円を控除した額。

(2,010,933円×3,000,000円/6,312,100円)(注5)

− 450,000円

= 505,751.49円

(注4)算定対象取引とは、金融商品取引法第175条第2項第3号の特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等を指す(課徴金府令第1条の21第4項第1号)。

(注5)自己以外の者の計算による利益は、自己及び自己以外の者の計算による純利得額(手数料及び税金控除後)2,010,933円に、3,000,000円/6,312,100円(注6)を乗じて得た額。

(注6)自己及び自己以外の者の計算による買付けの額6,312,100円のうち、3,000,000円は自己以外の者の計算による買付けの額。

ウ.上記ア.ないしイ.により算定した額の合計

1,269,670.69円+505,751.49円=1,775,422.18円

エ.金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記ウ.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

(3)課徴金納付命令対象者(3)について

ア.違反行為事実Aに係る課徴金の額

(ア)金融商品取引法第175条の2第2項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。

{(539円×20,000株)−(428円×2,300株+429円×6,200株+430円×3,000株+432円×8,500株)}×1/2

= 1,086,900円

(イ)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(ア)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

イ.違反行為事実Bに係る課徴金の額

(ア)金融商品取引法第175条の2第2項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。

〔{539円×(16,200株×3,312,100円/6,312,100円)}

−{(382円×200株+384円×1,300株+385円×900株+386円×1,800株

+387円×500株+388円×3,400株+389円×900株+390円×4,400株

+398円×800株+399円×2,000株)−3,000,000円}〕×1/2

= 634,835.34

(イ)金融商品取引法第176条第2項の規定により、上記(ア)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て。

ウ.上記ア.ないしイ.により算定した額の合計

1,080,000円+630,000円=1,710,000円

となる。

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