平成29年2月10日

証券取引等監視委員会

Wolk Huren Japan株式会社及びシルバーステイ合同会社に対する検査結果及び勧告について

  • 1.検査結果

    証券取引等監視委員会がWolk Huren Japan株式会社(東京都台東区、法人番号8010501026428、代表取締役 山上 優治(やまかみ ゆうじ)、資本金2000万円、常勤役職員1名、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「ウォルク社」という。)及びシルバーステイ合同会社(東京都台東区、法人番号6010503003690、代表社員 山上 優治(やまかみ ゆうじ)、資本金100万円、常勤役職員1名、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「ステイ社」といい、ウォルク社と併せて「ウォルク社ら」という。)を検査した結果、下記のとおり、問題が認められた。

  • 2.事実関係

    ウォルク社らは、ウォルク社の元代表取締役である半田俊宏氏(以下「半田元社長」という。)の指示の下で、両社一体となって業務運営を行っている。今回検査において、ウォルク社らの業務の運営状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

    • (1)適格機関投資家出資の外観の仮装行為

      ウォルク社は、適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)として、ファンドオブファンズCCオプション投資事業有限責任組合(以下「FFCCLPS」という。)の運用を行っており、FFCCLPSは、他の特例業務届出者(以下「届出業者」という。)が運用している投資事業組合等(以下「ファンド」という。)に適格機関投資家として出資(以下「適格機関投資家出資」という。)を行っている。

      また、ステイ社は、特例業務として、インフォビークル投資事業有限責任組合(以下「インフォビークルLPS」という。)の運用を行っており、インフォビークルLPSは、他の届出業者が運用しているファンドに適格機関投資家出資を行っている。

      ウォルク社らは、平成22年頃から平成28年2月頃までの間、これまで少なくとも117本のファンドに適格機関投資家出資を行っているとしているが、このうち少なくとも78本のファンドについては、当該出資に先立ち、ウォルク社が届出業者等からコンサルティング報酬名目で出資額に相当する金銭を受領し、これを原資としてFFCCLPS又はインフォビークルLPSが出資を行うなど、適格機関投資家出資がなされているかのような外観を仮装したものに過ぎないことが認められた。

      上記のようなウォルク社らの行為は、届出業者の特例業務について、適格機関投資家出資を要件とする金融商品取引法(以下「金商法」という。)の趣旨をないがしろにするものであり、届出業者に特例業務の要件を充足しないまま違法にファンドの出資持分の取得勧誘や出資金の運用を行わせることとなり得るものと認められる。

      そして、インフォビークルLPSが出資をするファンドを運用する届出業者の中には、投資者保護上問題のある業務運営がなされ、投資者被害をもたらす事態等を招いたなどの問題が認められている(※)。

    • (2)他の届出業者の投資者保護上問題のある業務運営を助長する行為

      ウォルク社は、平成23年頃から平成26年頃までの間、インフォビークルLPSが出資をするファンドを運用する複数の届出業者により構成される「合同会社FCスキーム」と称する投資グループ(以下「合同会社FCスキーム」という。)に対し、ファンドの運営等に関するコンサルティング業務を行っており、半田元社長を中心として、各届出業者からファンドの運営等に関する様々な相談を受け、その回答や助言を行い、各届出業者は、それに従ってファンドの運営等を行っている。

      しかし、上記の回答や助言が違法又は不当な行為等を惹起する内容であったことから、合同会社FCスキームに所属する届出業者が運営するファンドの中には、(ア)出資者に支払うべき配当金の中から組合契約等に規定のない報酬を、半田元社長を含む一部の関係者等に支払うことで合意し、当該金額相当を控除している状況や、(イ)他の届出業者が組成したファンドの出資持分の取得勧誘を行っている状況(無登録で第二種金融商品取引業を行っている状況)が認められている(※)。

      ウォルク社による上記(1)及び(2)の行為は、他の届出業者の違法又は不当な行為等を助長するものであり、投資者保護上問題がある。

    • (3)無登録で投資助言・代理業を行っている状況

      ウォルク社らは、平成27年7月頃から、A氏が開発した外国為替証拠金取引(以下「FX取引」という。)を自動で行うソフトウェア(以下「自動売買ソフト」という。)の販売を行っている(顧客123名、総額約93百万円)。

      自動売買ソフトは、A氏等の取引口座で行われるFX取引を継続的に参照し、同様の注文を発注する仕組みとなっており、自動売買ソフトを利用した顧客に対し、継続的にFX取引に係る金融商品の価値等の分析に基づく投資判断を提供するものである。

      また、ウォルク社らは、自動売買ソフトの販売業務を行うとともに、顧客のサーバの稼働管理等のサポート業務を継続的に行うなど、A氏と一体となって顧客に対する自動売買ソフトの提供を行っている。

      ウォルク社らによる上記の行為は、金商法第28条第3項に規定する「投資助言・代理業」に該当するものであり、ウォルク社らが同法第29条に基づく登録を受けることなく、上記行為を行うことは、同条に違反するものと認められる。

      よって、ウォルク社らの業務運営は、金融商品取引法第63条の5第1項に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

  • 3.勧告の内容

    上記事実関係のうち、(3)の無登録で投資助言・代理業を行っている状況は、平成27年法律第32号による改正後の金融商品取引法の施行日(平成28年3月1日)以降も継続していることから、当該事実について、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

※財務局の検査により、投資者保護上問題がある業務運営等が認められた業者

参考資料(PDF:282KB)


(参考条文)

○金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(定義)

第二条 (略)

8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(その内容等を勘案し、投資者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるもの及び銀行、優先出資法第二条第一項 に規定する協同組織金融機関(以下「協同組織金融機関」という。)その他政令で定める金融機関が行う第十二号、第十四号、第十五号又は第二十八条第八項各号に掲げるものを除く。)のいずれかを業として行うことをいう。

一~十 (略)

十一 当事者の一方が相手方に対して次に掲げるものに関し、口頭、文書(新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なものを除く。)その他の方法により助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(以下「投資顧問契約」という。)を締結し、当該投資顧問契約に基づき、助言を行うこと。

イ 有価証券の価値等(有価証券の価値、有価証券関連オプション(金融商品市場において金融商品市場を開設する者の定める基準及び方法に従い行う第二十八条第八項第三号ハに掲げる取引に係る権利、外国金融商品市場において行う取引であつて同号ハに掲げる取引と類似の取引に係る権利又は金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行う同項第四号ハ若しくはニに掲げる取引に係る権利をいう。)の対価の額又は有価証券指標(有価証券の価格若しくは利率その他これに準ずるものとして内閣府令で定めるもの又はこれらに基づいて算出した数値をいう。)の動向をいう。)

ロ 金融商品の価値等(金融商品(第二十四項第三号の二に掲げるものにあつては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の価値、オプションの対価の額又は金融指標(同号に掲げる金融商品に係るものにあつては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の動向をいう。以下同じ。)の分析に基づく投資判断(投資の対象となる有価証券の種類、銘柄、数及び価格並びに売買の別、方法及び時期についての判断又は行うべきデリバティブ取引の内容及び時期についての判断をいう。以下同じ。)

(以下、略)

第二十八条 (略)

3 この章において「投資助言・代理業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

一 第二条第八項第十一号に掲げる行為

二 第二条第八項第十三号に掲げる行為

(以下、略)

(登録)

第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

(適格機関投資家等特例業務)

第六十三条 次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。

一 適格機関投資家等(適格機関投資家以外の者で政令で定めるもの(その数が政令で定める数以下の場合に限る。)及び適格機関投資家をいう。以下この条において同じ。)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に係る私募(適格機関投資家等(次のいずれにも該当しないものに限る。)以外の者が当該権利を取得するおそれが少ないものとして政令で定めるものに限り、投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定めるものを除く。)

イ~ハ (略)

二 第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利(同一の出資対象事業(同項第五号に規定する出資対象事業をいう。)に係る当該権利を有する者が適格機関投資家等(前号イからハまでのいずれにも該当しないものに限る。)のみであるものに限る。)を有する適格機関投資家等から出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)の運用を行う同条第八項第十五号に掲げる行為(投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定めるものを除く。)

(以下、略)

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