平成29年2月28日

証券取引等監視委員会

日本アジア・アセット・マネジメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

  • 1.検査結果

    証券取引等監視委員会が日本アジア・アセット・マネジメント株式会社(東京都中央区、法人番号9010001065933、代表取締役 熊谷 明彦(くまがい あきひこ)、資本金1億6000万円、常勤役職員21名、投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • 投資一任業務に係る投資者保護上問題のある業務運営

      日本アジア・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」という。)が年金基金との間で締結した投資一任契約に係る投資一任業務の運営状況を検証したところ、以下の状況が認められた。

      (1)年金基金との投資一任契約に基づく投資運用の状況

      当社は、平成21年9月、甲年金基金との投資一任契約に基づき、当社が設定した投資信託を通じて、海外に所在するX社が運用する外国投資法人Aの発行する投資証券(以下「外国投資証券A」という。)に投資している。なお、外国投資法人Aは、米国の生命保険証券を主要投資対象としている。

      また、当社は、平成22年11月、乙年金基金との投資一任契約に基づき、外国投資証券Aに直接投資している。

      その後、平成23年11月に英国金融サービス機構(当時の金融監督当局)が生命保険証券に投資を行うファンドに関し、英国内で個人投資家向けに販売すべきではない旨の声明を公表したこともあって、甲年金基金及び乙年金基金(以下「両基金」という。)は、外国投資証券Aの解約手続を行っていたが、外国投資証券Aの解約が相次いだことから、同25年4月、X社は解約受付停止の措置を講じた。一方、X社は、外国投資証券Aの保有者に対し、外国投資法人Aの主要投資対象である米国の生命保険証券をX社が運用する外国投資法人Bに移管した上で、外国投資法人Bが発行する投資法人債券(以下「外国投資法人債券」という。)又は投資証券へ乗り換えることを提案した。当社は、両基金に対し、外国投資証券Aを解約し、弁済順位の高い外国投資法人債券に乗り換えることを助言し、平成26年11月、両基金の同意を得た上で外国投資法人債券への投資を執行している。

      (2)業務改善命令に対する再発防止策の実施等が不十分な状況

      当社は、前回検査において、投資一任契約に係る善管注意義務違反が認められ、平成24年10月16日付けで金融庁長官から金融商品取引法(以下「金商法」という。)第51条の規定に基づく業務改善命令が発出されたことを受け、投資一任契約において運用する金融商品等のモニタリング体制を構築すること等を内容とした再発防止策を金融庁長官に提出している。

      しかし、当社は、外国投資証券Aへの投資に関し、当該再発防止策において年次で継続的に実施するとしていた、投資一任契約において運用している金融商品の運用状況及び運用委託先の運用体制に関するモニタリングを行っていない状況を継続していた。

      特に、外国投資法人Aの決算書における純資産価額(以下「NAV」という。)とX社が算出したNAVが相違しているにもかかわらず、当社は、当該NAVの妥当性に対する検証を行っていなかった。

      また、当社は、外国投資法人債券への乗換時における外国投資法人Bの信用リスクや生命保険証券の移管リスト等の調査・確認を行わないまま両基金に乗換えの助言を行い、外国投資法人Bの決算書におけるNAVについても、外国投資法人Aと同様の状況にあったにもかかわらず、NAVの妥当性を検証していなかった。

      さらに、X社と連絡が取れない状況が長期間継続していたにもかかわらず、何ら対応を行っていなかった。

      なお、外国投資法人Bは、2015年11月期の決算書において監査法人から不適正意見が付されるなど、不透明な運用実態となっている。

      当社における上記(2)のような投資一任業務の運営状況は、金商法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

参考資料(PDF:342KB)


(参考条文)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(金融商品取引業者に対する業務改善命令)

第五十一条内閣総理大臣は、金融商品取引業者の「業務の運営又は財産の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」は、その必要の限度において、当該金融商品取引業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

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