平成29年3月22日

証券取引等監視委員会

INコンサルティング株式会社に対する検査結果及び勧告について

1.検査結果

 関東財務局長がINコンサルティング株式会社(東京都中央区、法人番号 7010001121341、代表取締役 浦田 悟郎(うらた さとる)、資本金1000万円、常勤役職員3名、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該適格機関投資家等特例業務届出者に係る問題が認められた。

2.事実関係

 当社は、適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)として、自らを業務執行組合員とする計22本の任意組合(以下「ファンド」という。)の出資金の運用を行っている(出資者:延べ969名、出資総額:約29億9000万円)。
 今回検査において、当社の特例業務の運営状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

(1)ファンドの運用財産と自己の固有財産の分別管理を行っていない状況

 当社は、ファンドの運用財産の一部を代表取締役の自宅で現金保管し、当社の固有財産と分別して管理していない。
 また、当社は、上記ファンドの運用財産の一部を渾然一体として管理し、ファンドごとの運用財産の額を正確に把握していない。

 当社が行った上記の行為は、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第63条第11項により当社を金融商品取引業者とみなして適用される金商法第42条の4に規定する顧客財産の分別管理義務に違反するものと認められる。

(2)ファンドの運用財産を流用している状況

 当社は、ファンドの運用財産の一部を、当社の事務所家賃や従業員給与等の経費に流用した。

 当社が行った上記の行為は、金商法第63条第11項により当社を金融商品取引業者とみなして適用される金商法第42条第1項に規定する忠実義務に違反するものと認められる。

(3)投資者保護上問題のある業務運営

 当社は、マーベリック株式会社(以下「マーベリック社」という。)により設立され、当社が運営するファンドの出資金を、マーベリック社から譲渡を受けた未公開株式により運用している。
 マーベリック社は、金商法の施行前より、自らを業務執行組合員とするファンドの運営を行っており、自社が取得した未公開株式を当該ファンドに譲渡する方法により、当該ファンドの出資金から利益を得ていた。
 マーベリック社は、金商法施行後も上記のようなファンド運営の手法を継続する目的で、未公開株式を取得させるファンドを組成するために当社を設立し、当社が組成したファンドの出資持分の取得勧誘を行うなど、当社のファンド運営に関与している。(※)

 今回検査において当社のファンドの運営状況を検証したところ、当社は、マーベリック社から未公開株式を取得する際、同社より提示された価格の算定根拠等を何ら確認・検討することなく、結果として、マーベリック社の取得価格の約2から3倍の価格で未公開株式を譲り受けており、ファンドの出資金から、マーベリック社が多額の利益を得ている状況が認められた。
 なお、投資先の破綻等によりファンドの出資金の大部分は毀損した状況となっている。

 当社の上記の行為は、投資者保護上問題があるものと認められる。

3.勧告の内容

 上記事実関係のうち、(1)ファンドの運用財産と自己の固有財産の分別管理を行っていない状況及び(2)ファンドの運用財産を流用している状況については、平成27年法律第32号による改正後の金商法の施行日(平成28年3月1日)以降の行為であることから、当該事実について、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

 

参考資料(PDF)


(参考条文)

○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(権利者に対する義務)
第四十二条  金融商品取引業者等は、権利者(次の各号に掲げる業務の区分に応じ当該各号に定める者をいう。以下この款において同じ。)のため忠実に投資運用業を行わなければならない。
一・二  (略)
三  第二条第八項第十五号に掲げる行為を行う業務 同号イからハまでに掲げる権利その他同号に規定する政令で定める権利を有する者
2  (略)
 
(分別管理)
第四十二条の四  金融商品取引業者等は、その行う投資運用業(第二条第八項第十五号に掲げる行為を行う業務に限る。)に関して、内閣府令で定めるところにより、運用財産と自己の固有財産及び他の運用財産とを分別して管理しなければならない。
 
(適格機関投資家等特例業務)
第六十三条 次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。
一 (略)
二 第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利(同一の出資対象事業(同項第五号に規定する出資対象事業をいう。)に係る当該権利を有する者が適格機関投資家等(前号イからハまでのいずれにも該当しないものに限る。)のみであるものに限る。)を有する適格機関投資家等から出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)の運用を行う同条第八項第十五号に掲げる行為(投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定めるものを除く。)
2~10 (略)
11 特例業務届出者が適格機関投資家等特例業務を行う場合においては、当該特例業務届出者を金融商品取引業者とみなして、第一節第五款、第三十六条第一項、第三十六条の三、第三十七条、第三十七条の三、第三十七条の四、第三十八条(第一号、第二号及び第八号に係る部分に限る。)、第三十九条、第四十条、第四十条の三、第四十条の三の二、第四十二条、第四十二条の二、第四十二条の四、第四十二条の七及び第四十五条並びにこれらの規定に係る第八章及び第八章の二の規定を適用する。
(以下略)
 

 ○ 金融商品取引業等に関する内閣府令 (平成19年内閣府令第52号)(抄)

 (分別管理が確保されているもの)
第百二十五条 (略)
二   当該金銭が、次に掲げる方法により、適切に管理されていること。
イ 他の金融商品取引業者等への預託(当該他の金融商品取引業者等が有価証券等管理業務として受けるものに限る。)又は外国の法令に準拠し、外国において有価証券等管理業務を行う者への預託
ロ 銀行、協同組織金融機関、株式会社商工組合中央金庫又は外国の法令に準拠し、外国において銀行法第十条第一項第一号 に掲げる業務を行う者への預金又は貯金(当該金銭であることがその名義により明らかなものに限る。)
ハ 信託業務を営む金融機関又は外国の法令に準拠し、外国において信託業務を行う者への金銭信託で元本補てんの契約のあるもの(当該金銭であることがその名義により明らかなものに限る。)
 
 (分別管理)
第百三十二条  金融商品取引業者等は、法第四十二条の四の規定に基づき運用財産を管理する場合において、当該運用財産が金銭であるときは、第百二十五条第二号イからハまでに掲げる方法により、当該金銭を管理しなければならない。
(以下略)

サイトマップ

ページの先頭に戻る