平成29年5月12日

証券取引等監視委員会

アセットプランニング株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

1.勧告の内容

 関東財務局長がアセットプランニング株式会社(東京都台東区、法人番号7010501032583、代表取締役 遠藤 広光(えんどう ひろみつ)、資本金1000万円、常勤役職員6名(注)、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
(注)常勤役職員数は、当社が関東財務局に届出を行っている人数。

2.事実関係

 アセットプランニング株式会社(以下「当社」という。)は、不動産信託受益権の売買を出資対象事業とする匿名組合(以下「本件ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行っている。

(1)報告徴取命令に対する虚偽報告
 当社は、今回検査が行われる前の平成28年2月に関東財務局長(以下「当局」という。)から本件ファンドの取得勧誘の状況についての報告徴取命令を受けて、同年3月に報告書を提出している。当社は、当該報告書において、本件ファンドに係る顧客数が12名で合計出資金額が約1億円である旨回答している。
 しかし、今回検査において確認できた資料によれば、平成24年6月から当該報告書を提出した同28年3月までの間に、当社の取得勧誘によって、本件ファンドに係る顧客数が少なくとも延べ108名で合計出資金額が約10億円であることが認められた。
 
(2)検査忌避
 上記(1)のとおり、当社が平成28年3月に当局に提出した上記報告書と、今回検査において遠藤広光代表取締役(以下「遠藤代表」という。)から提出された資料により判明した顧客数や出資金額との間に大幅な乖離が生じており、実態の解明を行わなければならないところ、遠藤代表は、検査当初の資料提出後、自ら指定した検査官との面会日を幾度も延期するなど、検査に応じておらず、検査官から延期理由の説明を求められるも合理的な理由を示さないまま、一方的に検査を拒んでいる状況を継続している。
 
(3)報告徴取命令に対する報告書の不提出
 上記(2)のとおり、当社の業務実態を検証・把握することができないことから、当局は、当社の業務実態等の検証・把握を目的として、当社に対し、平成29年3月と同年4月の2回にわたり業務に関する報告書等を提出するよう報告徴取命令を発出したものの、報告期限を過ぎても当社から報告書等は一切提出されていない。
 
 上記(1)の出資金額等について著しく事実と異なる報告を当局に行っている行為及び上記(3)の報告書等を提出しない行為は、金融商品取引法第52条第1項第6号に規定する「金融商品取引業に関し法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当するものと認められる。
 また、当社が行った上記(2)の行為は、金融商品取引法第56条の2第1項の規定による検査を拒み、妨げ、忌避するものであり、同法第198条の6第11号及び同法第207条第1項第4号に該当するものと認められる。
 
(4)金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない状況
 当社は、金融商品取引業を行うに当たり、当該業務に関する十分な知識及び経験を有する役員又は使用人を確保していなければならないところ、今回検査において、遠藤代表以外の役員及び使用人は確認されておらず、また、遠藤代表は、上記のとおり、虚偽の報告を行うほか、当社の業務運営状況の把握や本件ファンドの実態の解明を困難にする行為を繰り返すなどして、自ら法令違反行為を行っており、法令等遵守意識及び投資者保護意識は著しく欠如している。
 以上のことから、当社は、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有していないものと認められる。
 
 当社における上記の状況は、金融商品取引法第29条の4第1項第1号ホに掲げる「金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者」に該当するものと認められ、このような当社の状況は、同法第52条第1項第1号に該当するものと認められる。
 

(参考条文)

○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(登録の拒否)
第二十九条の四 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに虚偽の記載若しくは記録があり、若しくは重要な事実の記載若しくは記録が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一 次のいずれかに該当する者
イ~ニ(略)
ホ 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者
(以下、略)
 
(金融商品取引業者に対する監督上の処分)
第五十二条 内閣総理大臣は、金融商品取引業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該金融商品取引業者の第二十九条の登録を取り消し、第三十条第一項の認可を取り消し、又は六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第二十九条の四第一項第一号、第二号又は第三号に該当することとなつたとき。
二~五(略)
六 金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し法令(第四十六条の六第二項を除く。)又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき。
(以下、略)
 
(報告の徴取及び検査)
第五十六条の二 内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、金融商品取引業者等、これと取引をする者、当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)がその総株主等の議決権の過半数を保有する銀行等(以下この項において「子特定法人」という。)、当該金融商品取引業者等を子会社(第二十九条の四第三項に規定する子会社をいう。以下この条において同じ。)とする持株会社(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九条第四項第一号に規定する持株会社をいう。以下この条において同じ。)若しくは当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この項において同じ。)に対し当該金融商品取引業者等の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料(当該子特定法人にあつては、当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)の財産に関し参考となるべき報告又は資料に限る。)の提出を命じ、又は当該職員に当該金融商品取引業者等、当該子特定法人、当該金融商品取引業者等を子会社とする持株会社若しくは当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該子特定法人にあつては当該金融商品取引業者等(登録金融機関を除く。)の財産に関し必要な検査に、当該金融商品取引業者等を子会社とする持株会社又は当該金融商品取引業者等から業務の委託を受けた者にあつては当該金融商品取引業者等の業務又は財産に関し必要な検査に限る。)をさせることができる。
(以下、略)
 
第百九十八条の六 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~十(略)
十一 第五十六条の二、第五十七条の十第一項、第五十七条の二十三、第五十七条の二十六第二項、第六十条の十一(第六十条の十四第二項において準用する場合を含む。)、第六十三条の六(第六十三条の三第二項において準用する場合を含む。)、第六十六条の二十二、第六十六条の四十五第一項、第七十五条、第七十九条の四、第百三条の四、第百六条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六条の十六、第百六条の二十第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六条の二十七(第百九条において準用する場合を含む。)、第百五十一条(第百五十三条の四において準用する場合を含む。)、第百五十五条の九、第百五十六条の五の四、第百五十六条の五の八、第百五十六条の十五、第百五十六条の二十の十二、第百五十六条の三十四、第百五十六条の八十、第百五十六条の八十九、第百八十五条の五又は第百八十七条第一項第四号の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
(以下、略)
 
第二百七条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一~三(略)
四 第百九十八条の六(第八号、第九号、第十二号、第十三号及び第十五号を除く。)又は第百九十九条 二億円以下の罰金刑
(以下、略)

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