ヘッジファンドバンキング株式会社に対する検査結果に基づく勧告について
1.勧告の内容
関東財務局長がヘッジファンドバンキング株式会社(東京都品川区、法人番号5010701027583、資本金1000万円、常勤役職員10名、投資助言・代理業、以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
2.事実関係
(1)有価証券の売買について、作為的に値付けをすることとなる取引を行うことを内容とした助言をする行為
当社は、新宿支店の運営に関し、株式会社JG-company(東京都新宿区、以下「JG社」という。)と業務提携し、JG社及びそのグループ会社(株式会社Master及び株式会社S&F)から従業員を受け入れるなどして、同支店を運営している。
JG社は、そのグループ会社と一体となって、金融商品取引法第29条に基づく登録を受けることなく投資助言業務を行っているところ(以下、JG社及びそのグループ会社を併せて「無登録業者」という。※)、当社の新宿支店は、無登録業者及び投資助言・代理業者である株式会社AKアドバイザーズ(以下、無登録業者と併せて「無登録業者等」という。)と共同して、買い推奨を行った銘柄の株価を急騰させて当社の新宿支店や無登録業者等の銘柄分析能力が優れていると思わせ、顧客獲得等に繋げる目的で、以下の手法により、複数の顧客に対し、同時に同一銘柄の株式の買い推奨を行っていた事実が認められた。
上記の買い推奨は、作為的に株価を急騰させることを目的とした助言であり、金融商品取引法第41条の2第6号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第126条第2号に規定する「有価証券の売買について、作為的に値付けをすることとなる取引を行うことを内容とした助言」をする行為に該当すると認められる。
(2)投資者保護上問題のある業務運営
その結果、当社は、当社の新宿支店が無登録業者等と共同して、上記(1)の「有価証券の売買について、作為的に値付けをすることとなる取引を行うことを内容とした助言をする行為」を見過ごしていた。
以上のような当社の業務運営態勢は、投資者保護上問題があると認められ、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。
(参考条文)
○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)
○ 金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)(抄)