平成28年3月1日

金融庁

証券取引等監視委員会

適格機関投資家等特例業者に対する対応を強化!【違法なファンド業者にご注意ください!】

1.適格機関投資家等特例業者とは

通常、ファンド業務(ファンドの運用や販売勧誘)を行う場合には、金融商品取引法の厳格な登録が必要ですが、一定の要件を満たすことにより、簡易な届出のみでファンド業務が行える業者を、適格機関投資家等特例業者(「届出業者」)といいます。

2.投資者被害について

悪質な届出業者について、例えば、以下のような投資者被害等が報告されています。

(投資被害等の例)(※1)

  • 設立が比較的容易な投資事業有限責任組合を適格機関投資家として、少額のみの出資を行わせた上で、その他の出資は個人から集める。

  • 届出は提出されているが、実際には適格機関投資家からほとんど出資を受けていない、詐欺的な勧誘が行われるなど、業者の人的・財産的基礎に問題が伺われる。

  • 出資金が契約とは異なる投資、ファンドと無関係の会社経費・私費・他の顧客への配当・償還等に流用される。

  • 運営内容について、十分な情報提供が行われず、ガバナンスが確保されていない。顧客の出資状況を把握するための資料を保管せず、運用委託先の運用状況も把握していないほか、会計の適正性が担保されていない。

  • 投資経験の乏しい一般投資家や高齢者が被害にあっており、その被害回復は極めて困難であることが多い。

3.規制強化の概要

こうした状況を踏まえ、届出業者に対する規制を強化すること等を内容とする金融商品取引法の一部を改正する法律(「平成27年改正金商法」)が平成27年5月27日に成立し、同年6月3日に公布、平成28年3月1日に関係政令・内閣府令とともに施行されました。

(平成27年改正金商法等の主な内容)

  • 一般個人の出資が禁止されました(※2)。

  • 届出事項の一部等の公表等により届出業者の透明性が確保されました。

  • 問題のある届出業者への対応が強化されました。

  • ※2平成28年3月1日より前に運用が開始されたファンドについては、同日以降も運用業務を行うことは金商法に違反しません。

(1)一般個人の出資の禁止

  • 平成27年改正金商法等では、適格機関投資家以外の出資者の範囲を原則として国・地方公共団体、金融商品取引業者、届出業者、上場会社等に限定し、一般個人の出資は禁止されました(※3)。

    • ※3個人であっても、投資性金融資産(有価証券等)の合計額が1億円以上であり、かつ、証券口座開設後1年を経過している者などは、出資者の範囲に含まれます。

  • 金商法等の要件を充足しない者を相手方とするファンド業務を行う場合には金融商品取引業の登録が必要であり、こうした登録を受けることなく上記ファンド業務を行うことは無登録金商業(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金。併科可能。)に該当します。

(2)届出業者の透明性の確保

  • 届出業者の当局への届出事項の一部及び説明書類(事業内容等が記載された書類)については、届出業者の営業所又はウェブサイトで閲覧できます。

(3)問題のある届出業者への対応の強化

  • 例えば、以下のような要件(欠格事由)に該当する者については、届出業者としてファンド業務を行うことは出来ません。

    • 金融商品取引業の登録を取り消された日又は適格機関投資家等特例業務の廃止を命ぜられた日から5年を経過しない者

    • 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年以内に該当する者がある者

    • 国内における代表者・代理人を定めていない海外業者

  • 従来より、届出業者が勧誘に関して虚偽の説明を行うこと(虚偽説明)などが禁止されていましたが、今回の規制強化により、禁止行為等が大幅に拡充されるとともに、顧客に対し、適合性原則(※4)に照らした適正な勧誘や、契約内容を記載した書面を契約締結前・契約締結時に交付すること、運用財産についての運用報告書を定期的に交付すること等が義務付けられました。

    • ※4顧客の知識、経験、財産状況、投資目的、リスク管理判断能力等に応じた取引内容や取引条件に留意し、顧客属性に即した適正な投資勧誘の履行を確保することが届出業者に義務付けられました。

  • また、これまでも問題のある届出業者に対しては警告書を発出しておりましたが、今回の規制強化により、届出業者に対する業務改善命令、業務の全部又は一部の停止命令(最大6か月)、業務廃止命令が導入されました。また、届出業者に対する報告徴求・検査権限が明確化されるとともに、裁判所の禁止・停止命令の対象が拡大されました。これらを踏まえ、今後、問題のある届出業者への検査・監督上の対応が強化されます。

  • 届出業者について、次のとおり罰則が強化されました。

    • 拡充された禁止行為等について罰則が適用。

    • 無届営業、虚偽の届出に係る罰則の引上げ

      引上げ後5年以下の懲役又は500万円以下の罰金。併科可能。

      (引上げ前:1年以下の懲役又は300万円以下の罰金。併科可能。)

    • 業務廃止命令違反等に係る罰則の新設

      5年以下の懲役又は500万円以下の罰金。併科可能。 など

悪質な届出業者に対し、捜査当局等と連携して、厳正に対処します!

4.以上の取組みを実施しますが、次のとおり注意も必要です。

「金融庁(財務局等)に届出を行い営業しております」などとあたかも金融庁(財務局等)公認の事業であるかのように強調する届出業者がいます。

「適格機関投資家(いわゆるプロ投資家)が出資している優良なファンドです」などとプロ向けファンドであることを強調する届出業者がいます。

  • 届出を受理したことをもって、金融庁(財務局等)が届出業者の信頼性を保証するものではありません。

  • 適格機関投資家(いわゆるプロ投資家)が投資することをもって、ファンドの信頼性が保証されるものではありません。

投資経験の乏しい者(高齢者を中心)に販売されているケースが見られます。

「今から紹介するファンド(匿名組合)に投資すれば必ず儲かる、(持分権利を)何倍もの価格で買い取る」と勧誘し、投資をすると、その後連絡が取れなくなる業者がおり、劇場型勧誘によるトラブルが目立っています。

  • 届出業者のファンドに対する一般個人の出資は禁止されています。

  • 禁止事項等の拡充等により届出業者に対する規制は強化されましたが、基本的にプロ投資家を相手に販売・運用が行われることを前提とした簡素な規制となっており、一般個人を念頭においた規制となっていません。

  • 届出業者からファンドへの出資の勧誘等を受けた場合には、まずは当該ファンドに出資できる投資家の要件を充足しているか否かを自分自身で確認することが必要です。

  • 出資できる投資家の要件を充足している場合であっても、その業者の信用力を慎重に見極めるとともに、契約書をよく読み、取引内容を十分に理解した上で、投資を行うかどうかの判断をすることが重要です。

  • 届出業者の扱うファンドは、原則、公認会計士の監査が義務付けられていないため、運用開始後は、自ら運用の内容を確認することが重要です。

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(参考リンク)

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