コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議(第8回)議事録

1.日時:

平成26年12月12日(金)16時30分~18時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

○池尾座長

それでは、定刻になりましたし、出席予定のメンバーの方は全員おそろいですので、ただいまから「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」の第8回会合を開催させていただきます。皆様にはご多用中のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

それでは早速、議事に移らせていただきたいと思います。本日は、コード原案の取りまとめを念頭に置いた議論をしていただきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

それで、本日は、前回会合における皆様のご意見を踏まえて一部修正を行い、また、新たに序文を追加した資料1、2を用意しています。資料1のほうが、追加分とか修正が見え消しでわかるもので、資料2のほうが、最終的にそれらを反映した完成版という感じの資料です。

それから、前回の会合の終了後、何人かのメンバーの方からコード原案に対する修文コメントを追加でいただきましたが、この資料1にはそれらのコメントも踏まえたものとなっています。なお、メンバーからのコメントにつきましては、本日お手元に配付させていただいておりますので、読み上げは省略させていただいています。私の紙は、コメントとか意見ではなく、口頭で説明するとわかりにくいんじゃないかと思ってただ書いてみたメモです。

それでは、まずは事務局からコード原案の説明をいただいた上で、メンバーの皆様にご発言いただきたいと思います。それでは、説明をまずお願いします。

○油布企業開示課長

それでは、ご説明申し上げます。資料1をごらんください。1ページおめくりいただきますと、序文が追加されております。赤い文字でちょっとちらちらいたしますけれども、順番にご説明申し上げます。

まず序文の冒頭では、ボックスを設けまして、閣議決定を踏まえて、コーポレートガバナンスについて、それから、本コード(原案)について説明を置いております。

ボックスの下になりますが、経緯及び背景がございます。最初に1ポツのところで、ガバナンスをめぐる取り組みは近年大きく加速していると書いております。以下、その具体例として、2ポツでは、スチュワードシップ・コードの策定、それから、会社法の改正、さらに3ポツでは、JPX日経インデックス400の設定について記載しております。

4ポツは、今年の改訂成長戦略を踏まえましてこの有識者会議が設定され、議論されてきた経緯について記載しております。このコード(原案)は、OECD原則の趣旨を踏まえた内容となっているということも記載しております。5ポツですけれども、この原案は国内外に英語版も含めまして広くパブリックコメントに付すことを予定しております。その後、東証のほうで関連する上場規則などの改正を行っていただくとともに、このコード原案をその内容とするガバナンス・コードを制定することが期待されると記載しております。

6ポツ以下が、本コード(原案)の目的でございます。6ポツは冒頭のボックスの内容とほぼ同じ記載でございます。

7ポツでございますけれども、ここにつきましては、「会社は、株主から経営を付託された者としての責任(受託者責任)をはじめ、様々なステークホルダーに対する責務を負っていることを認識して運営されることが重要である」という1文がございます。「受託者責任」という言葉がこの後繰り返し出てまいりますけれども、この序文のところで説明を置いております。

それを踏まえまして、その次の文章になりますが、このコード(原案)は、こうした責務に関する説明責任を果たすことを含めて会社の意思決定の透明性・公正性を担保するということを前提として、会社の迅速・果断な意思決定を促すということを通じて、いわば「攻めのガバナンス」の実現を目指すものと記載しております。続けまして、このコード(原案)では、リスクの回避や不祥事の防止といった側面を過度に強調するのではなく、むしろ健全な企業家精神の発揮を促し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るということに主眼を置いていると書いております。

それから、その下のところでございますけれども、この原案には、一定の規律を求める記載が含まれております。ただし、これを会社の事業活動に対する制約と捉えることは適切ではないと記載しております。むしろ、会社においてガバナンスの規律が働かないような状況が生じれば、そこでは経営の意思決定過程の合理性に不安があるということで、経営陣が結果責任を問われるということにもなりますので、おのずとリスク回避的な方向に偏るおそれもある。こういった状況こそが事業活動に対する阻害要因であると記載しております。このコード(原案)では、会社に対してガバナンスに関する適切な規律を求めることにより、経営陣をこうした阻害要因、制約から解放し経営手腕を振るっていただくためのものだということを記載しているところであります。

8ポツも重要なメッセージかと思っておりますが、市場における短期主義的な投資行動との関係について書いております。このコード(原案)は、中長期の投資を促す効果をもたらすことを期待しているということでございまして、ガバナンスの改善を最も強く期待しているのは、通常、ガバナンスの改善が実を結ぶまで待つことのできる中長期の株主であると書いてあります。その下になりますが、こうした株主は会社にとって重要なパートナーとなり得る存在であると書いてあります。

少し飛ばしまして、会社側でも、このコード(原案)に基づきましていろいろと取り組みが行われるということになりますが、スチュワードシップ・コードに基づく株主(機関投資家)と会社との間の建設的な「目的を持った対話」によって、会社側の取り組みについてはさらに充実を図ることが可能である。その意味において、本コードとスチュワードシップ・コードとは、いわば「車の両輪」であり、両者が適切に相まって実効的なガバナンスが実現されることを期待するということを記載しております。

その後、プリンシプルベース・アプローチ、コンプライ・オア・エクスプレインについて書いております。まず9ポツのところですけれども、このコード(原案)において示される規範の部分は、基本原則と原則と補充原則であると記載しておりますが、それらの履行につきましてはそれぞれの会社の特性によってさまざまに異なり得ると。このそれぞれの原則の適用の仕方は、それぞれの会社が自らの置かれた状況に応じて工夫するものと書いております。

10ポツは、ルールベース・アプローチとプリンシプルベース・アプローチについて記載しております。この10ポツは、下から3行目あたりをごらんいただきたいと思います。プリンシプルベース・アプローチにおきましては、それぞれの上場会社が、自らの活動が、形式的な文言・記載ではなく、その趣旨・精神に照らして真に適切か否かを判断していただくことが重要であると記載しております。このため、本コード(原案)で使用されている用語についても、法令のように厳格な定義を置くのではなく、まずは株主等のステークホルダーに対する説明責任などを負うそれぞれの会社が、本コード(原案)の趣旨・精神に照らして適切に解釈することが想定されている。株主等のステークホルダーの側に置きましても、このプリンシプルベース・アプローチの意義を十分に踏まえることを望むと記載しております。

11ポツは、コンプライ・オア・エクスプレインについての説明であります。11ポツの、下から3行目右端あたりをごらんいただきますと、自らの個別事情に照らして実施することが適切でないと考える原則があれば、それを「実施しない理由」を十分に説明するということで、一部の原則を実施しないことも想定している。

12ポツのところは、3行目あたりからごらんいただきたいと思いますが、このコード(原案)の対象とする会社が全ての原則を一律に実施しなければならないわけではないということには十分な留意が必要である。この点につきましては、会社側のみならず、株主などのステークホルダーの側においてもその趣旨を十分理解し、会社の個別の状況を尊重することが求められる。特にこの原案の各原則の文言・記載を表面的に捉え、その一部を実施していないということのみをもって、ガバナンスが確保されていない、実現されていないと機械的に評価することは適切ではないというふうに記載しております。

一方、会社側のほうにつきましても、「当然のことながら」というフレーズのところでありますけれども、「実施しない理由」の説明を行う際には、少し飛ばしまして、株主等のステークホルダーの理解が十分に得られるよう工夫すべきであり、「ひな型」的な表現により表層的な説明に終始することは「コンプライ・オア・エクスプレイン」の趣旨に沿わないというふうに記載しております。

13ポツでございます。これは適用対象企業について記載しております。1行目に、我が国取引所に上場する全ての会社を適用対象とするものであると記載しております。この点につきましては、前回、それから、過去の会議でも、例えば東証一部だけを対象にする、あるいは東証一部の中のそのまた一部を対象にするということについてもご意見がございましたけれども、市場制度の観点からみますと、いわゆる市場一部と市場二部は、両方をもって本則市場と言っております。市場一部と市場二部の違いは、市場制度の観点から申し上げれば、流動株式数が若干違うという程度で、制度は同じ設計になっておりますので、一部、二部についてどちらもこれを対象とするということを記載しております。

続けまして、このところの2行目、3行目でございますが、この本則市場以外の市場に上場する会社につきましては、このコード(原案)の適用に当たって、例えば体制整備や開示といった点で、会社の規模・特性などを踏まえた一定の考慮が必要となる可能性があるということです。この点に関しまして、下から2行目のところですが、今後の東証において、本コード(原案)のどの部分にどういう形で考慮が必要かについて整理がなされることを期待すると書いております。

14ポツのところは、会社法上の3つの機関設計につきまして、そのいずれかを慫慂するものではないということと、それから、監査役・監査役会設置会社についての原則がございますが、これは他の機関設計の場合には読みかえて適用いただくということを書いています。

15ポツでございますが、適用の時期でございます。本コード(原案)は、東証において必要な制度整備を行った上で、平成27年6月1日から適用することを想定していると記載しております。この点についても前回も含めてご議論がございましたけれども、閣議決定において、これは6月のことを念頭に置いていると理解しておりますが、来年の株主総会のシーズンに間に合うようにというふうに定められておりますので、それを踏まえた記載を行っております。

ただ、しかしながら、「なお」以下というところに説明を付しております。このコード(原案)の幾つかの原則につきましては、例えば体制整備に関するものを中心に、各社さんが実施したいという意思があっても適用当初から完全に実施することが難しいということも考えられるわけでございます。その場合において、上場会社が、まずはその適用開始に向けて真摯な検討や準備作業を行っていただいた上で、なお完全な実施が難しい場合に、今後の取り組み予定、それから、実施時期の目途を説明する、つまり、エクスプレインするということで対応を行う可能性は排除されるべきではないと書いております。

加えて、その下の「また」書きのところでございます。これは会社がエクスプレインを行う場合を含めまして、本コード(原案)には、幾つか開示や説明を求めるという旨の記載がありますが、このうちには、統一的なやり方で開示・説明を行っていただくことが望ましいというものもあると思われますので、この点は今後、東証において整理がなされることを期待すると記載しています。

16ポツにつきましては、このコード(原案)は不変のものではないということを2行目に書いておりまして、締めくくりのところで、定期的に見直しの検討に付されることを期待するという記載にしております。

以下は、前回11月25日からの変更点についてご説明申し上げます。まず10ページをお開きください。1-2マル2のように表現をそろえただけのものは、説明を省略させていただきます。1-2マル3のこの追加分については、前回メンバーからご意見があったものであります。

11ページのほうになりますが、原則1-3でございます。これは前回ご意見がございまして、前回までの文章ですと「中長期的な資本政策の基本方針」という表現になっておりました。まず1点目として、「中長期的な」という時間軸の縛りは外しております。各社の事情によって中長期的なものが示せない場合や、あるいは逆に短期のものがむしろ示されるべき場合もあると思われますので、時間軸の縛りは外しております。同じような考え方に基づきまして、この原則以降、後ろの部分についても「中長期的な」という表現を取った場所が何カ所かございます。それから、「資本政策の基本方針」といいますと、非常に特定性の高い何かスペシフィックなものを連想させるということがございまして、ここは「資本政策の基本的な方針について説明を行う」という表現に変えております。

引き続きまして、少し飛びますが、17ページになります。17ページは、原則3-1の箱の中の(v)のところであります。ここについても前回ご議論もございましたけれども、基本的にはやはりその上の(iv)を踏まえて、取締役・監査役候補の方、その指名を行う際に個別に説明をしていただくということは重要ではないかと考えております。ただ、今、いみじくも私が申し上げましたように、「説明していただく」ということが重要であると考えておりますので、ここは「個々の選任・指名についての説明」という表現に変えております。

それから、19ページです。これはメンバーの方からメモをいただいております。お手元にも配付してございますけれども、これは記載の順番を入れかえております。

20ページをお開きいただきますと、補充原則の4-1マル1でございます。これは私どもの筆がちょっと足りなかったところで、メモでもご指摘をいただいております。4-1マル1は、取締役会自身が何を決めて、何を経営陣に委任するかということを開示していただくということですが、通常、会社では、取締役会付議事項・報告事項という非常に分厚いファイルがございまして、それそのものを開示いただいても、ということで、ここはその概要を開示していただくということをもともと念頭に置いておりましたので、そのように書いております。

それから、4-1マル3につきましても、前回これに関するご議論もございましたし、メモでも重ねてご意見の提出がございます。従来の文章ですと、「後継者計画を承認し」という表現になっておりましたが、これですと、何か「後継者計画書」みたいな文書を取締役会で決議をとらなければいけないようなイメージがあるということでございますが、これについては後継者の計画をしっかりと取締役会が見ていくということが大事だろうと考えておりますので、「後継者の計画について適切に監督」というふうに直しております。

それから、21ページの原則4-3は、これは私どもの筆がちょっと足りなかったところでございます。人事に反映させるべき対象は、例えば4-3マル1をごらんいただきますと「経営陣幹部」と書いておりまして、もともと経営陣の中でも幹部を念頭に置いておりましたので、こちらも「経営陣幹部」と表現を修正しております。

あとは、22ページの上から3行目をごらんいただきたいと思います。この点は、4-8マル2でも同様の修正をいたしております。メモで修正意見を頂戴しておりまして、「監査役または監査役会は」というふうに修正しております。

それから、原則4-5につきましては、「取締役・監査役及び経営陣は受託者責任を負っていることを認識し」という表現になっておりました。この経営陣の中には、法律上の概念ではない、いわゆる執行役員を含むというふうに前のほうで書いております。この執行役員の方の中には、名前は執行役員であってもいわゆる従業員、従業員型執行役員と言われるような方もいらっしゃいますので、そういう方も含めて表現しておりますので、「受託者責任を負っている」という断定を避けて修正をいたしております。

それから、原則4-7の(i)は、前回会合でメンバーからご意見がありましたことを踏まえて記載しております。

その下の4-7の(ii)につきましては、従来の文章ですと、「評価・選解任その他の重要な意思決定」というふうに読めるわけでございまして、「選解任」は確かに取締役会決議をとる「意思決定」ということであろうと思いますが、「評価」については表現を正しくそろえさせていただきました。また、評価については、前のページの原則4-3に詳しく記載しておりますので、あえてここでもう一度触れる必要もないということであります。

それから、23ページは、中ほど少し上に3行追加しております。これは前回メンバーの方からご意見があったものでございます。

それから、原則4-9は、前回まで一部をペンディングということでお諮りしておりましたけれども、それについて記載をしております。最初の3行のところですが、取締役会は、取引所が定める基準を踏まえて、独立性をその実質面で担保することを主眼に置いた独立性判断基準を策定して公表すべきであると記載しております。

背景説明のところに書いておりますが、取引所が定めております独立性基準や関連する開示基準については、内容、解釈に幅を生じさせる余地があると。これについては、次のページのほうになりますが、柔軟性が確保されているという評価もある一方で、機関投資家や議決権行使助言会社による解釈がさまざまに行われていて、過度に保守的な適用を行うという弊害が生じているという指摘もございます。また、こういう基準には、幾つかの点で外国の基準との違いも存在いたしますので、ここの締めくくりとしましては、本有識者会議としては、今後の状況の進展などを踏まえつつ、取引所において必要に応じ適切な検討が行われることを期待すると書いております。

24ページの下のほうの追加は、監査等委員会設置会社、新しい制度でございますが、それについての正しい制度設計を踏まえて記載しております。

26ページでありますが、補充原則の4-13マル1でございます。ここについてはメモでご意見もいただいております。「社外取締役をはじめとする取締役は」あるいは「社外監査役をはじめとする監査役は」と、ややプライオリティーをつけるような表現は避けまして、中立的に「社外取締役を含む取締役は」という表現にそろえております。

27ページにつきましては、考え方の3行目あたりに、「目的を持った対話(エンゲージメント)」ということで、スチュワードシップ・コードとそろえた記載をつけ加えております。

28ページ、最後のページになります。原則5-1につきましては、前回のご議論、メンバーからのご意見を踏まえまして、見出しと内容について修正を行っております。原則5-2については、これまでご説明した点を同様の趣旨から修正しているものでございます。

私からのご説明は以上であります。

○池尾座長

どうもありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえて、資料1、2に関してご意見といいますか、ご質問も結構ですが、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、こちらから行くと、堀江メンバーから。

○堀江メンバー

どうもありがとうございます。序文のところで、コーポレートガバナンス・コードが、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みであるということが明確に打ち出されています。今回の会議の趣旨が非常にクリアにわかる文章になって非常に良いと思います。また、序文の内容は本当にすばらしい内容で、事務局の方の多大なご苦労に対して厚く御礼申し上げます。

このコードを基に幾つか、機関投資家としての立場から経営者サイドに対してお願いしたい事項があります。まずこのコードの趣旨からすると、経営者自身がこれを書いていただきたいというのが一番大きなお願いです。ともすると、日本人の性格として、コンプライを全部しようとして、法律の専門家がいる前で恐縮ですが、法律の観点から内容を執筆する、そういう誤った傾向が出るリスクを懸念として持っております。

スチュワードシップ・コードでも同様のことが発生している可能性を指摘できます。中長期の企業価値を見きわめる能力を前提にコードへの方針を書いていただきたいんですが、そのような能力を付ける前に全てコンプライをするような運用会社もなくはありません。そのような内容は、見る人が見ると全部分かってしまいます。全部コンプライしても中身がないことが一見して分かります。従ってそういった外形基準を整えた内容の執筆は事業会社においてもぜひ避けていただきたい。この点は、序文の中で極めてクリアにコンプライ・オア・エクスプレインの趣旨として書かれております。エクスプレインを一段低く見るといったようなことは、中長期の企業価値をちゃんと考えている投資家はいたしません。

例えばいろいろな事業環境の中、リストラクチャリングの状況で非常に迅速な経営判断をしなければいけないときは、例えばCEOが全権を握ってマネージングボード型でバーッと走ってしまうことも、投資家の観点からいったら問題ありません。つまり個々の事情を踏まえた上でエクスプレインをしていただくということを投資家としても非常に高く評価するものであります。一律にコンプライをするような雛形的な記述はぜひ避けていただきたい。実効性を持った書き方を、できればトップの方もしくは経営企画とかそういった本当に経営を担う方が経営の視点からぜひ中身を書いていただきたいということです。

海外でいうとCEOのシェアホルダーレターと対をなす重要なものになると思います。ご存じのとおり、海外では、例えばJPモルガンのジェミー・ダイモン、バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットのCEOレターを読めば、ある程度将来の企業価値を判断する基本的な事項が書かれています。今回のコーポレートガバナンス・コードは、それと対を成すような経営に関する内容を投資家に対して極めてクリアに書けるいい材料ができたと前向きに捉えていただいて、この内容について経営の観点から、企業価値という観点を踏まえてぜひ記述をしていただきたいというのが投資家サイドからの希望でございます。

○池尾座長

ありがとうございました。それでは、冨山メンバーお願いします。

○冨山メンバー

ほとんど今の話を受けるような感じで、経営者側の話をします。

まず最初に、非常に限られた時間でここまでよくまとめていただきまして、金融庁、それから、東証の事務局の皆さんに本当に心から敬意を表したいと思います。それから、池尾座長以下このメンバーの皆さんも、おそらくそれぞれいろいろな立場やいろいろな過去の経緯がある中でそれを乗り越えて非常に建設的な議論をしていただいたことに、自分も入ってしまうのでやや手前みそですけれども、謝意を表したいと思います。

私もこの内容自体は現時点では多分過不足ない形になっていて、ちょうど内村航平選手の着地みたいなものでぴたっとおりていますから、修正要望点もございませんし、逆に修正すべき点はないと思っています。

今の話をまさに受ける感じなんですが、冒頭のところにもありましたように、第2次安倍内閣成立からずっと、この同じ金融庁を舞台にしてスチュワードシップ・コードがあり、それから、法務省を舞台に会社法の改正があり、それから、厚労省を舞台にGPIF改革があり、それから、東証においてはJPX400がスタートし、経産省においては企業と投資家の建設的な対話のエンゲージメントに関する伊藤レポートがあり、今回のコーポレートガバナンス・コードと来ているわけで、それぞれが非常に改革指向の中身でまとまりつつあるわけです。

加えて、アベノミクスのもとでいわゆる五重苦、六重苦問題も今、解消されつつあるわけですから、稼ぐ力の持続的な再生に向けて、道具立ては全てそろったと言えるわけです。ですから、私に言わせれば、もう企業側にも投資家側にも言いわけはないと思います。したがって、こういった道具立てをしたたかに使って持続的成長と企業価値向上ができるか否かというのは、まさに今言われたとおりで、これはもう経済人、産業人の問題だと私は思っています。

これ、1回目か2回目に以前の有識者会議で申し上げましたように、この20年間、結果論なんですけれども、やはり日本の上場企業は世界の中での売り上げシェアを失ってきたわけで、また、米国よりもかつては高かったROEに対応する利益も失ってきたわけで、時価総額も失ってきたわけで、とどめは国内における雇用シェアも失ってきています。これは統計的な事実として失ってきています。

では、これが、新興国にやられたかというと、フォーチュン500で日本の企業は多分3分の1ぐらいに減ったはずなんですが、たしか欧米企業はフォーチュン500の中で1割から2割しか減っていないんですね。だから、やはり相対的に負けているんです。それから、もっと言うと、ROEだって昔はアメリカより高かったわけですが、ROEの不調は、これも伊藤レポートで明らかのように、やはりレバレッジじゃなくてROSが下がっているのです。要するに、企業の競争力がなくなってきたわけであります。これも明らかです。

加えて、雇用も長期的に失ったとなると、四半世紀近くに渡る超長期の不振のメーンの理由を五重苦問題に押しつけるのは私はやはり無理があるような気がします。これだけの高い技術力、現場力、これは、やはり世界から評価されているのです。これは、伊藤レポートにも出ていましたけれども、非常に高い評価を受けているにもかかわらず、これだけ多くのものを失ったのは、やはりガバナンスをはじめとする企業の上部構造、すなわち、これは本当に天に向かって唾する話ですが、私たち自身に問題があったことをやっぱり率直に認めて反省すべきだと私は思います。

売り上げを成長させ、利益をふやし、質の高い雇用と労働所得をふやし、税金を払って、そして、株価を上げて、インベストメントチェーンを通じて家計の資産取得をふやすことは企業のコアな社会的存在意義なのですが、いろいろな逆風はあったにせよ、結果的にそれを十分に果たし得なかったことは、事実であります。

一方で、戦後の五重苦、六重苦どころじゃないシビアな状況から、私たちの大先輩は日本の産業復興を成し遂げたわけです。そのときにどうやっていたかというと、多分大先輩たちは、日本企業の本質的な利点を理解しつつも、海外からすぐれた経営モデルや経営技術を大いに取り入れたわけです。それを日本的に吸収して消化して、和魂洋才の精神で後に日本的経営とか日本的品質管理と世界に賞賛される新しいモデルを見事につくり上げたわけです。

しかるに、ジャパン・アズ・ナンバーワンとおだてられたあたりから、やはり私は思い上がったんだと思います。やはり日本の経営者の多くは、聖域なき自己改革とか、痛みを伴う自己改革を持続する力、進化する力をやはり弱めたと私は思います。大体、傲慢な心というのは、真摯の精神を失わせて、変化の圧力に対しては大体被害者意識を持つものです。ガバナンスにかかわる議論も、長い間やはり傲慢と被害者意識の振り子の間を振れた印象を私は持っています。この10年間のいろいろな議論、私も関わってきたので、正直にそう思っています。

しかし、幸い、今や多くの経済人、産業人は、もう一度、日本企業が新しい和魂洋才の精神を持って聖域なき進化を加速させて、新しい日本的経営を創造しようと思っています。これは本当に多くの人が思っています。かつ、それが待ったなしであるという意識を共有しています。

このコードはほぼ間違いなく、そうした改革意欲のある経営者の背中を押すものと確信していますし、私の経験に照らしても、本コードを含めて一連のガバナンス改革が、日本の共同体的なコアコンピタンスと矛盾するとは全く思いません。もっと言ってしまうと、このぐらいの話で揺らぐのだったら、そんなものはコアコンピタンスでも何でもないですし、そんなものは文化でも何でもないです。私は全然違うと、すりかえだと思っています。

言いかえれば、今年2014年はこれだけの道具立てが全てそろったわけで、20年後30年後、私たちの後輩たちが、この2014年がコーポレートガバナンス新時代の元年だったと、あるいは日本企業の稼ぐ力が再生する元年だったと振り返ってもらえるかどうかは、まさに今、堀江先生が言われたように、現役経営者である私たちの意欲と真摯な努力にかかっていると私は思います。

例えば社外取締役の数についての報道が一部でありましたが、冷静に考えてください。日本には3,000の上場企業があるんです。6年任期として、毎年500人の社長OBが出てくるのです。過去10年だけでもその人たちはもう5,000人いるのです。この人たちが2社やるだけで1万人のプールがあるのです。この国はこれだけのプールがあるのです。今、日本はわりと長生きですから、多分多くの方はご健在のはずです。もしこの人たちが不適格だとするのだったら、その人たちが上場企業の社長をやっていたのですかということになってしまうので、なり手がいないという議論は、もうほとんど天に唾するような議論なのです。

ですので、もう終わりにしますが、とにかくやはりこのコーポレートガバナンス・コードをてことして、企業経営のあり方にかかわる変革に対する真摯な努力、厳しい自己改革が実践されて、これからの20年間が、過去20年間日本企業が世界で失った売り上げシェア、利益水準、そして、雇用の質と量を取り戻す20年間になることを私は期待しますし、確信しております。以上であります。

○池尾座長

ありがとうございました。

では、小口さん。

○小口メンバー

ありがとうございます。最初に感想めいたことを申し上げて、その後質問といいますか、確認をさせていただきたいことがあります。今回の会議は「『日本再興戦略』改訂2014」を受けて立ち上げられたのですが、第2回でも申し上げたのですけれども、我々に与えられた課題というのが、「我が国企業の実情等にも沿い、国際的にも評価が得られるものとする。」という、ある意味二律背反といいますか、そういった難問を抱えて、二兎追う者一兎も得ずという結果になるリスクに常にさらされながらずっとこれまで議論してきたわけです。

メンバーの中には、国際的評価に重きを置かれるメンバーもいらっしゃる一方で、企業の実情に重きを置かれるメンバーもいらっしゃると思うのですけれども、お互いにお互いの意見に耳を傾けながら議論を建設的に戦わせることで、そしてまた、事務局のご尽力で、この短期間でこのような説明力の高い案がまとまったということについては大変ありがたいと思っていますし、また、誇りに思っています。

第1回でも申し上げたのですが、コーポレートガバナンス・コードということになりますと、どうしても議論の中心は、取締役会の役割や機能ということになるわけで、それはやはり重要な点なので、世間の関心もそこに集まるのはやむを得ないのですけれども、振り返ってみますと、むしろ議論を経て原案に含まれたその他の原則が、上場企業と株主の建設的な対話を促進するアジェンダに、今後なっていくのではないかと思っています。

全部は触れる時間がないのですけれども、一例を挙げますと、補充原則1-1マル1として、「取締役会は、株主総会において可決には至ったものの相当数の反対票が投じられた会社提案議案があったと認めるときは、反対の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、株主との対話その他の対応の要否について検討を行うべきである。」という文言が入りました。これは今回の議論の中でも参照された、英国のガバナンス・コード、一番先進的なコードだと思うのですが、今年9月の改訂版で初めて入った内容が、今回我々が初めて策定した原案の中にも入ってきたということです。

この事例でもわかるとおり、先進的な内容がかなり含まれていて、それに基づいて上場企業が株主との対話に取り組んでいく訳です。例えばこの補充原則1-1マル1についていえば、議決権行使が、賛成されてよかった、否定されて大変という百ゼロの視点にとどまるのではなく、株主の声を経営に生かすという視点で捉えられ、株主との対話を通じ実際に企業価値が高まっていくことに貢献することとなれば、伊藤レポートの中で、日本は対話先進国を目指すというメッセージが示されていますが、その道筋にもつながる、大変いい原則として評価されていくのではないかなと思っています。

先ほど堀江さんがスチュワードシップ・コードについておっしゃっていましたが、私もスチュワードシップ・コードの有識者会議に参加させていただいた時のことを思い出してみますと、当初は議決権行使の開示結果について関心が集中して、わかりやすい論点なので仕方がないことではあるのですが、スチュワードシップ・コードの内容が徐々に周知されていくことによって、投資先企業の持続的成長を促す建設的な目的を持った対話とは何なのかといった、実質的な議論が始まるようになったという経験をしています。

今回のコーポレートガバナンス・コードも、どうしても独立社外取締役の数とか、そういったわかりやすいところに最初関心が行くのはやむを得ないのですけれども、コーポレートガバナンス・コードも、スチュワードシップ・コードと同じように、形式から実質への議論のパスをたどっていくのではないかなと思っています。今後、国内だけじゃなく国外でも、このコードをめぐる議論や対話が数多く起こってくると思うのですが、私も含めて、当会議に参加した皆さんも、この場でいろいろな知見を得ることができたと思うので、そういった議論に積極的に参加して、せっかく苦労してたどりついたこのコードの意義を実質的に高めていくという責任を負っているのではないかなと考えています。長くなりましたが、感想は以上です。

質問になるとかなり具体的な話で恐縮なのですが、今回追加していただいた序文の13のところに、取引所に上場する会社が適用対象であるというふうに書いてございます。そして、原則1-4、11ページのところで、いわゆる政策保有株式についての原則が書いてあるのですが、政策保有株式といった場合に、例えば銀行による政策保有株式の現状を考えますと、厳密にいいますと、上場会社の持ち株会社本体ではなくて、非上場の子会社の銀行が保有しているというのが実際のいわゆる政策保有株式の現状だと思います。例えばこういったケース、あるいはほかにも、上場企業を対象としながら、実際には非上場の子会社が該当するようなケースもあると思うのですけれども、そういう場合のコードの適用についてはどういうふうに考えられているのかということをお聞きしたいというのが質問でございます。

○池尾座長

では、事務局から答えていただけますか。

○油布企業開示課長

おっしゃるとおりでして、銀行の政策保有株式と申しましても、上場している持ち株会社だけではなくて、非上場の子銀行のほうで保有されているケースも確かにあると認識しております。この点、コードはプリンシプルベース・アプローチでございますので、コードの趣旨や精神を踏まえて対応していただくということが必要であろうと思っています。当然、非上場の子銀行の保有分も含めて対応されるものと考えております。

○池尾座長

グループ経営されているケースが多いわけで、グループ経営の場合のグループ全体のガバナンス構造とかを含めてちゃんと考えるということになるんだと思います。

ほかにご意見いかがでしょうか。どうぞ、森メンバー。

○森メンバー

ありがとうございます。短期間の中でこれだけいろいろな意見が出た中で、それぞれの意見を取り入れてコードをまとめられた事務局のご尽力に対して敬意を表したいと思います。また、政府の成長戦略の中の最初の1番目の緊急対応の1つとしてこのコーポレートガバナンス・コードの策定が求められたということで、いろいろご意見がございましたけれども、これからコーポレートガバナンスに対してしっかり対応していかなければいけないということだと思います。

このコードが我が国のコーポレートガバナンスの向上、あるいは国内外の利害関係者の我が国のコーポレートガバナンスの理解に非常に役に立つものと考えておりまして、このコードの策定には非常に意義があったものと思います。

幾つかコメントさせていただきます。情報開示が大事であるというお話をさせていただいておりますが、やはり国内外の利害関係者の理解を深めるためには、情報開示をどのように行っていくのかということが大事だと考えております。その範囲あるいは内容、その信頼性、それと適時性、こういったものについてきっちり中身を検討してコードに落とすべきであろうということでお話をさせていただいた次第であります。

コードでありますので、法令を超えてということにはなりませんので、今後議論が進むということになることもあるかもしれませんが、例えば補充原則の1-2マル2につきましては、上場会社は、株主が総会議案の十分な検討期間を確保することができるよう、招集通知に記載する情報の正確性を担保しつつその早期発送に努めるべきであるとされております。まさにそのとおりでありまして、株主総会における株主の権利行使においては、情報を十分に分析する時間が必要であるということであります。ただ一方で、その情報の信頼性が確保できたものでなければ、これは混乱につながってしまうということであります。ですから、この情報の信頼性を担保しつつというところを、ここを是非、強調させていただきたいということでございます。

それと、今回、説明責任が大事だというお話をさせていただいて、基本原則4に、受託責任とともに説明責任が大事であるということが強調されました。これはこのコードに非常に意義があることと考えています。説明責任は情報の信頼性というところもかなり深く関わってくるところでありまして、しっかりした情報を適時に説明していくということが大事なんだろうということであります。

その際に、取締役会等に対して説明責任を改めて認識してもらうということがこのコードにとって非常に意義のあるところですが、例えば原則4-11でありますが、情報の信頼性の中で、監査に関する知見ということを私の方では大分意見を言わせていただきました。コードでは、財務会計に関する知見ということで整理をされているということであります。海外のコードに監査というところまでは入っていないのが通例ということでありますので、その中で反映されなかったと理解しております。

諸外国においては、財務会計に関する知見のある者としてエキスパートという表現をしているわけでありますけれども、この財務会計のエキスパートには実は監査の経験者が含まれていることが多いわけでありまして、その点、我が国のガバナンス環境とは若干異なるのではないのかなと考えています。この財務会計に関する知見の中に、監査に関する知見も、海外の実態を踏まえると含まれるものと理解していることを強調させていただきます。

以上、3点を強調させていただきます。ありがとうございました。

○池尾座長

どうもありがとうございました。

それでは、中村メンバーお願いします。

○中村メンバー

まず皆さんと同じように、短期間で全員の意見をおまとめいただいたことに感謝申し上げます。

私のほうからは、企業の意見というところで申し上げたいと思うんですが、今回このコーポレートガバナンス・コードというのは、いわば企業と投資家とのコミュニケーションツールという形になっていくのではないかなと私としては考えております。これから各会社がこれをよく読み込んで、それについてこれを会社がどういうふうに1つの項目について考えるのかということを自分の言葉で表現をしていく。投資家の方がそれについて意見を言う。そうしたことを通じて企業のガバナンスが高まっていくというプロセスが大事なのではないかなと考えているところです。

そういったことを前提に、ここからはお願いを申し上げたいと思います。5ページの15ポツのところで、適用時期については来年の6月1日からとなっております。また、一部についてはコーポレートガバナンス報告書の改訂というような形で具体化していくのではないかと思います。

企業においては、どういう形でコードの内容を表現していくかということについても検討が必要ですし、それぞれの項目について、先ほど申し上げたように、自分の会社の中でよく読み込んで、既にできていることは何なのか、できていないことは何なのかと、できていることについてそれを表現して、また、できていないことについては、では、対応をどうやっていくのかということで立案して検討していくということで、実務としてはそれなりの作業があるかなと考えているところであります。また、他社さんからも、適用時期が6月1日というのはかなり厳しいというお話も聞いております。

ということでございますので、6月1日時点では部分的には企業の中で鋭意準備中であるというようなこともあろうかと思っておりまして、そういう部分についてぜひ株主や投資家の皆さんにも理解していただきたいというのがお願いでございます。以上でございます。

○池尾座長

どうもありがとうございました。

引き続き、ご意見をお願いいたします。では、内田メンバーお願いします。

○内田メンバー

まず初めに、意見に非常に幅があった中で短期間でこのような形でまとめられたことについて、ご苦労をお察しするとともに大いに敬意を表します。

今回出された序文については特に意見はございません。それ以外の項目については既に意見書を出していますので、この場で申し上げることは差し控えさせていただきます。

運用面でお願いしたい事項が3つございます。1つは、この序文にプリンシプルベース・アプローチとコンプライ・オア・エクスプレインの説明を非常にわかりやすく簡明に記載いただきましたが。前回も申し上げました通り、この手法は企業にとってはなじみがない上に、来年の株主総会まで非常に時間が限られているという状況がございます。企業が十分にコードの趣旨を理解した上で対応できるように、ここに記載したら終わりということではなくて、説明会を開催するなどしてしっかり周知していただきたいと思います。経団連にも協力いただけるものと思います。

また、株主や機関投資家サイドに対しても、企業がエクスプレインを選択した場合にそれのみをもってマイナス評価とならないように、十分な注意喚起をお願いしたいと思います。加えて、機関投資家だけでなく議決権行使助言会社に対しても、このコードの趣旨を十分周知する必要があろうと思います。序文の12に「実施していないことのみをもって、実効的なコーポレートガバナンスが実現されていない、と機械的に評価することは適切ではない」とあり、まさにこのとおりだと思いますが、議決権行使助言会社は、往々にして形式基準を決めて、それを満たしていない場合は反対推奨するということがあると思います。そうではなくて、エクスプレインをよく見て推奨してくださいということだと思いますので、議決権行使助言会社に対してもやっぱりこのコードの趣旨を十分周知する必要があろうかと思います。その辺についても配慮をぜひともお願いしたいと思います。

2番目は、時期の問題です。コードで開示が求められている事項やエクスプレインする場合の開示方法などについては今後東証でどういう形でやるか検討されるものと思いますが、かなりの部分がコーポレートガバナンス報告書で記載することになると考えています。今回のコードの趣旨を踏まえますと、適用開始後に最初に開催される総会で独立社外取締役を含め役員が選任され、本来であれば、その独立社外取締役を含めた経営陣で、このコードの適用や、エクスプレインする場合はどうエクスプレインするかを検討することになると理解しています。その際には、独立社外取締役がその会社の内容を十分理解して、そのうえで議論してこのコードに対してどう対応するかを決めることになろうかと思いますので、そういう時間も配慮して、コーポレートガバナンス報告書を提出するタイミングを設定していただきたいと思います。

3番目は、独立性基準の見直しについてです。原則の4-9で、企業は独立社外取締役に関する独立性判断基準を各社で策定、公表することが求められていますが、その際に東証の定める独立性基準を踏まえる必要があります。ただ、東証の独立性基準については、独立性が認められる範囲が狭く捉えられがちで、適切な人材を選任することが難しいといった意見があります。多くの上場企業は人材の確保等何らかの対応がこれから必要になるわけですが、独立社外取締役の役割は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与することにあり、そうした資質を備えた人材を選任するには時間がある程度かかることになろうかと思います。形式を重視するあまり、独立性基準が過度に保守的になってしまうと、求めうる人材の幅が狭まってしまって難渋するということが予想されますので、東証の独立性の基準の考え方について、企業の意見等も踏まえ、実態に即した形で見直しをぜひともお願いしたいと思います。以上です。

○池尾座長

どうもありがとうございました。

それでは、他のメンバーの方いかがでしょうか。はい、太田メンバー。

○太田メンバー

冒頭から議論があったように、今の日本の企業の中にあっては、ドミナントな機関設計というのは監査役会設置会社方式であるということはもう繰り返しませんが、そういう観点から、さまざまな議論がある中で、監査役制度のあり方だとか、現状について的確に相当程度書き込んでいただいたと私は思っておりますので、まず感謝申し上げたい。

あわせて、先ほど来から各メンバーの方々からご指摘がありましたけれども、要するに、現状というか、現実を踏まえたというか、現状における最適解をどのように求めるのかというアプローチ方法と、必ずしも対峙するわけではありませんが、理念を持って現状の改革を少しでも進めようとするアプローチ方法、両者は、実はそんなに行き着く先は私は大きく変わらないんだと思います。その入り口のところで、意見の差がややあったのかなとは思いますが、結論において、いい落としどころかなというふうにも実は思います。これは感想です。

それともう1点なんですが、先ほど、堀江メンバーから、過度なコンプライの排除というご意見がありました。全くそのとおりだと思います。我々、やはり書かれた文章表現について、言い換えれば、厳密な用語というか言葉遣いに対して反応するというのが属性であるように思います。それは我々だけなのか、海外においてもそうなのかよく知りませんが、少なくとも我々はどうもそういうカルチャーにあると思います。

そういった観点から1点だけお願いですが、20ページ目にあります補充原則の4-1マル3というところにつきまして提案があります。先ほど油布課長からもご説明ありましたように、原案から比べますと、例えば「最高経営責任者等の後継者計画を承認」、これを「後継者の計画について適切に監督を行う」というふうに相当わかりやすく書いていただいたと思うんですが、後日多分これを英文でも公表するというようなことを考えますと、初回にご説明があったと思いますが、例えばOECD原則の中では、「プランニング」という言葉を使っているわけです。あるいは、ドイツの例においてもこれ、英訳されるときにプランニングという言葉を使っています。したがって、英訳するときには、少なくとも「プランニング」というような言葉のほうがより一般的な理解に見合うのかなということです。

あわせて、日本語でどういうのかなということなんですが、先ほどもご説明ありましたように、「計画」といいますと、非常にリジッドな、AさんがよくてBさんがだめというような、まあ、だめというような表現はしないと思いますが、そういう極めてリジッドなものを想起する企業経営者が多いと思います。執行のサイドからいうとそういう印象が非常に強い。例えばこの意図を広くとる意味で、より広い概念で、例えば「計画」という言葉をちょっとトーンを弱めて、後継者に関する「考え方」とか、つまり、そのほうがここで書かれようとしている趣旨により見合うのではないかと思いますので、最後になって文言を言うのはあんまりよくないなと思いながらも、少し改めて読みますとここのところにちょっとひっかかりがありますので、ご検討いただければと思います。以上です。

○池尾座長

修文のご提案がありましたので、今の点に関してほかのメンバーの方がもしお考えがあれば、この場で出していただいたほうがいいかと思うんですが、いかがでしょうか。確かに日本語の「計画」という言葉は、英語の「プラン」よりも狭いというか、リジッドである語感があることは事実だと思うんですね。

○太田メンバー

おそらく企業経営者が非常にナーバスになるのは、何かそこに対して、人事権の行使みたいなところについて、相当こだわりがあって、結果的にそこが達成されないのではこの文章の意味がなくなるので、実はむしろ「考え方」というような広いコンセプトなんだと説明することが望ましいかと考えた次第です。

○池尾座長

ただ、「考え方」までいくとちょっと、逆に「プランニング」よりも広過ぎるんではないかという感じもしますので。

○太田メンバー

しかし、英語にもしするとしたら、やっぱり「プランニング」に多分、OECD原則の例から見てもなるのかなと思うものですから。

○池尾座長

英語にしたときに「プランニング」だというのはおっしゃるとおりだと思うんですね。

どうぞ。

○キャロンメンバー

座長のおっしゃるとおりであり、また、太田メンバーがおっしゃることもよく理解できます。「プランニング」は問題ありませんが、「計画」はもしかして「プラン」より強いかもしれません。ですが、「考え方」では非常に弱いので、「計画」で行くのか、「方針」なのかは分からないですが、もう少し実態のあるような表現であるべきです。要は、投資家側としては、最高経営責任者が変わることはものすごく大事なので、単なる「概念」や「考え方」だけではなく、実際に継承に関する準備をしていることが非常に重要なのです。そのために、諸外国のコードにも記載があるのだと思います。以上です。

○池尾座長

言葉的には「方針」のような感じはするんですが、「方針を監督」するというのは、日本語としてはちょっとおかしくなってしまうので、今、事務局の案は、「計画」の後に括弧して片仮名で「プランニング」と入れるのはどうかと。

○太田メンバー

私は大賛成です。私は以前から安直な片仮名英語を使うなとちょっと言いそびれていましたが、今の案は非常にいいのではないかと思います。

○池尾座長

じゃあ、そのあたりで。

はい、小口さん。

○小口メンバー

それもいいんですけれども、「プランニング」という言葉自体はもう日本語になっていると考えたら、そのまま「プランニング」にしてしまったほうがすっきりするのではないでしょうか。「計画(プランニング)」となると、どういったらいいんですかね、何かわざとらしい印象もうけます。

○池尾座長

じゃ、ここはなるだけ片仮名を使わないという原則の例外としたいのですが、この文章だと、やっぱり後継者のプランになるので、「計画(プランニング)」で、すみませんが、その線で修文。「計画(プランニング)」ということで、ここは趣旨を明確化するということで直させていただくということでよろしいでしょうか。

ほかにご意見いかがでしょうか。はい、大場さんお願いします。

○大場メンバー

最後の会でしょうから感想を申し上げたいと思います。この会議は、ある意味では日本の今までなかなか難しかったことにチャレンジをした会議ではないかと思います。それを関係者のご努力で突破していただいたんではないかと思います。

第1点はスピード感です。日本の特徴はものすごく時間をかけることにあると、グローバルには言われていたわけですが、短期間でまとめられました。加えて、来年の6月1日スタートということが明記されているということで、いつになったら具体的に動くんだという懸念を払拭できたのではないかと思います。そういう意味で、日本の従来の考え方にくさびを打ち込んでいると言えるかと思います。

第2点は、株主の存在です。これほど株主の存在が前面に出てきた原則が取りまとめられたというのは初めてになるんではないかと思います。私としては、コードの精神を序文に見事にまとめていただいているわけですが、6ページ、7ページの基本原則が極めて大事ではないかと思います。これは基本原則ですから、一つ一つのことについてどう考えたらいいか疑問が生じたときには、この原則に全て立ち返るということではないかと思います。ここに立ち返ると、おおむね自らの判断がどのようなものであるかということが確認できるんだろうと思います。

原則1、株主の権利・平等がうたわれている。原則2、株主だけがいいということではあり得ないと。全てのステークホルダーとのバランスを常に考えるべき。3は、大変重要なことではありますが、いわゆるディスクロージャー、情報であります。情報の透明性の問題。4番目は取締役の責務が記され、ここに「受託者責任」という言葉が入ってきているということを大変歓迎したいと思います。5番目は株主との対話、つまり、株主というものがこれだけ前面に出てきた報告書というのは、非常に貴重で意味のある報告書になっているのではないかと思います。

これは別に株主だけがということではなくて、資本市場に、東京証券取引所に大変有益な効果をもたらすのではないかと思います。30年低迷している市場が、グローバルに見て評価されるはずがありません。大きな転機を迎えているのではないかと思いますが、その契機になるのではないかと思います。このコードが、企業経営だけではなくて、機関投資家も含めて、価値創造こそが全ての原点だという意味において経営革新のはずみになるコードになることを期待したいと思います。以上です。

○池尾座長

ありがとうございました。

あと、いかがでしょうか。武井さん。

○武井メンバー

そうですね、皆さんもおっしゃったとおりで、まず経済成長戦略として、短期間の時間的制約の中で、まさにオールジャパンでまとめられたすばらしいものであると思います。あと、いろいろなご意見をご調整された事務局の皆様に大変謝意と敬意を表したいと思います。多分、昼夜徹して作業されたのかなと思うぐらいかなり大変だったと思いますので、大変お疲れさまでございました。

あと、さきほどちょっと法務の話が出まして、そのことを多分一言コメントせざるを得ないかと思いますが、確かにこういった、政府から指針というかそういう何かが出されたとき、「まずは法務で」という思考回路が社内から出がちなのかもしれません。しかし今回のコードはまさにプリンシプルベースであって、何のためにこのガバナンス・コードの各項目が書かれているのか、その根本の趣旨のところに根ざして対応をしていくべきだと思います。法務はそういった趣旨の理解の面で助けになっていくのかもしれませんが、コードへの対応は法務だけでは対処しきれない、むしろさきほどCEOを含めたトップを挙げてというご意見がありましたけれども、まさに経営企画、IR、財務経理、CSRといった全ての部署が横断的に、また社内で組織化された形で、社内のオール・チームで当たる、チームワークでやっていくほうがよいと思います。

コードの一個一個の項目に関してなぜこういう項目が置かれているのかという趣旨を考えないと、コンプライの説明もエクスプレインの説明もできないということかと思います。今回のコードが根ざしている大きなピクチャーをちゃんと理解した上で対応したほうがよくて、法務にやらせておけといった丸投げの対応はやるべきではないんだろうなと。弁護士がこんなことを言うのも何ですけれども、思っているということでございます。

あと、今の話の絡みで、今回の序文が、私もすばらしいと本当に思っております。座長が「序文は最後に書く」とおっしゃったのもまさにとてもよかったなと思うわけですけれども、コードの趣旨や背景や意味について、必要なことが整然とわかりやすく書かれています。今回のこのガバナンス・コードを読みとくに当たっては、まさに序文を一文一文無駄にすることなく読みこなして、その上でコードを読んでいただきたいと思います。そのぐらいすばらしいというか、ここまでよく漏れなく、かつ趣旨がちゃんと伝わっている良い序文だと思います。

私自身が特に注目するのは7項と8項です。7項はまさに攻めのガバナンスについて述べていて、守りのガバナンスも重要だけれども、まさに果断な意思決定を行うためだという点。あと8項にありますように、中長期の投資を促すと。中長期の投資家がまさに会社にとっての重要なパートナーであるということです。年金改革とかJPX日経400とかもいろいろ進んでいるわけですから、そういった中長期のリスクマネーを受け入れる環境としてのガバナンスシステムとしても重要なのだと思います。

ガバナンスというと守りのガバナンスの説明が巷でも多かったので、攻めのガバナンスの点はこうした巷の説明より新しい、いろいろなことが統合された、まさに統合報告的なすごく良いガバナンスの説明になっていると思います。持続的な成長を目指しておられる企業の皆様にとっても、良いガイドになるのだと思います。いろいろな方にこの序文をまずきちんと読み解いていただいて、一文一文の趣旨を理解していただいた上で、各コードの原則を読み、何でこの各原則や補充原則があるのかの趣旨を理解して、対応を考えていっていただけたらと思っています。以上です。

○池尾座長

どうもありがとうございました。

神田先生、よろしいでしょうか。

○神田メンバー

では、一言だけ。ありがとうございます。あまり考えてきていないのですけれども、もう皆さんがおっしゃったように、ここまでまとめられた座長と事務局の大変な努力に感謝したいと思います。

手短に感想を2点、今、皆様方のお話を伺っていて、申し上げます。1つは、今、武井メンバーがおっしゃったことと重なるのですけれども、願わくば上場企業におかれましては、このコードを法務部門やコンプライアンス部門だけの担当ということにしないで、経営部門というか、企画部門担当ということでお考えいただけるとありがたいと思います。

それから、2点目は、このコードは、今、原案ですけれども、英文にされると思います。その際には意味するところができるだけ伝わるように工夫をしていただければと思います。意訳という言い方がいいのかよくわからないのですけれども、日本語としても非常に難しい表現がたくさんあるように思いますけれども、これを英語にするときには、とにかく気持ちというか趣旨が伝わるような工夫をぜひお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

○池尾座長

はい、どうぞ。

○キャロンメンバー

おっしゃるとおり、英訳は非常に重要ですので、私でお役に立てることがありましたら、喜んでお手伝いさせていただきたいと思います。

このコードの策定は、間違いなく革命的な躍進であると確信しています。先ほど小口さんがおっしゃったんですけれども、攻めのガバナンスの観点からすると、このコードのおかげで日本が一気にガバナンス先進国に躍進するのです。事務局の皆様、座長はじめメンバーの皆様に大変感謝をしています。

諸先輩方のお話を伺ってから、発言させていただこうと思っていたのですが、大場さんがおっしゃった、本コード策定における「スピード感」は私も同意見です。大企業病と言われますが、もしかしたら大国病も存在するかもしれません。失われた20年があったので、日本はある意味そのように思われている可能性もありますが、今回のコードの内容と策定までのスピードは、日本の逆襲と考えてもいいと思います。本来ある、我が国――すみません、我が国という言葉を是非使わせてください。私の心は日本ですから。我が国の活力、我が国の力、我が国のエクセレンスを、このコードの策定を通じて示すことが出来たのではないかと思います。

冨山さんがおっしゃったとおりで、今年はいろいろなコーポレートガバナンスに関連した動きがありました。JPX日経400から伊藤レポート、スチュワードシップ・コードと、今回のコーポレートガバナンス・コード。間違いなく、価値創造経営、攻めの経営を支える、攻めのガバナンス元年であると言えると思います。これがこれからパブリックコメントになりますが、あくまで予想ベースですが、非常に良い反応が期待できると思います。

外国人投資家の日本のコーポレートガバナンスに対するこれまでの評価は、残念ながら、コーポレートガバナンスが弱いという印象でした。しかしながら、独立取締役の数については随分ご議論がありましたが、それ以外にも受託者責任、取締役の役割・責務、株主との対話、役員研修などが、本コードには網羅されています。一つのコードにそれらが網羅的に入っている、その重なりが非常に重要です。そういう意味でも革命的な飛躍であり、何といっても皆様に感謝申し上げたいと思っています。また、コードの実践においても、このコードの性質と、やはり日本の企業は非常にまじめですから、間違いなくこれもいい結果になると信じております。話長くなりましたが、以上です。本当にありがとうございます。

○池尾座長

ありがとうございました。キャッチアップは得意なんですね。

大体、全メンバーの方にご発言いただきましたが、さらに追加で何かご意見等ございますでしょうか。特段ございませんようでしたら、そろそろディスカッションは終わりにさせていただきたいと思います。

それで、本日は、コードの意義とか、あとは、コードをせっかくつくったんですから、周知させるという必要性、それから、運用面での問題等についてご意見をいただきました。そうしたことを前提とした上で、1カ所修文についてももうこれも合意ができましたので、本原案につきましてご賛同いただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。

ただ、表現の平仄を合わせるとか、最終的な精査でちょっとてにをはを直すとかいうことはあり得るので、その点に関しては、念のために私にご一任いただくということでよろしくお願いいたします。

(「異議なし」の声あり)

○池尾座長

ありがとうございます。

それでは、先ほどもありましたが、これは今後パブリックコメント等に付すことになりますので、その手順につきまして事務局からご説明をお願いいたします。

○油布企業開示課長

このコード原案でございますけれども、日本語と英語でパブリックコメントに付したいと考えております。英語版のパブコメのほうは、翻訳作業の関係から、日本語版よりも若干おくれてパブコメにかけるということになると思いますが、速やかに用意したいと考えております。

その際、あくまでの正本は日本語版ということでございまして、英訳については、事務局の私ども金融庁、東証で作成したprovisionalなtranslationという、そういう取り扱いにさせていただきたいと思っております。この英訳作業に当たりましては、この席上、有識者会議でたくさん出ましたご意見を踏まえて、できるだけそれを反映するように努めさせていただきたいと思っておりますけれども、今、神田メンバーからもお話もございましたけれども、場合によってはある程度、ちゃんと趣旨が伝わる、内容がわかりやすく伝わるということを優先して、一種の意訳みたいにするようなこともお許しいただきたいと思います。後継者の計画については多分、「サクセッションプランニング」とさせていただくと思うわけでございます。

このパブリックコメント期間ですけれども、おおむね1カ月程度を考えて想定しております。

○池尾座長

ありがとうございました。そういうことで、パブリックコメントに付した後、寄せられたご意見を踏まえて、もう1回だけ集まっていただく、再度皆様にお集まりいただいて、本有識者会議としての「コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方」、すなわち、コード原案を確定させるという作業があと残っております。

これまで8回にわたりまして、皆様大変お忙しい中お集まりいただいて、本当にありがとうございました。どういう経緯か知りませんが、私に座長をやれということで、私はわりと安請け合いのほうなのですぐ引き受けたんですが、引き受けた後いろいろと考えるにつれ、このガバナンス・コードの作成に関して世の中内外関心が非常に高まっていて、どういう内容を出しても批判されるだけで、ダウンサイドリスクしかないんじゃないかという、そういう心配もしていたんですが、今のところそれは杞憂に終わって、それなりの評価をいただけそうな内容のものがまとめられたということで、メンバーの皆様のご協力と、事務局が極めて有能さを発揮したということで、どうも大変ありがとうございましたということです。

ガバナンスに関して、幅広い観点から活発なご議論をいただいて、とても意義のある会議になって、私としても勉強させていただきました。改めて感謝申し上げます。

最後、事務的な連絡をしていただいて、締めます。どうぞ。

○油布企業開示課長

今、座長からもお話ございましたけれども、次回のこの会議の日程につきましては、おそらく2月ごろになるかと思いますけれども、後日ご案内をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○池尾座長

どうもありがとうございました。それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3836、3671)

サイトマップ

ページの先頭に戻る