フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議(第2回)議事録

1.日時:

平成28年6月14日(火)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【福田座長】

それでは、時間になりましたので、ただいまよりフィンテック・ベンチャーに関する有識者会議第2回会合を開催いたします。

皆様、ご多忙のところご参集いただきまして、誠にありがとうございます。

初めに、前回の会合をご欠席された委員の方のご紹介を、事務局よりお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

事務局よりご紹介申し上げます。前回ご欠席で今回ご出席をいただきました委員の方、ちょうど真ん中のところにご着席いただいておりますが、松尾豊様でございます。また、本日も前回同様、テレビ電話を通じまして米国より、金子委員及びMITメディアラボの松尾真一郎様に参考人として米国よりご参加をいただいております。事務局より、以上でございます。

【福田座長】

ありがとうございました。

それでは、議事に移らせていただきます。本日は、まず松尾委員より、「人工知能の動向と金融との関係」と題して20分程度ご説明いただきたいと思います。その後、金子委員より、「シリコンバレーの歴史とエコシステム」と題して20分程度ご説明をいただき、最後にこれらのご説明に関し、一括して討議を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、松尾委員、よろしくお願いいたします。

【松尾委員】

よろしくお願いします。「人工知能の動向と金融との関係」ということでお話しさせていただきます。大きく人工知能の話をしていって、最後に少し金融との関係をお話ししたいと思います。

私自身は人工知能の研究をずっとやっておりまして、日本に人工知能学会というのがありますけれども、そこで編集委員長を2年ほどやって、その後、今、倫理委員会というのができて、倫理委員長というのをやらせていただいております。

今、人工知能がすごくブームになってきているんですけれども、ちょっと概要からお話ししますと、歴史的には3回目のブームというふうに言われていまして、1956年に人工知能という分野ができましたので、今年でちょうど60年ということになるわけですけれども、その間、ブームになっては冬の時代が来てということを繰り返していると。今回は3回目のブームだということです。キーワードとして、ワトソンとかSiri、ペッパー、それから将棋、囲碁、あるいは自動運転といろいろな言葉が聞かれるわけですけれども、技術的な内容からしますと、それほど急激な変化が起こっているわけではなくて、以前からずっと研究されていたものの性能が少しずつ向上していると、良くなっているということだと思います。そういう意味では、今非常に期待感が高まってしまって、若干危険な状況にはあるというふうに思います。

一方で、右上のほうにディープラーニング革命と書いていますけれども、ディープラーニングという技術について少しお話ししていきますけれども、これに関しては、本当に数十年ずっとできなかったことが、ここ2、3年で急激にできるようになっていて、ここに関してはかなり破壊的なイノベーションが、今起こっているということで、ブームになってもいいぐらい潜在的な可能性が高いというふうに考えています。

ディープラーニング革命で一体何が起こるのかというと、非常にざっくり言いますと、認識、運動の習熟、言語の意味理解というのができるようになるということです。認識というのは画像認識ですね。コンピュータにとって画像認識というのは非常に苦手なタスクだったわけですけれども、それができるようになってくると。次に、運動の習熟。これは何かというと、ロボットや機械が練習して上手になるということができるようになると。人間も練習して上達する、習熟するわけですけれども、それと同じことができるようになる。最後に、言葉の意味理解ができる。文の意味というのをコンピュータが使えるようになるという、こういう変化が起こっていくというふうに考えています。

画像認識というのは、これまですごく難しいタスクでして、このページにイヌ、ネコ、オオカミというふうに書いていますけれども、人が見ると一目でわかると。ところが、これをコンピュータに見分けさせること、こんな簡単なことも今まですごく難しかったんですね。なぜかというと、例えばこの3つを見分けたいとしたときに、どういうふうに見分けるか。いろいろ考えて、例えば、ネコは目が丸そうだと。目が丸いとネコと判定しよう。目が細長い場合に、耳が垂れているとイヌで、耳がとがっているとオオカミだというふうに判定しようと。そうすると、何となく判定できそうに見えると。ところが、やっぱりこういうシベリアンハスキーみたいなのがいて、目が細長くて耳がとがっているんだけれども、オオカミじゃなくてイヌですと。こういう例外が発生します。

じゃ、この右上のオオカミというのは、何となくオオカミっぽい顔をしていて、右下のイヌはイヌっぽい顔をしているんですけれども、じゃあこのイヌっぽさ、オオカミっぽさというのを定義してくださいというふうに言われると、すごく難しいわけですね。人間は何となくオオカミっぽいなとか、何となくイヌっぽいなというのがわかるんですけれども、コンピュータにそれを教えるというか、定義するということは非常に難しかったということで、こういう特徴量というのを人間が考えている限りは、認識の精度は上がらなかったわけです。ところが、コンピュータ自体がこの特徴量をつくり出せるようにならないと、これはどうしても上手くいかなかったということです。

これが今、ディープラーニングの場合はできるようになっていまして、特徴量の生成というのができるようになっています。したがって、画像認識というのは、今精度がすごく上がっています。この画像認識の問題というのは、今のイヌ、ネコ、オオカミをもっと難しくしたような問題で、ここに4つ絵がありますけれども、左からヒョウ、コンテナ船、プラネタリウム、コアラという4枚の画像です。これを当てると。1,000カテゴリーの中から当てるというような問題です。その下に棒グラフのようなものが出ているのがコンピュータの出力でして、レオパードに対してレオパードと答えていますから、これは当たっています。コンテナ船も当たっている、プラネタリウムも当たっている。コアラは間違えていて、ウォンバットと答えています。ですから、4問中3問正解で、1問間違い。つまり、エラー率、間違い率が25%ということです。

2011年、2010年あたりは、エラー率が大体26%、27%ぐらいでした。1年間研究すると、大体1%ぐらい向上するという、そういう領域だったんですけれども、2012年にディープラーニングが出てきて、ほかのチームが軒並み26.602とか26.646と非常に僅差で競っているところに、いきなり10%精度を上げて16.422というのを出したということで、かなり衝撃的でした。ほかのチームは、基本的には特徴量の設計というのを人手で一生懸命頑張っていたんですけれども、ディープラーニングのチームはこれを自動でやったということで、かなり衝撃的でした。

これは2012年のことだったんですけれども、それ以降、このエラー率がすごい勢いで低下しております。2013年には11.7%になり、2014年には6.7%になり、どんどん下がっていって、人間がやると何%間違うかというと、人間がやっても5.1%間違うんですね。これに対して、昨年2月にマイクロソフトは4.9%、Googleは3月に4.8%と。最新だと3.6%というところまで下がってきています。つまり、これはかなり歴史的な出来事だと思っているんですけれども、2015年の2月に、コンピュータが画像認識で人間の精度を超えたということが実際に起こっているわけです。これはコンピュータの歴史の100年ぐらいの中で初めて起こったことです。

次にできるようになっているのが、運動の習熟です。練習して上手くなるということです。人間もサッカーボールを蹴っていると上手に蹴れるようになりますし、ゴルフボールを打っているとだんだん上手に打てるようになるわけですけれども、どういう仕組みで上手になるのかというと、強化学習という手法、そういう仕組みだというふうに言われています。強化学習というのは何かというと、報酬が与えられると、つまりゴルフボールを上手に打てたと。今のは上手く打てたなと思うと、そのやり方を繰り返すわけですけれども、報酬が与えられると、その前にやった行動を強化するというような仕組みによって、動作がどんどん上達していく、習熟していくというふうに言われています。ただ、やたらめったらどんな状況でも同じ打ち方をすればいいわけじゃないですから、こういう状態ではこういう行動をすると良い、こういう状態ではこういう行動をすると良いと、状態と行動をセットにして良いかどうかというのを学習していくというふうにやります。

ところが、今までの人工知能では、この状態を記述するのに、人間が定義した変数を使っていました。ところが、このディープラーニングと組み合わせる方法では、ディープラーニングで出てきた特徴量を使ってこの状態を表現するんです。ですから、人間が明示的に状態の表現をしなくていい、改竄しなくていいと、違いとしてはそこだけなんですけれども、たったそれだけで非常に大きな変化が起こります。最近、AlphaGoという人工知能のプログラムが囲碁で李世乭九段を破りましたけれども、それをやっていた会社がディープマインドという会社、Googleが買収した会社です。この会社が2013年ぐらいにやっていた研究が、ブロック崩しを学習するAIというのを作っていました。

試行錯誤しながら、強化学習の仕組みによって上達していくということなんですけれども、従来の方法ですと、ボールですとか自分が動かしているバーですね、こういうものを人間が定義しないといけなかったんですけれども、この手法ですごいのは、画像を入れるだけなんです。画像を入れるだけで、あとスコアを報酬とすると。スコアを上げなさいというふうにいうだけで、どんどん上達していきます。そのうち左端、右端に通路をつくるという戦略もとり始めます。これはどういうことかというと、左端とか右端に通路ができちゃうと、そこにボールを通すとすごく点が入るんですけれども、それを見つけているわけですね。そういうコツを使うというのもできるようになっているということです。つまり、特徴量をつくれるので、何が効いてくるのかというコツもつかめるわけです。

これを実世界に適用する研究もどんどん進んでいまして、今、昨年の5月にはUCバークレーが、ロボットが試行錯誤をしておもちゃの飛行機の部品を本体に組みつけるということをやりました。これも強化学習で、最初は下手なんですけれども、だんだん上達していきます。上からカメラで撮っていますので、その視覚情報、画像の情報が入ってくるわけですね。人間の子どもと同じように上手になることができます。

それと同じように、運転ですね。運転も最初下手な状態からスタートして、ぶつかったりクルクル回ったりするんですけれども、そういうのを繰り返しながら、だんだん上手に運転できるようになるということを、日本のプリファードネットワークスという会社とトヨタさんが連携してやったりしています。あと、ファナックさんとプリファードネットワークスで組んで、ピッキングというのもやっていますけれども、これもファナックさんが十数年かけて、ようやくできた精度というのを数カ月であっと言う間に上回っているということも起こっています。

こういう運動の習熟というのは、考えてみれば人間のような高度な言語能力、思考能力が必要なのかというとそんなことはなくて、イヌとかネコでも、フリスビーを投げているうちに、イヌも上手にキャッチするようになるわけですね。ですから、普通の動物だったらできると。それが今、機械やロボットでもできるようになってきたということです。

次に、言葉の意味理解、ここも少しですけれども、できるようになり始めている。言葉の意味理解、言語の意味理解って一体何かというと、今でも自然言語処理という分野がありまして、Google翻訳なんかで翻訳できるわけですけれども、今の翻訳というのはどうやっているかというと、日本語のある文字列が英語のある文字列に置き換わる確率を統計的に計算して、それが一番高くなるものを選んでいるということですので、文の意味を全くわかっていないんですね。単なる文字列だと思って置き換えているだけです。ところが、おそらく文の意味を理解した言語処理というのができるようになるはずだと。それはどういうものかというと、文と映像、画像を変換できるもの、文から映像を生成し、あるいは映像から文を生成するということかできると、その意味を理解したことになるんじゃないかというふうに思うわけですが、それが一部、今でき始めています。

1つは、Automated Image Captioningというもので、これは写真を入れると、その写真をディスクライブするような文を生成するんですね。左上に、男の人がギターを弾いていますけれども、この写真を入れると、man in black shirt is playing guitarという文が出てきます。左下の写真を入れると、girl in pink dress is jumping in airという文が出てきます。その次に、次のページ、Generating Imagesと書いていますけれども、昨年末にはこの逆ができるようになっていまして、文を入れると絵が出てくる。A very large commercial plane flying in blue skiesと入れると、飛行機が空を飛んでいる絵が出てきます。blueをrainyに変えると、rainyっぽい絵に変わります。象が砂漠を歩いている、あるいは象が野原を歩いているというと、それっぽい絵が出てくる。これは、写真を画像検索しているんじゃなくて、描いているんですね。コンピュータが自ら描いていると。ですから、あり得ない文も入れることができて、例えばA stop sign flying in blue skiesというやつですね。止まれ標識が空を飛んでいますというのを入れると、本当に止まれ標識が空を飛んでいる絵を描くんです。こういう写真は1枚もないはずなんですけれども、こういうのを描くと。

これはまさに我々が小さいころにお話を聞きながら、その情景を頭の中に思い浮かべたということとすごく近いことができるようになっている。ここまでくると、実はこのstop singが空を飛んでいる絵、ここからAutomated Image Captioningによって、日本語の文を生成すると、英語の文から日本語の文への翻訳になるわけです。しかも画像を介した翻訳ですから、意訳をしているということになると。ですから、今までの翻訳の方式と全く違う翻訳ができるようになる。もちろんまだこれは静止画ですし、解像度も粗いですので、映像にしないといけないですし、あと抽象的な概念をどうやって扱うんだとか、いろいろな問題がありますけれども、こういう方式によって、おそらく意味理解というのができる。つまりは自動翻訳というのが本当にできるかもしれないという状況にきていると思っています。

僕は今、人工知能という言葉が流行っているので、子どもの人工知能、大人の人工知能というのを区別したほうが良いんじゃないかと言っているんですけれども、これはどういうことかというと、ここ数十年、子どものできることほどコンピュータにやらせるのが難しいという、そういう状況が続いてきました。つまり、画像認識とか、積み木を上手に積むとか、そういう3歳児でもできるようなことがコンピュータには難しかったと。ところが、今それが変わりつつあるんだと。子どものできることこそが、コンピュータにできるようになってきていると。それは認識能力が上がり、運動能力が上がり、言語の意味理解に至る、こういう技術ですね。これを子どもの人工知能というふうに言っています。

一方で、大人の人工知能というのは何かというと、ビッグデータ、IoT全般ですけれども、データがとれなかった領域でデータがとれるようになってきたんだと。したがって、そこに昔からある人工知能技術を上手に使うことで、いろいろとすごいことができますよということです。これは一見するとすごいことができているように見えるんですけれども、実は裏で人が頑張っているわけです。人がモデルの設計をし、いろいろな動作を決めているということで、すごく賢いことができるように見えるということです。もともとはネット広告の分野、あるいは販売マーケティングなんかが得意分野だったんですけれども、今後はおそらく医療・金融・教育、こういったあたりにどんどん広がってくるんだろうというふうに思っています。

子どもの人工知能のほうは、次のページに行っていただいて、認識とか運動の習熟ができますので、日本の社会課題とあわせていくというのが、僕は日本の戦略としては良いんじゃないかと。例えば、農業分野にこういうロボットを適用すると、休耕地が耕せたり、収穫量が増えます。介護分野に適用すると、高齢者も自立的に行動できると。廃炉に適用すると、工期が短縮できる。河川や火山を見張ると防災ができる。日本は人手が足りないですから、こうした技術を伸ばしていって、新たな産業にできるんじゃないかというふうに思います。これは全般に子どもの人工知能の話です。

次のページで、では翻って金融において人工知能の活用というのはどうなのかというと、金融分野においては、今の大人の人工知能、子どもの人工知能という分け方では、やっぱり大人の人工知能のほうが主だろうというふうに思います。これは金融における情報ってなかなか活用できる状態にありませんでしたから、それがいろいろなデータが整備されてきたこと、あるいはスマホ等のデバイスが進んできたことなどによって、どんどんデータの活用ができるようになっているということで、資産運用、トレーディング、こういったあたりというのはどんどん自動化されるようになると思いますし、それから、それを一般の消費者が利用できるようになる。融資、与信なんかのモデルをつくるのも、機械学習、大人の人工知能を使って上手にできると。保険の料率、あるいは販売促進、こういったあたりも、今やられていない部分というのは相当あると思いますので、高い技術が入り込んでくるんじゃないかと。ただ、ここら辺はどうしてもシリコンバレーが進んでいる、アメリカが進んでいるところだと思いますので、そこに対して日本はどう捉えていくのかということが重要だと思います。

一方で、子どもの人工知能という観点からいうと、画像データというのが飛躍的に活用できるようになります。これは今まで取り扱うのが非常に難しかった。画像がとれているように見えても、コンピュータにとって実は見えてなかったということですので、それが目が見えるようになったということなので、それをどういうふうに使っていくかというところはあると思います。例えば、トレーダーの方が、チャートを書いていろいろ分析するというのも、一種の画像処理ですね。データの処理を画像処理に直しているということだと思いますので、そういったトレーディングというのもできるかもしれない。あるいは、いろいろできると思うんですけれども、人の顔を見て、それを人間がこの人は信用できそうかなとか、この人はちょっとあれかなとか思うのと同じような表情を読み取るとか、そういったことも、人間ができるんだとしたら、それはコンピュータもできるのかもしれないとか、そういったちょっとアイデアベースになりますけれども、いろいろと人間が見てわかることが、コンピュータもわかるようになるということで、金融業務の中で使えるところというのもかなり出てくるのではないかと思います。

あとは自動運転とか、あるいは建設、農業、こういったあたりもどんどん自動化が進んでくるはずですから、そこにかかわるような保険、あるいは金融商品というのも必要になってくると思います。特に自動運転からスタートすると思いますけれども、この責任をどういうふうに捉えるのかという議論があります。自動運転に限らず、人工知能というのがいろいろな社会の中に入ってくると思いますから、そういった保険、金融商品というのが必要になる。ただ、今までの保険、金融商品と違って、そこの料率の計算というのに非常にテクノロジーの理解が必要になってきますから、そういう意味ではかなりテクノロジーと金融というのが融合した、そういった領域になってくるんじゃないかと思います。

あと、日本経済にとって僕は一番大きい変化というのは、もしかしたら10年、15年で自動翻訳というのが本当にできるかもしれないといったときに、人材の流動性も非常に高まりますし、それから、やっぱり金融市場の動き方というのも大分変わってくるはずだという、ここをいかにチャンスにしていくか、機会として捉えていくかというところが非常に重要かなと考えています。

あと、最後のページですけれども、私は大学にいる立場として、産学連携に向けた課題等しゃべってくださいというふうに言われたので少し入れていますけれども、私の研究室では、これまでずっと企業との共同研究等々もしてきまして、金融系の企業さんともいろいろ共同研究等をしてきました。やっぱり大学ができることとしては、データ分析とかアルゴリズムの構築という、技術の根幹にかかわるところというのができると思いますし、それから、こういったディープラーニング等の新しい技術が今後どういうふうに社会を変えていくのかという、技術の見立て、将来像というあたりも大学がやるべきことかと思います。

ただ、連携が海外に比べて上手くいっていないということも確かだと思います。例えば、共同研究の金額がほかの国よりも1桁低いというような状況があって、価格が低いというのはどういうことかというと、きちんと価値提供ができていないということなわけで、あまり役に立ててないと。これは何でかというと、やっぱり基本的には大学側が企業の企業活動というのをきちんと理解できていないので、そこにどういうふうに役に立てるかという、そういうちゃんとした付加価値を提供できていないというところに一番問題があると思っています。

いかに価格を上げるかという、そういう意識も非常に大事だと思っていまして、うちの研究室から、あるときからコンサルタントに入ってもらって、企業さんと研究室とコンサルタントと3者で契約するというような、そういった形を取り始めました。それによって、共同研究の価格というのも実はかなり上げることができて、それは当然コンサルタントの方にも払わないといけないんですけれども、それを差し引いたとしても相当上がるんですね。これは何かというと、大学側が解決したい課題、解決する課題というのと企業側のニーズというのは、実は合っていない場合が非常に多いと。そこをちゃんと調整してくれることによって、非常にバリューを出すことができるということだと思っています。

ですので、こういうFinTech分野においても、大学・企業との連携というのは非常に重要だと思いますけれども、いかに大学が企業の役に立てるか、そのために大学側が自己満足に陥らずに、本当に企業の利益・売上につながるような、そういった活動をできるかというところが課題かなというふうに思っています。

以上です。

【福田座長】

ありがとうございました。それでは、引き続き、金子委員、よろしくお願いします。

【金子委員】

金子恭規と申します。今日は、私は79年以来シリコンバレーにいますので、シリコンバレーがどういうふうな成り立ちだったのか、そして今、どういう状況なのかというのを簡単に、私の主観を述べさせていただければと思います。

私は1979年にサンフランシスコの周りで勉強を始めたわけなんですけれども、その当時、まだシリコンバレーという名前も知らないで行ったんですけれども、たまたま日立から来てPh.Dを取られた、ポストドックで来られた方が、ここはシリコンバレーと言うんだと、君は知らないで来たのかというので笑われた経験があるんですけれども、あの当時はスタンフォードも東部の大学に比べれば大したことのない大学で、パロアルト自体も、夜7時半ごろになりますと大体店が閉まって静かな町だったわけです。

第1ページ目を開いていただきますと、60年代、70年代というのは、ご存じのようにサンタクララは果樹園だったんです。そこでたくさん日系人の方も果樹園を持っていたりして、見渡す限り果樹園だったわけですが、1953年にショックレーがベルラボからやってきまして、自分の住んでいるお母さんが病気になったというので、パロアルトに会社を開いたわけですけれども、それでシリコンバレーが始まったんじゃないかと思います。

60年代にデイビス、ロックという人たちが5ミリオンダラーでファンドをつくったんですけれども、ロックという人は、最初にはインテルとかアップルに投資した人で、伝説的な方です。彼がなぜこういうふうなポジショニングをとったかといいますと、インテルが成り立つ前に、フェアチャイルドという会社をノイスとかほかの連中がつくったわけですけれども、そのときフェアチャイルドにお金を出してもらって、初めてシリコンチップをつくり始めたのが1957年なんですね。そのファンディングを見つけてきたのがロックという方です。

あとはドレーパー、ジョンソンという人、今、ドレーパーという会社(ファンド)がありますけれども、それは2代目で、親父さん、ビル・ドレーパーというのが非常に少ない金額で始めたのがそのころです。また、ピッチ・ジョンソン、これはアセットマネジメントという会社(ファンド)をつくったんですけれども、この会社も、私どもが始めましたジェネンテックにも投資いたしましたし、それから競争相手のアムジェンに投資して非常に成功した会社をつくっています。あと、サター・ヒルズというのが1965年、その後一番上に書いてあります、aでいいましたトミー・デイビスという、デイビス&ロックのデイビスが、ロックとは働くことができないということで、自分で3ミリオンダラーでメイフィールドという会社をつくっています。

70年代に入りますと、皆さん知っておられるような名前がたくさん出てくるんですけれども、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズが1972年につくられております。クライナー・パーキンスは、私にとって非常に思い入れの深い会社で、ジェネンテックに最初に投資してくれた会社なんですね。先週、トム・パーキンスが亡くなりまして、84歳なんですけれども、私がジェネンテックにいましたとき、随分彼と世界中を回った経験がありまして、彼はジェネンテックのチェアマンだったんですけれども、ハンズオンというか、うるさいぐらいに我々のビジネスを関わりまして、世界中にジェネンテック、あるいはバイオテクノロジーの名前を一緒に広げてくれた人です。

1980年代に私どもはバイオテックの技術革新をやったわけですけれども、そのころいわゆる日本の会社が、あるいは日本のビジネスというのがものすごく見直された時代で、もちろんソニーなり、トヨタ、それからホンダがどんどんアメリカに出てきた時代なんです。そして、パーキンスは系列、どこで習ってきたのかわからないですけれども、系列というのは面白いと。自分のポートフォリオの会社を系列の会社にしたいと。彼、3つ目か4つ目のファンドの名前を系列ではなくて財閥ファンドというのをつくったんですね。あの当時には、やはりインテルが潰れそうになったり、日本から企業がものすごい勢いで入ってきたりして、1980年代は、非常に日本とシリコンバレーがつながっていた時代です。

そして、今、セコイアキャピタルというのが、著名なファンドに今なっていますけれども、1972年にAMDのセールスマンをやっていたバレンタインという人がつくった会社で、非常に小さく始めた会社です。NEAは今、5ビリオンダラーぐらいのファンドになっていますけれども、これも1978年という年につくられています。

今現在、VCというのはどんな種類があるかということで、2番目のスライドに移っていただきたいんですが、ジェネラル、これはバイオテックをやったり、最近ですとドットコムをやったり、いろんなことをやっています。KPだったりセコイアだったりするわけです。そして、1990年代からインダストリーフォーカスのVCが出てまいります。特にバイオテック。バイオテックのジェネラルパートナーはほとんどPh.DかMDを持った、あるいは両方持った連中です。バイオテックのような超ハイテックなインダストリーは科学が命ですのでので、インダストリーフォーカスをしたVCが出てまいります。

それから、マルチフェーズ。これはアーリーフェーズであったり、あるいはレイトフェーズ、そして時にはパブリックになった会社の投資もやります。今、バイオテックのほうで非常に有名なファンドはオービメッドという会社なんですけれども、この会社が20ビリオンダラーぐらいのファンドを持っていまして、いろいろなフェーズの投資をしています。オービメッドの中のサブファンドのジェネラルパートナー同士が非常にアイデアを交換し合って、この会社が伸びるんじゃないか、あるいはこういう連中が新しい会社をつくるんだけれども、これに投資したら良いんじゃないだろうかということを、非常に意見交換をやっているようなファンドができております。

それから、カントリーフォーカス。これは中国専門のファンドを、KPもつくりましたし、セコイアもつくりましたし、今、インドが流行っていますので、インドにもシリコンバレーのVCがたくさん行っております。

そして、ソブリンファンド。これはシンガポールをちょっと例に挙げたいんですけれども、非常に面白い方法をとっているんですね。バイオテックもそうだし、ハイテックもそうなんですけれども、彼らは最初にVC、小さいのをつくってまいりまして、大体紹介されたような会社に投資していきました。そして、だんだん人脈を広げていって、次のときにはそれ加えまして、活躍しているシリコンバレーのVCにファンド・オブ・ファンドで入っていくんですね。ですから、ソブリンファンドですので、膨大な資金を持って、それでもって、例えばセコイアなり、私どものファンドに、20ミリオンダラー、50ミリオンダラーぐらいの資金を入れて、我々と一緒にそれを見ていこうというふうなやり方もやっています。

次に、リージョナルフォーカス。これはシリコンバレーだけでなくて、テキサスでもできていますし、ノースキャロライナ、あるいはウィスコンシン、そういうところで州にフォーカスしたようなファンドもあります。

それと、コーポレートVC。これは今、セールスフォースもVCを持っていますし、ITの連中はほとんど持っています。インテルはこの間、VCを――あまり価値がないと見たのかわからないですけれども――クローズして、そのポートフォリオのオーナーシップをほかの会社に売りました。製薬業界ですと、ファイザー、イーライリリー、それからグラクソ、ノバルティス、全部がVCを持って、自分たちの興味のある会社、興味のある人間に投資をしていっています。ですから、VCといいましても、非常に現在、たくさんの種類のVCが起きてきております。

そして、誰がVCに投資していたのかと申し上げますと、最初はキャピタルグループというロサンジェルスにある、今現在700ビリオンダラーのミューチュアルファンドの会社なんですけれども、昔、セコイアを立てるのを手伝いました。そして、非常に面白いのはファミリーファンド、アメリカであちこち行ってみますと、非常に裕福な家庭があるわけですね。ピッツバーグのヒルマンファミリー、非常に有力なファミリーなんですけれども、そこがクライナー・パーキンスの最初のファンドに投資をしています。そして、面白いんですけれども、彼らはベンチャーキャピタルだけでなくてKKRの最初のファンドにも投資しています。そういうふうなファミリーファンドがあったり、そして、クライナーもパーキンスも自分たちの家をモルゲージにしまして、そこからお金を引き出して、自分たちのファンドに入れています。ですから、最初のVCの連中は、自分たちの個人資産を投資した連中もたくさんいるわけです。あとはフレンズ&ファミリーというカテゴリー。これは本当にフレンズ&ファミリーで、インダストリーで活躍した連中、あるいはファミリーファンドでもいいんですけれども、そういう連中を入れて、良いディールを自分のファンドに持ってきてくれるような仕組みにしています。 最近になりますと、大学の寄附の額が非常に増えていますので、1つ例をとります。イエールなんかですと、今26から27ビリオンダラーのファンドですから、2兆8,000億ぐらいですか、そのぐらいの寄付資金があります。スエルソンという、1980年代からイエールで活躍しているファンドマネージャーは、オルタナティブインベストメントといいまして、いわゆるプライベートエクイティにどんどん投資をして、多分ファンドの60%ぐらいをベンチャーキャピタル、ヘッジファンド等のプライベートエクイティのファンドに入れています。あとの20%ずつを普通の株式、それから債券に入れているんじゃないかと思います。

俗な言い方ですがお金には色がありまして、良い大学の寄付資金から入ってくるようになると、一流のVCというふうに言われています。年金ファンドも一緒で、カルフォルニアあるいはニューヨークの年金ファンドが資金供給源になります。我々もアメリカ中を回っていろいろなファンドから資金を集めるんですけれども 面白いのは、ニューヨークなんかに行きますと、次々に人を紹介をしてくれるんですね。大学の理事をやっている人が、チャーチファンド(教会のファンド)を紹介したりとか、それから、ジュリアード音楽学院なんかのファンドも紹介してくれたりすることもあります。

それからボストンにあります、ケンブリッジアソシエイツというのがあるんですけれども、これは全てのVCなりプライベートエクイティのランク付けをやっています。我々もランク付けをされまして、だんだん良くなります自分たちのクライアントに紹介したいということがあります。シカゴで2、3あるので行ってくれないかということで行くわけです。そうしますと、シカゴというのは狭い町、人口自体は多いんですけれども、 ファンドをやっている連中というのは、こういう面白いのが来たから明日行ってくれないかというので、1日で5、60ミリオンダラーすぐ集まってしまうような、非常に緊密なグループがいるわけです。

そして、ネットワークに入るというですけれども、これはやっぱり良いネットワークに入っていることが 重要だと思います。VCの連中はほとんどがインダストリーで会社を2つ3つ経験してきた連中がほとんどなんですね。HPの連中が1970年代、80年代活躍しましたし、最初のアップルの社長もHPから来ました。インテルの連中も次々に会社をつくってやっていますし、インテルキャピタルにいたジョン・ドアというのがクライナー・パーキンスに入ってネットスケープ、アマゾン、それからGoogle、そういうところにインベストしてボードに入ったりしています。アップルの卒業生もしかりです。

最近ですとジェネンテックなんかは、ジェネンテックマフィアと言われています。ジェネンテックというのは非常に面白いんですね。ほかのバイオテックの会社ではないんですけれども、少し自分が昇進して給料も上がってくると辞めて、どんどん自分で会社をつくるような連中がたくさんいたんですね。そういう連中が今、新しい会社で頑張っていますし、それから、VCでも非常に頑張っていますので、ネットワークとしては非常に良いネットワークだと思います。最近ですと皆さんご存じのようにペイパルマフィアといいまして、テスラをつくったイーロン・マスクとか、それからファウンダーズファンドをつくってフェイスブックに投資した人とか、あるいは今日もリンクトインがマイクロソフトに売れましたけれどもその創業者ホフマンというのもペイパルマフィアです。

ですから、ある時代時代で、ある会社を出た連中がドミネートするようなシステムができています。なぜそういうところに集まるかといいますと、その会社1つで成功しますと、やっぱり自信ができるんですね。自信ができるとお金を集めるときも、それから新しく従業員を集めるときも、ある程度のオーラが出てきます。ですから、良いお金が集まってくる、良い従業員が入ってくるという、ポジティブフィードバックが効いてくる。それが私は原因じゃないかと思います。

そして、次の5ページ目なんですが、スタートアップ・スケールアップと題しています。今、私が感じていることで、すごいなと思うのが1点あるんですけれども、それはシリコンバレーでスタートアップができる環境であるというのは確かなんですね。世界中から面白い連中が集まってきますし、そういう連中であたためたアイデアで良いものがあればVCが投資してまいります。ところが、従業員が50人、100人ぐらいまではどこでもできるんですね。500人さらに1000人へのスケールアップになりますと、非常に良いエコシステムがまたここではできています。これはバイオテックであろうとITであろうが、あるいは昔のシリコンバレーの会社にしてもそうなんですけれども、従業員が非常に国際性豊かです、 中国本土から来ている人は少ないんですけれども、台湾からどんどん来ていますし、インドからも来ています、ヨーロッパからも来ていますし、そういう連中がある程ここで度成功して、自分の国に帰った後、またシリコンバレーの昔の仲間とやってみるかということになりますと、その国を担当してくれたりするわけですね。そういう意味で、ものすごくリクルートが簡単。昔から働いているので、そういう意味での信頼感がある。

それから、ヘッドハンターもほとんどトップの連中5人、10人で、それぞれのインダストリーを握っています。誰がどこに動いたか、この人は子どもが大学に行ったので、次の会社に行ってもう1回やってみたいんじゃないだろうかといった、そういうふうな生の情報を持っていまして有機的な関係ができています。

M&Aのバンカーにしましても、今日のリンクトインを代表したバンクというのは、キャタリストという投資銀行です。創業者はクアトロンという 伝説的なバンカーです。最初モルガン・スタンレーでテクノロジーのバンカーをやって、あとはドイチェバンクに行ったり、それからクレジットスイス、最後は自分で独立しました。彼は同級生なんですけれども、こういう人がきちっと残っていける。それで自分の名前で店を張ることができる。これは田中さんなんかはご存じだと思うんですけれども、ウォールストリートなんかでも、最近M&Aの会社は、大きな会社でなくて構わないんですね。非常に大きいところで活躍した人たちが、自分の名前をもって、エバーグリーンとか、いろいろな会社をつくって、そういう人たちが顧客の人気を得ています。

弁護士もそうなんですね。バイオテックの場合でも、大体トップの5人ぐらいでインダストリーを握っています。我々が求めるのは法律事務所の個人の力を求めるわけで、その個人がほかの法律事務所へ移りますと、我々もそれと一緒に移っていくわけです。アカウンタントもそうですし、コンサルタントもそうです。

そして、プライベートエクイティの連中も、このあたりにたくさんいます。サンフランシスコにはTPG(テキサス・パシフィック・グループ)があります。それから、シルバーレイクというITのレイトステージのプライベートエクイティの連中もいます。 上場した後に、もう1回非公開会社にして、パフォーマンスが上がった段階で公開会社として出ていこうというようなときに、非常にアクセスが良いんですね。プライベートエクイティで働いている人達も同じ町に住んでいたり、昔から知っていたりということなので、非常に話が早い。

そして、最後にインダストリーコネクション。バイオテックに関わりますが、我々が会社をつくったときに、 大手製薬会社にライセンシングをして、そこからお金を入れたいというときには、昔からやっているメルクの連中、ファイザーでビジネスディベロップメントをやっている連中は昔から知っていますので、そういう意味でネットワークが確立しています。まとめますとスタートアップだけではなくてスケールアップも非常にやりやすいエコシステムができているんじゃないかと思います。それがなかなかほかの地域で、シリコンバレーのようなものができにくい原因になっているんじゃないかと思います。

ただ、気をつけなくちゃいけないのは、非常に米国は流動性が高いということがあります。今年ジェネンテックができまして40年、アップルもできまして40年、 我々も40周年記念をやりました、昔はバイオの会社の75%ぐらいがこの辺にありました。現在は、スタートアップの数からいいますと、シリコンバレーの数はもう30%ぐらいに下がっています。どこでできているかと申し上げますと、ボストンでたくさんの会社ができています。 ですから、IT関係の会社もまた移っているのかもしれませんね。ニューヨークでたくさん頑張っている人が出てくる。 ニューヨークにオフィスを構えているVCも多いので、シリコンバレー、シリコンバレーと言っている間にほかのところに散らばってしまったと。それを海外から見ていますと、シリコンバレーという名前だけであそこは良いに違いないと思って来るのも危険があるんじゃないかと思います。ですから、私が今、日本のから来るバイオテックのVCで、オフィスを設けるとしますと、ボストンに設けます。流動性の高い米国において注意して おかないといけない事じゃないかと思います。

【福田座長】

ありがとうございました。

それでは、皆様からご質問、ご意見をお伺いする討議の時間とさせていただきたいと思います。ただいまの松尾委員、金子委員のご説明も踏まえ、委員の皆様の問題意識等ご発言いただければと思います。松尾委員、金子委員のご説明に関しまして、ご質問、ご意見があればあわせてお願いいたします。

それでは、どなたからでも結構ですので、ご発言お願いいたします。では、仮屋薗委員。

【仮屋薗委員】

仮屋薗でございます。松尾先生、それから金子先生のプレゼンテーションをお聞きしまして、それぞれ1点ずつコメントと申しますか、感じたことにつきましてお話をさせていただきたいと思います。

まず、松尾先生のお話をお聞かせいただきまして、現在、ベンチャーキャピタル業界のほうでどういうふうにこのAI、もしくはテクノロジーをFinTechのほうに生かした投資をしていこうかということに関しまして、2つ論点と申しますか、観点があると思っております。

1つは松尾先生もおっしゃられました、大人の人工知能を用いての、いわゆるオートメーション、自動化ですとか効率化ですとか、それからオンライン、モバイル等によるユーザーへのアクセス、こういう観点におけるオートメーションのほうで、ビジネスモデルを新しく発明をしていくと。こちらはいわゆる顕在化して、今使える技術をどうやってFinTech、金融業界の新しいビジネスモデルとしてやるのか。例えば、さまざまな書面の自動入力というのも、当然ながら多くの労働負荷を減らすことにもなりますし、それから、ボット等による音声応答による対面のコミュニケーション、こちらの品質を上げていく等々、こちらは自動化にもなります。

それから、オンライン化によって、窓口だけではない、さまざまなアクセスができていって、そちらでお客様の利便をより図っていく。このような既存の技術を、マシンラーニング等々もそうなんですが、持ち合わせまして、金融の新しいサービス開発、現況の中にさらに付加的なサービスを開発していくと、こういう投資が現在、徐々に日本で立ち上がってきておりますし、私たちも積極的に検討しております。

一方で、松尾先生、本日は子どもの人工知能、もしくはディープラーニングの世界のお話をいただきましたし、前回は伊藤先生のほうからブロックチェーンのお話をいただきました。このあたりはやはり時間軸の問題、それからこちらはオートメーションというよりも、もうイノベーションの世界であると思っております。このイノベーションの世界は、ベンチャーキャピタルの業界から申しますと不確実性は高いものの、中長期で必ず応対しておかなければいけないという分野だとは認識しております。ただし、ここはそれこそ大学との共同研究ですとか、さまざまな関連する業界が一体となってリスクもシェアしながら臨まなければいけないところかなと思っておりまして、この短中期で、オートメーションによる事業機会、ベンチャーに対しては、しっかりと投資をしていきながら、来るべきディープラーニングですとかブロックチェーン等々の新しい破壊的な技術に対して準備をしておくというところが重要ではないかというふうに、VCの立場としては考えております。こちらが松尾先生のお話をお聞きして感じたところでございました。

それから、金子先生のお話をお聞きしまして、殊にベンチャーキャピタルの業界の発展の歴史のところで感じましたところで、日本としても取り組まなければいけないと思っているところのお話をさせていただきます。金子先生のほうより、ベンチャーキャピタルのパフォーマンスの統計データ、ケンブリッジアソシエイツの研究がございました。こちらのデータも見ながら、世界的なアベレージのリターンはどれぐらいか、高いアベレージはどれぐらいか、それを出しているのはどこかという、こういうふうなデータをもとに投資機会を判断されるというところの基盤が、確かにアメリカのほうでは、そして世界でも整っていると思います。こちらはデータのもとを見ますと、機関投資家のほうからの、例えば州の年金の運用等々は開示されておりますので、そういうところのデータコレクションにより、網羅性を持ったデータが獲得されているのではないかなと思っておりますし、運用受託者としてのベンチャーキャピタル、CVCではなくて運用受託者としてのベンチャーキャピタルのデータはしっかりそろっているというふうに思っております。

このようなデータの整備は非常に重要だと思っておりまして、日本のVCは確かに遅れているところではございます。このあたりは日本におけますイノベーション、ベンチャーへの資金還流をよりしっかりとしていくためにも、業界としては取り組まなければいけないところだというふうに、お話を伺いまして認識しました次第です。2点です。

【福田座長】

ありがとうございます。松尾委員、あるいは金子委員、何かございますでしょうか。

【松尾委員】

コメントありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。2点お話しいただいた最初のほう、オートメーション、あるいはオンライン化というあたり、非常に今あるテクノロジーをどう使っていくかというあたりで重要だと思うんですけれども、ここにおける日本の戦略というのはどういうふうにお考えなのかというのを、ちょっと僕、個人的な興味として聞いてみたいなと思っていまして。

やっぱり素人ながらに思いますに、プラットフォームをつくる世界というのはなかなか日本でつくっても、やっぱりグローバルなプラットフォームにいずれ負けてしまうと。そこのローカライズのところで何とか耐え忍ぶんだけれども、いずれは支えきれなくなってしまうというような、戦略的にはかなり厳しいのかなというふうに思っているんですけれども、そこに対してどういうふうなやり方があるのかなど、お聞きできればありがたいと思います。

【福田座長】

金子委員、お願いします。

【金子委員】

ケンブリッジアソシエイツというのは1つ例なんですけれども、また面白いのがカンザスシティにKauffman foundationというのがあるんですね。そこはアメリカの中からジュニアなベンチャーキャピタリストをトレーニングしたりすることもやっていたりしています。そこが面白いデータを出しましてね。トップの3%のファンドで、90%のリターンを返しているというんですね。これは非常に驚くべきことなんですね。これはプライベートエクイティ全体で言えると思います。我々のファンドを1つの例で申し上げますと、つくったときには機関投資家からの資金を集めようとも集まらなかった。米国は非常に厳しくて、一号ファンドの資金調達に回りますと、パートナーがVCを一緒にやったトラックレコードがない、(私のパートナーというのは手術用ロボット、ダヴィンチをつくる会社の創業者)、2人で行ってどうしようかと。これは集まらないから、じゃあフレンズ&ファミリーで、我々の知っている友達から集めようというふうにやったんです。

なぜ機関投資家が我々の一号ファンドに資金を最初に出さないかといいますと、彼らが知っていることは、ファンドというのは、お互いにパートナーが仲良くやってくれないとパフォームしないと。投資先の会社が危機に陥るとき、おまえがだめだからだろうとかいうようなことを言ってもらったら困ります。何かヘルプすることがあるかという、チームの意識が非常に重要なんですね。ですから、普通の機関投資家は、一号ファンドのVCには出さない。パフォーマンスが上がってきますと機関投資家はやっと三号、四号のファンドに入れてくれます。こういう言い方しちゃいけないですけれども、お金の世界はピラミッドができているということが言えると思うんです。ですから、良いところにしかファンドとして出さない。そうしますと、パフォーマンスが絶対上がると。

イエール大学のスウェンソンという人は、TIAA-CREF、アメリカの教員の年金資金の理事で入っているんですね。彼がそこで言っていることは、TIAA-CREFはETFもやっていますし、投資信託もやっているんですけれども、普通の人はプライベートエクイティとかVCなんかにお金出すべきじゃないと。出そうと思ったって、良いところは入れてくれない。ですから、あなたたちのやることは、ETFとかにお金を入れて、ETFの中で分散するのが一番のパフォーマンスを上げることだというふうに言っているんですね。

ですから、パフォーマンスだけで言いますと、チームが非常に良い。変なことが起きても、絶対サポートする。会社に対しても絶対サポートするようなファンドでないと、やっぱりパフォーマンスを上げていけないのではないかと思います。

【福田座長】

ありがとうございます。それでは、瀧委員。

【瀧委員】

ありがとうございます。松尾先生と金子様に1つずつ質問がありまして、松尾先生には漠とした質問で恐縮なのですが、子どもの人工知能をベースとした、何か世界的にも最もビジネスとして既に進んでいる事例というのはどういうものが挙げられるのかというのをお聞きしたく思います。AlphaGoとか、そういった技術自体が評価されているというところはあると思うのですけれども、既に実用期に入っているもので、いずれ金融機関の機能としましてもヒアリングをするとか、不安を解消するとかいったところに何か示唆があるものじゃないかなと思っています。そういった事例がもしございましたらお聞きしたい次第でございます。

あと、金子様に1つお聞きしたいのが、プレゼンテーションいただいた中で非常に大事なテーマかなと思いましたのは、結局のところ、最終的にPEファンドがエグジットする先があるなり、上場することができるといった意味では、資本市場の厚みというのが、結局のところ全てを担保しているのではないかなと考えております。日本にどこまで同じ文脈を翻訳して持ってくることができるかを考えたときに、長年米国の資本市場を1つのエグジットの場所として見られてきた中で、もし日本との制度的な差分で一番大きいなと思われているところとかがございましたら教えていただければと思います。以上2点でございます。

【福田座長】

それでは、松尾委員から。

【松尾委員】

ありがとうございます。ビジネスとして進んでいるところというのは、ディープラーニングの技術、Google、Facebookがやっぱり進んでいますので、Googleの中ではかなり使われているはずで、先日もGoogleの検索のアルゴリズム自体をディープラーニングベースに置き換えるかどうかというような話が出ていましたけれども、そこまでいかなくても、かなり細かい機械学習の精度を上げるところで使われているというふうに思っています。ですから、広告の配置ですとか検索結果なんかに使われている。フェイスブックのほうも、対話のシステム等にも導入されています。あと、音声認識なんかではマイクロソフトをはじめとして、相当使っていると。もう少し近いところでは、監視カメラなんかで使われているのもどんどん出てきていますし、それから医療ですね、医療画像で肺がんを検出したり、あと皮膚病を診断したりというようなあたりというのは、もうかなり実用化に近いレベルまで来ているというふうに思います。

【福田座長】

金子委員、お願いします。

【金子委員】

私は日本の市場で、日本の会社に投資したことがないんですね。というのは、やっぱり太平洋を隔てていますと、自分の知っている人があまりいないということが大きい。それから、何か問題が起きたときに車で30分以内に行けるというようなことが私は非常に重要だと思います。いろんなことが起きるんですね、小さな会社は。セクシャルハラスメントはあるわ、誰かがマリファナを吸っていたとか、いろんなことがあるんです。それを近くにいて、やっぱり取締役として入りますので、自分のコントロールの効く範囲ということで日本の市場に入ったことがないんです。

一つ面白い例だと思うんですけれども、私どものポートフォリオの会社が上場したり買収を受けたときに、SECの係員から我々のところに電話がかかってきまして、今から資料を送りますと言って、リストを送ってきます。それの何日前にトレードしている人の名前のリストです。その人たちを知っていますか、どういうふうなつながりですかと。例えば、昔学校の寮で一緒だったとか、そういうことを書いて出さなくちゃいけない。そういうことは昔にはなかったんですね。最近ものすごくきついなと。SECにはよくこれだけ人数いるなという気がします。それでポルトフォリオの会社が上場したときに、何百人、何千人が売ったり買ったりしているわけですね。それを全部調べて、我々のところに選んで送ってくるわけなんです。ほかのVCにも行っているはずなんです。監視が厳しいと言えます。

それから、私がこちらへ38年間いまして感じたことなんですけれども、米国の資本市場はある意味ではワイルドウェストなんですね。知恵を出していろんなことをやるんですけれども、制度がそこまでいっていないと、極端にまでいってしまうことがある。この間のリーマンショックの時にしましても、ドイツの小さなペンションファンドまでサブプライムを買っていたとか、そういうことが起きてしまうわけです。ただ今回の米国は危機の時手術をするのがめちゃくちゃ早いんです。もう切るところは切ると。恥も外聞もないんですね。ですから、ワイルドウェストであっても、何か間違いがあったときに直す能力がある。

それから、シリコンバレーだけ見ていますと、非常にVCというのはプロモーションが上手いんですね。プロモーションが上手い連中が、ゼロから何かをつくっていくところに投資します。モメンタムがないとお金は集まらない、良い従業員も入ってこないので、VCもプロモーターとしてこの会社はすごく良いんだということでどんどんやっていくわけです。そうしますと、また極端にきまして、ユニコーンみたいな会社が140社も出てきて、今、がたがたになっている。バブルがはじけることを私は2000年にも見ています。 ヒラリー・クリントンが1994年に、 オバマケアの雛形のヒラリーケアを提唱したときがあるんですが、そのときバイオテックの資本市場は崩れてしまいました。その崩れる前に何かおかしいなということを、プロである私どもは感じなくちゃいけないわけです。そういう訓練は、こちらにいると、やっぱりできたんじゃないかと思います。

ですから、単に日本の資本市場、アメリカの資本市場は簡単に比べることはできないんではないでしょうか。今現在アメリカでも非常に頑張っているFinTechの連中でも、レギュレーションが欲しいと。なぜ欲しいのかといいますと、変な連中が入ってきて変なことをされると、我々まで損を被ってしまうから、ちゃんとレギュレートしてくれと。で、良い連中だけが生き延びていけるような環境にしてほしいというふうなことを言う人が増えてきています。

【福田座長】

ありがとうございました。それでは、松尾参考人、お願いします。

【松尾参考人】

私、サンノゼにいて、伊藤穣一さんと一緒にMITメディアラボでブロックチェーンの研究をしています。日本の大学とも一緒に研究をしているんですけれども、松尾豊先生にちょっと質問というか、お伺いしたいことがあります。前回の第1回で伊藤穣一さんが、ブロックチェーンという技術は、もともと暗号であるとか、セキュリティであるとか、コンピュータサイエンスであるとか、あるいは金融という技術とか、いろいろ巧妙に組み合わせてできている技術で、なおかつまだ全然未成熟で、インターネットの技術でいうと80年代後半のIPプロトコルもまだできていないぐらいの成熟度なんだけれども、一方でブロックチェーンとビットコインには、数千億円のお金が入っているという現状があります。技術的にあることができるようになるということと、それが例えば、社会基盤として、ファイナンスの基盤として、合理的で安定的で筋がよいというのはとてもギャップがあって、多分まだこれからの技術なんだけれども、注目をすごい浴びているという意味では、人工知能も同じ状況かなと思っているんですけれども、ある種ブームにブレーキをかけてでもいいから、確からしさを高めていくということがとても重要だと思うんですが、人工知能分野で、その辺についてはどういうふうにお考えなのかというのをちょっとお伺いしたいと思います。

【福田座長】

松尾委員、何かございましたらお願いします。

【松尾委員】

ありがとうございます。今の人工知能ブームというのは、僕は実は2階建てだと思っていまして、1階部分というのは情報技術の擬人化ですね。ですので、これでいうとほとんどの技術というのは、昔から少しずつ良くなってきていて、それを例えばたくさんデータがあって、そこに非常にシンプルなルールを適用するだけでも非常に面白いことができるというのは、まさにGoogleが検索なんかの領域でやったことでして。その時点で、いろいろなものに使えるということがほぼわかっていたわけですけれども、それがやっぱりなかなか広がらなくて、今回の人工知能ブームで特に日本国内においては、そういったデータの活用、あるいは情報技術の活用という可能性がすごくあるんだということが多くの人に伝わったのかなというふうに思っています。

そういう意味では、そこの部分は確固たる技術なので、ある程度使えるということはわかっていると。ただ、期待感が高まり過ぎないようにしないといけないということはあると思います。

もう一方のディープラーニングのほうは、僕はこれはわりと日本に特化したチャンスだとは思っていまして、特に認識するとか運動の習熟ができるというところなので、僕はむしろアメリカよりも日本のほうがチャンスがあると。これは要するに、ソフトウェアとものづくりというのをかなり高度にすり合わせていかないといけない技術ですので、そこに関してはまだ技術的には課題はいろいろありますけれども、戦略的にかなり重要なので、早い段階からやっていったほうがいいんじゃないか。まだ世界的に市場というのはできていないと思いますけれども、僕は日本が世界の市場をとれる可能性があるというふうに考えています。

【松尾参考人】

実はもう1個それに加えてなんですけれども、同じく松尾先生に、その続きなんですが、人工知能とFinTechというところでいうと、セキュリティの研究者なのでそういうところに目が行ってしまうんですが、例えば経済活動とか金融というのを見たときに、オーディット、監査をいろいろなところでしなきゃいけないんですけれども、例えばディープラーニングとか機械学習でやったロジックというのが、中でどういうふうにロジックができて、その結論が出たのかというのが全部わかっていないという議論もあり、例えば後で監査したときに、それが本当に社会的に見たときに良かったのかということがちょっと見れないんだとすると、その仕組みというのが社会的合意が取れない可能性があると。ブロックチェーンでも、イーサリウムというブロックチェーン上のある良いプラットフォームがあって、その上に分散オブジェクトとかそれぞれ行動を実行して、プログラムを実行して、いろんなアセットの管理をするという、DAOという仕組みができて、それが150ミリオンドル(150億円)も集めているんですが、一方で基盤となる技術がちょっと怪しいねというふうに内部の人が言い始めていて、150億円集めたけれども、もしかしたら失敗するかもしれないという状況にあったりするわけです。

例えば、コードがいろいろ動いたりすると、それがどう動いているか監査をしなきゃいけないだとか、そこにマルウェア――不正なことをするソフトウェア――が入っていないかどうかをチェックしなきゃいけないような状況が増えてくるので、実は人工知能だけじゃなくていろいろな高度な技術が入ったときに、それを社会基盤と見たときに、皆さんの合意を取れるような、監査なのか他の仕組みなのか、入れていく必要があるかなというのがちょっと気になっているところです。

【福田座長】

では、松尾委員、よろしくお願いします。

【松尾委員】

ありがとうございます。人工知能が、中で何を学習していて、どういう理由である判断につながったのかというのをきちんと説明する技術というのは今後必要になると思っていまして。ただ、僕は自動運転の場合とかでもそうなんですけれども、事故を仮に起こしたとして、なぜそれが起こったのかというのがわからないと非常に困るよねということだと思いますが、僕は説明する技術というのは、今後つくれるんじゃないかと。それほどそんなに難しくなく作れるんじゃないかと思います。人間も、自分の脳がどう動いているかというのは誰も知らないわけですけれども、それでも説明しちゃうわけで。要するに、社会的な合意としての説明性を果たせばいいということなので、そこのテクノロジーが今後できてくるんじゃないかと思います。

一方で、投資する対象と見たときに、例えばあるベンチャー企業が人工知能を使っています、あるいはディープラーニング使っていますといったときに、それが本当なのかどうかというのは結構難しい問題です。特に今、ブームになっていますから、いろんな人がいろんなことを言っていて、これまでは人工知能と言っていなかったようなものも人工知能ですと言ったりするということで、そこの技術の見極めというのは、やっぱりすごく難しいですし、かなりアルゴリズムの中、コードの中まで本当は読まないとわからないのかもしれないなと。そこら辺は確かにすごく難しいところだというふうに思います。

【福田座長】

ありがとうございます。では、田中委員、お願いします。

【田中委員】

松尾先生、それから金子さん、どうもありがとうございました。ちょっと今までのお話とは違う角度から少しお話をした上で、ご質問もさせていただきたいと思うんです。

ここのところ諸外国で非常に大きな動きが幾つも起きているんじゃないかという気がします。1つは、これは大変驚いたんですが、この間、「クローズアップ現代プラス」でご覧になった方が多いんじゃないかと思うんですけれども、中国のFinTechの実態が報告されていました。ものすごい勢いで伸びているんですね。ここ3年ぐらいの急速な伸びの中で出てきたFinTechの企業、これがまさに中国の地方ですね、農村まで入り込んできていると。その結果、今、例えばブタ1頭持っている農村の人が借り入れをして、まさにスマートフォンのアプリケーションで借り入れをしてブタをあと2頭買って、そしてだんだん生活を良くしている。例えば、そういうようなことが随分進んでいるようなんですね。

その結果、この報告によりますと、現在あるFinTechの会社の4割ぐらいは、非常に大きな問題をいっぱい抱えていると。もちろん詐欺みたいなものであるとか、それから調達、いわゆるコンプライアンスの問題とか、非常にたくさん抱えている。裏返しますと6割ぐらいは非常に順調に育ってきているということで、どうも実態的に世界の中で、このFinTechの企業が一番伸びているのは中国ではなかろうかということが言われています。なかなかこれは他には報道されていないので、私はこれを見て非常にびっくりしたんですが、これは少し我々としてもよく見ておく必要があるのではなかろうかという気が、1つしております。

それから、2つ目は、4月にイギリスのボードウィン経済担当副大臣が、2016年のイノベーティブファイナンスグローバルサミット、これはご存じかもしれませんけれども、ここで基調講演されまして、イギリスはFinTechの関連企業をさらに取り込むと、そのための政策を発表されています。

簡単に3つご紹介しますと、1つは業界主導のFinTechパネルを設置して、イギリスにおける包括的なFinTech戦略の策定とか、FinTechに対する取り組みの推進に対する支援機能を提供しましょうと。2つ目は、FinTech関連企業が法律とか会計等に関するサービスを利用しやすくするために、FinTech向けの専門的サービスに関する情報ハブをつくります。3つ目は、イギリスのFinTech関連企業が国際展開をしやすくするために、英国の貿易投資総省とともに重要なグローバル市場に関するFinTechブリッジを創設する、こういうことを既にイギリスはやっているわけです、政府として。

それから、3つ目は、これはご存じかもしれませんが、先月10日にアメリカのトレジャリーがこの報告書を出しています。これはOpportunities and Challenges in Online Marketplace Lendingということで、オンラインマーケットレンディング、これはターゲットはコンシューマーと、それからスモールビジネスですね。これに関するこんなに分厚い報告書を出しています。この報告書の中では、金融庁さんと同じような方向だと思うんですけれども、こうしたオンランマーケットプレイスにおけるレンディングが広まるということは、これは国民にとって基本的には良いことだと。今までにファイナンスに対してアクセスのなかった人たちがアクセスができるというようなことについて、非常に評価していると。ただ、先ほど監査の話もされていましたけれども、一方で、例えばアプリカント、申込人が自分のデータ、個人に関するデータがどう使われているかということがわからない。例えば、そうした問題もあるんじゃないかという懸念が出されているとかですね。それから、ほかにも、基本的にはオンラインのマーケットプレイスレンディングという世界は、コンシューマーと、それからスモールビジネスというものをターゲットにして育っていくだろうと。それに対する対応として必要なものがあるんじゃないかということは、詳しく書いています。

というわけで、世界中でFinTechの世界が非常に大きな変動、変貌を遂げているというか、非常に大きな動きがあちこちであるということは1つ頭に入れておく必要があるだろうという気がします。

その中で、特にFinTechというカテゴリーの中で、いろいろなものがあるわけですけれども、やはりレンディングというのは1つ大きなテーマなのではないかという気がします。お金のフローというものを、資本で流すということと、それから、クレジットで流すというのが2つあると思うんですが、そもそもこの会議ができた趣旨も、基本的にはそうしたことを考えていこうと。もっと金融の機能を使って、日本全体の成長にプラスになるように、あるいは産業がどんどん増えていくということを、ぜひサポートしていきたいということなんですが、そういう中で、レンディングの世界というものに少しフォーカスをして、松尾先生にお話をお伺いしようと思うんですけれども。

松尾先生の資料を拝見致しまして、先生のご紹介の写真がある1ページ目に、「松尾研究室について」と書いてありまして、何回か今までも見せていただいたんですけれども、研究室の実績の一番最後に、卒業生の主な進路はGoogle、DeNA、楽天、サイバーエージェントなどなどと書いていまして、ここには三菱東京UFJ銀行はない。これは誠にすばらしいことではなかろうかと。こういう若い人たちがこういう世界にどんどん入っていかれて、しかも起業する人が出てくると。こういう動きは、やはり日本にとって非常に重要で、これをどのようにサポートしていくかということが、1つ視点としてあってもいいんじゃなかろうかという気がします。

そこで、ちょっと長くなったんですが、AIにつきましても、あるレポートによりますと、IoT、それからビッグデータ、AIが発達すると、いろいろな産業で仕事が消えていくんじゃないかということが言われる中で、ちょっと名前を忘れましたが、あるレポートによりますと、一番初めに消えるのは銀行の審査の仕事じゃないかというようなことが書かれております。そこには当然AIの利用が考えられているんだと思うんですが、実は銀行の審査という仕事の中で、これは私も40年近くこの業界にいるものですから、歴史を振り返りますと、90年代の前半だったと思うんですけれども、アメリカでドミニク・キャサリーという人が「リスクへの挑戦」という本を書きましてね。そのころから格付け制度というのは非常に広く世界的にも使われるようになり、そしてその格付けに応じたデフォルト比率というものを統計的に使い、それをベースにして引当制度が変わっていくという、こういう流れがあったわけです。

おそらくそれに相当するような変化が、このAI等を使うと出てくるんじゃなかろうかというふうに想像するんですが、その中で、今日お伺いしたものを前提にしますと、松尾先生にお伺いしたいのは、具体的に、特に先ほど申し上げたコンシューマーとか、それからスモールビジネスのような、マスとしてある程度考えられるセグメントでいいと思うんですけれども、このAIを具体的に使って、そういうところのクレジットリスクというものを分析していく。例えば、アプリカントから情報をもらって分析するのではなくて、アプリカントのフェイスブックか何かにアクセスをすると、その人の行動様式がよくわかるので、そこから引っ張りだしたデータでもって審査をするというようなことをやっているというようなことも聞いているんですけれども、今までの日本のやり方ですと大体アプリケーションをもらって、銀行がもらって、そしてそれをチェックをしながら審査をしていくというのが一般的なやり方だったと思うんですが、そういうやり方が今後AIを――ビッグデータもベースになると思うんですけれども――使って変わっていくイメージというのは一体どういうものなんだろうかというのが1つ。

それから、シリコンバレーの松尾参考人、それから金子さんでもいいんですが、具体的にそういうことをもう進めている企業というのはアメリカにはあるんだろうかと。こういう疑問もちょっと持ちました。ですから、その辺についてもしご存じのことがあればお教えいただければというふうに思います。

【福田座長】

それでは、まず松尾委員のほうから。

【松尾委員】

ありがとうございます。僕もクラウドファンディングとか、クラウドレンディングソーシャルとか、そういったあたりというのはかなり昔から注目して見ていますので、今おっしゃられたようなところというのはすごく重要だなと思って見ています。いろいろ考えた結果、これまでずっと考えてきて、僕の中の結論というのはどうなっているかというと、そういう格付けをちゃんとやるとか、リスクをきちんと見積もるということは、おそらく今までよりも良い精度でできるんだと思いますし、ある程度自動化というのは、僕は必ずできると思っています。ところが一方で、やっぱり今の金融機関というのは、そこが本当に競争力の源泉になっているかというと別にそんなことはなくて、やっぱりサービス全体として競争力になっているわけで、特に良いお客さんを集めてくるところ。ですから、本来のリスクよりもやっぱり非常に安全なお客さんをきちんと集めてくるというところが、僕は競争力の鍵になっていると思うので、そこにそういった新しいプレーヤーが出てきても、なかなかそこで勝負していくのは難しいんじゃないかと。ですから、本当に競争が激しくなっていって、ぎりぎりのところまでリスクをとるような、そういう状態になってくると、そこのモデルが良い悪いというのが効いてくると思いますけれども、今はまだその段階にないんじゃないかというのが思っているところの1つ目です。

もう一つは、今お話にもありましたけれども、例えばソーシャルメディアのデータなんかを使って、今までにない精度で与信できるんじゃないかというのもありますけれども、僕はなかなか上手くいっていないと聞いていまして。何でかというと、こういう新しい手法、あるいはデータを使ってやろうとすると、必ずそれに対抗して騙すような方策があると。それに対して、また打ち勝たないといけないので、そこの争いというのに勝って初めて上手くいくと。検索エンジンなんかも最初のころはGoogleが新しいアルゴリズムをつくっても、それに対してスパマーが一生懸命アルゴリズムをハックして、それに対してまたGoogleが頑張ってそれを上回ってといういたちごっこがずっと続いて、その中でどんどんレベルが上がって、だんだん良くなっていったわけですけれども、おそらくそういう与信のモデル、そういうリスクのモデルというのも、そういった過程を経ないと、本当に良いものにはならないんじゃないかと。そこもやっぱり結構時間がかかるところで、試行錯誤していく必要があるのかなと思っています。ですけれども、事実としては、できることは僕は確かだというふうには思います。

【福田座長】

ありがとうございました。それでは、アメリカの松尾参考人、お願いします。

【松尾参考人】

ちょっと違う角度から。ちょっと今のお話とはずれるのかもしれませんけれども、情報セキュリティの世界でも、攻撃をやられたときの保険という議論は、それこそ20年以上前からあって、サイバーインシュランスというんですが、それはなかなか今まで成立していなくて、その大きな理由というのは、情報セキュリティに関していうと、もともと例えば自動車のセキュリティだと、自動車保険だとか、生命保険の場合は、幾らぐらい損して幾らぐらい返せばいいかというのが、いわゆる集合値知として各保険会社が経験値として持っているので料率が算定できるんですけれども、情報セキュリティの場合は、どの会社がどれぐらいやられたかという情報が全く表にならないという理由で、なかなか経験値が積めないということで料率が決まらないという理由があるんですね。

分野にはよっては、そういうふうに逆に表にデータが出てこない部分というのもあるので、そこは実はさっき松尾先生がおっしゃった、騙す技術があるんだということと一緒で、情報がどれぐらい上手く質の良い情報が出てくるのかというところでも、もうちょっと壁があるのかなというふうに思います。

【福田座長】

ありがとうございます。金子委員は特に何かございますか。

【金子委員】

今言われたレンディングのほうなんですけれども、米国のマーケットを見てみますと 良い顧客を掴むレンディングと、悪いところをハゲタカのように狙っていくレンディングの会社があるんですね。1つ申し上げますと、何という名前か忘れましたが、サンフランシスコにある会社なんですけれども、良い学校の生徒に対して学生ローン を借り換えさせるんです。安いレートでスイッチしてあげますよと。7%払っていたのを、うちですと4.5%にしてあげますというのをやりまして、それは単純にその人の生活パターンとどこの学校を出たかということで決めている。

それからもう一つ、最近ジェイミー・ダイモン、JPモルガン・チェイスの会長が言っているんですけれども、これはバブルだと。バブルといっているのはカーローンなんかに貸し付けるときに、ほとんどペイメントができるかできないかの査定をしなくなってきている。ですから、カーローンなんかにしても、あるいは今から、質の良いターゲットになっていくんじゃないかと思うんですね。

今学生ローンは100兆円のマーケットで、カーローンも100兆円のマーケットなんですね。サブプライムがガタガタになったときに、300兆円のサブプライムローンがあったわけです。そこまでのリスクがあるかどうかはわからないんですけれども、だんだんそういうローン、コンシューマーローンが広がって、今200兆円ぐらい。ほかにもカードローンありますので、コンシューマーのローンがだんだんに増えてきている段階になっているのがアメリカのマーケットだと思います。

【福田座長】

ありがとうございました。では、仲津委員、お願いします。

【仲津委員】

ありがとうございます。今までの議論をお伺いしている中で、ちょっとあえてお話をするという形の展開で皆さんのご意見をお伺いできればと思うんですけれども、先ほどMITの松尾参考人からもおっしゃられている、ブロックチェーンの持っている根本的な思想とか発想ですね。どうしても日本のベンチャー業界は、僕自身、投資家や周りの起業家とも話していてもそうなんですけれども、すぐビジネスのほうに寄っちゃうんですね。儲け主義でベンチャーを立ち上げていこうという発想で終始することが結構多いんですけれども、僕自身、やっぱりシリコンバレーで自分でベンチャーをやっていてすごく思ったのは、やっぱりコアコミュニティのトップクラスの起業家とか投資家というのは、根本的な社会問題をビジネスとテクノロジーの融合によって解決するという哲学が強烈に働くんですね。今の日本のFinTechに関しても、やっぱり周りの方の意見とかを聞いていると、商売寄りの発想が多くて、根本的な社会問題を解決していこうという議論がすごい少ないなというふうに見ています。その典型例が、例えば先ほど松尾先生からもお話があった、イーサリウムという会社がある。ここのWilckeというファウンダーも、会って話したことがあるんですけれども、彼がなぜDAOというプロジェクトを立ち上げたかという発想に関して、あまり日本で議論されることがない。

彼がなぜ立ち上げたかというと、いわゆる小さな政府をどうつくるかというのに彼は取り組んでいるわけですね。それは究極的にはオーブが抱えているビジョンでもそうなんですけれども、善意のシステム化とかにつながる話なんですよ。じゃあ何で善意のシステム化が必要かというと、ここは実はAIもかかわってくるんですけれども、先ほどセキュリティの話で、何かアルゴリズムを設計して運用すると、そこを騙そうとするやつらが出てくると。でも、ブロックチェーンとかビットコインを与えたきっかけというのは、さらにその先を行く、いたちごっこの先を行く発想を取り入れていて、そもそも悪意的な行為をやること自体が損するというメカニズムをソフトウェアの中に組み込んだわけです。

それを実際にインセンティブ、先ほどのディープラーニングで、インセンティブを入れることによって、要は善意的に動く方向に強化が働くような話が少し出ましたけれども、そういうものをソフトウェアの設計も含めてですけれども、ビルトインした仕組みをどうつくるかというのに取り組んでいるので、こういう発想からやっぱりFinTechという産業定義をするというのは、ものすごく重要なことだと思いますでいます。インターネットもそうでしたけれども、結局は実は新しいお金儲けをやっていることではなくて、メディアという定義そのものを、今までだとマスの世界が圧倒的に、つまりテレビ局がすごく優位だった世界が、インターネットによって相当な民主化が進んで、誰でもパブリックな情報を発信していけるような世界が、産業によってでき上がったわけですね。つまり、FinTechも同じことを目指していかなければいけないというふうに僕は思っていて、そこの認識合わせというのが、こういう場も通じてですけれども、起業家もそうですし、VCもそうですし、学会も通じて、自分たちが目指している世界というのは、小さな政府だったり善意のシステム化なんであるという、そういった考え方をしっかり持つというのはすごく大事なことだというふうに思っています。

もう一つ、ちょっとグローバルベンチャーの話が先ほど東大の松尾先生からもあったので、ちょっと補足的な話としてお話をさせていただくと、我々はまだ取り組んでいる最中なので、自分たちが最善の解決策を持っているという前提で動いているわけではありませんが、FinTechも基本的にはITの世界なので、要はシステムの事業を行っているわけですね。その点からいうと、日本のベンチャーがよく陥りがちなパターンでいうと、ビジネスとテクノロジーの経営におけるバランスが非常に悪いというのがあります。典型的な例でいうと、日本の場合、大体大きくなっているベンチャーのパターンでいうと、ビジネスに結構偏る経営のベンチャーが多いんですね。経営陣があまりテクノロジーをリスペクトしないと。技術というのは当然日々進歩していっているので、今までにできなかったことが5年、10年スパンでどんどんより人間に近いことができるようになっていっているというのはありますが、とはいってもやはり制約条件は人間に比べて圧倒的に多い世界です。その中でよく、日本で成功したベンチャーがグローバルに出て行くときに抱える課題というのは、システムのスケーラビリティが完全に損なわれてしまっているということです。

ちょっと専門的な言い方になりますけれども、うちももともと分散並列処理を研究していたものがCTOなので、彼とのディスカッションで常に言うんですけれども、システムを疎結合でしっかりとつくっていくことによって、自分たちの上にあらゆるサービスが乗ってきても、システムのスケーラビリティが損なわれないように設計していると。

これは実際に、成功事例と失敗事例の話でいうと、GoogleVSYahooというのがインターネットの時代に過去10年ぐらいにものすごい競争がありましたが、このときの敗北の原因は、今言ったような話にかなりリンクしている話ですね。Yahooというのは、ぶっちゃけインターネットの何でも屋をやろうとして、システムをそれによってカスタマイズの制約条件を至るところで与えてしまったので、グローバル展開するときにシステムのスケーラビリティが損なわれてしまったと。あとはグローバル展開するときにも、結局ある程度それぞれのシステムに対して自治権を与えてしまったがゆえに、単一のシステムで拡張性高く動かしていくというところで失敗していると。

一方Googleは、手を出すのは検索エンジン1本だけですね。それに対してのグローバルでシンプルでスケーラブルなシステムをひたすらつくり上げるということをやったので、結果的にGoogleのほうが圧倒的な勝利をおさめていると。

こういう発想というのは、グローバルベンチャーをやっていく上ですごく重要なんですが、やっぱりそこで1つ欠けているとすると、私自身起業家で、自分自身もエンジニアではそもそもない中でも、自分でソフトウェアエンジニアをやってみたりとか、あとは技術のキャッチアップもずっと続けていますけれども、もう一つはベンチャーキャピタル側もすごく重要だと思っています。それはなぜかというと、シリコンバレーでも、非常に人気の高い、ITにおけるベンチャーキャピタリストというのがいますと。

例えば、コースラファンドのビノッド・コースラさんとか、あとはアンドリーセン・フォロウィッツのマーク・アンドリーセンというベンチャーキャピタリストが非常に人気なんですが、これはバイネームで人気なんですけれども、要するにファンドというブランドじゃなくて、バイネームで人気なんですね。何で人気かというと、2人ともテクノロジスト出身なんです。ビノッド・コースラはサン・マイクロシステムズを4人のメンバーで実際に立ち上げて、彼はもともとエンジニアでしたし、あとマーク・アンドリーセンに関しては、自分自身でもともとネットスケープというソフトウェアをつくった、もともと研究者でもありエンジニア、テクノロジストですから、やっぱり技術の性質というのをちゃんと理解しているんですね、投資家側が。

そうであることによって、当然技術、例えばマーク・ザッカーバーグみたいなプログラマー出身の起業家が物をつくってきたりとか、あとはラリー・ペイジがGoogleのページなんかをつくってきたときに、要するに技術に対するリスペクトをちゃんとベースに置きながら、会社をどう大きくしてくかという発想がきちんとベースにあるので、こういう考え方に関しても、起業家もそうですけれども、VC側もきちっと持ってやっていかないと、ベンチャーというのはグローバル展開するときに落とし穴が山ほどあるので、根本的なところでのプロトコルの違いが発生しないようにプロジェクトをやっていくというのはすごい重要な発想だというふうに僕は考えています。

【福田座長】

ありがとうございました。ご意見の表明だと思いますが、もし何かございましたら。では、仮屋薗委員。

【仮屋薗委員】

今、仲津さんのご意見に対しまして、私も補足をしたいなと思っていまして。おっしゃられるとおり、まだ日本のVCのジェネレーションが浅くて4世代目ぐらいですよね。出発は、本日の資料にありました、日本のVCの出発は70年代前半で、奇しくもクライナーとかと全く一緒なんですけれども。そういう意味で申しますと、エコシステムの進化は20年、30年近く遅れていると思います。

その中で、テクノロジーサイドとビジネスサイドの融合というのは確かに非常に重要で、仲津様から挙げていただきましたような方々はテクノロジーサイド。一方で、クライナーとかセコイアにしても、ビジネスサイドのジョン・ドアさんとか、マイケル・モリスさんとかいらっしゃるんですが、本当にここは有効だと思っています。Googleにしても、テクノロジー掛けるビジネスモデル、いわゆるテクノロジーとしての検索のところにアドバードアドセンスというモデルが乗って初めてイノベーションだったと本当に思っておりまして、ここのバランスは非常に重要で、日本におきましては、おっしゃられますとおり、ビジネス側が確かに多いんですね。おっしゃるとおりでして、ここは今回のイノベーションが、テクノロジー掛ける産業という観点で申しますと、テクノロジーにおける見識を持った資金提供社の能力ですよね。これも非常に重要になってきていると思っていまして、日本のVC業界としても課題ですし、テクノロジストの出身の人間も、今やっと増えつつあるというようなところはございます。というのがコメントの1つ。

あと、最初松尾先生にご質問させていただきました、これはまさにプラットフォーム戦略の話なんですけれども、2つ課題があると思っておりまして。1つは、まさにグローバル化に対する攻めるイノベーションをつくっていくという観点。それからあともう1つは、やはり短中期は日本の競争であります、日本における顧客基盤、顧客資産、それからお客様をよく理解して、そのデータをしっかりと分析した上でアプリケーションをつくるという観点では、これはグローバルにフラットにやっていくものと、やはり日本のお客様だけを見てつくるサービスとでは、選択と集中によりサービスの質が変わってくると思っています。

まず、後者につきまして私は、日本のお客様のデータですとか、プロファイルというものをしっかりベンチャーも一緒に分析なり理解をしていくことによって、それによって特化したサービスアプリケーションができれば、これはこれで1つ守りとしてはサービスとしてしっかりと継いでいけると思っています。課題はやはりグローバルに攻めていくプラットフォーム型のビジネスを、日本においてFinTechが生み出せるかどうかというところでして、ここは本当に私、仲津さんのおっしゃるとおりで、テクノロジーとビジネス、ここのバランスをしっかり持って、実はここがまだ疎遠なのが日本のエコシステムの課題だと思っていまして、ここは早急に解決していくべきだと思っています。

そういう意味では、やはりデータを拠出していただいたり、それに対してしっかりとテクノロジストが触っていけるような環境整備でしたり、そこで生まれてきた知見といいますか、新しい発見をビジネスモデルにどう乗せていくかという、ここでビジネスモデルの議論、こちらのまたインプットが必要になってくると思っていまして、この3つをしっかりと組み合わせていかないと、なかなか本当にFinTechベンチャーが立ち上がってこないなというふうに思っています。逆に言うと、それをやるべきだという認識でございます。

【福田座長】

では、瀧委員、お願いします。

【瀧委員】

是非松尾先生と金子様にお伺いしたいことがありまして、メガベンチャーという存在についての思いをお聞きしたいです。松尾先生には、やはりGoogleであるとかバイドゥとかがアンディ・イングーを雇っていたりと、本当にお金をたくさん持っているメガベンチャーが基礎研究をすごく進めているんじゃないかという理解をしています。、日本はそこまでのことができる会社が、数的には少ないというか、リクルートさんとかされていますけれども、やっぱりメガベンチャーという存在が人工知能の産業に対する発展をもたらしていく中で、どれぐらいファクターとして重要なのかお聞きしたいです。要は、1つ腕に自信のある人工知能学者が外に出てくるだけでは不十分で、そこで大きくしていけるモデルが現実的なのか、それとも大きい資本があるところが必要なのかという点があります。

もう一つは、先ほど田中委員がおっしゃっていたことでそう言えばと思いましたのは、今年の2016年1月以降、世界中のFinTechディールのトップ5を挙げると、3社が中国勢なんですね。トップはアント・フィナンシャルが――アリババのアリペイを経営している会社ですけれども――5,000億円を調達という、ちょっと想像がつかないようなレベルでの資金調達をして、それとアリババグループ自体の資本で、インドネシアとかのECサイトを1,000億円で買ったりすると。これもやはりメガベンチャーというテーマだなというふうに思っていまして、確かにアリペイであるとか、中国のテンセントとか、中国の旧正月で80億通ぐらいお年玉を贈り合うサービスを作り出しているんですよね。なので、そういった本当に大きなプラットフォーマーが結局持っていってしまう部分があるんじゃないかという危機感がございます。

やはりこういった人たちが、結局すごくパワーを持っている中で、日本ではなかなかメガベンチャーの数が限られており、Yahooさんなどがその事例かと思うんですけれども、そういうのが生まれない背景について、米国から見ている中で、金子様、何かご意見がありましたらちょっと教えていただければと思っております。

【福田座長】

それでは、金子委員、お願いします。

【金子委員】

テクノロジーを自分たちで開発しているかどうかということなんですが、私は、Googleなんかは非常に上手いなと思います。Googleは自分たちで開発しなくてもしたように言うわけですね。セルフドライビングというのは、もともとはカーネギーメロンに非常に著名な金出先生がおられた。 その方が1990年代にセルフドライビングのコンセプトをもうつくって、あるいはドローンのコンセプトをつくって、DARPAなんかと一緒にやっていたんですね。金出先生が教えた連中がスタンフォードに来まして、Googleはスタンフォードに、何々教授に会いたいといって会いに来て、何もフィードバックしないでアイデアを取っていっちゃう。ですから、スタンフォードなんかが戦々恐々としているのは、Googleが来たら、その研究室を全部取っていっちゃうんじゃないか。セルフドライビングがそうなった。

Uberがセルフドライビングをやるときにはどうしたかというと、じゃあ本源に帰ろうというので、カーネギーメロンに行きまして、 、セルフドライビングの良い連中を研究所ごそっととっちゃった。そういうことがやれるのがメガベンチャーだと思うんですね。ですから、これは雇用の形態が違うというところがあると思うんです。

私ども、昨年3人でバイオテックの会社を始めました。今、非常に流行っていますイムノオンコロジーという、京大にいらっしゃった本庶佑さんがコンセプトを出して、今、小野製薬とブリストル・マイヤーズが抗がん剤として売っています。 集まる金額が違ってきています。昔ですとフレンズ&ファミリーで2、3ミリオンダラーを集めるかといっていたんですけれども、50ミリオンダラーが3日ぐらいで集まってしまいます。それだけお金があると、例えば大学に行ってPh.D、ポストドックをリクルートするときにも、安心感を持ってくるわけですね。3年ぐらいつぶれないで頑張ってやれるなと思って参画します 大体ケミストリーとかバイオロジーですと、トップの教授が全米に20人、20人ずついます。その下に、Ph.D.,ポストドックでどれが優秀かというのが大体わかっています。彼ら在学中、あるいはポストドックになったときにペーパーをどんどん出しますので、それを見ていればどれが優秀かというのは、もうランク付けができてしまうんです。それをごそっととってくるのが、小さなバイオテックでもできる。ですから、メガベンチャーは、非常に悪い言い方なんですけれども、お金で引っぱたいてとってくるようなところが、まだアメリカにあるんですね。良いことか悪いことかわからないんですけれども、そういうことをしてくるのがメガベンチャーなんじゃないかと思います。

【福田座長】

ありがとうございました。では、松尾委員、何かございましたらお願いします。

【松尾委員】

ありがとうございます。メガベンチャー、研究においても僕は非常に重要だと思っていまして、もともと僕は1998年ぐらいにウェブのデータを分析するような研究をやっていて、まさにラリー・ペイジ、セルゲイ・エブリンが書いた論文なんかをリアルタイムで読んで、結構すごいなというのを、仲間の学生と話していたんですけれども。その当時は結構すごいなぐらいだったんですけれども、それがあっと言う間に企業になり、IPOをし、今ではもう世界を代表する会社になってしまっているということ。さらに僕はソーシャルネットワークの研究もしていまして、それもフェイスブックの前のフレンドスターができる前から、ソーシャルネットワークは重要だと思って研究していたんですけれども、それもやっぱりあっと言う間にフェイスブックができて、世界を制覇しちゃったということで、結局学術コミュニティで研究していても、実はそこで研究しているよりも、きちんとそれを事業化し、産業化し、そういったエコシステムをつくる中で研究開発やったほうが結局勝つんだなというのを非常に痛烈に思っていまして。

ですので、先ほどのお話にもありましたけれども、テクノロジーとビジネスをきちんと組み合わせて新しいイノベーションを起こしていくというのが非常に重要だなというふうには思っています。

そういった視点から見ますと、やっぱり日本の企業ってなかなかそれができていないわけですけれども、僕はやっぱり今までのここ10年、20年というイノベーションが、主にはインターネットを中心としてプラットフォームをつくるというところに大きな価値が発生したというところにあると思っていまして、やっぱりそこというのは、日本からだとすごくやりにくいと。やっぱり英語圏でやらないといけないですし、シリコンバレーでやるのが一番良いというような状況だと思うので、なかなかそこで付加価値を生み出せずに、またそれが再投資に回るという仕組みができなかったということだと思っています。

ところが、僕がなぜこの人工知能、特にディープラーニングというのに非常に注目しているかというと、認識の技術、あるいは運動の習熟の技術なので、非常にローカライズした話なんですよね。しかもハードウェアとのすり合わせというのが非常に重要になりますから、日本企業にとっても非常にやりやすいと。そうすると、初めてこういったイノベーションで利益を生んで、さらに再投資があるというような形がつくれるんじゃないか。一旦日本企業はそういうのをつくれたら、僕は非常に大きな金額のお金が、そういうテクノロジーの開発にもあるようになると思いますし、そうなると十分戦っていける状態になるんじゃないかというふうにも思っていまして、それが1つの戦力かなというふうに考えています。

【福田座長】

ありがとうございました。岩下オブザーバー、お願いします。

【岩下オブザーバー】

先ほどちょっと田中委員がおっしゃったレンディングのお話と、それから松尾委員の人工知能に関連するお話をちょっとだけさせていただきたいと思います。

今までの議論を聞いておりますと、とりわけ仲津委員がおっしゃった「イーサリウムが善意のシステム化を考えていく」という話、あるいは、ベンチャービジネスが世界に出て行くときの志の話というのは大変大事なことだと思っています。考えてみれば、インターネットが生まれたときから、技術者の志が世界を動かしてきました。インターネット上での金融取引というと、一番最初がEキャッシュという、デビット・チャームがつくったものが有名ですけれども、これもみんなのプライバシーを守るという一種のモラルから始まって、それが二重使用された場合は実名が明らかになってしまうという、そういうつくり方をしていました。そういう意味では、技術のほうから入った人たちが、モラルをどう実現するかとか、どう世の中を変えていこうかという議論が非常に盛んであったと思います。

今回のFinTechの議論についてもそういう面がある一方、FinTechを利用しようとする金融側の立場というのが、何となく金儲け的な話、発想に立ってしまっているように聞こえるんです。ただ、よくよく考えてみると、レンディングというのは銀行にとっては融資ですが、明治以降、日本の金融機関がどういうふうに融資を行ってきたかというと、単なる金儲けのために融資を行ってきたなんていう金融機関は多分1行もなくて、それは当然志があって、日本の産業の育成、殖産興業であるとか、戦後の成長であるとか、そういうことを実現するために融資を行ってきたということなんだと思います。そういう意味では、テクノロジーと金融を組み合わせるときに、ついつい何となくビジネス、ビジネスという話になってしまいますけれども、一方で志みたいな話というのが大事なんだなと、今改めて思った次第でございます。

そういう観点から、とりわけレンディングにおける人工知能という話を考えてみたいんですけれども、私自身、学生時代、AppleIIeというパソコンが出たての頃に、人工知能言語として知られるLISPを勉強してプログラミングに明け暮れていたり、第五世代コンピュータ・プロジェクト(ICOT)の人工知能の研究論文とか一生懸命読んでいましたので、あの時代の人工知能のブームというのをすごく懐かしく思い出します。当時、そういうのにかぶれていたものですから、日銀に入ってすぐに、「金融政策も人工知能でできるのでは」みたいなことを言っていたら、大変上司から怒られまして。「君、金融政策というのはアートなんだよ。人工知能にできるわけないじゃないか」というふうにすごく言われたんですね。

今回のお話を聞くと、大人の人工知能と子どもの人工知能という話があります。2つのレイヤーがあって、前者のレイヤー、すなわち既存のテクノロジーで上手くデータを集めて、人工知能でやっていこうというような大人の人工知能については、それに近いことはもう既に金融機関はやっています。やってはいますが、多分まだ十分じゃないし、使うテクノロジーもこれからもうちょっとエンハンスしてより良いものができるかもしれないと思います。

しかしむしろ私が重要と思うのは、後者のレイヤー、子どもの人工知能的なものの方です。例えば、単にクレジットスコアリングのモデルでFICOスコアを使って、ここが良いです、悪いですという話をするだけじゃなくて、企業の将来についても、どこまで本当に志を持っているかを見ていくというようなことまで考える人工知能があれば、本当はもう一段進んだレンディングのプロセスになるんだろうと思うんです。単にFICOスコアでやるようなことのちょっと高級品をつくって、それで効率が上がりましたというのでは意味がない。日本の場合はプライバシー保護であるとか、別の問題でデータが集めにくいので、それすらもやりにくいということもありますけれども、そこをもう一段進めたところに、もしかしたらよりアドバンストな金融があるのではないかということで、ぜひそういうことについてどうお考えか、松尾委員のお話をお聞きしたいと思っております。

【福田座長】

それでは、松尾委員、手短にで結構ですのでお願いいたします。

【松尾委員】

ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思っていまして、大人の人工知能でできるところというのは、今でもある程度できていると思いますし、それをもうちょっとやるにしても、精度は多少上がるでしょうけれども、それで何だというところもあると。一方で子どもの人工知能というのは、かなり革新的なことが起こっています。画像認識なんかでは全然今までできなかったことができるようになっていますし、この前のAlphaGoが李世乭九段に勝ったのも、ディープラーニングを使って、それによって本当は10年ぐらいかかるはずだったところを1年でできちゃったというところなので、やっぱり金融においても、子どもの人工知能がどう活用できるのかって、非常に僕も興味があるというか、重要だなというふうに思うところです。

ただ、金融によってはいろいろな事情を考えないといけないので、単に認識したらいいというだけではないので、そこが非常に難しいとは思いますけれども、でももしかしたら、例えば信用の概念とか、そういったところをいろいろな行動の中から取り出すとか、何か今までにちょっと考えつかなかったような、非常に新しいフレームワークというのもできるのかもしれないというふうに思いますし、確かにどういうことをやろうとしているのかというのをきちんと理解した上でレンディングするとか、確かにそこまできちんと絵が描けると、相当大きな話になるのかなと。僕自身もあまり十分考えたことがなかったので、そこら辺はまた考えていきたいというふうに思います。ありがとうございます。

【福田座長】

それでは、最後に仲津委員、お願いいたします。

【仲津委員】

補足的な話として、先ほど松尾先生のほうからもありましたし、社会的問題を解決していく上で、レンディングビジネスの新しいオポチュニティはどこかというので、参考意見でお話しさせていただくと、いわゆるグラミン銀行が実現したマイクロファイナンスというのは非常に良いテーマだと思っていまして、日本というのは、銀行口座を持っている人は97%いるので、アンバンクドユーザーというのは非常に少ないわけですけれども、でもどうしても銀行からお金を借りられない人はたくさんいるわけですね。じゃあなぜ借りられないかというと、クレジットスコアしようがないというのがありますと。参考例として、アリババがアリペイで成功したのは、自分たちのEコマース上のトランザクションデータをベースにした無担保の短期融資というのをAIモデルで提供するというので大成功をおさめたわけですけれども、こういう発想ですね。

要するに、マーケットのつくり方というのも、今あるマーケットを効率的に運用するという発想では、イノベーションが起きることというのはまずなくて、大事なことは、まだマーケットとしてすら定義されていない市場が、そこに新しいデータインフラが構築され、そこに新しい考え方のアルゴリズムが乗ることによって、全く新しい産業がそこで生まれていくという、こういう捉え方、これがきちっと最終的には、やっぱり社会問題を解決しているという視点を常に自分たちの原理原則として頭の中に持ちながら、産業育成していくという視点がすごい大事だなというふうに思っています。

【福田座長】

ありがとうございました。いろいろなご意見をいただきましてありがとうございます。まだご意見ございますかもしれませんけれども、そろそろ予定していた時間になりましたので、ここで討議を終わらせていただきたいと思います。

皆様、本日は活発なご議論をいただき、誠にありがとうございました。本日いただきましたご意見も踏まえて、次回以降も引き続き検討していきたいと思います。

それでは、事務局のほうからお願いします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

事務局から、次回の日程でございますが、皆様のご都合を踏まえました上で、後日、事務局よりご案内をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。

【福田座長】

どうもありがとうございました。それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきます。ありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3684、3944)

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