第3回金融検査マニュアル改訂に関する検討会議事要旨

1.日時:

平成18年11月8日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館11階 共用第1特別会議室

3.議題:

  • 統合的リスク管理態勢について
  • 自己資本管理態勢について
  • オペレーショナル・リスク管理態勢について
  • 内部格付手法の検証項目リストについて
  • 標準的手法の検証項目リストについて

4.議事内容:

  • 事務局より統合的リスク管理態勢について説明。
  • 事務局より自己資本管理態勢について説明。
  • 事務局よりオペレーショナル・リスク管理態勢について説明。

主な意見は以下のとおり

  • 「取締役会は、監査役へ報告されるべき事項を特定し」とあるが、監査役自身は、業務監査権限を有しているにもかかわらず、取締役によって特定されたことしか報告されないような誤解を生じさせる恐れがある。そのため、監査役の権限及び活動を何ら制限するものではないといったことを明記すべきではないか。

  • 提示された検査マニュアル改訂案を見ると、統合リスク管理を行うとなると、リスク計測手法を用いてリスク量を算出し、そのリスク量に対する取締役の理解や認識が必要となるなど、急に高度な管理態勢を要求されるように思える。そうなると、統合リスク管理を行うことへのハードルが高くなり、リスク管理の高度化に結びつかなくなる恐れがあるのではないか。

  • リスク計測手法の算出結果を経営判断として使用する場合は、それに見合った高度な管理態勢が必要と考えるが、リスク管理の高度化を目指し、リスク計測を試行している場合にまで、高度な管理態勢を求める必要はないと考える。

  • リスク管理部門の役割として、「新規業務への進出、新規商品の取扱い、新規に外部委託する場合、事前に内在するリスクを特定しているか」とあるが、これについては、リスク管理部門においてリスクを特定する前に、取締役会等を招集し、そこで決定することもありえるので、取締役または取締役会の責任として記載したほうがよいのではないか。

  • 「取締役等に対して研修を行っているか。」とあるが、仮に取締役等に対して研修を行っていない場合、管理者は、取締役等から指示を受けていなかったから研修を行っていない、また、取締役等は、取締役等で誰からも研修を受けていないと、両方において逃げ道ができてしまう。そういう意味では、「取締役等が自分の責任で自己研鑽しているか。」という旨の記載が良いのではないか。

  • 統合的リスク管理態勢と自己資本管理態勢は、表裏一体であると考える。自己資本管理部門においては、自己資本の対比の中で、リスク量を決めることが、役割・責任と考える。一方、統合的リスク管理部門は、そのリスク限度枠の中で実際にその限度が遵守されているかどうかが、役割・責任と考える。

  • 自己資本管理態勢において、「具体的な資本調達額及び適切な資本調達方法を資本計画等に明確に記載し」とあるが、金融機関においては、マーケットの状況によって、資本調達を行う直前に取り止めたり等、予め資本調達額を資本計画等に記載するのが難しいのではないか。

  • オペレーショナル・リスクとは、金融機関の業務の過程、役職員の活動若しくはシステムが不適切であること又は外生的な事象により損失を被るリスク(自己資本比率の算定に含まれる分)及び金融機関自らが「オペレーショナル・リスク」と定義したリスク(自己資本比率の算定に含まれない分)と定義されている。しかしながら、金融機関にとって、オペレーショナル・リスクについては、リスクの範囲が非常に広いので、どのようにこれを網羅的に定義し、また管理を行っていくかが非常に悩ましい。

  • オペレーショナル・リスクについては、そのリスクの性質上、基本的に当該リスクが発生しないように、または発生した場合には、リスクを削減するという管理が必要と考えるが、市場リスク等と同様に、リスクをコントロールするという発想もあるのではないか。

  • オペレーショナル・リスクについて、当該リスクを削減することと強く言っているのではなく、当該リスクをコントロールして、コントロールできないものについては、次のステップとして削減することになると考える。

  • バーゼル II の告示については、これまで何度も手直しをしており、今後も改訂されることもありえる。告示の内容と検査マニュアルにおける標準的手法・内部格付手法の検証項目リストの内容がダブルスタンダードにならないようにすべきである。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
検査局総務課調査室
(内線2517)

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