第4回 開示制度ワーキング・グループ 議事録

1.日時:

平成23年1月19日(水曜日)10時00分~11時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館12階 金融庁共用第二特別会議室

○黒沼座長

まだお見えになっていない委員がいらっしゃいますけれども、すぐに来られると思います。時間になりましたので、ただいまから開示制度ワーキング・グループの第4回目の会合を開催いたします。

皆様、本日はご多用のところをご参集いただきましてありがとうございます。

なお、本日の当ワーキング・グループの議事につきましても、公開とさせていただきたいと存じます。

また、会議での配付資料、会議の議事録につきましても、原則公開とさせていただきたいと存じます。

それでは、早速議事に入らせていただきます。

第2回・第3回開示制度ワーキング・グループでは、新株予約権無償割当てによる増資(いわゆる「ライツ・オファリング」)に係る制度整備についてご議論いただきました。これらの議論を受け、本日は、このライツ・オファリングに係る制度整備につきまして、本ワーキング・グループとしての報告の取りまとめに向けたご議論をいただき、取りまとめさせていただいた上で、東金融担当副大臣に報告書として手交させていただきたいと存じます。

それでは、ライツ・オファリングに係る制度整備につきまして、本ワーキング・グループとしての報告の取りまとめに向けた議論をいただきたいと存じます。これまでの議論を踏まえて、事務局の方で当ワーキング・グループとしての考え方を報告案に取りまとめまして、事前に皆様にお送りさせていただいていると思います。この報告案についてご意見等を頂戴したいと存じます。

報告案のポイントにつきまして事務局からご説明いたします。

○古澤企業開示課長

お手元の開示制度WG4-1という資料ですが、前回12月17日のワーキング・グループで、ライツ・オファリングの基本認識と論点について資料を提出いたしました。それに前回いただいた議論を加えて整理したものです。ポイントだけご紹介いたします。

まず1ページ目、下から3番目のパラグラフで、先月24日に公表した金融庁のアクションプランにおいて、「機動的な資金供給等」の実現を促進するための施策として、「ライツ・オファリングが円滑に行われるための開示制度等の整備」を掲げたことに触れております。

2ページ目では、目論見書の意義、それからライツ・オファリングの場面におけるその取り扱いについて、問題意識を整理しております。

そして、3ページ目の「この点について」以下で、3つのことを言っております。1つが、「この点について」というところでございます。ライツ・オファリングにおいては、「強い誘引が行われる場面でも、株主が新株予約権の行使を急ぐような圧力が生じる可能性は、一般の募集と比べて高くないとの考え方がある」と、こういった考え方もあるのではないかというところがまず1つです。

それから、2つ目でございますけれども、「ライツ・オファリングでは、割当ての対象が株主であり、発行者に関する情報を有していることが多い」というところ、これが2点目でございます。ご案内のとおり、金商法とは別に、会社法の制度に基づく通知も並行してあるところでございます。

それから、3点目ということで、「更に、新株予約権が金融商品取引所に上場される場合には、株主は新株予約権を行使せずに市場価格で売却を行うことが可能となる」としております。

この3つのポイントをこの中で整理した上で、3ページ目の下から2番目のパラグラフで、「ライツ・オファリングについて目論見書の交付方法の弾力化を行うことが適当である。具体的には、(イ)新株予約権が金融商品取引所に上場されるライツ・オファリングの場合において、(ロ)有価証券届出書を提出し(その結果、電子開示システム(EDINET)に掲載され)、(ハ)EDINETのウェブページのアドレス等の情報を有価証券届出書等の提出後遅滞なく(遅くとも新株予約権の割当てが行われるまでに)日刊紙に掲載することにより、目論見書の交付を不要とすることが適当である」としております。

同時に、情報の提供についての補足ということで、その次のパラグラフが入ってまいります。「上記のとおり目論見書の交付方法の弾力化を認めるとしても、我が国においてライツ・オファリングは馴染みが薄いことから、発行者や市場関係者がライツ・オファリングについて周知を図るための実務的対応を行っていくことが、投資者保護の観点からは重要と考えられる。このため、金融商品取引所における適時開示制度に基づく発行者の情報開示を充実させるとともに、下記(2)のコミットメントを行う証券会社などの市場関係者において、ライツ・オファリングの周知に向けてどのような対応が可能であるかについて、具体的な検討が進められることが期待される」としております。

こういう全体のパッケージで今回の報告書を整理しております。これが1つ目の論点であります。

それから、2つ目の「有価証券の引受け」の範囲の見直しにつきましては、4ページ目の下から2番目のパラグラフになりますけれども、「コミットメントを行う証券会社の行為に着目すると、発行される新株予約権のうち既存株主を含む投資者が行使をしない分について、その取得及び行使を証券会社が予め約束することとなるため、「残額引受け」を行うことと行為態様やリスク負担の点で類似性を有すると考えられる」と整理しております。

それから、5ページ目でございます。これも前回ご議論いただきました「新株予約権の行使を働きかける行為」に対する規律の部分です。最初のパラグラフは、前述のとおり、「周知のための実務的対応をとることが期待される」ということ。それから、その点につきましては、「コミットメントを行う証券会社に対して、「新株予約権の行使を働きかける行為」に際し、虚偽の表示を行うことの禁止などの規制を課すことにより、かかる行為の適正化を図っていくことが適当である」ということで、行為規制をここのところで整理しているものであります。

あとは残された課題として、市場関係者と開示などの実務面を調整しながら今後検討していく課題を挙げております。1つが公開買付規制・大量保有報告規制、それから、8ページ目でございますけれども、最後、ご議論いただきました外国の証券規制への対応も、引き続きの検討課題にあげております。

以上、ライツ・オファリングについての制度整備ということでございます。

細かい点ですが、1点だけ補足させていただきますと、今後は法改正ということになってまいります。そこでは、今回ここで整理いただいたライツ・オファリング、それから前回報告書をいただいた英文開示、それから細かい点で恐縮ですが、前々回の第2回の資料の中で、発行登録制度に関する論点としてあげた、発行登録書に発行条件の公表方法などを記載し、その方法で発行条件を公表する場合には、発行登録追補目論見書の交付を不要とするという制度がございます。この点につきましても今回のライツ・オファリング、それから英文開示と併せまして法改正を準備しております。

以上、簡単ではございますが、これまでの議論と報告書のご紹介をいたしました。

○黒沼座長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの報告案につきまして、ご意見等を頂戴したいと思います。大崎委員。

○大崎委員

ありがとうございます。大変短い時間の間に、機動的なライツ・オファリングの実施へ向けた現実的な施策の提案と同時に、投資者保護を確保するための措置についての具体的な内容がまとめられたのではないかと思っておりまして、私は基本的にこの報告案の文書についてはこれでよろしいのではないかと感じます。3点だけ、今後の対応について意見を申し上げたいと思います。

第1点は、この報告案の4ページ、先ほど課長からもご指摘のあった部分ですが、証券会社などの市場関係者における周知に向けての対応とか、取引所の適時開示というところです。ここはもう全くここに書いてあるとおりで、こういうことをしっかりとやるのが重要だと思いますが、同時に、あまりに堅苦しい画一的なルールにしてしまうと、せっかくの機動的にという趣旨が没却されてしまうというリスクもございますので、もちろん取引所でやるのか協会でやるのかとかいろいろあると思いますが、できるだけ絶対に守らなければいけないルールという形ではなくて、ベストプラクティスを示して、こんな形が望ましいのではないかといった対応にするようなことが必要であると思います。

それから2番目に、私は今日大変たくさんの傍聴者の方がおられるということに非常に強い印象を受けまして、そんなことを言ってはいけないのですが、開示制度というのは非常にテクニカルで、ごく一部の人が関心を持つようなことかという見方もあるように思うのですが、この傍聴者の数というのは、一つはライツ・オファリングという問題に対する社会的な関心と期待の大きさというのを示しているのではないかと思うのです。新聞の一面に大きくこういう話題が取り上げられたといったことも影響しているかもしれないと思います。それだけ期待と関心の高い問題ですので、これは早く実施するということが非常に重要であろうと思っております。昨今の政治情勢等々はもちろん存じ上げてはいるわけで、いろいろ難しい問題もあるとは思うのですけれども、極力早く、この新制度に基づいたライツ・オファリングの事例が一つでも二つでも出てくるような方向へ向けて努力していただければと思うわけです。ご承知のとおり、昨年、一昨年の日本の上場会社の増資の金額というのは過去最高水準です。増資による資金調達ニーズというのは引き続き高いものと考えられますので、ぜひ早目にこの報告の内容を実行していただきたいと思います。

3番目に、最後でございますが、ライツ・オファリングが機動的にできるようになって、企業の資金調達の選択肢がふえるということは、私は大変良いことだと思うんです。ただ、一方でやや懸念しておりますのは、資金の調達方法にいわば善悪、優劣みたいなものがあって、ライツ・オファリングが一番優れていて、次が公募で、その次が第三者割当てだ、みたいな序列があるかのような印象を一部の人が持っているのではないかということを懸念しております。昨今、ご存じのとおり、公募増資に絡んだインサイダー取引があったのではないかとか、価格が大きく下げられたのではないかとか、いろいろな話があったこともあって、ライツ・オファリングこそがいわば理想の資金調達方法であるかのように言う方も一部おられます。しかし、これは私は正直言って間違った考え方だと思っておりまして、今回のワーキング・グループの議論の中でも、ライツ・オファリングにもいろいろ、いわば落とし穴というか、注意すべき点があるということはいろいろと出ていたわけですけれども、そういうこともあるんだということをよく周知していくということは非常に重要だと思っております。その辺は恐らく証券会社あるいは発行会社が努力していくということになるのだと思いますが、関係者のご努力をぜひお願いしたいと思います。

以上3点でございます。

○黒沼座長

ありがとうございました。

阿部委員。

○阿部委員

非常にすっきりとしたスキームになっておりまして、特に発行会社については、非常に使いやすくなっていると思います。そういう意味で、全体に非常に望ましい取りまとめだと思うのですが、2点でございます。

6ページ、残された課題のところでありますが、公開買付規制・大量保有報告規制について、早急に具体的に何らかの議論をするのか、あるいはしばらくこの点には手をつけずにおくのかというところについて、今の金融庁のお考えをお聞かせ願いたい、ということが1点。

それから、最後の外国の証券規制への対応で、「現行法の下における考え方の整理」ということは、これは少なくとも法の改正は必要ないという理解で間違いございませんか。

○黒沼座長

事務局からお願いします。

○古澤企業開示課長

まず1つ目の残された課題の進め方ですが、まず法改正を整備した上で、特にTOB周り、それから大量保有報告周りについて、実務面がどうなるかを事務的に調整したいと思います。その上で、法案の審議状況もにらみながら、また関係者の方にご相談させていただくような機会を作れればと思ってございます。これが1つ目です。

それから、2つ目の外国の証券規制への対応について法改正が必要かどうかですが、まず法改正を考えずに、何ができるかということを探ってみたいというのが当面の作業でございます。ご案内のとおり非常に難しい問題だとは思っていますが、そういう方向をまずは探ろうと考えてございます。

○黒沼座長

よろしいでしょうか。

他に如何でしょうか。平田委員。

○平田委員

今回の報告案、かなり実務にもご配慮いただきまして、使える形でまとめていただいたことについては、非常に感謝させていただきたいと思います。特に4ページのところでご指摘いただきました、証券会社などの市場関係者においてもライツ・オファリングの周知に向けてどのような対応ができるのかということを検討ということで、これは私どもに与えられた宿題だと考えておりますので、前向きに対応させていただきたいと思います。

また併せて、今回のコミットメントというスキームがいわゆる引受業務であるということになりましたので、ここも当然我々のほうで自主規制規則を持っておりますので、その中でどのような形で対応していくべきなのかということも含めまして、今後検討させていただきたいと思っております。

それから、阿部委員のほうからご指摘いただきました公開買付け・大量保有報告のところに関しましては、ぜひとも私どもの方でもいろいろ考えていきたいと思いますので、意見交換をさせていただければと考えております。

また、最後の外国証券規制、ここも非常に難しい問題だと思っておりまして、相当外国人株主が多い会社さんのこのオファリングを取り扱うときに証券会社として何をやらなくてはいけないのかということも十分検討しなくてはいけないと思っておりますので、是非ともそういう意見交換の場を与えていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○黒沼座長

石黒委員、お願いします。

○石黒委員

お取りまとめ、ありがとうございました。目論見書の件につきましては、前回も、従来型の目論見書の請求に基づく交付義務ということを考えた場合に、事務フローがきちんと動かないと、せっかくのものが制度として使われなくなってしまうということが心配されるといった議論がございまして、その後の実務者間のフォローアップの議論にも参加させていただいて、やはり非常に難しいと考えました。そういう中で、前回も私のほうで、必ずしも従来型の目論見書の交付ということにこだわらずに、ソフトロー的なアプローチでやることで情報がきちんと渡るようにしたほうがいいという考え方もあるのではないかと申し上げたところですが、今回そういう形ですっきりとまとめていただいて、大変結構な形になったかと思います。基本的に大きな流れとしても、ハードローとソフトローをうまく使い分けるというのは今後の制度改正でも非常に重要になっていくと思いますので、実務界の責任も重いわけですけれども、逆にマーケットがどんどん変動していく中で、ソフトローの活用により柔軟で迅速な対応ができるような形ということで、今後の色々な制度を考える場合にもこういったアプローチというのは非常に重要な素晴らしい一つの事例をお作りいただいたと考えております。

それから、引受証券会社の件ですけれども、5ページの丸2のところでその規律のことを書いていただいておりますが、コミットメントを行う証券会社については、その予約権の行使をしてもらうインセンティブが生じるということで、これについて虚偽表示等の禁止といった規制をかけるということも、これは当然のことだと思いますし、当然といいますのは、虚偽表示等が許されないことは当然でございますし、その手当てをしていただくという一方で、コミットメントを行う証券会社以外についてまで何か新たな規制をかけることもないということで、過剰な規制にならないようにご配慮いただいており、大変結構だと思います。一般の口座管理機関において不適切な行為があれば、それは誠実義務違反など、今までの規制の中で適切に対応していくということで十分だと思っております。

それから、5ページから6ページにかけて、継続開示書類が提出された場合の取り扱いの見直しで、ライツについては、届出書の効力発生から権利行使までの期間が長いということを特に重視されて、その間についてはもともとの届出書に継続開示書類の提出等の時期が記載されているときには不要とするという形でおまとめいただいております。一つは、この提出等の時期が記載されているときというところでございますけれども、法定継続開示書類でございますので、法定の期限はございますけれども、多分実務的に今後積み重ねていくのかなと思いますが、実際の提出が1日でも予定から遅れると駄目ということになると、なかなか使いにくいと思いますので、柔軟な取り扱いができるように、例えば何月何日ごろ提出を予定している有価証券報告書といった文言を使用するというような形の実務が積み重ねられていくのかなと予測しております。また、この件につきましては、ライツ・オファリングの場合には期間が長いということを特に今回勘案していただいたわけですが、将来的にはライツオファリング以外の場合にも広げて考えることもできる論点かなと思っております。

それから、大量保有報告とTOBにつきましては、今後色々と議論を重ねて作り上げていくということでございますが、既に大量保有報告規制もTOB規制も両方とも極めて複雑な形になっておりますので、出来るだけ分かりやすい規制方法ということを工夫していっていただきたいということと、実際に色々なところに複雑に絡み合いがございますので、規制の仕方については、また具体的なものを作っていくところで私どもとしてもご協力できることがあれば、ぜひお手伝いさせていただきたいと思っております。

最後の外国の証券規制についても、ここまでこの場で踏み込んでいただいたということで、大変ありがたいと思っております。そして、一般論なのですが、今回のワーキング・グループの議論の中でも出て参りましたが、新しい制度を導入しようというときに、どうしても気になりますのは、また当然気にしなくてはいけないのは、新しい制度の裏をかくといいますか、濫用するというか、悪用するというか、そういう向きがどうしてもあって、変な形に使われることがあってはならないということに当然留意するべきではあるとは思います。ただ、悪いことを考える人は悪いことを考えるのが商売で、なかなかいいことを考えている人はそこまで悪いことを思いつかないようなところがあって、濫用防止に過度に腐心して、本来いい制度をやろうとしているところが、悪いことを排除するための材料を植え込むことにあまり過剰に注意を向けることになると、本来導入しようとしているよい制度が不必要に複雑なものになったりとか、分かりにくいものになったりとかして、制度の趣旨が十分に実現しなくなるということもあろうかと思いますので、今後の大きな流れとしては、良い制度、今後の将来に向けた制度を入れるときには、本来の目的を真正面から実現するような制度の枠組みを導入しつつ、不適切な行為についてはむしろ既に存在する金商法の一般条項で柔軟に対応していくという形の方向性が今後非常に重要になってくるのではないかと思っております。

以上、感想を交えて申し上げました。ありがとうございます。

○黒沼座長

ありがとうございます。

石原委員。

○石原委員

私も、今回取りまとめていただいた内容に全く異論はございませんので、ぜひこういう方向で進めていただきたいと思います。

先ほど大崎委員からもありましたけれども、発行体としても、ライツ・オファリングが資金調達上の現実的な選択肢になる、早く実際に出来るようになる、ということに非常に大きな期待を持っておりますので、是非早期実施に向けて検討を進めていただきたい。また併せて、先程もご指摘がありましたとおり、実務、プラクティスの確立が必要不可欠と思いますので、この点についても証券会社の皆さんを中心に是非早く議論していただいて、様々な実務が発生すると思いますので、その点を固めていただきたいと思います。

その上で、今、石黒先生からもありましたように、今後良い事例を積み重ねていくことで定着させていくことが大事であり、そうなることを期待しております。

以上です。

○黒沼座長

ありがとうございます。

松崎委員。

○松崎委員

私も最後の感想みたいなものなのですけれども、内容については、法制度上も、実務への配慮という面でも、非常にバランスのとれた取りまとめになっているのではないかなと思っておりまして、事務局の方々のご努力に感謝を申し上げたいと思っております。

それで、お願いとしては、今も大崎さん、それから石原さんからもお話がありましたように、企業に資金を供給していく、あるいは企業からすると資金を調達していくということは、企業を成長させていく上での非常に重要なファクターということでもありますし、成長戦略の中でこの金融分野がこのような形で位置づけられていくというのは、金融の面からそれをサポートしていくという意味合いだと理解しております。そういう意味では、早期実施ということを私どもからも非常に強くお願いしたいと思っております。金融庁の皆様方は大変お忙しいことは十分承知しているのでございますが、大変だと思いますけれども、私どもも検討の必要なことはできるだけ早くやるつもりでおりますので、ぜひよろしくお願いしたいということであります。よろしくお願いします。

○黒沼座長

ありがとうございました。

他に如何でしょうか。吉井委員。

○吉井委員

この度は非常に実務に制度が上手く合うようにご配慮いただいた報告書をまとめていただきまして、ありがとうございました。

ただ、1点ちょっと確認させていただきたいのですけれども、新株予約権の数量を減らすインセンティブを減少させようということから言うと、需要予測というか、大株主がどれぐらい行使するかとか、その辺のプレヒアリングというのが成否を決める上で重要になってくるかと思うのです。その点については、もうまかりならぬということなのか、それとも今後、公開買付・大量保有報告規制が検討されるのと併せて、その辺をインサイダー取引規制違反にならないように防止する措置を踏まえながらご検討いただく予定があるのか、その辺についてお教えいただければありがたいのですけれども。

○黒沼座長

事務局からご回答をお願いできますか。

○古澤企業開示課長

今回、当局としての考え方をこのように整理した上、今委員からご指摘のあった点について、ソフトローの領域の中で、何ができて、何ができないかから検討すべきかと思っております。ただ、その検討状況について、我々も聞かせていただいた上、問題があれば、基本的には実務が上手く回るようにという方向で進めて参りたいと思います。

○黒沼座長

他に如何でしょうか。では、三浦委員。

○三浦委員

私からも感想めいた話になるのですけれども、取りまとめ、本当にありがとうございました。目論見書の交付などの事務負担の軽減であったり、投資家保護への配慮等で、証券会社としても積極的に取り組んで、是非ライツ・オファリングの良い事例の積み上げに貢献させていただければと思っておりますし、その制度素地に対して、出来ていくという強い期待を持てるかなと思っております。それで、このことによって発行体の皆様の資金調達の選択肢が増えていくということは、素晴らしいことなのではないかと思っております。

2点ばかり、外国証券規制に対する対応というのは、これはまさに制度が上手く回っていくかどうかというところについては、大きな今後の議論のポイントになっていくのではないかと思っておりますので、解釈の対応、もしくはそれが出来ないということであれば、法改正等も含めて、対応について今後、関係者での議論を深めていく必要があるのではないかなと思っております。

前回の議論の時に申し上げたので、詳細は省きますけれども、届出書の虚偽表示に関する引受証券会社としての責任ということについては、必ずしも論理必然の結論ではないと思っておりまして、議論のあり得べきところなのかとは思っております。

以上でございます。

○黒沼座長

上柳委員、お願いします。

○上柳委員

私も感想と、それからお願いといいますか、くれぐれもよろしくということを2点申し上げたいと思います。

いずれにしても、ライツ・オファリングについては、先程来お話がありますように、良い事例が積み重なっていくということを本当に期待いたします。変に使われますと、今も問題になっています第三者増資の悪い例とかにつながったり、あるいはいわゆる新株予約権の取得の時点と、それからそれを権利行使して株主なりあるいはそれを取得された方がお金を払う時期とがずれますので、そのタイムギャップが、よい面もあるわけですけれども、逆に問題を起こす面もあるのではないかと恐れております。そういう点から言うと、今回、目論見書を一定の場合には交付しなくてよいと、他の方法で、あるいはインターネットで開示されているからという工夫をしたわけです。けれども、今まで、証券取引法あるいは金融商品取引法の現行ですと15条の2項でしょうか、一定の場合に目論見書を交付しなくてよいとしながらも、だけれども投資家あるいは株主の方がどうしても欲しいと言った場合にはペーパーで交付するといった法制に一応なっていたわけです。それと今回の会社法なりあるいは電子開示がされているという場合とは少し違うのですけれども、目論見書を交付しなくてよいということを一定の場合に認めたというところは、大変にある意味では画期的、ある意味では問題をはらむかもしれないと思っております。そういう意味で、今回のペーパーにもあるわけですけれども、2点です。

1つは、5ページのところに、コミットメント、引受けをされる証券会社については、「虚偽の表示を行うことの禁止などの規制を課すことにより」と書いておりますけれども、ここのところはくれぐれもきちんとしていただいて、かつその履行確保を当局に図っていただきたいなと思います。この引受証券会社の責任が原理的に出てくるのか、あるいは政策的なのかという点については、議論があるのかもわかりませんけれども、私からすれば、目論見書の重大性を考えれば、論理必然的に、ここのところをきちんとすべきだということになると思います。

もう1点は、ペーパーで言いますと4ページの上ですけれども、このライツ・オファリングの仕組みについて、発行会社あるいはコミットメントをする証券会社が、株主なりあるいは新株予約権の転得者というのですか、譲渡を受ける方に対して、その中身について周知をきちんとすべきだと指摘しております。この周知というのは、もちろん良い面だけではなくて、リスクも含めて、バランスよく株主あるいは潜在的な投資家の人達に分かるように、これは一義的には発行会社なりあるいは証券会社の責務ですけれども、それを監督あるいは援助される証券業協会あるいは取引所に十分な措置をしていただきたいと思います。といいますか、そのあたりの規制当局の十分な監視あるいは協会や取引所の措置があってはじめて目論見書の一部不交付ということが許容されると認識しております。

以上です。

○黒沼座長

ありがとうございました。

他によろしいでしょうか。川本委員。

○川本委員

今般、ライツ・オファリングの制度が整備されまして、上場会社にとりましても資金調達手段の多様化が図られ、また株主・投資家にとりましても新たな投資・運用の場が提供されることは大変望ましく、今回の報告を受け、迅速な対応が望まれるところでございます。

ただ、本ワーキング・グループでは、いわゆる引受けの責任の所在についてフォーカスが当たり過ぎまして、ライツ・オファリングが抱える様々な問題にまで十分な意見交換が図られたのかどうかというところには若干の懸念があるところでございます。例えば、ライツが発行された場合、当然そのライツは取引所の市場に上場され、一定期間売買されるわけですが、その売買期間におきまして、例えば企業業績が開示されまして、いわゆる親株の株価が変動すると、当然親株と連動いたしましてライツの株価も変動し、形成されていくわけでございます。その価格は、取引所の市場価格ですから、公正で信頼ある価格として評価されるわけでございます。一方、引受証券会社は、取引所市場での売買終了後、発行会社から行使されなかったライツを取得されるわけでございます。その価格というのは、細かな実務のことは今後詰めていくのだと思いますけれども、取引所の最終の市場価格に基づくのか、あるいは予め決めたような値段でいくのか、そのような点につきまして、有利発行の問題が起こらないなど、このような点につきましても証券会社が市場仲介者としてその機能を発揮する上で、実務面での検討が重要ではないかと思っております。

次に、ライツ・オファリングの類型としまして、コミットメント型あるいはノンコミットメント型といった形がございますけれども、いわゆる証券会社が引受審査として関与しない、コミットメント型でないようなライツについても、その発行が容易になるのではないかと思っております。ご承知のとおり、第三者割当てに対する規制が大変強化されている中、ライツ発行制度の整備を奇貨といたしまして、いわゆる箱物企業と言われる問題会社がノンコミットメント型のライツを資金調達のラストリゾートとして利用する懸念も高まってまいろうかと思いますので、そのような点につきましても十分なご配慮が必要ではないかと思っているところでございます。

私からは以上でございます。

○黒沼座長

ありがとうございました。

皆様からご意見やご要望を頂きましたが、それぞれもっともでございまして、報告書が取りまとめられ、それから法改正がされても、それだけでは制度は動かないわけで、関係者のこれからのご討議や、さまざまなソフトローの形成をまたなければならないということだろうと思います。

他にご発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、本日頂きました意見を今後の法制化と実務の執行のために参考にさせていただくことになると思いますが、報告書の内容については異論はなかったのではないかと思います。そこで、本報告案を当ワーキング・グループの報告とさせていただき、東副大臣にお渡ししたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○黒沼座長

それでは、ただいまから東金融担当副大臣に、新株予約権無償割当てによる増資(いわゆる「ライツ・オファリング」)に係る制度整備についての開示制度ワーキング・グループ報告を手交させていただきたいと思います。

(黒沼座長から東金融担当副大臣に報告書を手交)

○黒沼座長

よろしくお願いします。

○東金融担当副大臣

どうもありがとうございます。

○黒沼座長

ここで副大臣からご挨拶を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○東金融担当副大臣

一言ご挨拶を申し上げます。

黒沼座長をはじめ、各委員の皆様方におかれましては、開示制度ワーキング・グループにおきまして精力的なご審議を頂いたこと、改めて心から御礼申し上げます。

当ワーキング・グループにおきましては、既に昨年12月17日、英文開示の範囲拡大についてのご報告を頂き、そして本日、このライツ・オファリングの制度についてのご報告を頂きました。既にご案内のとおり、去る12月24日、金融庁のアクションプランにも取り込ませていただき、更にまた公表させていただいているところでございます。今回のこのライツ・オファリングに関しては、言うまでもなく、その公募増資、そしてまた第三者増資に並ぶ、まさに増資の一つの手段として、先ほど来お話がありますとおり、この新たな手段が円滑かつ適切に運用されることが必要だと思っております。先に報告を受けました英文開示の制度と併せて、今回頂きましたご報告も、来るべき通常国会において金商法の改正において所要の措置を盛り込んだ形でできるだけ早くこれが成立することを、全力を賭して闘い抜くというか、全力を賭して頑張っていきたいと思っているところでございます。

今後とも、黒沼座長をはじめ、委員の皆様方には、この開示制度に係る諸問題はまだ幾つか取り残されていると思いますけれども、今後ともご支援を賜りますよう心からお願いいたしまして、簡単ではございますが、ご挨拶に代えさせていただきます。本日は本当にありがとうございます。

○黒沼座長

ありがとうございました。

それでは、カメラの方、恐縮ですけれども、ご退室ください。

(カメラ退室)

○黒沼座長

どうもありがとうございました。

最後に、事務局から何かございますでしょうか。

○古澤企業開示課長

今、副大臣の挨拶にもございましたように、次期通常国会に関連の改正法案を一括して提出し、今回頂いた提言の実現に努力して参りたいと思います。

また、座長からもお話があったソフトローの形成についても、金融庁として積極的に参画してまいりますので、引き続きご指導をよろしくお願いいたします。

短い期間にもかかわらず4回もご参集いただきまして、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

○黒沼座長

よろしいでしょうか。

それでは、今日はかなり早く終わることになりましたけれども、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(以上)

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課
(内線3671、3814)

サイトマップ

金融庁についてページ一覧を開きます
大臣・副大臣・政務官
金融庁について
所管の法人
予算・決算
採用情報
お知らせ・広報ページ一覧を開きます
報道発表資料
記者会見
講演等
月刊広報誌アクセスFSA
パンフレット
談話等
白書・年次報告
アクセス数の多いページ
更新履歴
車座ふるさとトーク
新着情報メール配信サービス
金融庁twitter新しいウィンドウで開きます
政策・審議会等ページ一覧を開きます
全庁を挙げた取り組み
金融制度等
金融研究センター新しいウィンドウで開きます
取引所関連
企業開示関連
国際関係
銀行等預金取扱金融機関関係
証券会社関係
保険会社関係
金融会社関係
法令関係
その他
法令・指針等ページ一覧を開きます
法令等
金融関連法等の英訳
金融検査マニュアル関係
監督指針・事務ガイドライン
Q&A
金融上の行政処分について
公表物ページ一覧を開きます
審議会・研究会等
委託調査・研究等
政策評価
白書・年次報告
金融機関情報ページ一覧を開きます
全金融機関共通
銀行等預金取扱機関
保険会社関連
金融会社関連
店頭デリバティブ取引規制関連
日本版スチュワードシップ・コード関連
国際関係ページ一覧を開きます
国際関係事務の基本的な方針等
グローバル金融連携センター(GLOPAC)
職員による英文講演新しいウィンドウで開きます
職員が務めた国際会議議長等
日本にある金融関係国際機関
金融安定理事会(FSB)
バーゼル銀行監督委員会(BCBS)
証券監督者国際機構(IOSCO)
保険監督者国際機構(IAIS)
その他

ページの先頭に戻る