第4回 開示制度ワーキング・グループ 議事要旨

1.日時:

平成23年1月19日(水曜日)10時00分~11時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館12階 金融庁共用第二特別会議室

3.議題:

ライツ・オファリングに係る制度整備について

4.議事内容:

「金融庁・開示制度ワーキング・グループ報告(案)~新株予約権無償割当てによる増資(いわゆる「ライツ・オファリング」)に係る制度整備について~」について事務局より説明。

その後、上記議題について各委員から意見聴取を行った。

主な意見は以下のとおり。

○ 報告書(案)では、大変短い時間の間に、機動的なライツ・オファリングの実施に向けた現実的な施策の提案と、同時に投資家保護を確保するための措置について具体的な内容がまとめられた。基本的に報告書(案)の文章には賛成。

○ 今後の対応について、以下の3点につき意見を申し上げたい。まず、証券会社など市場会社における周知に向けての対応や、取引所の適時開示等を適切に行っていくことは重要。しかし、あまり堅苦しい画一的なルールにしてしまうと、機動的にライツ・オファリングを行うという本制度の趣旨が没却されるというリスクもある。取引所、協会で行うかは議論の余地があるが、出来るだけ絶対に守らなければならないルールという形ではなく、ベストプラクティスを示して、望ましい形を示す対応が良いのではないか。

○ 次に、本日多くの傍聴者がいらっしゃったことからも、本制度整備に対する社会的な期待や関心は大きいのではないかと感じる。そのため、極力早く新制度の下でライツ・オファリングが行われる方向へ努力をしていただければと思う。昨年、一昨年は日本における増資が過去最高水準となったことからも、ライツ・オファリングへのニーズは高いのではないか。

○ 一方で、やや懸念していることは、この制度整備によって、ライツ・オファリングが資金調達方法として優れている等、資金調達方法に序列があるとの考えが広まること。公募増資に関するインサイダー問題や、株式の価格が下げられたのではないかとの問題との関係で、ライツ・オファリングが一番良いとの意見を持つ方もいる。しかし、ライツ・オファリングにも様々な落とし穴が存在するのだから、ライツ・オファリングについての情報周知を発行会社、証券会社等関係者が行っていくことが重要。

○ 報告書(案)は非常にすっきりしている印象。発行会社にとっても使いやすい制度。

○ 2点伺いたい。まず、その他の課題の箇所において、公開買付規制の改正を検討するとあるが、何らかの議論をしたうえで法改正等を進める予定か。次に、外国の証券規制への対応の箇所では、現行法の下における考え方の整理が図られる、と記載があるが、これは外国の証券規制への対応との関係では法改正が不要という趣旨なのか。

○ 公開買付規制・大量保有報告制度については、法改正を進めたうえで、実務的にどうなるか、事務的調整をしたい。具体的には、法案審議と並行する形で今後議論を進め、協議する機会を設けさせていただければと思う。外国の証券規制への対応については、難しい問題であるが、まずは法改正を行わない対応を考えていきたい。

○ 報告書(案)を実務に配慮してまとめていただき、感謝している。具体的な検討が進められることが期待されるとあり、これは私達に与えられた宿題と受け止めている。

○ コミットメント業務が引受け業務と整理されたことを受け、我々も自主規制によりどのような取組みが望ましいかを考えたい。

○ 公開買付規制・大量保有報告制度については、色々考えていくので今後とも意見交換をさせていただきたい。

○ 外国の証券規制への対応は難しい問題である。外国人株主が多い会社のライツ・オファリングに証券会社としてどう対応するべきかについても、検討していかなければならないので、今後も是非とも意見交換が出来れば幸いである。

○ 目論見書の件については、前回のワーキング・グループにおいて、従来型の目論見書の請求に基づく交付義務を考えた場合、事務フローがきちんとしていないと、せっかく整備したにもかかわらず、制度として使われなくなってしまう懸念があるとの議論があった。また、その後の実務者間の議論に参加させていただいて、従来型の交付義務を課すのは非常に難しいと思った。前回会合でも、必ずしも従来型の目論見書交付義務に拘らずに、ソフトロー的なアプローチにより情報が確実に行き渡ればよいとの考えもあるのではないかと申し上げさせていただいた。今回の報告書はそのような形ですっきりまとめられており、大変結構な形になったと思う。

○ 制度が実際に利用されるためには、ハードローとソフトローを使い分けていくことが重要である。ハードローの部分では良い形でまとまっているので、ソフトローを担う実務界も責任を果たしてゆく必要がある。

○ 本報告書の、ハードローとソフトローの組み合わせモデルは、マーケットの変動にあわせて迅速・柔軟に対応できるような形となっており、このようなアプローチは、今後、新たな制度を作る際にも参考になるような素晴らしい事例であると思う。

○ コミットメントを行う証券会社については、予約権を行使してもらうインセンティブが生じることから、虚偽表示の禁止といった規制をかけるのは自然である。一方で、コミットメントを行う証券会社以外にまで新たな規制をかけておらず、過剰な規制にならないようご配慮いただいている印象。また、一般の口座管理機関が不適切な行為を行った場合は、誠実義務違反等の今までの規制の中で適切に対応していくことは可能であると考える。

○ ライツ・オファリングの場合、届出の効力発生から権利行使までの期間が長いため、今回の報告書では、届出書に継続開示書類などの提出時期を記載することを想定しているが、実際の提出が一日でも予定から遅れると訂正が必要となるとすると、使い勝手が悪いので、提出予定日の記載で柔軟な対応が可能となる実務が積み重なることを期待する。なお、効力発生後の訂正届出書の論点は、ライツ・オファリング以外の場合にも広げられる論点だと考える。

○ TOBや大量保有報告規制は極めて複雑なので、今後議論を重ねて、できるだけ分かりやすい規制方法となるよう工夫していただきたい。また、今後、具体的な規定等の作成にあたっては、是非協力させていただきたい。

○ 外国の証券規制への対応について、今後の課題として踏み込んでいただいたことは大変ありがたい。

○ 新制度導入時には、新制度が悪用・濫用されるような事態が生じないよう留意しなければならないが、このような悪用・濫用事例の排除に過剰に注意を向けすぎると、本来導入しようとしている制度が複雑になったり、制度の趣旨が十分に実現しなくなることもあろうかと思われる。今後の新制度の導入においては、本来の目的を正面から実現するような制度の枠組みを導入しつつ、このような悪用・濫用等不適切な事例には、既にある金商法の一般条項で対応していくという方向性が重要となるのではないか。

○ 今回取りまとめていただいた報告書(案)の内容で全く異論はなく、是非この方向で進めていただきたい。

○ 発行体としても、ライツ・オファリングが資金調達の現実的な選択肢になることに、非常に大きな期待を持っている。是非、早期実施に向けて進めていただきたい。

○ 実務面でのプラクティスについても、証券会社を中心に議論し、細かいところまで固めていただきたい。

○ ライツ・オファリングによる資金調達について、今後良い事例を積み重ねていくことで定着させていくことが大事。

○ 報告書(案)の内容については、法制度上及び実務上の両面において非常にバランスのとれたものとなっている印象。

○ 企業に資金を供給していく、あるいは企業からすれば資金を調達していくということは、企業を成長させていくうえで非常に重要なファクターであり、成長戦略の中で金融分野がこのような形で位置づけられているのは、金融の面からサポートしていくという意味合いであると理解。したがって、早期実施を強くお願いしたい。

○ 新株予約権の数量を減らすインセンティブを減少させようという点からすれば、需要予測といったような、「大株主がどれだけ予約権を行使するか」等についてのプレヒアリングの実施が成否を決めるうえでの重要となるのではないか。この点について、そもそも制度上まかりならないものなのか、それとも今後、公開買付・大量保有規制の検討に併せて、インサイダー取引規制違反にならないような措置を踏まえながら検討いただく予定があるのか、所感如何。

○ ご指摘の点については、今後、ソフトローの領域の中で、何ができて何ができないかというところを検討していく予定。また、ソフトローの検討の中で何か問題があれば、実務が上手くまわることを基本の方向として検討を進めていきたい。

○ 目論見書の交付に係る事務負担の軽減や投資家保護への配慮等、証券会社としても積極的に取り組んで、是非、ライツ・オファリングの良い事例の積み重ねに貢献させていただきたい。

○ 発行体にとっての資金調達の選択肢が増えていくということは、素晴らしいことである。

○ 外国証券規制への対応について、制度が上手くまわっていくかは今後の議論の大きなポイントになっていくのではないかとの感がある。解釈での対応ができなければ、法改正も含めた対応等について関係者で議論を深めていく必要があるのではないか。

○ 届出書の虚偽表示に係る引受証券会社としての責任について、必ずしも論理必然の結論ではないとの感がある。今後、議論があり得べきところではないか。

○ ライツ・オファリングについては、良い事例が積み重なっていくことに期待したい。

○ 第三者割当増資の悪い例や、新株予約権の取得の時点と権利行使した株主等の取得者の支払い時点とのタイムギャップによる問題等が想定されるということや、現行、金商法15条2項において、一定の場合に目論見書を交付しなくてもよいとしながらも、投資家又は株主から請求があった場合にはペーパーで交付することとなっていることなどからすれば、今回、他の方法若しくはインターネットによる開示をしていればよいとの工夫はしているものの、一定の場合には目論見書を交付しなくてもよいとしたことは、ある意味では画期的であり、ある意味では問題をはらんでいるのではないか。

○ 引受証券会社については、虚偽の表示を行うことの禁止等の規制を課すとのことだが、これはきちんとやっていただき、かつ、当局にはその履行を図っていただきたい。

○ 引受証券会社の責任が原理的なものなのか、政策的なものなのかについては、議論があるところかと思うが、目論見書の重大性に鑑みれば、論理必然的にきちんとすべきことではないかとの感がある。

○ ライツ・オファリングの仕組みについて、発行体あるいは引受証券会社は、株主あるいは新株予約権の譲渡を受ける者(あるいはは潜在的な投資家)に対し、その中身についての周知をきちんとすべきとのご指摘だが、良い面だけではなくリスクも含めてバランスよく周知していただきたい。また、この点は、一義的には発行体又は証券会社の責務だと思うが、当局、証券業協会及び取引所等においても十分な措置を講じていただきたい。そのような、規制当局の十分な監視、協会及び取引所の措置があってはじめて目論見書の一部不交付が許容されるとの認識。

○ 上場会社にとっても資金調達手段の多様化が図られ、また一般投資家にとっても新たな投資運用の場が提供されることは、大変望ましいことである。

○ 引受けの責任の所在についてフォーカスした感があり、ライツ・オファリングが抱える様々な問題について、本ワーキング・グループで十分な意見交換が図られたかというと、やや懸念があるところである。

○ 例えば、ライツが発行された場合、親株の株価変動と連動してライツの株価も変動、形成されるが、一方、引受証券会社は、取引所売買終了後、発行会社から行使されなかったライツを取得するが、その価格は取引所の最終の市場価格に基づくのか、あるいはは予め決めた価格によるのか、といったような点等について、有利発行の問題等が起こらないよう、証券会社が市場仲介者としての機能を発揮するうえでの実務面の検討をしていく必要がある。

○ ライツ・オファリングの類型として、コミットメント型とノンコミットメント型があるが、今回の制度整備を受け、証券会社が引受審査として関与しない後者のようなライツについてもその発行が容易になるのではないか。

○ 第三者割当に対する規制が強化されている中、ライツ発行制度の整備を奇貨として、いわゆるハコモノ企業がノンコミットメント型のライツを資金調達のラストリゾートとして利用する懸念が高まるのではないか。そのような点についても、十分な配慮をしていただきたい。

○ それぞれの意見は尤もであり、報告書の取りまとめや法改正がされても、それだけでは制度は動かず、今後の関係者のご討議や、様々なソフトローの形成を待たなくてはならないということではないか。

(以上)

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