第2回公認会計士制度に関する懇談会議事録

1. 日時:平成22年1月20日(水曜日)17時00分〜19時05分

2. 場所:中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

○土本参事官

それでは、定刻になりましたので、第2回公認会計士制度に関する懇談会を開催させて頂きます。

本日は、皆様、ご多忙のところご参集頂きましてありがとうございます。

本日、審議官の岳野にかわりまして、私、土本が代理で議事進行を務めさせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、ただいまより議事を進めさせて頂きたいと思います。申しわけございませんが、ここ以降はカメラによる撮影はご遠慮頂きたいと思います。どうぞご協力よろしくお願いいたします。

本日は、公認会計士・監査審査会、日本公認会計士協会、それから資格指導校・専門学校ということで学校法人立志舎、TAC株式会社、学校法人橋学園の方々にお越し頂いております。本来であればお越し頂いた方々をご紹介すべきところでございますが、時間の関係もございますので、お手元の配席図でご確認頂きたいと存じます。

それでは、初めに配付資料の確認をさせて頂きたいと思います。配付資料一覧をお開け頂ければと思います。

まず、資料1でございます。公認会計士・監査審査会からの資料ということで、資料1−マル1発言要旨、資料1−マル2関連資料です。続きまして資料2、日本公認会計士協会からの資料でございます。資料3−1、学校法人立志舎からの資料でございます。資料3−2はマル1マル2がございまして、マル1が未就職者問題の解決に向けての意見、マル2が未就職者問題の解決のための私見ということでございます。続きまして資料3−3、専門学校東京CPA会計学院からの資料でございます。資料3−4、株式会社東京リーガルマインドからの資料でございます。最後分厚い資料の4、参考資料です。これは前回配付をさせて頂いた資料をご参考ということでお手元に用意をさせて頂きました。資料の不足がございましたら事務局までお申し出頂ければと存じます。

それでは、議事に入りたいと思います。

まず、今回は、最初に公認会計士・監査審査会、それから日本公認会計士協会、3番目に資格指導校・専門学校の方々に順次ご説明を頂きまして、ご説明に基づく質疑応答をして頂きまして、そのあと最後に全体を通じての自由討議という形で進めたいと思います。

では、まず最初に、公認会計士・監査審査会からのご説明をお願いいたします。

○脇田参考人(公認会計士・監査審査会常勤委員)

公認会計士・監査審査会常勤委員の脇田でございます。よろしくお願いいたします。お手元に資料1−マル1というのがございますので、それに沿って述べさせて頂きたいと思っております。

私どもの立場は試験を実際に実施するという立場でして、その範囲でお話をさせて頂きます。この6年間、試験の実施を統括いたしましたその経験に基づきまして述べさせて頂きたいと思います。一昨年、テレビドラマで監査法人が話題となりましたけれども、一般的に公認会計士という職業専門家への認知度は非常に少ない、残念ながら極めて低いと言わざるを得ません。そこで公認会計士という職業に関しまして関心を持って頂き、でき得れば受験に参加してほしいと願うわけでございまして、プロフェッションとして公認会計士が社会的に定着するためには、ぜひともそのことが必要であろうということで平成15年の改正が行われ、その趣旨はおおむね達成されたと私どもは思っております。すなわちその趣旨は受験者増により、広く素質のある多数の人材に受験してもらうことであったというふうに理解しております。

平成7年から平成17年の間にここにございますように1万414名が1万5,322名になっておりまして、受験者数は10年間で5,000名増でございます。ところが平成17年、これは旧試験制度の最後でございますが、受験者数は1万5,322名、これが平成21年の昨年では2万443名と4年間で約5,000名の受験者の増加がございました。そういう意味におきまして非常に多数の人材にこの試験に注目してもらえたと思っております。

さらに、第2番目といたしまして合格者の水準ですが、旧試験の最後の平成17年の合格者数は、1,308名ですが、平成18年は1,372名、平成21年、昨年でございますけれども1,916名でございまして、合格者数は受験者の増加に伴った自然増の合格傾向でございまして、そのことは極めて自然な増加であろうと思っております。しかしながら平成18年は、合格者が平成17年の旧試験に比べて64名しか増加しませんでしたので、「新試験の合格者の増加数は期待はずれだ」という大合唱に私どもは悩まされたわけでございます。この点につきましては私もご説明いたしましたけれども、合格者数急増の圧力となったことは今もって残念に思っております。

以上が新試験に関する私どもの感想でございます。以下、要望事項を申し上げますけれども、まず、2万人を超える試験を行うということは非常に大変なことでございます。現在公認会計士・監査審査会がその実務を担当しておりますけれども、各財務局において、試験会場の確保、試験監督の人員の配置、あるいは最近では新型インフルエンザ対策、あるいは交通、天気、そういったものについて配慮しつつ、いわゆる試験の実施の管理体制ということは非常に大きな問題でございまして、この辺につきまして行政的に考えて頂く必要があります。また事務局におきましても、いわゆる試験の本当の意味での知識を有した専門職員を配置するということは行政機関では無理でございまして、2年ごとの定期異動でこの試験を担当するということで、非常に現職の職員の方々は一生懸命頑張ってくださっておりますけれども、なかなか前任者の業務を引き継ぐというのが精いっぱいでございまして、さらに新しい企画で試験をより効率的なものにするという努力をする余地がなかなかないということについても、体制の整備ということをぜひとも考えて頂きたいと思います。

それから5番目ですが、これは試験委員の委嘱に限界がある。現在102名の試験委員で試験をいたしておりまして、資料の4ページ(資料1−マル2参照)をお開け頂きますとわかりますように各界の有力大学教授及び有力な公認会計士の方々に3年間お引き受け頂いております。ここで名簿を見て頂きますと横に○印がついておりますけれども、この○印のついております方々は公認会計士であり、かつ大学教授という方々でございます。いずれにしましても問題点は、まず大学における管理体制が強化されまして休講が許されないわけでございます。したがって補講が義務化されている。それから学外活動を制約する、制限されるといったようなことがございまして、先生方に集まって頂いて、あるいは監査法人のご都合もありまして、なかなか試験委員の会合を開くことも難しいというようなこともございます。さらに3番目に挙げましたように試験委員の適格者を確保することがなかなか難しいわけでございまして、大学教授も学者としては非常に有能な方でいらっしゃっても、公認会計士の試験委員には向かないという方もかなりたくさんいらっしゃいますし、最近は激しく諸基準の改正が行われますので、最新の実務を十分に習得された経験のある公認会計士の方々を得ることもなかなか難しい、また産業界の方々にも最新の実務を反映して試験委員になって頂きたいと思うのでありますけれども、しかしこれもかつて経理部長の方々にもなって頂いておりましたけれども、なかなかご多忙で出られない、そういったようなことで試験委員についても現在の方式のまま試験を実施するにおいてはかなり難しい問題がございます。

それから6番目として、短答式試験が年2回化されたばかりでございますけれども、去る1月18日に第 I 回の合格発表を行っておりますけれども、試験問題の内容の水準の均質化を図る、つまり第 I 回、第 II 回を同じようにしていくということがなかなか難しいことでございまして、教育工学等の支援を受けつつ、試験委員に工夫をして頂いておりますけれども、例えば財務会計論ですと100題つくらなければいけないとなると体力的に限界でございます。また合格者数の見通しが非常に困難でございまして、第 I 回試験の合格者数、第 II 回の試験の合格者を合わせて論文式試験にまいりますので、そういった点において合理的にどのくらいの数が合格するのだろうかという見通しを審査会としても立てるのに非常に困難で、現行の二回の短答式試験の実施方式についても見直しが必要と思います。

それから7番目でございますけれども、これは現行制度における教授・准教授及び博士号による受験免除の仕組みが一般受験者との間に不公平を招くおそれがあるということでございます。受験免除をする現行の仕組みの不合理性ということがございます。これは現在の公認会計士法を改正しないと是正ができません。ぜひとも一般受験者の苦労を無にしないように、不公平、不平等な扱いとならないようにお考え頂きたい。

2枚目ですが、以下は私見を申し上げますけれども、第1は、公認会計士試験は、監査証明業務を業務として独占的に執行できる資格を国家が付与する資格試験であるということでございまして、これらは医師、弁護士、税理士、薬剤師等々同じでございまして、特に公認会計士の場合には独立性の堅持ということが強く要求され、日本公認会計士協会、そして私どもの審査会が品質管理についてレビューをすることによって、監査証明業務の質を確保しているわけでございますので、その点で資格試験であることにおける特質を見失ってはならないと思います。

他方、私も長い間いろいろな企業の方々とおつきあいをさせて頂いておりますけれども、我が国の企業内の経理の方々の会計実務能力が極めて高いということは十分認識しております。したがいまして、この優秀な技能を認定する権威ある高度技能認定制度を産業界自らが設けるということがあってもよろしいのではないかと考えております。そうすれば優秀な方々の会社内での権威も高まり、またその方々の士気、モラルも高まるのではないかと思っております。

さらに3番目といたしまして、これは就職活動の問題でございますけれども、企業が採用試験の一部として、特に経理に従事するに適した人材を選抜する選考を行うこととしてはどうかというふうに思っております。理工系技術専攻者に関しましてはそのような採用をしていまして、会計に関しましても会計系技術者として企業が採用をされてはどうなのだろうかと思います。そうすれば有力会社への就職活動、就活におきまして会計学の知識が大いに評価されることになれば、会計士試験を受けるか、あるいは有力会社の社内経理担当者としてその能力を発揮する、そういった人生もあるという選択があり、このことは逆に言えば大学におけるカリキュラムの充実の契機となると思っております。

4番目は、公認会計士の資格は、よりグローバルな視点から、国際的な相互承認も視野にいれて設計し直されてしかるべきではないかと思っております。ご存じのように私自身、平成14年の監査基準の改訂のときは国際監査基準や当時の米国監査基準にも配慮しつつ日本監査基準を作ってまいりました。そういう目配りをしたと思いますし、現在ここにいらっしゃる友杉部会長もおそらくそのような目配りをなさっておられると思います。現在の日本公認会計士協会・監査基準委員会報告書も国際監査基準の動向に敏感に反応しつつ作成されております。また四大監査事務所のネットワークに参加している我が国監査法人の監査業務は、ネットワーク内の品質管理により国境を越えて質の管理がなされております。監査を担う公認会計士の資格についても早晩、相互承認が検討されることになるのではないかと思います。相互承認に耐えうるに十分な資格試験として構築されるべきと思います。

最後に5番目でございますけれども、試験科目自体の見直しを行ってはどうかということでございます。お配りしております資料の7ページ以下に、現在の公認会計士試験の出題範囲が載っております。これは公表されておりまして受験者はこれによって受験の準備をしているわけでございますけれども、その中にこの短答式試験はあくまでも論文式試験を受験するために必要な知識を体系的に理解しているか否かという位置づけになっております。つまり短答式試験は、そういう基礎的な知識というものを体系的に理解しているか、それをマークシート方式によって現在問うているわけでございますけれども、でき得るならば私は現在その論文式試験の選択科目になっております例えば経済学、あるいは経営学といったような科目は、むしろその試験を受けるための基礎教養試験という形で、短答式試験の性格づけあるいは位置づけをかえて、経済学や経営学、基礎会計学や会社法といったものが問われ、さらにでき得れば英語、数学といったような科目もそこで問われてもよろしいのではないかというふうに考えております。

以上、時間的な制約がございますので私どもの考えたところと、多くは私の常勤委員としての意見として申し述べさせて頂きました。以上でございます。

○土本参事官

ありがとうございました。それでは、ただいまの公認会計士・監査審査会からのご説明に対するご質問あるいはご意見ございましたらご発言をお願いいたします。

○大崎委員

一つおうかがいしたいのですが、短答式試験の問題の設定が難しいというお話がございまして、2回やると論文で最終何人ぐらい合格するのか等の関係でなかなか難しいというお話があったのですが、ちょっと理想論かもしれませんが、一種の絶対評価と申しますか、ある水準に達した人は最終的に何人合格させるかというのをあまり考えずに、全部合格させてしまうというようなことですと、何か大きな支障が生じるというふうにお考えでしょうか。

○脇田参考人

非常に現実的な問題ですけれども、論文式試験の採点が不可能になります。これは極めて現実的な問題でございまして、今こちらで申し上げましたが、1万414名が平成7年に受験をしております。このときは短答式試験がありませんでして、私はこのときちょうど試験委員でございました。そうすると1万枚採点するのが地獄だったことを今でも覚えております。その結果、短答式試験が導入されたということでございますので、ご理解頂きたいと思います。

○大崎委員

いや、私も実務家教員として大学で採点をしたことがございますので、非常に今の説明はよくわかりました。

○土本参事官

それでは、とりあえず現状ご質問、ご意見がないということでありましたら、最後にまた全体討議というところで頂いても結構でございますので、次のプレゼンテーションに移りたいと思います。

次は、日本公認会計士協会からのご説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○澤田参考人(日本公認会計士協会副会長)

それでは、日本公認会計士協会からの意見ということで資料2をご覧ください。私、副会長の澤田でございます。よろしくお願いいたします。

まず、2ページのところに図がありますが、これは現在の公認会計士制度を取り巻く全体の俯瞰図ということでご利用願えればいいかと思います。

3ページに移らせて頂きます。前回の第1回懇談会の議論を受け、会計プロフェッション育成のあり方に関し、若干ご理解を願うために整理させて頂きました。まず、基本的なスタンスとしましては3つぐらいに分かれるのではないかと。我が国資本市場に対する国際的な信任を確立する視点から、国際的にも通用する会計職業専門家の確保、育成という側面が1つあります。もう一点、特に上場会社等の内部において会計専門実務家として活躍できる方の育成。加えて、上場会社等以外の中小会社さらには公的分野、非営利分野など、広く経済社会の基盤としての会計実務家の育成。この3つぐらいのポイントがあろうかと思います。そしてそれぞれに求められる人物像のタイプに分けてみますと、会計職業専門家、これは公認会計士になろうかと思いますが、ここではやはり監査が中核業務という位置づけになろうかと思っております。それと会計専門実務家、これは企業内等において会計・財務に最終的な責任を負える方というイメージを持っております。さらに日常の経理、財務処理を一定の専門知識をもって適切に処理できる人というレベル感の会計実務家があろうかと思いますが、本懇談会での議論の対象は、我々は上の2つではないかと思っております。特に一番上の会計職業専門家ということになりますと、これはどうしても国際的なレベルの統一感をもって、検討して頂きたいと思っております。

次に4ページに移らさせて頂きます。今の視点を踏まえて、会計プロフェッションに対する社会的なニーズを述べさせて頂きますが、会計職業専門家としてのニーズ、そして企業等における会計専門実務家のニーズという形に分けさせて頂きました。そしてそれぞれの担当の業務ということですが、特に監査法人あるいは公認会計士事務所等におきましては、公認会計士法第2条で定めているところの業務ということになりますし、一般企業内では経理・財務・IR担当者、財務担当役員、あるいは監査役などが期待されているものと思います。そしてそこで求められる能力ということになりますと、会計職業専門家のほうは幅広い会計専門サービスの提供能力を前提とした監査業務の対応能力が強く求められるかと思います。一方、企業等におきましては、会計実務能力が必要だと、ただ監査の実務的な対応能力については、あればあるほうが望ましいけれども必ずしもそこまでは要求されないのではないかというご意見があったように思います。

そして資格取得のための実務要件ですが、これについては会計職業専門家としては会計、監査、それから税務分野等における幅広い実務経験がまず求められる。その上で監査分野における十分な実務経験が求められますが、監査というのは公認会計士の資格独占業務ですので、監査事務所でないとなかなか経験できませんし、監査事務所では短期間に多種多様な企業と接点を持つことになりますのでいろんな実務経験を積むことができるということになります。一方、一般企業等におきましては、先ほど言いましたように監査事務所における実務経験がプラスに作用する、しかしそれがすべてではない。経理・財務分野における実務的な研修や経験を経るべきであるということではないかと思います。ところで監査という業務は非常に複合化した業務ですので、先ほども申しましたように広範な分野における能力をベースとした理解が必要であり、その上で監査実務の経験が必要となります。監査事務所でトレーニングされた人材が有意義に社会的に還元される仕組みをいかに作っていくかというのが大きなテーマではないかと思います。真ん中の矢印に書いてありますように、ここでうまく人材の流動化が図れるかどうかというのが大きな問題ではないかと思っております。

続きまして次のページに移らさせて頂きます。以上ご説明させて頂きましたことを踏まえて、現在、我々会計プロフェッションが置かれている環境についてご理解頂きたいと思います。

まず、監査事務所を巡る環境ですが、我が国における監査証明業務の市場規模は、必ずしも大きなものではありません。それにつきましては次の6ページをあとで参照して頂ければいいと思います。監査法人の業務範囲は公認会計士法第2条に定められておりますが、基本的には監査を中心とした業務となっております。したがいまして、監査法人の雇用創出規模、能力といいますのは、どうしても監査の市場規模に連動することにならざるを得ないということです。現在、監査法人が合理的に採用できる規模を超えた試験合格者が輩出されており、監査法人サイドでは吸収できない状況となっています。監査法人が提供できるサービスは先ほど申しましたように諸外国のアカウンティング・ファームとは異なります。諸外国の場合は非常に幅広い会計サービスの提供を行っておりまして、もしそういう状況に我が国の監査法人も置かれれば雇用創出能力も増す可能性があるのではないかと思っています。間口を広くし、多種多様な人材を吸収し、それらの者が多様な実務経験・実績を蓄積し、企業等に還元されることが、我が国の経済社会の重要なインフラとなると期待されたのが、平成15年の公認会計士法の改正のときの本来の趣旨ではなかったのかと認識しています。

それに対して現在の合格者の就業・人事交流を巡る問題点ですが、企業サイドが求める人材というのは、あくまでも経験豊かな実績を積んだ公認会計士であり、いわゆる公認会計士試験合格者に対してはなかなか求人ニーズが表面化するとは思っております。少なくともここ3年間ぐらいにつきましては、監査法人が合理的に採用できる規模を、ちょっと上回った状況がありまして、実務経験を十分に積ますことができない合格者が出現したと。ここで非常に困ることは、この実務従事要件をクリアできないと最終的に公認会計士登録ができませんので、試験には通ったのだが最終的に公認会計士になれないという人が出現する可能性があることを気にしております。一方、我が国の企業の場合については、それぞれの組織や文化になじんだ企業内のプロパーの方をやはり会計や財務のトップに据えたいという傾向が強いようですので、その辺も若干人材の交流の障害になっている面があろうかと思っております。

次に7ページをご覧ください。以上のことを受けまして、今回の公認会計士制度の見直しに向けての論点ということなのですが、まず、試験制度・資格制度に絞ってみますと、公認会計士試験を受験するときの学歴要件が前回撤廃されましたけれども、受験要件なのか資格取得要件なのかは別としまして、全くこれらに学歴要件が付与されていないというのは国際的には例を見ないところでございます。また公認会計士という資格には、非常に実務の経験が重要であり、業務補助等の期間の伸長が必要なのではないかと。現在は2年になっていますけれども、国際基準では3年でございます。それと先ほど脇田先生のほうからご意見もありましたけれども、やはり公認会計士試験科目の見直しはあるべきではないか。特にマクロ経済学などは経営者と議論するときにはどうしても避けて通れない。この3点につきましては、最低限ここは国際基準ベースを念頭にご議論願いたいと思います。

それとできれば何らかの形でうまく合格者を吸収したいということなのですが、公認会計士・監査法人の業務範囲のあり方について、これはその組織の財務的基盤の問題、もう一点は公認会計士それ自身の国際競争力の観点から、是非検討して頂きたいと思います。ほかに幾つかポイントを並べておりますが、あまり議論を広げ過ぎますと収拾困難となりますので、ここでは我々にとって非常に重要な項目の頭出しだけをさせて頂きました。

続きまして、木下専務のほうから。

○木下参考人(日本公認会計士協会専務理事)

日本公認会計士協会専務理事の木下でございます。今、私どもの澤田副会長のほうから公認会計士制度を取り巻く現状、それから諸課題について説明させて頂きましたが、私ども日本公認会計士協会並びに公認会計士業界としましては、国際的に十分通用する公認会計士、これを国際的な基準に基づき育成すること、このことが我が国の経済社会の健全な発展に寄与するというようなことで確信いたしております。したがいまして、国際的に通用する公認会計士の育成のためにも、この懇談会のご議論を通しまして的確な公認会計士制度を構築されますようによろしくお願いいたします。

以上でございます。ありがとうございました。

○土本参事官

ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対するご質問、あるいはご意見ございましたら、ご発言をお願いいたします。

○小西参考人(学校法人立志舎理事長)

私は学校法人立志舎の小西と申します。今の大学の状況は、もう試験で大学に入るという状況にありませんから、全入時代に入っていますね。数字の上ではあと一、二年といわれていますが、もう実態は全入時代なんです。大学を出たから学力があるというわけではございません。大学へ行けない子、こういう厳しい時代には能力があるものでも大学へ行けない者はいっぱいいるんですね、そういう子たちが開かれた試験制度を受けられるということが大事なんです。大学を出たから学力があるというのは遠い先生方の時代のことなんですね。学士様といわれて村でも町でも優遇された、そういう時代ならわかるのです。今の時代は行きたい者はみんな行けるんですよ。これは大学院でもそうでしょう。大学院へ入った、大学院へ行ったから実力があるというわけではありません。そういう時代になぜ学歴要件を課すのか、合理的根拠がない場合はこれを差別というんですね。大学へ行けない者、貧乏な者は試験を受けられないというのは日本の発展にとってよくないことです。

その点は先生方のような恵まれた家庭で育った者はわからないと思いますが、世の中には大学へ行きたくても行けない、奨学金をもらっても家庭の面倒を見なければいけない者もいるわけです。そういう人たちにも道を開く、これが我々大人の、老人の役割ではないでしょうか。よろしくお願いします。

○土本参事官

石川委員、お願いいたします。

○石川委員

関連して前回頂いた資料の確認をしたいのですが、今会計士協会の副会長、それから専務理事の先生方からご説明を頂いたのですが、今ご意見ありました資格要件なのか受験要件なのか、国際的なスタンダードでどちらの要件なのか。それから前回頂いた資料の53ページでしょうか、私も一度英文でダウンロードして数年前に見たことはあるのですが、最近また改正等の話も聞いていますので、53ページのところで資格取得につながる教育プログラムへの参加要件という表の一番上ですね、「国際教育基準で大学への進学要件またはそれと同等の能力」と、これは卒業ではなくて進学要件ですのでこれは国によって違うのでしょうけれども、学位プログラム当たりでやっているところへの参加ということなのか、それから我が国のように受験を国家試験でやっている場合に、そこはある意味学歴要件としても大学入学要件で受験できるのか、そこら辺は国際教育スタンダードではどうなっているのか、もし検討されていれば教えて頂きたいと思うのです。

○土本参事官

協会のほうでお答えをお願いしていいですか。

○澤田参考人

私のほうから答えさせて頂きます。まず、初めの方のご質問ですけれども、我々は、別に大学を卒業していない人を排除することが目的ではなく、学歴要件を試験制度の中でどう位置づけるかを考えています。つまり、まったく学歴を問わない試験制度、そういう形があることによって国際的に日本の公認会計士のレベルがどう見られるかという観点が必要だと、それが延いては日本の経済社会に悪影響を及ぼす可能性があるということでございます。

次のご質問につきましては、まず専門的な会計のトレーニングに入るためには大学に入学するレベル、だから高校卒業レベルではありません、大学に入るレベル、特定の大学レベルも示された中で、そこの大学に入れるレベルが、要するに専門的な勉強を始めるためにまず必要だという定め方をしています。したがいまして、どのタイミングで大学を卒業していなければならないとか、さらにいいましたら大学院を卒業していなければならないという資格の決め方はしておりません。

我々の主張は、まず公認会計士の受験要件に何がなんでも大学卒業要件をというとらえ方をされるよりも、ある意味では最終的に公認会計士を取得するまでには少なくとも大学の卒業要件ぐらいは課して頂かなければ、多くの国ではマスターベースが標準になってきておりますので、その辺のご配慮をお願いしたいということでございます。

○石川委員

確認をもう一度させて頂きます。日本の場合、公認会計士試験とそれから登録ですか、そこまでの資格取得と、そこのレベルというか、いわゆる試験のレベルと実務補習等のレベルが、要するに学位レベルというか大学レベルの教育を踏まえた水準、そこが重要だと、それは国際的なスタンダードだということで考えればよろしいのでしょうか。

○澤田参考人

基本的にそういうことだと思います。

○石川委員

ありがとうございます。

○島崎委員

学歴要件付与の説明の中で国際的な監査基準というか、相互承認ということを進めていく上でも必要だというお話がありました。例えばアメリカと日本が公認会計士の資格の相互承認をした場合に、先ほど監査法人での採用の規模感というのがビジネスの規模に関係してくるとの説明がありました。海外から大量の公認会計士の資格を持った人が日本の市場に入ってくると、特にアメリカの場合は日本の10倍以上の会計士試験合格者がいるといわれているわけです。相互承認の問題とこのマーケットの問題についてどうお考えなのか、会計士協会としてはどんどん海外と相互承認を進めて、日本のマーケットを開放していくと、こういう趣旨なのか。

それと先ほどのマーケットが限られているから採用する人数は限られるという話と矛盾していないのか、しているのか、私は矛盾しているように思うのですけれども、その辺どういう整理をしたらいいのかなと思いまして質問しました。

○木下参考人

先ほど脇田先生もおっしゃっていました公認会計士の資格の相互承認、これは別に日本公認会計士協会が独自に進めているわけでもないですし、日本公認会計士協会が積極的に進めているわけでもないというようなことは事実でございます。ただ、国際的に諸外国では、例えばインドの勅許会計士がイギリス、オーストラリア、それからカナダ等々で資格の相互承認をしろだとか、もっと具体的にはアメリカとカナダのほうで資格の相互承認の協議をもう始めているという事実があります。しかしながら、日本で資格承認をするかどうかというような議論はまだ全然始められておりませんし、それが直接的にアメリカの公認会計士が日本に入ってきてどうのこうのというような議論は、まだ行われていないということでご理解頂ければと思います。

○土本参事官

では、友杉委員お願いします。

○友杉委員

資料2の4ページのところをちょっと教えて頂きたいのですが、会計職業専門家というのが左側にありまして、右側に会計専門実務家・実務従事者となっています。これは、左側がいわゆる会計処理の専門家、監査会計士といいますか上級会計士みたいな形で、右側のほうは中級会計士というか専門会計士みたいな二元化二重構造の話というふうに理解していいのでしょうかということです。

いわゆる公認会計士の監査のほうは左側でわかるのですけれども、右側の制度をいわゆる監査役のような会計とか財務の知見のあるということをある程度保証する、何かそういう試験制度みたいなものをつくるというようなことが前提になっているのかどうかということを、お聞きしたいのです。

○澤田参考人

今のご質問ですけれども、基本的に職業会計人のほうにつきましては、やはり監査を中核業務として担える会計プロフェッションという認識がございます。本来は監査事務所等がそういう会計の道に進もうという人材をある程度吸収した中で、そこで十分にトレーニングをし、企業等に輩出できる仕組みができれば、これは一番結構だと思うのですけれども。前回の議論の中では、いわゆる監査の対応能力についてはそこまでニーズとしては持っていませんよというレベルの会計専門家の方のイメージも提出されているわけです。だから、初めに述べました求められる人材像というところで、いわゆる監査を中核業務としてクリアしてきた会計職業専門家のレベルの話と、そうではなくて企業実務をきっちり踏まえた中で企業人として最終判断ができる専門的な能力を持った人があると。これについては公認会計士でなければならないのか、あるいは先ほど脇田先生のほうからあったように何か一定のレベル感のようなものがあるかという議論はあろうかと思います。したがいまして、多分別のステータスとして位置づけるという考え方もあるでしょうし、また特定の中間的な資格を設定した二段階方式を考えるという方もおられるでしょうし、それはいろんな考え方が私はあるのだろうなと思っています。したがいまして、ここで会計士協会がこういう形でなければならないという提案は、基本的にはいまだいたしておりません。今回は、ここで議論を進めて頂くに当たって、こういう求められる人材像を明確に区別していただいた上で、議論をお願いしたいというのが提案の趣旨でございます。

○田村座長代理

私のほうからも2点。1点目は個人的意見でありますけれども、合格者のまさに規模、合格者数の件でありますけれども、それこそ経験実績を十分積めない合格者が増加というふうにおっしゃっておられますが、基本的にまさに合格をした人がすべて職に就くべきなのかという基本的な議論とはかなり対立するのだと思いますけれども、だからといって私も明確に適切な水準はこうだという個人的意見はありません。少なくともアメリカのように広げる必要はないだろうとは当然思っておりますが。例えば、例えにもならないかもしれませんけれども、私も国家 I 種の試験を通って財務省に入ったわけですけれども、要はペーパー試験の合格が必ずしもその社会でのトータルの実力につながらない場合も多々あるわけでありまして、国家 I 種の試験の上位のそれこそ一桁の人でも面接で全部落ちる人もいると。ですのである程度広げたほうがよりトータルに優秀な人材が集まってくるだろうという思いはあります。しかし当然仕事からあぶれる人も出てくる一方で、より優秀な人たちの層が厚くなるという面は、私はどんな試験でも必ずあるだろうというふうに思っております。

それから2点目は、論点で書いていらっしゃる公認会計士・監査法人の業務範囲のあり方、随分抑制的に書いていらっしゃいますけれども、ここは三役の中でも事務方でも全く議論していない、私の個人的な意見という前置きをしますが、やはり税理士制度との関係というのはずっとある意味で封印をされていた議論だと思いますけれども、政権が代わったということもあって、民主党議員でも既に野党時代から応援をしてもらっている人もある程度いるわけでありますが、どちらかからですね、まだまだそういう族議員化していない中で今こそ問題提起ができるだろうと、実際に本当に方向性を見つける場合には財務省と一緒にやらなければいけませんので、この場で決めることはできませんけれども、それに中長期的な課題だと思いますが、やはり問題提起自体は今こそすべきだろうと。私は個人的には強い思いを持っておりますので、ぜひ、いずれ部分的にでも皆さんのご意見を聞きながら意見交換をする場を設けさせて頂けたらなというふうに思っております。

○土本参事官

それでは、このあと専門学校の方々のプレゼンテーションがございますので、ここまでの質問は今お手が挙がりました阿部代理委員に限りまして、続きましてプレゼンテーションという形にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○阿部委員

それでは簡単に、4ページの図の真ん中当たりに「促進しない要因」として、企業文化・風土といわれてしまっておるのでありますけれども、このように一括りにされても私ども対応のしようがないので、具体的に仮に文化あるいは風土などがあるとしても、それぞれ各社は千差万別なはずですし、むしろ障害となる事実、例えば採用制度でありますとか、あるいは昇進・異動、そういう意味では「公務員に特有な人事制度」とはっきり書いているのと、どうも企業に対しての見方は違うなということで、私どもなりに努力するつもりなので何が問題なのか、もう少し緻密に指摘を頂きたいということであります。

○澤田参考人

この話は厳密さを欠いているかもしれません。ただ、現状では公認会計士試験に合格して監査事務所に就職するというのが大きな流れとなっています。ある一定のところに就職しながら、基本的には監査法人とか監査事務所となるでしょうが、そこでトレーニングされて試験を受けていくという形にはなっていません。一方、一般企業サイドにおきましては、ラインのトップというのは基本的に自らがトレーニングをして、自らの組織文化を受け継いだ者になってほしいという意識が強いことを我々は常々企業の方からは感じております。したがいまして、例えば監査法人で十分にトレーニングを受けた優秀な人材が企業に入ったとしても、なかなかラインのトップには立てないのではないかと、つまり、ある一定の組織とか戦略室等のスタッフ部門のトップにはなれるとは思うのですが、そのような感覚を我々は抱いていますが。

○阿部委員

反論ありますが。

○土本参事官

申しわけございません、ここで一回切らせて頂きまして、次に専門学校の方のご説明と質疑応答、最後に全体を通しての質疑応答の中で今までのプレゼンテーションについてのご意見、ご質問をお願いしたいと思います。

それでは、続きまして資格指導校・専門学校の方からのプレゼンテーションをよろしくお願いいたします。

○小西参考人

学校法人立志舎の小西と申します。先生方に失礼なお手紙を出しまして申しわけありませんでした、あやまります。ただ、今日本では大学へ行けない人もたくさんいるんですね。そういう人たちで能力のある人というのはいっぱいいるのです。でも、いろんな事情で勉強する機会もない子もいるわけです。その子たちが勉強できるようになったときは、生涯学習ですね、そのときに勉強したいと、できる状態になったというときにも受けられるようなオープンで自由な試験形式というのが日本の国家にあっていいんじゃないかなと思います。国家公務員とか地方公務員はそうですね。ロケットを打ち上げるなら設備が要りますけれども、あるいは医者になるのなら人体解剖もしなければいけない、でも経済学や商学は座学でできる部分も多いですね、すべてとは申しませんが。そういう人たちが一生懸命頑張ってまた新たな道へ出ていくのを助けるのも我々の役割だと思います。

先生方に生意気なことを申して本当に申しわけありませんが、私は頭を下げてでも皆さん方にこれをやって頂きたい。若者にチャンスを与えてください、よろしくお願いします。必ず日本の国はこれから若者の力がたくさん必要になってきます。老人パワーといわれて老人の力が今は重視されておりますけれども、むしろ若い人が活用されないと日本は滅びると思います。そのためにはお金のある人もない人も望みを託せる夢のある社会をつくって頂きたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

すみません、今日は私はこれだけですが、資料4枚目ですね、全国専修学校各種学校総連合会から言付かってまいりました。会長の中込三郎から内閣府金融担当副大臣、座長の大塚耕平様に預かってまいりました。これをお読みください、よろしくお願いいたします。

○土本参事官

続きまして、TAC株式会社からのプレゼンテーションをよろしくお願いいたします。

○福岡参考人(TAC株式会社取締役)

TACの福岡と申します。TACは東証一部に上場している株式会社ですので、先ほどの専門学校の連合会とは立場が違います。資格指導を行う学校と会社の業態はさまざまですので、学校法人様とは別に意見を述べさせて頂きますことをお許しください。

ご説明は資料3−2−マル1を用いて説明させて頂きます。資料3−2のマル1は、私のまとめた意見と後半には受験生のアンケートがつけてあります。前回、第1回目のところで大塚副大臣が論点整理をされまして、まず、この会の目的を明確化すべきだというお話をされました。そこでこの資料の一番最初につけてあるのが目的です。まず、公認会計士試験というのは、以前は簡単にいうと監査法人の就職試験だったと。それに対して平成15年に改正されて企業の会計実務専門家としての役割が期待されたので、いわゆる合格者をふやした。ところが平成20年、21年の合格者を見てみると、残念ながら監査法人に就職できなかった人という、企業に就職するのではなく、未就職者として残ってしまっているのだということです。これをどう整理をつけるのかというのが、この会議の目的だというふうに私は理解して、今日まいりました。

まず最初に、もう一度この試験制度というのをわかって頂くために、資料3−2−マル1の6番目、後ろのほうにアンケートがついているものですから、ちょっとわかりにくいのですが、6ページ目の図表になっているページをご覧頂ければと思います。現在の公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験という二段階の試験を行っています。図で申しますと、前の2つの黒い丸を公認会計士試験と呼んでいます。この試験に合格すると公認会計士試験合格者になります。合格者は3年間のインターン期間に仕事をしながら、実務補習所に通いそして実務経験を積みます。この2つの要件をクリアすると修了考査という公認会計士協会が実施する試験を経て、公認会計士になることができます。まず、この「補習所」という言葉と「実務経験」というキーワードをぜひご記憶ください。

さて、まず初めに、合格者が就職ということをどのように考えているのかということの分析が必要だと思います。そこで来年受験する予定の者を中心にアンケートをしてみました。今のところから2ページあとをご覧ください。1ページと書いてあります。まず、合格後の希望就職先を聞きました。マル1は、合格したら監査法人のみを希望する者で38%おりました。マル2の監査法人を中心に、一般企業等も二次的に検討するとした者は約半数、49%おりました。いわゆる監査法人を中心にと考えている者はマル1マル2を合わせると87%おりますが、一般企業も検討すると申している者はマル2マル3マル4を合計すると62%にも及びました。

では、次に監査法人を中心に、と考えたマル1マル2の87%の人に、どうして監査法人が第一希望なのか、を問いました。それは次の2ページ目をご覧ください。2ページ目では理由は複合的で多岐にわたりました。最も多かったのがマル3で、「監査は独占業務なので資格の価値を活かしたい」という方が30%いらっしゃいました。続いてほぼ同数なのですが、6番目、「補習所に通いにくいから」という声が20%です。また「監査法人以外の就職は会計士としての登録が難しいから」という実務要件の理由が20%いらっしゃったということです。また、ちょっと別の指摘ではございますが、「監査法人以外の活躍の場がよくわからない」とするのはマル1マル2なんですが、11%もいたというのも印象的でした。

そこでさらにもう一つ聞きました。「補習所と実務要件という制約がなければ監査法人以外の就職も検討するか」と、ちょっと突っ込んだ質問を次の3ページ目でしました。この質問にはマル1「積極的に検討する」というが18%、また「業務内容や収入によって検討する」というのが63%と、実に81%の者が「一般企業を検討する」というふうに答えました。

ここからわかることは合格者・受験生はどうしても監査法人でなければ嫌だとこだわっているわけではないということです。条件が整えば一般企業等への活躍の場が広がります。ただ、合格者のこだわりは、せっかく合格したのだから公認会計士と名乗れるようになりたい、という希望があるということです。

そこでこの資料2ページ目、最初に戻って頂きたいと思います。一番上の段の(2)のマル1「合格者が企業へ就職しない理由」が書いてあります。現在の実務要件というのは企業へ行った場合は資本金が5億円以上の会社でないと基本的には認められません。すなわち大企業や上場企業である必要があるわけです。もちろんこういう企業ですと採用時期の問題も出てきます。大学3年生から半年以上かけて就職していますから、そういう問題も出てくる。またベンチャー企業で活躍しようという気持ちになったとしても、自ら公認会計士になるための要件を断念しなければなりません。若者が新たなビジネスを創造することを応援したいですから、実務要件の対象となる会社の規模を大幅に下げて頂きたい、というのが我々の希望です。

それと次の希望は補習所です。東京ですと今この補習所は午後6時からです。遅いクラスは午後7時から補習が始まります。そのためには会社をもっと早く出なければなりません。もちろん都心から会社が離れている場合もあります。そのためにマル2番「企業が合格者の採用に迷う理由」の一番下にゴシックにしてありますが、「通学の便宜は約束できない」という企業が非常に多いという現実です。ですから採用しても行かせられないかもしれないということです。また、現在の補習所は当然でしょうが、監査証明業務を中心とした講義の組み立てになっていますが、今後企業勤務者が増えるならばそのカリキュラムは多様化、いわゆる複数化させなければならず、集合教育をするということは無理です。ですから補習所は大幅に簡素化して継続教育に重点を移すのがよいというふうに私は思います。

これは条件面ですが、今公認会計士試験は、監査法人で働くために必要な基礎的スキルを試していますが、その人物像というのは企業が求めている人物に一致しているのでしょうか。もし一致していないのであれば、そもそも実務経験や補習所へ通いやすくしても企業は採用しないはずです。第1回目の会議で大塚副大臣が言われた「雇用者の思い」を考慮しないと進まないというふうに思います。そこで(3)の「合格者が企業の求めている人物を備えているか?」をご覧ください。

最近の本試験は出題が非常に工夫されており、いわゆる詰め込み教育とか知識偏重では合格できない、思考力や判断力、応用力が試される試験になっています。そして合格者は、会計とか会社法といったビジネス関連の能力が一般の学生に比較して相当に高いと評価をされております。これは我々も人材会社を通じて経験しております。唯一の問題点は、企業が採用する際には人物を重視しますが、公認会計士試験ではすべてがペーパー試験であるため、いわゆるビジネスコミュニケーション能力というのは問われていない。第1回目の会議で田村政務官もいわゆるペーパー試験で絞ることは本当に質を高めることになっているのかと、先ほどもご指摘を頂きましたが、これは非常に鋭い質問ではないかと私は感じております。 以上の考察を踏まえて、結論を4ページ目に書かせて頂いておりますのでご覧ください。

(1)実務経験、まず一般企業で活躍する合格者の実務経験要件を大幅に下げてほしいということです。これを下げれば今の未就職者の人たちも一般企業で活躍する道は広がります。

(2)補習所、一般企業に勤務する合格者にも通えるカリキュラムや日程、いわゆる企業の月次決算等は、監査法人とはまた違う日程で忙しくなりますので、弾力的なカリキュラムということを考えなければいけないし、それを簡素化してほしいということです。

(3)試験制度の見直し、試験制度も見直して頂きたいと書きました。具体的には先ほどもちょっと見ましたが6ページ目をもう一回ご覧ください。一番上に現行試験と書いてありますが、中段には弊社TACの案を書きました。TACは、論文式合格者に対して面接を課して、現在のスキルにプラスして、例えば倫理観、教養、素養、ビジネスコミュニケーション能力のある者を合格させる仕組みにすべきだというふうに考えました。そして現在は公認会計士試験合格者という名前でしかないのですが、この論文式試験で合格した場合には、以前のように会計士補とか会計士とか准会計士という称号を与えるインセンティブも、特に社会人などには効果が高いのではないかなというふうに思っております。

下段は橋学園のアイデアです。橋学園のアイデアは最終合格者を現在より少し絞って、いわゆる監査法人の就職対象者程度に人数を戻す一方で、社会人受験者がより多く受験するように短答式試験に合格したら、いわゆる准会計士という名称を与えてインセンティブを与えようというものであります。以上が私どもの提案です。

最後になりますが、5ページ目をご覧ください。今回、受験資格ということが問われておりますが、私は今回、未就職問題にフォーカスすると、受験資格は直接関係がないのではないかと思います。いわゆる受験資格を設けることが未就職者問題を解決するわけではないからです。また、前回18歳の合格者の話が出ていましたが、1ページ目のところに出してありますが、20歳未満の合格者というのは10人で全体の0.5%、1%未満の数字です。それをもって全体を語るのはちょっと不自然ではないかなと思います。また前回、大塚副大臣から、「30歳から40歳の経験豊かな方にもご活躍頂きたい」というお話がありましたが、その方のうち高卒の方に関しては経験があったとしても受験資格を与えないというのは、いわゆる受験者のダイバーシティという観点から逆行するのではないかなというふうに思っております。

なお、本日は時間の都合上お話ができませんが、公認会計士の相互承認というか国際教育基準に関しまして、2009年12月16日に国際教育基準のフレームワークが発表になりました。その中で各国の教育制度の多様性を認知している文章も見受けられます。また、アメリカの会計学会や米国公認会計士協会からも各国の教育制度の多様性を尊重すべきとの意見も見られました。欧米に単に合わせるのではなく、日本独自の制度を検討することも可能ではないかというふうにも読めました。その資料は私が提案しました資料3−2−マル2の末尾に添付させて頂きましたので、ご覧頂ければと思います。ご清聴ありがとうございました。

○土本参事官

ありがとうございました。それでは、ただいまの資格指導校・専門学校の方々からのご説明に対するご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。

○大崎委員

ありがとうございます。意見を言いながら質問をさせて頂くようなことで発言させて頂ければと思うのですが、私、TACさんの資料の6ページに書かれている具体的なご提案というのを見まして、大変興味深いと思ったのですが、もちろん、いきなりこれをベースに結論を出すというのは適切ではないと思うのですが、これを見ながら考えたことを申し上げて、それに対するご見解をうかがいたいと思います。

このTACさんの案といわれるものをちょっと修正すると、非常に良い内容になるのではないかなと思いました。と申しますのは、どういう問題があるかというのは多々指摘が出ておりますが、一つは監査業務の専門家としての公認会計士の現状と企業側が要求する会計専門家で資格を持っている人との間に一種のギャップがありますので、例えばTAC案の真ん中のところに「会計士補」というふうに書かれておられますけれども、ここで例えば「公認会計士」という資格が得られて、そのあとTAC案では3年間実務補習は簡素化、実務経験は要件緩和となっておりますが、むしろ逆に現行のような実務補習を受けた人に例えば「監査会計士」というような資格を取らせる仕組みにする。その上で例えば監査会計士の登録を受けるためには国際的な調和の観点から大学卒業要件が必要であるということ、しかしそれ以前の資格を取る、あるいは受験をするのに当たっては学歴要件は必要ないというような考え方をすると、座りがいいのかなと、私は思いました。

ついでに申しますと、一番下の橋学園さんの案ですと、先ほど私が脇田先生に質問させて頂いた問題と絡んでくるのですが、短答式の合格者を大幅にふやすと論文式の採点の物理的な問題が生ずるというご指摘があったということを踏まえますと、ちょっと難しい案なのかなという気がいたしました。そこで質問をさせて頂きたいのは、仮に監査業務ということでない、まさに会計知識がある方ということを一種認証する資格としての会計士ということを真ん中に置くという前提で考えた場合にも、実務補習や実務経験の要件を大幅に緩める必要があるとお考えか、あるいはそうであればそこは監査の専門家になるためだから現行のような制度でもしようがないというふうにお考えか、そこについてご意見を頂ければと思っております。

○福岡参考人

監査の専門家に関しましては基本的には監査法人で監査の業務補助を行うということで実務経験を充当されておりますから、それに関しては全く問題がないと思っています。問題は一般企業にいった場合の実務要件だと思うのです。一般企業のほうは例えば中小の会社で経理を手伝って実際にやっていたとしても実務経験にならない、ということが一番の問題点です。それは多分資本金5億円以上という監査とのある程度バランスをとられたのかもしれませんが、実際に実務をやっているという意味では5億円というところに高くおかなくてもよい。若い会計士諸君を一番必要としているのはベンチャー企業や元気な中小企業だったりしますから、そういう人が勇気をもって行けるような仕組みになるといいなと、私はそう思っておりますので、一般企業にいく場合の実務要件の基準を下げるのがよいというふうに考えております。

○太田委員

太田でございます。私どもの実情を少し申し上げたいと思います。既に新制度になって、この新制度の趣旨が相当定着してきていると思うのです。私どもの会社でも既に会計実務を積みながら試験を受けている人間が複数おりまして、また会社としてもそういうことを奨励して、そういう仕組みをつくって後押しをしているという実情がございます。結果的に複数の人間が短答式試験に受かっておりまして、その先にチャレンジしようという状況になっています。こういう人たちのマインドは監査法人に入って監査業務をやろうということではなくて、やはり自分たちのスキルなり知識なり能力を高めてモラルアップをして、会社の中で業務を続けていこうというようなことだと思うのです。それが延いては日本の企業の会計レベルの向上にもつながり、国際的な信用も上がる、あるいは企業が強くなる、こういうことだと思うのです。そういういうことを踏まえますと、今のTACさんのご提案のように真剣に議論する案ではないのかなと思います。

したがいまして、会計士の試験は監査業務をやる、つまり会計事務所に入って監査業務をやるための資格試験であるという後戻りをした議論は、私はちょっともう既に3年もたって広く浸透している、先ほどのアンケートを見ますとそういう結果も出ているというふうに思いますので、それは少し違う方向なのではないかなというふうに思います。意見でございます。

○小山田委員

今、太田委員からもお話がありましたけれども、私もこれまで会社の中で会計専門家に求められてきたものがどんどん変わってきているなと思っています。それは一つにはやはり国際会計基準、IFRSが入ってきて枠組みが大きく変わってくると。加えて国際会計基準はどちらかというとプリンシプルベースということで、要は会計基準を他に適用する、今あるものを適用するということではなく、本質を踏まえた対応をしっかりやっていかないといけないということで、それがグローバルベースに求められているような状況になってくるということであります。やはり社内に、会計のスキルと言いますかそういうことがマネージできる人材をちゃんとつくっていきたいというニーズが、今非常に高まってきているのだろうと思います。

そうした中でやはり我々も戦略財務会計コースというものをつくりまして、今、毎年五、六名ですが、会計専門家を育成するということで採用し、またぜひ公認会計士試験も受けてくださいということでインセンティブをつけながらやっております。その際今の試験制度ですと、やはり監査法人に入って監査業務を行うということがゴールのイメージになっていますので、今いろいろお話があったようにフレキシビリティをもう少し与えていただきたいと思いますし、TACさんの案も一つの参考になるのではないかと思います。一つ試験をクリアしたところで何らかの肩書とかそういうのを与えてインセンティブをつけて、それを目指して会計知識を自らもしっかりと身につけて、それを会社でどうやって役立てていくかと、そういう流れをつくっていきたい。

そういうことができますと、一方で監査法人さんともいろいろ折衝する機会は非常にこれからも増えてくると思います。そういう中でお互い切磋琢磨できる、あるいは場合によっては、人材の流動化も進んでいくというようなことをにらむと、やはり試験制度そのものが、これは試験制度だけを直しても、ということもありますが、そこに一定のフレキシビリティを与えていくということが前提になっていくのではないかと思います。それが今後会計の大きな流れが変わっていく、まさにグローバル化していく、新たな基準がどんどん入ってくるというときには余計求められるような状況になってきているのではないかなと思います。そういった観点からぜひ、この機会でもいろいろと議論が行われることは必要なのではないかと考えております。

○松井委員

そもそも論なんですけれども、公認というものの意味がいったい何なのかというのをつらつら考えますと、いわゆる監査というのは会計士しかできないと法律で決められているから、公認なんでしょう。今議論している会計能力検定というものにあえて公認というものを与える必要はそもそもあるのか、いったいそれにどういう意味があるのかということを少し考えたほうがいいのではないかと思います。

会計士のニーズというのはあくまで民間のニーズです。民間のニーズというのは別にそれが公認だろうが公認でなかろうが必要なものは必要なわけです。一つの例として、社債発行や株式発行において通常、会計士のコンフォートレターというのを入手しますよね。一般的に会計士というのは非常にリスク回避的ですから、こういったサービスには極めて消極的で、証券会社も発行会社もそれで非常に困っているわけです。会計士業界自体がそういった仕事の領域があるにも関わらず、ともすると消極的にしか取り組んでいない一方で、安易に公認の範囲を拡大していくというのは何か論理矛盾というか、虫のいい話だなと、そういうふうに思えてならないのです。だから議論を整理するために監査業務と会計業務のうち公認すべき業務とそうでないものとを整理をして議論しないと混乱するのではないかなと思えてならないのです。冒頭に申し上げたように、そもそも公認とは何なのか、こういうことをやっぱり議論の対象にしていいのではないかなと感じました。さっき大崎さんがご提案された「監査会計士」というのは非常におもしろいと思いますし、方向性は間違っていないと思います。「会計専門士」はこの「監査会計士」と表裏の関係にありますので、最終的には、そういった資格はそもそも必要なのか、とりわけ公認が必要なのか、こういう議論にもつながってくるので、その辺の整理が必要ではないかと考えました。

○土本参事官

それでは、これ以降は資格指導校・専門学校のプレゼンに対する質疑応答のみならず、今日三者の方々のプレゼンがございましたが、全体を通してご意見、ご質問あるいはこの懇談会でそもそも何を議論していくか、どの方向で議論すべきかということも含めまして、幅広い観点から自由にご討議頂ければと思います。

○大崎委員

たびたびすみません、小西理事長に一つおうかがいするのを忘れていたものですから、ぜひ、お考えをお聞かせ頂きたいのですが、理事長が現行試験の自由に受験できるということについて非常に重要な意義を認められておられるのは、大変よく理解できたのでございますが、他方、国際的な資格の整合性という話があるときに、例えば監査業務まではできないのだけれども、一定の社会的認知の受けられる資格というのでは不十分というふうにお考えか、あるいは監査業務を絶対やりたいという人は、もしかしたら社会に出てから何か工夫をして大学に行くなり何なりして学位を取得するのはやむを得ないというふうにお考えか、そこをちょっとお聞かせ頂ければと思います。

○小西参考人

私は何か検定試験みたいなものをつくるとか、そういうものはつくるのならつくってもかまわないけれども、やっぱり一番権威のある試験を大学を出ていなくとも受けられるということが大事である。また大学に入り直すとかですが、それは昔の大学ならいざ知らず、今はそこまでの大学は、先生方が出られた大学しかないと思いますよ。そんないい大学がいっぱいあるわけじゃないし、大学を差別化して序列化するのもよくないと思うし、それよりも合理的根拠として大学というものを持ってこないほうがいいんじゃないかなと。ただ、英語や数学を入れてもいいですよ。司法試験の一次試験で英語がありましたね、受ける者が少なくなっちゃいましたね、会計士も一次試験で数学があって受ける者が少なくなりましたね。英語や数学を入れると生涯学習ということで年取ってからやれないですね、そういう人たちを排除することになりますけれども、それでも必要だというならやっても。私は、難しくてもやっぱり若者に挑戦するチャンスを与えるということがまず一番。それから本当に必要ならば、グローバル化時代に英語が必要だというならいいけれども、ほとんどの会計士は英語はしゃべらないで済むと思いますけれどもね。数学は算数だと思いますよ、微分積分を監査論でやらないと思いますよ、それが必要だというならそれは構いませんけれどもね。

私は先生方がそう言うのだったら別にチャンスを与えて、大学を出た、東大を出た連中と専門学校を出た連中が勝負できるならすればいい。私は専門学校の生徒が学校へ入って勉強し出したら、子どもの時はそういう教育環境がなかったから、だからできなかった。けれどもそういうチャンスがあれば、教育環境に持ってくればすごく伸びる子どもは世の中にいっぱいいるんですね、だからもし英語、数学を入れたければ入れても結構ですけれども、でもそれをやったら受験生は大分減ると思いますよ、私の経験から。私も司法試験の一次試験を受けましたからね、私は大学を出なかったですから。英語を入れるのなら入れても結構です、数学を入れたかったら微分積分を入れてください、受験生ガーンと減りますよ。それよりも本当に必要な、会計士と必要な外国人と通訳を交えてでも本当に話がきちんとできる、自己表現力がある、コミュニケーション能力のある若者を試験制度の内容によって採用するべきだと思います。すみません、生意気なこと言って申しわけありません。

○土本参事官

ありがとうございました。それでは次に島崎委員からお手が挙がりました。

○島崎委員

2点です。1つは、先ほどの話とも関連してくるのですけれども、今お話のあった受験資格要件について、大学卒業の要件を必要とするかどうかということについては、国際的な整合性云々という話が前提となった議論になっていますが、我が国の公認会計士制度において、国際的な整合性はどういうことで必要なのかもう少しクリアにすべきかと思います。これをやらなければこういう問題があるとか、これをやればこういうメリットがあるという分析評価が必要なのではないか。会計基準の国際化についてもこのような議論を経た上で方向付けがされていると思います。会計士資格の相互承認は何となくわかるのですが、それをやる必要が本当にあるのか、やったときにどうなるのかというあたりをもう少し教えてほしいなというのが1つです。

それから前回もそういう資格を持った方を企業は必要としていると申し上げておりますので改めて申し上げることは避けます。先ほどTACさんの試験のイメージのところで口述試験、面接という話がありましたが、たしかに面接というのは人物を見極める上で非常に有効だと思いますが、かなり恣意性が入るし手間もかかる。国家試験の合否に面接を入れるのかどうかという問題はあるのかなという感じはしました。ただ、ここに書かれています、企業が重視する人物像としてビジネスコミュニケーション能力といったものが大事であり、これは試験では試されないと。これはまさにその通りなのですが、これは企業だけではなくて監査法人でもこういう能力は当然必要なわけで、それぞれの企業や監査法人が採用する時にこういう能力は確認していると思います。

以上です。

○土本参事官

それでは、八田委員、そのあと松井委員。

○八田委員

先ほどから学歴云々のことばかりに何か話が特化していますけれども、そもそもの大前提が欠落しているのです。つまり公認会計士というこの職業、これがプロフェッションかノンプロフェッションかという議論、つまり、根底にプロフェッショナリズムの議論があるということです。これはもう中世ヨーロッパの1400年代から始まった高等教育の中に脈々と流れている議論があって、どういう職業群を独占的に、そして社会貢献を担うことのできる業務として位置づけるのかということで、社会学の研究領域でも、あるいはプロフェッショナリズム研究でも、もう確立した学術研究成果が確立しているわけです。

当初は、いわゆる中世ヨーロッパの大学では、神学・医学・法学の3つ学部で始まりました。話すと長くなってしまいますのでやめますけれども、その中で牧師さんといわゆるお医者さんと法曹人はプロフェッションだという位置づけがなされたわけですね。これはやはり高い水準の倫理観とそして高等教育機関におけるちゃんとした確立した教育プロセスでの学習があって初めて、そうした者たちに独占業務を与えて、社会的にな大きな役割を担わせるということであり、そのためにはいくつかの厳格な要件があって、これらを満たす者はプロフェッションですという位置づけが全世界でも共通認識であるわけです。したがって、日本だけはそのプロフェッショナリズムにおいてこういう理解をしますなどという勝手な理解では通用するわけがないのです。

したがって、立志舎の方のお話はいわゆる経理のプロ、テクニシャンを養成するなら話はわかります。しかし独占業務を担うプロフェッションに対して、学歴より学力とかいったような、そんな議論ではないのです。つまり備えておかなければならない、確立した要件があって、そして今それを世界の国において統一の方向で基準として明確化していこうという流れがあるわけであって、今島崎委員が言われたように別に国際標準ではなくて、これはもうプロフェッショナリズムの根源に至る議論であるわけです。そこを度外視して優秀な人は会計士にしようと、そういう議論ではないと思うんですね。

それをまず放棄するならいいですが、放棄した段階でこれはもう国際標準云々という議論は起きないと思いますし、日本で通用する日本だけの会計士、それで議論が終わるわけです。いわんや監査業務は独占業務ですが、一方、会計業務はこれは別にだれでもできるのです。その会計を勉強した彼が、彼女が優秀だというならば、それはそれであって、別に国が関わる必要は何もないわけですよ。ただ、私は前回申し上げたように監査という業務は会計というベース、これを踏まえた上で議論をしていかなければいけないので、当然会計の専門家であり、かつその中で税務もできて監査もできる、そして監査は特に社会的影響力を持つということです。先ほど立志舎の方は経済とか経営は座学で済むなどと話されていましたが、とんでもない話です。 On the Job Trainingでやはり現場を見て経営の実態を見なければ監査はできないと思います。つまり認識が全然ずれていて、ただ知識教育だけをやろうとする立場からでは、全然話が合わないのであり、そういう意味でもここでは議論がすり合わないと思いますね。

○小西参考人

いや、中世はわかりますよ。

○八田委員

ということで、発言をさせて頂きました。

○土本参事官

小西さん、発言は指名されてからご発言を願います。八田先生、よろしいですか。

○八田委員

結構です。

○土本参事官

では、続きまして松井委員。

○松井委員

大学卒業要件についてですけれども、IFACが定めている国際教育基準、IESの第2号というのをちょっと読んでみました。そこに要件として「ディグリー・レベル」というものが明確に示されているのですが、まずはこれの解釈を事務局でも委員の方でも結構ですので説明してもらいたいと思います。国際教育基準は英語で「スタンダード」つまり「標準」という表現ですので必ずしも強制力はないと僕は思うのですけれども、その辺がどうなのかということを明確にしないと議論が混乱するのではないかと思います。このIES第2号が多分ポイントだと思うので、説明をして頂きたいと思います。

○土本参事官

それでは、資料4の参考資料集でございますが、55ページ以降のところにIESの該当部分を事務局のほうで掲載しております。国際教育基準そのものは国が参加している基準ではございませんで、公認会計士協会が加盟している基準でございますので、解釈につきましては後ほど協会の方からコメントを頂きたいのですが、ちょっと字づらだけのご紹介になりますが、まず55ページですが、IESの1号というのがございまして、その中で表の真ん中あたりの6の日本語のところを読ませて頂きます。

「IFACメンバー団体の会員資格につながる会計職業専門家教育プログラムを始めようとする者の参加要件は、少なくとも、大学学位プログラムへの進学を許可する要件またはそれと同等である必要がある。」ということでございます。あと、その下に7とございますが、この7は基準そのものではなくて基準の説明補足ということでございまして、「価値観、倫理及び心構えの修得に必要なレベルの事前教育と学習を行っている必要がある。」とございます。

次の56ページをお開け頂きますと、これが今松井委員からありましたIES2の中の抜粋でございます。基準そのもののところでございますと、真ん中の11のところですが、「会計職業専門教育は、資格取得前教育の一部として行われなければならない。この専門教育は、職業会計士志望者が、能力として要求される専門的知識を修得するために、十分な長さの時間で集中的に行われなければならない。」ということでございます。

続きまして57ページですが、IES3号とございます。その中の19「全ての会計職業専門家教育プログラムの中には、「一般教育(general education)」のある部分も含まなければならない。」ということで、ここの一般教育というのがいわゆる大学の教養課程レベルというふうに一般的に解釈をされているのではないかと思います。

それからご参考ですが、先ほど実務経験要件のところでもございましたが、IES5号、その下にございますが、11のところで「資格取得前の実務経験の期間は、少なくとも3年とすべきである。」とあります。これにはただし書きがございまして、「この場合、大学院相当(大学学部卒業以上、例えば、修士課程)の職業専門家教育の期間で、実務面で特に重点を置いて会計を応用するような期間は、実務経験の要件である3年のうちの12カ月分に相当すると見てよいであろう。」というのがございます。

ちなみに日本の場合は実務補習というのがございまして、この実務補習がこの3年の中の高等教育という1年に相当するということで、日本の場合は実務経験要件は2年でございますが、実務補習の1年を加えて3年ということで、一応この要件を満たしているという解釈を今されているというふうに理解をしております。ニュアンスが必ずしも正しくとらえていないところもございますので、日本公認会計士協会のほうからもし何かございましたらコメントを頂ければと思います。

○澤田参考人

今、ご説明のあった基本的な考え方については間違いないと思っています。

○増田委員

先ほどご質問のあった国際教育基準が義務づけられているかどうかという点ですが、これは日本公認会計士協会が加盟している国際会計士連盟、この団体はそこで決めたことについて従わなければいけない義務があるんですね、ステートメントオブメンバーシップオブリゲーション(SMO)というのですけれども、決められた基準などの遵守状況がチェックされることになっています。そういう意味では従う義務があるので国際会計士連盟を脱退しろということになってくるわけですけれども、そうすると日本の公認会計士は孤立する、当然そうなりますからその意味ではとてもできないということなんですね。だからできるだけそういう基準に従っていくことになります。これは会計基準も同じですけれども、監査基準もそういう方向で今進んでいます。今は国際監査基準を国際会計士連盟(IFAC)の中でつくっています。国際倫理規則もそうです、そういう国際的なものというのは国際会計士連盟でつくっているということです。この国際教育基準も同じなんですね、だからそういう意味では我々国際会計士連盟に加盟している団体、メンバーボディと言っていますけれども、そういう団体には基準の遵守義務があるということです。ですから別に法律ではないから脱退すれば別にかまわないわけですけれども、それは我々としては望まないですね。

○小西参考人

ちょっといいですか。

○土本参事官

一応、小西さんは今日参考人というお立場ですので。

○小西参考人

ちょっと、でも私の名前がしっかり出ているのでね、八田さんからしっかり名前が出ているので、これは反論させてもらわんと私の名誉にかかわるのでね。

○土本参事官

この場面で他の委員のどなたからも手が挙がっておりませんので、小西さんどうぞ。

○小西参考人

八田さんがいくらプロフェッショナルといいながら、今の大学卒業を受験資格要件とすることに合理的根拠があるならいいですよ、合理的根拠がなくしてですね。

○八田委員

ちょっと誤解がありますので。

○小西参考人

それで単に外国の基準がどうのというのだったら、日本の立場をしっかり説明すればいいですよ、それで外国に了解してもらえばいい。何も国際教育基準とかというのは固定的なものではありませんから、そのとき、その国の事情がありますから、それをきっちり説明していけばいいので、それに合う形で試験制度も考えればいいし、何も中世のヨーロッパのことを持ち出してそれで何か大卒要件が正しいんだと言われたら、それは学者が机の上でやってくれればいいので、そんなばかな話はないですよ。

○土本参事官

ありがとうございました。

○八田委員

ちょっと補足だけさせてください。

○土本参事官

では、八田委員お願いします。

○八田委員

私は現在考えている中で大学卒業要件を入れろとか入れないとか一切申し上げておりません。会計プロフェッションの歩んできた歴史を説明しただけです。

○小西参考人

そうですか、それなら。

○八田委員

それとプロフェッションというものに対する認識を正しく持って頂きたいということをご説明しただけです。

○小西参考人

わかりました。じゃあ、大卒要件に反対なのですね。

○八田委員

したがって誤解なく発言をしてください。賛成、反対はこれから考えることです。

○小西参考人

はい。

○大塚座長

小西さん、ボタンを押して頂くと赤いのが消えますから。

○小西参考人

あっ、そうですか。今点いているんですか、すみません。

○大塚座長

大変熱心なご議論を頂いて、今日でこの懇談会は2回目ですけれども、金融庁に4カ月働かせて頂いておりますが、こんな楽しい会議はなかなかなくてですね、大変勉強になっております。

それぞれ大変参考になるご意見を頂いているのですが、延々と何年もこの議論ができるわけではありませんので、あと数回の議論を経て一定の結論を導かなくてはいけないわけですので、ちょっと私のほうから改めてもう一回皆さんの共通認識を整えて頂くことをお願いしたいのですが、福岡さんから大変参考になる整理をして頂きました。改めて私どものほうから、この懇談会の開催に当たって公にいたしましたペーパーに記載させて頂いた内容を少しご紹介させて頂いて、改めて皆さんにご認識の確認を頂きたいと思います。

この懇談会にお忙しい皆さんにおいで頂くように招請申し上げたのは、詳細は省きますが、該当部分だけ読みますと、「現行制度の狙いは道半ばの状況にある」、「試験に合格しても公認会計士の資格を取得できないというおそれが高まることとなる」、こういう問題意識のもとに検討事項として「試験制度のあり方について」、「資格取得要件のあり方について」、「その他」という3つの検討事項を明記をして皆様方にお集まりを頂いたわけですので、まず、その点をぜひご確認を頂きたいと思います。

それと同時に政権交代を国民の皆さんが選択をされて4カ月が経ったわけでありますが、政権交代が起きたあとの今これが懇談会であるということも、ぜひご確認をください。日本ではなかなか本格的な政権交代がなかったので、その意味というものを皆さんと共有させて頂くのはなかなか簡単なようで簡単でないことなのですが、新政権の下では幾つかの基本的なスタンスがございます。それは内閣の基本方針において9月16日に閣議決定をされて公開をされているものでございます。その内閣において今検討作業が行われているということも、ぜひご確認ください。

そうすると、鳩山内閣ではどういうことを念頭においてこの国を運営しようとしているかというと、すべては言い尽くせませんが、とりあえず今日のところは4点を改めてご確認を頂きたいと思います。

1つは、自由な国であること。2つ目は、公平な社会であること。これは多分鳩山総理としては2つを包括して「友愛」というような言葉を多分お使いになっておられるのですが、「自由であること」、「公平であること」、それから3番目は「日本経済を強くしたい」、この思いは多分全員共有をしていると思います。そして4番目は、必ずしも基本方針に書いてあることではありませんが、今日は松井さんもおいで頂いているのですが、今度私も規制改革の担当で一緒にやらせて頂きますけれども、日本経済を強くする上でそのことに障害となっている規制があればどんどん改革していこうということも一つ大きなテーマに今なっているわけであります。もちろん、改革というのは必ずしも緩和をすればいいということだけではありません。その規制の目的に合わせて合理的な内容で、それが結果として日本経済を強くできればいいと、こう思っているわけであります。

自由な社会、公平な社会、そしてそういう国づくりをすることで日本経済が強くなること。そして財源もない中で財源を使わないで日本経済を強くするためには、不合理な規制は改革をしていく。これらのベースになる認識を改めて共有して頂いて、そしてこの懇談会の目的ももう一回ご確認を頂いてご議論を頂くことが、おそらく全員が賛成する案というのはなかなかまとまらないと思いますが、それなりに収れんをできる案に近づくための条件だと思いますので、ぜひ、ご理解を頂きたいというふうに思います。

大学の卒業要件の話もそれぞれのお立場でいろんなご意見を頂きましたが、私個人も別に今何か結論めいたものを持っているわけではありませんが、いろいろお話をおうかがいしていてその問題に関して受けた印象は、この公認会計士の試験制度における大学の受験資格の問題と、日本の大学というものが非常にレベルが低くなっていて。

○小西参考人

いや、高いのもありますから。

○大塚座長

ちょっと待ってください。大学の教育のあり方がどうかということと、多分いろんな問題が混在してご議論をされていると思いますので、その辺ぜひ整理しながら、今後の検討を進めて頂きたいと思いますが、いずれにしても冒頭申し上げましたように、あと数回の議論を経て、もちろん、委員の皆様方には一定の結論に至る前に結論の素案について、あるいは原案についてしっかりお諮りをして、ゴールに至りたいと思いますので、とりあえずちょっと交通整理の意味で発言をさせて頂きました。

○土本参事官

ありがとうございました。

では、先ほどお手が挙がりました平松委員。

○平松委員

今の整理の中で日本経済を強くするというのがあったのですが、この公認会計士制度を強くするということはまさにそれに資すると思うんですね。そのときに先ほど整理されたように、大学の問題については幾つかの論点が混ざった形で今議論されておりましたけれども、文部行政にかかわることがらについては、ここで言うのもいいのですが、文部科学省に働きかける方が適切だと思います。奨学金制度の充実とかそういうことで、高校は公立については無償化ですか、大学はどうするんだという議論を含めて展開されるのが適切だと私は思います。

しかし、一方で公認会計士制度についてはやはり国際的なかかわりの中で今やっていっているわけですね。とりわけ以前に国際会計基準の導入について議論したときに、我が国の対応は少し遅れたと思います。そのために今懸命になってその遅れを取り返そうとしているわけです。今回公認会計士制度についても国際会計教育基準という話があります。今は日本のことを議論しているのだから国際会計教育基準はどうでもいいという意見もありましたが、決してそうではありません。そんなことだったら国際競争力なんかつかないですよ。やはりこれは国際的な教育基準を満たすということ、あるいはそのもっと上を行くというそういう決意をもってやらないと、ただでさえ日本というのは語学のハンディもあって非常に不利な立場にある上に、同じ能力があっても低く見られる立場にあるのです。それをいかに強くするかということであれば、少なくとも国際的な教育基準を満たすということを考える必要があると、私は考えております。

○土本参事官

古賀委員、お願いいたします

○古賀委員

先ほど副大臣のおっしゃった前提の議論として何か少しテレコの議論になりがちだなという感じがしますので、あえて申し上げます。さっきおっしゃった前回の改革で果たそうとしたけれども道半ばだったと共有しなければいけないのは、前回何を実現しようとしてやって、それで何が実現できていないのかという、政策目的、目標があったはずで、その目標は何であって、それが現時点でどこまでいっているんだみたいな、多分そういうのがある程度共有されていないといけないと思います。起こった現象ばかりにとらわれると、是正しようという点が実に様々なものに及び、少しコンフューズした議論になるのではないかなという、全くのど素人でございますが、そんな感じがいたしました。

○阿部委員

今さらなんですけれども、議論の出発点が数の話になってしまっていて非常に違和感があるのです。我々が求めているのは質の問題であって、きちんと日本の経営を正しく見てくださるための監査を行う資格とは何か、そのための教育とは何か、制度とは何かということなので、一番最初に私が増田会長に何人がいいですかと聞いたのが間違いだったんですけれども、そういう数の問題から一度はずれてどうやったらレベルの高い職業会計人を育成できるかということに、もうちょっと頭を使って頂けると中身が進むのではないかと思うのですが。

○大塚座長

古賀さんと阿部さんとそれぞれご意見を頂いて、全くそのとおりだと思いますね。とりわけ古賀さんおっしゃったとおり、私もそれを申し上げたくて、あえて先ほど申し上げたのですが、現行制度は平成15年の法改正で前政権の下で行われたわけで、もちろん私たちも野党議員として国会の審議には参加しましたけれども、そのときに利害関係者の皆さんはそれぞれ何を求めてその改正案に合意をされて、合意をしたということはそのときにそれぞれの利害関係者の皆さんは自分たちのその合意の中で負ったミッションは何だったのかということを、もう一回整理をして頂いて、そしてそれぞれの皆さんがその負ったミッションをちゃんと果たしていればこういう現行制度が道半ばの状況にはなっていなかったはずなわけですから、まずその辺の交通整理もぜひ必要だと思います。

また、行政の側、政治の側としては利害関係者の皆さんのそれぞれのご意見も調整した上で行政、あるいは政治としてこの法改正でうまくいくということで国会にかけたわけでありますので、もちろん、そのときに賛成した私たちも野党であっても同じでありますので、やはりそういう整理を、今日はもうあと10分ぐらいですので次回までにしっかり事務局でもやりますが、それぞれのお立場でそれはご確認を頂きたいというふうに思います。

○土本参事官

増田委員お願いします。

○増田委員

今の点ですけれども、特に利害関係の一番深い公認会計士協会としましては、資料の11ページ(資料4参照)に、前の金融審議会公認会計士制度部会での議論のまとめがあります。4の(1)のところでありますけれども、「公認会計士については、量的に拡大するとともに質的な向上も求められている」云々となっておりまして、「監査証明業務の担い手として、拡大・多様化している監査証明業務以外の担い手として、さらには企業などにおける専門的な実務の担い手として、経済社会における重要な役割を担うことが一層求められている」と、これについては公認会計士協会も反対はしていなかったと思います。

ただ、下のほうに「公認会計士の人数の拡大については」とありまして、今阿部委員からお話がありましたけれども、「試験合格者の資質を確保しつつ、受験者数の大幅な増加を図るための方策、専門資格者などに対する試験の免除」と書いてあるわけですけれども、我々としても質が落ちては困るというのは同じ意見です。そういう意味では認識としてはあまり差はなかったのだろうと思います。私、当時、傍聴はしていましたけれども、そういう意味では同じ意見だったと思います。

ただ、我々からしますと、やはり前提条件というかインフラの問題がそのときよく議論がされていなかったのかなと思います。例えば、試験に合格したあとの教育研修をどうするのかとかといった点です。そういった問題の議論がなかったのが非常に気になっています。これについては我々からしますと、その辺が欠けていたために今回、実務教育ができなくなっているという状況になっている。これは別に就職問題では実はないんです。実務経験を得る場がないということなんです。先ほど来、話がありましたけれども、前回の懇談会のとき私もお話ししましたけれども、資格登録と開業登録という方法はあると思います。これはアメリカでやっていますけれども、それも検討をしていくというのも一つの方法だと思います。

あと、もう一つ、立志舎さんからお話がありましたけれども、我々は受験に学歴制限をつけるとかそういうことを考えているわけではないですから、その点は誤解をしないようにしてもらいたいですね。

○大塚座長

今、増田会長が、実はこの問題は就職を何とかしたいということではなくて、実務経験を得る場がないんだというふうにおっしゃって頂いたということは、実は大変大きな前進だと思います。ややもすると就職問題だというふうにマスコミも書いているのですけれども、しかし他の士業やその他の国家資格においても、資格を持っているから就職が保証されているというものはないわけでありまして、そういう観点でこの懇談会の議論を進めると多分結論に至りませんので、今、会長がおっしゃってくださったように、まさしく就職問題ではなく、当初の目的、質の高い公認会計士さんをしっかりと我が国として抱えるということにおいて、試験をクリアされた方々が実務経験を積む場がないという問題をどう対応するのか、いい対応案が見つかるとその結果として就職率が上がるということはもちろんあると思いますけれども、そこの論理性だけはぜひ維持された議論をお願いしたいなということを申し上げておきたいと思います。

○大崎委員

一点だけ申し上げたいのですが、実務経験を積む場がないというのが問題だとおっしゃったのですが、それとともにここの報告書で書かれていた「監査証明業務以外の担い手としての会計士の必要性」という、そのことに応えられるような実務経験なり資格要件が得られるような場がないことが問題だという、その辺は十分コンセンサスとして持っておいたほうがいいのかなというふうに思っております。ですから、今求められている実務経験なり、その後の補習の内容が監査に偏しているのではないかという問題意識はあったほうがいいのではないかなというのが私の意見です。

○土本参事官

金子会長、よろしくお願いします。

○金子参考人(公認会計士・監査審査会会長)

私はこの懇談会のメンバーではありません。本日出席の機会を得ましたので、個人的意見を述べさせていただきます。審査会は当初、脇田常勤委員からご説明しましたように、試験を実施する機関であるわけです。我々は試験を実施するに当たって、15年改正の趣旨を踏まえて試験制度についての実施上の改善を図ってきたつもりです。その点では脇田委員が最初に発言されたように試験の実施に関してはほぼ目的を達成したと説明されましたけれども、我々審査会としてはそのように認識をしております。我々としては有能な人材が試験に参加をするよう努力してきました。今日のデータにもありましたように、この4年間で5,000人が新たに参加をした。当然5,000人ふえているわけですから必要とされる知識を有し、試験で当然クリアしていなければならない点数を得た人が増えるということは当然のことであるわけです。

我々は試験の入口の改善をすると同時に、すぐれた公認会計士が出てくるためにそのあとの資格取得のための要件が適切であるのかどうか、そしてその資格取得のための要件をどのような場で取得することが必要なのか等々、資格を取得するための要件にかかわる事柄について、本来の制度の目的に沿った改善がなされてこなければいけないだろうと考えました。その点は我々、協会をはじめ、この資格要件、実施にかかわるところに対して意見を申し上げてきました。しかしながら必ずしも十分にこの点の整備がなされずに現在にきてしまった。その結果、当然この6年間の間に経済あるいは社会の変化が起こり、そのことがいろいろな矛盾を現象として生じさせたということになるわけです。

したがいまして、広い意味での試験制度、狭い意味で言えば資格取得要件の実現といいますか、それをどのように整備していくかというのが私は当面の重要な問題であると認識しますので、社会のニーズに即した、そして日本の経済をより強くするための会計、監査を担う公認会計士を生み出すために、この資格取得の要件にかかわる問題をどのように整理していくのかということを、中心的な課題としてご議論を頂きたいと思います。

○土本参事官

委員の方々にご意見ないようであれば、今日ご出席頂いて発言の機会のなかった橋学園さんから今手が挙がりましたので、よろしくお願いします。

○橋参考人(学校法人橋学園理事)

私、学校の代表というのもあるのですけれども、一公認会計士としても今回意見を言わせてもらえばと思いまして、参加しました。私どもの資料を今回は読む時間がなかったので、詳しい説明は割愛させて頂きますが、3ページ目(資料3−3参照)に「苦労に報われない合格者たち」ということで、一般的な合格者は、二、三年死に物狂いで勉強して合格しているんですね。普通に大学を遊びながら勉強して受かっているわけではございません。私も4年間大学で生活を犠牲にして寝る、食べる以外はすべて会計士の勉強に当ててやっと合格しました。成績が悪かったというのもありますけれども、やっぱり3回受けて何とか受かった次第であります。

これは参考資料4についていたとおりなんですけれども、19ページに合格者に対するアンケートということで、合格者はどのくらいの回数で受かっているかといいますと、大体中心的な合格者はやはり二、三回受けているということです、すなわち三、四年はかかってあしかけ受けているということになります。目標としては日本経済を強くするという意味で会計士の層を厚くするということであれば二、三年、三、四年かけて必死に受かった者が就職にあぶれる、ないしは公認会計士があぶれるということであっては、資格としての魅力が非常に損なわれるリスクが多いと思います。ですから能力は高ければ高いほどいい、それはたしかにおっしゃるとおりなんですけれども、実際にその方が能力を発揮できない、ないしは能力に見合った待遇が得られないということであるならば、この会計のすぐれた人材を多数日本から生み出そうというのは、実際には機能しなくなる虞があるわけです。したがって、私は制度改革案として私ども4ページに3つのアプローチがあるということで、大きく中間的資格という案と、上位の資格をつくる案と、別の資格をつくる案が大きく分けてあるんじゃないですかという形でご提示しました。

メリット、デメリットはいろいろとあると思うのですけれども、私どもが有力案として中間的資格を提案している観点からどうしても偏っていると批判されるかと思いますけれども、一つちょっと見て頂きたいのは5ページ目(資料3−3参照)の上級公認会計士をつくる案では、デメリットのほうの下から2番目、公認会計士が増えるということは日本の場合、独特の税理士との業際問題がございます、ですからその点をどのように回避するのか、デメリットとして大きなものとして横たわっていると思います。

○土本参事官

すみません、手短にお願いします。

○高橋参考人

はい。それと相互承認は深くは言いませんけれども、国益に対するリスクが非常にあると思っております。実際に私も大手監査法人におりましたけれども、ビック4の提携先との関係で言いますと非常に日本は弱い立場にあるとヒラの会計士としては思っております。その点を汲んで頂ければと思います。

以上です。

○土本参事官

ありがとうございました。議論は尽きませんが、お時間になりましたので、本日の懇談会を終了したいと思います。

次回、第3回懇談会につきましては、2月19日、金曜日、18時30分から、遅い時間で恐縮ですが、予定をしております。次回は石川委員と島崎委員からプレゼンテーションをお願いしたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。お忙しい中、どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課開示業務参事官室(内線3679、3661)