第8回公認会計士制度に関する懇談会議事録

1. 日時:平成22年6月25日(金曜日)15時30分〜17時30分

2. 場所:中央合同庁舎第7号館12階 金融庁共用第二特別会議室

○岳野審議官

それでは、ただいまから、第8回公認会計士制度に関する懇談会を開催させて頂きます。

本日は、皆様ご多忙のところご参加頂きましてありがとうございます。

本日の議事進行補佐役を審議官の岳野が務めさせて頂きますので、よろしくお願い申し上げます。

それでは、これから議事に入りますので、カメラの方はご退席をお願いいたします。

本日は、前回に引き続き公認会計士・監査審査会及び日本公認会計士協会の方々にもご参加を頂いております。お手元の配席図でご確認頂きたいと存じます。

まず、事務方から配付資料の確認をさせて頂きます。

○土本参事官

配付資料の確認をさせて頂きます。

資料1、事務局からの「とりまとめに向けて(たたき台その2)」。資料の2、「二段階目の受験要件として実務経験を求めることについて」、縦長の紙でございます。資料の3、「実務経験についてのイメージ」、縦長のポンチ絵でございます。資料の4、「参考資料」、縦長の資料集でございます。最後に資料の5、松井委員からご提案がございました「新たな公認会計士試験制度案(事務局の「たたき台」を踏まえた私案)」。

以上でございます。もし資料のない方がございましたら事務局にご連絡をください。よろしくお願いいたします。

○岳野審議官

それでは、本日の議事に入らせて頂きます。

まず、事務局から資料のご説明をさせて頂きまして、その後質疑応答、意見交換に入らせて頂きたいと思います。

それでは、事務局からお願いします。

○土本参事官

それでは、説明させて頂きます。

まず、前回の復習ということで、お手数ですが資料の4の資料集をお出しください。表紙をめくって頂きまして、ピラミッド型のポンチ絵がございます。一番下が受験者でございまして、一段階目の試験に合格をして、俗称プロフェッショナルを目指す者、この後に二段階目の試験と実務経験を経て、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」、最終的に監査のできる「フルスペックの公認会計士」というピラミッドでございます。

前回特にご議論頂きましたのは、この一段階目の試験合格者が、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」に進む際に、間に楕円形の組み合わせが3種類ありますが、一番左を見て頂きますと、就職浪人を防止するために、二段階目の試験を受けるための要件としまして、事前に実務経験を求めるというのが前回の事務局からご提案させて頂きました論点メモAの方法でございます。これにつきましては、優秀な方が若いうちに二段階目の試験を受けるというのを阻害するということで、優秀な方については、先に試験を受けてその後実務経験ということもあっていいんではないかというご指摘を頂きました。そのパスがこの真ん中のものでございます。ちなみに、一番右側は、いわゆる社会人型でございまして、事前に実務経験をお持ちの方が一段階目の試験、二段階目の試験を順番に受けていくということで、このような3つのルートを設けてはどうかというのが前回のご指摘でございました。

この3つのルートを、就職浪人を防止しながらどのように実現をするかということで、事務局のほうで考えたものが、今度は資料の3をお開け頂きたいと思います。資料の3は、二段階目、先ほどのピラミッド図とちょっと見比べながらお願いしたいと思いますが、資料4の一番左の二段階目の試験の前に実務経験を求めるというのを一つの形としたときに、どのような場合に実務経験がないと二段階目が受けられなくするのか、あるいはどのような場合には、実務経験なしに二段階目が受けられるのかというもので、案を2つほど作らせて頂きました。

資料3の最初のページにある案の1は、年齢で区切ってはどうかということで、X歳以上は実務経験がないと二段階目が受けられないというものでございます。ここでは、仮にということで、X歳を25歳というふうに置いてご説明させて頂きたいと思います。

その下の学生の場合の例を見て頂きますと、一段階目に合格をした後、右側に行きまして、Xマイナス1歳ですので24歳、ここまでは実務経験なしに二段階目が受けられます。ここで合格すれば就職をして頂いて実務経験ということになります。その下の段ですが、24歳の時点で不合格というケースでございます。この場合、二段階目ですので科目合格がございますから、ここでは科目A、B、C、D4科目を仮定しておりまして、科目AとBは合格でCとDは不合格というものでございます。ここの時点で24歳でございますので、翌年二段回目を受けられませんで、先に実務経験を得てから残りのCとDを受けて頂きます。ちなみに有効期間を延ばそうという議論がございましたので、ここではその雲の中でございますが、一定期間、例えば10年といたしまして、実務経験を得た後一段階目の合格から10年間の間に残りのCとDを受けて頂くというのが案の1でございます。

続きまして、ページをめくって頂きまして案の2でございます。こちらは年齢は一切関係なしに条件設定をしておりまして、一段階目に合格した翌年までは実務経験なしに二段階目が受けられますが、この年以降は実務経験がないと受けられないということで、考え方としまして短い期間の間に一段階目、二段階目を通り抜けるという方は実務経験を求めないというものでございます。

このフローチャートに従っていきますと、例えば今年一段階目に合格されると、通常その年にまた二段階目を受けられるんですが、ここのケースではその年の二段階目は不合格で、翌年に二段階目に合格をする。この場合、その後は就職、実務経験となります。下のケースでございますが、翌年に二段階目挑戦をして、AとBは合格なんですがCとDが不合格という場合には、その更に翌年は実務経験なしには二段階目にチャレンジができないということで、初年度と翌年の2回までのチャレンジができます。不合格の場合には一たん就職して頂いて、実務経験がそろった段階で、例えば10年の間に残りのCとDにチャレンジできるというものでございます。

この際に、就職浪人防止という点では、なるべく右の矢印に行くのが望ましいんですが、あくまでこのあたりは進路選択、人生設計ということで、ご本人の判断がございますので、この翌年で二段階目不合格の場合は、下に1回行ってからまた一段階目に戻っている矢印がございますが、ご本人の判断でもう一度その一段階目から受け直すということができるというものでございます。ただし、この場合には一段階目の合格と二段階目のAとBの合格ということについての権利を1回放棄して頂きまして、ゼロからまた受け直して頂きます。もちろんこれでもう一巡して合格しても高齢ですので、合格しても就職できないリスクが非常にあるということは周知した上で、ご本人が判断されるということであればそれを尊重するという案でございます。

なお、参考資料の資料の4をまたお開け頂ければと思います。資料の4の右下の5ページをお開けください。資料の4の5ページの上の棒グラフ、これは先ほどの案の1を前提に作った、イメージで作ったものでございまして、この棒グラフの全体の人は、浪人をしていわゆる学校を卒業して、いずれも一度も就職せずにそれで合格をされた540人の方を母数としておりまして、横軸が年齢で縦軸が内定率でございます。ちなみに折れ線グラフはその年齢における人数でございます。これを見て頂きますと、24歳のときの内定率が80%近いということで一番高く、25歳になりますと60%ちょっとということで平均ぐらいまで落ちるということで、先ほど例えばということで25歳というふうに申し上げましたのは、24歳と25歳で内定率に一定の差があるということで、ここで設定したというものでございます。

続きまして、案の2でございますが、この資料集の11ページを今度お開けください。

11ページの上のグラフは、母集団は先ほどと同じで浪人をして合格をされた方540名弱でございまして、横軸は今の短答に合格してから何年で論文に合格したかという年数でございます。一番左の0年というのは、短答に合格したその年に論文も合格した方、1年というのは翌年に合格した方ということで、縦軸は先ほどと同じ内定率でございます。これを見て頂きますと、一発合格いわゆるゼロ年での合格というのが内定率が非常に高くて、1年目まで高うございます。2年かけて合格という方になりますと40%を割り込むということで、ここで随分と就職のしやすさが変わってくるということで、案の2はこの1年と2年というところに着目して先ほど申し上げたというものでございます。

就職浪人を出さないための方策ということについては以上でございます。

続きまして、資料の1のご説明、議論に入る前に、本日松井委員から提言がございまして、松井委員は本日ご欠席ですので、事務局のほうから代読をするようにというご指示を賜っておりますが、ということで代わりにかいつまんでご説明をさせて頂ければと思います。

資料の5をお開けください。資料の5の最後のページでございます。時間の関係でポイントだけにさせて頂きたいと思いますが、先ほど事務局のほうで冒頭復習ということで示させて頂いたピラミッド図がございますが、あれをもとにお作りになったもののように見受けられます。一番下が一段階目の試験で、これに合格をしますと「公認会計技能士」という資格を与えると。ここから更に二段階目の試験に合格をしたら「公認会計士」という資格でございます。この「公認会計士」というのは現状の公認会計士とは違いまして、いわゆるフルスペックでない会計のプロフェッショナルという、監査ができない会計のプロフェッショナルというものでございまして、更に三段階目の試験、現状の修了考査ですが、これに合格した方については監査ができる資格者ということで、「公認監査士」という名前で三段階の資格というふうになってございます。

ちなみに合格者数ですが、一段階目が5,000人前後、二段階目が2,500人前後、三段階目が1,300人ということで、一段階目と二段階目につきましては、相対的な評価ではなくて絶対基準に基づく絶対評価ということで、一種の一定の能力を有するかどうかという競争性のない能力認定のようなイメージだと思われます。一段階目の5,000人のうち、上位の例えば3,000人ぐらいの方が二段階目の試験に進む権利があるということで、進む権利がない方も合格というふうにしていると。それから、二段階目も同じく絶対評価で、三段階目につきましては、監査をする方の需給を見ながら人数ということで、こちらについてはその人数になるように相対評価をして監査の資格を有する者を出していくというものでございます。

事務局の説明は以上です。

○岳野審議官

それでは、意見交換に入りたいと存じますが、少しその前に整理をさせて頂きます。

これまで多数の論点にわたってご議論頂いてまいりました。どういうふうに整理していくかでございますが、お手元の資料の1をおとり頂きたいと存じます。

資料の1は、前回お配りいたしました、たたき台を少し前回の議論を踏まえて加筆してあるものでございます。大きく I は問題点の認識でございますが、5ページをお開き頂きたいと存じます。資料の1の5ページでございます。ここに II 、対応策というところがございまして、その1番が「就職浪人をできるだけ出さない方策について」ということでございます。ここをご覧頂きますと、最初のポツは、試験の体系の議論の前提を整理しております。その次に、就職浪人をできるだけ出さないための方策として、以下のようなものが考えられるということで、これまでのご議論がございました例えばマル1でございますけれども、合格の有効期間を延長する。それからマル2でございますが、合格者の合格順位を通知するといったようなことの議論を頂いてまいりました。

この5ページの一番下のポツでございますが、就職浪人をできるだけ出さないための方策として、更に以下の視点から検討を行ったということで、これは前回のご議論で論点メモAということで3つの項目をお示しさせて頂いたことを指しております。マル1が、一段階目の合格者数の設定により難易度を下げ、受験勉強の負荷を下げること。マル2が、一段階目の合格段階で何らかの途中段階の資格を与え、ここにございますような対応をするということ。マル3が、二段階目の受験者の抑制のために実務経験を求めるという点です。この点につきましては、先ほど土本参事官からご説明申し上げましたように、これを一律にやることは問題があるということで、今回、資料の2、3、4でご説明させて頂いたような案はいかがであろうかということをお示しした次第でございます。

今お示しいたしました資料の2、3、4も含めまして、あるいはこの資料1の5ページのところで整理させて頂いております就職浪人をできるだけ出さない方策についてと、このテーマ全体につきまして、まず本日の意見交換の第1セッションとしてご意見を頂ければと存じます。

それでは、ご意見のある方、挙手をしてご発言をお願い申し上げます。

それでは、大崎さん、お願いします。

○大崎委員

ありがとうございます。

私、結論的には、今ご説明頂いたできるだけ就職浪人を出さない方策については、事務局で考えて頂いた案の2というのが適切なのではないかという気がいたします。前回私からも申し上げましたように、集中的に受験勉強して一挙に受かっていくという人に、実務経験がないからしばらくストップしてもらうという仕組みは非常に問題がありまして、それをどうしてもやるとなると結局監査法人に勤めて、それで実務経験を積んで登録をするという以外、二段階目の試験を受けるための道がなくなってしまうんじゃないかというふうに思いますので、そうではないやり方を考えて頂いたというのは非常にいいことだと思います。

そのときに、年齢で制限をかけるという案の1のほうは、現実に確かに若い人たちが就職しやすいという世の中だというのは分かるんですけれども、しかし年齢で一律に何か差別をするというのがいいのかというのは大いに疑問でありまして、これは下手をすると憲法問題じゃないかというふうな気すらするわけでございまして、むしろどこかの段階で思い立って集中的に受かった人をできるだけ前へ進みやすいようにしてあげるというこの案の2がいい考え方なのではないかなと思った次第です。

この案の2の問題点ということで、資料の2の中で、監査業界への就職に固執する者が上記マル2を選択し、就職浪人が出ることは回避できないというふうに書いて頂いていますが、これはもちろん強いて言えばそういうこともあり得るかなという程度ではないかと思っておりまして、この仕組みが周知されれば、やはりおのずと2回やってみてしばらく就職しようというふうに思う人が今よりは増えていくんではないのかなと、こういうふうに思う次第でございます。

○岳野審議官

ありがとうございました。

上柳先生、お願いします。

○上柳委員

私もこの資料2について言えば、案の2のほうを支持いたします。案の1のほうは、確かに日本の就職状況には合致しているように思うんですけれども、法律上といいますか、資格試験だということであれば、年齢で受けられなくなるというのはなかなか法律的な問題があるんじゃないかというふうに思いました。

ただ、そういうふうに言った上でですけれども、若干技術的な感じというかしますので、メッセージとしてなるべく早く受かってほしいと、思い立ったら早いうちにと、あるいはそういうふうに集中して勉強しないとだめなんだよというメッセージを与えることも含めて、そういう意味ではいいんですけれども、ここまでやる必要があるのかなとちょっと躊躇するところもあります。

以上です。

○岳野審議官

ありがとうございました。

車谷さん、お願いします。

○車谷委員

私もこの中では案2に賛成でございます。案1は、いろいろとご意見が出ていますけれども、年齢の規定というのはかなり重い規定だと思います。案2は、企業の採用を考えますと、1年留年して企業を受けるというところまでであれば、採用のタイミングとしては比較的悪くないのではないかということも含め、全体のバランスから案2が良いと思います。

一方、この原案をそのまま読みますと、翌年の二段階試験に不合格となった者は、4年後の再受験となるというふうに読めます。科目合格の延長はありますけれども、次回の受験までにかなり長いブランクとなることから、就職をして受験意欲をずっと持ち続けるとか、試験レベルの知識の維持を求められることになるので、受験者の立場に立つとかなり大きな負担になるのではないかと思います。ですから、フルスペックでない会計のプロフェッショナルを名乗るために必要な実務期間とは切り分けて、受験については、例えば、実務経験は受験前1年とする等、少し軽くして、受験だけはさせてあげるようなことも検討してはどうかと考えます。実務経験については、その後補充していくといった配慮も受験生の立場に立って考えるという観点からは必要ではないかと思います。

以上です。

○岳野審議官

ありがとうございました。

高田さん、先ほど手をお挙げになっておられました。どうぞ。

○高田代理委員(日本税理士会連合会専務理事)

代理で来たのに大変申しわけありませんが、士業の一人として、公認会計士という試験そのものが国家が与えた資格でございますので、若い人があこがれる、そして対外的にも分かりやすい制度を作って頂くのがいいんじゃないかと思いますので、それは既に検討されていることと思いますけれども、なるべく年齢制限とか何かしない方法にして頂ければなと。すなわち、本当に国が何か監査ができるのと、できないのに両方とも国が免許を与えるみたいなそういうことが果たしていいのかどうか、ちょっと分かりませんが。

もう一つ、非常にこの会計のプロフェッショナルというその会計の分野に関しては、今現在自由競争になっております。したがいまして、いろんなところに影響が出てくると思いますので、ぜひこの会議が終わった後、パブコメか何か、国民に意見を求めて頂ければというふうに思います。ちょっと論点が違ったかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

○大塚座長

今日もお忙しいところご参加頂いてありがとうございます。

ちょっと私、今日はこれで中座をさせて頂きますので、そのおわびかたがたでございますが、もう大分佳境にまいっておりますが、細部になるとまたいろいろご意見の違いも出てこようかとは思いますが、せっかく慎重かつ建設的にここまでご議論を進めて頂きましたので、もし細かいところで迷走しそうになったときには、ここまでコンセンサスを得てきた幾つかのポイントに立ち返って、できるだけ円滑に結論に至るようにご協力を頂ければと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○岳野審議官

すみません、今、複数の方から手が挙がっておりまして、八田先生、古賀さん、それから大崎さんも2回目手が挙がっておりました。恐縮ですが、八田先生、古賀さん、大崎さんの順でお願いいたします。

○八田委員

ありがとうございます。

今ちょうど実務経験が要るか要らないかということで、資料の3に即しての議論が収れんされてきているようですので、ここのところだけについて発言させて頂きます。

案の1か2かということで、まだ決まった段階ではないと思いますけれども、案1に関しては既に皆さん方がおっしゃっておられるように、年齢での制限というのは、基本的にあってはならないと思っております。では、案2のほうがいいのかとなると、これもなかなか難しい問題で、大塚副大臣が退席されたので残念ですけれども、途中の段階で何度もおっしゃったのは、この見直しを行うことによって試験資格制度が従来よりも魅力あるものにならなければならないということ。それから、次の時代にこの世界に参入してくるであろう、あるいは入りたいと思う人たちにとってやはり夢がある制度でなければならないということです。ところが、この段階で水を差すようなことをあまり申し上げたくないんですけれども、どうもこの見直しの中身が、旧来よりも重装備というか、もっと厳しい見方をするならば魅力が激減しているような試験制度になるのではないかなということを危惧するわけです。

ただ、未就職問題が社会問題にも近いような形で取り上げられているために、その辺は解決しなくてはならないとなってくると、この資料の3のところでの案の1、2ということに戻して考えますと、私は新司法試験が回数制限をしているということで、あれも同じように試験が人生のすべての目標ではなくて、それは一つのステップであって、それを経た後しかるべき役割を社会的に担ってもらいたいということから、余力を持ってその道に参画すべきであるということであるとするならば、実年齢というよりもその試験合格のための準備期間というのはある程度集中的に、あるいは限定せざるを得ないのかなという気がしています。そうなると昔の試験と同じになってしまうのですけれども、ただ、昔の場合に5回、10回と受けておられる方は結構いたんですね、昭和40年代、50年代は。あれは私も横で見ていて結構大変だなという気がしました。それは社会的に損失だということです。

したがって、学生の方たちの場合はちょっと長めに見ますと、例えば最長期間として、本当に受け始めて二段階目までは例えば5回とか、そういう制限をすることは必ずしも権利とかあるいは夢を奪うものではないのかなという気がします。しかし、ここで提案されているのは、もう翌年だめになってしまうというようなことですとすぐ就職しなければならなくなるわけです。本当はこのことを解決しなくてはいけないと思うんですけれども、ご案内のように、現在、就職環境は非常に厳しいものがあって、就職を念頭に置いて学生あるいは院生時代を送っている学生諸君は、実際には1年から1年半かけて就職活動に奔走しているわけです。それを一方では受験勉強に忙殺されながら、それがちょっと途中で途切れた場合には今度は就職活動をしろといっても、そんな簡単に頭の切りかえできるわけないよと思いますし、逆に就職を念頭に置いて頑張っている方から見ると、そんなになめられては困るというような見方もあるんじゃないかと思うわけです。

したがって私は、未就職問題というのは今現に未就職になっている方たちを、言うならば対症療法的かも分かりませんけれども、これをまずどうやって解決するのかということを真剣に考えてあげなければならないと思っています。あとは我が国の監査環境をどういうふうに改善していくかということで考えればいいのであって、将来にわたって今のような深刻な状態がずっと続くというふうに考えないほうが、学生諸君といいますか、受験生には夢を持たせるんじゃないかとおもいます。

ただ、結論から申し上げると、この案の2のほうの一段階目、二段階目としてだめになった場合に、これを5年ぐらいのスパンというふうに考えるのであれば、ある程度合意できるのではないかという気がしています。一応この点に関してだけ申し上げました。

○岳野審議官

それでは、古賀さん、お願いします。

○古賀委員

この提示された案について申し上げますと、私も現実的にはこの案2のほうだろうと思っております。

ただ、私もちょっと欠席が多くて恐縮なんですけれども、時折聞いていて、物すごく自分で違和感があるのは、未就職問題、未就職問題ってこの場でいつも言われますけれども、その定義です。公認会計士で一番問題なのは、折角合格したのにその腕を振るう場がないというのが最大の問題だろうと思います。世の中全般に、学生が未就職の状態になるというのは、様々な社会的制約でそうなるケースもあるでしょうし、逆に言うと、家庭が恵まれ過ぎて、そういう状態で何年過ごしたっていいという状態の人もいるというのが実状でしょう。未就職問題全般を社会問題としてとらえると、解決方法といってももういろんなことを考えていかなきゃいかんのだろうという状態が今の日本の状態だろうという気がいたしております。

したがって、この場で考えなきゃいかんのは、折角こういう国家試験、公認会計士の資格を獲得したにもかかわらず腕を振るう場がなかなかスムーズに得られない。これは監査法人でというのが第一義でしょうが、これだけ有為な人たちにそれ以外でも腕を振るう場がなかなか与えられない、何とかそういう状態を少なくできないかというのが、恐らくこの席での最大の問題だろうという気がいたします。そういう観点からいろいろございますが、この案2みたいなものをビルトインすることによって、そういう事態が幾らかでも回避できるんじゃなかろうかという意味で案2だろうという気がいたしております。

以上です。

○岳野審議官

それでは、大崎さん、お願いします。

○大崎委員

すみません、先ほど車谷さんがちょっとご懸念されていた3年間の実務経験を置かないと2年目不合格の人が再受験できないということについてなんでございますが、ここは確かに再受験まで時間があるといえば時間があるんですが、逆に会計分野または監査分野の実務経験を求めるということで、ある種試験勉強の延長みたいな実務経験を要求するということだと思いますので、むしろじっくり経験を積んでから再受験をしてくれという要求をするのは妥当であろうし、またその実務をやっているうちに、結局試験は断念して、一段階目の合格だけでそのまま社会人生活を続けるという人が出てきても、それはそれで悪いことではないのかなという感じがいたします。

ですので、そこの辺は問題があまりなくて、逆にそこをあまり短くてもいいというふうにしてしまうと、今問題になっているもうちょっと頑張れば受かるかもしれないということで、しつこく受験を続けてしまって、結果的に浪人になってしまうというような事態を避けることができやすいのではないかと思います。

それから、この図ですと1年目、2年目というふうになっているように見えるんで厳しく見えるんだと思うんですが、結局、私の理解では、1年間に一段階目と二段階目両方受験できるということだと理解しておりますので、要は二段階目の試験を最低2回は受けられるわけでございますから、回数制限としてもあまりに厳しいという言い方はないのかなと、あともう一回ぐらいというようなお気持ちももしかしたら持っておられる方もあるのかなと思った次第です。

○岳野審議官

石川先生、お願いします。

○石川委員

前回欠席しましたので、若干様子が分からないところがありますけれども、今の話の案の1と2であれば、案2のほうが基本的な枠組みとしてはよいのではないかという感じはします。ただ、一段階目の試験ですが、本日ご説明のあった松井委員からの提案では合格者に何らかの名称の資格を与える形になっていますが、どういう名称の資格を与えるのかということも問題ですけれども、それが要するに社会への就職というか実務経験を積むための手段としてどの程度アピールできるものになるのか、その点が一番重要な問題ではないかと思います。

それから、若干ご意見が出ており、また私からもこれまで何回か繰り返し発言していますが、既存の民間の検定試験その他で履歴書に書けるものがあり、それが就職を保証するわけではないけれども、経理分野の方面に就職する場合にある程度アピールできる形になっている状況にありますので、それらとの調整や住み分けを考える必要がありますし、またそれが国家試験でよいのかどうか、この点も1つの検討課題になると思います。ただこのような課題はあるものの、幅広く会計の一定の素養を持った人たちを社会に送り出すというねらいや方向性については基本的によいのではないかと思っています。

また、案2のところで、私はあまり長い期間を設ける必要はないと思いますが、翌年までに受からないといけないというのは少し厳しすぎるような気もします。この点は試験のレベルをどうするかということにも関係しますが、今までの案ですと、一段階目の試験は短答式、二段階目の試験が短答式と論文式ということになりますと都合3回受けることになります。一段階目の試験は現在のアメリカCPA試験に近いレベルというようなご意見もあるようですが、少なくとも二段階目の試験、特に論文式試験を相当ハイレベルな試験と考える場合には、もう少し余裕があってもいいのではないかという気がします。現在、短答式試験の合格もまた論文式試験の科目合格についても、その年を含めて3年間の有効期間となっていますので、試験のレベルをあまり下げないということであれば、有効期間についてももうちょっと幅があってもよいのではないかという感じはします。

それから、多少気になるのは、これも2月でしたか、報告させて頂きましたけれども、実務経験を求めた後に二段階目の試験を受験するという場合には、二段階目の試験の内容とレベルが現在の短答式・論文式と同様のものであるということになれば相当なハンディキャップになります。そのような場合には、結局、実務経験を2年、3年積んだ後また受験勉強をしなければならないということになってしまいます。そういう意味では、実務経験を積んだ後に更に二段階目の試験にチャレンジするというのは非常に特殊なケースという位置づけになるように制度設計を考えるほうがよいのではないかと思います。

以上でございます。

○岳野審議官

ありがとうございました。

島崎さん、お願いします。

○島崎委員

この資料1のとりまとめに向けてのたたき台で整理して頂いているところについては、基本的にこれでよろしいんじゃないのかなと思います。特に5ページから6ページにかけて書かれているところですが、一段階目の合格者数の難易度を少し検討するという点ですが、受験勉強の負荷を下げて会計という分野に、幅広くそういう人材を募るということは結構だと思います。それから母数をここで大きく拡げ、最終段階のフルスペックの公認会計士の段階ではぐっと絞り込んでいくとこういうことでよろしいんじゃないですか。その結果、会計という産業に有為な人材がチャレンジしてくるという仕組みになるのではないのかなと思います。

それから、マル2のところで書いていますが、これは松井委員のメモにもありますが、今までの会議で私のほうからも申し上げております点でもありますが、第一段階、第二段階のところで、それなりにふさわしい資格名称を与えるということをぜひともお願いしたいなと思います。名称をどうするかにつきましては、特にこれは前回の会でこのフルスペックでない会計プロフェッションに公認会計士という名称をと私は申し上げましたが、必ずしもそういう名前にこだわる必要はないのかなと。それにふさわしい社会からも受け入れられる名前であれば結構なのではないのかなと思います。

それから、公認会計士の数を増やしても、産業界があまり採らないからこういう問題が起こっているじゃないかということを何回か言われて、それなりに私も説明をしてまいりました。これについては産業界もそういう有為な会計プロフェッションを採用して、財務諸表作成とか会計の実務の面も含めて、質を高めていくということが大事だと思います。そういう観点から企業の新卒採用とかキャリア採用のスケジュールに合致したような形での受験のスケジュールなどを考えるとか、あるいは企業のほうでも、9ページのところに書いていますけれども、企業がそういうプロフェッションを採用しているというようなことを自主的に開示する、これ自主的にというところが非常にいいと思うんですけれども、そういうようなことも努力しながら、企業においてそういうことが促進されるような施策を考えていくというようなことを、企業のほうも努力しながら増加するプロフェッションを企業の中で採用していくということを続けていくべきだろうと思っております。

以上です。

○岳野審議官

八田先生、お願いします。

○八田委員

ありがとうございます。

今ちょうど2つ目の考えとして、島崎さんのほうから名称の問題も踏まえてお話がありましたので、それについて発言させて頂きます。

松井委員からの資料にもありますけれども、少なくとも、松井委員の案は、一段階というのはかなりの数を出して、それに資格称号も与えるというわけですけれども、基本的にこれは能力検定試験だというような意味合いが非常に強いわけですよね。私は、二段階、三段階の試験に進むときに、適正な人をだんだん見ていくという形では一段階が適性試験的なもの、能力検定試験的なものがあってもいいと思います。それは言うならば、例えば英語で言うならばTOEICとかTOEFLみたいなものと似ているのではないかと思います。そうした試験では得点制ということで、例えば100点満点で今回何点とったということで告知をし、そしてもし、その上の段階に進ませるための人数制限をしなければいけない場合には、そのときの問題の偏差値を見ながら、今回は何点までの人はいいですよというように決定する。それに引っかからない人はもう一回一段階から受けるということで再チャレンジしてもらう。私はそういう流れはいいと思うんです。

そのときに、何でそうした試験での一定以上の得点者に対して名称を一々与えるのかということについては賛同しかねるものです。松井さんの案を見ますと、何回も何回も受けるチャンスを与えてくださいということですし、そうした試験合格者に対して公認会計技能士という称号を付与するということのようですが、これは全く意味ないわけです。もしもそのようなことがまかり通るならば、例えば会計の世界で簿記検定試験がありますけれども、例えば1級の試験というのもかなり難しいですが、この技能士試験の合格者規模から見ると多分ここで構想されているものよりも1級のほうがはるかに難しいわけであって、例えば、あちらのほうに公認1級簿記士か何かの名称をつけたほうが信頼が高まるのではないかと思うわけであります。したがってこの段階では資格としての名称は要らないと考えます。

つまり一段階の試験の場合1,000点満点の820点とったということでいいわけです。そして二段階目のところの合格者については、従来の議論をある程度受け入れた中で行くならば、ここでフルスペックじゃないという用語を使われていますけれども、監査業務に特化はしていかないとか、あるいは企業内で業務に就くという形での方たちを想定しているようですので、恐らくここで議論になるのは付与すべき名称ではないかと思います。少なくとも我々知る限り、それからIFACの国際会計士連盟の教育基準の議論を見ても、公認会計士と名乗る者が監査をしない国はないということです。したがって、そういうのが日本でもし受け入れられるならば、まさにこれは国際的な対応から見て、言うならばかつてのレジェンド問題と同じものが必ず起きると思います。そうではなくて、早い段階でも申し上げたのは、公認会計士というライセンスは1個しかないわけです。更にそれよりも監査業務に特化した監査責任者的な資格を作るならば、公認会計士プラス上位の資格として公認監査士的な称号があってもいいのかなということは言えるかもしれません。

実はこれは1990年代にアメリカでも同じことが起きまして、公認会計士が数も増えてきた、そして監査をしない会計士も多く、一方で監査の質も高めなければいけないとの課題が示されました。あるいは更にいろんな領域に職域が広がらなければならないということで、名前を失念してしまったのですが、もう一個上位の資格称号を作るという動きのあった時期もありました。しかし、それは結局21世紀にエンロン事件が起きて頓挫しちゃったのです。

ただ、やはり数が増えてくると全体の質も下がってくる可能性は多分にあると思います。あるいは信頼をそいでしまう場合がある。ちょうど今回提案のこの資料の1でも、かなり厳しい現状認識が示されて、資料1の3ページ目に、監査の質の確保の懸念のところで、監査のできる公認会計士についてはとの文章がありますが、私は、当然に公認会計士は監査はできると思っています。そうではなくて、監査責任を担う会計士はという言い方をしてあげないと大変失礼な表現ではないかなという気がします。今よりも更にレベルアップするという流れ、そういうふうに考えますと、名称に関しては島崎さんとは対峙しますが、二段階目のところは、旧来もう何回も出ているように、受け入れ可能な名称は、やはり准会計士という呼称しかないのではないかと思っております。

以上です。

○岳野審議官

まだご意見ございますか。とりあえずできるだけ就職浪人を出さないようにというテーマの部分についてご意見を集中的に頂ければと存じます。

○土本参事官

1点、補足説明をさせて頂きたいと思います。

資料の4の14ページをお開けください。これは案の2の関係で用意したものでございます。14ページの上のヒストグラムでございますが、これは横軸は先ほどの一段階目合格して、短答合格してから論文合格するまでの年数でございまして、縦軸はその人数でございます。母数はすべての合格者でございます。浪人をして合格した人、それから社会人、それから一度就業してそれから浪人になって合格をした人全部を入れてございます。

人数の構成比の棒グラフでございますが、短答に合格したその年に論文に合格した人、いわゆる0年、当年と書いてございますが、これが全体の44.6%です。翌年までに合格した人が36.7%ということで、ここまでで約81.3%と。更に2年目で合格した人が11.1%でございます。3年以上かけてというところは、申しわけございません、データはございますが、本日はこういう形でくくってございますが、3年以上かけて合格された方というのが全体の7.4%というものでございます。

○岳野審議官

それでは、ここまでのところ、就職浪人をできるだけ出さない方策につきましては、また本日の事務局からご説明いたしました新しい提案につきましては、どちらかと言えば案の2であり、案の1を支持されるご意見はなく、案の2というのは。

失礼しました、増田会長。

○増田委員

今、お話途中で申しわけないんですけれども、松井委員から出されているこの資格の名称のところの二段階目に公認会計士という、実務経験を経ているからということだと思いますけれども、公認会計士の名称を与えるということについては、明確に我々は反対をしているということは申し上げておきたいと思います。公認監査士とか、公認会計技能士とかいろいろな名称をお使いになっていますけれども、現状のこれを国際的に見て翻訳した場合にどうなるのかということになるわけで、公認会計士というは、Certified Public Accountantですけれども、公認監査士という名称は、ドイツで使っている経済監査士という名称はありますけれども、そのぐらいしかないわけですね、国際的に見て。そういったこともあるので、これについては明確に反対をしたいというふうに思います。

それから、資料の3の実務経験についてのイメージだということなんですが、これについては前々から申し上げておりますけれども、国家試験としての最終的な監査ができる資格を与えるということではなくて、その前に与えてしまうと。つまり財務だとか経理とかそういう会計プロフェッションとしての資格ということで、次に実務補習を加えて履修するんだということだと思いますけれども、最終的に監査が独占できる公認会計士の資格を、あたかもこの実務経験が3年終わったというところで認めるという形になるんじゃないかというふうに誤解をするわけです。つまり国家試験で会計士の試験に受かっているんだから、協会で行っている実務補習の修了確認も100%受かって当然じゃないかというようなことを言われた方も従来おられたわけで、その中で今は協会で7割合格ということでやっているわけですけれども、この合格率に別に根拠があるわけでも何でもないわけですね。

それが2つ目ですが、就職浪人はできるだけ出さないと確かにおっしゃられるのは大事だと思いますけれども、基本的にまずこういう経済環境の中で、就職問題というよりも、我々は最初から申し上げていますけれども、公認会計士の資格が取れるということが大事であって、公認会計士試験は受かったけれども実務経験の場がないということによって、公認会計士の資格そのものが取れないというような制度が問題なんじゃないかということを申し上げているわけで、このところをどう考えるかということだと思いますので、就職問題は、これは我々会計士だけじゃなくて、先ほどお話がございましたけれども、一般の学生も当然就職できないような状況が経済環境によって出てくるわけですから、これについては大事だと思いますけれどもそれとは別に考えていく必要があるんだろうというふうに思います。

以上です。

○岳野審議官

いろいろご議論を頂いておりますけれども、とりあえずその幾つかある論点のうちの就職浪人をできるだけ出さない点についてということについて、ちょっと絞って議論をさせて頂きたいと存じます。

私どもの認識は、事務局の先ほどの資料の1をご覧頂きたいと存じます。資料の1の1ページでございますが、私どもといたしましても就職浪人とは何かということをもう一度確認しておきたいと存じますけれども、 I の1、試験に合格しても公認会計士となるための資格を取得できないこと、これが問題であるというふうに整理しておりまして、最終的な就職云々というよりは、公認会計士制度は実務経験を登録の要件としておりますので、こういったところが非常に分かりにくいわけでございますけれども、改めて1ページで整理はさせて頂いております。

そういった問題点につきましては、このページの真ん中でございますけれども、マル1有為な人材が活用されていないんじゃないか。あるいは経済社会の幅広い分野で活躍する監査と会計の専門家を確保していくというこの制度そのもののねらいができていないのではないか。司法試験のように国が司法修習をするという場を提供するという仕組みになっておりませんので、こういった試験に合格をしても、実務経験がなければ専門家になって頂けないという問題があるということでございます。ひいてはそういったことが試験資格制度の魅力が低下するのではないかということでございます。

そういった問題意識に基づきまして、次の2ページでございますが、個別に全部を読み上げは控えますけれども、2ページの一番下のところでございますが、就職活動に支障が出ないようにということ、これは要するに実務経験を得る機会を得るということが重要でございます。就職活動に支障が出ないようできるだけ早い時期での合格を促すとともに、早い時期に合格できない場合には、何年も何年も受験浪人を続けずに、まずは就職して頂いて、所要の実務経験を先に得ることを促す仕組みを備えた制度としてはどうかと、こういうふうに整理をさせて頂いております。

また、一たんそういう形で実務経験の場に出て頂くということになりますと、マル2に書いてございますが、監査業界、経済界等で働きながら、受験や合格後の実務補習の受講を含めまして、資格取得がしやすい制度とすることと、こういったことが必要なのではないかと考えておる次第でございます。

これまでかなり長い時間にわたりまして、この問題についてご議論頂きましてありがとうございました。これまでのところ、5ページをご覧頂きますと、先ほどご説明しましたように、この問題についてある程度議論をさせて頂いてまいりまして、整理されているものもございますが、5ページの一番下から括弧に入っている部分、マル1マル2、それからこの実務要件を課す課さないというマル3の点につきまして、大分突っ込んだ意見交換をさせて頂いたと思っております。これまでに頂いた意見を踏まえまして、最終的にこの辺をどういうふうに集約できるか少し整理をして、また次回お諮りをしたいと考えております。

増田会長、どうぞ。

○増田委員

先ほどの話の追加なんですけれども、現状、昨年この懇談会が始まったときの未就職者は800人ぐらいいたわけですけれども、今は600人ぐらいになっている状況にあります。これは平均したら1日に1人ずつ減っているんじゃないかというようなことを言っていますけれども、そういう状況にあるわけですが、問題は急速にこの合格者が増えたことで、従来の旧制度に比べまして2倍半になったことです。そこにまず問題があったわけで、受験生についてはこの懇談会の最初のほうで審査会からお話し頂きましたけれども、5割増しぐらいにはなったと、前より5,000人増えたということでした。1万2,000人ぐらいが、1万5,000人から1万6,000人に増えたというお話がございましたけれども、それらは約5割増しなんですけれども、それに比較して合格者は2.5倍になったと、あるいは2倍になったというようなことが続いたわけです。そのために実務経験を得る場がなくなったということであって、徐々に解消はしてきているんですけれども、急速な合格者が出ますと、同じような問題が今後も出るということを申し上げておきたいと思います。

○岳野審議官

八田先生、どうぞ。

○八田委員

今、岳野さんがお読みになられた2ページですけれども、この下のところの就職浪人を出さないための方針について、これらを制度設計の基本方針とするというところですが、マル1の認識につきましては、少なくとも教育の現場にいる者から見ると、こういう認識ではないと思います。つまり受験浪人を続けずに、早い段階で合格できない場合まず就職しなさいということですが、こういう意識は少なくとも受験に目覚めて頑張っている人たちの意識の中には絶対に起きないということです。絶対というのは言い過ぎかもしれませんが、少なくともほとんどの学生はそのように考えないということです。したがって、私は今増田会長が言われたように対症療法かもしれませんが、今未就職になっている状況の人たちをどうやってまず企業等で吸収していくのか、そしてあとは全体的な調和の中で合格者数の適正規模というものが念頭に置かれるならば、それほど大変革をしなければならないような制度改革は必要ないのではないかと思います。

いつもいつもこういった就職浪人の問題があるのかというと、これは他の職業のところでも同様の問題が発生しており、一般の学生も、今は氷河期以上の厳しい環境にあるわけで、たまたま日本の経済がそうだということですから、これは政治のほうで成長戦略を通じてちゃんと施策を講じて頂くことで解決できるわけで、もしも現在の未就職問題が本当に国家的損失だと言うならば、例えばよく企業でハンディキャップの方たちを受け入れるという制度の中に、助成金とか補助金というのが企業に出され、あるいは一定の数を要しないとサンクションが与えられるというのがあるように、例えば上場会社等において、そういった専門職の方たちを受け入れて、そして実務経験も施せるような企業に対しては、所定の何か対応をしてもらえるならば、十分にその部分は解決できるのではないかなという気がするわけです。これはもう政治の力を借りないといけないので、田村政務官等のお力しかないと思っておりますけれども、そういったことで、せっかく政治主導でこの会が開かれているならば、その辺の意気込みというのも教えて頂きたいと思います。

○土本参事官

意気込みの前に、事務局からのコメントでございます。

資料の1の2ページをお開けください。上から2つ目のポツの「なお」というところで、先ほどの合格者数についての事務局なりの現時点での整理でございます。就職浪人はもともと合格者が増え過ぎたからということで、合格者数を減らせばいいじゃないかというご批判をよく頂きます。それで、我々の認識としましては、求人数、特に合格者がみんな望んでいる監査業界の求人数が1年程度で半減をするという非常に大きく変動しているということで、ある意味数年先の求人ニーズ、このあたりもこの懇談会でも4大法人の理事長の方々に来て頂き、また個別にいろいろインタビューをさせて頂きましたけれども、なかなか数年先の求人ニーズを予測することはどこの法人の方も難しいと言っておられて、かつなかなか経済の関数ですので変動するということでございます。他方で、学生は数年前から準備を始めないといけないというあたりが一つ難しいのかなということでございます。

ある意味中長期的に専門家を育成する必要がございます。かつ国家資格であるということを考えますと、合格者数あるいは合格基準が年によって変わると、ある程度変わるというのはあるのかもしれないんですけれども、需給に合わせて変わっていくというのは難しいんじゃないかなということで、逆にまた求人数を大幅に下回るような水準まで下げていくという話になりますと、非常にまた難しい試験になって、更に高齢化が進んでいくということもございますので、確かにこの問題は合格者数から始まっておりますので、合格者数をどうするかというのは非常に大切な点であると思いますが、他方で合格者数だけで現在の問題が解決するとは思えないという前提でございます。

○田村座長代理

大変大所高所からのご質問を頂きました。

確かに未就職問題を解決すると、そのために規制かどうかというのは見方によると思いますけれども、先生がおっしゃるお気持ちも分からなくはありませんが、もちろん、その企業がより多くの学生を採用すると、それはまさに先生がおっしゃったように新成長戦略等を通じまして、日本の経済の発展のためにあらゆる面から全力を尽くすというのは、そこは当然でありますが、例えば実務経験のそういう義務づけということに関しては、そこはまた中身の議論というのはあまりされておりませんけれども、私は個人的には海外なども参考にしながらある程度幅広いものにするほうがいいのではないかというふうに個人的には考えております。ある程度広くしていけば、それが強制という強制、学生の自由を縛るというものではなくなる、そういう意味合いは抑制できるんじゃないかなというふうに個人的な考えもありますし、そこは一方で何となく漫然と勉強して結局就職しないという人もいる、そういった人にはある程度就職を促してですとか、あるいはあくまでも個人的な考えですけれども、そういう実務経験のその定義を広げてきた場合に、今より企業も採りやすくなって、そこは決してセーブ、強制するわけではありませんけれども、そういった流れになっていけばいいなという希望もございます。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

今、土本参事官からお話ございましたけれども、我々は合格者を激減させろと言っているんじゃなくて、通常考えられるぐらいに増えていくのはいいだろうと思っているわけであって、受験生が倍増していないのに合格者は2倍半になったということを申し上げているわけです。

それとここに書いてある監査業界の求人数は、1年で半減したというふうに書かれていますけれども、多数の合格者が出る中で、それなりにできるだけ多く採用して頂いたわけであって、決して喜んで採っているわけじゃなくて、その証拠に翌年は非常に採用者が減っちゃうというわけですよね。そういったこともあって、この辺はちょっと誤解があるんじゃないかなと思うんですけれども、山崎さんちょっと補足を。

○山崎参考人(日本公認会計士協会副会長)

データがこの資料の4にあるのかどうか分からないのですが、もしないとすれば次のときには入れて頂きたいんですが、監査法人は、一時15年の試験制度の改正の後、合格者が増えてきたときに、いろいろなことも考えてかなりオーバーペースで採っているわけです。その後、もうそれ以上採れないという状況に至ったのに今度は3,500人という話になってきて、これはとても採れないという話になっておりますので、ただ単に監査法人が経営的に増やしている、減らしていることでは全くありません。それは誤解のないようにお願いいたします。

いわゆる経済界の実情を無視したような形で、何年に何人にするというふうなことの目標を立てて、その中で合格者を増やしていくという考え方がおかしかったのであって、経済の実情、監査業界の実情あるいは会計士に対する一般社会のニーズというものを考えて徐々に増やしていくというふうな常識的な対応をしておけば、ここでこういう議論をする必要は全くなかったのだと私は個人的には思っております。

○岳野審議官

井上さん、お願いします。

○井上委員

非常に就職浪人の問題が出ておるわけですけれども、先ほどからお話があったように、ともかく急に増やし過ぎたというところが大きな問題であって、世の中の景気が非常に悪くなっている。一方において悪くなっているにもかかわらず逆に増えてしまったということがこういう問題になっていると思います。ですから、これをいかにして吸収していくかというのはこれからの課題だろうと思うのですが、今後の問題としては、先ほど案の2に出ておりましたようにこういうシステムを採用して頂いて、合格者数を、コントロールしていくかということが大事ではないのかなと考えます。

ということと同時に、一段階目で合格された方々が二段階ですぐ合格できなかった場合には企業に就職をするというような考え方を持たせ、企業で勉強するなり、また企業会計の向上のために役立つような人材として育ってもらうということも非常に大事なんじゃないのかなというふうに思います。中小企業では、会計士を雇う金銭的な余裕が当然ないわけですが、中小企業又中堅企業を、しっかりした企業に育て上げていくような考え方を持った会計士を育成してもらうことも大事だと思います。

ともかくこの就職浪人の問題は非常に大きな問題になっておるように思いますけれども、こういう時期でもあるので、その解消をまずいかに早くするかということは、合格者の数をまずは少なくしていくというようなことに尽きるのではないのかなと思います。

○内藤局長

ちょっと私のほうから、ややイレギュラーかもしれませんが、ちょっとお話をさせて頂きます。

先ほどお話がございましたけれども、2ページの就職浪人を減らすために云々ということでマル1マル2マル3と書いて、この点が少しお話ございましたけれども、私どもの認識は、就職浪人という問題と、受験浪人というふうなものについて、受験浪人というのは必ずしも就職浪人というのと同じではなくて、受験勉強を目指すために、仕事を、就職をせずにずっと勉強していくと、このままいつしか年齢を重ねていくという人たちですね。これは、概念的には図の中のベースの人たちなんですけれども、さっき資料もご覧頂きましたように、どうしてもその受験浪人を続けていくことで年齢が高くなって、そこで合格をしても就職ができないということで、そういう意味においては関連性が非常にあるんだろうというふうに思うんです。

それで、更に広く見れば、この受験浪人という人たちは、あるいは就職浪人という人たちが、社会的にも何がしかこの制度的にも考え方を変えて新たな制度ができるものであれば、少しこれを補強して改善をしていくべき、そういうものではないのだろうかと。

それと、狭い問題としては、就職浪人という人たちがおられて、この実務経験を経なければ公認会計として資格取得ができない、こういう問題と、これはかなり重なってはいますけれども、同じ問題ではないですけれども、また全く違う問題でもないと、こういうような認識をしております。

それで、先ほど監査法人の採用の問題と合格者の増え方の問題と、これはいろいろ要因がありまして、いろいろと合格者もかなり増やしてほしいという要望も現実にありましたし、あるいは国際会計基準を導入するとか、内部統制とかさまざまな会計ニーズというものがあって、それで世の中全体が増やしていかなければいけないと、こういう流れになったことは事実だろうと思うんです。ただ、現実の数字がよかったかどうか。あるいは現実のその経済状況の中にあったかどうかというのはいろいろご議論があるところだと思います。我々もいろいろとこれを検証しなければいけない問題だろうと思います。

ただ、この何年間の経験で、現実の監査業界の採用人員であるとかそういうニーズというのは景気に全く無関係、できるだけ安定的になってほしいというのは我々も強い気持ちを持っていますけれども、全く無関係であるとは言えない。

他方、公認会計士の国家試験というのは、ここにも書いてありますように、中長期的な今後の日本の会計問題というのを考えていくという中で、そう目先目先で変更していくべきではない。もちろん、基本的には抑制的に運営していくということになるかもしれませんけれども、そういうようなそれぞれこの考え方が必ずしも同じ問題ではないという中でどう考えていくかと。

その中でこの受験浪人、現実的には受験浪人を出さない、あるいは就職浪人を出さない方法としてということで、先ほど案の1、案の2ということをご議論頂いたわけで、本来であれば今の現行のように、自由に一段階目といいますか、短答式と論文式を受けて頂くというのが理想なんですけれども、その中で現実的にいろいろの問題が起きているという、これをどう処置していくのかということでの処方箋というものの一つが、この今の改善案だというふうに私は理解をしております。もちろん、もっといい案があるかもしれませんので、仮にそういうものがあればぜひお示し頂ければと思います。ですから、こういう制度になると一番考えなければいけませんのは、プリンシプルのところにも書いてありますけれども、この試験を受ける人たちの立場になって制度を設計するというのが基本中の基本だろうと思います。

ですから、仮にこの実務要件というのを何らかの形で早い段階で求めるというのが、極めてこの受験生にとって意気を消沈させるようなことにもなってしまうということになりますと、これは考えていかなければいけない。ただ、現実的に就職浪人、受験浪人という問題についてどう考えていくかという問題がまた別途あるという中での一つのご議論ではないかなというふうに考えております。

○岳野審議官

八田先生、お願いします。

○八田委員

何回もすみません。私は、巷間伝えられていることからも、日本の監査業界の今の姿についてもう少し悲観的に感じています。

山崎副会長は、これまでの時の中でだんだん増強して合格者を採用してこられたとお話しされていますが、これについてはかなり無理をして採ってこられている姿を見てとることができるように思われます。それはたまたま内部統制特需があったり、あるいは四半期開示特需と言っていいのかどうか、そういった状況に裏打ちされたためにそこそこに採用できたと思うのですが、私は数回前の懇談会でも申し上げたように、歴史的にもあるいは制度的にも法定監査に特化している領域というのは、市場がいつも飽和状態で、大体マーケット全体でのパイが決まってまっているわけです。ですから、そこから脱皮して活躍の場を広げるなり、あるいは今回の資料の3ページ目に出ていますけれども、いわゆる会計監査領域、あるいは監査法人と具体的に言ってもいいですけれども、そこの業務領域がいかにして拡大するような方向性を容認するというか、あるいは認知するというか、そういう方向があるならば、私は今回の600名とか800名といった未就職者の問題は一気に解決してしまうのではないかと思っています。簡単に言うならば例えばコンサルですね、会計知識に根差したコンサル部門という領域をかなり真正面から実施可能であるというような施策を講じてあげるならば、私は十分に吸収できるのではないかと思っているわけです。

ただ、またこれトレードオフの関係で監査の質も強化しなきゃいけないという課題もあります。監査法人という監査に特化した業務をしつつ、更にその中身を厳格にしろということから、あまり非監査サービスとかコンサルをやると質が薄まるからだめだよというような流れが、平成12年から14年の複数の会計不正事案が生じたときにはそんな流れもあったように感じますので、そこをちゃんと仕分けしてあげないとなかなかうまくいかないんじゃないか思います。

先ほど内藤局長が言われたように、経済と関連性がないとは言えないとおっしゃっていますが、私はほとんど99%有意の関係で経済の力、あるいは拡大の方向性と監査領域ないしは監査業界の受け入れキャパシティーというのは、日本の場合は残念ですけれどもそういう方向になっている。ちなみに、今我々の耳に届いてくるのは、経済低迷下の今、監査業界はかなり厳しいダンピングが始まってきているということです。いわゆる監査報酬の値下げ競争が始まってきている。これは結果すると、非常に質の悪い監査になってしまう。また問題が起きるのではないかというような懸念を持ちますので、やはり監査業界をちゃんと正しく育て上げるような方向性を今回の見直しの中にも忘れないで入れてほしいと思います。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

何回も何回も申しわけないんですけれども、今回の事態で、受験生の意識を変えたらどうかという経済界で働く道があるよということを言ったらどうかという話もございました。確かにそれはあると思います。

それから、もう一つは、やはり採用する側の企業側に対しても同じことが言えるわけで、意識の改革をして頂かなくちゃいけないということなんですけれども、そういった体制を含めて考えていかなきゃいけないわけであって、急激に増やすということになりますといろんな問題が出てくるわけです。

例えば、公的な機関においても採用して頂ければ、これは業務補助とか実務従事に該当するわけですから、その道もあるわけですけれども、残念ながら日本の公的機関においては、なかなか採用して頂けないということなので、そういう意味じゃ採用する側の意識の問題も当然あるわけで、それを一挙に試験制度を変えて増やすということになりますと、先ほど申し上げたようにいろんな問題が出てくる。

我々も合格者が5割増しぐらいのことは考えていましたけれども、2倍半とか、そこまではなかなか考えられないわけですから、その辺が今回の問題になっているんじゃないかなということであって、我々としますと、確かに会計士の数が増えていくということは非常に望ましいことですし、我々は望んでいるわけで、別に増やすことに反対しているわけではもともとないわけです。現在、4月末現在で2万人ぐらいの会計士の数はいますけれども、そのうち企業の監査等に従事している数というのは半分以下なんですね。そういう状況なんで、決して監査業界だけで考えなきゃいけないということではないと思っていますので、その辺誤解のないように、監査業界はみんな会計士業界は増やすことに反対なんだと、そんなことはないんです。ただ増やし方をどう考えるかということを申し上げているだけなんです。

○岳野審議官

島崎さん、お願いします。

○島崎委員

今、増田先生のおっしゃったことについて、私はそのとおりだと思います。今のこの制度を変えて公認会計士の数を増やすというときに、いろんな目的というかねらいがあって増やしてきたと。これについては全く異論のないところなんですが、新しい試験制度で合格者を増やした後、今増田さんがおっしゃったように、例えば産業界、一般企業での就職活動を促進するという議論がどの程度されたのか疑問です。ただ、企業のほうは自然発生的というか、必要に応じてこの5年ぐらいで企業の中に公認会計士の資格を取った人が増えてきているという事実があります。実際調査すると相当増えてきていると思うんです。これは全体の母数、合格者が増えたから企業内公認会計士も増えているわけで、もう少し企業の採用活動に合わせた試験制度を考えるとか、受験生に対してもう少し、意識が変わるような啓蒙的な活動をすることが必要であります。企業の人事担当に対して働きかけも少し欠けていたんだろうと思います。又、企業のサイドの努力も欠けていたと思いますので、今後は、先ほど申し上げたような努力が同時に必要です。会計プロフェッションのボリュームを増やしていくということが、我が国の会計という産業を成長産業にしていくということになるわけで、いい人が来なければ企業も困るし監査法人も困るんだろうと思います。人数を減らすことが目的ではないとおっしゃっておられたので、私はそれはそのとおりだと思います。

それともう一つ、この資料4の5ページのところ、合格の年齢別の内定状況の資料で、この既卒業者の内定が、年齢が高くなるほど内定が低くなると、これは当たり前だと思うんです。例えば大学を出て、二、三年で合格できずに何年も勉強だけやって、30を越えて受かりましたという人は、恐らく監査法人も採らない。企業だってその7年間その人が企業の求める経験をどれだけ積みバリューが上がったのかとなると疑問が出てくる。受験勉強して知識を覚えただけなんですよね。そういう面では若い段階で第一段階をクリアして、企業の中で働きながら更にその上をチャレンジしていくという仕組みがないと、この未就職問題というのは解消できないと思うんです。この未就職の方が、先ほど800人から600人に減ったと増田さんがおっしゃっていましたね。600人残っている人はどういう人なんだ、どういう人が残っているんだと。要するに多分なかなか就職できない人が残っているんですから、合格したけれども就職ができない共通した問題があるんだろうと思います。だから、今考えている案は、そういうことを少しでも改善するような案になっているんだろうと思うので、基本的にはそういう方向で考えていくべきだと思っております。

○岳野審議官

それでは、大分時間もたちまして、私どもとしては、とりあえずその就職浪人をなるべく出さないようにするという論点についてのご議論をお願いしてまいりましたが、これまでの意見の中でもその他の論点、例えば資料1の6ページでございますと、2番で「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」に係る資格制度についての論点。6ページの(2)、下のほうに基本的な枠組みということを掲げさせて頂いておりますけれども、こういった基本的な枠組みについてどうか。それから、7ページの途中に括弧でございますけれども、これは前回から議論になっておりますけれども、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」の名称の問題、これは引き続き検討しているといったところの論点、それから7ページ3の「フルスペックの公認会計士」に係る資格制度について、例えば修了考査の合格率を下げていくといったような方向性についてどうかといったこと。あるいは8ページでございますけれども、4番、資格取得後の質の確保につきまして、継続的専門研修の拡充といったような論点がございます。こういった点につきまして、範囲を広げましてご意見を頂ければと存じます。

それでは、大崎さん、お願いします。

○大崎委員

ありがとうございます。

私、このとりまとめに向けてという文書に書いてあることの内容について、基本的によくまとめて頂いていると思うんですが、2点ちょっと申し上げたいことがございまして、1点は、今お話のあった7ページの「フルスペックの公認会計士」の質の向上や実務補習の実効性確保の観点から、修了考査の合格率を下げることとするという記述についてですが、私は新たにそのフルスペックでない会計のプロフェッショナルにもきちっとした資格を与え、会計士協会への加入義務づけまでもしっかりやっていくということになれば、それはある種社会的に認知されるわけですので、それを前提とすればフルスペックの公認会計士の数が、現在の最終合格者数よりも減るということ自体は、やむを得ないというか、むしろ質の向上維持という観点からすれば当然のことなんだろうと、そこは全く賛成なんですが、ただ、合格率を下げることとするという言い方はちょっといかがなものかというふうに思いまして、まさに先ほど来出ていたような、人数をとにかく減らしたいのかというふうに受け取られかねないことだと思いまして、私は修了考査の合格判定を厳格化するというような形で、とにかく質を高めるんだということを強調すべきではないかと思います。

それに関連してですが、名称についていろんな話が、これはもう前からも出ておりますけれども、先ほど八田先生からあり得るとしたら准会計士だろうというお話があったんですが、私、これは前にもちょっと申しましたけれども、准とか補とかそういう何かちょっと欠けているという感じのある名称はあまりよくないのかなと。ただ、私も前、公認会計士だということを申し上げましたが、しかしいろいろなお話を伺っておりまして、特に国際的整合性の観点からそれは問題だというようなご指摘については、全くそのとおりなのではないかという気もいたしますので、例えば全くの思いつき程度でございますけれども財務会計士とか、何かきちっとした職業的地位を示すような名称、何か更に上に行かなきゃいけないという感じがない名称にとにかくするべきではないかなという気がいたします。

○岳野審議官

それでは、太田さん、古賀さんと上柳先生から手が挙がりましたので、今申し上げました順番で太田さんからお願いいたします。

○太田委員

ありがとうございます。

全体についてのお話をさせて頂くと、9ページあたりに何回か出てくるんですけれども、下のほうですけれども、2つのプロフェッショナルという定義をして頂いていまして、この議論の目的としては2つのプロフェッショナルを作っていくという考え方が明確に出ていて大変結構だというふうに思っております。

それで、今の9ページの下のほうに企業側の努力というようなことがありまして、これも前からお話ししているように、企業としても努力が足りなかったところは対応していく必要があろうと思います。ただ、そのやり方としてはいろいろ幅広く検討するということでよろしいと思いますし、当然ですけれども自主的な努力ということは必要だろうと思います。

たまたまそういう季節ですからちょっと思いついて申し上げるんですけれども、有価証券報告書の中のこの財務パートの中に、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組みについてという記載事項があって、ここが目指しているところはもっと非常に特定の何か研修を受けたか受けないかみたいなことを書きなさいというようなことの趣旨になっているのかもしれませんけれども、こういうところを活用して、会計士というんでしょうか、今議論されているような資格を持った人が、企業の中で監査業務に従事しているあるいは関与しているというようなことを、企業が自主的に開示していけるというようなことも一つの方法だろうというふうに思っております。

一方、2つのプロフェッショナルというのは非常に重要な話でありまして、出口が明確になって、それで最初から会計プロフェッショナルを目指す人たちが、2つの出口を勘案しながら受験をしていくというようなことが重要であって、一つの出口しか、監査だけをゴールにした方たちが受験をしていると、一定の期間を経て試験が通らないので実務経験を企業で積んでというと、これは企業から見るとミスマッチなんですよね。何年かして受かったからやめますということになると非常にミスマッチだし、ご本人たちの目指している方向ともミスマッチになるということなので、2つの方向、2つのプロフェッショナルを明確にして、出口を明確にした上で、まず企業から入っていく人もいる、将来はそこから更に上のプロフェッショナリティーを求めていくというようなことでよろしいんじゃないかと思うんです。フルスペックとフルスペックじゃないという意味で申し上げているんですけれども、ぜひそういう方向の議論、あるいはそういう方向の制度設計にしていく必要があるなと思います。

どなたかもおっしゃっていましたけれども、この議論の出発点は、日本の経済を、競争力というんでしょうか、日本の経済の競争力でもあり、資本市場の競争力でもあり、そこでその資金を調達する企業の競争力でもあり、またそれを適正性を担保する会計プロフェッショナル、監査を担当して頂く監査業界のプロフェッショナルの集団の競争力でもあるというようなことだと思うんです。ですから、その監査をやるプロフェッショナルの集団の競争力だけが強くて、活躍する企業なり資本市場が弱ければ、それは全く意味がない話なので、全体を強くしていく、2つのプロフェッショナルを育て全体を強くしていくというここが基本だと思っておりますので、ぜひそういう方向の議論をしていきたいなと思います。よろしくお願いします。

○岳野審議官

ありがとうございます。

それでは、古賀さん、お願いします。

○古賀委員

この場でよく出てくる名称論議ですが、公認会計士というのが世の中で非常に定着しているだけに、現状を前提にした議論と、これからは、変えるんだからというのでする議論とが、少しコンフューズしているような気がいたしております。多分ここでフルスペックとかそうじゃないとかいろいろおっしゃっているの は、公に認められた会計に対するプロフェッショナリティーが一定レベルだと公に認められた人と、それを獲得したうえで更に独占的に監査証明に携わる、そういう権能まで持った人、多分その2つの範疇なんだろうという気が私はいたします。だから、議論するときには、むしろ公認会計士という言葉を使わないで定義するようなことを一回しないと、何か絶えず議論の途中でコンフューズの連続になっているんじゃないかというのを非常に危惧しますということだけ申し上げておきたいと思います。

○岳野審議官

それでは、上柳先生、手が挙がっておりましたので、それから次、石川先生、次にお願いいたします。

○上柳委員

すみません。今日の資料1でいいますと、この3ページから4ページにかけてのところが大事だろうというふうに思います。一つは、監査、日本の監査の質というのをきちんと担保する、あるいはそれこそ最近の事象、いろいろ事件はありますけれども、それが全部会計士さんの責任というわけではありませんが、いろんなことを見抜くという力を更に担保するということが必要だと。

もう一方では、3ページの下のほう、(2)のところに書かれているところですけれども、もっと広く財務会計なりについて数字がきちんと見られて、しかもそれをきちんと表明できるという方々がたくさんのところにいるというふうになれば、これは監査自体の質も高まるでしょうし、それからもともと金融庁がなぜこれをやっているのかということでいえば、資本市場の確立なりあるいは投資者、消費者の保護だと思いますので、そういう意味で監査の専門家の方がきちんとする。その人たちについての監督はきちんとする。一方で広く財務関係の専門家の方々がもう少し増えると、数の感じとしてももっと増えていくということが大事なんだろうと思っています。

そういう意味からいうと、2つ目の(2)のほうを言われる方は、私は准会計士という名前がいいのではないかと思っていたんですが、別にお隣に座っておられるからというか、あるいは松井さんが今日見えていないからということではなくて、松井さんの説よりは大崎さんの説のほうが、もしどちらか選べと言われたら財務会計士という名前のほうが抵抗が少ないです。かつ、これはもう自説に固執しているだけですけれども、准会計士になるためには必ずしも実務経験を求めなくてもよいと、先ほどのペーパー、資料2なり、資料3の案の2のほうですね、ということで、二段階目まですぐに合格された方についても准会計士としてよいと。その一段階目と二段階目の間に時間を置かれた方は、実務経験を経て、それで科目合格を重ねていくということで、その方ももちろん准会計士になって頂いていいというふうに一応自説は思っております。

それから、最後もう一つだけですけれども、先ほど太田委員もおっしゃったような気がするんですが、資料1でいいますと9ページの下から2番目のポツのマル1のところというのは、工夫のしどころがあると思います。具体的には企業の開示というか、有報ということになるのかも分かりませんけれども、そこに公認会計士さん、社内にいらっしゃる公認会計士さんの数であるとか、あるいは准会計士ないし財務会計士の数を、ある方は付記するというような形で、投資者なりあるいは消費者のほうからもその企業の質が見やすいようにするというのが一つの施策ではないかと。そのほかもっと根本的なことはいろいろあると思いますけれども、そんなふうにしていけばというふうに思います。

以上です。

○岳野審議官

ありがとうございました。

それでは、石川先生、お願いいたします。

○石川委員

これまで示されている委員の先生方のお話と大体同じような方向なんですけれども、途中段階の資格というか、要するに「准」とか「補」という言葉を付した資格名称に関する話なんですが、レベルの高い会計の素養を持った人たちを会計専門家として幅広く社会に送り出すというのと、その中でも特に監査についても高いレベルでそれを担える公認会計士というか、監査に特化した公認会計士を育成するという2つの課題があると思いますが、2つのプロフェッショナル、そういう複線化というのを踏まえて考えるならば、准会計士とか会計士補という資格名称は途中段階の資格であるというイメージがやや強すぎるものであり、あくまでも個人的な意見ではありますが、あまりよい名称ではないという感じはします。

したがって、途中段階とか、フルスペックではないという点を強調しすぎるよりも、それが1つのプロフェッショナルなり、1つの完成品というか、そういう形の資格名称を工夫し、その上でプラス監査も担える公認会計士なのか監査士なのか分かりませんけれども、プラスアルファというような形で、そういう位置づけの名称なり資格の位置づけがよいのではないかと思います。そうすれば若い人たちも幅広くそこにチャレンジしていくのではないかという印象を強く持ちました。

以上です。

○岳野審議官

八田先生、お願いします。

○八田委員

大前提がまた崩れてきちゃっているという気がするのですけれども、これまでの懇談会では、常に一系統二段階というこういう大前提があったわけですよね。したがって、フルスペックでないということは、明らかにこれは中間生産品であって、その呼び方が、補がつくからとか准がつくからといって、実際に名前は何でもいいとは思うのですけれども、そうした呼称に対して一々抵抗されていたら一系統の議論が成り立たなくなってしまうのではないでしょうか。

したがって、先ほどの9ページのところで2つのプロフェッショナルだという記述もありましたが、私ども少なくとも会計とか監査で議論してきたときに、会計プロフェッションが2つあるということをどうやって説明するのか。こんな議論はおよそ信じられないわけです。そもそもがプロの世界の話であって、ただその中で更に上位の監査業務に携わるということに対しての品質上の保証をさらに加えるということはあってもいいと思いますけれども、その前の段階で何か完成版のような形の公認会計士の称号を与えるなんていうことは、ゆめゆめ考えられないということです。

どうもそういった議論をこれまで見てみると、島崎さんもそうですけれども、企業に関わっている方々、あるいは経済界の方々が、今財務とか経理におられる方たちが、更に勉学をしていってそのフルスペックじゃないところに向かったところに名称が欲しいという希望をお持ちただということのようです。どうもそういう意向が非常に強いわけであって、そういう人をどんどん採用しましょうというわけじゃないのですね。ただ、卑近な言葉ですけれども、何か資格を示す名前が欲しいということのようですが、それは別に今回の制度とは違うところでやればいいのであって、今回の制度にその話を持ち出してくると、先ほど古賀さんがおっしゃったように、どんどん話がコンフューズしてしまってよく分からなくなるわけです。

ただ、私は、准だとか補だとかというのが悪いという意識は持っていないわけであって、例えば大学でも最近は助教授のことを准教授と呼んでおりますし、それだから嫌だという人も別にいませんし、更にその上を目指して役割を担っていくということがあるわけですから、私自身、准会計士という言葉を提案したわけではありませんが、かなり早い段階ではこの言葉がもう当然であるかのようにこの懇談会の中に出ていましたから、2回前の懇談会の時に報告された会計大学院関係者の議論においても話しが出ましたが、それは准会計士というものを前提に議論していますので、それを忘れないで議論して頂きたいと思います。

最後に申し上げますが、ゆめゆめプロフェッションが2つあるという理解に対しましては断じて反対いたします。

○岳野審議官

増田会長、お願いします。

○増田委員

すみません、何度も何度も。今の八田さんの意見ですね、私も賛成で、一系統二段階という話でやられるということを最初にお話を頂いたので、そういつもりで議論をずっとしてきているわけです。だから、2つの会計プロフェッションってこれはどういうことになるのかなと、別の資格をそれじゃ作っていくのかという話じゃないですよということだったと思うんですね。だから、フルスペックじゃない会計プロフェッションというこういう言い方をされているわけですから、私はそのように理解をしております。

ただ、先ほど申し上げたように、できるだけ早い段階で就職できるようにするためには、試験を行う時期だとかいろんな問題があると思いますし、先ほどの、受験生だけじゃなくて経済界等の意識の問題もある。これについては黒田さんちょっと補足してくれますかね。いろいろやっているわけなので。何もやっていないわけじゃなくて、協会としても。

○黒田参考人(日本公認会計士協会副会長)

黒田でございます。やはり経済界においていかに活躍をしていくかということで、昨年からいろいろ活動領域の拡大ということで議論もさせて頂きましたし、公認会計士協会としても今後一定のアクションプランの中で具体的な活動をしていくと、こういうことで今進めさせて頂いております。

それから、15年改正で公認会計士とは何ぞやという議論が初めて行われ、私どもの公認会計士法第1条に使命条項が入って、そこで、公認会計士とは監査及び会計の専門家ということで60年近い歴史を踏まえて定義がされたところでございます。監査実務の経験がないという、そういった人をプロと呼ぶのかどうか、会計の知識はあったとしてもそれがプロフェッションかどうかというのは別の議論でございまして、したがって、途中段階のところで公認会計士の資格を付与するということは、15年改正で歴史を踏まえて議論されてきた一つの概念と全く整合しないというふうに考えております。

以上です。

○岳野審議官

車谷さん、お願いします。

○車谷委員

公認会計士という名称が社会的に定着しているということは一つの事実だと思います。従って、呼び方はいろいろな意見があると思いますが、古賀委員がおっしゃったようにコンフューズしないような名称を確りと決めていくということではないでしょうか。一系統二段階という議論が出ておりますけれども、今回の議論の一つの柱として、企業の財務の質の向上ということがあったと思います。そういうものを担っていく人材としてふさわしい名前のつけ方というのは、十分に工夫ができるのではないかと思っております。

それから、先ほどから八田先生等から企業の採用の問題について随分と意見が出ておりますが、例えば、私どもの社内で考えてみますと、採用の増加だけではなく、現行の会計士試験制度で受験する人も増えてまいりまして、非常にそういう人材は増えていると感じております。財務の質の向上というものに貢献していくという観点から、こういった流れは、個人的にはとても良いと思っております。上場会社が数千社ある中で、非常に大きな会社だけではなく、それ以外の一定規模以下の会社がそういう人材を採用しないという問題を、就職浪人の問題も含めて解決していくためには、先ほど太田委員からもご意見ありましたが、有報に書けるとか、もう少し何か、そういう人を採用して財務の質を高めていくことに対するインセンティブを持つような制度にしていくと、就職浪人も減り、全体の目的が達成できるのではないかと思っております。こういった点を是非工夫をしてはどうかと思います。

以上です。

○岳野審議官

それでは、島崎さんと大崎さんから手が挙がっております。島崎さんからお願いします。

○島崎委員

公認会計士の使命については、前のこの資料にも書いていますけれども、この監査証明業務以外の業務、企業などにおける専門的な実務の担い手として経済社会における重要な役割を期待されている。こういうところを考えて法改正されたわけで、現に企業で働く公認会計士の人たちが、必ずしもその監査業務を目的としないというところから議論がされてきたと思うんです。そういう意味において、企業で会計プロフェッションとして働いている人が公認会計士でもいいと思うんですよ。監査業務をやっている人が公認会計士として更にプラスアルファでもいいんだけれども、逆に先ほど八田先生等がおっしゃっているように、公認会計士という名称が国際的な他国との関係において、CPAというものについて一般的に使われている使い方を考えると、監査業務をしないプロフェッションに対してそこまでつけるのはどうかという議論になると思うんですが、この会計士法の改正のときの趣旨は、企業における実務の担い手ということも十分念頭に置いて人数を増やすということだったと思います。それがなかなかそのとおり行っていないというから今回の問題だと思いますが、それは先ほど来繰り返しになりますけれども、もっと企業に入っていきやすい、企業において働きながら受験しやすい、そういうような仕組みを考えて、会計に携わる専門家の裾野を広げていくことが必要です。これは将来の日本の会計の、資本市場の担い手である会計人の質と量を拡大充実し、経済の発展につながるという位置づけで物事を考えるべきではないかなと思っております。

○岳野審議官

それでは、大崎さん、お願いします。

○大崎委員

先ほど八田先生からお話があった点についてちょっと申し上げたいことがあるんですが、2つのプロフェッショナルという言い方について、ちょっと問題だというご指摘だったんですけれども、確かに一系統二段階で議論をしていくということについては、一定のコンセンサスがあるということは理解しておるんですが、一系統のどこの段階でプロフェッショナルというふうになるのかということについては、八田先生と私なんかとでは理解が違うんだろうなという気がいたしまして、私が思っておりましたのは、先ほど島崎委員からもお話があったような監査はやらなくても会計についての一定の職業人としての完成された知識等々を持っている人というものをある程度認定し、その延長線上にまた監査証明が独占的にできる人というのがあるというつくりになるんだという議論だったというふうに思っておるんです。そういう意味では、今言われている二段階目の試験というのを合格した人は、これはプロフェッショナルとして認められてしかるべきではないかというふうに思いますので、ここの今まとめて頂いている文書に書いてあるような形が望ましいのではないかと思うわけです。

逆に監査証明を出せない人はプロフェッショナルとは言えないんだということを、あくまでもそういう考え方で行くんだとすれば、これは正直企業でそういう人をどんどん雇ってくださいというのも非常に難しい話だと思いますし、もう会計の専門家の裾野を広げるという目的は放棄して、とにかく監査をできる人を一定数育成していくんだということになれば、合格者数もうんと絞って、試験自体は監査以外できない人を養成する試験ですから魅力のないものになるということになっていくんではないかなというふうに思います。

○岳野審議官

八田先生。

○八田委員

名称はあまりこだわりたくないのですが、もしそうであれば、ちょうど松井さんから出されてきたのに私もいいヒントがあると思います。松井さんの中に示されている会計技能士ですね、公認を取った、これがフルスペックじゃない会計士のところじゃないのかなと思います。いわゆる英語でAccounting Techniciansであり、まさに標準的に世界にこの言葉は十分通用すると思います。こういう集団もちゃんと英国に歴史があってありますし、それが更に成熟していっていわゆる社会的な使命としての公益を守るといいますか、パブリック・インタレストの保護に関与していく職業になっていくとき、これがAccounting Professionに変わっていくというのです。ちゃんとそういった領域及び現実がありますから、もしもあえて言うならば、私は会計技能士というのはなかなか捨てがたいと思います。また、それには決して公認という言葉は付加してはならないと思います。

○岳野審議官

名称の話になりますと、いろいろご意見がございますので、引き続きこの問題について検討していくということではないかと考えております。

時間も大分残り少なくなってまいりまして、これまでのところ、今回、今日用意しております資料について大体ご意見頂いているかなと存じますけれども、これまでに特にご意見を頂いていない項目について何かございますか。

それでは、ちょっと突然のご指名で誠に恐縮でございますけれども、今日は、公認会計士・監査審査会から友杉会長、廣本委員にご参加を頂いておるところでございます。これまでのご意見の中には、例えば試験の実施のあり方についてのご意見などもございましたので、直接にそれにお答え頂くかどうかは別として、試験を実施されるお立場から、何かご意見なりご質問なりがあれば、ご遠慮なくおっしゃって頂きたいと存じます。

○友杉参考人(公認会計士・監査審査会会長)

突然のご指名で戸惑っているんですけれども、試験実施の主催者側といたしまして、受験者が5割増しなのに合格者が2.5倍も出ていたというようなことでしたが、その当時の経済状況等が内部統制とか四半期開示とか、国際監査基準の関係とかいろいろあったんだろうと思うわけです。今のこの議論が、2,000人を合格させるという前提でこのスキームがいろいろ考えられているんですが、ただ需給バランスを考えますと、もう十数年前までは、いわゆる会計士に受かった人数に対して監査法人側が採用する人数のほうが少ないために、いわゆる売り手市場であったわけです。それが、この15年改正からは逆転しまして買い手市場になっている、そこに需給バランスが生じているわけなので、その意味で2,000人を前提にするA案としますと、1,500人を合格させるB案の場合とか、1,200人を合格させるC案の場合に、同じような議論が展開されるのかというと、私はどうもスキームが違ってくるんじゃないかなという気がして聞いておりましたので、ぜひこのB案、C案というか、そういう合格者数の可能性について、いわゆる需給バランスの関係を視野に入れた議論展開がされてもらえればありがたいなという気がいたします。

あと、試験実施側といたしましては、現在各短答式試験で約1万7,000名受けているわけですが、今でさえも大分限界に達しているわけです。会場の問題、2万人、3万人になると一体どうやって会場を補充するのかという問題とか、短答式が今、年2回実施されていますが、その問題の作成量も非常に多いです。それから試験委員も100人ぐらいが関わってやっております。皆さんいろいろ忙しい方なので、なかなか調整が難しいという問題がありますので、今よりこの受験者が短答式段階で増えてきますと、試験の実施というのが非常に難しくなってくるんじゃないかなという気がしたわけです。

それとあと、見ていまして、資料3の第1案でも第2案でもいいんですが、この第2案で学生等の場合の例を見ますと、一段階目に合格し、すぐ翌年に二段階目を合格すると、ここでいわゆる会計士補とかいうような資格を与えるんじゃなくて、実務経験を3年やった後に与えるというのはこの原案だと思うんです。というのは、一段階目に合格して翌年に不合格、そうするとその間、10年間の間に実務経験をやってようやく二段階目に合格するわけですから、そういった人とのバランスを考えると、二段階目終わったときに会計士補の資格を与えるんじゃなくて、3年間、実務経験終えてから会計士補といいますか、准会計士の資格を与えるというのがこの原案だろうというふうに思うわけです。

そうすると、実務経験とは何であるのかというと、次の修了試験といいますか、監査をする会計士となるために必要な経験というもののいわゆる三次試験を受けるための前提として実務経験が必要なのではないだろうか。この案ではそうじゃなくて、二段階目が終わり、実務経験を終えたら初めて会計士補とか、准会計士と呼びますよという案なので、その辺の実務経験の位置づけが、この三次試験を受けるために前提として必要なのか。そうじゃなくて二段階目が終わって、国際教育基準との関係からこの実務経験等が必要なので、その終わった後で会計士補というような資格を与えるのかというようなところがあるので、ちょっとその実務経験の意味を考えなきゃいけないなというふうに思って聞いておりました。

○岳野審議官

ありがとうございました。

廣本委員からでございます。

○廣本参考人(公認会計士・監査審査会常勤委員)

まず最初に、私は前に大学の教授をしておりましたのでその観点から、今日のその案1、案2というものがこれいいか悪いか両論あるかと思うんですが、一ついいなと思うのは、学生が何回も何回も試験に落ちながらなかなかそこから抜けられなくなる状態に陥るのを見てきましたので、こういうイグジットの制度があるとそれは厳しい制度だけれども本当のところ優しい制度になるのかなという感じはしました。それが元大学教授としての感想です。

審査会の委員として感想を申し上げますと、就職浪人の問題は大変複雑な要因が絡まっている大きな問題といいますか複雑な問題ですが、それを解決するのに、試験制度を変えればどうにかなるんじゃないかなというスタンスが強過ぎるように思って、何でもかんでも試験制度を何か変えればよくなるんだろうということで、前回の改正から年数を置かないであまりいじるというのは非常に困る感じを持っております。今度変えるのであれば、もうしばらくは変えなくてもいいような制度にして頂きたいと思います。

また、試験制度だけでなくて、先ほど来いろいろ議論がございましたけれども、企業側の採用のスタンスであるとか、制度であるとか、その他のいろいろなもろもろの社会制度であるとか、そういったところの見直しなり改革もぜひ一緒にご検討頂ければということを感じております。

それから、2つのプロフェッショナルというのが大きなポイントになっておりますが、その2つのプロフェッショナルが明確なのか、明確でないのか、見解の相違も多々見られるように思います。そういう状況で試験制度を設計する、これを運用するという立場からいたしますと、非常に心もとないといいますか、これから先行きが少し思いやられるというそういう不安を若干感じております。

以上、申し上げます。

○岳野審議官

どうもありがとうございました。

それでは、時間にもなりましたので、本日の懇談会はこれで終了いたしたいと存じます。

お忙しい中、ご参加頂きましてありがとうございました。

これまでのご議論を踏まえまして、今後の進め方をどうするかにつきましては、座長の副大臣、座長代理の大臣政務官とも相談の上、別途事務方よりご連絡をさせて頂きます。

本日はどうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課開示業務参事官室(内線3679、3659)