金融仲介の改善に向けた検討会議(第2回)議事要旨及び配付資料

議事要旨

1.日時:

平成28年2月22日(月)13時00分~15時10分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室

3.議題:

  • (1)地域のグランドデザインづくりへの参画について

    • 千葉銀行による事例紹介「千葉銀行の地方創生への取組みについて」
    • 北洋銀行による事例紹介「北海道のグランドデザインづくりに向けて」
  • (2)企業ヒアリング中間報告

4.議事内容:

  • (1)地域のグランドデザインづくりへの参画について

    事務局による資料説明(資料1)、千葉銀行と北洋銀行による自行の取組みの紹介(資料2及び3を参照)に続いて、以下のような質疑応答が行われた。(○:メンバーの発言、●:銀行の発言)

  • 千葉銀行でこのような調査を行っている者の年代、バックグラウンドを教えて頂きたい。

  • 調査は、ちばぎん総研で行っており、全員が千葉銀行からの出向者で、若手が1/3、営業店・本部で経験を積んだベテランが2/3である。

  • 北洋銀行の資料3の8ページ目にある成長戦略では、就業者が増えて右上に行くのが理想形だと思うが、ローカル企業に関しては、集約を進めるなどして、上又は斜め左上に上がるような生産性向上の姿もあると思う。経済は「1人当たり経済効率×人口」なので、就業者数が増えなくても生産性が向上すれば拡大するので、そのような議論がもしあれば教えて頂きたい。

  • 地方創生の観点からは、人口減少を抑えることが重要であり、その中で効率性を高めるような施策を検討していくべきものと考える。

  • 例えば、地方の宿泊業について、就業者が増えたことにより収益性が低下してしまうことを避けるため、まずは効率性を高めて収益性を上げることを目指すのが良いのではないか。

  • 北海道の宿泊業については、沖縄に比べ付加価値が低いことが分かっている。北海道の観光は繁閑の差が大きいので、冬場の落ち込みを埋めることと広域の長期滞在型の観光にどのように変えていくかなど、収益性の向上に取り組んでいる。

  • 企業の効率性を高めていけば、その後就労者は増えると思う。就労者の増加ありきではなくて、一旦効率化を進めた上で、就労者を増やす考え方も地域のグランドデザインにはあり得ると思う。

  • 業種によって、個々の企業のばらつきが大分違うと思う。製造業などは比較的ばらつかないと思うが、業種によっては、ばらついている業種があるはず。ばらついている業種においては、同業者で統合することによって生産性が上がっていくので、平均値も上がるはず。もし、そういうデータがとれたら、分析して頂きたい。

  • 上場企業である地方銀行として、特に地域外の株主に対して「地域が良くなれば自行も良くなる」ということを説明できているか。

  • 機関投資家向け、個人投資家向けの説明会で時間を割いて説明している。株主からは、「地域活性化に取り組むことが地域金融機関には不可欠である」、「地方創生は中長期的な取組みで、短期的な収益を生み出すものではない」と認識されている。

  • 地方創生については、過去の経験や勘ではなく、きちんとしたデータを読み込み分析して、やるべきことを考え、それを繰り返し言って共通認識を浸透させる、ということでなければ成果はなかなか出てこない。過大な設備を抱える場合には、全体を減らした上で生産性を上げるなど、痛みが伴うこともやっていくので、データに基づいて、説得力あるやり方で進めていかなければならず、ここが大きな難しさだと思う。

  • 地方自治体にとって広域連携は苦手な分野。そうした中、千葉銀行では、地域単位で広域に見ていくこと、それぞれの特色をあげて広域連携を地方自治体に促していくという大変良いやり方だと思う。地域単位でみて目指す方向に地方自治体をどのようにして引っ張っていくのか伺いたい。

  • 千葉銀行OBなどの優秀な人達を、こうした地域・地方自治体のための仕事に巻き込むことも大変必要なことだと思う。

  • 地方自治体を引っ張っていくには、頑張ってくれるキーマンを発掘することが重要である。また、銀行側の担当者もその地域出身とするなどして、本当に愛着を持って労を惜しまず汗をかいてくれるメンバーが一緒に取り組むことで、良い例が出てくると思っている。

  • 2000人規模の行員OB会があり、地域のボランティアや観光案内など、積極的に活動して頂いている。

  • 北海道は非常に広く地方自治体の数も多く、全部同じにとはいかない。伊達市・網走市をモデルとして成果を挙げており、こうした優良事例を横展開で広げていって欲しい。その上で、地域の人材の面について、どのように底上げを図っていく考えか伺いたい。

  • 人材の底上げに関しては、北海道の全ての市町村に当行(北洋銀行)の人材を供給するのは厳しいし現実的でもない。地域のまちづくりを自治体と協働し進めていく中で、適宜、当行の有するノウハウを提供するなど、地域人材の育成に寄与していきたい。

  • 北海道内でも、産炭地など極端に差がついている地域の底上げについて、どのような取組みが考えられるか伺いたい。

  • 産炭地への対応では、新たな産業の立地やワイナリーの街といった産業自体を切り替えるという発想のもとで、銀行が支援していくことが重要であると考える。また、CCRC構想などで地域それぞれが連携していく中で、産炭地などもその特色・存在価値を発信していくことが必要と思う。

  • 銀行の中期経営計画において、ROI(投資に対する収益)といった観点で地域のグランドデザインづくりへの関与をどう位置づけているのか。行員個々のインセンティブについてはそれぞれ定性的に設けていると思われるが、銀行全体のインセンティブという面でお聞きしたい。

  • 当行(千葉銀行)の中期経営計画の中では、地域の情報コーディネート機能の強化を掲げており、それを遂行するために細かな目標設定を行っている。これは、銀行の収益に直結するものではないが、やるべきこととして全行員が認識しているところである。

  • 地方創生の取組みは、当行(北洋銀行)の中期経営計画にもしっかり盛り込んでおり、経営会議において進捗状況等の把握や追加施策等の検証を行っている。また、各期末に取組み状況をまとめたうえ、対外的にも発表しているところである。

  • グランドデザインを実際に作っていく人材をどのように作り出し、育てていくのか、この点について関心を持っている。絵を描くことはどこの人にもできるが、それを実際に進め、具体的な施策に落し込み、結果を出すのがいかに大変であるか、認識しているところである。

  • 地方においては、地方銀行は非常に優秀な人材を多く集めておられるが、その人材がより有意に地域のグランドデザインづくりに絡んでいくために、銀行として、従来型の銀行人事や総合研究所への出向などの枠組みの中ではできることは限界があると思うが、どのようにして人材教育を行っていこうと考えているのか。

  • 当行(千葉銀行)には指定金融機関を担っている支店が多数存在しており、そこに配属になれば地方自治体との関係が自然と出てくるので、その中で、地方自治体との付き合いを経験し情報をきちんと共有していくということができている。また、行員の8割が千葉県出身者のため、当行の支店長の学友が地元の有力者であることをきっかけに、色々な連携もできており、当行には「人と人との繋がり」という強みがある。

  • 当行(北洋銀行)では、北海道庁や札幌市と人材交流をしているほか、ものづくりの専門家や大学教授といったその道のスペシャリストを招聘し、即戦力としてグランドデザインづくりに参画頂いていると同時に、当行の人材育成にも関わって頂いている。銀行にはゼネラリストが圧倒的に多いが、今後の当行のビジネスモデルを考える上では、やはりスペシャリストの育成が重要であると考えている。そのためには、従来の評価体系にスペシャリストの評価体系も加えながら、人材育成に取り組んでいきたいと考えている。

  • 人口減少の歯止めは、特に地方自治体にとって非常に重要で本質的な課題と言われている。個々の地域や金融機関にできることは限られていることは重々承知しているが、地域に対して非常に大きな影響力を持っている地域金融機関として、直接的に人口減少の歯止めを掛けていくことについて、検討や議論はなされているのか。

  • 人口減少の歯止め策としては、交通インフラの整備や工場の誘致が人口の増加に繋がるものと考えており、当行(千葉銀行)としても促進運動などを行っているところである。また、最近では、アクティブシニアの千葉県内への移住が増えていることから、県内と都内の不動産業者に対して情報の還流を行っている。

  • 地域(北海道内)のトップバンクとして、CCRC構想の実現やインバウンドの増加による観光産業振興等、地域の特性を活かした施策を支援することにより、人口の減少に歯止めを掛けていきたいと考える。

  • グランドデザインは、戦略を作った後の「実行すること」が一番難しい。一つの企業でも難しい中、地域の戦略を実行していくことは大変難しいと思う。実行の主体は、銀行よりも地域の企業・事業者、もしくは大学になるのかもしれないが、そういったプレーヤーがいかに地域の総合戦略と連動して動いていけるか、その仕組みづくりがおそらく一番大きな問題と思っている。そうした中で、地方銀行がどのような役割を果たそうとしているのか。本日の発表以外に、戦略の実行フェーズにおける地方銀行としての役割、もしくは、実際に着手している中で感じている課題があればお聞きしたい。

  • アベノミクスも4年目に入り、千葉県の個々の企業は相当元気になって、色々なアイデアを出すような局面になってきている。こうした中、個別企業へのコンサルティングを通じて、アイデアをできるだけ拾い上げ、具体的な成果に上手く結び付くよう支援することを心がけているところである。

  • 戦略を実行に移す際の課題として一番に直面しているのは、銀行の目線と、それを実際に指導的に行っていく立場にある北海道内の各地方自治体との目線が必ずしも合っていないという点にある。地域金融機関としては、個々の企業支援のみならず地域全体の活性化という広い視野に立って、継続的に取り組んでいく必要があると考える。

  • 事業性評価、中小企業取引、地域密着型金融への取組みを非常に熱心に取り組んでいる金融機関は、昨年9月期の中間決算をみると、貸出金利が下げ止まるなど、銀行収益にも繋がっている。地方創生に向けた取組みと日常の銀行の活動との関連を伺いたい。

  • 千葉県と密接に結びついて地域貢献することが、当行(千葉銀行)がメガバンクと競争している中での最大の立脚点であり、企業からも、他金融機関が低い金利で来ても今まで通りの金利で良いと言ってくれる企業が非常に多いという実情にある。

  • 地方創生への関与については、北海道の179市町村のうち、113の地方自治体と実質的に連携しているほか、主要20都市と地方連携の契約も結んでいる。また、殆どの市町村の総合戦略策定の会議に当行(北洋銀行)の支店長が入り、当行の地方産業支援部から情報提供等も行っている。

  • (2)企業ヒアリング中間報告

    事務局による資料説明(資料4)に続いて、以下のような議論が行われた。

  • 対面ビジネスこそ地方銀行の強みであるにもかかわらず、最近、その取組みが弱くなっていると感じていたが、企業ヒアリングの結果を見て改めて認識した。リレバンという良い枠組みがあるにもかかわらず、手抜きとなっているのではないか。これを直していくには、銀行員の意識の改善が必要と思われる。銀行員にはバンカーのバンカーたる仕事をしてもらわなければならず、「まめに、緻密に」という言葉を一つのキーワードに、4つの改善・改良を提言したい。

    1つ目は、行員が顧客のニーズをキャッチする感性を鍛錬していくこと。その日のうちに顧客とどのような話をしたのかを再点検することにより、顧客のニーズが改めてクローズアップされてくる。2つ目は、行員が顧客と対話をさせる習慣をつけること。その際、顧客のニーズに対しては回答日を必ず設定すること。3つ目は、貸出の承認までのプロセスをもう一度チェックすること。現在の銀行は貸出案件を審査する際、事業性の評価をすることなく、顧客の過去の業績に基づいて判断を行っている。これでは、銀行の価値がない。4つ目は、新陳代謝の視点になるが、銀行員は顧客企業の業績が悪化することにアレルギーを持っている。事業を続けていると状態が悪くなることも当然あるわけで、企業・事業の再生業務を経験しなければ真のバンカーではない。銀行は、再生業務を経験した行員に勲章をつけるような改革をしていくことも必要である。

  • 企業ヒアリングにあった証書貸付が多いことについては、商売をやっている人は余裕資金が欲しい中、銀行の要請により、運転資金を短期継続融資から証書貸付等による長期資金への切り替えに応じている。これに伴い、企業には更なるコスト負担が生じるものの、銀行の要請だから応じている。今はアベノミクスで景気がいいため誰も文句を言っていないだけであり、景気が悪くなれば絶対に文句を言ってくるはずである。

  • 運転資金について、証書貸付形式が最多で、かつ、債務者区分の下位の企業には信用保証協会の保証がついているとの結果には、これが銀行のすることかと率直に思った。現在問題となっている条件変更先40万社は、事業キャッシュフローが借入の約定弁済に回って資金繰りが苦しくなっているケースが多いと思うが、当座貸越とか本来の正常運転資金の融資の形に替えることで、相当数の条件変更先が救えるのではないかと思う。

  • 顧客の中には証書貸付を求めているとの回答もあるが、長期借入に伴う約定弁済負担が重く、保証料まで払っており、おかしいとなぜ気づかないのか。銀行も説明をする必要があるのではないか。当局には是非分析をお願いしたい。

  • 金融機関は、見通しの立たない会社に信用保証協会を勧める暇があったら、転廃業やM&Aを促した方が良いのではないか。例えば、金融機関がM&Aに際して買収資金を融資するなどしたら良いのではないか。どの産業もこの先5年から10年は絶対的に人手不足なので、M&Aをやっていかないと人手の問題もクリアできない。

  • 戦後に創業した人が、事業承継の時期に来ており、後継者がいない場合、経営者が死ぬまで頑張るか、早目に事業譲渡して退職金代わりで譲渡資金を使って老後を送るような、そういう境目に来ているのではないか。

最後に、本日の議論を踏まえた牧島内閣府大臣政務官の挨拶

  • 本日は活発なご議論ありがとうございました。

  • 私どもも、地方自治体の方と話をしていて、キーマンを見つけるというのは苦労していることなので、金融機関の方々が参画しているのは本当に有難いと感じた。

  • 地方自治体の強み、弱み、隣の町との比較は、それぞれの首長も意識している。新しいことを広域連携で行うことについて、民間との連携の中で後押しできればと思う。

  • 金融機関の人材の育成・評価の仕方によって、それぞれの地域の中小企業のあり方や、地方創生の進捗も変わるのではないかと思った。

以上

配付資料

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監督局総務課 地域金融企画室

(内線2244、2246)

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