第9回 金融庁政策会議の概要

日時:平成22年4月2日(金)8時00分~9時00分

場所:衆議院 第二議員会館 第1会議室

議 題: 「貸金業制度に関するプロジェクトチーム」での検討について

【冒頭、第4回貸金業制度に関するプロジェクトチーム(PT)を開催。資料1について、PTの方針として了承】

  • ○ 大塚副大臣

    貸金業法の完全施行に向け、貸金業制度に関するプロジェクトチーム(PT)を設置し、検討を進めてきた。今回がPTの最終会合となる。資料1は貸金業法の施行に向けた方策のPTとしての案であり、本日の会合でPTとしては正式に合意させていただいた。今後、政策会議でご意見を伺い、府令の改正等の必要な措置をとっていくこととしたい。

【大塚副大臣が資料1を説明】

  • ○ 大塚副大臣

    改正貸金業法の施行に向けた検討について、これまでPTの下に設置された事務局会議で議論を重ねてきた。事務局会議の検討の中では、「改正貸金業法は多重債務者対策を目的としており、全会一致で成立した法律なので、予定通り今年の6月までに完全施行すべき」との意見と、「改正貸金業法の完全施行により、借り手の資金繰りが悪化することや、貸金業者の経営が大きく悪化するなど、影響が甚大であるので、施行を延期すべき」との2つの意見に大きく分かれていた。

    PTとしては、「改正貸金業法が全会一致で成立した法律であること」、また、「その目的が多重債務者対策であること」を重視し、改正貸金業法は、予定通り今年の6月までに施行することとし、併せて施行の影響を和らげる施策を実施する、との結論に至った。資料1の4ページ以降に、施行に向けた10の方策を記載している。

    NPOバンクへの対応案について資料3で補足したい。今回は、改正貸金業法の施行に向けた方策の一つとして、多重債務者対策という観点から、NPOバンクについても対応案を考えている。

    対応案の一つ目は、貸金業法上必要となる「貸付業務経験者」の確保要件の緩和である。NPOバンクは非営利で業務を行っているため、人材の確保が難しいと言われている。今回の対応案として、NPOバンクの初回の貸金業登録に限り、貸付業務経験者の確保要件を免除することを検討している。

    対応案の二つ目は、NPOバンクが行う生活困窮者向けの貸付けについて、指定信用情報機関の信用情報の使用・提供義務を免除し、更に総量規制を適用除外とするものである。

    今回の対応案は、主に生活困窮者向けの貸付けを実施しているNPOバンクに対するものとなっている。NPOバンク全体について、更に規制緩和の要望があることは承知しているが、この問題については、総理の下で開催されている「新しい公共」円卓会議の場で検討を行っていきたいと考えている。

【質疑応答】

  • ○ なぜ生活困窮者向けの貸付けを行っているNPOバンクに限定して、今回の対応を図るのか。福祉事業や環境に資金を貸し付けているNPOバンクも存在しているため、生活困窮者向けに限らず対応を図るべきではないか。

  • (答) NPO全体については、「新しい公共」の場で検討を行っているところである。NPOバンクについては、融資残高が2億円程度であるが、更なる要件緩和を行うことが必要であるのか、検討したい。

  • ○ 改正貸金業法により、かなりの利用者がヤミ金融に流れているという話も聞いており、改正貸金業法を拙速に施行すると影響が大きいと考える。改正貸金業法の施行の先送りも含め、検討を行ってほしい。

  • ○ 総量規制に関して、諸外国を見ても、このような制度を実施している国はない。専業主婦が借りられなくなるなど、総量規制は影響が大きいと考える。

      銀行等の金融機関に相談に行っても融資を受けることができない中小企業・個人事業者に対し、貸金業者は融資を行っており、改正貸金業法の完全施行による中小企業・個人事業者の資金繰りへの影響は大きいと考える。

  • ○ 過払金返還請求について、例えば過払金についての時効を設定するなど、何らかの対応が考えられるのではないか。

  • ○ 改正貸金業法のマクロ経済への影響をどう考えているのか。国家戦略室と意見調整を行うべきではないか。

  • (答) 関係者には適宜報告しているので、情報共有は図られていると考えている。今後も必要に応じて情報共有を図っていきたい。

  • ○ 総量規制の基準となる年収は、前年の年収であり、例えばリストラされて今年は収入がなくとも、貸金業者からは前年の年収をベースとしてお金を借りることができる。また、今年の年収が増えても、昨年の年収が低ければお金を借りることができないという事態も想定される。借金の返済は将来のキャッシュフローで行うものであり、前年の年収をベースに考えるのはおかしいのではないか。

  • ○ 短期の事業者向け貸付けについては、中小企業・個人事業者のニーズがあると考えられ、ある程度高い金利の貸付けを認めてもよいのではないか。

  • ○ 消費者金融の貸付けが大幅に増加した理由は、貸金業者が設置した自動契約機にあると考える。自動契約機こそが安易な借入れを増長させるものであり、禁止したほうがよいのではないか。

  • ○ プロジェクトチームとして、貸金業を取り巻く状況の変化をどの程度把握しているのか。

  • (答) 事務局会議においてヒアリングを実施してきており、プロジェクトチームとしても貸金業の状況は把握している。

(以 上)

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総務企画局企画課信用制度参事官室
(内線3576)

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