偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ(第8回)
議論の概要

1.日時

平成17年4月8日(金)10時00分~12時00分

2.場所

中央合同庁舎第4号館4階 共用第二特別会議室

3.議論の概要

○ 全国銀行協会より、現在、検討中のキャッシュカード規定試案について、説明が行われた。

○ 姫野委員より、「金融機関の防犯基準」について、資料に基づき説明が行われた。

○ 説明に対して質疑応答が行われた。その概要は以下のとおり。

  • 全国銀行協会が現在検討中であるキャッシュカード規定試案については、当スタディグループの議論を反映して作成しているとのことから、本日説明を行ってもらった。なお、約款は、あくまでも各金融機関の自主的なルールであり、金融庁も当スタディグループもその内容の変更を求める権限は有していないが、ご意見があれば全銀協に披露してほしい。

  • 全銀協の改定案では、偽造キャッシュカードによる被害に対して、銀行が補償を行わない場合として、預金者に、暗証番号の管理又はキャッシュカードの管理のどちらか一方に重大な過失があった場合を記載しているが、これは預金者には酷ではないか。損失の発生との因果関係を考えると、暗証番号とキャッシュカードの両方の管理について預金者の重大な過失があった場合には銀行は補償しないとした方が適当なのではないか。

  • 預金者の重過失に係る立証は銀行が行うこととなったが、例えば本人が他人に暗証番号を知らせた場合については、不正行為を行う者は事実を言わないと考えられるため、銀行が重過失を立証することは困難なのではないか。

  • 偽造キャッシュカード問題に関して、中間取りまとめを尊重して改定案を作成した点は良かった。しかし、盗難キャッシュカードや通帳については何も改正されておらず、今後を先取りしたものとなっていない点は不満である。もう少し積極的に消費者被害の救済を行うとの姿勢が欲しかった。

  • 今回の約款の改正事項について、トラブル防止の観点から、金融機関の窓口担当者まで周知徹底を図って欲しい。また、顧客に対しても注意喚起を図る必要があるのではないか。

  • 暗証番号と同じ番号を金融機関以外の第三者との取引きで使用しないように努めることについて、注意喚起するとしているが、複数の金融機関で同じ暗証番号を使ってはいけないとなると、預金を分散する人は困るのではないか。

  • 金融機関としては、暗証番号は銀行ごとに、更には預金口座ごとに異なるものとすることが望ましいが、現実には難しいと理解している。ここでは、少なくても預金口座の暗証番号は、ゴルフ場のロッカーの番号等とは異なるものとして欲しいとの要請である。

  • 第三者に一時的に盗まれた場合に、一瞬でスキミングできる磁気ストライプのキャッシュカードと、容易にはコピーできないICキャッシュカードでは、約款の取扱いは変わるのか。

  • 現状ではICキャッシュカードの偽造は困難と考えており、この約款が適用される可能性はほとんど無いと考えているが、将来ICキャッシュカードも偽造されるようになれば、適用することになるのではないか。

  • ある銀行の約款には、暗証番号を定期的に変更することを推奨する規定があり、それは本問題への有効な対策の一つと考えられる。なぜ今回の改定案にはこのような規定がないのか。

  • 試案は、各銀行が行うべき共通事項を記載したものであり、さらに踏み込んだ対応等を行うか否かは、各銀行の個別の判断となる。

  • 銀行としては、偽造キャッシュカード被害に関し、預金者の重過失について銀行側で立証できることは少ないと考えている。最低限、預金者に故意に近いような行為がある場合であって損害と因果関係が認められる場合には、銀行は免責される(補償を行わない)との考えである。

  • 欧州では、キャッシュカードの偽造防止の対応が進んでいることから、偽造被害に対して100%補償していると考えている。しかし、我が国で主流である磁気ストライプのキャッシュカードは、それほど安全ではないとの前提から、預金者は暗証番号を管理してくださいという点があり、今回のような対応になるのではないか。

  • 約款上では、偽造キャッシュカードと盗難キャッシュカードの場合の対応は違っているが、その立証はどのように行うのか。現実的にはあまりないのかもしれないが、将来的に真正キャッシュカードそっくりの偽造キャッシュカードが作成された場合にはどのように考えるのか。

  • 過去の最高裁判決の事例では、使用されたキャッシュカードは盗難されたものか偽造されたものかが判明している。確かにその立証は難しいかと思うが、銀行側がきちんと調べれば真正キャッシュカードか否かは分かるのではないか。

  • 海外では、真正キャッシュカードそっくりの偽造キャッシュカードが使われたことがある。ジャーナルでは真正か偽造かの判断はできない可能性が高いのではないか。

  • 今回の改定案は、偽造キャッシュカードの被害増加に対する対応であり、盗難キャッシュカードの問題については、今後検討が必要なのではないか。ただし、偽造と盗難を区別する場合には、その区別をどのように行うのかという厄介な問題が残る。

  • 銀行としては、偽造キャッシュカード問題について、スキミングの被害拡大に対し、預金者に早急に補償を行う必要があるとの観点から、約款の改定を行うものである。今回の改定により、偽造キャッシュカード問題について預金者側に責任があるとされて補償されないケースはほとんどないのではないか。なお、盗難キャッシュカードの問題については今後議論されるべきものと考えており、時間的な制約もあるため、現段階では偽造キャッシュカードへの対応を行っている。

  • 偽造キャッシュカード問題について、全銀協が、当スタディグループの中間取りまとめを踏まえて、自主的に約款の改定を行おうとしていることは高く評価したい。ただし、今後の検討課題も残っているところであり、盗難キャッシュカードの問題をどのように考えるか、盗難と偽造についてどのように立証するのか、また、盗難通帳の問題はどのように考えるか、等の問題がある。さらに今まで議論されていないが、パソコン等を利用した振込み等インターネットバンキングでの不正の問題も将来的な課題ではないか。

  • 防犯基準においては、防犯カメラの画質に関する基準はあるが、記録の保存期間についてはない。画質と記録の保存期間はトレードオフの関係にあるが、証拠を残す観点からは、記録の保存期間についてもガイドライン等を定めることが適当ではないか。

  • キャッシュカードの偽造や盗難に気付き警察に連絡した場合に、警察はどのような対応を行うのか。消費者としては、夜間や銀行の連絡先が不明の際に、警察が銀行等へ連絡をしてくれる等の対応をしてくれると大変安心できる。

  • 金融機関においては、主に総務部が警察との連携等防犯問題を扱い、事務部門が約款の改定や窓口での被害受付を行っている例が多いと思われるが、両者がしっかりと連携を行い、実効性のある対応を行っていくべきである。

  • キャッシュカードの盗難紛失等に対して、銀行は24時間被害の受付を行う体制を整えるべきである。営業店での対応がばらつく恐れがあるならば、24時間稼動している銀行の事務センターに、受付業務を行う事故処理センターを付設すること等により対応すべきでないか。

  • 偽造キャッシュカード問題については、銀行窓口における顧客対応が重要と認識しており、窓口への周知徹底を図っていきたい。また、金融機関の緊急連絡先の照会については、当然各金融機関が周知を行っているが、全銀協としても、緊急連絡先の一覧を消費者センター等に配布しているほか、全銀協のホームページにも掲載している。

  • コンビニに設置された24時間稼動のATMは、偽造キャッシュカードによる引出し等に使用される事例が多いようであるが、これらのATMに対する管理のあり方について独自の基準を作るなど検討してはどうか。

  • コンビニに設置されたATMの管理については、それを設置した銀行に委託者としての責任があり、行政はその委託責任についてチェックを行う。ただし、防犯上の取扱いに関して、設置場所であるコンビニにより広くお願いをすることは考えられるかもしれない。

  • 防犯基準においては、預金者の身体の危害を加えられるような事例に対応した規定はあるのか。海外では、自動車窃盗ではあるが、生体認証に関連して指の傷害事件が起きた事例が報告されている。

  • ATMの設置場所において、キャッシュカードの盗難や引出した現金の盗難に関連して預金者を守るための直接的な規定はない。

  • 金融機関としては、警察の指導に従い、人命尊重及び警察への通報を優先しているところ。

  • 預金者からの連絡を受けて預金口座からの引出しを止める場合の本人認証や、それを再開する場合について、また、被害発生時の防犯カメラの映像の被害者への提供について、ガイドライン等の基準があるのか。

  • 預金引出しの停止は約款に基づき銀行が行っている。取引再開時に関しては全銀協の基準はないが、各銀行で適切に対応しているのではないか。防犯カメラの映像の提供については、全銀協として特段の定めはない

  • 防犯カメラでは、ATMの操作者の顔面を撮影することが求められるが、犯罪発生時の映像では、操作者がサングラスやマスク、フルフェイスのヘルメットを付けているため、顔面が不明なケースが多い。人権の問題もあり難しいかもしれないが、犯罪の解決のためには、ATMの前では、サングラス等を外すように要請することはできないか。

  • 現実的には銀行が預金者にそこまで要請することは難しいのではないか。

  • 逆にプライバシーの保護の観点からは、ATMにおいて防犯カメラで操作者を撮影していることやその使用目的について、預金者に通知するのか。

  • 偽造キャッシュカードの犯罪が生じた場合に、犯罪者が暗証番号を知ったことについて金融機関に過失がない、つまり金融機関からは流出しない仕組みとなっていることについて、どのように銀行は説明するのか。

  • 個人情報保護法に基づく情報の管理を金融機関が実施していれば、銀行としてのセキュリティ対策は行っていると考えられるが、それが万全か否かについては、監督当局としても適切にチェックしていきたい。

  • キャッシュカードの不正利用に関しては、預金者のID(カード番号や暗証番号)が盗まれることが問題ではないか。今後は司法当局による、ID盗難に対する対応や情報窃盗罪の検討等が必要となるのではないか。

  • 偽造キャッシュカード問題について、被害届は誰が行うべきであるかとの議論をどのように考えるか。何らかの方針はあるのか。

  • 被害届はあくまで捜査の一つの端緒。いずれにしても、被害にあった預金者への対応について、適切な対応を検討していくのではないか。

  • 警察も、国民へのサービス機関であることから、偽造キャッシュカード問題への対応についても善処をよろしくお願いしたい。

以上

本件に関する問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3322、3388)
本議論の概要は暫定版であるため、今後修正があり得ます。


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