保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム(第16回)議事要旨

1.日時:

平成17年12月8日(木)18時00分~20時00分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館4階 共用特別会議室

3.議題:

保険契約における適合性原則の遵守について

4.議事内容

  • 事務局より、これまでの議論を踏まえて作成した「自由討議のたたき台(2)」に沿って、説明が行われた。

    (自由討議のたたき台(2)に挙げられた主な論点)

    • 保険契約における適合性原則とはなにか
    • 適合性原則の実効性を担保する方法
    • ベストアドバイス義務について
    • 募集人等の質の向上
  • 「自由討議のたたき台(2)」について自由討議が行われた。主な内容は以下のとおり。

    • 保険商品の内容が複雑であることなどから、重要事項の説明など一定の情報提供を受けただけでは、その内容を十分に理解することができない消費者も存在するのではないか。

    • 情報提供として、例えば「契約概要」や約款等の書面を顧客に交付することにより、顧客はどの程度まで保険商品の内容を理解できるのかということを、まず検討すべきではないか。

    • 諸外国と比較しても、日本の保険会社の約款は非常に分量が多く、情報提供をするだけでは顧客が商品内容を理解することが困難な場合が想定され、募集人が行う、情報提供を超えた助言に対する顧客の期待を保護する必要があるのではないか。

    • 保険商品の販売勧誘時の助言については、募集人はあくまでサービスとして行っていると認識していたのではないか。これについては、あくまでサービスと考え、募集人の自由な競争の中で適正なものとしていけばよいのではないか。

    • 募集人が顧客に保険商品を勧める場合、最初の段階で顧客に不適切なものを勧めてしまうと最終的に顧客がニーズに合わない保険商品を契約してしまう危険性が高くなってしまうので、単なるサービスではなく顧客に適切な保険商品を推奨すべきであるという理念を求めるべきではないか。

    • 実際には、ほとんどの問題事例が説明義務を徹底することで解決できるのではないか。

    • ある商品を購入する意思決定を行うことは、逆から言えば他の商品を買わない意思決定を行うことではないか。このことからすると、自分が購入する保険商品が本当に自分に合った保険商品なのかどうかということは、その商品内容のみではなく他にどのような商品や特約があるのか等を全部勉強しないと判断出来ないといえ、これが顧客の不安感なり、不満感を生んでいるのではないか。この不安感や不満感を解消するためには、募集人には、単に自分の売るものを説明するということを超えて、顧客がそのようなこと全てを理解するのが難しいことを前提とし、何をどこまで理解してもらう必要があるのかを、ある程度顧客のことを考えて整理するというような極め細やかな配慮が求められるのではないか。

    • 他の商品や特約を選択できる可能性についてまでは、説明義務の対象とはならないのではないか。しかし、そのような情報があれば、顧客が自らのニーズに合致した商品を選択することの手助となるものと考える。

    • 適合性原則は、要件と効果がはっきりしないという特徴があり、「よほど不適当でなければよい」といったレベルのものでないと、一定の要件のもとで一定の効果が発生するといった運用は難しいのではないか。

    • 保険商品の販売・勧誘時において、募集人、顧客がそれぞれどのようなことをすれば、お互いにとって有益なのか、例えば、顧客からすれば如何にして自らのニーズに合致した保険商品を適切に選択・購入することができるのか、また、募集人からすれば将来発生するかも知れない顧客とのトラブルをどのようにして一定程度防止できるのか、という視点から検討すべきではないか。

    • 保険商品を販売する際には、募集人が顧客の属性やニーズを踏まえながら設計書を作成することにより、それぞれの顧客に合った保険商品の設計や提案がなされている場合があるが、募集人としても顧客に合った商品、適合した商品ということを意識しながら日常の業務を行っているのではないか。

    • 例えば、顧客と保険会社との間にトラブルが生じた際に、募集時の設計書等に記載された募集人や顧客のメモ等がトラブル解決の参考となる場合がある。このようなことから考えると、顧客が保険商品を選択した動機が明らかにされた書類が適切に作成されていると、トラブルの解決に役立ち、顧客、保険会社双方にとって有益なのではないか。

    • 顧客が保険商品の内容を理解していないことや、保険商品の内容について誤解していることが募集人に明らかとなった場合には、募集人は個々の顧客の理解に応じたより分かりやすい説明を行うことや、誤解を解消するよう努めることが求められるのではないか。

    • 例えば、一般的な説明に加え、募集人が、顧客がしっかりと理解した上で加入しているかどうかを確認する手続きが考えられるのではないか。募集人は保険商品が顧客のニーズに合致しているか否かは判断できないので、顧客自身でニーズに合致しているかどうかを判断するプロセスを検討することが実効的ではないか。

    • 仮に、募集人が、自分が売りたい保険商品を販売しているだけであるとすれば、顧客に対して、一番いい保険商品を売っているなどといったことを表示することは問題ではないか。

以上

【内容についての照会先】

金融庁 電話:03-3506-6000(代表)
監督局保険課  錦野 (内線3740)
小畠 (内線3336)
本議事要旨は、暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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