貸金業制度等に関する懇談会(第11回)議事要旨

1.日時:

平成18年2月28日(火)10時00分~12時10分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3.議題:

  • 参考人等からのヒアリング
    • 嵜岡邦彦 (株)ニッシン社長
    • 土屋明道 日本事業者金融協会会長
    • 事務局(説明)
    • 竹谷和芳 全国信用情報センター連合会事務局長
  • 事務局説明
  • 討論(過剰貸付防止のための規制等のあり方)

4.議事内容:

(株)ニッシン嵜岡社長、野尻常務取締役から資料11-1に基づき報告

当社のビジネスモデルは、信用リスクが比較的高い中小事業者の資金調達の手伝いを、デット(融資)に限らずエクィティ(出資)も含めて行うこと。

当社は現在、未上場企業120数社に出資しているが、これらの中小企業の中には、1年で売上が3倍から5倍にもなり、当初は500万円しかなかった資金需要が1年後には1億円になるケースもある。

短期つなぎ資金の資金需要は、企業が成長するにつれて大きくなる。当社は、グループ会社を通じて、リースや、証券、売掛金保証も行っているが、当社の出資先の中には上場企業も多く出ており、上場後の応援態勢も強化していきたいと考えている。

売上、利益が1億円を下回るような新興市場上場企業もあるが、最近は、短期の資金繰りに非常に苦しんで、MSCB(転換価格修正条項付転換社債型新株予約権付社債)を発行し株価が急落するケースが多発している。そのような状況で、上場前後を含めて一貫したフルラインナップで応援するような営業を実施している。

ノンバンクのビジネスモデルについては、経営的な観点からは、リスクとリターンをいかにマッチングさせるかが重要。また、経営の効率化も競争上極めて重要。

当社の資金調達構造は、銀行借入等の間接調達が約7割弱(67.8%)、社債、CP、証券化等の直接調達が合計で3割強(32.2%)。間接調達については、取引先数が94あり、非常に裾野の広い調達を行っている。

当社の取り扱う商品は、4ページの残高構成の変遷にあるように、元々は、消費者向けの与信が中心だったが、徐々に事業者向けにシフトしてきた。平成16年6月、無担保無保証の消費者ローン債権を売却し、現在では事業者向けの残高が7割程度。

現在消費者向けの中で力を入れているのは、新興上場企業やベンチャー企業の幹部社員がストックオプションを行使するような場合の資金需要に応えるケース等。

事業者向け融資における与信判断には、債務者の種類(法人・個人)に関わらず経営者の質とキャッシュフローが最も重要になってくると考えている。

与信判断には、経営者との面談、経営実態の確認が不可欠。事業者の将来キャッシュフローは消費者の場合と比べて非常に変化しやすく、経営手腕や市場環境次第で何倍にもなりうる。また、債務者は事業がうまく成長すれば、当然銀行からの借換えが期待できる。以上の2点が事業者金融の特徴と考えており、消費者金融の場合に比べ、現在の収入などをベースに融資枠を規制するようなことはなじまないのではないか。

当社の顧客数には大きく分けて2つのタイプがある。1つは、個人事業主や法人の代表の方に対する20~25%の金利での100~500万円程度の小口融資という類型。もう一つの類型は、不動産担保を付けたケースが多いが、法人に対する5~10%の金利での数千万円、1億円超の比較的大口の与信。第9回会合で、吉野座長が健全な借り手による短期のつなぎ資金の例示をされたが、その典型的な事例と認識している。

法人向け大口融資については、特に短期については実質金利ベースで出資法の上限ギリギリで実施する場合もあるが、上場企業・上場予定企業等からは、大きなビジネスチャンス実現のためには50%の金利でも貸してほしいというニーズが結構ある。

20%超の金利で借りるような場合は利益が出ないとの指摘もあるが、資金需要者は自己資金や銀行からの借入資金等を組み合わせてキャッシュフローを管理している点に留意が必要。

当社の小口融資である商工ローン、ビジネスタイムリーという商品の顧客属性は、いずれも年商又は年収で2,500万円以下、業種では卸売・小売業・飲食店あるいはサービス業が多い。保証人付きの商品である商工ローンの保証人は身内のケースが多い。

最後に今後の制度改正に望むことをまとめた。貸金業者による与信は、特に個人消費や中小零細企業の経済活動、日本経済を下支えする機能がある。こうした機能が毀損されると、経済の目詰まりを起こしてマクロ経済の成長にも悪影響を与えるリスクがあるのではないか。

貸金業者を含めた信用創造機能、リスクテイク機能を活用するという観点から、以下の3点を検討していただきたい。

1番目は、上限金利規制の一本化(グレーゾーン金利帯の撤廃)。判例の積み重ねによって、みなし弁済の制度が事実上形骸化している状況であり、対借り手、貸し手、更には対市場、投資家といった観点からの法的な安定性の確立が求められているのではないか。

2番目は、例えば、資本金3億円以上の株式会社への貸付けなど、いわゆるプロ向けのマーケットでは利息制限法や出資法の適用を除外してもいいのではないかと考えている。このような企業には、債務者保護の必要性よりも、自己責任原則の下で自由な経済活動を認める必要性が高く、その方がマクロ経済の成長にも寄与する。この点については、特定融資枠契約法で既に前例がある。

3番目は、過剰貸付け防止のための規制について。一般的に、事業者は消費者に比べて必要な資金規模も大きく、また経済知識や貸し手との交渉力レベルも異なることから、規制の検討に際しても異なる取扱いを検討していただければありがたい。

2番目と3番目については、第9回会合での事務局資料9-4「今後の検討課題」にも、資金需要者等の類型に応じた規制導入の是非ということが記載されており、検討していただきたい。

日本事業者金融協会土屋会長から資料11-2に基づき報告

事業者金融というのは大変幅広く、様々な形態の融資がある。

金融庁の統計では、平成16年3月末の事業者向け貸金業者の貸付残高は22兆円だが、このうちの21兆円は、実は不動産担保等の1件当たり何千万円、何億円という大口の貸付けである。本日説明するのは、残りの1兆円部分、つまり1件当たり何百万円といった小口貸付けを事業主に提供する貸金業についてである。

日本の民営事業者数は620万で、そのうち大企業と呼ばれるのは0.15%の9,400社に過ぎないが、日本の経済の大部分を動かしていると言える。他方、92%を占めるいわゆる小規模・零細企業(従業員が20人以下)は570万あるが、実はここが日本経済の活性化の基になっている。

事業者向けの貸金業は、この底辺の幅広い層を対象に突発的な資金繰り需要に素早く応える役目を担っている。中小零細企業では売上が成立して実際に入金されるまでのタイムラグによる経費の支払いに支障が生じる場合や、有利な商談チャンスを掴んだにもかかわらず手元資金が不足しているため、緊急の資金需要が生まれることが大変多い。

手形小切手の支払日に会社の口座に支払可能な現金がなければ倒産の危機にさえ瀕する。銀行からの借入れには、担保の提供や細かな経営資料の提出が要求され、資金の使途も明らかにする必要があることから、審査に長い時間がかかる。このような場面で、事業者向け貸金業は素早い与信審査によりその需要に応えてきている。

無担保で素早い与信審査のため、当然ながらリスクの高い貸付けとなる。結果として、出資法上限利息(いわゆるグレーゾーン金利)での貸付けとなる。また、金額も十万円単位ではなく数百万円になるため、保証人を付ける場合が大変多い。

各種の実態調査やアンケート調査、様々な抽出資料に基づいた分析の結果、事業者金融の顧客像は、ほとんどが年商1億円以下で、5千万円以下が多い。従業員数は、ほとんどが10人以下であり、5人以下が中心。資本金もほとんど1千万円以下で300万円以下の零細企業が中心。

利用状況は、顧客の1社当たり平均借入額は200万円以下が7割近く。1つの業者しか利用していないという回答が4割強、2社まで利用したことがあるのが7割強である。

顧客の商品理解度に関しては、商工ローンの既利用者、未利用者の区分を問わず、貸金業者が提供する商工ローンという商品を知っていると答えたのが6割を超えている。また、同じく既利用者、未利用者を問わず、全体の64%の方が貸金業関連の法律を知っていると回答。利息制限法と出資法の各上限金利についても、73%の方が知っていると回答している。

顧客の満足度について、金利は高くて負担が重かったが、それでも納得できるものと答えた方が72.9%。同じく利用者の55.3%が保証人を探すのに苦労したと回答しているが、一方で67.4%が保証人を要求されることは理解できると回答している。

利用した契機に関しては、「至急資金が必要だった」が66%、「銀行の融資枠が一杯だった」が42%、「銀行から取引を断られた」が26%。

なお、利用者の92%が銀行と取引があるが、そのうち66%は政府系の金融機関や地方自治体からの融資も受けている。我々のような貸金業者を利用される方は、既に銀行や政府系金融機関も利用しているケースがほとんどである。

次に、過剰貸付防止という観点から、我々の営業実態について説明したい。

過剰貸付けといっても、事業主と生活者の間ではその概念が同じではない。

融資を行う際の平均的パターンを紹介すると、まず情報センターを検索して他社借入れが合計で1千万円を超えている場合には、「要注意」としてチェックする。それから次の段階で、申込人の事務所を実際に訪問して、決算書や資金繰り表、普通預金通帳記載コピー等の書証類を受領し、月商や売掛先などについてヒアリングを行い、実際に商売が流れているかをチェックして与信判断を行う。この基準は業者ごとに独自に経験により構築している。途上与信、借入れの動向を信用情報センター等によってチェックする、これを1か月ごとにするところもあるし、3か月ごと、また6か月ごとにするところもある。

我々は保証人を徴求する場合が多いが、保証人についてもすべて個人信用情報センターへの検索を実施している。保証人が事業主である場合と生活人である場合の割合は、業界全体でほぼ半々くらいと推定される。保証力については業者ごとに判断基準がある。貸付先の代表者についても、信用情報センターへの検索を全て実施している。代表者の個人的借入れが多い場合は要注意と判断される。顧客の経済状況は流動的なので、定期的な訪問による与信再審査を実施している。また、何らかの懸念が生じた場合は、コンサルティング等も実施している。

事業者金融においては「リボルビング払い」は少なく、大手2社ではリボルビング払いを扱っていない。こうした結果、全顧客のうち完済している割合は、大手2社では93%と96%。

平均貸出期間は様々であるが、大手1社は18ヶ月と回答している。分割返済なので残金はどんどん減っていく。債務者が返済不能になった場合に、保証人の立替払いにより回収できるのは、そのうちの25~30%。

任意整理及び法的整理に至るケースは、大手及び中堅の各1社は、全顧客に占める割合が0.5~1%で、その他中堅1社では2%。大手1社では任意整理及び法的整理に至る平均期間を7年と回答しているが、様々な統計のとり方があるので一概には言えない。

事業者向け貸金業では、貸付けの入口や中間において多くの手間をかけて業務を実施している。過剰貸付けによって一番被害を受けるのは貸金業者自身なので、慎重に審査している。

最後に、収益に対する費用の構造について簡単に説明する。現在の平均貸出金利は25%。一部の規模の大きな業者は別として、ほとんどの業者は無担保小口融資が主力であることから、大体このぐらいのレベルになる。そうした業者は調達面でも金融機関に頼れる部分は決して多くはない。ノンバンクや場合によっては個人金主などから資金を調達しているため、調達金利が8%以上となる。貸倒率も実質5%以上である。

1~2日で大変な量の審査をしなければならないほか、中間の与信再査定やカウンセリングも行うので、人材育成や教育も必要となる。その結果、人件費は売上対比で約35%に達する。地域に根を張って細かい情報を得ながらこまめに資金需要者の要望に応えている業者にとっては、29.2%という上限金利では利益確保がままならず、かなり厳しいというのが実態。

貸金業規制法43条のみなし弁済の法的不安定さは、我々の業績に深刻な影響を与えており、それは資金需要者の利益をも損なっている。

資料11-3に基づき、事務局から説明

我が国において、信用情報機関は主に銀行、信販会社、貸金業者という業態毎に設立され、会員業者から与信に関する情報の登録を求め、会員が与信審査を行う場合に顧客の信用情報を照会できる仕組みとなっている。このような仕組みをレンダーズ・エクスチェンジ(LE)といい、利用企業の業態にとらわれず信用情報を収集・提供するクレジットビューロー(CB)とは区別される。

米国では、CBが会員からの登録情報以外に独自に個人情報を集め、自ら顧客格付けを行って業者に提供し、更には与信審査目的以外にも例えばDMのための顧客リストまでも提供していると言われている。我が国におけるCCB(業種横断型)は、会員の範囲はCB型だが、登録情報は会員登録情報に限られ、提供サービスも与信情報の照会に限られている。

会員業者が照会しうる情報は、利用残高などのホワイト情報と延滞などのブラック情報がある。ただ、LE型の信用情報機関については、業態ごとの債権のカバーは極めて高いので、例えば貸金業の場合、当該顧客の他の貸金業者からの借入れについては、ホワイトもブラックも全情連のセンターに照会すればほぼ正確に分かる。他方、当該顧客がどれだけ銀行からの住宅ローンや信販会社からのクレジットを受けているのかはわからない。

一方、CB型の場合、会員である銀行、信販会社、貸金業者の行っている与信の情報はすべて照会可能だが、会員数には限りがあり、非会員がどのような与信を行っているかまでは照会できない。このように、LEとCBは一長一短ある。

本来、適正な与信審査を行うためには、より包括的な名寄せが可能であることが望ましいが、それぞれの信用情報機関への直接加入には、事実上、「業態」という参入障壁がある。これについては、現在、銀行、貸金、信販の信用情報機関3者間では、ブラック情報についてはCRINというシステムの上で情報交流がなされている。また、信販業務と貸金業務とが密接になっていることを踏まえ、全情連グループは信販系業者用のウィンドウとしてテラネットを設け、ここを通じて、貸金及びクレジットの利用件数という限られたホワイト情報の交流も行っている。しかし、貸金業者は、いまだ住宅ローンやクレジットの残高を正確に知ることはできない。また、近時、銀行が消費者向けローンも提供しているが、消費者金融の利用残高などを知りえないため、かかる消費者向けローンについては、消費者金融業者に保証してもらっている実情がある。

信用情報機関の行う与信情報収集・提供の業務は、貸金業規制法の直接の規制対象業務ではない。同法においては、貸金業者による信用情報機関の利用についての規定があるが、間接的なものである。具体的には、30条で、貸金業協会が信用情報機関を設立または指定すべきこと、会員業者に信用情報機関の利用を促し過剰貸付防止を指導すべきこと、会員業者は情報の目的外利用をしてはならないこと等が定められている。

しかし、いずれにしろ、貸金業規制法においては、貸金業協会への加入自体が任意加入であることもあり、信用情報機関への加入や利用は法律上の義務とはなっていない。また、信用情報機関の間の情報交流について、貸金業規制法上禁止する権限も義務づける権限もない。

個人情報保護法が昨年4月から施行され、信用情報機関も個人情報取扱事業者として安全管理の義務を負い、また貸金業者も同様に義務を負うこととなった。金融庁は、同法の実施にかかるガイドラインを定め、さらに信用情報機関の会員管理にまで言及した実務指針を定めている。ただ、貸金業は参入要件が緩く、悪質業者の把握が困難な業態であることから、これら詳細な規定を定めて、その遵守をどう担保するかが課題である。当局が厳正な検査・監督に努めなければならないことは当然だが、事後的に追いかけるだけでは不正利用を完全に防ぐことは困難である。そこで、まずは、信用情報機関において厳格な入会審査をしていただき、危ない業者をデータベースに近づけないことが必要である。

次に、個人情報保護法においては、個人情報取扱事業者による個人情報の適正な取扱いを確保するための認定個人情報保護団体の制度がある。33の貸金系信用情報センター及びテラネットについては、全国信用情報センター連合会が認定団体となっており、当局は認定団体を通じて、厳正な会員管理を含め、信用情報機関に個人情報の保護水準の引上げを促している。

個人情報の保護や利用のあり方については、金融審議会等において長く議論されてきた経緯がある。平成10年、11年当時の議論においても、適正与信管理のために情報交流の拡大が望ましいという意見があった一方で、個人情報が悪用されないかとの懸念から消極的な意見もあった。また、現在、経済産業省産業構造審議会においても、こうした問題が審議されている。

過剰貸付けを防止する適正与信のためにはより包括的な名寄せが望ましいが、個人情報保護法の重大な違反が認められ個別に命令(個人情報保護法34条)を発動する場合を除き、国には情報交流等を禁止する権限はないことや、同法27条で事業停止事務が厳格に定義されていることを踏まえれば、法的根拠があいまいな形で利用や交流の議論をするということには慎重であるべきと考えている。他方、信用情報機関や会員与信業者における個人情報の保護水準の引上げは、重要な課題であり、経済産業省とも協議しながら、これを推進していきたい。

なお、産業構造審議会では、個人情報保護の観点から信用情報機関にかかる法律の整備の必要性が言及されている。確かに個人情報の保護も重要な論点だが、信用情報機関にかかる法制を論ずるのであれば、そもそも消費者信用市場において、その担い手である各業態の業者が信用情報機関をどう利用するかを含め、どのような規制に服し、どのような義務を負うのかという横断的検討があり、その上で信用情報機関の役割と責務が論ぜられるべきとの有力な指摘もあると承知している。

利用や交流の制限という議論は出口がみえないおそれがある一方、貸金業者が信用情報機関をどのように利用するかという論点は、過剰貸付規制のあり方を論ずる上では必須の検討課題であることから、この懇談会において、まず貸金業者について十分議論いただきたい。

竹谷全国信用情報センター連合会事務局長から資料11-4に基づき報告

33の情報センターは、管轄地域の貸金業者に対して、密着したきめ細かい情報管理を行っている。

全情連加盟の33センターでは、CRINによるいわゆるネガティブ情報の共有化、テラネットとの限定ポジティブ情報の共有化を実現している。

全情連加盟の信用情報センターへの入会資格基準は、(1)貸金業規制法の登録業者、(2)個人情報法令等に基づく安全管理措置を講じている、(3)報告基準を遵守できるものである、(4)貸金業協会の会員であること。

全情連33センター合計の会員会社数と店舗数(有人店舗)をみると、平成11年をピークに減少傾向にある。平成12年の上限金利引下げ、あるいはその後の消費者金融業界への他業態参入等に伴う競争激化に伴い、零細貸金業者の廃業及び中小業者の吸収合併等で社数、店舗数ともに減少している。

入会審査可否の現状だが、およそ年間200業者が入会する一方、15%が拒否されている。

18年1月末現在で約2,200万人の顧客情報(人数単位)が登録されている。現在若しくは過去5年以内に消費者金融の利用経験がある人数が2,200万人ということで、直近では毎月約10万人、年間約120万人の純増となっている。消費者金融の新規顧客、金融機関等の保証提携スキームに基づく保証契約主体としての利用者の新規登録等が含まれている。

登録情報には、本人要件情報から貸付けの内容等いずれも与信判断に必要不可欠なもの、異動情報と参考情報のいわゆるネガティブ情報、いわゆる与信の関連情報として与信判断に有用なサービス情報、本人申告コメントがある。

契約内容の登録期間については、基本的に、契約継続中及び完済後5年間登録される。その他延滞情報は延滞継続中、その他の参考情報は発生日を起算日として5年間登録される。照会記録は不正利用の発見を目的として過去3ヶ月分を開示している。

会員からいただく報告種別と報告方法だが、全情連のシステムは、貸付契約全体を塗り替える更新方式ではない。情報機関のデータベースに変化が生じた項目のみを特定して更新する。これにより、会員側で変化が生じた項目を速やかにリアルタイムで更新することが可能である。

全情連の信用情報システムの特徴の1番目は全件登録義務。当初から、残高情報登録とあわせ全件登録義務を全ての会員に契約で義務づけている。2番目は名寄せで、これは全情連独特の仕組み。全情連では従前から顧客コードを情報センターで採番して顧客とリンクさせている。会員側では債務の特定が非常に容易になり、そのまま回答データをスコアリングシステムに投入できる。3番目はリアルタイム更新。これは、世界的な傾向をみても非常に稀有なシステム。顧客側で発生しているイベントをいかに早く信用情報データベースに反映させるかが情報の鮮度、情報の価値という意味では非常に重要。会員が、専用端末機を利用してリアルタイムでデータベースの登録更新ができる。大手会員の場合は、前日の全ての契約を次の日の午前5時から午前8時の間に情報センターのデータベースに専用回線で送っていただき日次更新を行う。4番目は情報精査。情報の正確性及び最新性を維持するため、定期的に情報センターに登録されている情報を会員に全て返し、会員のデータベースと突合して正確性を確認してもらう。

全国33センター合計の照会件数は、平成16年度は年間で1億2,755万件。これは与信申込み時の契約照会、その後の途上与信管理照会を全て含めた件数。報告件数は、全件登録、全件更新義務があるので、照会件数の約3~4倍になっている。一日当たりでは約136万件。

過剰貸付け及び多重債務防止に向けた対応として、全情連としては、最新情報を登録更新しており、会員においては時系列的に適時的確に把握していただき与信判断に活用していただくことが非常に重要と考えている。

また、CRINの事故情報の相互交流に加え、テラネットを利用したノンバンク全体の信用情報の集積、また、今般全情連の情報センターへの加盟契約を一部変更し、貸金債権を取り扱っている割賦販売業者あるいはクレジットカード業者が入会していただけるようにし、情報の集積を進めていくことにした。

資料11-5に基づき、事務局から説明

資料11-5の最初の2ページは、懇談会でこれまでに出された指摘や意見を記載したもの。2番目から5番目については、いずれも資金の供給側と需要側が対等でなく、市場原理が機能していないのではないかという問題意識に基づいているように思われる。元来、貸し手は借り手の信用リスクを評価して貸付金額や金利を決めるため、既に多額の債務を抱えている信用リスクの高い借り手に追加的に貸し込むのは市場原理からすればおかしな現象であることから、業者のビジネスモデルを分析すべきということで、前回は消費者金融、今回は事業者金融のヒアリングを行った。

ほとんどの借り手は、最初は一時的に収入を超える支出をしたいという動機に端を発しているが、その最初の動機が簡単に実現でき、借入れを続けているうちに借入動機が借入れの返済そのものになってしまうという現象がある。

借り手が自分の収入から返済することが前提になっていれば、自ずと歯止めがかかるが、貸し手にとっては、保証人が返済してくれても、他から借りて返してくれても違いがないということが問題を深刻にしているという指摘があった。

5番目のノイズレンダーという指摘も同様で、既に多額の債務を抱えている借り手に貸し込むという信用リスク管理上おかしな現象になるのは、必ずしも経済的に不合理でないためで、業者間で負担を転嫁していく、場合によっては共有するという連鎖構造になっているためであるとの指摘がある。結果的に破産するとしても、それまでの間にかなり回収できるのであれば、信用リスク管理のインセンティブは働かないので、金利規制の問題でもあり、金額規制の問題でもあると思う。

過払い返還請求も金利の問題と捉えられるが、多重債務者が弁護士に債務整理を依頼して行われているので、過剰貸付け、量の問題と不可分である。

意見にあったように、自己破産を容易にすると当然モラルハザードを招くが、高金利での過剰貸付けを行っていなければ、その分自己破産の必要もなくなる。逆に言うと、過剰貸付けの結果、借り手が破綻して最も困るのは過剰貸付けをしている業者である。

リボルビング契約や信用情報機関あるいは広告などを制度問題として捉えていく必要がないかという点の関連で、4ページのアメリカの規制、月々の返済額を月々の金利相当額より低額にして、残債務が増加していく返済方式を禁ずるとか、毎月の支払額を残債務の一定割合以上にするといった取組みが参考になると思われる。

この他、借り手の返済能力を考慮する義務、カウンセリングを受けさせる義務、開示義務、期限前の弁済に対する違約金に関する規制、合理的でない借換えの禁止など、日本の過剰貸付規制の概念と重ならない部分もあるが、いずれも参考になると思われる。

リボルビング契約における最低支払額を未払い額の2%から4%に変更するという自主的取組みは業界の自主規制だが、これは、5ページにあるように趨勢的に借り手の毎月の最低支払額が低下した結果として支払い期間が長期化し、かつ総支払額が上昇したことへの監督当局の懸念を背景に、破産法改正を契機として業界として取り組んでいると承知している。

6ページの日本弁護士連合会の統一消費者信用法要綱案では、与信行為規制の違反を行政処分や民事上の行為対象にしているほか、ローンとクレジットを一体として捉え、信用情報機関も制度上の存在として位置づけている。

広告については、他の金融業法ではあまり議論されておらず、自主規制として取り組まれていることが多い。しかし、広告に基づいて金融商品を買って損をするのも困るが、広告に基づいて簡単にお金を借りて返せなくなることの方がもっと深刻であるので、制度として改善を検討する必要があるという意見を多くいただいている。

イギリスにおいて、字の大きさとか記載箇所について規制していることについては報告させていただいたが、借りる前に返済可能性をよく考えることを促していると思われる。

討論

(質問)

事業者金融に対する中小・零細企業のCS調査(2005年10月 日本事業者金融協会)をみると、既利用企業で「今後利用したい」と考えている割合は4.2%で、「利用したくない」という回答が58.3%になっている。また、利用契機としては、「銀行の融資枠が一杯だった」、「融資を断られた」というのが多い。もう一度使いたくない理由をみると、「金利負担が重かった」、「取立催促が厳しかった」という調査結果が出ているが、この辺について日本事業者金融協会の土屋会長の意見をうかがいたい。

(回答)

事業主は、できれば金融機関の低い金利で借りたいと考えている。実は85%が我々事業者金融とは関係を持ちたくないと考えている。そうは言っても、緊急の資金がなければ会社が成り立たないため、我々を利用していただいている。

(質問)

借り手である顧客のビジネスの状況がその後どうなったかフォローアップをしているのか。資料では、有利な商談のチャンスを掴んだにもかかわらず手元資金が不足していて緊急な資金需要に応えているとあるが、逆に言えば、他の金融機関はビジネスチャンスを逃しているということで、そうであれば競争が起こってくるはず。リピーターとして、次々に返済が終わっても再度借りるという形で利用されているのか、それとも繰り返し借りている方は少ないのか、その辺の調査なり感触を教えていただきたい。

(回答)

当社の顧客は、一旦は全て返済するという方がほとんど。特に、零細企業の実態について言うと、全く予測がつかない資金が必要になれば事業者金融を利用しており、そのような形で繰り返し利用していただいている。

当社の顧客のその後のビジネスの状況についてだが、事業がうまくいかず経営破綻する企業もあるが、高金利の資金を利用しながら売上が増加していき、銀行からも資金の提供を受けられるようになって、更には上場するような企業もいくつも出ている。

(質問)

事業者金融の利用企業は、業者からのダイレクトメール、電話、訪問という形、いわば不招請勧誘により業者を認知しており、自分から利用しようとはしていないのではないか。

日本事業者金融協会の資料では、調達平均金利が8%と非常に高い。前回の事務局資料では、小規模業者でも平均調達金利は3%台で、それに比べると異常に高いが何故か。

(株)ニッシンでは、消費者向けにワイドローンという商品を出しているが、実際の利用金額が150万円と非常に高い。これはどのような用途に利用されているのか。おまとめローンのような形で利用されていると思うが、ワイドローンを利用する方の属性を教えていただきたい。

無担保で貸付けを行う消費者金融と異なり、保証人や担保を取る保全方式が商工ローンによる悲惨な事件の二の舞にならないか大変懸念されるが、保証人についてどのように考えているのか。日本事業者金融協会の報告では、保証人による返済は25~30%ということだが、保証人からの回収率はどの程度になっているか教えていただきたい。

制度改正に望むこととして、消費者向けと事業者向けで異なる取扱いをしていただきたいとのことだが、利用している顧客をみると非常に零細の事業者が多い。零細な事業者の場合は、消費者契約法や特定商取引法では消費者として位置付けるように検討が進められ整備も進んでおり、単純に異なる取扱いにはならないと思う。

(回答)

事業者向け貸金業というのは大変リスクが高く、審査をきっちりしないと簡単には貸せない。このリスク保全の状況については、現場の事業者向け金融を行う業者にしか分からないため、金融機関からはなかなか融資してもらえず調達金利は8%になっている。

広告についてだが、事業者金融業者は、ごく稀な例を除いてテレビCMをしていない。そのため、資金需要者のほとんどは電話、雑誌などにより認知している。

保証人についてだが、事業者金融では、1~2日の審査で何百万円という単位の金額を貸しておりリスクが非常に高い。そのため、保証人を付けなければリスクを保全できない。我々が一番重要と考えているのは、債務者と一緒に保証人に実際に会い、債務者が支払えない場合に保証人に負担していただくことを正確に説明することである。こういった前提を踏まえれば、日本の経済・金融システムの底辺を支える金融として、保証人制度はどうしても必要と考えている。

ワイドローンはいわゆるおまとめの商品。導入当時、出資法上の上限金利が40.004%の下で、金利40%の借入れについて20%半ばの金利での借換えを提案していた。保証人に請求することよりも、保証人を付けることによって弁済意欲が高まることに意義があると考えている。最近ではたくさんの貸金業者、銀行がおまとめ商品を提供しているが、金額が高くなるという問題があるものの、競争原理が働くという意味ではいい方向にあるのではないかと考える。

事業者向け貸付けには様々なニーズがあり、顧客の売上も早く変化するため、事業者向けと消費者向けの貸付けは違って然るべきではないかと考えている。例えば、新興上場企業が、3月の期末越えのための資金1億円を3日間だけ必要とするというケースもある。そういう場合の金利は、リスクに対するリターンを考えると利息制限法上の上限金利である15%では融資できない。

(質問)

入会審査によって入会が拒絶される場合がある。また、信用情報機関を利用しない事業者は、どのような理由で利用しないのか、どのような背景があるのか教えていただきたい。

業者が信用情報を照会する際の利用コストはどのくらいかかるのか。

資料11-5にある日弁連の与信行為規制に関する提案の中には、個人信用情報機関を利用して事故情報の有無、貸付禁止依頼の有無等を調査しなければならないという、個人信用情報機関の利用の義務づけが提案されているが、これについてはどう考えているか。

(回答)

登録貸金業者約18,000のうち、協会員が約8,000、情報センターの会員は約2,500であるが、情報センターに登録された情報の残高ベースで言えば、上位10社で70%の残高をカバーしている。一方で、加入していない業者は主に事業者金融を小さく営んでいる、あるいは、地元で非常に密着した形で顧客に対して小規模の消費者金融を行っている。参入が容易であり、非常に小規模の貸金業者が多いが、そのような業者は不特定多数を取引相手にしていないため、入会しなくても与信ができると聞いている。

情報センターのコストを計算するのは非常に難しいが、名寄せの実施にはかなりのマンパワーが必要。また、会員に依頼して、最新の正確な情報を維持していくには非常にコストがかかる。あとは、装置産業であるため、コンピュータシステムに関する投資が非常にかかる。

全情連では上限コストを定めており、例えば会員の入会金は1社当たり30万円以下、1店舗入会するごとに15万円以下、ランニングコストとして1店舗当たり月額5千円以下、会員の与信コストの大部分を占める照会料金についても、全情連としては1件120円以下としている。例えば東京の情報センターは、1照会45円から90円、100円くらいの間。

3点目の利用を義務づけることについては、現状、貸金業規制法には協会加盟義務、情報センター加盟義務はない。与信判断に利用するニーズがあれば、情報センターとしては利用していただきたい。最新の正確な情報で与信判断をしていただきたいと考えている。

(質問)

個人信用情報機関については、現在、産業構造審議会割賦販売分科会の基本問題小委員会で、特にクレジット関連について検討が進められているが、金融庁も是非共同して整備を図っていただきたい。

全情連の仕組みをみると、非常に強固に作られているという印象があるが、加入率が低く、全件登録をしているが全件照会になっていない。途上与信を適正に行うためには全件照会が必須だと思うが、1件照会するのに100円くらいかかるため、照会してないのではないか。前回の金融庁提出資料をみると、大手5社の顧客の他社利用件数は3件くらいまでだが、中小の顧客の場合は8件くらい借入れている。8件くらいから借り入れる場合は、ほとんど多重債務に陥って自己破産することを考えると、この中小業者が信用情報機関に照会して利用しているかどうかについて疑問に思う。信用情報機関は、どの業者が信用情報機関を利用しているか分かるはずなので、この辺りについてどのようになっているのかお聞きしたい。

(回答)

現在、そのような統計、数字はない。

(質問)

銀行系とノンバンク系の信用情報機関でお互いの情報を交換するのは難しいのか。

(回答)

全情連の情報システムと他の機関では、プラットフォームが違うことに留意していただきたい。全情連は、名寄せシステム、リアルタイム更新、情報精査等で非常に独特のシステムになっており、現在CRINで交流している情報は、名寄せしている情報をあえてバラし、レコード単位に直して、事故情報だけを出しているという状況。

会員から聞いた話では、消費者信用ビジネスの競争関係、イコールフッティングの点、例えば資金調達面や様々な規制に関し、銀行業界とノンバンク業界では差がある。また、他の信用情報機関では全件登録されていない、貸付残高がない、顧客情報の登録・更新に1ヶ月かかり、情報が量的質的にイコールフィッティングになってないとのこと。他の信用情報機関でも整備・充実されているが、業界全体の問題、情報センター固有のシステムの問題、制度問題といった点でなかなか前に進んでいない。これは情報センターが主体的に動くという話ではない。与信業者の業界全体について検討し、どういう仕組みがベストなのかこの場でも議論いただきたい。

(質問)

全情連では信販や全銀協と情報を共有したくないかのごとく活動しているといった話を聞くが実際はどうか。

(回答)

情報交流をしたくないわけではない。中小の事業者金融業者が与信判断を行うに当たって、他の情報を必要とするかという点が最大の課題となる。例えばCRINについて言うと、これまで全情連の会員が他機関に照会する件数は極めて少ない。しかし、銀行から全情連の情報センターに照会する件数は非常に多い。消費者金融専業者は我々のデータベースを見て、登録情報があればその内容で与信判断をする。もし該当情報がなければ、消費者金融をまだ利用していないということだが、クレジットカードの利用や銀行からの借入れは多いかもしれない。

(質問)

信販、全銀協との情報の共有、信用情報機関の統合にはシステム上の問題があるとの話があったが、多重債務による不良債権リスクから比べれば大変些細なことだと思う。また、昨年閣議決定されている消費者基本計画において、統一消費者信用にかかる制度についてしっかりやっていくとされており、こうした動きを受けてこの懇談会が開催されているわけだが、このような背景を踏まえて、業界としての意見を聞かせていただきたい。

(回答)

先程話があったように、情報の精度はそれぞれの情報機関によって異なっているという問題がある。しかし、消費者信用産業全体の問題として、多重債務問題に取り組むためには、そういった方向に向けての議論になっていくと考える。

47都道府県の貸金業協会では、全情連と指定契約を締結して情報を得ている。現在は、ブラック情報については交流をしているが、ホワイト情報についてまで交流するには、情報センター同士調整していかないと難しいと思う。

(質問)

信販のキャッシングの部分と情報を共有することは国民から見ても、業界全体から見ても、健全な姿だと思うし、情報が得られることによって新たなミドルリスク・ミドルリターン層の顧客を開拓できる可能性もある。多重債務に関しては、43条のみなし弁済規定についての議論が多いが、過剰貸付けについて取り組むことの方が業界として重要な課題。その中で、消費者信用情報については、現在は縦割りになっているが、当然のインフラとして共有することが必要と思うが、この点について意見を聞かせていただきたい。

(回答)

日本クレジットカウンセリング協会には、全国貸金業協会連合会、クレジット産業協会、全国銀行協会の3者が出資をしているが、全国銀行協会は他の2つと同額の出資をしていない。銀行業界の顧客はリスクが小さくあまり利用しないためだと思うが、日本クレジットカウンセリング協会の業務拡大のためにも協力していければと思う。

(質問)

消費者金融については、現在、銀行業界も直接間接的に取り組んでいるのに、業界間で考えが異なるのはおかしいと思う。この点について銀行との関係も含めて信販の意見を伺いたい。

(回答)

当社は銀行系の信販会社だが、ニーズに対するコストが高いこともあって、全銀協傘下の金融機関は信用情報センターに加盟していない。我々としては、信用情報センターが一つになることについて消費者の理解は得られるのではないかと考えており、統一していただきたいというのが基本的な考え方。主務官庁が違うということもあるが、業態の中で考えれば、当然1つの方向に進むべきであると考えている。

(質問)

只今の意見を伺っていると、信用情報機関は統合されたほうが良いということか。

(回答)

現在、経済産業省の産業構造審議会でも、各信用情報機関が個人情報の保護管理についてあるべき安全管理・会員管理ができることを前提として、複合加盟を認めるかどうかについて検討が進められている。さらに、現在のネガティブ情報だけではなくて、ホワイト情報の交流まで進めるかどうかについても議論されているところ。情報の量的・質的な違い、システムの違い、さらには業務の規制がそれぞれの業態によって異なる中で、歴史的な背景が全く違う信用情報機関を一つにすることは個人的には難しいと思うので、まずは、各信用情報機関において、個人情報保護に係る安全管理措置を統一的に遵守するということを前提に、複合加盟を可能にすることが現実的な対応と考えている。

在日米国商工会議所でも信用情報機関の統一については議論されており、私共としてはホワイト情報も交流すべきだと考えている。1つは、より適切なクレジットの判断が可能になるということと、過剰貸付けの防止にも非常に役立つということ。現在の、それぞれの業界が個別に情報を持っていると、お互いのことは分からず適切な与信判断ができないので、是非交流を促進していただきたいと思う。日本の場合、主務官庁が異なるなど非常に複雑な問題があるので簡単ではないかもしれないが、是非お願いしたい。

(意見)

経済産業省の産業構造審議会では、ホワイト情報の交流について、慎重、否定的な意見が消費者委員から出されている。確かに過剰貸付防止のためには、本来であれば必要だが、現状においては貸付ける際の信用情報の利用方法が変わってきており、信用力のある人を探してより多く貸すために使われているという印象が拭えない。過剰貸付防止のために利用するという原則がまず確立される必要がある。この原則がなく、単純に信用情報機関のホワイト情報を交流すれば過剰貸付け、途上融資が防止できるだろうというのは少し早計だと考える。

(質問)

我が国における本質的な問題として、事業者の中には様々なマクロ経済環境の変化等によって、自己責任ではない理由で破綻せざるを得ない場合が起こる訳だが、こういう方々の敗者復活、再度のビジネスチャンスの機会が非常に少ないことが、逼迫した状況で多重債務を冒してでも事業を引き延ばして行かざるを得ない実態を招いていると感じられる。例えば自己破産や民事再生、私的整理を行った方に対しては、その原因分析等をした上でもう一度融資を受ける機会が与えられているのか。そういう融資が行われていれば、場合によっては自己破産等の道を選択する方も出てくると思うが、この辺りの実態について教えていただきたい。

(回答)

我々業界は地域に根を張っており、事業者の社長の人柄や情勢を知っている場合には、援助のための貸付けを行う場合があるが、ケースとしては少ない。

私も同じ意見で、中小企業の方がなぜこんなに粉飾決算をするのか、何がそうさせるのかと思うことがある。それはリターン・マッチを行う機会の少なさに原因があると思う。金融機関が融資審査を行う場合に、赤字があっても許容するといった、そういう環境・土壌を作っていかないとリターン・マッチの機会が起こらないと考える。

(意見)

過剰貸付けについて考える際に重要なことが2点ある。資料11-5の日弁連の提案の中の1の(2)には1社当たりの与信の上限を決めているが、総債務に関する総量規制を行うべきと思う。前回、事務局からも指摘があったが、現在でも基準はあるが、それに関する行政罰あるいは刑事罰が行えない点については直ちに手当をすべき部分ではないかと思う。

総量規制あるいは過剰与信の規制を行うのは金利が高いことにより問題が起こっているためであり、金利規制による解決が先でペアである必要がある。もう一つは、量的、金額的な過剰だけではなくて人的過剰になっていること。特に保証人の問題だが、この点について手当をすることが大事。私は破綻モデルと呼んでいるが、無担保・無保証の貸付けから入り、いわゆるおまとめローンを行う際に保証人を付ける場合があるが、この場合の多くは住宅が担保に取られて、それを失ってしまうことがある。資料11-5に、過剰貸付けに関するアメリカの主な規制を掲げているが、居住地である住宅については保護されるような手当が必要ではないか。

簡単に借入れができることや、リボ方式で借入期間が長期化するといった点は過剰貸付けに結びつきやすいと思う。しかし、そういったことについて何か非常に厳しい行為規制を課しても、一般的に業者は、顧客の拡大や利便性を高めることが業であるため、完全に効果が期待できないのではないか。例えばテレビCMを使った広告を規制しても、インターネットや携帯などのツールも利用されており、他の手法による広告が行われるという気がする。基本的には、業者も貸倒れにつながる融資はしたくないので、与信管理を強化するというインセンティブをより持つためのインフラを整えることが重要と思う。そのためには、信用情報の交流が前提として重要であり基本ではないかと思う。この点に関しては、数年以上前から様々な懇談会等でも結論が出ている訳だが、実際のところあまり進展がないので、もう少し具体的に問題を解きほぐして、期限のようなものを設定してもいいのではないか。実際、銀行やカード会社が無担保ローンを行っており業界の再編も進んでいることから、この問題を解決する緊急度が増していると思う。

(質問)

一部のノンバンクのビジネスモデルは、自分で返済できなければ他の業者から借りてきて返済させ、債務者の破産をどんどん先延ばしにすると感じていたが、今日の報告では、優良なノンバンクはそうではなくて、金融機関と同様に借り手から返済を求める。そうであるとすれば、自己破産を容易に認めても別に問題はなく、貸し手側は与信審査を十分行うようになると思うが、それに関する意見を伺いたい。

(回答)

コストは高くなるが、そのようなセーフティーネットが張られるほど、我々はたえず顧客に注視して、途上の与信について地道に訪問して頻繁にみていかなければならないようになる。

(質問)

(株)ニッシンの報告では、事業者と消費者では必要な資金規模も異なるとの意見があったが、もし優良な中小企業の場合、短期間に何百万円、何千万円を必要とする場合があるのか。

(回答)

現実に顧客の中には、1年間で売上が10倍になった方もいるが、そうした状況ではどうしても先に資金ニーズが発生する。そういうケースが現実にあるので、我々としては成長過程に合わせて、資金ニーズに対応した融資を行うべきと考えている。

(意見)

ビジネスモデルを考える時に、おそらく融資審査に比較優位がある業者と取立や回収に比較優位がある業者が一枚岩ではなくて、幾つかの種類に分かれていると思う。前回事務局から提示があった、貸倒費用の対期末貸付残高比率や自己破産申立件数が、個人再生手続が導入されてからどのように変化したか、ビジネスモデルをどのくらい変化させてきたかいった点が分かると、現状の出発点として再確認しやすいと思う。

過剰貸付けの問題については、そもそも規制することが本来望ましいのかどうかという点と、規制するとして実効的な規制ができるかという2つの問題があると思う。

現在のガイドラインにある50万円と収入の10%が本当に合理的な基準であり、かつ規制として守らせることが合理的でかつ実効的なのか実態を知りたいのが第一点。

マーケットがうまく機能していれば、過剰貸付けの問題は、ある意味では業者の自己防衛の問題で、それに政府が手を貸す必要があるのかという話だと思う。ただ日本の場合、消費者信用のマーケットがうまく機能していないところがあって問題が出てきており、ある程度過剰貸付けを規制し、信用情報の集中を政府がバックアップしなければならないという話になっている。本当の問題の所在はどこにあり、現在の貸金業規制法30条のような規制、政府が信用情報機関の設立をバックアップするという手法を採るのがいいのか、その場合50万円というのはある意味で一律規制の形になるので、むしろアメリカのように実際に出てくる弊害を抑えていくような手法、いわば担保に取る不動産等を失わせる行為を規制するという具体的な弊害を抑える方法を採るのがいいのか、根本論として、規制の方法、あり方を考える必要があると思う。

これまでノンバンクについては、健全性の観点からの視点で監督が行われてこなかった。しかしこの問題に関しては、与信管理、リスク管理をすればするほど収益に直結する、より健全な業者が生き残っていくようなインセンティブシステムを導入した監督体制について考えていく必要がある。対処療法で過剰貸付けを規制するというような手法では実効性が上がらないので、根本的な規制の考え方を少し改めて、健全なビジネスモデルを育成していくという観点で考えていったほうかいいのではないか。

オブザーバーとしての立場から、今後の議論に際してお願いしたいことを言う。第一点は、消費者向けの貸付市場は法制定時のニッチなマーケットではなく、収入と支出のギャップを調整し、個人消費の下支えの役割を果たしている1つの市場という認識を持つ必要があると思う。したがって、この市場を正常に健全に機能していくように育成していくにはどのような社会的な仕組みが必要か、こういう観点からの法のあり方の検討が必要ではないか。

第二点は、現在議論されているように過剰貸付け、多重債務等の問題が生じているのも事実であるので、どのような規制が健全な借り手と貸し手に取って必要であるのか、また健全な借り手が不幸にも返済不能になった場合に、社会的インフラとしてどのような制度を用意すればよいのか、業界の参加の下でカウンセリング機能や救済システムなどの社会的インフラの整備拡充について、掘り下げた議論をしていただきたい。

最後の一点は、業態の違いについて。銀行の預金を原資とした資金は大企業中心の事業会社に向けられ、ノンバンクは一方で、個人の小口・無担保の分野に資金の供給を続けており、今や資金の調達方法や資金の供給先は過去と大きく異なってきている。今後の議論においては是非、前2回の改正のような社会的な現象面に対する対策的な改正ではなく、市場の健全な育成を通じて経済の活性化を図りつつ、多重債務問題に対する社会インフラの整備拡充、そして業態毎の実務実態に即した貸金業制度の検討をしていただきたい。

ノンバンク業界は銀行業界とビジネスモデルが異なり、ノイズレンダーが存在することが問題。銀行の場合は不良債権になれば全部自分の損失となるため貸し出す時に注意するが、ノイズレンダーは他の業者に廻すというところで異なる。

オブザーバー、事業者側の意見があったが、多重債務となり自己破産に陥っている人が非常に多いというこの異常な事態をどのようにして解消していくのかを議論の中心に据えていただきたいと思う。広告やリボ払い、おまとめローンについては非常に大きな論点と思っている。

過剰貸付けについては要件の明確化が難しいと思うが、根本的には金利規制や総量規制の議論を徹底的にすべきだと考える。

融資額規制は消費者向けと事業者向けで異なる取扱いにしてほしいとの話があったが、保証人の問題で言えば、事業者ローンの保証人には一般の人がなっている。しかも保証人からの回収率が25~30%で、身内や友人も巻き込んでいる。一般の消費者を保証人にしている事業者ローンの問題等に関してはきちんと規制をかけていただきたいと思う。

本日の事務局資料の中にもイギリスの広告規制に関する資料があるが、それと比べると日本の広告規制は問題。重要事項については全て同じ大きさの文字で書く、実質年率と重要事項は同じ場所に表示しなければいけないなど当たり前のことが日本ではされてない。市場の発展のために一般の消費者が過剰貸付けや必要のないリボルビングに巻き込まれている現状があるので、その辺のバランスを取った議論が展開されることを望む。

(事務局)

業界の健全育成は大切だと思うが、日本クレジットカウンセリング協会の資料にあるように平均年収316万円に対して、平均8.6件444万円の債務という状況を無視するわけにはいかない。そのため、健全ではない業者をどう取り締まるかということを業界の方から提案していただきたい。そうすれば消費者との距離が縮まり、最終的に業界の健全育成に繋がっていくと思う。

以上

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総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3567、3553)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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