貸金業制度等に関する懇談会(第16回)議事要旨

1.日時:

平成18年4月18日(火)10時00分~12時26分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館 9階 金融庁特別会議室

3.議題:

  • 懇談会におけるこれまでの議論(座長としての中間整理)
  • 討論

4.議事内容:

資料16-1に基づき、事務局から説明

前回いただいた意見や指摘等を、現時点での中間整理ということで資料16-1に反映させた。

ある論点について方向性が概ね一致したとしても、具体的にどういうルールにするかについてはまだ議論が必要。意見が分かれている部分もあり、本日この場で具体的に何かを決めるというものではなく、事務局としては、有識者の認識をできるだけ忠実に整理した。

全体として規制強化になっているが、これまでのところ業者も含めて異論が出ていない論点については「概ね一致した」、そうではない論点については「意見が多かった」、「あった」という表現とした。

前回からの主な変更点について説明する。

1ページの下、過剰貸付け防止については、借り手の借入れ動機と貸し手の貸付姿勢をどうみるかで議論が分かれた。2ページの最初にあるように、借り手の動機が貸し手によって容易に満たされてしまっているので、どこまでが貸付けの限界かを常に意識する、抑制された経営姿勢が求められるという意見が前回あった。借り手の借入れ動機というのは、最初の借入れ以降時を経るにつれて、既往の借金の返済に自己目的化していくことがこれまで何度も指摘されてきた。

大手消費者金融会社に対して、既往債務の“おまとめ”を借り手のフローの収入では返せない、最初から担保である自宅を目当てにしているとしか言いようがないとして、過剰貸付け禁止違反と認定したが、訓示規定であることから行政処分の理由になっていない。そこで借り手の返済能力を超える貸付けの禁止に違反した場合には行政処分を可能にすべきとの指摘があった。

最長返済期間や月々の最低返済率(額)、さらに総残高規制といった論点については、そうした規制を実効あらしめるインフラの整備状況も含めて引き続き議論する必要がある。

信用情報機関については、総論として利用促進には異論はないが、仮に加盟を義務づける場合には、貸金業登録の厳格化や加盟審査の強化が行われないと個人情報保護法上大丈夫かという懸念が示されており、その懸念は信用情報機関間の情報交流についても同様。一方、加盟要件を満たしているのであれば業態間の商売上の思惑で加入を認めないということがあってはならないという点は、コンセンサスが形成されていると思う。

リボ取引については、当面の負担感の少なさからくる債務依存体質の深まりに歯止めをかけるべく、契約更新時に第三者のカウンセリングを受けさせることが必要ではないか、現行の利用可能額の表示がお財布感覚と言われる所以であり、預金と混同する恐れがあるため禁止すべきという意見もあった。

行為規制については、説明義務のうち借入金額、金利、期間といった構成要素だけでなく、トータルの元利負担と返済計画を顧客に説明して確認する、あるいは、利息制限法の法的な性格を説明するというのは重要な論点。

参入規制、監督手法については、一般論では行政による規制と監督、その外縁をなす自主規制、さらに個々の業者のコンプライアンス体制をいずれも強化していく、また過不足なく組み合わせていく必要があるという指摘があったと思う。

行政については、登録に際しての試験資格制度や監督ツールとしての業務改善命令、自主規制機関については、加入インセンティブを高めるとともに機能強化を図る必要があるというのが概ね一致した意見だと認識している。

ただし、自主規制機関に強制加入させるのはかなり法制上のハードルが高くなっており、例えば、証券取引法上の認可法人である証券業協会も事実上は全社加入しているものの、強制加入とはなっていないことに留意すべき。

行政は、業者が法令遵守にとどまらず借り手の知識経験、経済状況などを踏まえた広い意味での適合性原則を確立しているかどうかを重点的にみていくべきであり、これは貸金業に限らず金融業の規制一般に該当する、との意見があった。

貸金業においては、借り手はいつも借りたくて必死であり、社会的責任を果たさないため、顧客に信頼されない業者が淘汰されていくという原理が働きにくいので、個々に違法行為を摘発していくということも重視せざるを得ない。

金利規制とグレーゾーンについては事実として様々な意見があるとしても、懇談会の整理としてはこれまで行われた議論の実態を反映すべきであるという指摘があった。

そこで考慮すべき論点として、需要者側のニーズと実態については、現行の出資法上限金利水準は、消費者が生活していく上でも事業者の損益分岐点という意味でも負担が困難な水準であるとの意見を前回よりは明確に記載した。

供給者側ひいては需要者側への影響については、金利を下げれば貸金業者として採算が取れなくなるという意見がある一方で、それはそういう業者からしか借りられない信用リスクの高い借り手にどういう影響を与えるのかが議論されるべきであるとの意見があった。

金利引下げにより、信用リスクからみればグレーゾーンでしか借りられない限界的な借り手のニーズがヤミ金融に向かうという意見と、一方でヤミ金融からの借り手はもう既に借金に追われている人達であって、そもそもそういうニーズは満たされるべきではないし、過去にヤミ金融が増えたことと金利を下げたことは関係ないという意見が並立している。

銀行系の貸金業者は、利息制限法の範囲内で低所得者向けに貸付けをしているという指摘がある。その事実を制度論にどう繋げていくか。だから金利を下げても借りられなくなるわけではないのだと続いていくこともあれば、いろんな業者が入ってきているので顧客が有利な者を選べばよく、金利規制の強化は必要ないと続くこともある。さらには、銀行系の貸金業者は、まだまだマイナーな存在であってメジャーになるまでには相当時間がかかるので、規制そのものを変えなければ間に合わないという意見もある。

少数の例外的な見解を除いて、やはり現状では上限金利規制が必要であるということだったと思う。グレーゾーン問題については、刑事と民事の上限金利が異なる場合に現在はみなし弁済となっている両金利間の扱いをどうするのか、一本化するのかという論点がある。

みなし弁済については、貸し手と借り手の騙し合い制度というような指摘があった。この制度は廃止すべきという意見が多かったとまとめられると思う。ただ、どっちに一本化するかによっては、まだ現状のほうが好ましいという意見もある。

グレーゾーンを存置する場合の選択肢としては、みなし弁済要件を厳格化するという方向、一方でテクノロジーの変化に応じて緩和するのは借り手保護上望ましくないのではないかといった意見がある。

廃止する場合の選択肢として、出資法の上限金利を引き下げて利息制限法に合わせるのか、利息制限法の上限金利を引き上げて出資法金利に合わせるのか、中間的な金利に一本化するのか、この選択肢について実際の議論を反映してまとめてほしいという意見を前回もいただいたので、理由をいくつか整理して列挙した。

まず、引き下げるべきという意見の根拠として、マル1資金需要者の返済能力に比して高く多重債務の一因となっている、マル2貸金業者の調達コストに比べて高い、マル3金利を引き下げても健全なニーズがヤミ金融に流出することはなく、むしろ多重債務者が存在するがゆえにヤミ金融につけ込まれている、マル4最近の司法判断はみなし弁済の要件を厳格に解釈しており利息制限法の制限利率以上の利息を訴訟において求めることが事実上困難になっていることなどを踏まえれば、この際出資法の上限金利を利息制限法上の上限金利まで引き下げる方向で検討することが適当であるとの意見が多く示されたと思う。

信用リスクの高い資金需要者の資金ニーズがヤミ金融の餌食になる場合は多重債務者となるとの意見もあったが、そこまで行かない健全なニーズに応える必要があるのではないかとの意見があった。こうした資金ニーズが合法的業者によって満たされない場合には、ヤミ金融に向かうことは避けられない。

さらに、みなし弁済に関する厳しい判決や過払い金返還請求は、貸金業者のビジネスモデルを極めて不安定なものにしていること等を踏まえ、出資法の上限金利の引下げは慎重に考えるべきとの意見や、この際利息制限法の上限金利を出資法の上限金利まで引き上げる方向で検討することが適当であるとの意見が示された。

上限金利の引下げ(出資法金利の引下げ)を検討する場合であっても、現実の資金需要と供給を考慮することが必要。少額・短期の借入れであれば借り手の返済可能性、貸金業者のコスト等の観点から、ある程度高金利も正当化されるのではないかという意見があった。ただ、例外を設けると規制が潜脱されやすいので、仮にそういった例外を検討するのであれば潜脱されないための特段の工夫が必要との意見もあった。

一方、業者の属性に着目してコンプライアンス体制の整備状況などから適格な業者とそうでない業者を区分して、適格業者にはグレーゾーンでの金利設定や書面交付などの電子化を認めるべきとの意見があった。これに対しては、業者の適格性を認定した上で、制度の適用を区分することの技術的な困難さに加えて、体制整備の如何によって制度の適用を変えるのは制度論としては適当ではないという意見もあった。

現在ATM手数料などが出資法の利息の定義に含まれているが、仮に上限金利の引下げを検討する場合には、みなし利息の定義の見直しも併せて行うべきという意見があった。

最後のページは「今後の検討課題・視点等」であるが、これまでの議論を中間的に整理してまとめたもの。さらに検討を深める必要がある論点や一層の意見の集約に向けて議論すべき課題も多いので、引き続き検討していく必要があるものが記載されている。

マクロ的に家計の資金余剰と企業の資金不足が共に縮小する中で、家計が銀行に預金して企業に貸し出すといった伝統的なビジネスモデルよりも、メガバンクを含む全ての金融業態が家計の負債サイドへの取組みを強化しており、メガバンクと大手消費者金融業者との提携も進んでいる。したがって今後、貸金業制度のあり方を考えるに際して、日本の金融システムにおいてこの貸金業というものをどう位置付けるかという視点が必要との意見があった。

格差社会という議論が最近あるが、事実として平均的な世帯収入所得の低下傾向、貯蓄を持たない家計の割合の増大、若年層におけるフリーターやニートの割合の高さなどを踏まえ、普通の国民がこれまで以上にライフサイクルの中で一時的に負債を負う機会が増える可能性に着目して消費者保護の枠組みを整理していくべきとの意見があった。

今回のプロジェクトは多重債務の防止を主眼として、必要な制度改正に取り組むべきということだろうが、消費者基本法に基づく基本計画を踏まえ、中期的には包括的な消費者信用法制の構築に向けて検討を進めるべきとの意見もあった。

討論

(意見)

グレーゾーンをなくすという点は概ね一致したのではないか。みなし弁済規定は要件が非常に不明確であり、適用要件を理解していなかったために本来返済義務のない高い金利を支払わされてきた債務者にとっては、極めて問題がある制度ではないか。

上限金利は多重債務を防ぐという意味で、過剰貸付け防止のために返済能力を超える貸付けを貸す側から抑制するという観点から大変重要。

基本的には利息制限法の金利を基準として上限金利を考えるべきではないか。また、上限金利を変えるだけで問題が解決しないことは理解しており、過剰貸付け防止の観点から借り手の返済能力をきちんと把握する必要があるし、金利が重要な要素であることは言うまでもない。

貸付金利だけではなくて、貸付額、返済期間、保証料、みなし利息のあり方も合わせて議論の遡上に上げることが必要。

前回、借り手の類型に分けて考えるべきと発言したが、個人と法人で分けても、苦しんでいる中小零細事業者が多くあることや、保証人として債務を負うケースなどは、結局は個人ベースの話であまり意味がない。プロの市場は別としても、少なくとも返済能力が限定的な個人あるいは弱い立場の中小零細個人事業主に対しては、出資法の上限金利は返済可能な金利水準まで引き下げるべきではないか。

貸金業界健全化のためには金利規制だけでなく総合的な取組みが必要で、登録要件の厳格化を図るのはもちろんであるが、登録業者の中から無事故無違反と言うか、一定の要件を満たした場合には「マル適」マーク、つまり優良事業者を認定して評価をするような仕組みを考えるべきではないか。

過剰貸付防止の観点から、信用情報機関の統合と信用情報の利用を業者に義務付けることが必要だと思うが、中間整理では若干消極的な感じを受ける。信用情報の悪用・流出を防ぐための体制整備のため、参入時におけるスクリーニングに加えて、行政がきちんとリードして関与する必要があるのではないか。個人情報保護法上の懸念があることは理解できるが、そこは警察とも一層連携強化を図って監督なり取締りをきちんと強化し、そのための人的な配置も検討していただきたい。

貯蓄から投資へという流れの中で、投資サービス法の議論の時も金融教育の重要性・必要性が議論されたが、その意味とは別の意味で金銭教育が必要ではないか。金利とか貸金業を含めて金融とはどういうことなのかを理解させる必要がある。金もないのに物を買いたいという衝動に駆られてすぐ借金に走るようなメンタリティを直すにはどうすればいいか、というアプローチも必要ではないか。投資教育も必要だが、まず貯金が必要といった教育のほうが大切ではないか。

大手消費者金融に対する行政処分があったが、同社に限った話ではないと思う。今回報道されているような大変なノルマが貸金業者の従業員に押し付けられているとしたら問題。外部チェックに加えて内部的なチェック機能が必要。

(意見)

「概ね一致」と書いている部分ははっきりと書くべき。また、オブザーバーの発言は入れなくてもいいのではないか。入れるのであれば「貸金業者からの指摘」というふうに明記する必要がある。多数意見と少数意見をきちんと区別すべき。

10ページにグレーゾーンを廃止する選択肢があり、11ページ8行目に「意見が多く示された」とあるが、ここは「大勢であった」あるいは「概ね一致した」と言えるのではないか。また、その下の「他方」のところは「貸金業者からは、このような意見が示された」という表現にしてほしい。

(意見)

4ページの取立規制で、「更に何らかの規制を設けるべきではないかとの意見があった」とあるが、具体的で実効性ある形でもう少し踏み込んだ方がいいのではないか。また、法律で様々な規制について明記していても、行政罰を盛り込んで実効性を高める必要があるのではないか。

国民生活センターの調査では、グレーゾーン金利や利息制限法・出資法の金利について知らなかった人が約9割いるとのこと。ここが重要で、グレーゾーンは最終的には無くすべきだが、グレーゾーンを残すなら契約書面等に書いて明確にする必要があるのではないか。

「証券業協会は強制加入になっていない」ということだが、貸金業の場合には良き会社であると同時に業界自体が自主規制機関としての機能強化を図る必要があり、この点について法律上きちんとした地位を与える必要があるのではないか。少なくとも金融仲介業の一翼を担っているならばそれなりの責任があるのではないか。

カウンセリングは事前に行うほうがいいと思うが、どのような形で行えばよいかはっきりと分からない。業界が行っているのもいいが、第三者として法曹関係者、弁護士会や司法書士会があるが、必ずしも皆に知られていないので十分な周知徹底が必要という点にも触れる必要がある。

無利子、低利の融資といった公的支援制度の充実も必要。

最近のNPOバンクのようなパブリックな側面を持った団体の役割についてハッキリと示してもいいのではないか。

「上場企業や上場予定企業にはビジネスチャンスをつかむため50%の金利でも借りたいというニーズがある」という部分は、かなり例外的だし、このような金利で借りて営業できるのか若干引っかかる。

(意見)

今回の整理で、金利の問題だけでなく総合的な取組みが必要という考え方には賛同。

リボルビングについては、業者の説明が十分ではない場合が多い。最低の金額だけを指定され、例えば10万円借りて3千円以上自由に払って下さいと言われても、十分に知識がない場合は非常に長期にわたって借りてしまうことが起こりがち。

新規契約のうち無人機やインターネットによるものが7割以上を占めるということだが、例えば、同様に返済が行われていくかという点について何らかのシミュレーション機能を持たせるのも一案ではないか。そして、金利負担がいくらということを最初に示せば、借り手側への教育が進むのではないか。

入会手引きなどのパンフレットには小さい字で説明が書かれているがなかなか読まれない。

信用情報機関による情報交流に関する記載については若干消極的な印象を受けた。「個人情報の取扱いに関する懸念も示された」という形で終わっているところが問題だと思うが、やはり交流は促進していくと整理したほうがいいのではないか。懸念あるいはデメリットに関しては、個人で閲覧や訂正ができる、情報漏洩の罰則を強化するといった形で対応できないか。

情報機関に加盟しているのは、業者の約6分の1で非常に少ない。登録するにあたって、加盟あるいは照会を義務づけるべきではないか。もちろん行政がある程度、何らかの旗振りをしていくのは重要かと思う。業者サイドも、情報機関間の情報の質の違いが促進を妨げているという事情があるにせよ、そこは是非解決していただきたいと思う。

自主規制に関しては、量的な規制とも関連するが、適合性の原則をガイドラインで示していただきたい。他社借入件数や金額、年収に関する何らかのガイドラインを、大手業者間では申合せがあるようだが、業界内でも作るべきではないか。

金利に関しては、大体の論点がまとめられていると思うが、グレーゾーンはなくしたほうが良いと思う。どういう水準にするかについては、多数意見である利息制限法に一致させるのが理論的には分かりやすいと考える。ただ、グレーゾーン内でも一定の健全な需要と供給があることを考えると、少額短期の借入れであれば若干高い金利を認める道を作ってはどうか。例えば50万円というのも一案。

利息制限法の金額区分については、10万円未満で20%となっているが、物価水準がかなり変わってきたことを勘案すると50万円としてもそれほど大きな違和感はないのではないか。

(意見)

信用情報機関の問題は、登録制度を少し厳しくして良い業者を加入させる、そして全員を加入させるという2段階が考えられる気がする。

(意見)

大手消費者金融会社の行政処分が大きなニュースになっているが、取立ての問題は大手消費者金融会社に限った問題ではない。

取立てが厳しくなる理由は、返せない事実が根底にあるからで、なぜ返せないかと言えば、そもそも低所得者層に高金利で貸し出しているから。経済的に苦しい人に貸し出せば借金は雪だるま式に増えていく。

最初の借入れは大手業者からであっても、大手が貸付けを断れば中堅業者へ流れて8件、9件と貸し込む状況が生まれていく。これは健全な借入れニーズではなく、返済のためのニーズである。

多重債務者の意見を是非尊重して、多重債務を解決するためにどうしたらいいかという観点から中間整理をまとめるべき。

過剰貸付けに対する量的規制のあり方と実効性の部分については、「指摘があった」とか「意見があった」という書き方になっており、何を目指しているのかが少し分かりにくい。

オブザーバーである事業者側からの意見として、「各種のデータベースを照会することにより、資金需要者の返済能力を確認するなど適正与信に努めており」とあるが少し違和感がある。確かにそういう意見はあったが、国民生活センターの報告書を見ると、実際には貸付限度額の引上げを勧められたことがデータから分かるので、こういった指摘も書き加えるべき。適正与信に努めなかった場合は、当然行政処分や罰則を科すべき。また、法令遵守に違反した場合も罰則を科すということを明確にしていただきたい。

「資金需要者の返済能力を超える貸付けの禁止に違反した場合には行政処分を可能にすべきとの指摘があった」とあるが、今回の大手消費者金融に対する行政処分をみても実効性を図ることが重要。貸金業規制法13条には過剰貸付けを禁止する規定があるが、これを実効性あるものにするためには行政処分を可能にするような強化策が必要。

今国会では消費者団体に団体訴権を付与する内容の法律が上程されている。消費者契約法に違反するものに関する差し止めに限定されているので、このような制度も入れていただきたい。

平成16年に一般の方から財務局などへの苦情が18,000件寄せられているが、実際に行政処分が行われたのはそのうちの8件に過ぎない。もっと機動的に消費者からの申立に対して行政処分を行えるよう明確化を図っていただきたい。

行政処分で業務停止を3日とか半月受けたとしても、またすぐに営業を再開するだけで被害を被った人達の救済には必ずしも結びついていない。違法収益の返還に関する議論も「意見があった」という形で今後の検討課題としていただきたい。

信用情報機関が機能していないという意見があった。加盟の義務づけ、全件登録、全件照会という言葉は入っているが、信用情報機関がうまく機能していないということを記載していただきたい。適正与信のために利用されているというよりは、貸付限度額を引き上げるために利用されているのではないかと思える。

経済産業省でも信用情報機関の透明性を上げることを検討しているが、そういうことも併せてもっと具体的な問題点の指摘と実効性を上げる方策が記載されるべき。

金利規制のあり方については、なぜこのような議論が行われているかが分かりにくいと思う。最高裁の判決とか、出資法・利息制限法、43条のみなし弁済規定でどのような金利規制になっているのかを書いていないと分かりにくい。

グレーゾーンの廃止についてはオブザーバーも含めて意見が一致しているので、「グレーゾーンを存置する場合の選択肢」の削除を求める。

グレーゾーンとみなし弁済規定、両者の混同を無くしたいと考えている。グレーゾーン廃止については一致しているが、廃止した後の姿をどう考えるかは非常に大きな問題。

最高裁判決を受けての一番大きな出発点は、貸金業規制法43条のみなし弁済規定を削除するということ。

そしてその結果としてグレーゾーンが廃止されるべきだが、上限金利は利息制限法の水準まで引き下げるというのが、最高裁の判決を受けた正しい判断だと考える。11ページに「出資法の上限金利を利息制限法の上限金利まで引き下げる方向で検討することが適当であるとの意見が多く示された」とあるが、ここについては概ね一致したとまとめていただきたい。そして「他方」以降のマル1マル3の部分は貸金業者からの意見ということを明確にしていただきたい。

(意見)

中間報告に向けての資料16-1に対して意見を述べる。

「0.はじめに」の最初のポツの記載についてだが、この書き方では、多重債務者問題だけが積極的に取り上げられ、貸金業の持つ金融仲介機能が正当に評価されていない。多重債務者問題は貸金業をめぐる大きな課題の一つだと認識しているが、貸金業者の持つ幅広い資金供給機能は、我が国の金融システムの中で、それ相応の重要な役割を担っているものであり、そういった面を明記していただきたい。

何人かのメンバーから意見があったように、今後の貸金業制度等のあり方を提言していく際に重要なことは、まず貸金業が担う金融経済上の役割、銀行では賄い得ない資金需要者に対する資金供給機能などの必要性と、貸金業を含めた金融事業者に関わる資金需要者保護のための不可欠な社会福祉上の対策、何らかの理由で返済不能に陥ってしまう多重債務者の救済などの必要性の2つを両輪とすることを記載していただきたい。

(意見)

これまでの議論の内容をみると、現場の視点と乖離しているような気がする。多重債務者の問題は我々業界も重大な問題だと捉えているが、この問題だけが独特の臨場感を伴って迷路に入り込み過ぎて、その結果偏った結論が出てしまうのではないか。つまり、資金需要者のためにならない制度・施策が導き出されてしまうのではないかと危惧している。

これまではっきりしなかった問題であるが、金利規制などの様々な規制がヤミ市場を生んでいることを否定する指摘があった。ヤミであるためこの点を立証するのは難しいが、資料16-6にある事実から関連性を検証する。

資料の1ページ。平成8~17年の10年間の都知事登録の推移を見ると、6,000から現在は3,200という状況。協会員は、平成8年度は1,818だったが次第に減少し現在は886。加入率、新規登録者などの数字をみると現実の様々な問題の存在が分かる。

平成12年6月1日から上限金利が40.004%から29.2%になった。これにより、当初は協会員も大きな影響を受けていなかったが、非常に奇妙なことに、金利が下がって業界の将来性が不透明になったにもかかわらず新規登録者は14年度においては2,226となるなど増加傾向。月に約200の業者が貸金業登録をするが、登録数自体は増えていない。つまり、登録しても違法行為を行って、捕まらないうちあるいは摘発されたらすぐに廃業し、また再び参入していることになる。

協会に入らない理由は、協会が厳格な自主規制、特に広告・回収についての規制を会員に強いているからである。先程大手消費者金融についての話があったが、平成14年度には取立、開示請求、社員の対応などについてかなりの苦情があったが、15年度は我々の指導の結果激減し、16年度・17年度は苦情ゼロとなった。

非会員は自主規制の網を逃れて、法律に定められた金利以上の暴利を貪るために存在する。このような実態がある中で、総量規制や件数制限を実施すれば消費者は必ず違法業者の手にかかってしまう。平成16年1月にヤミ金融対策法が施行され、確かに会員及び非会員業者への苦情は減っている。しかし、無登録業者いわゆるヤミ金融の苦情は増えており、ヤミ金融がないというのは事実ではない。違法業者、ヤミ金融を放置して健全な業者を参入規制で縛って価格規制で営業できないようにすれば、市場はますます荒れてしまう。

(意見)

目次のようなものを付けると全体の構成が分かり易くなるのではないか。

8ページ。5.のタイトルとして金利規制(刑事・民事)のあり方と書いてあるが、その割には刑事的及び民事的な金利規制のあり方についてほとんど書かれていない。法制的な観点から、両者の違いを踏まえた記載が必要ではないか。

経済活動という観点から金利の持つ役割を考えた場合、これまで議論してきた一つの結論としては、金利が市場で適切に形成されていないということだったと思う。そういう不完全性に対してどう対応するべきかという議論の中で、金利の上限規制も必要ということになってきたのだろう。健全な市場を支える必要条件が十分に整っていないということを我々は一応判断したのだということが、金利規制の前段としては必要ではないか。

なぜ上限規制が必要なのかということについては、業者のビジネスモデルを確認してきたが、与信審査よりは取立・回収にその優位性を持つというビジネスモデルがかなり問題を悪化させているのではないか。

金利規制が必要な場合、グレーゾーンは廃止すべきではないかという話に繋がるが、例えば、上限金利をどのレベルに合わせるかということについては、また別の根拠が必要と思われる。例えば、刑事と民事のどちらに合わせるかという問題意識とは別に、経済活動という観点からすれば、こういう問題が市場にあってそれを是正するためには一定の上限金利規制が必要といった視点。便宜的に今ある法制を踏まえてどうするべきなのかということと、例外措置を設ける必要があるのか、その実効性も含めて議論を進めていくことが必要ではないか。

市場での価格形成が十分でないならば、どうすればいいのかということを今後の検討課題の中に含めるべきではないか。法制の観点からの指摘だけになっているので、それとは別に業界の努力や貸金業者の努力を一層求める必要がある、といったことが書かれて然るべき。

審査、信用リスク管理、それから信用情報機関との交流とか情報交換とか、業界のイニシアティブ等の問題が随分出されており、そういうことを前提として我々が一定の規制が必要と判断したが、そういうことが改善されていけば貸金業を含め金融システムの効率性が高まると思うので、そのあたりを分かりやすく書いてほしい。

(質問)

需要曲線と供給曲線の均衡している金利は現在どれくらいなのか。それが高ければ上限を低くすると必ず超過需要が生じ何らかの形でどこかで借りることになるが、公的な手立てがきちんとしてればヤミ金融に向かわないと思うがどう考えるか。

(回答)

その通りで他の補完的なインフラによって救う必要があると思う。参入規制や上限金利規制、総量規制といった規制だけで解決できる問題でないということについては我々も共通の認識を持ったはずである。

(意見・質問)

取りまとめの方法について意見を言いたい。今までオブザーバーからの意見についてはヒアリングなどでかなりの時間をかけているにもかかわらず、取りまとめの段階に入っても要望を出すのはちょっと筋違いではないか。オブザーバーの方々にはルール違反、マナー違反がかなりあるのではないか。特に消費者金融会社には、前回質問を出した際に「答えとして資料を届ける」と聞いていたがまだ答えてもらっていない。

今までたくさんの意見が出てきたが、これまで議論が行われていく中で、既にその意見は消えているのではないかと思っていたものが中間整理に記載されている。この資料16-1をたたき台にして有識者懇談会としてのコンセンサスをしっかりと出すということが今回の会議の役割だと考えているが、そういう理解でよいか確認させていただきたい。

(回答)

取りまとめ方として、メンバーの意見とそれに対するオブザーバーの意見があれば業者側の意見を記載している。

(意見・質問)

体裁に関する意見だが、意見と指摘がどう違うのか分からない。現在のものは議事要旨の様な体裁であり、これを報告書の体裁にバージョン・アップしていただきたい。最近の最高裁判決や、事業者ヒアリングなど色々重ねてきた中で、今この時点で我々がどういうふうにこの問題を考えているのかということを明確に出していくべきである。そしてメッセージを世の中に送っていくことでさらに議論を深めていくことが必要。従って今後の議論は、オブザーバーを除いたメンバーを基本にして展開していただきたい。

事業者の要望を入れれば両論併記になるのは明らかであり議論する必要はない。オブザーバーの意見はあくまでもオブザーバーの意見として付け加えるという形にしていただきたい。また、中間整理の中には委員から出ていない意見が書かれている所があり、それがヒアリングの意見なのか、あるいは事務局の提案も含んだ意見なのか明確にしていただきたい。それでないと、一般の人が読んだ時にあまりに不明瞭な形になり望ましくないと思う。できれば、委員を中心に賛成できるものに関しては一つ一つ確認を取っていくというような作業が必要。委員の中で異論がある場合は「意見があった」「指摘があった」というふうにして残すのは構わないと思う。

(回答)

金利に関してはいくつか議論があると思う。全員が金利を下げて利息制限法に合わせると言うにはまだ色々議論があると思う。

(意見)

金利を上げるという意見が委員から出た記憶は無いが、委員から金利を上げるという話が出たかどうかについては非常に大事なので確認していただきたい。

(意見)

基本的には、コンプライアンス、行為規制、信用情報機関を強化することには賛成。

具体的には、信用情報機関の活用を促進するということは非常に大事なことだと思うし、個人情報保護法の観点から登録要件の厳格化、加盟審査を強化するのは当然だと思う。実は今日、資料16-3でアメリカとイギリスの金利以外の法制度をまとめたものを提出しているので参考にしていただきたい。

取立規制については当然強化すべき。説明義務についても欧米では非常に強化が要求されている分野だと思う。

参入規制について書かれていることについても賛成するが、さらに強化すべきだと思う。これまでも話したことがあるが、アメリカ、イギリス、ドイツなどほとんどの国が免許制を採っている。日本のように簡単に登録できるような国はないと思う。入口を非常に緩くして規制を強化してもうまくいかないと思う。

ヤミ金融の取締りを強化する、罰則を強化することも当然のことで、日本の罰則はまだまだ緩いと感じる。

カウンセリングと消費者教育については、むしろ業界が非常に努力しなければならない点で、5年間で250億円の資金を拠出するということで進めているが、国としても例えば文部科学省と提携して金銭教育を強化するというようなこと、アメリカでも実際にアメリカの文部省がそういうことをしているので、ぜひ進めてほしいと思う。

金利の問題については、グレーゾーン金利を廃止して透明性、安定性を高めるということについては概ね意見が一致していると思っており賛成する。

ただ、上限金利の引下げ、出資法の利息制限法までの引下げは慎重に検討すべき課題だと思う。金利は経済学で言えば価格で需要と供給で決まるから、当然金利規制をすればクレジットサプライは減少して超過需要が生じる。上限金利については非常に大きな問題で是非慎重に考えていただきたいと思う。

例えば当社の場合、現状の金利ベースでも約半分近くの客の借入れ申込みを断っている。もし上限金利が20%になれば、おそらくほとんどの人の申込みを断らざるを得ない。無担保無保証で貸していることについての理解が全く無いと危惧している。取立規制は厳しくしてほしいが、無理な取立はせず返せない人についてはそのまま放っておく訳で、その場合5人に1人20%の金利が飛ぶ。初めて借りに来る客は返せるか返せないか分からないことを理解していただきたい。20%の金利を銀行の預金金利と比較するのは全く意味が無く、どのくらいの貸倒率かが問題だと思う。

平成12年に40.004%から29.2%に上限金利が引き下げられた後どうなったかについては、昨年6月の当懇談会で警察庁の資料を使用して、ヤミ金融の被害額、被害者数、関連記事が増加しているグラフを提出した。

警察庁が公表しているデータによると、平成12年に上限金利を引き下げた後、高金利による検挙件数、正にヤミ金融は翌年40数%、さらにその翌年は70%以上増えており、上限金利を引き下げればヤミ金融に移るということは明らから事実だと思うので、行政は是非慎重に考えていただきたい。

こういったことについては日本だけのことを言っているのではなくて、イギリスの貿易産業省の調査結果でも明らかになっている。上限金利を規制すれば、当然それによって困るのは生活弱者であるということを、イギリスの貿易産業省が政府のレポートとして最近出しているのでこの辺も十分考えていただきたいと思う。

(意見)

しっかりとした社会保障制度や公的制度がありヤミ金融対策をしっかり行えば、金利を引き下げても超過需要を担保することが可能だと思うが、そうだとすればそういう制度をもっと充実しなければならないという議論が必要になってくる。

(意見)

事務局の説明を聞いていると多重債務者の問題に対する解決策として非常に納得が得られたが、紙にした中間整理との間にギャップがあり、中間整理の方はかなり謙虚になっている部分があると思うので、5点意見を述べる。

1つめは、グレーゾーンの廃止をするという考えは皆が指摘をしているので、多数意見であったということを5.(3)で書いたほうがいいのではないかという点。

2つめは委員の意見と業者の意見を分けたり分けなかったりして分かりにくくなっているので、分けるなら分ける、分けないなら分けないということにして統一していただきたいと思う。

貸金業者の中にも、利息制限法の範囲内で貸付けを行っている業者がいると思うが、そういったことをこの中間整理に記載すれば、シグナルとして今後利息制限法内で貸付けを行う良い貸し手が出てくるのではないかと思う。

ヤミ金融についてだが、中間整理の中でニュアンスが異なると思う部分がある。8ページで「ヤミ金融に向かうとの意見があった」とある一方で、11ページの「他方、」のマル2では「こうした資金ニーズが合法的な業者により満たされない場合にはヤミ金に向かうことは避けられないこと」とあり、「避けられないこと」というのは随分強いと思う。この部分は、懇談会で事実として確認できていないので気になった。

また、先程も何人か発言していたが、信用情報機関の情報交流についてはもう少し記載する方がよいと思う。

(意見)

信用情報機関について意見を言う。元々貸金業は無担保無保証のためハイリスクで高度なビジネスなので、レベルの高い人が営むべきビジネスだと思う。過去の経験を学習しながら、新しいビジネスを創造していくという点においても高度なビジネスだと思う。そういう意味で、多重債務者の情報が一元的に把握できないことには意志決定ができないはず。しかし業界ごとに情報が分断されているので、データベースの統合についてはこの懇談会で強いメッセージを出す必要がある。

その場合の懸念として統合された個人情報を皆が見ることができるようになるので、貸金業は元々レベルの高いビジネスだということも考えると、登録制といった緩い参入規制ではなく、もっと厳しい参入規制が必要ではないか。

5ページの参入規制のあり方の中で、「貸金業務取扱主任者」について記載されているが、貸金の取立業務に従事する人については全員国家試験のような試験に合格して、そういうレベルの高い人が営業所に一人くらいいなければならないと思う。会社として登録するのではなく、個人登録して従事する人が何らかの厳しい規制を受けるようにしたほうがよいのではないか。

取立規制については、取立の記録を残すことを義務づけそれを開示するようなルールを設けて、金融庁が検査などで確認できるようにすることも必要ではないか。

参入規制については、これまでも議論があったが厳しくしていく方向だと思う。また、個人情報の保護と情報の交流についてはセットで考える必要があると思う。

(意見)

債務者保護という観点が、貸金業の健全な市場を育てていくための一つの大きな鍵だと思う。その意味で、債務者保護をきちんとすることによって、貸金市場が生み出す社会経済的な果実を大きくしていくということを議論していると思うので、その点を最初にきちんと念頭に置いていただきたい。

2つめは、貸金の市場は非常に情報の非対称性が大きくて正常な状態ではないので、これを正常化していく努力が極めて重要だと思う。そういったことから、まずは顧客に金銭教育を徹底して、貸金の市場がどういうものでそれに対峙するためにどういう心構えが必要かということを顧客がきちんと身に付けることが1つ。もう1つは、信用情報機関の活用などによってその属性に対する情報の非対称性を解消していくことが非常に重要で、そういう努力を通じて市場自体を正常化していくことが重要だと思う。

金利規制の根拠について経済学的に少し記載するほうがよい。非常に市場が正常でない状況にあって、そういう状況においては上限金利を設ける必要があるということを記載する必要があると思う。

例えば少額短期の借入れ、例えば50万円などであれば多少高い金利も正当化されるという考え方もありえる。しかし、例外を設けすぎると非常に抜け穴になってしまうので十分気をつける必要があるが、一律に金利を引き下げることについてはもう少し慎重に議論する必要があるという感じを持っているし、ヤミ金融対策や刑事罰として金利規制の問題を考えていく必要があると思う。

(意見)

教育の場合には3段階あって、中学校や高校などでの教育、借りる直前で相談する段階、借りた後のアフターケアとして困ったときの場合などある。色々な段階で、それぞれの立場に応じた地方自治体などを含めた相談窓口などについては、是非拡充していかなければならない問題だと思う。

(意見)

懇談会の位置づけそのものは時間の経過とともに変化したと思う。当初開催したときは勉強会という位置づけだったかもしれないが、その後の社会情勢や問題に対する社会的な関心の高まりの中で、明らかに我々のミッションは変化しており現在与えられているミッションに答えるということが正しい態度だと思う。「0.はじめに」の最初の部分が正に我々のミッションとして検討してきたことだという理解でよいのではないか。

いつも言っていることだが、しっかりしたコンプライアンス体制を確立した者のみに貸金業の仕事をしていただきたい。

ヤミ金融は撲滅する対象以外の何者でもないわけで、いかにして撲滅するかを考える必要がある。犯罪は警察力だけで撲滅できないと思うので、それ以外の経済的なインセンティブが働くようにしてできるだけ抑止するということを考える必要があるが、まずは警察にも頑張ってもらって、その上で撲滅できない部分についていかに撲滅するかということをまず議論することが重要だと思う。撲滅できないということを前提として議論するのは順序としておかしい。

大手消費者金融の処分の件では、取立マニュアルのようなものに基づいて強引な取立をしているのではないかということを記者会見で質問されて「そういうことはない」ということを社長が答えていたが、マニュアルが全然無いことが良いかというと決してそうではなくて、コンプライアンスマニュアルというものは絶対存在していなければならず、コンプライアンスマニュアルが無かったとするとそれは適正与信に心掛けていることにはならないと思う。コンプライアンスマニュアルが存在していて、それに従って業務遂行するように指導を定期的に行うというのは最低限必要。

信用情報機関の情報交流については若干抵抗感がある。正しく利用してもらえれば良いが、情報が提供された場合に必ずしもそれが適正利用されるという保証は、現状では必ずしも存在していない可能性がある。いかに適正利用を確保するかということとデータベースの統合については同時に議論して答えを出さなければならないので、適正利用の保証のない現状ではデータベースの統合を優先することに少し抵抗感がある。

参入規制が厳格化されて、コンプライアンス水準の高い業者のみが参入するという現実が先に実現されれば情報交流を行ってもよいが、そういう現実が実現されるのはかなり先のことになるとすると、個人情報機関のあり方に関しては国の関与を含めてもう少し現実的に考えていく必要があるのではないかと思う。

(意見)

過剰貸付けを例えば3回以上行った者に対しては、きちんと罰則を科すといった形で手当てが必要かもしれないし、ヤミ金融対策としては、これまでも議論のあった参入規制でしっかりとした業者が入ってくるようにするという方法があると思う。

コンプライアンス体制については、各業者がどのようなコンプライアンス体制を採っているかをインターネットで公表したりして、良い事業を行っていることを公表することが必要だと思う。

(意見)

信用情報機関については、情報交流することが過剰与信防止に繋がるだろうということは考えられるが、適正に利用されるとは限らず、どうすれば適正利用されるかというインセンティブ、その実効性を図るということが非常に大事。事業者自身は貸したいと考えて事業を行っているので、そこにどういう形でうまく歯止めをかけることができるか考えていただきたいと思う。

4ページの広告・勧誘に対する規制のあり方でCM、電話、訪問等についての記載があるが、ATMについては消費者側の利便性が強調されているが、無人契約機で借りられて返済できるという非常に安易に利用できるイメージがあり、こういった点は懇談会でも指摘されていたので指摘を是非加えていただきたいと思う。

6~7ページの4.カウンセリング等の部分は、カウンセリングと教育の話が入っており、カウンセリング等という項目でまとめているが、金融経済教育・カウンセリングという項目にするべきだと思う。

7ページのマル2金銭教育の部分では1つのことしか記載されていないが、利息を計算することができない消費者が存在している現状では基本的な金融教育が必要なので、最初に教育の話を記載する必要があり、その次にカウンセリングの話を記載する必要があると思う。

7ページの上から2つめでは、カウンセリングを受けることが大事ということで「概ね一致した」とされているが、カウンセリングの定義自体、内容がはっきりしていないと思う。クレジットカウンセリング協会や業界団体が色々なカウンセリングを行っているかもしれないが、現在行われている内容の検証が不可欠で、中身を十分把握せず「概ね一致した」とするのは書きすぎ。

均衡金利がどこなのかという話があったが、現在の市場は非常に歪んでおりどこが適正な金利なのかを見出し難い状況が生じていると思うので、まずこの歪みを直す必要がある。

金利についてもう少し記載を加えた方がいいと思うのが11ページの(6)その他の部分で、昭和29年の利息制限法制定当時の銀行の貸出金利は9~12%くらいで、それにプラス6%したところで現在の利息制限法の金利水準を決めたという事実を記載する必要がある。また、現在の消費者金融事業者が市場から調達している金利は1~4%くらいまでで、昭和29年当時と比べるとかなり低く、現在の利息制限法の金利水準は高いと言えるので、そういったことも明確に記載する必要がある。

事業者からは、金利を引き下げるとヤミ金融に向かうという意見があるが、ヤミ金融を発生させない、ヤミ金融に向かわせないために何をすればよいかを本来考えるべきだと思う。ヤミ金融の一番近くにいるのは事業者・業界団体で、参入してくることが分かっているのであれば、大量の広告CMを流すのではなく、ヤミ金融に向かわせないために「公的な相談機関を訪ねてください」というようなCMこそ流すべきではないか。

(質問)

ヤミ金融に向かわせないためには、公的支援制度を充実すればよいということか。

(回答)

ヤミ金融に向かわせないためには2つある。

1つは、誰がヤミ金融から借りているかというと借金の返済のために借りている人がかなりいるが、こういった人達を救うための手段を考えるということ。

もう1つは、それほど収入がない人が何らかのアクシデントに遭った時、本当に困った時に、借りたいというニーズにどう答えるかということ。これに対しては公的な制度もあるし、NPOバンクのような話もあるが、社会政策としてどう考えていくかに繋がると思う。

(質問)

多重債務に陥り返せなくなった人達はどうすればよいか。

(回答)

そういう場合は、まず相談をしっかりと行い、実際には過払いになっているものが多いので整理をする、そして返済計画を立てることになる。そして、将来また安易に借りることがなく健全な家計を維持していくためにはどうしたらよいかということを検討していくことになるが、早急に結論を出すことはできないので、これは全体で考えていくべき課題だと思う。

(意見)

8ページの上から2つめのポツに、「上場企業や上場予定企業にはビジネスチャンスをつかむため50%の金利でも借りたいというニーズがあるほか」とあり、非常に一般的なことのように記載されている。私も経営者だが少なくとも多分こういうことはしないだろうし、それから上場予定企業になっていればもっと低利で借りられるはず。現在、上限金利をどうするかについて話しているときに50%という数字がここにだけ唐突に出てくるのは違和感があるので、検討していただきたい。

(回答)

これは事業者金融からのヒアリングの際に、「事業者がどこからも借りられない場合は高い金利でも借りたいことがある」という意見が出された。上場企業というよりは銀行などから借りられない企業のことなので、適切な表現に変えたいと思う。

(意見)

8ページの下から3つ目の「上限金利を引き下げれば・・・ヤミ金融に向かう」については、削除するか貸金業者からの意見ということを明記していただきたい。

9ページの(3)の2つ目のポツの「他方で、」以下の部分は削除するということで一致しているのではないかと思う。

12ページの一番上のポツの日賦貸金業については「意見があった」とされていて、若干弱いと思うので、ここについては「多かった」あるいは「概ね一致した」としていただきたい。資料16-2をみると分かるが、各地方議会からの意見書にも日賦業者に関する記載があるので、是非意見を強い表現にしていただきたい。

(意見)

カウンセリングについては先程も意見が出されていたが、7ページの「概ね一致した」という部分については異論がある。6ページの4.マル1の1つ目のポツに、「当初の与信審査及び途上与信において、カウンセリングや相談を行うことが重要」とあるが、私もこの部分については非常に賛同する。

事業者は事後のカウンセリングについてよく発言しているが、委員からは、事前のカウンセリングや途上でのカウンセリング、2回延滞したらすぐにカウンセリングを受けるといったことが非常に重要との意見が出されており、多重債務に陥る前にどうするかということが、懇談会では随分話されていたと思う。

また、このカウンセリングの部分には、ヤミ金融に向かわないためのカウンセリングについても記載する必要があると思う。多重債務に陥ったり借りられなくなってヤミ金融に向かうことが一番困るので、ヤミ金に向かうルートが封じられるようにする、一つはヤミ金融という存在はあってはならないので、しっかり検挙して事業者をきちんと取り締まるという問題があると思うが、一般の人をヤミ金融に向かわせないために、消費生活センターや地域が設けた受け皿で早めに対処するような方策を実施する必要があると思うので、そういったことをカウンセリングの部分に書き加えていただきたいと思う。

それから消費者センターや国民生活センターでは、貸金で苦しんでいる方の相談を受けながら教育も行っている。カウンセリングというのは教育の一環でもあり、カウンセリングと金銭教育をどう位置づけるかが問題。

金銭教育という単語が使われているが、この金銭教育という単語は昔の貯蓄増強中央委員会が使っており、この古い単語を使うのは疑問に思うので、金融庁であればよく使っている金融経済教育とするほうが整合性がとれるのではないかと思う。

ここ数年、金融庁と金融広報中央委員会は一緒に多重債務問題に対しかなり取り組んできており、「きみはリッチ」というパンフレット、教師用の資料を出したり、全国キャラバン金融講座を開催したりしている。その上にさらに、金融庁やその他の機関が何を行うのかといったことを記載する必要があり、もうすでに実施していることについては認識を持っていただきたいと思う。

(意見)

気になっていた4ページのテレビコマーシャルについて。

現在の貸金業者の存在感と地位を非常に高めることに貢献しているテレビコマーシャルについては「意見があった」とされているだけだが、例えば「その頻度と内容も含めて規制を強化する必要がある」という形にして書き振りを強化していただきたい。夜の11、12時台は貸金業者のテレビコマーシャルばかりだが、5ページで「良き企業」という認識を持たれる必要があることが記載されており、そこと絡めて検討していただきたいと思う。

(意見)

参入規制が重要という意見があったが、業界としても最も納得できる意見である。お金を扱う業者の資格については厳しくしていただき、そうすれば現在の法律の下では、過剰債務を負ったからといって生活が破産に向かうということはありえない。貸金業協会加盟業者の場合、返済能力のない人や返済意志のない人からは基本的に回収する方法がない、といっても過言ではない。

コンプライアンスを守って違法な取立てなどを行わない場合は、貸倒れは全て貸金業者の損失になるので、そういう意味でも信用情報機関がしっかり利用され業者がコンプライアンスを守るということがあれば、自然と業者は自制される。

ヤミ金融について話すが、ヤミ金融に債務者が向かう必然性はないと思う。どうしてもお金が必要であっても、身の回りにある財物・動産を処分しなければならずその場合の価格は処分価格になるので、本来価値の1/5、1/10になる。そういった意味からある程度相対的に物事を考えていただきたいと思う。

(意見)

今の意見には反対。ヤミ金融に向かうことはないということだが、現在はほとんどがリボ払いで返済するという方式なので、小口でなんとか返せる。しかし高金利のため債務が雪だるま式に膨らんで、何かイベントが起きたときには元々低所得者層なので、すぐに破綻をする。

(事務局)

今回の議論はあくまでも消費者保護という目的の下に議論が行われている。

これまでの議論は、オブザーバーである貸金業者を交えて行われており疑問に思う人も多いかもしれないが、そういう状況で開催してきたということを改めて認識していただきたい。

中間整理においては、委員の方の意見を忠実に反映する。透明性のあるものを作らなければ消費者保護・多重債務者問題は解決しない。

そもそもヤミ金融というのは、多重債務者がいるから存在する。また情報が勝手に流れることによってヤミ金融は生ずるということを是非理解した上で審議を進めていただきたい。

金利以外について、委員の皆さんは賛成と理解している。

また金利については、グレーゾーンを撤廃することについては異論が無い。そして金利を上げるという意見はないので、利息制限法に合わせるという意見で一致したといっても過言ではない。しかしその中で小口短期の貸付けについては対応する必要があるという意見があった、という書き方が最も委員の意見を反映していると思うので、その方向で文章を作成したい。

最後に座長から、本日の議論を踏まえて整理したものを、もう一度4月21日に提示させていただきたい、との報告があった。

以上

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総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3567、3553)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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