貸金業制度等に関する懇談会(第5回)議事要旨

1.日時

平成17年6月29日(水)16時30分~18時42分

2.場所

中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3.議題

○ オブザーバーからのヒアリング

  • 三井住友カード株式会社 栗山社長
  • オリックス株式会社 藤木社長
  • GEコンシューマー・ファイナンス株式会社 山川社長

○ 質疑応答

4.議事要旨

三井住友カード株式会社栗山社長から報告

  • 消費者信用の20年間の動きをみると、全体では、昭和59年から平成2~3年頃の7~8年で、30兆円から70兆円まで倍以上に増加し、以後は73兆円前後で推移。内訳としては、販売信用が着実に増加。

  • 販売信用については、クレジットの一括が順調に伸び、平成15年には24兆円にまで増加。個品割賦は、平成7~8年をピークに減少に転じ、クレジット一括と入れ替わった格好。クレジットカードのリボ・分割は、利便性では絶対だと思われるしアメリカでは当たり前にもかかわらず横這いで推移。

  • 無担保の消費者ローンについては、金融機関は平成2年をピークに11.4兆円から平成15年の3.9兆円まで落ち込み。消費者金融会社は、平成2年の3.8兆円から平成15年は9.8兆円と増加。カード会社はこの間1兆円しか増えていない。

  • 銀行系クレジットカード会社の現況としては、平成15年度で、取扱高シェアで44%、カード発行枚数シェアで38%。取扱高34兆円の内、クレジットカードキャッシングの額は7兆5,600億円であり、取扱高に占める割合は22.1%。

  • 日本におけるクレジットは40年の歴史があるが、そのスタートから銀行本体のカード発行が認められておらず、これは世界でも例がない。銀行本体で全面的にカード発行が可能となったのは、昨年の4月から。また、銀行系クレジットカード会社に対しては、長らくリボルビング及び総合割賦の取扱いが認められなかったが、平成4年9月にリボルビングの取扱いが、平成13年6月に総合割賦の取扱いが解禁。

  • 銀行系各社は、リボと分割の増強に力を入れているが、なかなか伸びていない。日常の消費生活で、お金が必要な時と入る時にズレがあるのは、特に若い人や家庭形成層では当然だと思うが、これをつなぐ便利で安心な信用供与が、本来大事だと考えている。健全なリボ・分割の文化の創造が、カード会社の役割と責任と考えている。

  • 銀行系クレジットカード会社で組織している日本クレジットカード協会(略称JCCA)は、日本クレジットカウンセリング協会への参加、クレジットカード犯罪防止のための刑法改正の働きかけ、クレジットカードのIC化等を推進。

  • 銀行系カード会社の業務を「安心」「便利」「お得」というキーワードでカテゴライズすると、「安心」では、「システムの安定」「正確な事務処理」や、不正使用防止のためのIC化推進、不正使用検知システムの構築等。「便利」では、病院や公共料金等利用分野の拡大、モバイルやネット決済の提供、リボルビングや分割払い、キャッシングの提供。「お得」では、ポイントの付与やその他のインセンティブ提供。

  • 貸金業制度の今後の方向性としては、リスクに応じた金利体系を構築することが重要。当社のキャッシング一括の金利は27.8%だが、この商品は無担保の小口貸金。翌月一括返済の短期間貸出しであるが、対利息収入比のコスト負担が大変大きい。例えば、ATM使用料が利息とみなされ、金利が高く出る。17条関連の費用やみなし利息の問題も、全て商品コストとして金利に集約されて出る。

  • 消費者のニーズに応えるため、商品・サービスの充実に努めている。毎月の支払額の上限を指定していただき、それを超えた部分をリボ払いとしたり、一括支払いを事後的にリボ払いとすることができる商品も提供。

  • 貸金業制度の今後のあり方として、リスクに応じた金利体系を構築するという意味で次の2項目の検討が必要。1つ目は、個人信用情報の相互交流等の検討。個人マーケットは、リスクベースドプライシングという観点から考えられていないのではないかと思われるところがある。適正なリスクプライシングの考え方を導入するためには、現在は各業態毎に存在する個人信用情報機関について、その登録されている個人信用情報の交流等により、事業者にとって精緻なリスク管理が可能となる環境を整えることを検討していく必要がある。個人信用情報の交流については、顧客の同意取得の問題など様々な課題があるが、個人信用情報の新しい枠組みや方向性の議論は不可欠と考えている。情報の壁を取り除いていくことが多重債務の拡がりを抑える一つの手段。

  • 2つ目としては、17条・18条問題やみなし利息の問題について、事務処理コストの観点からみると、リスクに応じた金利の提示のために、(1)金利以外のコストを下げること、(2)本来の金利以外の延滞督促費用やATM使用料等は金利とは切り離して利用者の手数料として分離することとしてはどうか。リスクに比例する金利として分かり易くすることが必要。

  • そのためには、貸金業規制法に関しては、17条や18条の規定が実態にそぐわないことの見直し、及びインターネットでの電子書面の容認について現状に則した形となるよう検討し、コストの低減につなげていただきたい。「みなし利息」については、出資法及び利息制限法の定義が違うため、「利息」とみなすべきもの、そうでないものについて整理し、リスクと金利の関係がクリアに見えるように検討していただきたい。そこに透明な市場原理の働く場が生まれると思う。

オリックス株式会社藤木社長から報告

  • 特に「法人向け貸付け」を行っている者としての視点から発表したい。

  • オリックスグループの資産のうち国内営業貸付金は約2兆円で、そのうち個人向けは約8千億円。個人向け営業貸付金のうち主要なものがオリックス信託銀行の住宅ローンとオリックス・クレジットのカードローン。カードローンの主な顧客は30代後半から40代のビジネスマン。年収平均500万円超で、ほとんどが男性。最高300万円までと比較的高額な枠だが、金利は8.7%から17.6%までと利息制限法の範囲内。

  • 法人向け貸付けについては、不動産の開発及び投資に関する融資、いわゆる「不動産担保ローン」は従来型で、企業に対する与信とその投資対象となる不動産の担保価値との組合せでみる融資形態。「ノンリコース・ローン」は債務履行の責任財産を対象不動産やそこから生まれるキャッシュフローのみに限定したローンで、会社自体やその他の財産による債務履行責任は負わない形態のローン。「業務委託」や「債権譲渡」といったような形をとったサービスや、「プロジェクト資金」を提供する「プロジェクト・ローン」や複数の貸し手をまとめてアレンジする「シンジケート・ローン」、公的なプロジェクトに対応する「PFI」。株式の発行による資金調達に近いものとして「劣後ローン」や「収益連動金利特約付ローン」や「新株予約権付ローン」など新しいタイプのローンもある。

  • 多様な資金ニーズに対応していかにビジネスを展開していくかという立場で貸金業制度をみると、2つの論点がある。「個人の保護」と「金融サービスのインフラの整備」。共にうまくいっていないのではないか。「個人の保護」については、多重債務者問題等の解決等、まだまだ不十分な点が多く残っている。一方で、大変細かな規制が「本当に個人の保護につながっているのか」と思われる問題もある。「金融サービスのインフラ整備」という論点では、現在の制度はむしろ足枷になっているのではないか。

  • 貸金業法の規制対象についてだが、貸金業法では銀行・商社・投資会社などが除外されている。業者間の競争条件の格差が生じている。現在の貸金業規制法は「公正な市場競争の実現」という視点では改善すべき点がある。

  • 金利の問題には、グレーゾーン金利とみなし利息の問題がある。グレーゾーン金利は、貸金業規制法第43条により、書面上の大変細かな記載の差で利息の有効性が左右される。海外の投資家からは、このようなグレーゾーン金利が存在すること自体特異な世界とみられているし、金融サービスのインフラとしてはおかしい。みなし利息の範囲についても、法律により定義が異なるのはいかがか。

  • 出資法については、第1条、第2条が受信行為の規制で、第3条以降は与信行為の規制となっており分かりにくい。区分整理が必要。

  • 「法人向け貸付け」と「個人向け貸付け」の違いだが、法人というのは経済活動のために擬制された存在で、個人は生命を持ち実在するもの。資金の利用目的も、法人の場合は事業や投資のためだが、個人は消費のため。そして、法人におけるコスト負担は収益性との関係で決定されるが、個人の場合は個人の収入との関係で自ずとコスト負担にも限界がある。そして万一、債務不履行が起こった場合には、法人の場合は事業譲渡するか、再生するか或いは消滅するが、個人は債務整理そして再生が必要で決して消滅というような不幸な解決方法はあってはならない。

  • 法人向け貸付けに関わる主な問題点として、かつての「商工ローン問題」が挙げられるが、これは個人の保証に関連して生じる悪質な回収・取立てという問題で、法人向けの貸付け自体とは全く別の問題ではないか。

  • 「法人向け貸付け」の視点からみた場合、大きく分けて、「規制の妥当性に疑問のあるもの」、それから「銀行の貸付けにかかる規制との均衡上問題のあるもの」がある。例えば、銀行との均衡の代表例としては「実質金利」の表示義務の問題がある。その他に、顧客が提出した書類をコピーして渡さなければならないとか、保証人に対し書面を3種類に分けて交付しなければならないとか、こういった規制は大変な負担。「受取証書の交付」における疑問点は、一般的にお金を受取った時には領収書を交付すれば足りる点。「債権譲渡等の規制」だが、証券化の実務に制度設計が追いついていないのではないか。そもそも貸付けをした時点で既に交付している17条書面と同じ書面を債権譲渡を行った時点で改めて交付しなければならないという規定の意義や効果について今一度見直す必要があるのではないか。

  • 提案だが、個人向け貸付けと法人向け貸付けとを区別する考え方がありうるのではないか。その場合、法人向け貸付けに関する個人の保証の問題は対応を別途考えるべき。法人向け貸付けのみを切り出し、取引の自由及び市場の競争に重点を置いた自己責任貫徹型の枠組みを目指したらどうか。この部分は当事者の自己責任を基本とし、貸付形態も経済の変化に合わせて弾力的な商品設計ができるようにしておく、業規制や細かな行為規制は廃止する。一方、個人の保証債務の問題は別の枠組みで考える必要がある。現行の民事再生手続きはこの点の配慮がやや不足している。民事再生法における個人保証債務に関する特則を設ける。このように整理し、現在の「貸金業規制法」は「個人貸付事業法」として、個人信用情報の利用・管理制度の整備も含めた形で見直していくことができるのではないか。そしてまた、金利規制についてもグレーゾーン金利問題を解消するため刑事金利と民事金利の一本化の方向性を打ち出していくことが必要。

GEコンシューマー・ファイナンス株式会社山川社長から報告

  • GDPの4割以上を占める国内消費、特に個人消費に対する刺激として個人向けの金融サービスというのは不可欠な役割を担っている。一方で、建設的なパートナーシップを強めて透明性とか信用力に応じた適切な貸付けの実現、あるいは、情報開示、トランスペアレンシーあるいは中小のファイナンスリテラシー、教育をもっと図っていきたい。

  • 上限金利の引下げ以降、ヤミ金融業者の摘発が増えている。世界をみても、金利引下げというのは、信用供与の資金を圧縮して、その資金を必要とする需要者に資金供与ができなくなる結果、一部の違法業者、いわゆるヤミ金融に走らせる。

  • 2003年のヤミ金融対策法は違法業者に対するコントロールあるいは登録の厳格化ということで非常に適切な規制であった。

  • 2000年、金利を引き下げた年から個人破産が増加。他国の例をみても、個人破産の主たる要因は失業率。金利ではない。失業率、債務者の疾病・怪我、離婚などがどの国をみても個人破産の3大要因。もし金利水準が破産の理由であるならば、2002年に出資法の上限金利が引き下げられた時点でトレンドが下がるはずだが、現実のデータはそれと逆。金利引下げと時期を同じくしてヤミ金融業者の社会問題も増加した。上限金利の規制金利引下げが信用収縮を起こして、市場で借りられない消費者は、一部は消費の断念に向かい、一部はアンダーグラウンドに向かう。消費の断念に向かうとGDPの非常に多くの部分を占めている個人消費の低迷につながり景気の低迷につながる。景気が低迷すると、失業率も上がる。個人破産も増える。消費の断念に向かわない層はアンダーグラウンドに向かい、悪循環を生み出すのがこの上限金利の問題。

  • みなし利息の問題だが、ATMのフィーとか延滞利息が金利とみなされる。海外ではほとんどの国でこういうことはない。全て外出しである。日本の金利は高いとみえるが、その中にいろんなフィーが入っている。いわゆる支払保証保険で、万が一の病気とか怪我の場合あるいは失業の場合、その債務を保証する保険、むしろ消費者の保護のために商品として提供しようとすると、このみなし利息の規定のため違反になる。

  • アメリカでは基本的に金利規制撤廃の方向。しかしながら開示、悪質業者のコントロール、消費者の教育はむしろ強化。金利自由化のほうが消費者のためにも国の経済のためにもいいという研究結果が出ており、現実にアメリカでは金利は自由化の方向。具体的にはデラウェア州、ユタ州、ジョージア州ではまったく上限金利がない。業者登録した会社の本社がある州の上限金利でいいことになっている。例えばジョージア州に本店を置いて、全米で営業ができる。いわゆる金利の輸出と言われている。カリフォルニア州で営業し、ニューヨークでクレジットカードを利用しても基本的に上限金利はない。

  • 個人破産を避けるには、消費者の適切な教育が多重債務の抑制に繋がる。多重債務が抑制されれば当然個人破産が減る。そういう方向が個人破産を根絶やしにするファーストステップ。

  • 多重債務に関し信用情報システムの確立が重要なキーになる。信用情報センターの緻密な交流が必要。アメリカでは、大きな信用情報機関が3つあり、ネガティブ情報だけではなくて、全ての情報を交流シェアしている。消費者が望めば、どういう情報が登録されているのか、全て開示できる体制が整っている。消費者のチェック、コントロールの権利が完全に担保された上で、この信用情報システムの交流というものが重要。消費者にも非常に大きな利益が生ずる。より精緻なスコアリングシステムや、非常にソフィスティケイトされたアルゴリズムは情報が多ければ多いほど作ることができ、それにより多重債務のおそれのある者には貸さない。与信能力のある方には、余計な金利を払わなくていいというメリットもある。

  • 電子通知についても苦労している。個人情報保護法が今年の4月から施行されている。顧客は特にプライバシーを高く求める。プライバシーを守るのに一番いいのは、パスワードでセキュリティーが掛けられ、本人にだけ通知できる電子書面、電子通知、eメール等。これが認められていない。17条・18条の書面交付、額の多いか少ないかに関わらず一律毎回、新規の貸付けのごとく全体を開示しなければいけないが、債務者は望んでいない。個人情報保護法を守ろうとすると貸金業規制法17条・18条を守れない。17条・18条を守ろうとすると、個人情報保護法は守れない。ここに相反があり、大きな矛盾を感じている。是非この電子通知は認めるべき。

  • アメリカの貸付真実法にはレギュレーションZという規定がある。例えば、いわゆる車のローンのような個品割賦では、1回最初にトータル5年なら5年間の元本とコストを示せば良い。また、リボルビングの時は、最初に年率や手数料をきちんと開示したら、後は日本のようなその都度の書面交付は不要。アメリカのレギュレーションZには、ATM等の消費者の利便性を向上するシステムにおける情報開示の簡略化や、リボルビングでの毎回毎回の書面提示要件の撤廃が示されている。

  • グレーゾーン金利については、海外からはダブルスタンダードではないか、世界に冠たる悪法ではないかとまで言われたことがある。そういう意味では、中長期的にはこのグレーゾーンの撤廃というものが重要になる。

  • 最後に顧客に対するファイナンスのリテラシー、消費者の救済という点について、アメリカの方式を紹介すると、ミーンズテストというものがある。これは、個人破産の抑制を図る方法として消費者が本当に債務不履行しなければならない状態かを裁判所がテストするもの。債務者の過去6ヶ月の平均収入から、どうしても必要な費用項目を控除した上でそれを月次に直して60倍したものを、債務の額と比べることにより、破産の申立てが濫用されないように、裁判所がチェックする。

質疑応答の概要は以下のとおり。

(質問)

  • 金利を引き下げたことによりヤミ金融問題が深刻化したということだが、上限金利が撤廃されて金利が自由化されたことに伴い、アメリカ全体でコンシューマークレジットに関する金利の水準や個別の金融会社毎の金利水準にばらつきができていると思うが、そのことに関してはどのように評価されているか。

  • 世界中で営業展開しているということだが、国によって消費者金融の金利の決まり方にどのような違いがあるのか。アメリカでは、日本で行っているような消費者向け無担保貸付けについても市場での調達金利プラス何%という基準で貸付けているのか。

  • 金利を自由化すると、金利は市場で決まるとのことだが、全く自由にした時に金利は市場によってどのように決まるのか。

  • 上限金利の規制がヤミ金融問題を助長する、諸外国においても同様の傾向がみられるとのことだが、前提となるアメリカの状況はどのようになっているのか。

  • アメリカの3つの州では上限金利規制がないが、その他の州では金利規制を設けており、競争が働いているのであれば、規制のない3つの州の貸金業者が規制のある州で営業すると規制が全く意味をなさなくなるはず。3つの州以外には何故規制があるのか。

  • 社会貢献として、例えばファイナンスリテラシー向上のための支援、具体的にどこかの団体への金銭的な支援等を行っている例があるのか。

  • 多重債務に陥る方々からは、クレジットカードがきっかけになっているという声を多く聞く。当初はクレジットを組んで商品を購入していたが、そのうちにキャッシングを行うようになる。多重債務とクレジットカードの関わりについて研究をしたことがあるか。また、消費者相談で大変多くの疑問が寄せられているが、クレジットカードの加盟店が悪質な事業者でないか調査を行っているのか。

  • 日本で平成4年にリボルビングが解禁される際には、アメリカではリボルビングの限度額まで使っていないと落ち着かない状態になる「リボ中毒」が問題になっていた。日本でリボルビングの分割払いでの利用が伸びていないのは、消費者が非常に健全な精神を持っているためと思うが、それでもリボルビングは必要か。

  • グレーゾーン金利を無くして金利規制法を統一してはどうか、との提示があったが、統一する際の金利の水準についてどのように考えているのか。

  • クレジットカードで一括払いのキャッシングを行う場合は、利息制限法の上限金利を超えているが、グレーゾーン金利について、どのような見解を持っているか。

  • それぞれの会社で独自のデータを集めて分析し、ある程度借り手に関しての情報を持っていると思うが、個別の情報は会社にとって非常に重要な財産である一方、その交流を進めると財産が失われることになるが、どのように考えているか。

  • 信用情報機関の交流については、総論的には情報交流してより多くの情報を持ち、リスク管理を強化することはプラスだと思うが、これまで交流が進まなかった理由は何か。また、政策的検討が必要とのことだが、情報機関同士で交流をすればいいという感じもするが、政策的に必要という意味は何か。

  • 信用情報機関への登録の同意を得ずに貸付けを行っているような場合があるのか。

  • 上限金利を撤廃した時に一番心配するのは、低所得者でリスクの高い人の金利が高くなって借りられなくなること。合法的な金融機関からは排除されて、違法なヤミ金融に走って多重債務に陥る可能性があると思うが、そうではないと主張する根拠をわかり易く説明してほしい。

(回答)

  • 上限金利が無い場合、結局はマーケットが金利を決める。マーケットの中には客と競合者がいるため、そのマーケットの中で決まる金利が一番合理的とアメリカでは考えられている。従って、リスクによっては異なるが、金利水準にばらつきはない。

  • アメリカでは、商品によって異なるが、市場の調達金利プラスマージンというケースが多い。消費者向け無担保貸付けの場合、客層や商品種類毎に調達金利に連動して貸付金利が決まっている。また、金額によっても金利は違っており、当然金額が大きくなればなるほど金利が低くなる。

  • アメリカではなぜマーケットが金利を決めるかというと、他社が金利を高く設定している場合、競争の原理が働き、他者の残高を移しての貸付けが非常に活発に行われている。マーケットの原理が働き、正しい金利に落ち着いている。

  • 上限金利の引下げが悪循環を生むということは、アメリカにおける金利規制の考え方の基になっており、諸外国も同じ経験をして同様の考え方を持っている。

  • 上限金利規制のない3つの州に本店所在地があれば、基本的に他の州の上限金利規制は無意味となり、金利が輸出できるという考え方がアメリカの業界では一般的。ただし、ライセンスレンダーという特殊な業者に対しては本店の無い州の規制を受けると聞いている。

  • 日本でも業界の大手業者に声をかけて、業界で消費者に対し、責任のある貸し手として顧客に対して約束をしたり、消費者教育に関し金銭的な援助はしていないが、顧客の教育に関するコミットメントなどの活動を開始しているところ。

  • 一般的に、クレジットカードがきっかけで多重債務に陥った方もいると思うが、当社のクレジットカードでみた場合、高金利で他社から借入れて多重債務に陥るような客に対しては、もっと低い金利で貸付けを行うことを考えている。また、当社は加盟店業務を主要な業務の一つとしており、継続的に役務を行う加盟店業者等については非常に厳しくチェックしており、客からクレームがあれば、取消しも含めて個別に全て対処するようにしている。

  • 当社のカードにはクレジット機能はついておらず、純粋のローンカード。クレジットについては10数年前に撤退した。

  • 当社のカードを持っている方が、実は他でも借りていたということは、事故になった時に判ることが多いが、そういう方がリボルビングを使って買い物をすれば15%以下での金利でつなぐことができるということを知ってもらいたい。しかし、これまでの反省点として、限度額などの制限を設けることによって、他に客が行ってしまったとも思うので、もう少し当社のカード中心に利用してもらうように努力している。

  • 金利の水準は大変難しい問題で、多重債務者問題の解決を視野に入れながら検討していくべきテーマ。貸付期間、金額、リスクの度合い、それぞれの事業者のコスト毎に細かくケース分けをして考える必要があり、非常に結論を出しにくいテーマ。貸付金額が少ない場合は、どうしても手数料等々でコストがかかる部分があり、ある程度金利を高くする必要がある。

  • 当社の一括払いでのキャッシングは、給料が支払われるまでの短期の小口貸付けとして利用されており、これを利息制限法内の金利にしようとしても、ATM使用料や貸倒れコストなどいろんな他の経費を含めて金利計算すると不可能になることから、現在の金利水準で利用してもらっている。市場原理をもっと反映させていくためには、事務コストなどいろいろな手数料をみなし利息に含めないことと、17条書面などの手続コストを縮小していくことが非常に重要。

  • グレーゾーン金利については、非常に難しいが、実感論としては世の中にヤミ金融が跋扈している状況の中では、ある程度の規制、管理・監督していくために何かが必要という気がする。ただし、出資法の上限金利が100%、40%台の頃と同じように、現在の29.2%の金利の下で、17条・18条の規制やみなし利息を残していることによりいびつな体系になっている。グレーゾーン金利よりも、そこが合理的になるよう検討してほしい。

  • 当社では、50万円刻みで6つの枠で与信を行っている。例えば最初は少ない枠の50万円、やや高い金利で始め、返済の状況等々をみて枠を増やしていく。逆に、例えば返済が滞るようなことがある時には、本人に連絡して枠を圧縮する。枠の最大が300万円で、金利は8.7%。このようにリスクプライシングを行っており、いかに精緻化していくかがそれぞれの企業の工夫。

  • 信用情報機関の交流を行うには、交流をする信用情報機関名を明快に書いてそれぞれの消費者・利用者の同意を得る必要がある。そのため、新しくカードの会員になる方については比較的手続が容易だが、既存の全会員から同意を得るのは非常に大変。また、会員の中には、“それは困る”というような思いの方もいる。また、交流する場合は、情報を利用される方に対し同意の取得について明快にしてもらうためには、“政策的に”考え方をはっきりさせ、規則や運用の仕方を決めてもらう必要がある。

  • 金利水準は、マーケットと個人の信用力が決めるというのが最も自由な世界。金利を抑制すると個人の信用力に応じた適正な貸付けの実現を阻害し、結局は一定の普遍的な上限金利で規制すると、収入のある資金需要者もブラックマーケットに行ってしまうということを問題提起した。また、違法業者に対する規制は強化すべきだが、日本でも2003年に強化されて以降その効果は出ている。多重債務に陥る人を救済するのは破産の問題。

  • 上限金利規制がヤミ金融を助長するという意見は、成熟した自己責任の考え方が徹底された社会ではおそらくその通りになる。アメリカと日本で単純比較はできないが、社会の成熟度合が違うため日本で上限金利規制を撤廃するのは少し難しいと考える。現在まで法律で規制しており、個人の判断、自己責任の考え方にまだ徹していないが、個人向け貸付けを行う業者の規制については、合理性の観点で見直し、取り締まるべき行為については今よりもっとはるかに厳しくしてもいいのではないかと思う。

以上

問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3567、3553)
本議事要旨は、暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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