企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議議事録

1.日時:平成23年11月10日(木曜日)14時00分〜16時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 金融庁共用第一特別会議室

企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議

平成23年11月10日

○安藤会長

これより企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議を開催いたします。皆様にはご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

まず、会議の公開についてお諮りいたします。従来と同様、本日の総会も企業会計審議会の議事規則にのっとり、会議を公開することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤会長

ご異議なしということで、そのようにさせていただきます。

本日の合同会議には、自見金融担当大臣にご出席いただいておりますので、最初に大臣よりごあいさつをいただきたいと存じます。

○自見大臣

ご紹介をいただきました、新しい野田内閣でもまた金融担当大臣を拝命いたしました自見庄三郎でございます。きょうは、遅れてまいりまして申しわけございません。きょうは1時から東日本大震災の復旧・復興を主とした第3次補正予算を衆議院の本会議で通過させていただきました。そのために若干遅れてきたことを心からお詫びを申し上げる次第でございます。

さて、欧州情勢につきましては、G20が先般開かれましたが、引き続き動揺が続いており、金融庁といたしましては、緊張感を持って注視してまいりたいと思っています。今年の1月、私もパリでお会いしました、当時はフランスの財務大臣でございまして、IMFの専務理事のラガルドさんが明日、この金融庁に夕刻、おいでになられるということで、私もお会いする予定をしておりますが、引き続き、欧州をはじめとする世界各地の当局と密接な連携をとっていきたいと思っております。

また、皆様方、新聞、テレビでご承知のことと思いますが、オリンパスが過去の損失計上先送りに関するお知らせを公表しておりますが、公平・透明な市場の確保という観点からきわめて遺憾であります。また、これも一般論として申し上げれば、市場の公平性、透明性を確保するために、各上場企業等において企業統治が十分に発揮され適切な情報開示等がなされることが欠かせないものと考えております。

さて、委員の皆様方におかれましては格段のご協力をいただきまして、改めて厚くお礼を申し上げる次第でございます。前回の本合同会議から具体的な論点について議論・討論を行っていただいたところでございますが、各委員の皆様方から示唆に富むご意見を多数伺うことができまして大変ありがとうございました。本日の合同会議におきましては、まず、連結と単体の関係についてご論議をいただきたいと考えております。特に単体財務諸表にかかわる会計基準は、会社法、税法等との関連も深いため、その点について十分に配慮する必要があります。このような観点も踏まえた上で、単体と連結の各財務諸表にかかわる会計基準のあり方についてご検討いただきたいと考えております。

また、経済活動に資する会計のあり方についてご論議をいただくに当たりましては、我が国の経済雇用構造や今後のそのあり方を十分踏まえつつ、また、会計基準が企業経営や経営活動に与える影響を見極めた上で、将来的に我が国が使用する会計基準のあり方を考えていく必要があると考えています。

本日取り上げます論点につきましても、前回同様、皆様方からの自由、かつ活発なご意見を多数ちょうだいしたいと考えております。さらに実施を予定しております外国調査におきましても、諸外国の情勢を的確に把握し、国際的な実態、現実に即した検討を慎重に進めてまいりたいと思っております。

委員の皆様におかれましては、自由かつ活発なご論議をいただくことを重ねてお願いをいたしまして、簡単ではございますけれども、私のあいさつとさせていただきます。ありがとうございます。お世話をかけます。

○安藤会長

ありがとうございました。

それでは、審議に入ります。前回の合同会議、これは10月17日に開催いたしました。そこでは討議資料(2)について、時間の関係でご審議いただけませんでした。本日の進め方といたしましては、まず、討議資料(2)の説明を行い、その後、討議資料(2)についてのご意見を伺ってまいりたいと存じますが、その際、前回、ご発言できなかった委員には、討議資料(1)に関するご意見をあわせてお願いしたいと存じます。

それで、討議資料(2)に関しまして事務局から説明していただきます。

○栗田企業開示課長

それではご説明をさせていただきます。お手元に幾つか資料を配付させていただいておりますけれども、まず、縦紙の「国際会計基準(IFRS)に係る討議資料(1)」と書いてありますものと、横紙の「参考資料T」と書いてありますものを使ってご説明をさせていただきます。

まず初めに、前回ご指摘のあった事項について若干補足説明をさせていただきたいと思います。横の資料の4ページ目をごらんいただければと存じます。これは、ドイツの市場構造に関する資料でございますけれども、前回の会議の際に、ここの「内国会社数」と書いてあったところに外国会社の数も入っているのではないかというご指摘を受けました。それでもう一度調べてみましたところ、まさにそのご指摘のとおり、外国会社数も入っておりましたので、お詫びを申し上げ、訂正をさせていただきたいと思います。訂正した資料では、「会社数(内、内国会社数)」というふうに書き分けさせていただいております。さらに、時点が新しい数字が出ておりますので、9月末の数字に修正をさせていただいております。あわせて、イギリス、フランスにつきましても会社数について9月末の数字に修正をさせていただくとともに、本体資料のほうもその数字を引用しているところは修正をさせていただいております。

それから、ドイツの市場につきまして、非規制市場の中にSecond Quotationがあって、そこでは多数の会社が取り引きされているのではないかというご指摘がありました。まさに、そのご指摘とおりでございまして、非規制市場の中にSecond Quotationというものがございまして、その資料の4ページの下の四角のところに書かせておいていただきましたが、そこで取り引きされている企業数は9,573社ときわめて多数にのぼっております。ただ、この市場は、やや独特でございまして、既にほかの市場で取り引きされている企業について、取引所参加者の責任で、ある意味、勝手に取り引きされておりまして、その発行会社は自分が取り引きされていることすらわからないというような市場でございますので、ほかの市場とは性質が違うということと、あと、フランクフルトの取引所自体も、このSecond Quotationはちょっと別扱いにしているところもありますので、ここでは、下の注のほうに書かせていただいております。以上が前回のご指摘にかかわる補足説明でございます。

それで、縦紙のほうに戻っていただきまして、検討資料(1)と書いてあります資料の中の7ページ以降について本日はご説明をさせていただきます。ここでは、日・米・欧の開示制度と連結、単体の関係についてご説明をさせていただいております。

まず、開示制度ですけれども、日本では、金融商品取引法におきまして、上場企業等に関して連結と単体の財務諸表の開示を求めております。会社法では、利害調整機能と情報提供機能という観点から、会社法上の会社全体につきまして、単体の財務諸表の作成を求めている、あと、一部について連結の作成を求めているということでございます。それから、税法におきましては、この会社法上の利益を課税所得計算の基礎としているということで、いわゆる確定決算主義がとられているところでございます。

米国におきましては、証券法・証券取引所法におきまして、基本的に連結財務諸表の開示のみが求められているところでございまして、単体の取り扱いについては、各州の会社法いかんということになっているわけでございます。多くの州の会社法では、財務諸表を株主に送付しなければいけないという義務はありますけれども、その財務諸表をどういう基準で作成するとか、そういうことに関する規定は、基本的には存在しておりません。ただ、カリフォルニア州などはUS−GAAPで作成すべしという規定があるようでございます。

それから、米国の税法では、一部、日本の損金経理要件のような規定がありますけれども、全体としては、この企業会計と分離しておりまして、完全に別建てで計算されているということでございます。

ヨーロッパのほうですけれども、こちらのほうは規制市場に上場する企業につきましては、連結財務諸表についてIFRSで作成することが義務づけられております。単体の財務諸表につきましては、それぞれ各国の判断に委ねられておりまして、例えば、イギリスでは、単体はIFRSと英国基準の選択制になっておりますし、フランス、ドイツでは、単体は自国基準での作成が義務づけられているということでございます。

それから、この英・仏・独の3カ国の会社法上の配当計算ですとか、税法上の課税所得計算につきましては、この単体の会計によって作成された数字が基本となって、それぞれ調整を加えていくということで、日本と基本的なスキームは同じですけれども、ただ、どのくらい調整が要るかというような範囲は各国によって異なっております。例えば、英国については、かなり会社法上の利益と税法上の利益が離れているというふうに認識しているところでございます。

それから、1ページめくっていただきまして、我が国における連結と単体の関係についてです。繰り返しになりますけれども、我が国では、連結では日本基準のほか、米国のSECに登録している企業については米国基準で開示が可能でございます。さらに、2010年3月期よりは、国際的な事業・財務活動を行う企業につきましてはIFRSの開示もできるようになっております。他方、単体につきましては日本基準での開示が求められているということでございます。

この連結と単体のそれぞれの財務諸表の機能について見ますと、やはり、連結財務諸表につきましては、情報提供機能、国際的比較可能性が単体よりは重視されているということかと思います。単体につきましては、その情報提供機能と同時に、会社法の分配可能額とか税法上の課税所得などを決定するという利害調整機能が強いというふうに認識しております。

それから、日本基準における連結と単体の関係についてですが、この点につきましては、企業会計審議会の中間報告におきまして、いわゆる「連結先行」という考え方が示されたところでございます。その考え方につきましては、そこに書かせていただいておりますけれども、「今後のコンバージェンスを確実にするための実務上の工夫として、連結財務諸表に係る会計基準については情報提供機能の強化及び国際的比較可能性の向上の観点から、我が国固有の商慣行や伝統的な会計実務に関連の深い個別財務諸表に先行して機動的に改訂する考え方」というふうに書かれております。さらに、その後の本審議会におきまして、この連結と単体のずれの期間とか幅につきましては、経営や内外の会計をめぐる諸情勢により大きく異なるということで、連結と単体が、ある程度の期間がずれたまま経過してしまうことはあるということが議論されているところでございます。

以上のような認識に基づきまして、本日ご議論いただきたい論点ですが、9ページ目の四角の中に4つ書かせていただいております。1番目は、「単体財務諸表に係る会計基準は、会計法・税法や我が国固有の商慣行等と関連が深く、そのあり方については、より慎重な検討が求められると考えられるが、どうか」ということでございます。

それから、マル2マル3の論点につきましては、参考資料をごらんいただきながらご説明させていただきたいと思います。参考資料Tの8ページです。横に、日本基準適用会社、それから米国基準・IFRS適用会社、縦に連結、単体というふうなマトリックスになっております。まず、論点マル2のほうは、この太枠で囲ってある関係でございまして、先ほど少しご説明いたしましたように、連結財務諸表について米国基準ないしIFRSで開示を行っておられる企業がございます。そのような企業も、単体につきましては日本基準での開示が求められているところでございまして、実態といたしまして、連結と単体に使用される会計基準が異なっているということになっております。このような運用がこれまでも続いてきたわけでございますけれども、この点については、現在のところまで大きな問題は生じていないという認識でありますが、これについてどう考えるかということが論点のマル2でございます。

論点のマル3につきましては、この点線で囲んであります関係でございまして、連結、単体とも日本基準で開示をされている会社につきましては、先ほど述べましたように、これまで連結先行という考え方のもとで連結のほうを先に動かして、その後、単体を考えるというアプローチがとられてきたわけでございます。現在のところ、この連結と単体については2つの基準で相違が生じているというわけでございますけれども、これまでのこのような連結先行という考え方について現時点でどう考えるべきか、ということが論点マル3でございます。

それから、論点マル4は、その他に論点とすべき事項はないかということでございます。

私からの説明は以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。それでは、委員の皆様からご意見を伺ってまいりたいと思います。また、事務局の今の説明に対するご質問がございましたらあわせてお願いいたします。

まず、前回ご発言できなかった委員の方にご発言をお願いいたします。

なお、本日ご欠席の八木委員から事前に意見をご提出いただいておりまして、席上に配付させていただいておりますのでご参照をお願いいたします。

それでは、まず、私の記憶では八田委員が先かと思いますので、どうぞ。

○八田委員

どうもありがとうございます。若干、総論的な話かもしれませんが、今日も自見大臣の冒頭のご発言にもございましたけれども、会計及び監査を取り巻く現在の環境において最も重大かつ深刻な問題というのは、とりもなおさず、光学機器メーカーの不当な会計処理等の問題と製紙会社の巨額流用事件であり、これらはともに一部上場会社で、歴史のある、まさに日本の誇れる製造業でありながら経営のトップが絡んだ不正であり、結果として、ご案内のとおり、我が国のディスクロージャー制度の信頼性を根幹から失墜させるということになったことで、まさに由々しき事態であるというふうに考えます。

この光学機器メーカーの場合に関しましては、巷間伝えられるところ、いわゆる金融商品の評価損の先送りを封じ込めるという観点から、適切な会計処理を目指して金融商品会計基準の適用によって行おうとしたところ、それを回避する目的から損失の飛ばしを行ったということが主たる原因ではないのかということのようです。

ご承知のとおり、この金融商品の会計基準もそうですけれども、いわゆる、20世紀末の会計ビッグバンによって矢継ぎ早に制定された新会計基準、例えば、退職給付会計、税効果会計、あるいは固定資産の減損の問題等々、すべてバブル経済崩壊後の20世紀末の日本の会計及び監査に対する信頼性が大きく失墜したということで始まった会計基準の、まさに国際的対応での一環だったというふうに我々は承知しております。これは、まさしく、透明性と信頼性、さらには公平性の高い財務報告を意図して制定された会計基準だったわけですが、残念ながら、こういった基準すら遵守されていない会社が今もって現存していたということに、私自身、驚きを隠せないわけであります。

と同時に、こうした事例はほかにもあるのではないかといった疑念が、今や国内外から多く寄せられていることは周知のとおりです。したがって、皮肉な話ですが、このようなレベルの企業が多いのであるならば、およそこれ以上先駆的なIFRS論議というのは行えないのではないかというような、若干、失望感を覚えるわけです。しかし、そうはいかないので、こういった批判の中で我々が目指すべき方向性を個別的にお話しさせていただきます。

先般来のお話の中でよく出る言葉に、「日本的な経営」とか「日本独自の技術」といった形で、諸外国に秀でた状況を示さんがために使われる「日本的」という言葉、これは、もはや一部の関係者においては、みずからに都合のいい解釈をするための方便にすぎないというような見方も否定できません。少なくとも、会計の世界においては、日本的な会計などという表現は、私の理解によるならば、企業にとって都合の悪い会計基準は排除して、不透明な財務報告を容認してもらいたいというのと同義にとらえられてしまうのではないかという危惧をいだくわけであります。

実際に、これまでの審議会の各委員のご発言の中にも、日本基準を堅守すべきだという意見があることは承知しております。ただ、ここに言う会計に関しての日本基準というのは一体何を指しているのか。以前、ある委員は、そうした事例として、取得原価主義、保守主義、あるいは実現主義というのを列挙されましたが、私は全く理解に苦しむところであります。少なくとも、取得原価主義や実現主義は何も日本独自の会計基準では全くありません。おそらく今日も後半のほうの説明で、アメリカの歴史の中でそれを確認することができると思います。また、保守主義というのは、これも後で議論になるかもしれませんが、私が知っている限り、戦後日本の中小企業保護育成策として、当時、同じように中小企業が多くあったイギリスの古き慣行を受け入れて政策的観点から導入したものであって、まさに、戦後復興のために中小企業にとってのハンディキャップをもらったという考え方ではないのかということで、およそ企業会計原則の一般基準の信頼性の高い情報を担保するという考え方からは逸脱していると理解しております。

あるいは、日本基準の核として、これも、ある委員がおっしゃったわけですが、我が国にはすばらしい企業会計原則があるからそれに戻るべきだというお話もありました。この「企業会計原則を遵守すべき」との発言は一体どの時点での原則を指すのか。つまり、20世紀末に始まった会計ビッグバンによって矢継ぎ早に制定されてくる新会計基準、それをも否定して、その前に戻れというのか、あるいは、もうこれを全部折り込んだ形での日本基準というならば、およそコンバージェンスにより国際対応も図られてきていてIFRSと、ほとんど差異はないものになっています。そうでないと言うならば、コンバージェンスの促進により既にIFRSとほぼ足並みをそろえたとされる日本基準の何を守りたいというのか、正確に教えていただきたい。

基本的に私が申し上げたいのは、我が国の産業構造や経済環境、これを踏まえて、グローバル化の流れに抗することは全く考えられないし、逆に、そうした環境の中で生き残りないしは発展の戦略を講じなくてはなりません。それは会計基準に限られた問題ではありませんが、我が国企業が世界に伍して闘うために、企業活動ないしは企業経営の透明性及び適切性を確保するとともに、より信頼される資本市場の構築と発展に向けて一丸となった取り組みが必要ではないのか。そして、このインフラ、いわゆる経済社会、資本市場のインフラの一翼を成すものが、まさにグローバルな視点で受け入れられているIFRSにあるということは論をまたないわけであります。したがって、そこのスタートを誤ることなく、正確に整理していただきたいということです。これまでの「日本基準」、あるいは「日本的な」というものを温存しなければならない部分がもしあるならば、それを明確にした上でIFRS論議に入っていただきたいというのが私の希望であります。以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。前回、ご発言できなかったということで、黒川委員、よろしいですか。

○黒川委員

ありがとうございます。私は、このように拡大する前の審議会では毎回のように発言していたのですけれども、この3回ばかり、自見大臣や、新任の各委員の方々の意見がすばらしく、感動して拝聴させていただいておりました。しかし、隣の斉藤惇委員から「黙っているのは、具合が悪いのではないか」と前回、言われたので、本日は4回分ということで少し長くなるかもしれませんけれども、基本的な考え方と、それから派生するであろう個別的な問題についての考え方について、以前からいらっしゃった委員については、また同じことを言っているのかと言われるかもしれませんけれども、新しく委員の方々に、黒川はどういう考え方だったのかということを知っていただきたくことも踏まえてお話しさせていただきます。

まず、基本的な考え方として5つか6つお話しさせていただきたいと思います。私は、文化相対主義の立場に立っておりまして、文化の多様性というものを重視しています。それは、私は学者ですから広く言うのが癖ですけれども、地球全体の文明のためにも文化の多様性というものはあったほうが安全だろうと思っております。この「文化」という言葉と「社会」という言葉を、ルース・ベネティクトが、多分同様に捉えていると思いますけれども、私も同じようにとらえてもいいのだろうと思っております。会計は社会システムの中のサブシステムだと思いますので、結局、私自身としては、会計というものも多様性があったほうが安全だろうというふうに、主義から判断しているわけであります。

さて、次に、最近はグローバリゼーションということで、このグローバルという問題とローカルという問題をどのように対応づけるかということで、おおよそ、公共哲学関係の学者は悩まれ、「グローカル」というような造語もでてきております。これは、「グローバリゼーション」を視野に入れつつ、しかし「ローカリティ」というものも大切にしていくという考え方であります。我々は世界の中でいろいろなお仲間ができるわけですけれども、仲間の話し合いのときに、自分の意見もなく、いつも追随しているような人、あるいは追随している国であったならば、それは存在感がないということで重視されません。むしろ、自己を主張する人や国は注目されます。そこで、意見をことにする集団で大切なことは、ほかの人たちを見る、ほかの国を見る場合に、それぞれの相手の立場、違いを認識し尊重しつつ、何か共通点がないのか、あるいは妥協点を探っていきながらグローバルな問題に対処していくのが、世界全体の安定性という点でもいいのではないかと、このように思うわけであります。

第3に、我が国の文化の特徴についてです。我が国がどのように発展してきたかを見ると、我が国自ら独自に発展したというよりも、海外からいろいろなものを吸収し発展してきたわけですけれども、その吸収の仕方が、そのまま受け入れるのではなくて、我々はいつも一呼吸置き、咀嚼し、日本風にアレンジして、ある意味、独特の文化をつくってきたと思います。それは、とても誇るべきものであり、また独自性があるといってもいいものであると思います。たとえば、明治初期には、福沢諭吉先生もおっしゃっておりましたけれども、「和魂洋才」という言葉が示すように西洋技術をそのまま受け入れるのではなくて、表面上は同じように見えても精神は我が国のものであった。こういう事実を見ても、我が国は、すべてそっくり受け入れるというよりも、先ほども言いましたように、咀嚼して、取り入れるというのが日本民族にとっては向いているのではないか。これが2000年のわが国の歴史を見たときに、自然に思えるのであります。

第4に、私は研究者である同時に教育者でありますので、教育問題、人材の育成という点についても注目しています。私は、ASBJで、3つの専門委員会の委員をやらせていただきまして、会計基準を検討した経験があるのですけれども、そのときの感想を言わせていただきますと、とてもあそこはいいところであります。何がいいかと言いますと、それは、若者、特にリーダーとなるような公認会計士等々が専門委員として集められておりまして、そのような人材が、会計基準を検討しているのです。国際的な会計基準とのコンバージェンスが念頭に置かれておりましたので、IFRSとか米国基準等を詳細に検討いたしますけれども、それと同時に我が国の実態もヒアリングしつつ、結果として成案となった日本基準というものは、国際会計基準とほとんど同じではないかと言われるかもしれませんけれども、その検討過程において詳細で多面的な議論をしているのです。それが大事でありまして、あそこで専門委員になっている公認会計士等の人たちには、研究の経験・訓練の場となっています。

私のゼミの卒業生もおりましたけれども、そういう点で、大変有為な人材育成の機会という点で重要であろうと思います。要するに、人材育成の観点で、国際会計基準をそのまま受け入れるのではなくて、一呼吸置いて考える。同じ結論になったとしても、咀嚼する機関と機会が、我が国の人材を養成する上でも重要であるということであります。

第5は、国家主権という問題であります。ルソーに戻るものではありませんけれども、我々市民が自分で、自分たちが守るべきことを決められるということ、このありがたさというのを少し確認したい、再確認したほうがいいのではないか。我々はとてもいい国に住んでおります。自分たちのルールを自分たちで決められるということは、当然のように思っておりますけれども、250年くらい前には、こういう発想はほとんどなくて、ルソーが考え出してフランス革命に至ったということです。自分たちのことを自分で決める権利というものは、血を流して獲得するくらいのものであったわけですけれども、我が国は、そういう経験があったのでしょうか。自分で自分のことを決められるということの大切さを確認したいということであります。

第6に、これは、一転して専門的になりますが、私は、新興市場の信頼性の回復と活性化の問題に関して、今年の2月から6月ぐらいまで、これはマニフェストの1つだったと思いますが、それの作業部会長をさせていただいておりました。金融庁と経済産業省、証券取引所、公認会計士協会、証券会社等、すべての関係者が集まった初めての会議だったということで、そのこと自体がすばらしかったのです。結果として、ある程度の具体案を提出することができたと思っております。そのときに感じたことですが、なぜ最近、我が国の新興市場で新規上場会社が少ないのかという問題に関して、そもそも新規上場の候補となりそうな有力な企業が減っているという点もありますけれども、それ以外の原因として、本業がしっかりして、財務内容もよければ、そして、その企業が取引銀行の融資姿勢に関して、長期的な観点で融資をし続けるであろうという確証を持っているならば、当然ながら、銀行から最優遇金利で資金調達ができるし、長期的にも資金の安定性、資金調達については危険がないと判断しているのですから、わざわざ新興市場に上場をするであろうか。上場の維持コストが高くなっている。そういう点で、上場しないほうが、プライベート・カンパニーでいるほうが資金調達面でも有利なのではないかと判断している企業が結構あるのではないかという感触を得た。これは統計数字に基づいてはおりません。要するに、申し上げたいのは、上場維持コストの問題もあるということです。

最後に、個別問題についてです。連結と単体の問題に関連するのですが、この問題を考える上で、私は、確定決算主義の役割を事務局に調査をしていただきたいと思っているだけで、結論は今日のところありません。昨年、ある地方の青色申告会でお話をすることを頼まれて行ったのですが、その際、地方においては、会計帳簿を備え、財務諸表を作成し、これに基づいて自主的に納税作業を行うという、確定決算主義と青色申告制度との関係、一連の作業を、税務署と町役場、それから青色申告会が一体となって、自主的な納税を進めている、こういう実態を目の当たりにいたしました。この青色申告制度、納税意識が高いという我が国の美徳に対して、確定決算主義というものがどの程度影響しているのか、効果があったのかということが私にはわかりませんので、それについて何か知見がございましたら教えていただきたいと思います。

以上であります。どうもありがとうございました。

○安藤会長

ちょっと今のお話は長過ぎた感じですが、数回分まとめてということで、例外扱いにさせて頂きたいと思います。これだけの委員、私が数えた限り、35名のメンバーの方が出席されております。一人でも多くの方のご発言をお願いしたいと思いますので、発言は簡潔にお願い申し上げます。

前回ご発言したくてできなかったという方を先行しておりますが、ほかにご希望の方はございますか。

それでは、前回、発言できなかった方のご発言は以上にさせていただきます。もちろん、これから資料(2)に入りますけれども、関連したご発言はひっかけてご発言いただいて結構だと思います。

それでは、続きまして、討議資料(2)に関するご意見をいただきたいと思います。岩原委員、どうぞ。

○岩原委員

恐縮ですが、細かい事実論や現実論を申し上げさせていただきたいと思います。

まず最初に、討議資料(2)の7ページの本文の上から4行目と5行目「単体財務諸表」「連結財務諸表」という言葉が使われておりますが、これは「単体計算書類」、それから「連結計算書類」の誤りではないかと思います。この違いが、実は、ある意味で重要な意味を持っていると思っております。会社法上要求される会計に関する書類は「計算書類」で、金商法上、要求されるのが「財務諸表」で、一応別であり、かつ目的も違うわけであります。ただ、会社法上の計算書類は、会社法431条等に基づきまして、基本的に、会計の基準については金商法上の財務諸表に関する基準、ASBJ等のおつくりになりました財務諸表に関する基準に原則的に依拠しているところから、実は難しい問題が出ている。ただ、一応、制度としては別のものであるということが大事だと思います。

その上で9ページの論点のところでございますが、マル1について申し上げますと、単体の計算書類につきましては、これは配当規制という会社法上の独自の観点からの規制が行われているわけでありまして、現在は財務諸表に関する会計基準に基本的には依拠しておりますが、それが、IFRSのほうに移るということになりますと、会社法上の規制については、恐らくIFRSに基づく財務諸表に関する会計基準にそのまま依拠することはできなくなって、それなりのかなりの手当てが必要となり、かなり難しい課題を解決する必要があると考えております。

ただ、それについては、かなりの努力をすれば何とか解決することができるかもしれませんけれども、より難しいのが、確定決算主義のもとで、現在の財務諸表の会計基準に依拠してつくられた計算書類を前提にした税法会計です。税法会計の会計基準は、このように確定決算主義のために、結果的に現在の単体の財務諸表の会計基準、ASBJのつくった会計基準に基本的に依拠することになっているのですが、それをIFRSに基づく基準に変えるというのは、極めて困難であり、特に政治的に難しい問題になるのではないかと考えています。

そのような意味では、マル1については、少なくとも、会社法上の計算書類、それから、それに基づく税法上の会計の基準になっているという意味では、これは極めて難しい。両方切り離すことでもしない限り、これは非常に難しい問題を生じると思います。

そこで先ほどの横長の紙の単体の部分についての基準、これをIFRSに移すということは非常に困難な問題であると考えております。

次のマル2のところで、米国基準、IFRS基準、あるいは日本基準、今のところ連結については併存することになっておりますが、これから具体的な問題、実際上の不都合は生じていないのではないかと思います。そこから言えることは2つあって、1つは、連結と単体の基準が必ずしも同一でなくても、実際の実務上はそれほど不便が生じないということであり、また2つは、連結の中でも違った基準が併存しても、それほど実際上、困ることはないのではないか、ということです。比較可能性ということを考えると、そのような基準の併存には問題があるのではないかという議論はあり得ると思いますけれども、実際の実務上はそれほどの問題は起きていないのではないかと感じております。

その上で、このマル3について言うと、目的が違うのであれば違った会計基準をとるということは十分あり得て、ドイツ、フランスのように、少なくとも単体の計算書類の部分、あるいはそれを前提にした税法基準は、日本基準であって、それに対し連結の財務諸表についてはIFRSをとるということは、十分にありうる、1つの合理的な行き方であると私は考えております。

連結財務諸表について、IFRSを任意適用することは多分これはほとんどがないが、それを超えて、どこまで強制的に適用するかということが実際上残る重要な問題です。これはまさに、先ほどから議論に出ております、日本はどれだけグローバリゼーションに対応する必要があるかという観点で決まってくるのではないかと考えております。以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。谷口委員、どうぞ。

○谷口委員

私は経団連で企業会計委員会の企画部会長をやっておりますので、少し、実務に近いほうからお話をさせていただきます。

2010年9月に財務会計基準機構で設置されました単体財務諸表に関する検討会議というものがございました。ここでは、2010年の企業会計審議会の中間報告で示されました連結先行の考え方を踏まえて、単体の財務諸表のコンバージェンスを当面、どういうふうにするのかということを議論させていただきました。私ども産業界のほうからもCFOクラスが何名か入らせていただいて個々の基準ごとに多様な方向性について検討いたしました。

そこでは、多く言うと4つあったんですが、退職給付、包括利益、この両方の基準については、連結財務諸表についてだけコンバージェンスをするという意見が多く見られました。また、あと2つありました開発費とのれんについては、単体財務諸表、及び連結の財務諸表、両方について現行の取り扱いを継続すべきだという意見も見られております。こうした意見を、報告書で今年の4月にまとめております。その報告書では、基本的には、企業会計基準委員会が、この検討会議で出された意見を十分に斟酌した上でご判断いただくというふうにされたという理解をしているのですが、当然、企業会計基準委員会としても、そのような考えであるというふうに理解しております。ただ、コンバージェンス全体の方向性について、この企業会計審議会で議論を踏まえていこうということも、また逆に示されておりますので、この辺のところが全体、とまってしまっているという部分もございます。

それで、その辺について、我々作成者側として、企業会計部会というのは約50社強が参加しておりますが、10月21日に議論いたしまして、連結に関して大きな異論のない退職給付のステップ1、それから、包括利益、これはもう導入されております。これについては、連結処理のコンバージェンスにとどめる。それから、開発費とのれんについては、連結の基準としても国際会計基準の取り扱いについては問題があるのではないかという意見が経団連の中でも出されておりまして、それについては日本基準を継続するという方向性でおおむねのコンセンサスを得ております。

こういう状況にございますので、コンバージェンス全体の方向性については企業会計審議会で今後議論されるとは理解しておりますが、既に議論が成熟しております4つの基準等については、やはり、これとは切り離して、ぜひとも企業会計基準委員会で検討、議論を進めていただきたいというふうに思っております。ぜひ、この辺についてもよろしくお願いしたいと意見を申し上げたいと思います。以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。伊地知委員、どうぞ。

○伊地知委員

伊地知でございます。この会議に初めて出席させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

このIFRSを巡る議論は大変複雑で、検討すべき課題、あるいは問題も多岐にわたり、私など、一体何のために議論をしているのだろうと時々思ってしまうのです。それはさておきまして、今後議論を進めていただく上で少しお願いしたい点、実務に近い立場からお話しさせていただきます。

まず、単一で高品質なグローバルな会計基準を実現していこうという方向性には全く異論はございませんが、グローバルな比較可能性を求められているのは連結であって、単体については、ちょっと乱暴な言い方をしますと、そのニーズは少ないわけですので、ここらあたりで今回のこの議論の対象から単体を完全に切り離して、単体は、基本的には現在の基準を維持する方向をこの審議会で明確に出していただきたいというふうに思っております。

といいますのも、本来、IFRSの導入の議論というのは、純粋に会計の議論であるわけだと思うんですけれども、我々、どうしてもこれまで、まずは連結を議論し、それから後に単体だと、そのようなものがありますと、どうしても税務が頭を過ってしまって、この議論に深く入り込めないといいますか、結果的にゆがんだ議論になるのではないかと感じております。

そういう意味で、連結へのIFRSのこの導入の議論を本当に建設的なものにしていくためにも、連結先行という考えをここでキャンセルして、完全な連単分離、これを明確に打ち出すことが大事ではないかと思いますし、まさに、もうそのときが来たのではないかというふうに考えております。

それと、先ほどの討議資料マル2でございましたけれども、実は、私ども、米国基準と単体日本基準それぞれやっておりますが、ここに記載のとおり、そのことで大変大きな問題が生じるとかコストがかかるということは現在起きておりません。むしろ、IFRSが単体に適用されることで税務の手当てがなされない場合、大変な申告上の調整とか、あるいは税金そのものの問題、そちらのほうがどちらかというと気になっているわけでございます。

続いて連結についてです。現在、日本基準のコンバージェンスと、IFRSそのものの強制適用の検討が並行して進められているというふうに理解しております。いずれも会計基準の国際的調和を目指していくという目的は変わりありませんが、今後、議論を深めて、両者のいずれかを選択するに当たっては、そもそもIFRSの導入議論の原点は一体何なのかということを、ぜひここで明らかにしていかなければならないと思っています。あくまでも、会計の思想でありますとか、あるいは基準を国際的に統一するのだということが目的であれば、それが当然、強制適用ということになろうかと思いますし、一方で、自国の基準を尊重しながらも国際的な調和を最大限図っていこうということであればコンバージェンスになろうと思いますが、個人的には、同等性の評価を見据えながら日本基準のコンバージェンスを継続的に検討していくということで十分ではないかと思います。それと、仮にIFRSが強制適用されて、原則主義であるIFRSに基づいて決算実務を行うことが、とりわけまじめな日本において、果たして現実的なのかどうか、ここについては多少、疑問を感じている次第です。

以上でございます。ありがとうございました。

○安藤会長

ありがとうございました。逢見委員、どうぞ。

○逢見委員

資料に挙げられている4つの論点に沿って申し上げます。まず、第1の論点ですが、単体財務諸表にかかわる会計基準は会社法・税法や我が国固有の商慣行と関連が深いというのはそのとおりだと思います。そういう意味で、我が国の単体の日本基準をIFRSに合わせていくということについては、やはり慎重であるべきだと考えます。連結と単体の関係については、両者が余りにも乖離してしまうことは問題があると思いますが、一方で、これが同じでなければならないという必要はないし、実際、同じでなくとも実務的にそれほどの問題はないのではないかと思います。

そういった意味で、連結先行というマル3にもかかわる考え方ですが、単体の部分については会社法・税法、あるいは我が国固有の商慣行も含めて、我が国の産業構造、あるいは企業活動の実態に照らして考えていくべきであり、連結先行イコール、単体が後からついていくというものではないということを確認しておく必要があるのではないかと思います。

それから、マル2につきましては、米国基準、IFRSを採用している企業で、連結、単体で分離しているということについて、この審議会でも特に問題があるということはなかったのではないかと思いますので、それでいいのではないかと思います。

マル4ですが、特に財務情報の利用者である従業員、労働者という観点で申しますと、労働条件というのは単体の財務情報によって決まるものであり、決して連結の財務諸表によって決まるわけではないということがあります。したがって、単体の財務諸表が適切に開示されるということが必要だと思います。連結を開示すれば単体は開示しなくてもいいのではないかという意見もあるやに聞いておりますが、私は、単体は単体として開示する必要があると思います。特に、人件費率がどうなっているか、あるいは労働分配率がどうかというのは、開示された単体財務諸表によって比較し、その中で公正な分配が行われているかどうかということを我々、労働者サイドとして見ていくわけです。したがって、そういった貴重な、重要な情報源として今後も単体情報は開示されるべきであると思っております。以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。それでは、斎藤静樹委員、どうぞ。

○斎藤(静)委員

連単の分離ということですけれども、まず、そこで言う連結がどの基準かということによって結果が違ってくるというのは、先ほど来の事務局のお話や、一部の方のご議論のとおりだと私も思います。日本基準であれ、あるいはIFRSであれ、原則として一律に適用されるものであれば、単体をそれと分離するのは難しいと私は思います。現在でも、連単でルールが違うことはありますけれども、それはあくまでも例外であって、両者が原則的にもともと違っているという制度は考えにくいと私は思っています。もちろん、短期的にできないことはないと思いますけれども、いずれ単体が連結に引っ張られて連単分離が成立しなくなる可能性が高い。実際、連単を分離したつもりの大陸欧州でも、分離がうまくいかないで今ごろになって慌てている様子が見られるところだと思います。

その一方、連結の基準が任意適用されていて、適用数から見て例外と言える範囲にとどまっているものであれば、私は、連単の分離は比較的容易な作業であると思います。例えば、任意で連結にIFRSを使う会社が、自分のコストで単体を日本基準に合わせて再調整することは可能であろうと思います。どの範囲を例外と見るかはともかくとして、例外として違った単体基準の適用を認めるというのは、ちょっと変な例えですけれども、連結のケースでアメリカが、他国基準に基づく財務諸表を調整開示の上で受け入れるということとちょっと似た理屈でもあるとは思います。したがいまして、例外ではなくて、原則として上場企業に適用される連結基準との関係で言えば、連単はあくまでも一体が原則だと私は思います。IFRSを丸飲みするなら連単ワンセットで丸飲みにすべきでありますし、最大限のコンバージェンスを図りながら日本基準を使っていくというのであれば、コンバージェンスのレベルと関係なく、これも原則上は連単一体で維持しなければいけないということだと思います。

私は単に連単の関係といった技術的なことを言っているのではありません。会計基準を海外の制度に合わせるためには、会計基準と補完的な関係にある周辺の制度や規制を同時に変えていくことが必要であります。連単一体ということは、連結を中心とした会計基準と、単体に結びついた周辺制度を一体として変えていくということであります。そういう体系的な視野を持たないで、会計基準だけ切り離して外国とそろえる主張を繰り返すのは、制度論として少しナイーブに過ぎると私は思っております。以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。ほかにご意見はございませんか。引頭委員、どうぞ。

○引頭委員

ありがとうございます。先ほども岩原先生からご説明があったかと思いますが、単体の財務諸表は、税法や会社法等と密接に関連しており、会計だけの閉じた問題ではないということはよく理解できました。利用者から見ると、やはり企業価値が落ちてしまうことは困ります。しかしながら、だから何も変えなくていいということではないないと思うんです。無理に決めてしまうのにはやはり問題がありますので、歩み寄りをすべく努力を続けるなど、ここに書いてあるような慎重な検討をすべきなのではないかと思います。

マル2についてですが、実際問題として、数字は間違っているかもしれませんが、今、SEC基準で財務諸表を開示している会社が40社程度あると思います。そうした会社では、単体と連結の基準は確かに違うのですが、単体と連結であまりにも数字が違う勘定科目等があった場合には、事業会社のIR担当者の方々が、アナリスト等が質問した際に、かなり的確に答えてくださるようなケースがごく一般的であると承知しております。そういう意味では、法定開示資料ということではありませんが、口頭も含めたIR活動の中で、そうしたギャップを事業会社の方々が自主的に埋めてくれているというのが現実かと思います。ただ、それが、すべての公開企業に対して強制適用になった場合、現在のような対応を全ての公開企業の方々に期待して良いのかというと、正直良くわかりません。この点については、確かに、慎重に考えなければいけないのではないかと思います。

連単の話については異常ですが、前回出席できなかったので、前の議論について少しコメントさせていただきます。冒頭、八田先生がおっしゃったように、今回の2社の製造業の大きな問題というのは利用者として、自見大臣もおっしゃったとおり、非常に遺憾でございます。そうした中で、これをケーススタディとして整理する必要があるのではないでしょうか。具体的には、IFRSの金融商品会計だったら、これは避けられたのか、日本基準だから避けられなかったのか、あるいは、内部統制監査を含めた監査に問題があったのか、あるいは、そうした会計基準や監査基準に関係なく、経営者自体のマネジメントの問題だったのかというところを、どこかの段階で一旦整理をする必要があるのではないかと思います。財務諸表の利用者側、日本のみならず、海外の投資家からもかなり日本のガバナンスについての信任が非常に低下したということも伝えられています。よいケーススタディではないですけれども、非常にシンボリックなケーススタディとして、実施すべきではないかと思います。

それから、資料(1)のほうで、海外諸国についてそれぞれ、IFRSを導入したとか、導入しないとか、アーカイブしたとか、そういった記載がございました。ここで1つ、利用者側からお願いしたいことがあります。会計基準をどういうふうに、適用しましたというところまではわかるのですが、IFRS適用後、監査がどのように行われているのかといったモニタリングについての情報も、収集する必要があるのではないでしょうか。制度論だけではなくて、実態の運用のところについても目を配らせる必要があると思いました。

それから、今回の単体の話と関係があるのですけれども、ドイツとフランスでは、単体は自国主義を強制しているという形で書かれていたと思います。その事実は認識していますが、単体を自国主義とした背景、その理屈についてははあまり聞いたことがなかったので、そのあたりの整理なども重要ではないかと思いました。各国間で考え方が多分違うと思いますが、そうしたことも教えていただければと思っております。以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。関根委員、どうぞ。

○関根委員

ありがとうございます。連結と単体の関係というのは非常に難しい問題だと思っております。まず、1番目の論点ですけれども、資料に記載されていますとおり、単体財務諸表にかかる会計基準は、会社法・税法や配当とか確定決算主義とかに関連が深く、そのあり方についてはより慎重な検討が求められると思っております。

そのような背景もあり、2番目の論点で記載されているように、開示制度上、連結では米国基準あるいはIFRSを採用可能となっていますが、その場合も単体については日本基準であると理解しております。また、特に連結の米国基準については、何十年も使われている会社もございます。したがって、こちらは、今まで何人かの委員の方からもいろいろな観点からの意見が出ていましたが、数が少ないといえども、IFRS採用の議論を行う場合は、こうした実務も踏まえて、それらを参考にしながら、まず、連結について考えていくのがよいのではないかと思っております。

連結が米国基準やIFRSで単体が日本基準の場合、大きな問題が生じているかというと、これは、実際には数が限られているからということもあるのかもしれませんけれども、必ずしもそうではないかと思います。ただ、連結とは、やはり単体が元となっていますため、連結と単体が異なる基準を採用している場合、最終的な開示まではしないものの、双方の基準で作成するような作業が必要となることによる負担もあるのではないかと思います。既に作成されている会社というのは、これを超えるメリットがあり、単体のほうを変えた場合での問題点等も含めて考えますとそれほど問題ではないというふうに理解されているのかと思いますけれども、一般的に考えますと、やはり、作業というのは、二重になるところは当然出てくるかとは思っております。

その点に関連して、次の3つ目と4つ目の論点にも関係しますが、日本の開示制度全体として考えた場合、私、公認会計士として個人的にいつも思うのは、連結と単体の関係とともに、金商法と会社法の制度との関係です。今回、制度ということですので、少し触れさせていただきたいと思います。ご存じのように、現在は金商法と会社法双方において連結と単体が開示されており、会社法に基づく計算書類は、開示の一部は異なるものの、基本的な内容は金商法のものと同じになっております。会社法に基づく計算書類についても先ほど情報提供機能という話がございましたけれども、今は開示というのがいろいろな意味で進んでおりますので、例えば、EDINETとか、いろいろなウェブとかでも一般に開示されているのではないかと思っております。そうしますと、会社法と金商法、どちらの情報も一般に得ることができる、ただ開示の一部が異なるというような状況があるのではないかと思います。

一方で、今申しましたように、基本的な内容は同じであるものの開示の一部が異なるため、最終的な開示情報としては2つのものに対して作業を行うことになり、その分、一定の負担はあるのかと思っており、作業のことばかり申し上げて恐縮ですが、これが本当に必要なことなのかどうかということを時々思うことがあります。

また、国際的な比較可能性という観点から連結をIFRSに基づき作成した場合、もちろんこれはいろいろな意見があるかと思うんですけれども、その場合、全く基準が違いますから、連結と単体の数値の相違が大きくなるという可能性も想定されてきます。

そうしたいろいろなことを考えていきますと、公認会計士として個人的にいつも思っておりますのは、金商法の開示の枠組みの中で連結と単体を現在のような形で開示しておくのはどういった意味で必要なのか、この意味合いをもう一度考えていく必要があるのではないかということです。これは例えば、金商法開示の枠組みにおいてはIFRSに基づいた連結を基本として、単体については開示しない、あるいは、会社法で開示しているからいいというものではないという指摘もたしか前回か前々回ぐらいにあったと思いますので、会社法の枠組みだけでなく金商法の開示の枠組みでどうしても開示が必要とされる個別情報があるのであれば、それを開示するといったことを含めて、これは、会計基準と制度の話の両方入ってくると思いますけれども、検討していくということも必要なのではないかと思っております。

どちらにすべきというのはこれからの議論ではないかと思いますけれども、こうしたことの議論、開示制度とか連結と単体の関係に関連して、そういったクロスの関係も議論いただければと思っております。私のほうからは以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

それでは、ここで先に進ませていただきたいと思います。討議資料(3)に関しまして事務局から説明をお願いいたします。

○栗田企業開示課長

それでは、お手元にお配りいたしました資料のうち、縦の紙で「国際会計基準(IFRS)に係る討議資料(3)」と書いてありますものと、「参考資料U」と表紙の打ってある資料、この2つに基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。

縦紙のほうを中心に説明させていただきたいと思います。この資料は、「経済活動に資する会計のあり方」という検討項目を議論するためにまとめたものでございますけれども、おそらく、この話は何回かの議論になるかと思いますので、今回はその入り口の資料ということで、やや概括的なものをご用意させていただいております。資料は大きく分けて2つのパーツになっておりまして、「我が国産業・雇用構造、我が国企業の海外進出、資金調達の状況」という、まさにマクロの話と、5ページ目以下には、「企業経営と会計基準の関係」ということで、特に本審議会でも議題になります会計基準、あるいは、会計の考え方の幾つかについてご説明をさせていただいております。

それでは、順番にご説明をさせていただきたいと思います。まず、1ページ目ですが、「我が国の産業・雇用構造」でございます。これはもう皆様よくご存じのとおりかと思います。日本の場合、第1次産業のウエートはきわめて低く、第2次産業、製造業のウエートが、後に出てきますけれども、他の主要先進国に比べて比較的高いという状況があるかと思います。GDPシェアで見ますと製造業は18%を占めており、雇用者数でも同じ割合でございます。それから、特にこの第2次産業、製造業を上場企業の中で見ると、さらに大きなウエートになっておりまして、そこにも書かせていただいておりますが、時価総額で言えば、第2次産業が59%、製造業が53%と、過半数が第2次産業になるということでございます。

海外との比較で言えば、日本の場合は比較的ドイツと似た産業構造ということになるかと思います。1次産業、2次産業、3次産業の割合がほぼ等しいという形になっております。さらに、他のアジア地域の国と比べた場合には、やはり、アジア地域の他の国々は、第2次産業、製造業のウエートが高い国が多いという傾向が見られるかと思います。

それから、2ページ目の中段以降ですが、中小企業の状況について若干触れさせていただいております。中小企業の数は、日本では約420万社ございますけれども、主要先進国で申しますと、大体、中小企業の割合は99%超ということで同じようなことになっているわけでございますけれども、日本の場合、中小企業が雇用に占めるウエートが他の主要先進国より高いというのが1つの特徴かと思います。日本の場合、中小企業の雇用者数が70%くらいあるのですけれども、他の先進国は60%どまりということで、この点は日本が他の主要国と違う特徴かと思います。

それから、1ページめくっていただきまして、我が国の企業の海外展開の状況でございます。そこに表5、表6を用意させていただいておりますけれども、進出地域で言えば、やはり、アジアのウエートが非常に高いということで、中でも中国とかベトナム、インドの割合が高くなってきているという傾向がございます。それで、製造業の海外生産比率ですが、これは、国内の全法人のベースで見ますと17.2%、国内でしか生産されていないところを除く海外進出企業の中で言えば、海外で生産するウエートは30%を少し超えてきているというような状況になっております。

それから、1ページめくっていただきまして、4ページ目ですが、我が国企業の資金調達の状況でございます。これは、外部資金だけでございまして、手元資金という要因を除いておりますけれども、銀行からの借り入れというものが非常にウエートが高くなっているということでございます。新規の資金調達のうち、株とか社債のうちどれくらいを海外で調達しているかという数字を見てみますと、2010年で言いますと、株は41%、債券は16%が海外での調達となっております。ただ、株につきましては、2009年、2010年と海外比率が40%を超えておりますけれども、この1つの要因は、大手の金融機関がこの期間にかなり大型増資をやっておりまして、それをかなり海外で募集しているという要因がございますので、その点を除きますと、株式による海外での資金調達のウエートというのはある程度下がってくるということでございます。

それから、我が国上場企業における外国人の株式保有比率ですが、これは、長いトレンドで見ますと上昇傾向にありまして、足元で言えば26.7%というような状況になっているということでございます。

以上がマクロ的なことで、5ページ目からは、先ほど申しましたように、特に企業関係の方から論点として挙げられることの多い項目について整理をさせていただいております。

まず、5ページ目は、会計基準の歴史的変遷のようなものでございまして、特に取得原価主義とか利益の計上についての考え方を中心にまとめております。ポイントになります資産の評価の方法につきましては、欧米では、大体、大恐慌後の1930年代ごろまでに、一度、取得原価主義で定着したというふうに認識しております。それ以前は時価会計があって、それも使われていたわけでありますけれども、時価会計によって出てきた益を配当に回すというようなことで、あまりほめられた会計の処理の仕方ではなかったことが多かったことから、大恐慌後に見直されたということかと存じております。

さらに、利益計上の考え方につきましても、アメリカの会計士協会が1932年に出した報告書簡がございまして、このときに、未実現の利益は計上しない、実現した利益を重視するという考え方が明確にされまして、それ以後、この考え方が定着しているというふうに考えております。

そのような考え方の転機になりましたのは、1980年代の米国のS&L危機です。このS&L危機の原因自体についてはいろいろな考えがございまして、おそらく1つのことが原因ということではないのですが、その原因の1つとして挙げられたのが、取得原価会計において益出しがあったり、損失が表に出てこなかったりということで、金融機関の不健全な経営につながったのではないかという意見がありました。そのことが、このころ米国に金融商品の公正価値評価が導入された契機になったというふうに認識をしております。

それから、次のページの参考2のところですけれども、我が国の状況はどうかといいますと、我が国では、昭和24年の企業会計原則におきまして取得原価主義が定められております。その後、銀行につきましては低価法の適用が義務づけられておりましたけれども、バブルの崩壊後、銀行の経営が非常に厳しくなったということもあり、低価法の義務づけが廃止されたということでございます。そのことがいわゆるレジェンド問題の1つの原因になったという指摘もあり、また、金融機関の含み損が的確に把握できなくなるのではないかということもあり、日本においても金融商品の時価会計が2000年から取り入れられているということでございます。この辺の一連の流れは、参考資料の1ページ目に、米国と欧州と日本ということで時系列的に整理をさせていただいておりますので、ご参照をいただければと存じます。

それでは、本文のほうに戻っていただいて、7ページ目でございますが、ここからは、まず、企業利益の把握の話でございます。これに関しましては、包括利益、あるいは当期純利益という概念が重要になってくるかと思います。我が国の取り扱いですけれども、我が国では、費用と収益を対応させて業績としての利益をとらえ、当期純利益は実現した利益を基本として計算するという考え方が定着しているというふうに認識しております。資産、負債について一定の場合に時価評価が行われることはありますけれども、当期純利益への反映ということであれば、直接に当期純利益にヒットするのは売買目的有価証券の評価差額だけでございまして、その他有価証券につきましても時価評価ではありますけれども、この評価差額はその他包括利益に入って、それが実現したときに当期純利益に振りかえられるという、「リサイクリング」と言われる取り扱いになっておりますので、評価差額がそのまま当期純利益に入っていくということにはなっていないということでございます。

片や、IFRSではどういうことになっているかといいますと、IFRSでは、そもそもの基本的コンセプトが日本の場合とは違っておりまして、まず、包括利益というものがあって、これが一定期間の純資産の増減によって決まるというアプローチになっております。その内書きとして当期純利益が出てくるわけですけれども、この当期純利益については明確な定義がなされていないというのがIFRSの特徴でございます。さらに、IFRSにつきましては、これまでもリサイクリングしないというような基準があったわけでございますけれども、最近においては、さらに金融商品会計とか退職給付会計において、リサイクリングしないという取り扱いが増えてきておりまして、そのことによって実現した損益の中でも、当期純利益に計上されないものが出てくるということになっております。

1ページめくっていただきまして8ページ目で、米国はどうかということです。米国は我が国と同様に実現した利益を重視するという考え方によっておりまして、リサイクリングの適用範囲も広いというふうになっております。ただ、最近の傾向といたしましては、公正価値評価し、その評価損益について即時に当期純利益に計上しようという傾向が見られます。そうしますと、いわゆる含み損益が当期純利益にはねてくるということになりますので、この点がだんだん日本と違ってきているということかと思います。

このような当期純利益、包括利益の考え方に対するいろいろなご意見があるわけですけれども、特にIFRSの考え方に関しては、1つは、実現した利益を当期純利益とするという明確な考え方はとられていない、さらに、それに関連して、リサイクリングについて整合的な取り扱いが定められていないと、このあたりが問題視されることが多いかと思います。

他方、実現した利益だけを重視するという考え方に立ちますと、例えば、有価証券の売却による益出しというようなことが助長される恐れがあるという指摘も一方ではございます。この点については以上でございます。

ちょっと飛んでいただきまして、10ページでございます。10ページは公正価値会計についてまとめております。公正価値の取り扱い、日本では時価ですが、これにつきましては、国際会計基準、米国基準、日本基準でも原価で評価する、あるいは公正価値で評価するというものが混在しておりまして、明文化された一般的なルールが存在していないというわけでございます。我が国では、基本的には、投資の性質ごとに使い分けを行うということが行われております。すなわち、機械や棚卸資産、そういう基本的に事業投資の性質を有する資産は原価で評価し、デリバティブのような金融投資の性質を有する資産は時価で評価するというのが日本の1つのメルクマールになっているというふうに認識しております。

片や、IFRSですけれども、IFRSのほうは、いろいろな基準に公正価値が使われておりまして、ここでは、なかなか明確な使い分けの基準があるわけではありませんで、そこに幾つか書かせていただいておりますけれども、売買目的有価証券や、その他有価証券が公正価値評価、それから、非上場株式についても公正価値評価となっております。それから、金融負債については一定の条件のもとで公正価値評価の選択が認められているほか、投資不動産とか有形固定資産の評価においても公正価値の選択が認められております。さらに、農業については公正価値評価を行うというような基準になっております。

それから、米国も同じく公正価値評価がかなり広く適用されてきているということで、さらに米国の場合は、先ほど申し上げましたように、公正価値で出てきた評価損益をそのまま当期純利益にヒットさせるという考え方が広がってきているということかと思います。

このようなアメリカ、あるいはIFRSにおいて公正価値が広範囲に使用されることにつきましては、いろいろなご意見がございます。1つは、経済の過剰な変動を生むことにつながるのではないか、いわゆるプロシクリカリティの問題があるのではないかというご指摘があります。それから、取引市場が必ずしも十分に機能していないような場合について、市場価格の信頼性に問題があるのではないか、あるいは、そのモデル計算によって算出される公正価値に信頼がおけるのかというご指摘もあるところです。さらに、これは懸念と言ったほうがいいと思いますけれども、明確な使い分けの基準がなく公正価値が広がっておりますので、今後、機械などの製造設備についても公正価値評価が義務づけられるのではないのかという疑念をおっしゃる方もおられるということでございます。そのようなご意見がある一方で、公正価値会計につきましては、含み損などを隠さず財務状況を把握できるという観点から重要ではないかというご指摘があるところでございます。

それから、次の12ページは、保守主義の原則でございます。保守主義につきましては、企業会計原則において定められておりますけれども、企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならないという原則でございます。フランス、ドイツを見ますと、単体で適用される自国基準におきましては、幾つかの項目について低価法が義務づけられているなど、かなり保守的な取り扱いがなされているということでございます。

それから、我が国におきましても、先ほど谷口委員からお話がありました単体検討会議におきまして、開発費やのれんの処理方法について議論が行われた際に、健全性の観点から、開発費の費用計上、あるいはのれんの定期償却を求める意見が多数出されたというふうに認識しております。

その裏返しとして、IFRSでは、開発費の費用計上、のれんの定期償却をしないというような基準がありますので、そういう点は保守主義の観点から見てどうかというご意見があるところでございます。他方、保守主義につきましては、企業会計原則の注解にもありますけれども、過度に保守的な会計処理を行うことによって真実の報告をゆがめてはならないというご指摘があるところでございます。

それから、4番目、確定決算主義です。これは先ほどもご説明させていただきましたけれども、会社法上の利益を課税所得の計算の基礎としている、さらに、一定の場合、決算上費用または損失として経理されていなければ、税務上もこれを費用または損失として計上できないという損金経理要件が存在するところでございます。これには、先ほどのご議論にもありましたけれども、日本の経済社会活動の中に既に折り込まれた制度になっておりまして、この点を抜きにしては会計基準の議論も進められないというご意見が多いということでございますが、他方、これは税制改正要望のような話ですけれども、損金経理要件の緩和を求める意見も存在するということでございます。

以上に基づきまして本日ご議論をいただきたい論点として4つ、掲げさせていただいております。1番目は、我が国企業が使用する会計基準のあり方を考える際、我が国産業・雇用構造の状況等を踏まえ、留意すべき点は何かということ。2番目は、我が国企業の海外進出の状況や我が国企業の資金調達の状況を踏まえ、留意すべき点は何かということ。3番目は、企業経営と会計基準の関係につきまして、収益と費用の対応、公正価値会計、保守主義の原則、確定決算主義の観点からさまざまなご指摘がなされておりますけれども、会計基準の変遷や企業経営に与える影響等を踏まえましてどのように考えるのが適切かということ。それから、4番目として、以上のほかに我が国の経済活動や企業経営のあり方と会計基準の関係について、論点とすべき事項はないかということでございます。今回は、初めに申し上げましたように、入り口の議論ということで、ちょっと大きな構えで論点を書かせていただいております。以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。前回は10分ほど会議が長引いてしまって反省しておりますので、きょうは定刻の4時にはピタッと終わりにしたいと思います。そうしますと、最後の事務連絡を除きますと大体15分程度、時間があるかと思います。もちろん、その15分の間に発言し切れない方がおられると思いますが、その場合は次回に繰り越させていただくということにさせていただきます。それをご了承の上、今、説明がありました討議資料(3)についてご意見をいただきたいと思います。斉藤惇委員、どうぞ。

○斉藤(惇)委員

非常にスコープが広いので、我々の立場のところだけ少し焦点を当てたいと思います。まさしくここにデータが出ているとおり、今や、海外でのファイナンスなしに日本企業のファイナンスはできない状態になっています。この内外の投資家を何とか満足させる正しい情報の提供をし、あるいは、流動性を担保することによって、できるだけ正しいプライス発見機能というものを我々が世界に提供しない限り、コストの安い資本を我が国の産業が取ることができないという問題があるということだと思います。

先ほど、資料上四十数%ある海外でのファイナンスの中には、日本の銀行が行った多額の増資が含まれているという説明がありましたけれども、これはまさしく、増資したのが日本の銀行であろうが何であろうが、彼らは海外へ行かなければ、こういう安い金は取れなかったという厳然たる事実があり、44%という比率になったということであります。

ただ、確かに我々の立場でも当期純利益は、投資家の立場からは必要な数字でありますし、アメリカ会計や、我が国の会計でも、当期純利益は引頭さんたちもおそらく非常にお使いになってきた数字だと思います。我々がここで迷いますのは、せっかくIASBと皆さんとの交渉により、IFRSの中にも、一種の当期純利益という項目が出てまいりましたけれども、その中で、もしOCIが全部リサイクルできないといったら、それが本当に当期純利益と言えるのか。あるいは、リサイクルできるものとできないものというのはどのように分けるのかということを相当詰めなければいけないのではないかと思います。ですから、IFRSにおける当期純利益とはどういうものであるかということを関係者で定義しなければいけないだろうと。そのプロセスとして、リサイクルという言葉、このリサイクルができるもの、できないものを分けるのか、あるいは、一方的に偏ってしまうのか。一方的に偏ってしまうと、当期純利益というのは非常に怪しいものになってしまうというジレンマがありますので、この辺をやはり関係者内外入れて、国際的な会議で詰めていくことで、できれば我々としては、当期純利益というものを捉えたい。

基本的には、事業から発生したそのタームの本当の利益と、保有していた資産の変動によって出てくる利得、これが明確に分かれて投資家に見えれば一番いいわけでありまして、投資家が日本の会計で常にいろいろヨーロッパ、あるいはアメリカが言ってきていたのは、これがミックスアップしている。したがって、本当の事業では利益があまり出ていないけれども、今度の問題もそうですが、たまたま財テクの株で大利益を出していて、実際のところ利益が出た形になっている。ところが、事業そのものは損をしているではないか、この辺が何ではっきり出ないのだということが問題であったわけです。これは、前回、私が申し上げましたけれども、アメリカでもこれは大問題で、今回のクライシスの原因はアメリカが全部、リサイクルをしていたがゆえに、そういうものがミックスアップしてしまって、本当のアメリカ企業のバリューが出ていなかったという大問題があって、今、アメリカはこれの修正に入っていると私は理解しています。そういう問題があって、幾つか内外で広く、特に、純利益、それから、リサイクルの問題、こういうことをしっかりやらなければいけないのだろうと思います。

最後に一言だけ、資産の評価ですが、私は産業再生機構で100社近い会社をチェックしました。そのときに、やはり、これはゴーイングコンサーンバリューとの問題があると思いますが、土地をたくさん持っておられる明治時代からあったような会社が、この土地の上で物をつくっておられたのですが、その物は既にもう赤字で全くバリューをつくっていないので、我々はその土地の値段はバリューがない見たわけです。しかし、ほとんどの方が、これは幾らで買った土地であって、今、売れば幾らで売れるはずだと言われて大論争になったことがあります。しかし、結果的にはいろいろな方に土地を買っていただくときに、その土地の上で生まれてくるキャッシュフローというものを不動産のバリューにあらわして、取引をしました。ただ、この場合は解散価値だったのでそれでよかったのかもしれませんが、果たしてゴーイングコンサーンバリューを計算するときにそれでいいのかどうかということは私もちょっと自信がありませんが、そういうことがあったということだけご参考までに発言させていただきます。

○安藤会長

ありがとうございました。廣瀬委員、どうぞ。

○廣瀬委員

ありがとうございます。今回のように、大変、経済が激動する中ではありますけれども、産業と雇用の構造的な変化、あるいは、会計基準の歴史的な変遷、そういうものをお示しいただく中で、経営的な視点から会計基準のあり方について議論させていただく機会を与えられたということは、私は非常に意義があることだと思います。一度やはり、こういう議論はしておかなければならないと。それにしても内容が非常に豊富過ぎますので、今日の時点では個々の基準等について申し上げるのは控えさせていただきます。

ただ、全般的に申しまして、やはり、先ほどもお話がありましたように、海外で資金調達されている状況は、この10年間ほどを見ましても、ほとんどが金融機関で、証券会社を含めた金融機関、さらには商社、一部、メーカーがありますけれども、そういうものとは別に、今日の資料にもありますように、製造業というのが、やはり日本、あるいはアジアにとって大変大きなウエートを、なお占めているわけでございます。そういう面で、製造業の企業経営について、皆さんにぜひとも改めてご理解をいただいておきたいところがあります。

製造業の競争力の源泉というのは、改めまして申し上げるまでもなく、イノベーションと現場の創意工夫というところにあると私は考えております。そして、ゴーイングコンサーンを前提として、設備投資や研究開発費あるいは人材育成投資など、これは先行投資でございますが、こういう負担を抱えながら長期的な視点から事業経営を行っているというのが非常に大きな特色であります。また、現場では、働く従業員が当事者意識を十分に発揮いたしまして、現場の創意工夫に基づいて「すり合わせ技術」等によって高い競争力を確保してきたということであります。したがいまして、これからも日本の民間企業主体の技術革新に期待を寄せていただくことになると思いますが、国を挙げて世界の持続的発展に貢献していくことが日本企業の責務であり、また、繁栄の条件、存在意義であろうと思っております。

我が国の会計制度は、このような世界の持続的発展に貢献し得るイノベーション、あるいは改善を積極的にサポートしてきていただいたと思いますし、これからもそういうふうになっていただきたいと思います。また、各年度ごとの企業経営の成果を適切に表示し、投資家の皆さんのみならず、企業を取り巻く多くの利害関係者、労働組合の方々も含めてですが、それにも役立つ情報インフラとして発展させていくべきものと考えます。

また、最初に八田先生のほうから話がありました。保守主義、実現主義等、あるいは費用収益対応の原則等の中には、日本固有のものではないものもあるのかもしれませんが、こういうものが長期的な視点からの企業経営には非常に役立っているものでありますので、そういう意味で、ぜひ可能な範囲で入れていっていただければと思っています。

それから、2社の不幸な問題ある事態が発生しているわけですが、これに今の段階でコメントすることは、どういうスキームでこういう処理がなされたのかよくわかりませんので控えたいと思います。新会計基準が2000年から施行されて、それに基づいてきちっと処理しておけば問題なかったことであるにもかかわらず処理しなかったのか、あるいは、取締役の懈怠なのか、さらには、監査役あるいは監査法人も含めての問題なのか、わかりませんので、今の段階で私はコメントをさせていただきませんが、一方で、日本としての優れた会計基準の思想とかそういうものもあるわけですので、それはそれとして、堂々とASBJを通じてIASBと協議をぜひやっていただきたいと思っています。

最後に、これは10月24日に、FASBのサイドマン議長が、アメリカのナッシュビルで行ったスピーチの中で次のようなことを言っておられることを、ご承知の方もいらっしゃるかと思いますけれども、あえてご紹介いたします。3つのテーマについて述べております。詳細はコメントいたしませんが、スピーチ全体のトーンは、アメリカは、国際的な会計基準設定プロセスにおいて、今後一段と強力で明確、かつ効果的な発言権を持ち続けたいということをはっきり言っております。また、アメリカには、既にUS−GAAPという高品質な会計基準があるわけですが、これは1933年の証券法の制定以来、営々と築かれたものであって、所謂「国際会計基準」なるものはこのUS−GAAPの品質を維持または改善する、より高次のものでなければならない、それでなければ納得しませんよということを言っているような気がいたします。

3点目として、このようなアメリカのスタンスは、「アメリカの孤立主義ではないか」ということを言われるかもしれませんが、私はそうは思わないとも言っております。すなわち、US−GAAPというアメリカの自国基準の重要性を明確に力強く訴えているものと思います。

そういう意味で、IASBに対しても、従来にも増してASBJの積極的な発言、あるいは我々のこぞっての支援というものをしていくことによりまして、言うべきことはきちっと言っていただきたいというふうに思います。以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。それでは、もうお一人で今日は委員のご発言は終わりにさせて頂きます。佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員

佐藤です。何点かご意見を申し上げます。まず、初めにT項目のデータで1点だけ確認させてください。4ページの表7の我が国企業の資金調達構成の表ですが、例えば、2010年度の株式、債券を合わせた海外比率というのは、株式41、債券16ですが、平均すると20%です。おそらく借入金の調達を含めると、日本全体ではさらに比率が下がります。2000年以降、私の感覚では、海外からの資金調達は、特に製造業は減っているのではないかという感覚を持っているのですが、この海外のうち、米国とEUからどの程度それぞれ調達しているのか、できれば、銀行、商社、製造業ぐらいに分けて教えていただいたらもっとわかりやすいのではないかと思います。これは次回で結構でございます。

U項目に関する意見ですが、まず、収益と費用の適切な把握の部分につきましては、先ほど栗田課長より当期純利益の影響につきご説明があったわけですが、企業経営という視点から見ますと、やはりIFRSの資産負債アプローチと日本基準の損益アプローチの思想の違いがおそらく大きな影響を与えるし、また、懸念事項にもなってくるのではないかと私は思っております。企業経営、とりわけ製造業の経営にとりましては非常にプライオリティが高いのは、まずはフローの業績をあらわす損益アプローチであります。釈迦に説法ですが、売上高、営業利益、当期純利益、こういった項目はきわめて重要な指標でありますし、また、これらは企業経営の目標になります。それから、関連会社を含む各従業員の日々の活動目標にもなりますし、更には合理化、改善目標にもなります。また、組合にとりましては、雇用問題とか賃金交渉とか、こういう点からも重要な指標になるわけです。投資家アナリストにとっても、おそらく一義的には損益を重視していると私は思っております。

そういうことですから、企業経営にとっては、まず、フローの業績をいかに上げるかというのが最優先課題でありまして、これをまず達成することにより経営基盤の強化や事業競争力の強化につながっていくと私は考えております。そのためには、コストの形成と、それに基づく製品の価格形成という点が非常に重要な要素であります。また、設備投資を行ったときの投下資金の回収という視点も非常に重要であります。IFRSは、このような企業経営の重要な要素に影響を与える思想や基準が含まれていると私は思っています。

例えば、先ほどからご説明がありますように、当期純利益の不明確な定義に加えまして、営業利益というコンセプトがありません。それから、適切なコスト形成に支障を来すような、例えば、退職給付会計の数理計算上の差異や引当金の処理の問題、有形固定資産の減価償却方法選択、固定資産の公正価値評価の選択適用等、多岐に亘る問題を内包しています。このような影響を経営上どのように回避していくのかということが大きな課題になってくるのではないかと思っております。これが第1点です。

それから、第2点目の公正価値会計のところですが、金融商品に関しましては、ISBとFASBの議論を外観しますと、OCIの取り扱いも含めまして、思想なきルールづくりという印象が強くて、かつ、いまだ両者の溝が埋まっていないという状況だと思います。先ほど栗田課長からご説明がありましたけれども、IFRSの場合は、IFRS第9号で株式の評価差額をその他包括利益に計上した場合はリサイクリングは認めない、さもなければ当期純利益に計上せよというルールです。これは日本の実情を考慮したとは言え、思想的には不可解であります。

一方、米国のほうも、株式の全面公正価値評価、それと評価差額の即時認識ということを提案しておりますが、この背景も不可解であります。ただ、米国の場合は、金融負債のところで、本日のご説明よりも少し進んだ検討がなされているのではないかと思います。9月7日に発信されたFASBの資料を見ますと、原則は原価、一定の限定的な条件で公正価値と。例えば、負債の売買取引は公正価値で評価するという限定的な方向に修正しようという動きがございます。それから、転換社債の評価等についても見直しが図られているということで、アメリカは徐々にではありますが、リーズナブルな方向に修正されてきているのではないかという印象を持っております。

ただ、いずれにしましても、現行の日本基準に比べまして公正価値評価が拡大されますので、当面考えられる日本での懸念事項としては、財務制限条項、コベナンツへの影響が出てくるのではないかと見ております。

日本の場合は、純資産とか経常利益とか営業利益を多用しているケースが多いと思いますが、契約面での影響を含めて、検討する余地があるのではないかと思っています。

それから、3点目が先ほどから話が出ております保守主義の問題です。この思想は、企業の健全な発展にとってきわめて重要だと私は思います。IFRSでは、この考え方が大きく後退しています。ご承知だと思いますが、昨年の暮れ、英国の貴族院の特別経済委員会でのヒアリング記録を見ましても、また、フランスで昨年開催された会計研究シンポジウム、200人ぐらい専門家が集まったようですが、そのシンポジウムの中でも、「プルーデンス」という表現、おそらく保守的な思想に近い考え方だと思いますが、その必要性の議論が既にヨーロッパでなされているということで、IFRSの概念フレームワークに新たに組み込んでいただくというような重要なアイテムではないかと私は思っています。

最後に確定決算主義ですが、これも先ほどから話が出ていますが、日本の税制は、言わずもがなですが、戦後のシャウプ税制以降、長い歴史がございます。その中で確定決算主義、損金経理要件の考え方というのは、社会経済に深くビルトインされておりまして、日本の社会の発展に貢献してきたと私は思っております。

もう1つは、税の効用といいますか、とりわけ税務調査等によって、企業のガバナンスへの影響とか、経理人材の育成という視点からも見逃せない効用があるのではないかと私は思っております。

それから、これは既にご承知のとおりだと思いますが、ドイツは、税は国家主権にかかわる問題として、他国で作成された会計基準に依拠するわけにはいかないという思想が基本にあります。ドイツの場合は単体の会計基準は、ドイツGAAP強制ということですが、これは日本も参考にすべき考え方だろうと私は思っております。以上です。

○安藤会長

ありがとうございました。本日ご発言いただくのはここまでとさせていただきます。当審議会では、次回以降も引き続き、前々回の部会において、今後の議論、検討の進め方として提示させていただいた主要項目について委員の皆様から幅広いご意見を頂戴していきたいと思います。もちろん、本日の検討資料(3)についてご発言できなかった方も、ぜひ、次回ご発言いただきたいと思います。

ここで、当審議会で実施することを予定しております海外調査の概要について、事務局より簡単に説明をお願いします。

○栗田企業開示課長

お手元に「海外調査について」と書いた1枚の紙を置かせていただきました。これまで委員の方々にアンケートも行わせていただきまして、その結果も踏まえ、以下のとおりに海外調査を実施することにしたいと存じます。調査先は、欧州、北米、アジアの3つで、それぞれの時期はそこに書いてあるとおりでございます。今後、調査に行っていただける委員の方々と具体的な訪問先、それから、何をどう聞くかということについてご相談をさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

○安藤会長

最後に、次回以降の日程等につきまして事務局より説明してください。

○栗田企業開示課長

次回以降の日程につきましては改めて事務局よりご連絡を差し上げますので、よろしくお願いしたいと存じます。

○安藤会長

それでは、本日の合同会議を終了したいと思います。委員の皆様には審議にご協力いただきましてまことにありがとうございます。これにて閉会いたします。

○自見大臣

どうもありがとうございました。

以上

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総務企画局企業開示課(内線3672、3656)