企業会計審議会総会議事録

1.日時:平成26年10月28日(火曜日)17時00分~17時45分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 金融庁共用第一特別会議室

○安藤会長

全員おそろいでございますので、これより企業会計審議会総会を開催いたします。皆様にはご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

まず、会議の公開についてお諮りいたします。従来と同様、本日の総会も、企業会計審議会議事規則にのっとり、会議を公開することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤会長

ご異議ないということで、そのように取り扱わせていただきます。

本日は、越智大臣政務官にご出席いただいておりますので、ご挨拶いただきたいと思います。それでは、越智政務官、よろしくお願いいたします。

○越智大臣政務官

皆様、こんにちは。先月、内閣府大臣政務官を拝命いたしました越智隆雄でございます。本日は皆様、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。企業会計審議会総会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

金融・資本市場を健全に機能させる上では、企業の財務情報の透明性を確保し、投資家の信頼を得ることが不可欠でありまして、会計基準はそのための重要なインフラの一つであると認識しております。

この点に関連したグローバルな取り組みとしましては、皆様ご承知のとおり、2008年のG20首脳宣言において、会計における単一で高品質な国際基準を策定するという国際的な目標が合意されているところであります。こうした国際目標も踏まえ、本年6月に閣議決定されました「日本再興戦略改訂2014」におきまして、IFRSの任意適用企業の拡大促進に努めるとの施策が盛り込まれたところであり、金融庁としましても、引き続き任意適用の積み上げに努めていくことが重要であると考えております。

また、同時に、我が国としてあるべきIFRSについての主張や考え方を世界に対して効果的に発信し、それをIFRSに反映させていくという努力が今後一層重要になると考えております。IFRSをめぐる対外的な意見発信についてはこれまでも関係する方々がさまざまな努力をされてきたものと承知しておりますけれども、この企業会計審議会の場において、関係者の認識共有や連携確保を図っていくことができれば、我が国としての対応をもう一段強化することができるのではないかと考えております。本日はこうした諸課題に対応する上での当審議会の部会構成についてもご審議いただきたく存じます。

委員の皆様におかれましては、今後とも会計基準をめぐる諸課題につきまして、我が国として適切な対応を図るべくご審議を賜りますよう心からお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

○安藤会長

ありがとうございました。

議事に入ります前に、前回の総会、これは今年の2月18日、監査部会との合同会議でございましたけど、それ以降、委員の異動がございましたので、紹介させていただきます。

斉藤惇委員が任期満了に伴い、今年9月30日付で退任されておられます。

次に、事務局に一部、人事異動がございましたので、改めて紹介していただきます。

○油布企業開示課長

では、私からご紹介いたします。

まず、池田総務企画局長でございます。

○池田総務企画局長

池田でございます。よろしくお願いいたします。

○油布企業開示課長

寺田総務企画局審議官でございます。

○寺田審議官

よろしくお願いいたします。

○油布企業開示課長

松尾総務企画局企画課長でございます。

○松尾企画課長

よろしくお願いいたします。

○油布企業開示課長

白川参事官でございます。

○白川参事官

よろしくお願いいたします。

○油布企業開示課長

私は、2月から異動は特にございませんけれども、企業開示課長の油布でございます。

以上でございます。

○安藤会長

それでは、議事に入ります。

まず、事務局から、国際会計基準をめぐる最近の対応、及び、審議会の今後の運営について説明していただきたいと思います。それでは、お願いいたします。

○油布企業開示課長

それでは、議事の進行の都合もございますので、私からは資料1と、資料3をご説明申し上げたいと思います。

まず、資料1、横の資料でございますが、こちらに沿って順にご説明申し上げます。

表紙をおめくりいただきますと、1ページでございますが、これは大まかに昨年の当面の方針までの流れを改めて整理させていただいた資料でございます。

まず、一番上の欄にございますように、当審議会の議論の経緯でございますけれども、2009年の6月に中間報告が取りまとめられまして、任意適用を容認し、それから、強制適用の是非や時期については2012年末を目途に判断するということでございました。その後、2012年の7月に中間的論点整理が出ておりまして、IFRSの適用のあり方について、影響などを十分勘案しつつ、引き続き検討というようなことがここで報告されてございます。その後、13年の3月から、また当審議会に、議論を再開していただきまして、昨年の6月にいわゆる当面の方針を取りまとめいただいたという状況になってございます。

この当面の方針の基本的な考え方でございますが、真ん中の欄になりますけれども、大きく2点、プラス1点になっております。1点目といたしましては、IFRSは今後とも世界の関係者が参加して改善されていくべきものであるということで、IFRS策定への日本の発言権の主張をしっかり確保していくということが重要と。2点目といたしまして、IFRSの任意適用の積み上げを図ることが重要であると。この2点でございます。さらに、その下の丸のところにございますように、強制適用の是非等についてはいまだその判断をすべき状況にはないということが記載されてございます。

これを踏まえまして、具体的には最後の欄でございますが、当面の方針には3つの具体的なことが記載されてございます。任意適用の要件緩和、それから、IFRSのこのいわゆる修正国際基準の作成、これが2点目。3点目が、単体開示の簡素化をすることによる開示負担の軽減ということで、このあとはちょっと順不同でございますが、若干ご説明申し上げます。

2ページをごらんいただきますと、これがIFRSの任意適用要件の緩和でございます。当面の方針に記載がございまして、一番下の欄外に注3で書いておりますけれども、昨年の10月に制度改正をいたしております。上のほうの箱の中に文章で記載しておりますけれども、従来、任意適用できる企業の要件として合計3つ要件がございましたが、そのうち、上場企業であること、それから、国際的な財務活動・事業活動を行う企業であることという2要件を撤廃しております。

残る要件は体制整備でございますので、これは体制整備をしっかりやろうという企業はおそらく実現できる内容であるということでございまして、結論的には、このデータは25年3月末のデータなのですけれども、従来は右の赤い欄にございました621社が任意適用の資格を持っていたわけでございますが、この拡大の結果、実質上、左側にございますように、4,061社に拡大したということでございます。

もう一枚おめくりいただきまして、これが単体開示の簡素化でございます。これについても一番下の欄に赤でくくっておりますように、今年の3月26日に財務諸表等規則などの改正を施行してございます。いずれも当面の方針に記載のやり方で見直しをさせていただきました。

まず、一番上の丸でございますが、いわゆる本表につきましては、方針1とございますように、会社法の要求水準に統一するということをいたしております。そして、いろいろと考慮が特に必要な、この次の丸のところの注記、附属明細表、それから、主な資産及び負債の内容につきましては、方針2、3、4ということで3つの方針に分けて整理するようにというご指示をいただいておりましたので、それに従って対応をいたしております。

方針2というところでございますが、まず、金商法の連結情報で十分な情報が出ているものについては金商法の単体開示を免除するということでございますと。それから、方針3でございますけれども、連結で金商法上十分な情報が出ているわけではないと、そういう項目につきましては、会社法の計算書類と比較をいたしまして、開示水準が大きく異ならないというものについては会社法のほうに合わせるという対応をいたしております。

最後に方針4ですが、この条件のどれにも当てはまらない項目については、その有用性などを改めて検討いたしまして、従来どおりの対応が必要かどうかを検討いたしております。

次に、4ページをごらんいただきたいと思います。これ自体は当面の方針に記載はなかったものでございますけれども、昨年6月のいわゆる3本目の矢、成長戦略の第1弾のほうでございますが、この中で、下の3行をごらんいただきますと、証券取引所に対して新たなインデックスを設定するように要請がなされておりました。

もう一枚おめくりいただきますと、これは今の閣議決定の前日に出た自由民主党の委員会の提言でございますが、ここではもう少し具体的に記載がございまして、下から3行目ぐらいをごらんいただきますと、IFRSの導入という記載がございます。ここで、国際標準として評価される企業から構成される新たな株価指数を創設を検討するべきであるという提言がございまして、6ページ、もう一枚おめくりいただきますと、これがいわゆるJPX日経インデックス400という新たな指数でございまして、指数自体はもう今年の1月から実際に算出、公表が始まっております。

その中で、どの銘柄を400選ぶかということにつきましては、マル1マル2のほかにマル3で、定性的な要素、これを勘案して、こういう要素を満たす企業は加点すると。400銘柄に入れるかどうかを採用するに当たって、加点要素として考慮するということで、3つほどございますが、ここに「IFRSを採用していること」ということが基準として定まっております。

もう一枚おめくりいただきまして、7ページになります。先ほど、政務官ご挨拶の中にもございましたけれども、こちらはこの6月に改訂されました新たな成長戦略でございます。④IFRSの任意適用企業の拡大促進というのがちょうどこのページの真ん中にございますけれども、大きく3つ記載が具体的にございまして、1つ目のポツでございます。「2008年のG20首脳宣言を踏まえて」というところですが、IFRSの任意適用企業の拡大促進に努める。2つ目のポツにつきましては、実際、IFRSに移行した企業、あるいは、移行を公表した企業、そういったところに実態調査、ヒアリングを行いまして、IFRSへの移行を今検討しておられる企業の参考にしてもらおうと、そういう趣旨で、IFRS適用レポートを公表するということが書かれております。3点目は取引所に対する要請でございますが、会計基準の選択に関する考え方などについて説明を促すということであります。

それから、8ページになります。これは冒頭申し上げた修正国際基準の作成に係るところでございまして、このページと次のページにつきましては後ほど、今日お越しになっていただいておりますASBJの小野委員長から詳しいご説明がございますので、ここでは概要をご説明させていただきます。

まず、修正国際基準の公開草案の公表ということでございますが、1.経緯のところにございますように、当面の方針の中で、我が国がIASBに対して意見発信を行っていく上で、日本が考えるあるべきIFRSを国際的に示すことは有用という記述がございました。これを踏まえまして、昨年の7月から、ASBJで具体的な審議を開始されまして、今年の7月に公開草案を議決し、パブコメに今かけておられるところです。10月31日が期限と伺っております。内容については別途詳しくご説明がございますが、下にありますように、のれんの償却、それから、その他の包括利益リサイクリング、この2点が修正項目であるということであります。

9ページでございますが、こちらも小野委員長から別途ご説明がございますけれども、ASBJのほうで能動的に、かつ、積極的に意見発信の取り組みを強化しておられます。その一端をご紹介させていただいております。

1点目はアジェンダ・ペーパーと書いてございますが、これは純損益、その他の包括利益などにつきまして、ASBJのほうで、論文と申し上げていいのかどうかちょっとわかりませんけれども、アジェンダ・ペーパー、非常に詳細なものを作成されまして、それを会計基準アドバイザリー・フォーラムに提出、プレゼンされまして、日本の主張を強化してきておられるということでございます。

その下のチェックマークがございますが、さらにそこで出た意見、議論を踏まえた上で、この5月には補足となるようなこの「OCIは不要か?」という、ショート・ペーパーも提出、公表されているということです。

それから、2ポツのところにございますのはのれんの償却の問題でございます。これは欧州の会計基準設定主体でございますEFRAG、それから、イタリアの設定主体と連名でいわば共同するような形でのれんの償却に関するディスカッション・ペーパーをまとめて、今これを公表しておられるということでございます。

10ページ以下は参考資料でございますが、特に10ページをご説明申し上げますと、これは今積み上げを図っております任意適用の企業数、それから、その時価総額についてのグラフでございます。社数が棒グラフの赤いほうになっておりまして、当面の方針が出ましたのが6月19日でございます。ですから、その時点で20社でございまして、時価総額が29兆円だったわけですが、これが足元、上場企業だけで申し上げますと46社、このほか非上場企業が2つありますので、全体では48ということになりますが、46社になっております。

時価総額は63兆円に達しておりますので、右側にメキシコやマレーシアとの比較もつけております。右のボックスにございますように、時価総額ベースでいうと63兆円というのは日本の全ての上場企業の13.22%に相当するという状況になっております。

そのほか、11ページは具体的な企業名、12ページは皆様ご案内のように、これはIFRS財団が策定しているものでございますが、適用の状況やIFRS財団の組織について、13ページにつけてございます。

それで、今度、縦の紙の資料になりますが、資料3をあわせて一括してご説明申し上げたいと思います。

企業会計審議会の会計部会の設置の案というタイトルをつけさせていただいております。1行目にございますように、この審議会に会計部会を設置すると、同部会においては以下の事項を審議することとするということで、丸がございます。「国際会計基準の任意適用の拡大促進を図るとともに、あるべき国際会計基準の内容について我が国としての意見発信を強化するため、会計を巡る事項について必要な審議・検討を行う」ということでございます。注にございますように、会計部会の設置に伴いまして、企画調整部会は廃止することとするというのが提案の内容でございます。

この提案を踏まえますと、次のページに総会の下に3つの部会があると。会計部会、監査部会、内部統制部会、こういう形になるわけでございます。

若干補足させていただきますと、昨年、当面の方針をおまとめいただいてから以降、会計基準をめぐる問題につきましては企業会計審議会はご議論をちょっとお休みさせていただいておりまして、1年4カ月ほど経過したわけでございますが、この資料3の丸のところにございますように、こういった趣旨から、会計をめぐる事項についてやはり必要な審議・検討を行う場として会計部会を設置いただくということでございます。

企画調整部会のほうでございますが、もともと名前が企画調整部会ということでございまして、本来、平成12年に企画調整部会ができましたときには、審議会としての全体の、例えばどの部会にどういうことをお願いするかというような企画調整機能を担うための部会ということでございました。

ただ、その後、実際にはEUの同等性評価ですとか、当面の方針の取りまとめということで、会計をめぐることをご議論いただくことが多かったわけでございますが、こちらについては、昨年の5月の当面の方針を取りまとめいただいて一区切りを迎えたということで、この企画調整機能そのものは今後は総会で、この場でご議論いただくという形にして、かわりに会計部会という形で設置をしてはどうかという、そういう趣旨でございます。

私からのご説明は、とりあえず一通り、以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

次に、事務局からの概要の説明がありましたが、ASBJによる最近の取り組みにつきまして、本日、参考人としてご出席いただいておりますASBJの小野委員長からご説明をお願いいたします。

○小野参考人

企業会計基準委員会の委員長の小野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

資料2をごらんいただけますでしょうか。ASBJにおける国際会計基準をめぐる最近の対応として、修正国際基準(JMIS)の公開草案の公表と国際的な意見発信につきましてご説明をさせていただきます。

スライドの2ページをお開けいただけますでしょうか。先ほど、油布課長からご説明がありましたとおり、昨年の6月の当面の方針を受けまして、昨年の7月より、ASBJにIFRSのエンドースメントに関する作業部会を設置して、IFRSのエンドースメント手続を開始いたしました。

約1年で17回、作業部会を開催し、この7月31日に公開草案を公表いたしました。名称につきましては「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」、英文ではJapan’s Modified International Standards (JMIS): Accounting Standards Comprising IFRSs and the ASBJ Modificationsといたしました。略称としましては、修正国際基準、または、JMISと呼ぶことになると思います。

このエンドースメント手続は、スライドの3ページに記載しておりますとおり、IASBにより公表されました会計基準及び解釈指針について、我が国で受け入れ可能か否かを判断したうえで、必要に応じて、一部の会計基準等について「削除又は修正」して採択する仕組みであります。

エンドースメント手続の意義ですが、ASBJは今までIASBに対して意見発信を行ってきておりますが、エンドースメント手続を実施し、IASBにおける審議の段階から、我が国において受け入れ可能かという観点で意見発信を行うことにより、IASBに対して我が国として受け入れ可能な会計基準の開発を促すことが可能となり、意見発信力を強化できると考えております。今回の作業では、既存のIASBの定めた会計基準の全てを評価し、それらに対する我が国のポジションを国際的に明確に示すことになったと考えております。

具体的なエンドースメント手続の手順につきましてはスライドの4ページに記載のとおりで、「削除又は修正」の要否を、会計基準に係る基本的な考え方、実務上の困難さ、周辺制度との関連の観点から検討を行いました。

また、公開草案では「削除又は修正」を必要最小限とすることも提案をしております。これはIFRSは我が国も参加して開発される会計基準であることと、あまり多くの「削除又は修正」を行いますと、市場関係者に修正国際基準がIFRSから派生したものとして受けとめられない可能性があることなどが理由であります。

作業部会では、スライドの5ページにありますように、2012年12月31日現在の全てのIFRS、すなわち、国際財務報告基準、国際会計基準、IFRIC解釈指針、SIC解釈指針ですが、これらを対象に検討を行い、IFRSの個々の基準と日本基準を比較することにより、スライドの6ページにあります30個の論点を抽出いたしました。

スライドの7ページをごらんいただけますでしょうか。抽出されました30個の論点を詳細に検討しました結果、スライドにありますとおり、会計基準に係る基本的な考え方に重要な差異があるものとしては、のれんの非償却とOCIのノンリサイクリングについて、「削除又は修正」を提案することといたしました。

ここで我が国における会計基準に係る基本的な考え方とは、企業の総合的な業績指標としての当期純利益を保つことなどが含まれるとしております。公正価値測定の範囲と開発費の資産計上についても、会計基準に係る基本的な考え方に差異がある旨の意見が作業部会で聞かれましたが、最終的に「削除又は修正」を必要最小限とする観点から、「削除又は修正」を行わないことを提案しております。

また、実務上の困難さがあるものについては、スライドの7ページに記載の3つの分類に分けて検討を行いましたが、最終的には「削除又は修正」を行わないことを提案をしております。

のれんの非償却とOCIのリサイクリングについての「削除又は修正」の内容はスライドの8ページに記載のとおりであります。ご案内のとおり、IFRSではのれんは非償却とされ、減損のみを行うこととされております。JMISでは、のれんを日本基準と同様に、20年を超えない耐用年数で規則的に償却するというように「削除又は修正」することを提案しております。

また、現在のIFRSではOCIについてリサイクリングをする項目とノンリサイクリングとする項目が混在しておりますが、JMISではノンリサイクリングとされている3項目に対しまして、それぞれ関連するOCIをリサイクリングするように「削除又は修正」をする提案をしております。

JMISの適用時期につきましては、スライドの9ページにありますように、JMISが制度化される段階で定められる見込みでありまして、公開草案では記載をしておりません。

次に、ASBJの最近の意見発信に関する取り組みをご説明いたします。スライドの10ページをお開けいただけますでしょうか。昨年4月より、IASBの諮問機関として、会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)が開始され、それ以来、ASBJの意見発信はこのASAFを中心に行ってきております。

意見発信を行うに当たっては、ASAFの会議の前に、ASBJのASAF対応専門委員会と親委員会、それに加えて、IFRS対応方針協議会で意見発信する内容の検討を行っております。

ASAFは会計基準設定に係る世界の主要メンバーが一堂に会する場でございまして、ASBJの意見発信力はこのASAFを利用することにより、以前よりも高まっているものと考えております。

また、ASAFが開始されたこともございまして、各国間の連携も世界的に活発になっておりまして、我々も従来から定期協議を続けておりますFASBに加えて、最近ではEFRAGとの協議も始め、関係を強化しているところであります。

個別の事項といたしまして、まず、スライドの11ページに当期純利益、IFRSでは純損益と呼びますが、この純損益に関する意見発信の状況を記載しております。IASBは現在、概念フレームワークの見直しを行っており、この純損益の問題を大きな論点として取り上げております。

三、四年前までは純損益を廃止する提案をIASBは行っておりましたが、今はそのスタンスを変化させ、スライドの11ページにありますように、純損益は企業の業績に関する主要な情報源の一つとして、必ず維持すると言っております。

ただ、その一方で、IASBは純損益の定義は難しいというスタンスをとっておりまして、今後公表される概念フレームワークの見直しの公開草案に、純損益の定義はなされない方向であります。純損益が定義されない場合、将来的に現在の純損益が変質しかねないことを我々は懸念しているところであります。

このため、ASBJは、スライドの12ページにありますように、昨年の12月のASAFにおきまして、純損益の定義を提案し、また、全てのOCIはリサイクリングすべきというアジェンダ・ペーパーを提出いたしまして、それに基づいてASAFでは議論が行われました。

ASBJが提案しました純損益の定義につきましては賛否両論聞かれておりますが、いまだに純損益の定義に関する他の提案は世界のどこからも出てきておらず、ASBJがチャレンジしていることについては一定の評価を受けているものと考えております。

その後も、ASBJはショート・ペーパー・シリーズを立ち上げて、純損益に関する国際的な意見発信を続けております。来年の第1四半期には概念フレームワークの見直しの公開草案が公表される予定でございまして、さらに意見発信を強化していく予定であります。

続きまして、のれんの会計処理です。スライドの13ページをお開けいただけますでしょうか。現在、IASBはIFRS第3号「企業結合」の適用後レビューを実施をしておりまして、のれんの会計処理の問題が一つの大きな論点になっております。

また、スライドの14ページにありますように、米国のFASBにおいてものれんの会計処理が議論されております。非公開会社に対して、のれんの10年償却のオプションを加えることを既に決定しておりまして、現在、公開会社ののれんの会計処理について議論が行われているところであります。

ASBJではこの機をとらえまして、スライドの15ページにありますように、この7月にEFRAGとイタリアの会計基準設定主体と共同で、「のれんはなお償却しなくてよいか」と題しますディスカッション・ペーパーを公表しております。その中で、主要な提案の一つとして、のれんについて、償却及び減損アプローチの再導入を掲げております。IFRSに関する欧州の意見発信力は強いため、共同でこのディスカッション・ペーパーを公表できたことは意義深いものと考えているところであります。

先月行われましたASAFにおきまして、このディスカッション・ペーパーのプレゼンを行い、のれんの償却について議論がなされました。ディスカッション・ペーパーのフィードバックの対応についても引き続き共同で進めていくことを考えておりまして、のれんについても引き続き意見発信を強化していく予定であります。

以上で説明を終わります。

○安藤会長

ありがとうございました。

ただいまの事務局及びASBJの説明につきまして、皆様からのご意見、ご質問をちょうだいしたいと思います。時間はとってございますので、ご遠慮なさらずに、どうぞ。挙手をお願いいたします。特に事務局、それから、ASBJ、説明を分けませんので、どちらに質問されても結構でございます。永井委員、お願いいたします。

○永井委員

すみません、確認なのですけれども、よろしいでしょうか。

○安藤会長

はい、どうぞ。

○永井委員

今日の資料1ですが、この1ページ目の昨年の当面の方針の基本的考え方に関しまして質問いたします。

金融庁さんの全体的なスタンスとスケジュールに関する質問なのですが、この真ん中の囲みの3点目、「IFRSの強制適用の是非等については、未だその判断をすべき状況にない(当面、判断見送り)」、このスタンスは維持されているのかというのが1点目です。2点目は、任意適用の積み上げを図ることが重要、また、我が国の発信力を強化する、こういった方針については現状維持であるのかということです。あと、新しく立ち上げられた会計部会のスケジュール、もしございましたら、お伺いしたいということで、以上、3点です。

○安藤会長

では、事務局からお願いできますか。

○油布企業開示課長

まず、1点目のご質問でございますけれども、「強制適用の是非等については、未だその判断をすべき状況にない」、この当面の方針どおりで、現時点でもそう考えてございます。

2点目のご質問も同じでして、IFRSの任意適用の積み上げを図る、それから、対外的に意見発信を強化していくというのが当面の方針でお示しいただいた方針でございまして、それにのっとって金融庁としても対応してきたところでございますし、引き続き現時点でもそういうスタンスでいるということでございます。

それから、この新たに部会を設置いただいた場合のスケジュールについては、新たな部会長ともご相談しながら決めていくということではないかと思いますけれども、開催頻度については、当面の方針をまとめるときには大変集中的にご議論いただいたというふうに承知しておりますけれども、そのような集中ペースではないだろうという気はしてございます。

○安藤会長

後者のほうはまだ皆さん方のご承認をいただいていないわけですから、会計部会のスケジュールについてはいかがかと思いますが。よろしいでしょうか。

○永井委員

はい。

○安藤会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。泉本委員、お願いします。

○泉本委員

新たにできる会計部会ですが、先ほどいろいろお話を伺った中で、1つはASBJが意見発信をASAFへされていますが、この今度の会計部会の目的のところに、「あるべき国際会計基準の内容について、我が国としての意見発信を強化するため」とあります。このASBJでの意見発信と今度できるとした場合の会計部会の目的の位置づけがよくわからないので、ご説明をお願いします。

○安藤会長

とりあえず、事務局からお願いします。

○油布企業開示課長

これは現実に今、IASBに対する一番の主張の場としてはASAFでございまして、そこに出ておられるのがASBJということでございます。

ただ、ASBJでASAFの場でどういう主張をしてこようかということにつきましては、現時点でもいろいろコンセンサスづくりはやった上で臨んでおられるわけですけれども、この企業会計審議会の場も利用しまして、むしろ、一番主体となるべき場所は企業会計審議会かと思いますけれども、こちらのほうで日本としての考え方のコンセンサスづくり、ないし、コンセンサスまで至らないようなものがもしあれば、認識の共有といったことをこの場を使ってやっていただくということで、ASBJの具体的な主張つまり、ASAFの場における主張ということになろうかと思いますが、そういったものをサポートしていくような形がとれればということでございます。

○安藤会長

よろしいですか。

○泉本委員

はい。ありがとうございます。

○安藤会長

ほかにいかがでしょうか。岡田委員、お願いします。

○岡田委員

今のご質問に関連して、この部会のメンバーにASBJの方も入っていただいて議論するほうがいいのではないのかなと思いますがいかがでしょうか。

また、当部会の設置目的である国際会計基準の任意適用の拡大促進を図るとの点について、昨年の当面の方針で既にやれることはやったのではないかと思いますが、他に具体的なアイデアがあるのであれば、ご披露いただけますでしょうか。

○安藤会長

それでは、事務局から、よろしいですか。初めのほうは会計部会の設置をまだお諮りしてないので、設置が決まった場合の委員の構成ですね。

○岡田委員

ご了解のとおりで結構です。

○安藤会長

条件つきのご質問ということで。

○油布企業開示課長

今、安藤会長からお話がございましたけれども、そういうご指摘があったということも踏まえて、会長とご相談させていただきます。いずれにせよ、まず、物理的にはASBJの方は当然、この場に何らかの形でいていただいたほうがよかろうというふうに私も思いますけれども、いずれにせよ、そこは部会の設置が決まった後にいろいろとまたご相談させていただくのかなと思います。

国内の任意適用の積み上げ、拡大促進については、確かに去年の当面の方針でいろいろなご提案もいただきまして、それを実現してきているということでございます。ただ、加えまして、今年の成長戦略の改訂版でも新たにIFRS任意適用レポートの取りまとめというような提言もなされておりますので、そういった内容についてもご報告したりして、私どものほうで進捗をご報告しながら、追加のサジェスチョンやご示唆、ご指示があれば承りたいと、そういうふうな運営の仕方を考えております。

○安藤会長

よろしいでしょうか。

○岡田委員

了解しました。

○安藤会長

ほかにいかがでしょうか。ご発言はよろしいでしょうか。

それでは、会計部会の設置についてお諮りしたいと存じます。企業会計審議会議事規則において、会長が必要と認めたときは、審議会に諮って、部会を置くことができると規定されております。これに基づいて、企画調整部会を廃止し、新たに会計部会を設置することについて、ご承認をいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤会長

ご出席の委員に、特にご反対はないということのようでございますので、ご承認いただいたということで、そのように決定させていただきます。ありがとうございました。

そうなりますと、次でございますが、次に、会計部会長の指名を行う必要がございます。企業会計審議会令では、部会長は会長が指名することとされております。これにより、会計部会長については私、安藤が務めるということにさせていただきたいと思います。実は企画調整部会の部会長も会長が務めている。これは、歴代そうなっているんです。その延長でということでございます。

また、会計部会のメンバーにつきましては、企業会計審議会令において、会長が指名することとされておりますので、事務局と相談の上、後日決定させていただきたいと思います。

ということで、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議事はこの辺で終了させていただきたいと思います。本日はお忙しいところご参集いただきまして、ありがとうございました。これにて散会いたします。政務官にはおかれましてはどうもありがとうございました。

以上

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総務企画局企業開示課(内線3672、3656)

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