平成15年11月21日
金融庁

金融機関の自己資本充実に関する税制研究会(第1回)の議事要旨について

金融機関の自己資本充実に関する税制研究会(第1回)(平成15年10月16日開催)の議事要旨は、別紙のとおり。

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金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課総合政策室(内線3182、3716)


別紙)

金融機関の自己資本充実に関する税制研究会(平成15年第1回)議事要旨

1. 日時:

平成15年10月16日(木) 13時30分~15時00分

2. 場所:

中央合同庁舎4号館金融庁特別会議室

3. 議事要旨:

まず、金融庁総務企画局長より挨拶。事務局より平成16年度税制改正において要望している、金融機関の自己資本充実に関する税制について説明を行った後、自由討議が行われた。

自由討議の概要については、以下の通り。

  • 還付金の還付方法について、複数年かけて還付するとした場合、利息を付すこととすべきかどうか。仮に利息がつかない場合、ディスカウントされることになるのか。また、そうした場合の還付金の資産性についてはどのような取り扱いがされるのかが、論点となるのではないか。

  • 繰戻還付が行われる場合、還付金の支払が将来に繰り延べられる場合であっても、繰延税金資産よりも資産性は高いのではないか。過去に、欠損法人の場合は利子の源泉税を還付せず、繰越して数年後に税額控除する制度があったが、その場合の源泉税は資産計上されていた。

  • マーケットからみると、今まで回収可能性にある程度問題があった繰延税金資産が、たとえ金利は付かなくとも証券として確実に回収されるという確証が得られることについては、意義があるのではないか。

  • 税の還付については、会計上利息のディスカウントを勘案しないのが通常。こうしたことから、繰延税金資産についても、利息に応じた割引を勘案せず、資産として計上されている。

  • 還付金の支払については、16年前の税額であったとしても、利息はつかないとするのが素直ではないか。また、還付を受ける権利については、譲渡制限を課すこととすべきではないか。

  • 繰戻期間は長くても短くても、また、譲渡制限が課されたとしても、金融技術が発達している今般では、制約を乗り越えるような商品が出てくるのではないか。そうであれば、マーケットインパクトを小さくし、譲渡可能な形にして、金融機関にとって使い勝手が良いように設計するほうが良いのではないか。

  • 将来受ける税金の還付金を現在価値に割り引くという考えはないので、利子をつけなくとも、年数分の資産価値を認めることができるのではないか。ただし、これは国に対する将来債権という前提であり、国債のような債券を渡すとなると時価を考えることになり、これには割引の考え方が入ってくる。

  • 繰戻しと繰越しは、本来経済学的には実質的に同じという点をもっと主張すべきではないか。繰戻しの場合は、国からキャッシュが出て行くので、税務当局の執行上厳格に行われるという違いがあるのみである。仮に繰越し期間が20年ないし30年、若しくは無限とされた場合においては、繰戻還付金と繰越欠損金による繰延税金資産の資産性は殆ど変わらないのではないか。

  • 繰戻しと繰越しは長期的にみると経済的には同じ話なのかもしれないが、繰越欠損金が多額にのぼる場合、将来減算一時差異が解消できるかどうかが将来の課税所得の発生に依存してわからないのに比して、繰戻還付であれば、利益がゼロでも減算時に税務上の欠損金が発生するため確実に税金が戻ってくることになるので資産性、確実性において差異があるのではないか。

  • 繰越欠損金であっても、国が保証する、若しくは何年か後に確実に返すこととするのであれば、繰延税金資産よりも資産性・確実性は高まるのではないか。

  • 欠損金とは、国にとって言わばマイナスの税収であり、過去に繰戻すことによって支払われる還付金額をもって税収減とする考え方は正しくない。繰戻還付は、将来の繰越控除の振り替わりであるから、還付により繰越欠損金が消滅することによる将来的な税収増加(税収減少の減少)との差額部分が実質的な税収減である。したがって、税収減は、還付により、将来増収となる部分を差し引いて考えるべきである。

  • 欠損金の繰戻還付と繰越控除を比較すると、繰越控除の場合は、納税者の倒産等に伴う欠損金を使用できなくなるリスクが、納税者側に存在するという点で異なるのではないか。欠損金の繰越期間が無期限とされている国においても、繰越欠損金は繰延税金資産として計上されているのが通常ではないか。

  • 繰延税金資産とは、ある意味、「利益が上がる」という条件付きの資産と言えるのではないか。条件付の資産を資産計上するとした場合、銀行に対し「利益を上げる」インセンティブを付与するような方法を考えるべきではないか。

  • 繰戻還付金の支払を延払いにした場合、納税者の倒産や組織変更により欠損金が引き継がれなくなるといった問題があるのではないか。株主や債権者にとっての確実性が担保されない限り、資産性が確保されたとは言えない。

  • 繰戻還付は、金融機関の自己資本充実に資することを目的として行うのであれば、国としては最大限資産性のあるものを付与することに留め、キャッシュフローまでは面倒を見る必要はないのではないか。

  • 繰越欠損金の資産性は、破綻の形態によっても違うのではないか。納税者がゴーイングコンサーンで残っている場合は引き継がれるが、清算されるような場合は価値がゼロとなってしまう。

  • 還付を受ける権利については、譲渡制限を付すこととしつつ、破綻などの場合には、譲渡制限が解除されるといった構成、即ち解除条件付譲渡制限という性格にすべきではないか。

  • 還付金は株主のものだという考えに立てば、破綻した場合の破産配当については、株主に行くというのが当然ではないか。

  • 任意の売買と合併のような人格承継が両極端としてあり、その中間に営業譲渡や会社分割がある。会社分割は、一部分は人格承継的な面もあるが、全部がそうではない。これらの場合における欠損金の引き継ぎに係る取扱いをどうするかは難しい問題である。

  • 還付金に係る資産について、その流動性を高めるために、流通市場があることが理想的であるが、そこまで行うことについては理解が得られるかという議論がある。ただし、何らかの停止条件、譲渡制限をつけた上で、破綻時等について譲渡を可能とすることは可能ではないか。

  • 銀行の繰延税金資産のみを、一般事業者と区別して還付すべきとする場合、政策目的を明確に説明する必要がある。金融再生プログラムにおいては、この3年間で集中的に不良債権処理を行うこととされており、不良債権処理の促進に対し、インセンティブを与えるといった観点から、欠損金の取り扱いの特例を行うといった説明ができないか。

  • 16年の繰戻期間を短縮すると、近年の銀行の納税状況からすれば、効果は限定的ではないか。

  • 国債の商品性として、償還時に一括して償還、一定期間、例えば財政事情を考えて5年間は据え置いて、その後はコーラブルにするといった考えもありうるのではないか。

  • 債券は、譲渡制限を付すれば満期保有目的という分類になり、基本的に決算上は金利と時価の変動を受けないものになる。一方、譲渡自由とすると、その他有価証券として分類されることが出てくるため決算上時価変動の影響を受けやすくなる。

  • (譲渡制限を付けると金融商品と言えるのか疑問ながら)、還付代替の国債が時価変動するのは銀行にとっては厳しいのではないか。これだけの国債で納税できると思っていたのが、納税時点で時価が下落して足りなくなれば大変である。

  • 国のキャッシュフローに極力影響を与えないことを念頭におく場合、還付金の支払を将来の納税と相殺するといった方法が考えられるのではないか。納税額とリンクさせた場合、早く収益を上げさせるインセンティブに繋がると考えられる。

以上

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