金融審議会金融分科会第一部会(第43回)議事録

日時:平成18年9月6日(水)15時00分~16時30分

場所:中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

○神田部会長

それでは、予定の時間がまいりましたし、また、本日ご出席のご予定の皆様方おそろいということでございますので始めさせて頂きます。

○三井市場課長

それでは、第一部会の開催に先立ちまして、お手元の資料をご確認頂ければと思います。

総会から引き続いておりますので、封筒の中に一部会の資料、大量に入ってございます。資料1というのが金融商品取引法でございます。それから資料2、これが市場仲介者等に関する懇談会という資料、それから資料3が、行政処分の状況、資料4、これが利用者の相談事例、それからそれに別冊がついておるということでございます。ご確認頂ければありがたいと存じます。

それから、本日もマイクの性能悪うございまして、ご発言の際におきましてはマイクに近づいてお話し頂ければ幸いでございます。

○神田部会長

それでは、ただいまから金融審議会金融分科会第一部会の第43回目になりますけれども、その会合を開催させて頂きます。

皆様方には、ご多忙のところをお集まり頂きまして大変ありがとうございます。第一部会はいつものとおりでございますが、議事は引き続き公開とさせて頂きます。報道機関の方々などのために後ろの方の席を確保しております。

なお、メンバーの数も相当多いために、椅子も窮屈な椅子で大変恐縮ですけれども、その点、お許しを頂ければと思います。

議事に入ります前に、専門委員の方の異動について私の方から簡単にご報告をさせて頂きます。

まず、これまでの住友生命保険からの花岡浩二委員にかわりまして、日本生命保険から新居尊夫委員がご就任されました。よろしくお願いいたします。

それから、また、あいおい損害保険から鈴木久仁委員にご出席頂いておりましたけれども、今回交代で東京海上日同火災保険から玉井孝明委員にご出席頂くことになりました。よろしくお願いいたします。

本日の予定ですが、まず事務局説明といたしまして、さきの国会で成立いたしました金融商品取引法制についてご報告を頂きます。次に、「証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会」の論点整理の概要、そして、最近における証券会社等に対する行政処分の状況及び最近の利用者からの相談・苦情の状況についてご報告をして頂きます。全部ご報告をして頂いた後で質疑、ご意見などをまとめて自由討議としてお願いするという形で進めさせて頂きたいと思います。

それでは、三井課長、よろしくお願いします。

○三井市場課長

前回第一部会、昨年の12月に開かれた以降、この今年の7月に金融庁の側で人事異動がございました。時間の関係もございまして、その座席表をもってその紹介にかえさせて頂きます。大変恐縮でございますが、何とぞよろしくご承知のことをお願いいたします。

内容に直ちに入らさせて頂きます。資料1、金融商品取引法の資料をご覧頂きたいと存じます。

昨年の12月の金融審議会では、投資サービス法ということで法案作成の考え方を整理して頂いております。その中で、いわゆる投資サービス規制というところに加えまして、それ以外に取引所制度の見直し、それから開示制度の見直しなど、多岐にわたる論点が整理してございます。法律では、それを大きく分けて2本の法律、証券取引法の一部を改正する法律案と、もう一つは整備法の2つに整理いたしまして、その中で4つのパーツのことを記載しております。本体でありますこの左側の証券取引法の一部を改正する法律案の中に、いわゆる投資サービス規制という横断化、柔軟化を旨とする部分、それから取引所の改革の部分、それから罰則・課徴金の強化の部分、それから開示制度の見直しの部分が入っております。それと同じ本体法の中に6条以下でございますけれども、銀行法、保険業法などの各業法の改正を盛り込んでおります。これは、その投資サービス法の金融審議会第一部会の報告の中にありましたように、経済的には同種の金融商品について同じような行為規制をかけることが必要であると、こういう考え方に基づきまして、いかなる法形式でこの内容を実現するかということを事務的に法制面から検討させて頂きました。

その金融商品取引法に銀行法などもすべてを取り込むということは、金融審議会の中でもそれぞれの業法、65条があったり他業禁止があったり、必ずしも適切ではないとされる中で、具体的な規制の仕方でございますが、最終的には銀行法あるいは保険業法の中に販売・勧誘、投資性のある銀行や保険商品の販売・勧誘の規制については金融商品取引法の規定を準用する、あるいはそれと同じ内容の規定を書き下ろすという形で、同じ内容の行為規制がかかるようにそれぞれの銀行法などの法律の中にそれを盛り込むというふうな法形式をとらせて頂きました。

これは、例えば銀行預金でありますと、投資性のある金融商品を売る場合であったとしても預金には違いありませんので、銀行免許を受けたところが投資性はあるけれども、預金という名前の商品を売ると、こういう法制的な枠組みの中で販売・勧誘ルールの横串を実現するために最も法制的に整合的な仕組みと、こういうふうに考えた次第であります。ということでございまして、それには商品取引法上に定められています商品先物取引や、あるいは不動産ファンドの一種であります不動産特定共同事業の法律もこの中で改正しております。

それから、右側の整備法でございますけれども、整備法、一般的には本体部分の改正に伴う技術的ないわゆる文言の修正的な条文の改正を主に盛り込むと、こういう法律でございますが、今回は実質的な内容の改正を伴うものが入っております。その最も重要なものがこの四角で囲ってあります金融商品販売法でございまして、後ほど説明する時間があるかと思いますけれども、この金融商品販売法の内容を拡充いたしまして、被害者、すなわち業者の販売における適切でない行為によって被害を受けた投資家が業者に対して損害賠償を請求する際に、請求が認められやすくなるような措置を盛り込んでございます。

それぞれの内容につきましては、次のページ以下で説明したいと存じます。

まず、投資サービス規制、いわゆる横断的柔軟化法制でございます。対象範囲を横断化するということで、左上が証券取引法の規制対象範囲でございます。これについて、昨年の金融審議会第一部会の報告では投資商品、いわゆる投資商品ということで、リスクとリターンの考え方を整理して頂きまして、そしてそのリスクについては市場リスク、あるいは信用リスクであろうと。それから、リターンについては金銭的収益、プラスのキャッシュフローに対する期待と、こういったことの整理を頂きまして、別紙などで具体的な商品なりスキームについていろんな商品にスキームを取り上げて整理を頂きました。それを基本的に法制化しておりまして、この中で集団投資スキームというのが右側の真ん中にございまして、その中身を左で説明しております。

条文で言いますと、第2条第2項第5号という規定でございますが、非常に簡単な言葉で言いかえますと左の下でございまして、組合その他かなる方法をもって問わず、2人以上の方から金銭を集めて、それを投資または事業、いかなるものであっても何らかの収益が上がればそれを投資家に分配すると、こういう仕組みを包括的に規定しております。この規定、従来の限定列挙、法形式に着目いたしました限定列挙の考え方を転換しまして、この規定というのは法形式を問わない、あるいは集めたお金で何をするかを問わないという形で実質化、抽象化しておりまして、ここのところは第一部会報告のご指摘のとおり、相当包括的な規定ぶりになっております。

それから、デリバティブについても、日本では全く無定義で書くというわけにはいきませんが、かなり広範なデリバティブ、現在考えられるデリバティブについて基本的に列挙させて頂くということで、かなり横断的なカバレッジにさせて頂いております。

次のページでございまして、以上を踏まえて業規制も横断化するということでございます。横断化した際の規制の枠組みは、これは第一部会の報告のとおりでございます。簡単に言いますと、縦割り規制、左側の規制を金融商品取引業という形でまず横断化いたします。それについて、報告書にありましたように、第一種の金融商品取引業、第二種の金融商品取引業、それから投資運用業、投資助言業という大きく分けて4つの類型に分けまして、それぞれに応じて参入の場を高いから低いに柔軟化すると。原則登録制で横断化すると。それから、右側の表にありますように、行為規制も機能別に、縦割りの業態別の法律に掲げられたものをこのような機能に分類いたしまして、再整理した上で規定を並べかえまして、その上でアマチュアといいますか、一般投資家向けの販売・勧誘、あるいはそういった方々からの運用などの受託についてはこの規制を全部適用すると。ただし、お客さんが特定投資家・プロ的な方の場合には、一定の規定の不適用とするような柔軟化をしてございます。

それから、左側の下側でございますけれども、特例業務届出者というところ、先ほど申しましたように、プロフェッショナルの投資家から資金を集めて行うようなベンチャーキャピタルであるとか、そういうものについては、むしろ実態把握を中心といたしまして、規制を極力しないといいますか、簡素な規制にするということから、簡素な届出制ということにしてございます。

それから、この規制の仕組みでございますけれども、そのファンド設立ごとに登録や届出を頂くということではなくて、ここにありますように業規制でございまして、こういうファンドを業として販売・勧誘する、あるいは運用業として行うという方について、一般投資家を巻き込む場合には登録制、プロ向けの場合、特例業務届出者の要件に該当する場合には届出ということで業を行うということでございます。したがいまして、ファンドの設立ごとに届出・登録といったことが必要になる、いわゆる仕組み規制ではございません。

それから、次のページでございます。今申し上げました柔軟化の中で、一般投資家とプロ投資家向けに、行為規制に段差を設けてございます。そこで、プロ投資家と一般投資家の区別ということが問題になりまして、ここでは大きくプロと一般に分けると、プロを特定投資家というふうに名づけてございます。この特定投資家、それぞれ一般投資家、特定投資家、2種類ずつ下に箱がございます。一番左の特定投資家は、アマチュアになりたいといっても一般投資家になれない枠組み、それから2つ目は、何も選択しなけれプロ投資家として扱われるけれども、一般投資家として手厚い保護を受けたいという希望があれば、一般投資家に移行が可能なもの、マル3は逆でございまして、特段何も言わなければ一般投資家として手厚い保護が受けられるけれども、プロ投資家を選択できる枠組み、一番右側が、プロ投資家扱いをしたいと言えないという、そういう枠組みでございまして、それぞれ一番左のところには現行適格機関投資家、これを拡大したものをこれに当てはめると。それから、例えば上場企業のようなものはこの2つ目の箱に入れる。それから、3つ目の箱は、それ以外の法人と、それから一定の富裕層、超富裕層というのがプロを選択できるいわゆる中間層を設けるべきであると、こういうことがこの審議会で、この部会でご指摘がございましたが、それをここの箱に入れてございます。

具体的には、知識・経験及び財産の状況に照らして、特定投資家に相当する個人ということで、かつ内閣府令で例えば一定の純資産等の要件を定めるということにしてございます。したがいまして、ここのところ、具体的にどういう要件を定めるかというのが内閣府令の事項として、宿題として残っているわけでございます。

このいわゆる足切りの基準に満たない方、あるいは抽象的に実態的な要件として知識・経験・財産の状況などに照らして特定投資家にそぐわないという方については、本人の希望いかんを問わず、一般投資家として扱われるということになります。

それから、この個人の方々がプロ投資家になる場合の選択の手続を上の箱に書いてございます。その一つ一つの手続の説明は省略いたしますが、かなり厳格な手続を踏むということ、それから有効期間を1年というふうに付してあるということを申し上げたいと存じます。

次のページをご覧頂ければと思います。

自主規制機関、証券業協会をモデルとして横断化するということでございますが、その重要な話としまして、紛争・あっせん機関の認定制度というのがございます。その第一部会の報告書におきましても、この紛争・あっせんについて、横断化に向けた取り組みが必要であるということで、業者団体以外の人がつくるこういう紛争・あっせん組織について、認定をする制度ということを提言頂いています。これが法制化されているということでございます。

それから、次のファンドによるいわゆる短期売買規制の見直しでございます。

これは、短期売買規制というのはご案内のとおりかもしれませんが、インサイダーがその会社の株を短期間で売買して利益を上げたという場合には、その会社が売買をしたインサイダーに対してその短期売買で得た利益を返せということができると、こういう規定であります。

具体的な要件は右上に書いてございますが、この際、インサイダーの中に10%以上、議決権を保有する株主がインサイダーとして扱われています。もし民法組合の形でこの上場会社の株式を買おうとすると、民法組合の契約なり法解釈からこの規定が抜けてしまうのではないかと、こういうご指摘がかねてからございまして、その民法組合というのは、民法上の体系の中にあるものでございますが、かつ損害賠償というここでいう利益の返還請求─すみません、損害賠償ではなくて、利益の返還請求というものも民事上の枠組みでございますが、この規制がかかるように一定の手当をしてございます。

それから、次の金融商品販売法の拡充でございます。

ここでも簡単に一言だけ触れさせて頂きますと、民法の709条というので、業者が不適切な勧誘・販売をした場合に、被害者であるお客さんは損害賠償の請求ができますが、その際にお客さんの側、被害者の側が立証しなければいけない事項というものを大幅に軽減するということを金融商品販売法が目指しておりまして、それを今回拡充したということでございます。

具体的には、従来、元本欠損だけが説明義務、かつその損害賠償の推定の要件になっていたものが、元本を上回る損失があるおそれ、具体的には証拠金取引であるとか、説明の内容についてもその旨、あるいはその取引の仕組みについての説明義務、そういったものをつけ加えていますし、断定的な判断を提供した場合にも損害賠償の引き金を引くと、損害賠償の推定の引き金を引くと、こういうふうな形に改正させて頂いております。

以上がその投資サービス規制の全体像でございます。

それから、取引所の関係、ここの審議会の報告にありましたように、同一法人内の独立性の強い委員会方式と、それからグループ内ではあるけれども別法人化するということによって、自主規制機能の独立性を強化するという考え方、そしてそれを取引所の置かれた環境を踏まえて選択できるようにすると、こういうことを法制化してございます。ということでございまして、これも報告書どおりの立法がされております。

それから、罰則規定の見直しでございますが、ここでライブドア事件、今年の1月に発覚いたしましたことを契機といたしまして、現在の証券取引法のペナルティーが十分に重くないのではないかという議論が強まりまして、それを踏まえて行政法規としては異例の法定刑でございますが、公正取引や有価証券届出書の記載などについて最高刑を5年から10年に引き上げ、罰金もそれに見合って引き上げると、こういった措置を盛り込んでございます。

次のページにある見せ玉、これは昨年の冬に、この審議会の場で監視委員会の建議をご紹介させて頂きまして、盛り込むべきであるということを法制化したものでございます。

あと残り、施行日でございます。この後、開示課長が開示関係を説明いたしますが、それも含めましてこの3段階に分かれて施行されます。罰則の引き上げ、「見せ玉」への対応の部分、この最後の部分が既に7月7日に施行されております。その次に早く施行されますのが、これからご説明申し上げます開示のうち公開買付の見直しと大量保有報告制度の見直し、原則半年以内ということになります。それから、四半期開示の法定化、財務報告に係る内部統制の強化、これが20年4月以降に開始する事業年度ということでございます。それ以外のもの、主に投資サービス法制でございますが、これが公布の日、6月でございましたが、ここから起算して1年6カ月を超えない範囲内において政令で定める日ということでございます。

事務方といたしましては、1年6カ月以内というふうに法定されていますが、目標といたしましては来年の夏にも施行できるように鋭意努力をしてまいりたいと思います。

なお、最初のところで説明を落としましたが、法律の題名を証券取引法から金融商品取引法に変えております。報告書では投資サービス法とか、あるいは投資サービス法制というふうに頂いておったわけでございますが、その法律の題名としての他の法令との用語の均衡などを精査いたしまして、最終的には金融商品取引法というふうな題名にさせて頂きました。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは、池田さんお願いします。

○池田企業開示課長

それでは、引き続きまして、この金融商品取引法の中の改正内容の開示関係の部分についてご説明をさせて頂きたいと思います。

資料の12ページになりますが、当部会の報告にも示されましたように、金融商品の性格に応じたディスクロージャー制度のあり方ということで、具体的に言いますと、1つは金融商品の性質に着目した開示ということでございまして、1つは企業金融型投資商品、伝統的な株式・社債等といったものに対して、近年拡大をしています資産金融型投資商品、ファンド、ABSといったもの、こうしたものの性質の違いに着目して、開示内容、開示手法についてきめ細かな整備を行っていくということで、報告書の中では資産金融型投資商品についての開示内容として運用者、運用サービスの内容についての開示の情報の充実を図るようにというご指摘を頂いておりますし、この点については今後省令、府令段階での手当ということになろうかと思いますが、あるいは、開示手法の整備ということでは、今回の法案の中では、開示書類の提出に当たってより柔軟な手続が導入できるような、そういう可能な枠組みを幾つか導入させて頂いておりまして、代表的な例として申しますと、有価証券報告書に記載すべき事項を記載した書面を法令、その他これに類する規則に基づいて、別途提出、開示しているというような場合には、その事項を有価証券報告書において記載するというようなことを省くことができるようにしているということで、法令上、いわゆる報告書代替書面の制度などを導入させて頂いているところであります。

それから、もう一つ、報告書では、流動性に着目した開示制度ということが指摘をされております。上場有価証券など、流動性が高い投資商品については、より頻繁に、より密度の濃い、あるいはより適正な投資情報の提供ということが求められるということで、報告書にありましたように、具体的には上場企業における四半期報告制度を法律上の制度として位置づけさせて頂きました。

それから、財務報告に係る内部統制の強化ということで、上場会社について財務報告に係る内部統制の有効性について、経営者みずからによる評価と会計士による監査を義務づける、また、有価証券報告書の記載内容の適正性について、経営者に確認を求める制度を導入したところであります。

一方、組合権利など、流動性に乏しい投資商品については、有価証券報告書、有価証券届出書といった形でのいわゆる公衆縦覧型の開示については原則免除とした上で、投資者に対する情報提供ということでは、いわゆる行為規制上の直接の説明義務で十分な情報を提供していくという形での対応で整理をしているところであります。

13ページは、ただいま申し上げました四半期開示の法定化と内部統制の強化の点について改めて触れているところでございます。

14ページからは、当第一部会の下に設けられました公開買付制度等ワーキンググループの方でご検討を頂きました公開買付制度、あるいは大量保有報告制度についての見直し事項を整理させて頂いております。これについては、昨年12月にワーキンググループの報告の内容について、部会の方にもご説明をさせて頂いております。基本的には、それに沿って法制化がされているところでございます。

14ページは、現在の公開買付制度の概要を整理したもので、15ページが主な改正内容になっております。

一つのポイントは一番上の部分になりますけれども、公開買付制度は、基本的に市場外での買付けに対して、公開買付によることが義務づけられているわけですが、市場内の取引と市場外の取引と両方を組み合わせて、一連の取引が急速な買付けが行われたと。その結果、所有割合が3分の1、33%を超えるというような場合に、例えば例で言いますと32%まで市場外で買っておいて、最後の一、二%を市場内で買った場合に、公開買付規制がかからないのではないかと、そういった部分について一連の取引として評価して、公開買付規制の対象になることを今回法令上明確化させて頂いたところであります。

それから、もう一つは、公開買付が行われますときに、投資者がその中でどのように行動するかという判断をしていく際には、公開買付者、あるいは公開買付対象者、双方から十分な情報の提供がされ、それに基づいて十分に判断する期間が確保される必要があるという考え方に立ちまして、投資者への情報提供への充実ということで公開買付届出書による開示の充実を図るとともに、買付対象者によって意見表明、これは現在の制度では任意の制度となっておりますが、この意見表明を義務づけるとか、あるいはその際に、逆に買付対象者から買付者に対して質問を行うといったような機会も付与していると。こうした一連のことを行う中で、公開買付期間について、現在20日から60日とされています期間について、営業日ベースで20営業日から60営業日という規定をいたしますとともに、例えば20営業日という形で比較的短く公開買付期間が設定された場合に対抗提案を提示すると、必要がある場合には買付対象者の方から30営業日に公開買付期間の伸長を求めることができる仕組みを導入したところであります。

それから、以下、個々の説明は割愛させて頂きたいと思いますが、下から2番目にありますように、現在の公開買付では、公開買付を行いますときに応募株式すべてを買付ける全部買付けの形で行うことも、あるいは取得したい株数にまで案分の形で買付ける場合も、どちらも容認がされているところでありますけれども、買付け後の所有割合が3分の2、66%以上となるような場合は、その後、上場廃止等になる可能性も高い等を勘案しまして、売れ残り株を抱えることになる株主の利益を保護する等の観点から、そうした場合には全部買付けの形でのみ公開買付を行わなければならないという制度にさせて頂いているところであります。

それから、16ページは、大量保有報告制度の方の見直しですが、下の箱に主な改正点を整理しておりますが、いわゆる機関投資家に認められております特例報告制度につきまして、現在原則3カ月ごとの基準日というふうになっておりますものを2週間ごとの基準日、そしてその後、5営業日以内に提出して頂くということで、報告期限の大幅な短縮を図っているところであります。

それから、ただいまの特例報告制度については、事業支配目的で保有している場合には、特例報告制度によることができないことになっておりますが、何が事業支配目的に当たるかというのはなかなか認定が難しいという問題がございまして、今回の法律では事業活動に重要な変更を加え、または重大な影響を及ぼす行為を行う目的といったような形で明確化を図ったところでございます。

それから、大量保有報告書については、これは個人投資家が提出者になるということもあることから、これまではいわゆるEDINETでの電子提出の義務化を行っておりませんでしたが、大量保有をされる方は個人とはいえかなりの保有をされる方でありますので、この電子技術の進んできた現時点においては義務化しても問題は少ないのではないかという判断から、今回大量保有報告書についても電子提出を義務化させて頂いたところでございます。

以上が開示制度の変更点でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、「証券市場の市場仲介機能等に関する懇談会」の論点整理の概要につきましての説明をお願いいたします。

これは証券課長、氷見野さん、よろしくお願いします。

○氷見野監督局証券課長

では、お手元の資料2についてご説明させて頂きます。

今年の3月に岩原委員に座長になって頂きまして、あと、第一部会の委員の方にも何名かご参加頂きまして、監督局に証券会社の市場仲介機能に関する懇談会というものを設けまして、いろんなタイプの証券会社の方にも参加頂きまして、8回議論を行いました。その論点整理を6月30日に出しております。論点整理の本体もおつけしておりますけれども、表紙1枚めくって頂いたところにありますA3の大きな1枚紙に沿ってご説明させて頂きます。

説明の足りない点は参加された委員の方から直して頂ければと思いますが、趣旨ですけれども、(1)証券会社の役割というのが左上にございますが、今度こそ貯蓄から投資への動きが本格化するかと皆思ったときに、ご承知のように証券市場をめぐるさまざまな問題が起こって、市場への信頼にも影響しかねない状況だったわけですけれども、問題意識としましては、市場仲介者としての役割、あるいは市場プレイヤーとしての役割を証券会社が十分発揮することによって未然に防げたのではないか、あるいはこれからそういった問題がまた起こることを防げるんではないかと、そういう問題意識でございます。

もちろんこうした問題への対応としましては、この紙の左下にもございますけれども、法令とその執行というのが基本になるわけでして、金融商品取引法、さらに監視委員会の監視検査、あるいは監督当局による厳正な対応ということが非常に重要になるわけですけれども、あわせて、左下の右側に書いております証券業界自身の取り組みとして、協会の自主規制機能の活用、あるいは証券会社自身の規範の整備ということが、そういった事柄の役割も大きいんではないかと。もちろん白か黒かという話になりますと、法令の領域になる面があると思いますけれども、最低基準ではなくて留意点、あるいはサウンドプラクティスのような世界も重要だと思われますし、また、本当に具体論になりますと、役所というよりは、本当にビジネスがわかっている人が議論してつくっていかれる方が適切な領域があるのではないかと、そういう問題意識でございます。

具体的に抽出された論点というのがこの紙の右側に4つ挙げてございます。議論の結果といいますのは、かなりの部分が証券業協会の方に自主規制規則の制定をご提言申し上げる形になっております。今日ご出席の中では、渡辺委員や田中委員が直接現在その作業に携わっておられると思いますので、後でさらに詳しくお話し頂いたらいいのかもしれませんが、4つの論点、まず最初に市場仲介者としてのオペレーションの信頼性の向上というのを挙げております。これは、誤発注の事件ですとか、あるいはライブドアの関連銘柄の掛目が突然ゼロになるとか、お客さんが安心して取引できないような状態が突然起こるということをどう防ぐかという話ですが、役所の方も誤発注の後、一斉点検を行ったりしたわけですけれども、さらに誤発注の再発防止の問題では、ここの議論と並行して協会で作業されまして、注文管理体制に係る自主規制規則を4月18日に制定されております。また、この懇談会の議論では、そもそも売買単位がいろいろあるのが間違いの原因の一つであるので、統一等が可能か検討できないかという議論も出ておりました。また、信用取引の担保掛目についても、同日協会の方で自主規制規則を制定しておられるところであります。

それから、下に下がりまして、(2)発行体に対する証券会社のチェック機能の発揮ということを挙げております。これは、例えば問題意識としましては、上場して間もない企業の財務内容等に問題がある事例、その上場してすぐ赤字に転落するとか、等の中には不祥事に近いような話も入っておるわけですけれども、そうした事例、また、希薄化等で既存株主利益を損なうエクイティ関連のファイナンスの増加、あるいは一番下ですけれども、現在元引き受けの認可を受けている証券会社、138社ありまして、かつての4社部長会時代とは様変わりなわけですけれども、プラスの面もいろいろあると思うんですけれども、証券会社の審査能力に格差が出ているんではないかという指摘もあるということで、引き受け審査のあり方についてもご議論頂きました。現在、証券業協会では、自主規制会議のもとで引き受け審査ワーキンググループを設けられて、IPOの部会、公募増資の部会、MSCBの部会などをつくって、現在議論しておられるところと承知しておりますけれども、懇談会の方で提言いたしておりますのは、一つは引き受け審査の項目内容の見直しを検討してはどうかと。2つ目に、私募CBの引受け・買受け時の留意事項の明確化を検討してはどうかと。さらに、引受審査体制に関する具体的な基準の策定も検討してはどうかという提言が行われております。

右上にまいりまして、3つ目の論点として挙げておりますのが、投資家に対する証券会社のチェック機能の発揮ということでありまして、これは、相場操縦、インサイダーといったことでございますけれども、こうしたことを防ぐための体制整備ということについては、こういう府令で規定があるわけですけれども、実効性を確保するための具体的な方法論ということをご議論されたということでございます。それで、相場操縦の関係では、6月1日に協会の方で売買管理体制に係る自主規制規則を施行しておられまして、売買審査対象の抽出の仕方についても基準を設けておられるわけですが、さらに、例えば個人でも幾つもの会社に同時に発注したりすることが容易にできる時代になっております。当局を含む市場関係者間の迅速・円滑な情報交換のための工夫ができないかといった問題提起も論点整理では行われておるところでございます。

さらに、インサイダー取引関係では、現在証券会社では内部者登録カードというのを整備されているわけですけれども、必ずしもいつもアップデートになっているとは限らないと、いろいろ難しい問題もありますけれども、この内部者登録制度の実効性を高める手段、工夫がないかといったことも問題提起されているところであります。

4つ目が、市場プレイヤーとしての証券会社の自己規律の維持ということで挙げております。証券会社のグループ自体で持つポジションが多様化しておりまして、そのディーリングだけではなくてプリンシパル投資、またプリンシパル投資といっても中身がいろんなものに広がってきておるということで、潜在的に利益相反の問題をはらむ可能性も高まっているのではないかということで、協会の方で倫理規定を検討されてはどうかと。さらには、自主規制規則も検討されてはどうかという提言がこの論点整理ではなされているところでございます。

私ども、当局、監督局の側としましても、協会でのご議論、よくフォローさせて頂きまして、また、当局としてできる事柄もいろいろあると思いますので進めていきたいと考えております。さらに、先ほど金商法で証券業協会をモデルに自主規制機関の横断化といったことも説明がありましたけれども、他業態の自主規制機関の方との議論も深めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、最近における証券会社等に対する行政処分の状況について、事務局からの説明をお願いします。

これも氷見野課長と、あと三井課長からよろしくお願いします。

○氷見野監督局証券課長

資料3でございますが、最初の3ページにつきまして、引き続きご説明申し上げます。

昨年の7月以降に行われた証券関係の処分を一覧にしております。まず一番最初に証券会社に対する処分を18掲げておりますけれども、これも先ほどご紹介いたしました論点整理での論点とかかわりの深いものがかなりございまして、例えば論点整理で最初に挙げておりますのが、オペレーションの信頼性の向上ということでありますけれども、この証券会社に対する処分で挙げております1番、4番、5番、14番などといいますのは、システムがとまってしまったとか、誤発注とか、そうした関係の処分事例でございます。

また、論点整理で3番目に投資家に対するチェック機能の発揮ということを掲げておりますけれども、ここに載せておりますうち7番、10番、13番、14番といいますのは、作為的相場形成防止あるいはインサイダー防止の体制整備対応に不十分な点があったといった事例でございます。

論点整理の4番目が、利益相反をめぐる話でございますけれども、ここで挙げております6番、9番といいますのは、グループ内での利益相反に係り得る事例でございます。

以上、証券会社に対する処分18掲げておりますが、その次に投資委託業者に対する処分、このうち1番目、2番目と、その次にあります投資顧問業者に対する処分の3番目といいますのは、ファンド間で利益相反に足り得るようなつけかえ等の取引があった事例でございます。

また、この答申の4番、あと、次のページに投資法人に対する処分ということで3つ挙げておりますが、これはいずれもJ-REITに係る事例でございまして、個人等でも不動産投資、小口から稼働できる画期的な商品なわけでありますけれども、大きく伸びている中で投資家の信頼を育てていけるだけの態勢を見ていく必要があるというふうに考えております。

さらに、この証券会社の3、11、あるいは投資顧問の5、6、7などといいますのは、広告にかかわる事例でございまして、あるいは投資家への説明にかかわる事例でございまして、引き続き投資家保護の観点からこうした問題もよく注視していく必要があるということではないかと思います。

2ページ目以降、金融先物業者に対する処分が59列記されておりますが、このうち最初の58までは外為証拠金業者が金融先物取引法の改正によりまして監督対象となりまして、債務超過の状態にある、あるいは区分管理を行っていないといった理由で処分を行ったものでございます。引き続き、外為証拠金取引業者等につきましては、不招請勧誘の禁止ですとか、広告規制の遵守状況とか、そうしたものについて相談や苦情を端緒としまして検証を行いまして、問題がある場合には監督上の厳正な対応を行っていきたいと考えております。

こうした過去1年の処分事例からいたしましても、まず基本は利用者保護でございますし、また、論点整理で出てきましたような市場仲介機能をめぐる事例も多いと。さらに、証券会社のガバナンス、コンプライアンス、リスク管理等に問題が見られる点もございまして、8月30日に今事務年度の証券会社等の監督方針を出しておりますけれども、こうした点を中心に監督を行っていきたいという方針を公表いたしております。

また、金商法の的確な執行が行える準備というのも今後1年の課題として取り組んでいきたいと考えております。

私からは以上でございます。

○三井市場課長

引き続きまして、4ページ目、証券取引法上の課徴金納付命令事件一覧というのをご覧頂きたいと存じます。

これは、比較的歴史の浅い制度でございます。2年前にこの第一部会でご議論頂きまして、平成16年の国会で証券取引法の改正において課徴金制度を導入頂きました。それが昨年から施行されておりまして、昨年、また証券取引等監視委員会の課徴金調査体制を整備いたした上で、今年の1月以降、ここに掲げられているような事件、勧告を受けて課徴金の処理を行っております。

課徴金制度はご案内のとおりでございますが、インサイダー取引相場操縦、風説の流布、それから有価証券報告書等の虚偽記載について、刑事罰とは別に行政上の金銭的なペナルティーを科す制度でございまして、ここに掲げられています9件、いずれも刑事立件するほど、刑事告発するほどの悪質重大性がないとして刑事告発は見送られたものでございます。それではあるけれども、その課徴金納付命令をして、その違反抑止に役立てる必要があるというものでございまして、もし課徴金制度がなければそのまま野放しになっていたケースかと存じます。

制度は始まったばかりでありまして、また刑事罰とは違った行政上の金銭的なペナルティーということで、この9件の処理に当たってはさまざまな細かい実務上の論点がございましたが、一定の軌道に乗ってきたところかと存じます。

以上でございます。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは、最後になりますけれども、最近の利用者からの相談・苦情の状況ということについて、事務局からのご説明をお願いします。

○三井市場課長

それでは、資料4、それから別冊、大変大部なものでございますので、かいつまんでご説明させて頂きます。

まず最初の資料4は、金融庁におきまして金融サービス利用者相談室に持ち込まれました相談事例でございます。全体の統計、この4期間、1年程度の期間についての統計でございまして、最初の2枚に全体像を集約してございます。

直近の4月~6月の苦情の状況でございますけれども、全体として増加しております。その中で3行目、投資商品・証券市場制度等に関するところは、7月~9月、10月~12月、1月~3月の間増加していたものが、4~6ではむしろ少し減っております。それにかわって大きく増えたものは、保険商品、保険関係、それから下にあります貸金が非常に大きく増えたということになっております。

このページで言いますと、25ページが直近の期間についての具体的なもの、公表資料でございます。

それぞれの特徴をここに掲げておりますので、ごく一言だけコメントいたしますと、26ページから27ページにかけて書かれています。

保険については、行政処分のこととも関連ありますけれども、保険金の支払いであるとか請求時の保険会社の対応に係るものが大変多うございます。

それから、投資商品につきましては27ページ、(3)の4行以下に整理してございます。未公開株に関するものが大変多いということ、それから外為証拠金業者に関するもの、これは過去のものとつなげてご覧頂きますとかなり減ってきているという状況にございます。それから、ここにあるもので、未公開株の括弧の中にありますように、最近では投資事業組合と称しまして直接未公開株を買ってください、要するに発行体からお客さんに取り次ぐというものではなくて、その間に投資事業組合というものを絡ませると、こういう形態のものが大変多くなってございます。これは、金融庁のウエブページにおきましても、投資事業組合というのを絡ませているケースがあるということで注意喚起をしております。

なお、ウエブページにもありますように、投資事業組合、投資事業有限責任組合法に基づく投資事業組合に対する出資持ち分と、それに類似するものという限定された形ではありますけれども、現行法でもみなし有価証券とされまして、それの仲介については証券業の登録が必要になりますと、こういうことをウエブページでも注意喚起しておりますが、他方、その投資事業組合、またそれに類似するものに当たらないファンドについては、改正後の金融商品取引法で包括的な規制対象になってくるという関係にございます。

それから、別冊では、金融庁のもの以外のものを幾つかとじさせて頂いています。大変多岐にわたりますので一つ一つの紹介は割愛させて頂きますけれども、この幾つかあります中で、例えば国民生活とあります最初の幾つかのもの、ここのところで掲げていることを一言で言いますと外為証拠金、これは最近大きく減ってきていると。片や商品先物、あるいは海外商品先物、あるいはオプションといったものについては減らない、あるいは増えているといったことが言われています。それからもう一つ、匿名組合であるとか、新しいファンドの名前を語った商品ということが掲げられていまして、これが依然として多い、あるいは監督官庁がなかったりすると、こういったことが幾つかの資料で輻輳的に出てきます。

17ページあたりに、これは東京都の消費者生活センターの2月の受付状況でありますけれども、未公開株のことがコメントされています。ここでも外為証拠金は減っている一方で未公開株であるとか商品先物、こういったものについてのコメントがあります。

それから、43ページの方にもありますけれども、これも昨年の第一部会の議論にも出てきましたように、匿名組合出資、通信会社に設備を流出する匿名組合に出資して受けた被害であるとか、いわゆる投資ファンドというものに出資して被害を受けたケース、こういったものについての紹介がされております。

ということでございまして、その苦情相談処理状況は非常に多岐にわたるところでございますが、今申し上げました未公開株であるとか外為証拠金以外に、最初に戻りますが、金融庁の相談室には、挙げられたもので他省庁の関係のものもあります。相談事例の中にありますその他というところにかなりたくさんの数がありまして、当然この中には金融庁の行政執行体制、あるいは苦情の受付体制に対するもの、非常に多岐にわたる相談があるわけでございますが、一つの固まりといたしまして平均的に1割、多いときですと4分の1ないしそれ以上の件数が商品先物ということになっておるというのが現状でございます。

簡単でございますが、以上でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

以上で報告は終わりということですけれども、盛りだくさんでなかなかお聞きになる方も大変だったかと思いますけれども、要領よく説明を頂きましてありがとうございました。

それでは、残りの時間で以上の事務局からの説明についてのご質問、あるいはご意見、そういったことも含めまして委員の皆様方からご自由にご発言を頂きたいと思います。

どなたからでもということで、ぱっと見ると、上柳委員、和仁委員が手を挙げられたので、その順でどうぞ、上柳委員、それから和仁委員の順でお願いします。

○上柳委員

資料1の金融商品取引法について、本当に短期間で法令をつくられて感心をしておるところですけれども、一方、政令にいろんなことが委ねられている部分がありますので、これからぜひ消費者側の意見も聞いていただいて、慎重につくって頂きたいなと思います。

2点質問、1つ、さらに要望なんですけれども、1つは、資料1で言いますと7ページのところに金融商品販売法が大きく改正されて、特に右下の方ですが、取引の仕組みのうちの重要な部分を説明の対象に加える、これは大変大事な改正だと思います。金融商品販売法を見ますと取引の仕組みは何を意味するのかということで定義規定が置かれているんですが、それ見ますと、例えばデリバティブについては取引の仕組みというのは取引の仕組みのことをいうというような、あるいは、そのほかについても契約の内容とかいうことでわかりにくいといいますか、これは多分法律上の仕組みといいますか、商品取引類型に応じて書きかえたものというふうに読むべきだと思うんですけれども、その内容について金融法務事情1779号に池田課長補佐が詳しく説明されているのでそのとおりでよいかという質問であります。

例えば、株式の売買については手数料を支払う必要があるということとか、あるいは価格が株式相場の変動により変動する可能性があるということも含めて説明すべきだというふうにこの仕組みということを読むということで、私正しいと思いますけれどもそれでよいかという諮問です。

それから、2つ目に、資料1でいいますと12ページにかかわる─すみません、間違えました。前に戻ります、1ページの関係ですが、金融商品取引法がいろんな経緯の中で横断的になりきらずに銀行法等に準用されるという形になって、どこが準用されるか大変大事なところです。銀行法13条の4で、特定預金等については準用するという体裁になるようですけれども、私関心持っていますのは、いわゆるデリバティブ預金と呼ばれるもので、例えば銀行側に預金期間を延長するかどうかの選択権があるような預金、銀行継続選択権特約つき定期預金とか、そういう商品名になっているようですけれども、これは最後まで持っていると元本保証なんですが、途中で解約すると解約手数料によって元本割れをすると、こういうものも特定預金にしようというふうにこの部会では議論したように思うんで、そういう方向性になっていると思うんですが、これも政令に入れられる方向なのかということについて確認をお願いしたいと思います。

もう一つは要望ですけれども、資料1でいうと12ページのところのファンドの関係です。これは、多分ここの議論と若干法制が変わっちゃったんではないかというふうに私は思っているんですが、特に先ほど来出ています匿名組合をつくった平成電電のようなもののうち事業型ファンドと言われるものについては、業の登録、それから事前書面交付義務は規定したんですけれども、いわゆる有価証券届出書であるとか、目論見書であるとか、いわゆる開示の規定が外れたような形になりまして、これは私から見ますと投資型ファンドと不均衡にしちゃった、ここまで部会は言っていなかったんではないかというふうに思っています。

それから、事業型ファンドだけではなくて、投資型ファンドにもかかわるんですけれども、その募集の概念で50名とかではなくて500人以上が取得することとなる場合を募集とするというというようなことにしようという事務局の方の文献なんかもありまして、2つのことを言っているんですが、そのファンドについて、ファンドの育成を抑制しないという方向に行く余り不均衡になっていたり、あるいは500名というようなかなり緩い規制になるというのはまずいと思いますので、ぜひ最初に戻りますが、政令をつくるときには消費者の意見を聞いて頂きたいと、要望です。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

これは一つ一つお答え頂くかどうか、難しいんですけれども、私も迷っているんですが、とりあえずお答え頂けるところをお答え頂きましょうか。

○三井市場課長

3点ご質問がございまして、1つ目が金融商品販売法でございます。金融法務事情の1779号の解説のとおりかということでございますが、これはこのとおりでございまして、一言で言いますと、今まで元本の欠損のおそれがあるということだけ説明すればよかったわけですが、それをもう少しブレイクダウンして言いますと、元本の欠損のおそれをもたらす直接的な事由が何かということとあわせて説明するということでありまして、例えば発行体の信用リスクであるとか、あるいは相場の変動であるとか、それによって損が起きますよということまでだったわけです。そのようなもの、典型的には、例えば株式を買うだけであればいいんですが、デリバティブも考えますと、例えばそういうものを何かに組み込んだり、何かと関連させて別の損益が起きるということであるとすると、そういうものもきちんと説明しないとよくわからないであろうと、投資家の判断に当たって重要な情報が踏まえられた上で投資判断していると言えないだろうということで、それをあらわしたいということで、3つ、条文上は「い、ろ、は」ということで元本欠損が起きるということと、それに直接的な要因をもたらす指標なり事情として何かということと、それから投資家が投資をするときには何らかの契約を結ぶわけでございまして、その場合に、投資家がその商品に関連して持つ権利と負う義務、これについてきちんと説明してくださいということをあらわすものとして、いろいろ苦心して書かせて頂いた条文ということでございます。

そういうことでありまして、確かにやや重複感のある言葉が出てくることもありますが、要するに一般的な用語で言えば取引の仕組み、その中で瑣末なことでなくて投資判断に影響を与える取引の仕組みということはきっちり説明するということが必要であるということと、それからもう一つは、適合性の原則についてのご議論がこの部会でございましたが、その適合性の原則ということを法律の契約なり要件効果に分解いたしまして、そもそも契約に入ること自体を禁止するとか、契約が有効に成立してもその効果を制限するということではなくて、そういう現在の民法体系の中で適合性の原則と同様の仕組みをつくるためには、リスクなり取引の仕組みなり、危なさなり、そういったものがきちんと判断できるような材料をきちんと提供し、それをお客様の側がきちんと判断しましたということが担保されるということが、その適合性の原則を自主的に担保するということと、現行法体系にそぐうということの両立する解ではないかと思いまして、この条文上も適合性の原則に相当する条文が入っております。顧客の知識・経験などに適合した説明をしてわかりやすく説明しなきゃいけないという条文を入れています。これはまさにそれがきちんとなされるということが、今の法体系に翻訳した場合の適合性の原則の最もすわりのいい仕組みではないかというふうに考えた次第でありまして、結論的には、まさに今委員のおっしゃったとおりであるということでございます。

それから、2つ目の特定預金でございますが、特定の商品、例えば個別名称というか、固有名詞についてのお答えは差し控えたいと思いますが、金融審議会であったとおりのことでございまして、抽象的におっしゃっているような、例えば元本欠損を生じるおそれがあるようなもので、いわゆるデリバティブを組み込んでいるようなものについては、幅広くこの特定預金に当たり得るものとして、今後政省令を検討していきたいというふうに考えております。

それから、3番目のお話でございます。集団投資スキーム、これは開示との関係で少しまたがっておりますので、私の担当するところを最初に説明させて頂いて、その上で必要があれば開示課長からも補足して頂こうと存じますが、この審議会の報告の中で開示制度の柔軟化というくだりがございます。ページを引用する形では説明いたしませんが、流通性の高い商品と流通性の乏しい商品ということで開示制度を柔軟化するというくだりがありまして、その流通性の乏しいものについては公衆縦覧をする意義が低いかもしれない、むしろそれによってプライベートなファンドへの出資なり、あるいは資金調達者の利益を損なう可能性があるということで、そういう場合には直接的な開示にすべきであるというふうな報告書を取りまとめて頂いています。

したがいまして、直接的な開示というのを法律、法制的に具体的にどう位置づけるかということになっていまして、開示制度と公衆縦覧を分離するのか、セットとして考えるのかということでございますが、現在の開示制度は公衆縦覧とセットの形で開示の第2章の規定は掲げられておりまして、この直接的な開示というのは第2章の開示ではなくて、その第3章の金融商品取引業者に対する規制の中で、例えば説明義務であるとか書面交付義務という中で、直接開示の内容として必要十分なものを直接的に説明、開示して頂くと、こういうふうに法律をつくる段階で法制的に整理いたしました。

そういうことでありまして、直接的開示ということになった場合には、公衆縦覧を適用しないという意味で第2章の開示から外しております。それが今委員のおっしゃった適用除外に当たるということでありまして、これは答申の趣旨からして開示をしないということではなくて、行為規制の中で説明義務、これを開示処理と同じレベルの十分な必要な開示をして頂くということで、そちらの方で規定するという哲学に立っているわけであります。

そういうことで、例えば契約締結前の書面交付義務の記載事項について、一定の場合には例えば届出を求めると、こういうふうなことを考えているということでありまして、その場合に必要な数としていかなる水準の数字がいいかということを今後政省令の段階で検討していくということになろうかと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

池田さん、補足ありますか。

○池田企業開示課長

今三井課長の方から説明のとおりです。もう一点、投資型ファンド、事業型ファンドということがありまして、そこは今の三井課長の説明のとおりなんですが、投資型ファンドについては、今の直接説明義務に加えて一定の場合、これは投資者数が相当に多数の場合ということで、確かに開示の世界で言えば500名というのが従来も株式会社などの場合にある数字なわけですけれども、そうした投資者型ファンドについては、当然投資者への直接の説明は求めた上で、ただこうした投資者型ファンドというのは投資する主たる対象が有価証券であるということもあって、そのファンドの規模が相当規模になってきた場合には、単に直接の出資者に説明するだけではなくて、投資対象が有価証券であるということで、やはりファンドの対象になっている有価証券の投資者に対してもそういう状態になってくるとその情報提供が必要になるということから、直接説明義務に加えて公衆縦覧型の開示をして頂くということで規定の整備をしているということとご理解頂きたいと思います。

事業型ファンドについては、そういう一定の場合に追加的に公衆縦覧型の開示を考えなくていいのかというのは、場合によっては将来に向けてさらに検討を深めていく必要があるかとも思いますけれども、そうした場合には、やはり投資者に対する直接の開示に加えて、市場一般に開示するということの必要性がどの程度あるのかということ等、総合的に判断して決める必要があるんだろうというふうに考えています。

○神田部会長

ありがとうございます。

それでは、和仁委員、どうぞ。

○和仁委員

すみません、私あと2分ぐらいで出なくちゃいけないんで、申しわけございません。先にあれなんですが、私のご質問というかお願いは、今日ご返答頂くのは難しい問題が2つございます。

1つは2ページ目でございますけれども、デリバティブな、こういうふうな金融商品取引法の対象商品ということでリストしてくださっているんですが、日本の立法の趣旨からいくと罪刑法定主義の関係もあるんでしょう、いわゆる限定列挙というやり方をしなくちゃいけないわけなんですが、私どもが担当しております金融商品の世界ですと、例えばこの中だと排出権が抜けていると、これはどうするんだと、排出権に関しては経産省なり環境省とのお話し合いもあるんでしょうけれども、やはり排出権に関してはそれをどういうふうに性格づけるのかという問題はあるにもして、やはりそれは金融商品の一種であると。アンダーラインがわからないからやるなというのもちょっとおかしな話だと思います。こういうふうに開かれた商品の体系ということで、政令で後で追加したりしているからいいではないかという考え方もあるかもしれませんけれども、やはり目の前に見えている商品、金融商品というもので、例えば排出権というのが出てまいります。排出権のデリバティブのところだけつかまえて規制するなり、いろんな方法があると思います。もちろん銀行と証券とでどっちがやれるんだという生臭い議論もあると思いますけれども、やはり金融商品取引業者の業務の中で排出権をどう取り扱うので、金融商品としてしまうと、抵抗が強いのではあれば35条の方で書くかとかというふうなこともあると思いますが、それを1つお考え頂きたいというのが1つです。

それからもう一点は、これはいろいろご相談なんかしている中でわかってきたんですが、やはり金融商品取引法、来年夏、多分7月1日というふうに予測されておりますけれども、そこで施行されて、そこの段階でスムーズな移行ができるようにということをお願いしたいんですが、やはり金商法を見ながらいろいろ検討していると、ちょっと両方ともえっというふうな問題が見つかってきている。

例えば、今日本の外国証券会社ではない外国の証券業者、要するに日本に支店がない人たちが、日本に例えばボンドとか、そういうふうなものを売る場合、その場合に事業会社に売る場合ですね、そういうふうな場合を考えていただければいいんですが、その場合には日本の証券会社が、日本のライセンスを持っている証券会社、別にこれは外資系とは限りませんが、そういう人たちが媒介の形で入って売るという事態が存在しています。これは、実は余り金融庁はご存じなかったようですけれども極めて一般的に行われています。金融庁のご議論は、そういう人たちは媒介者がいたとしても、それは業としてやっているんだから登録を要求すべきであるということは、逆に言えば非居住者ですから登録はできないということでやるなということなんですが、そういうお考えも一つのお考えかもしれませんけれども、現在のマーケットはそういうことで動いていると。その場合にどう対応するのか、やはり媒介という機能をどう解釈するのか、証券会社には媒介という機能が認められています。金融商品取引業者にも認められています。それを考えた場合に、こういうふうな現在存在している大きなビジネスを一体どういうふうに位置づけるのかということをちょっと政府令をおつくりのときにちょっとお考え頂ければと思います。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

事務局の方でも何か発言あるかもしれませんけれども、引き続き委員の皆様方からのご発言を頂いて、もし何かあれば後から事務局の方からのご発言をお願いしたいと思いますけれども。ほかに委員の方々からいかがでしょうか。ご質問、ご意見、ご自由にお出し頂ければと思います。

先ほどの総会と同様、ちょっとおとなし過ぎて一部会らしくないですけれども、原委員、どうぞ。

○原委員

こんなにたくさんいらっしゃるので遠慮しようかしらとは思いましたけれども、実際に国会での質疑、できる限り傍聴したいと思って衆議院も参議院も傍聴に入らさせて頂きました。特に参議院ではかなり白熱した議論が展開をされて、相当実のある内容の濃い質疑ができたのではないかと思っております。

3点のことを思っておりまして、一つは、国会の質疑でも、それからここで去年の12月22日にまとめた段階でも出ていたことなんですけれども、現在はステップの段階である、ジャンプをいつするのかというところで、やはり期限を明記してジャンプの体制を整えるということですね。来年7月1日施行ということにほぼ決まっているようなんですけれども、その体制に入って頂きたいと思います。去年12月22日に出された報告書を見ても、金融商品販売法を金融商品取引法に一本化するというんでしょうか、組み入れるというような話も出ておりますけれども、現実、金融商品販売法と、それから金融商品取引法で対象としている範囲が違っていて、実際にも混乱をするというような状況もありますので、できるだけ、先ほど外国為替証拠金取引の事業者が未公開株に流れているというのがありましたけれども、海外先物オプションに流れたりとか、やはりすき間をねらっているというところがありますし、保険とか銀行が入っていないというようなところでも全体像にはなっていないのでぜひお願いをしたいというのが1点です。

それから、2つ目なんですが、政省令についてはパブリックコメントを多分年内に求められると思うのですが、余り議論がまだ尽くされていなかったのがプロアマ論の話ですとか、それから金融商品取引法では書面交付義務というふうになっていますが、金融商品販売法では重要事項の説明義務ということになるわけで、やはり金融商品取引法もやはり書面を交付するだけではなくて、重要事項を説明するというようなところでバランスを図って頂きたいというようなあたりですとか、それから不招請勧誘の禁止についても国会で随分議論をされて、商品先物にも入れるべきだと、今ここに対象範囲に入っていないからあれなんですけれども、不招請勧誘の禁止規定も取引所取引になっていないものだけというような感じでしたけれども、もう少し幅広くして、政省令の段階ではもっと幅広いものにして頂きたいというふうに思っておりますので、ぜひ消費者側の意見を尊重した肉づけをお願いしたいと思っています。

それから、3点目は、これも議論が余りできなかったんですが実効性の確保の点ですね。これについては、適合性の原則に損害賠償規定を入れようかというお話ですとか、それから課徴金をもう少し有効に生かせないかとか、それから金融ADRですね、紛争解決の仕組みですとか、いろんな案というんでしょうか、意見というようなところでは羅列がされていたのですけれども、十分な検討をしていないというふうに思っておりまして、これはジャンプの段階では充実した形で盛り込めるように検討をお願いしたいと思っております。

それから、投資サービス法の検討の当初のころには受託者責任ということで、ファンドの運用者の責任というようなことも意識をしておりましたけれども、そこについても、今の既存のところから余り進んだ形にはなっていないので、受託者責任の明確化ということももっと図って頂きたいというふうに思っております。

以上、3点です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

では、今までのご発言について、事務局からもし何かコメント等あれば。

○三井市場課長

排出権については、確かに法律上、明記してございません。天候デリバティブについては2条25項、金融指標の列挙の中で希少関係のものは入っています。その排出権というふうに限定しないで一般論として申し上げますと、第2条の第25項の3号に、その変動に影響を及ぼすことが不可能、もしくは著しく困難であって、その事業者の事業活動に重大な影響を与える指標、または社会経済の状況に関する統計の数値であって、これらの指標、または数値に係るデリバティブ取引について投資家の保護を確保することが必要と認められるものについては政令指定することができるようになっています。そういうことで、もちろんおっしゃるとおりで、イギリスのようにデリバティブと書けば無定義で使えるという世の中になっていれば一番進むんだろうとは思いますが、現状の日本の法体系のもとではデリバティブには一定の定義が必要であろうということになりまして、今回かなりたくさんの定義規定を書かせて頂きました。

私どもの一応ポピュラーと思われる範囲内でそれなりに広く書かせて頂きました。それでもなお足りないものについて政令で追加できるよう、今申し上げたように考えているということでございます。

なお、具体的にどのように今後対応していくかということになりますと、実態把握なり、それについてどのような体系で整理していくのがいいかということについての検討が必要になるかと思いますので、今後の課題についてのご指摘ということで、うまく受けとめさせて頂きたいと思います。

それから、2つ目のスムーズな移行ということにつきましては、一般論として全くそのとおりでございまして、原委員のご指摘にもつながるところでございますけれども、今後政省令の制定に当たっては、幅広く皆様方と意見交換をしながらつくってまいりたいと思っております。

それから、パプコメの時期につきましては、若干現時点で年内にできるかどうかというところはややはっきりしないところがございまして、これはいずれ検討が進み、十分なたたき台をもってご議論、ご相談させて頂ける状況になったところでやらせて頂きたいというふうに思っております。

それから、今後の課題として、例えばジャンプをどうするのか、あるいはそれから、その実効性確保として今ご指摘頂きましたようなことについては、今回の法改正、12月の時点で一応のコンセンサス、全体の合意が得られているものについて投資サービス法として緊急に提出すべきというふうな整理のもとに比較的というか、おおむねこれであれば取りまとめて法案化できるものについて法律を出させて頂きましたので、引き続き残った課題について、コンセンサスが必ずしも完全に得られていないものについては引き続きご議論を頂きながら、その成案ができたものから法案化していくと、こういうことになろうと思います。

それから、プロアマ論であるとか書面交付義務であるとかにつきましては、今後先ほどの手続の中でということになりますが、不招請勧誘の点について、最初の説明で私割愛いたしましたが、その法案審議の途中で、特に参議院段階でこの不招請勧誘については大変質疑、あるいは議論がございました。今日お配りしている資料の中にはございませんけれども、参議院の財政協議会の附帯決議の中でその商品先物取引について、現在のトラブルを解消するように向けて努力していくと。その解消されない場合には、不招請勧誘についても検討するというふうなことを政府としても答弁いたしましたし、附帯決議として与野党の合意で決議もされております。

それを受けとめて、今後さまざまな議論がされていくということになろうと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございましょうでしょうか。

どうぞ、高橋委員。

○高橋委員

今後の進め方に関しては、先ほど原委員からもお話がありましたけれども、今回のこの金商法で消費者保護、投資家保護というのは一歩進んだというふうに思いますけれども、やはり積み残した課題もまだ多いということだと思います。

大きく3つありまして、1つは法対象の範囲を拡大して頂きたいものがかなりあると。2つ目は、法規制の内容をもっと充実して頂きたい部分があるということ、3つ目は実効性を持たせて頂きたいということなんですが、その1つ目の範囲拡大につきましては、先ほどいろんなトラブルでお話が出ておりましたように、今国内商品先物、海外商品先物、それから外国為替証拠金取引、それから海外先物オプション、このあたりが非常に急増しているということで、外国為替証拠金の方はもう後始末の段階にかなり入ってきているというふうに思うんですけれども、今回の法規制で既に流れ始めているのが何の規制もない海外商品オプションのところに電話勧誘などが集中しております。私が家におりましても、ほかの外国為替証拠金取引とか先物ですと追い証が発生するけれども、これは追い証が発生しない非常に安全なものであると。オプションというのはノーベル賞をとったものであるとか、非常にそういう勧誘が既に始まっておりまして、追っかけるのも大変だというふうに思うんですけれども、規制すると必ず同じ業者がそういうところに流れて電話勧誘構成が始まっているということを申し上げてどうするんですかと、何とかしないといけませんねという点が1つです。

それから、内容充実の点では1つ、今神田先生がおっしゃいました不招請勧誘の問題というものが課題としてあると思いますし、もう一つは、クーリングオフ制度の充実という問題が残っているんではないかと思います。この第一部会では投資信託のクーリングオフどうしますかというのは一度やりとりした覚えがあるんですけれども、もう一つの大きなものが今回金商法に入ってまいります、横断的な適用で入ってきます保険業法の中での変額年金保険とか個人年金保険ですね、あれのクーリングオフにつきましては、銀行窓販については自主的に払い込んだということで、自宅への訪問販売であってもクーリングオフを適用しないと、こういう規定になっているのはおかしいんではないかということで、先般、国民生活センターからはその内容見直しということでありましたし、8月にはNPO法人の兵庫消費者ネットですか、金融庁に関しても保険課の方に申し入れが出ていると思いますし、銀行協会の方にも出ていると思うんですけれども、そもそもクーリングオフの趣旨に反すると、クーリングオフ権を妨害するようなことを協会の出している文書でやっているんではないかとか、各社の説明文章をかなり細かく消費者が比較しているものが出てきているんですね。これに関して、まだ金融庁さんの方も回答なり何なりの方針を出しておられないようなんですけれども、そういう複雑な商品に関してのクーリングオフ制度の適用というのも積み残し課題の大きなものだというふうに思いますので、今後検討して頂きたいと思います。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

はい、どうぞ。川本委員。

○川本委員

すみません、1つだけ質問させて頂きたいんですけれども、資料の4、お配りを頂いていて、金融庁の利用者の相談室についての内容で、3番目のところに金融行政─ごめんなさい、質問・相談などの分野別受付処理件数というのがあって、金融行政一般・その他のところの4月から6月というのが1,561件に、10倍以上になっているんですね。後ろを拝見すると、27ページに、その中でその他が別に多いわけではなくて、8割が金融行政に対する要望ということなんですけれども、これは1日に平均20件ぐらいのどんな金融行政に対するご要望があるのか、もし教えて頂けたらと思いましてご質問させて頂きました。

○神田部会長

ありがとうございます。

○三井市場課長

すみません、細かい小表について手持ちがないものですから、ただ、このすごく増えた部分は、実は統計の取り方でなお書きにあるんですけれども、e-Govという電子政府、電子的な受付窓口ができまして、この分が1,484件加わっています。内容についての分析はちょっと手持ちがないので、また機会があればご報告したいと思いますが、そういうことでここはジャンプしています。

○神田部会長

ありがとうございました。

そろそろ時間でありますが、何か最後にでもご発言ございましたらいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

それでは、貴重なご意見、ご指摘を多数頂きましてありがとうございました。そろそろ終了の時間でございますので、本日の審議はこれで終わりということにさせて頂きます。

この後、記者会見を行いまして、本日の当部会の模様につき、ご報告をさせて頂きます。

最後に、事務局からのご連絡をお願いします。

○三井市場課長

次回以降の日程につきましては、また部会長と相談の上、必要に応じてまたご連絡させて頂きたいと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

以上を持ちまして、終了いたします。

以上

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