金融審議会金融分科会第一部会(第48回)議事要旨

1. 日時:

平成19年11月14日(水)10時00分~12時00分

2. 場所:

中央合同庁舎4号館9階 金融庁特別会議室

3. 議題

○ 事務局説明

○ 討議

○ その他

4. 議事内容

  • 事務局から、説明があった。

  • 討議等における主な意見は以下の通り。

  • ファイアーウォール規制の見直しは、顧客に対し、銀行・証券それぞれの商品を含む最適な商品の提供が可能となるなど顧客利便性の向上に資するほか、欧米における規制とのイコールフッティングが図られることにより、金融機関の国際競争力の強化が期待される。

  • ファイアーウォール規制の見直しに際しては、優越的地位の濫用や利益相反を防止するための取組みを金融機関が自主的に行い、それを監督当局がモニタリングしていくという枠組みへ移行することが必要ではないか。

  • ファイアーウォール規制の緩和は、日本の金融機関のリスク管理高度化や効率化、国際競争力強化のために必要である。

  • 利益相反や優越的地位の濫用を防止するためには、ファイアーウォール規制ではく、自己規律に基づくベスト・プラクティスの実施が必要である。

  • 現行制度でも顧客が望めば銀証間で顧客情報を共有可能。顧客の同意がない場合、すなわち顧客が望んでいないにもかかわらず、情報の共有化を認めるべきではない。

  • 金商法で優越的地位の濫用禁止、利益相反防止の態勢整備を明記すべき。また、弊害防止措置の実効性をより高めていくために検査を工夫すべき。

  • 利用者にとって高度で複合的なサービスが期待できるのであれば、ファイアーウォール規制は緩和すべき。その際、優越的地位の濫用防止の観点から、中小企業や個人企業への十分な配慮が必要。

  • 弊害防止措置として、金融機関自らが利益相反や優越的地位の濫用防止策を策定公表し、その実行状況を当局がモニタリングするという方法が考えられようが、そのために、役職員ひとり一人の意識面が重要であり、教育が必要。

  • ファイアーウォール規制の緩和を望む顧客は、自らオプトインで同意をして銀証間での情報共有を認め、トータルサービスを受ければいいのではないか。

  • ファイアーウォールのために日本の金融機関の競争力が低いかのような意見をきくが、経営戦力の質と実行力こそが競争力を決めるのではないか。

  • ファイアーウォール規制の見直しによって大企業や取引の多い個人の利便性は向上するだろうが、中小零細企業など立場の弱い利用者にとってどのようなプラスの働きがあるのか、しっかりと見守る必要がある。

  • 地域の利用者の証券業務に対する知識や理解度は高くはないため、アマチュア・プロという切り口、また、大企業と中小企業という切り口での議論が必要ではないか。

  • ファイアーウォール規制を緩和する場合、利益相反や優越的地位の濫用等、国民の懸念を払拭するだけの当局の十分な監視体制が構築されるか、金融機関の自己規律が十分なものとなるか、罰則やペナルティが十分なものか等が重要な観点だ。

  • 規制のあり方は、金融市場や金融機関の競争力を規定するものと考えている。その意味において、アジア等の各国がファイアーウォール規制を見直していることを考えれば、我が国だけがこのファイアーウォール規制にどれほど固執するのかよく考える必要があるのではないか。

  • ファイアーウォール規制を緩和して、顧客の同意なく、グループ内での情報共有を本当に認めてもよいのか。中小企業については、銀行がまだ優越的地位にある中、顧客の同意なく情報が伝わることが本当に競争上望ましいのかよく考えるべきだ。

  • 日本企業もこれからはグローバルに生きていかなければならず、M&A等のニーズはあるが、そのときの相談相手となる日本の金融機関にナレッジやスキルを身に付けさせるためにも、欧米との競争条件を整えていくことが必要ではないか。

  • 銀行と証券が複合的に関係する資金調達のニーズに対応するため、クロスマーケティングについても、総合的に考えていく必要があるのではないか。

  • 利益相反や適正な情報の取扱いについては金融機関の自己規律が重要だが、さらに、問題を起こした場合のペナルティについて、予測可能性を確保するための議論が重要ではないか。

  • 金融機関に利益相反のルールを決めさせた場合に、本当にうまく機能するのか、慎重な検討が必要ではないか。

  • 統合的リスク管理の観点から、オプトアウトの規制なしに情報共有ができるようにすべきではないか。

  • 公的規制はミニマム・スタンダードを決めているのであり、実際はそれよりも厳しいものを自己規律として課すことが本来のあるべき姿である。ただし、金融機関に期待するだけではなく、自己規律の厳しさを裏付けるだけの監督当局のモニタリング体制が組めるかどうかが重要な課題である。

(以上)

問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局 市場課(内線3619)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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