金融審議会金融分科会第二部会「決済に関するワーキング・グループ」(第4回)議事録

日時:平成20年7月2日(水曜日)14時30分~16時30分

場所:中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○岩原座長

それでは、時間になりますので、決済に関するワーキング・グループ第4回会合を開催させていただきたいと存じます。

メンバーの皆様におかれましては、大変お忙しいところをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は、神田様、野村様がご欠席と伺っております。

委員の交代がございまして、本日より株式会社ウェブマネーの溝口様に替わりまして、同社の新井庸介様をメンバーにお迎えしております。

新井さん、どうかよろしくお願いします。

これまでご議論いただきましたサーバ型プリカやポイント・サービスは、インターネット取引の場面での活用も多く見られるようになってきておりますが、本日はインターネット通販で商品購入する際やネットオークションの際などに代金決済手段として利用されるサービスについてご審議をいただく予定でございます。

ヤマトフィナンシャルの芝﨑様と信用統括部長の佐々木様より「宅急便コレクト」などについてご説明をいただき、ヤフーの別所様から「受け取り後決済サービス」などについてご説明をいただきます。

ご説明をいただく前に、前回事務局よりご説明いただきましたポイント及びプリペイドカードに関する会計処理につきまして、ご質問等を踏まえて補足の説明があると伺っておりますので、事務局からご説明をいただきたいと思います。

それでは、よろしくお願いいたします。

○三井企業開示課長

企業開示課長の三井でございます。

お手元にお配りしております資料の中で、決済WG4-2、「ポイント及びプリペイドカードに関する会計処理について(改訂)」という縦長の資料がございます。この資料、前回お配りいたしましたものに、ポイント交換につきましては2ページ、それから第三者発行型のプリペイドカードについては6ページから若干の追加をさせていただいております。この会計処理でございますけれども、法律関係を見る場合と若干視点が変わりまして、経済的に、例えばその売上でございますと、特に損益に関する売上でございますと、実態的に経済社会取引慣行的に売上があったかどうかと。その売上とは何かというところはいろいろ議論がありますけれども、その売上があったかどうかというところで見ます。

資産負債関係と若干離れて、例えば第三者発行型のところで見ますと、第三者型発行者は、それなりに資産と負債、人から預かったお金、そしてそれが実際の売上を計上している物・サービスを提供している会社との関係で、資産負債の関係はございますけれども、実際に売上を計上するのは、物なりサービスを提供する会社ということになります。ということで、若干その法律関係に比べると違った視点で物事を見る必要がございまして、そこで大変複雑になっているところをご容赦いただければと思います。

詳細は担当官から説明させていただきますけれども、1つ目のそのポイント交換のところでいいますと、ポイントをもともと発行したところが物・サービスを提供しないで、ほかのところが、ポイント交換先の会社が交換されたポイントに基づいて何か物やサービスを売り上げるということになります。

したがいまして、損益計算書上の損益でいいますと、まずその売上というのがどういう段階で認識すべきかという問題になりまして、原則はその物なりサービスなりが提供されたときというのが原則になろうかと思います。そして、それに対する費用を対応させるというのが基本的な考え方でございます。後ほど説明いたしますように、実際のこの会計処理ということになりますと、なかなか悩ましい問題がありまして、後ほど説明するとおり、そのポイント交換時の売上を計上しております。

それから、第三者型のプリペイドの発行というのも、非常に単純に考えますと、実際のお金は、物やサービスを売っているということで、お客さんからあらかじめ代金を受け取るということなんですけれども、まだ売上になっていないということがございます。前受金といって処理されることがあります。それを第三者が代わってその立替えをしている場合、例えば預り金とかそういった処理がされることはありますけれども、これはすべて売上あるいは費用という損益、利益が出たか出ないか、損が出たかどうかではなくて、資産負債のバランスシートの問題になっております。ということで、損益だけに着目すればあくまでサービス提供者、物の販売者に着目すればシンプルに考えられるかと思います。

ということを前提に、若干細かいところにわたりますけれども、担当の方から説明させていただきたいと存じます。

○野村企業会計調整官

それでは、資料の1ページ目をお開きいただきたいと思います。

まず、ポイントの会計処理でございますけれども、1ページ目、前回ご説明をさせていただきましたポイント発行企業が発行しましたポイントを当該企業で使用する会計処理を再度確認をさせていただきますと、(1)のマル2に記載しましたように、近時はポイントが使用された時点で費用処理するとともに、期末に使われなかったポイント残高に対しまして、過去の実績等を勘案して引当金計上するという会計処理が多くなってきております。

その点を(2)で具体例を示しておりまして、ポイント発行時には特に会計処理を行わずに、ポイントが使われましたときに、ポイントで渡しました商品の原価を費用として計上して、期末時に未使用のポイント残高に対して過去の実績等を勘案いたしまして引当金を計上するということでございました。

その形を前提にいたしまして、1ページをおめくりいただきまして2ページ目でございますが、ポイント交換されたときの会計処理ということでございまして、発行されましたポイントを他のポイントと交換する会計処理の例でございます。

図をご覧いただきますと、A社、B社双方の会員であるCが、現在A社のポイントを何らかの形で発行を受けておりますが、A社の商品ではなくてB社の商品を欲しいということで、マル2ですけれども、A社のポイントをB社のポイントに換えてほしいということをA社に依頼いたしまして、マル3ですけれども、A社としては、B社にCさんに対してA社のポイントと交換にB社のポイントを発行するように依頼をいたします。

次に、マル4としまして、A社はあらかじめ取り決めておきました金額で、B社が発行したポイントの対価を支払うと。支払時期ですとか支払方法は、ネット(純額)であったりとか、期末にまとめてといったように支払時期ですとか支払方法はさまざまであると考えられますが、ここではB社のポイント発行と同時に支払うという形にしております。

マル5マル6でございますけれども、会員Cは発行されましたポイントを使ってB社の商品と交換するといった例でございます。この場合の会計処理でございますけれども、その図の下からですが、経済実態に応じて処理が行われる必要がございますが、実務上では以下のような処理が行われているというふうに考えられるところです。

文章で恐縮ですが、まず、A社はB社に対しまして、あらかじめ決めておいた規定等によりまして、A社の依頼に基づいてB社が会員Cに対して発行したポイントの対価を支払います。A社としてはB社への支払の対価を販売促進費ということで費用処理しますとともに、A社として発行していましたポイントの残高がその分減りますので、対応するポイントの引当金を取り崩すという処理を行うことになります。

一方、ポイント交換した、新たにポイントを発行するB社の方でございますけれども、B社の方はA社から受領しました金額を売上として計上します。その後の処理は、通常のポイントを発行した場合と同様に、ポイントが使用された時点で、先ほど申し上げましたが、対応する商品の原価を費用処理するとともに、期末時には未使用ポイント残高に対しまして引当金を計上するという形になろうかと思います。

なお書きのところでございますが、この例は相対の場合でございますけれども、ポイント交換自体を業としている企業が、ポイント交換元企業またはポイント交換先企業の場合であっても、今申し上げました上記A社、B社と同様の会計処理を行うこととなるということでございます。

具体的な処理例ということで、1ページおめくりをいただきまして、繰り返しになって恐縮でございますけれども、まずA社としましてはポイントを交換してほしいということで、B社に対してその対価を支払いますので、対価を支払った段階で、支払った現金預金に見合う分の金額を販売促進費ということで費用処理をいたします。期末時点でということになろうかと思いますが、A社としての発行しているポイントが減りますので、引き当てていたポイント引当金を取り崩して収益として認識をするということでございます。

一方、B社の方でございますけれども、ポイントを発行しましてA社からその対価を受領した段階で、その金額に見合う金額を売上ということで計上いたします。発行しましたB社のポイントが使われました段階で、その原価を費用処理するということで、期末には通常と同様に、B社の発行残高のうち、将来使われると見込まれる額につきまして引当を計上するという形になるところです。

以上がポイント交換でございまして、続きまして4ページでございますが、プリペイドカードの会計処理例でございます。前回は、自社が発行しましたプリペイドカードを自社のみが使用できる、いわゆる自家型の例のみをご説明させていただきました。(2)のところでございますけれども、自社のみが使用できる自家型のプリペイドカードにつきましては、プリペイドカードの販売額について貸借対照表上、前受金等として負債ということで計上いたしまして、その使用に応じて売上を計上するという会計処理が行われるということでございます。すなわち自分のところの商品が使われるわけでございますので、引き渡す代金を前もって受け取っているというふうに考えまして、前受金などの負債として計上して、使用に応じて売上を計上するという処理を行ったところでございます。

2ページをおめくりいただきまして6ページでございますが、今の例は自分のところでしか使えないというプリペイドカードの例で、いわゆる自家型でございましたが、自社以外の第三者の店舗、加盟店でも使用できますいわゆる第三者型のプリペイドカードについての会計処理をご説明させていただきたいと思います。

ここでは表題のところに書いてございますとおり、プリカをプリカの発行企業でありますA社が購入者Dに直接販売するか、または販売の委託を受けましたB社が委託販売をいたしまして、購入者Dはもう1つの加盟店でありますC社の商品のみを購入するという例でございます。図の下の説明を見ていただきますと、同じことなのですが、A社が自社発行のプリカを購入者Dに直接販売をいたしまして、プリカの購入者はA社にプリカ代金を支払うという直接販売、それから委託販売のケースとして、A社のプリカをB社が受託をしまして販売をする。実際に購入しましたプリカの購入者Dは、他の加盟店であるところのC社からのみ、そのプリカを使って商品を購入するということでございます。

実際の処理でございますけれども、次のページをご覧いただきたいと思います。具体的な会計処理例ということで7ページをお開きいただきたいと思いますが、図と両方を見比べながら見ていただけますと幸いでございます。注のところで、手数料等は考慮していないというふうに書いてございまして、当然のことながら委託販売ですとかプリペイドカードの発行に伴いまして、いわゆる手数料等が発生するわけでございますが、ここではその手数料等については捨象させていただいております。

まず、A社の処理でございますけれども、直接販売ということでプリペイドカード購入者Dに販売した段階で、販売額を預り金ということで負債として計上します。先ほど自家型の場合には前受金ということで、自分の商品を前受けしているということで前受金ということで処理をいたしましたが、A社としては自社の商品を販売いたしませんので、前受金ではなく預り金ということで負債計上するということでございます。ただし、科目が異なっておりますが、大きなくくりとしての負債を計上するということについては同様の処理ということになろうかと思います。

それから、B社の分でございますが、こちらはB社から受け取りましたプリカの代金相当額、すなわちB社が購入者Dに対して支払いました金額を受領した段階で、やはり預り金ということで負債を計上するということでございます。

それから、C社との関係でいきますと、C社との決済時にC社へ支払った額を預り金から減額をするということでございまして、結局預かっていたお金が実現されますので、その段階で全体としての預り金から減額をするという処理をA社としてはいたすということでございます。

(2)のB社の方でございますが、B社は委託販売で、プリカを委託を受けて販売をしただけということでございますので、マル1´でございますけれども、プリカを購入者Dに販売した段階で販売した額をまず預り金ということで負債計上いたします。次に、マル3でございますけれども、A社と反対でございますけれども、Dへの売上代金をA社に払ったときに、A社の支払額に対応する預り金をその分払いましたので減額をするということでございます。

(3)ということでC社ですけれども、C社としましてはマル4に対応する処理ですけれども、プリペイドカードをDが使用して商品を渡しておりますので、その商品の販売額に応じて売上計上するわけでございますが、プリカを使って商品を購入しておりますので、現金等が入っていないということもございますので、未収金ということで処理をすると。マル5でございますが、その代金をA社との決済時にA社から入金されますので、その未収金を減らすという処理になろうかと思います。

それで具体的に、8ページでございますけれども、今言葉で申し上げました点を仕訳の形にしてございます。繰返しで恐縮でございますが、まずA社の列でご覧いただきますと、A社はプリカを発行している企業でございますけれども、プリカを購入者Dに直接販売した段階で現金が入ってまいりますので、現金を立てるとともに、それは全額預かっているということで預り金ということで処理をいたします。マル3のところに飛んでいただきまして、B社からやはり同じように入金額を預り金ということで負債に計上するということでございます。それから、マル5でございますけれども、C社へ代金を支払った場合には、預り金をその分減額するということになろうかと思います。

それから、B社の例でございますけれども、プリカを委託販売しておるわけでございますが、購入者Dに対してプリカを販売した段階で、直接販売と同様で、販売額を預り金ということで負債を処理していただくと。それから、その代金をA社に支払った場合には、その分預り金を減額していただくという形になります。

それから、C社の例でございますけれども、マル4のC社はプリカを使って商品を販売しただけでございますので、プリカが使われた段階で、その引き渡しました、販売しました商品の販売額に応じまして売上に計上していただくと。ただ、現金が入ってきておりませんので、先ほど申し上げましたとおり、未収金と売上という形になりまして、もう一つの仕分けとして、対応する商品の原価を立てるという形になります。それから、マル5のその代金をA社に請求をいたしまして、A社から支払われた場合でございますが、未収だったものが入ってまいりますので、現金の入金とともに未収金を減らすという処理になろうかと思います。

以上、簡単でございますけれども、ポイント交換及び第三者型のプリペイドカードの会計処理について補足説明をさせていただきました。

○岩原座長

どうもありがとうございました。それでは、ただいまの事務局のご説明につきまして、ご質問等ございましたらお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。何かご質問ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

特にご質問がないようでございますので、よろしければ次のアジェンダに進ませていただきたいと思います。

それでは、「宅急便コレクト」などについて、芝﨑様と佐々木様からご説明をお願いしたいと存じます。どうかよろしくお願いいたします。

○芝﨑委員

ただいまご紹介にあずかりましたヤマトフィナンシャルの芝﨑でございます。ただいまより宅急便コレクトについてご説明申し上げます。

まず、1枚開いていただきますと、宅急便コレクトの前提となるところを少しお話しさせていただきたいというふうに思っております。

まず、ヤマトグループ全体の沿革でございますが、大正8年、1919年に創立いたしまして、1929年には日本で初めて路線便という定期便を始めました。その他いろいろありますけれども、そして1976年、昭和51年にいわゆる宅急便を開始いたしまして、1997年にクロネコメール便、こういったものを開始しております。弊社ヤマトフィナンシャルは1986年に設立されまして、現在21年が経過しています。ヤマトグループ全体としましては89年ということで、近々90年を迎えるという会社でございます。

続きまして、宅急便自体、コレクトサービス、代引引換のサービスの大前提となります宅急便のサービスについて簡単に概念を申し上げます。

全体のフローというのがあると思いますが、まず左から荷物の流れが右に流れてまいります。個人のお客様、商流のお客様、取扱店経由のもの、これはコンビニエンスも含めてでございますが、こちらから荷物が出ますとセールスドライバーが集荷に参ります。集荷に参りまして、それが全国6,000か所あります集配拠点を経由しまして、全国70か所ございますベースという大仕分け地に荷物が集約されます。そこから全国発送されまして、それぞれの都道府県等にあります配達店側のベースに届きまして、その後配達のセンターの方からドライバーが配達して、受取のお客様にお届けするというのが基本的な仕組みでございます。

最近、センターの数が多うございますが、宅急便の場合、大都市圏におきましては、車を使わない集配を結構進めておりまして、地球環境の問題、あと駐車場問題も含めまして、台車ですとかリヤカー、自転車、こういったものがありますので、数は今非常に増えている傾向にございます。

続きまして、次のページが全国のネットワークの時間軸のイメージでございます。関東、すなわち東京を基点にいたしますと、翌日エリア、翌日の午後エリア、翌々日の午後エリアがございます。大体こういった分布で、あとは時間・距離に応じていまして、東北の人でしたら関西までが翌日エリアといったような形になっております。現在、社員はグループ全体では16万人ございます。半分が正規雇用です。平日1日で実際に忙しいときを除きますと3万5,000台ぐらいが車では走っております。この全国ネットワークはすべて自社ネットワークで持っておりまして、ユニバーサルサービスという意味では、北海道あたりに行きますと、1個の荷物で50キロ走るとか、こういったことも自社ネットワークの中ではやっておりまして、コモンキャリアとしまして全国均一サービスというものを行っております。

続きまして、全体のサービスとか数の伸びのイメージでございます。1984年に1億個を突破いたしまして、ゴルフ宅急便がこの辺に出てきた年でございます。1993年、この年に5億個を突破しております。その間にスキー、ゴルフ、1986年の代引、クール宅急便、空港宅急便、タイムサービス、こういった商品の開発が進んでおりまして、1993年には12月1か月で1億個といった数を取り扱っております。1996年には365日営業をしました。そして、翌年の1997年に、実はこのとき、1997年に本当の全国ネットワークが完成いたしまして、小笠原地区、すなわち有人の離島も含めて、ここで初めて全国の本当のネットワークが完成した時期でございます。現在はこちらにございますとおり、年間12億強の数を取り扱わせていただいております。こういった沿革、サービスを前提としまして「宅急便コレクト」という代金引換サービスが進められているわけでございます。

では、ここから宅急便コレクトの代金引換サービスそのものにつきましてご説明をさせていただきます。

まず、代金の引換サービスと申しますのは、通販事業者様などの販売者の商品を購入者に配達するときに、その場で同時に販売者に代わりまして商品代金を集金するサービスとなっております。全体のスキームといたしましては、販売者様と購入者様の間で売買契約が成立します。これは、例えば通販のカタログを見て電話をしてですとかファクスをして、またインターネット上で申し込んでといったことによりまして、この商品を買うから送ってくださいということで契約が成立いたします。そのとき、販売者は購入者に対しまして、商品代金や決済の方法をどのようにしますかという確認をします。その中で、物が来たときに払うよという代金引換で送っていただいているものが、ここで言います代金引換サービスになります。

販売者は、ヤマト運輸で商品を発送しまして、ヤマト運輸宅急便は購入者の自宅にお届けしまして、商品とこの場で現金と引き換えて領収書を発行いたします。集金した商品代金につきましては、ヤマト運輸を経由しまして、この全体の精算を行うヤマトフィナンシャルにお金が送金されます。ヤマトフィナンシャルは、販売者との間で事前に取り決められた精算条件によりまして、販売者へお振込をするといったスキームでございます。代金引換サービスにつきましては、ヤマト運輸の社員が販売者に商品を取りに伺って購入者にお届けしておりますので、原則的には販売者ともに購入者の住所やお名前、こういったものがはっきりわかっている関係になっております。

続きまして、次のページにまいります。利用条件がいくつかございます。ここでは契約についてお話をいたします。

まず、販売者と購入者の間には、買うよ、売るよといった売買契約があるということがまず前提にございます。そして、代金引換サービスをご利用に当たりましては、事前に販売者とヤマトフィナンシャルの間での契約があります。ヤマト運輸との間の契約は、運送委託契約になります。ヤマト運輸と弊社との間では集金委託契約が必要となって、この契約を個別に結んでおります。ちなみに、ヤマト運輸とヤマトフィナンシャルの間では業務委託の契約がございます。利用運送に当たります。これは、単に商品を運ぶだけではなくて、決済した代金を所定の口座に振り込む必要があるために、あらかじめ契約関係が必要となるということでこれを行っております。これが全体のイメージで、契約関係になっております。

それでは、次のページをご説明申し上げます。実際のご利用に当たりましては、ヤマトフィナンシャルと代金引換サービスの契約をするに当たりまして、ヤマトフィナンシャルには実はこの審査と営業をする人間がおります。まず、販売者に対しまして一定の審査をしておりまして、概念的には次の4つのことをしております。

1つ目が、販売者そのものの本拠地もしくは実店舗、こういったところにお伺いします。それから取扱品目、こういったものを目視させていただきまして、現実にやっている会社か、販売品目があるかといったものを確認させていただいております。それから、その際に取扱商品が公序良俗に反していないことということも確認させていただいております。それから出荷動向、これはある意味の途上与信でもございますが、この辺は数字的に押さえさせていただきまして、お客様がどのような状況にあるかというのは確認させていただいております。

例えば、特定の販売者様から急激な商品の発送があると。これが急に増えるとか、急に減るとか、この辺は経済的な意味での危険もありますし、また商品そのものに何かあったとき等もありますので、こういった数字が出た場合は、私どもの方では翌日にはそのリストが出てまいりまして、確認にお伺いするといったような仕組みをとらせていただいております。

また、返品率が高いお客様につきましても、一定の理由があるはずでございますので、返品率が高く一定の比率を超えますと、これも現実にそちらの会社なりお店の方にお伺いをするという仕組みをとらせていただいております。そういった中でイレギュラーを極力抑えるという牽制管理の仕組みを持っているということでございます。

続きまして、もう一つの利用条件、続きでございます。通販事業者様等への代金引換サービスにつきましてのご精算方法になりますが、まずご精算方法には集金払いというものと立替払いというものがございます。集金払いというのはどういうものかといいますと、これは購買者の方からお金をお預かりしたものを一定の条件で販売者の方にお渡しする、これが集金払いでございます。立替払いにつきましては、これは発送データをもとに、取決めによりまして、何日かの後にお金が入るかどうかにかかわらず、事前に立替えをさせていただいている。ただし、これはお金をあくまで債権債務の買取りはしておりませんで、一時立替をしまして、返品等の場合には翌週精算時、次回精算時にそこで精算をさせていただくといった形式をとらせていただいております。この絵に関しましては、今のことを絵にしたものでございますのでご確認ください。

続きまして、次の4番目、支払のサイトでございます。支払のサイトにつきましては3つございます。まず1つがごとう日払いというのがございまして、5日、10日、5・10日(ごとう日)ごとに締めまして、それぞれ5日後にお振り込みをさせていただいております。これは先ほど言いました集金払い、立替払い両者ともに適用でございます。また、週払いというのがございます。週払いというのは、毎週金曜日に締めまして、翌週の水曜日にお振り込みさせていただくという仕組みでございます。それから月払い。月払いにつきましては、月末ごとに締めまして、翌月の8日にお振り込みをさせていただくという仕組みでございます。

後ほど質問があるかと思いますので、ここであらかじめ少し数字を申し上げますと、週払いが全体の3分の2強でございます。全体の平均でございますが、現金が私どものグループにある平均日数は約10日でございます。月払いのもの、週払いのもの、5・10日払いのもの、全体のアベレージで約10日でございます。平均でございますから、月払いのものは平均でもう少し長うございますし、週払い、ごとう日払いはもう少し短いというのが当然のことでございますが、大体そんな数字でございます。大体こういった要件でサービスを提供させていただいておるのが現状でございます。

少しここでサービスについてご説明申し上げますと、代金引換による通販サービスというのは、もともとは宅急便ができる前から、物流事業者は百貨店さんの代引というものを行っております。その代引から発展させまして、やはり通販業ですとかの世の中の動きが大きく伸びる中で、こういったものに対しまして売り手の不安、お金をちゃんと払ってくれるかという不安。買い手の不安、物がきちんとしているかという不安。この2つの不安を同時に解決する手段としまして、こういった決済付き宅配というものを開発した次第でございます。

ここにありますとおり、販売者様は店頭以外に販路を拡大したい。後払だと心配だ。購入者様は、遠く離れた場所の特産品やそこでしか買えないものが欲しい。しかし、前払は不安だ。これに対しまして、代金引換サービスによりまして販路が拡大し、回収率が上がる。購入者様にとりましては、特産品が買えるし、物を見てからお金を払うことができる。こういったことで取引が拡大しまして、市場の拡大の一助には、これはヤマトグループがということではなくて、物流業者全体として市場を大きくしているのではないかというふうに理解をしております。それは数字的にはどういうことかと申し上げますと、ピンクの

方が通販市場の伸びでございます。こちらは1992年には1兆8,400億円ぐらいの数字でございまして、2006年には3兆6,800億円になっておりますので、これはJADMA(Japan Direct Marketing Association:(社)日本通信販売協会)から抜粋でございますが、おおよそ200%この間に伸びております。ヤマトフィナンシャルの決済サービスのほうにつきましては、あくまで宅急便コレクトに限らせて申し上げますと、1992年の約880万件に対しまして、2006年が8,600万件といった数字になってございます。

そして、代金引換サービスのポイントについてご説明をさせていただきます。

まず、商品代金を代理受領し、領収書を発行する。それによりまして、その場で領収書を発行しておりますので、基本的には二重請求の防止ということだと理解をしております。また、商品配達と同時に代金を回収しますので、代金だけ払わせるといった詐欺、そういったものの防止にも一助をなしているというふうに理解をしております。

それから、支払サイトが最短で5日、先ほど平均を申し上げましたので、私どもも実はあまりお金がそこで滞留をしていないと。具体的な数字は厳しいんですが、イメージで申し上げますと、支払日の前日か、支払った翌日かで、BS上の流動資産のところの現預金は11桁の数字が変わってしまいます。要するに100億単位でこの数字は変わるということでございます。かなりここは短いサイトで回しておりますので、資金がここではほとんど私どもに滞留していることはないということでございます。逆に言いますと、それが売り手にとりましては、キャッシュフローの改善ということだというふうに理解をしております。一般的に1か月ですとか2か月かかるものに対しまして、いわゆる宅急便コレクトといったものを使いますと、短いサイトでお金が入ってくるということだというふうに言えると思っております。

それから、発送から精算まで、お金と物の流れ、この2つを情報処理で管理しております。先ほどのものをちょっとだけ思い出していただきますと、もう一度申し上げますと、まずお客様から、出し主様、販売者の方から荷物をお預かりしますと、発生主義でその場で計上いたします。要するに、物を預かった。運賃はいくらだ。それから、同時にそこで品代金はいくらだといったものをそこで計上いたします。それがホストコンピューターへ行きまして、途中で通過情報等がありまして、配達のところへ行きますと持出し情報があって、そこで最後にお客様の配達情報へ行きますと、ドライバーが持っておりますハンディーターミナルでは、自動的にそこで入金の確認の仕組みが動きまして、現金と一致させていくと、そういった仕組みになっておりまして、物の流れと情報の流れとお金の流れをここでは一致させているといった仕組みになっております。

それから、商品代金の上限は30万円以内とさせていただいております。これは、当時これ以上のものはまず通販では扱わないだろうと、今でもほとんどないと思いますが、扱わないだろうということと、それからあまり大きな金額を扱うことが、こういった通販としても特例であり、私たちとしてもあまり好ましくないということで、これをひとつ30万円と規定させていただいております。それから、商品の配送は伴った商品だけの決済をということで、あくまで宅急便コレクトにつきましては物と一致させていると。それから契約時、商品受取時に販売者の実態を確認していることと、受け取るときも原則ご本人様配達ということにさせていただいております。

こういったことによりまして、途中でその輸送に係る事故ですとか、そういったものはないとは申し上げませんが、決済そのものに係る事故というのは、この20年間、そのこと自体は1件も事故がないというのが実態でございます。

ここまでが、宅急便コレクト、代金引換サービスについてのご説明とさせていただきます。

続きまして、オークション宅急便についてご説明します。こちらは今日、参考人としまして弊社の部長が来ておりますので、佐々木の方からご説明申し上げます。

○佐々木参考人

それでは、引き続きまして「オークション宅急便」についてご説明をいたします。オークション宅急便とは、さまざまなオークションサイトで落札されました商品を利用者が安心して取引できる決済と配送を融合させました宅急便サービスです。

オークション宅急便は、落札金額を支払ったけれども、本当に商品が送られてくるのかが不安だとか、見知らぬ相手に住所や名前を教えるのに抵抗がある、また、送られてきた商品が落札した商品と違うといったオークションをご利用のお客様の不安を解消するために、2007年に開発したサービスでございます。オークション宅急便の決済手段には、代金引換のほか、クレジットカード決済やイーバンク銀行さんの決済もあるんですが、本日は代引を基本にご説明をさせていただきたいというふうに思います。

それでは、次のページをお開きください。このフロー図をもとに、オークション宅急便の概要をご説明いたします。オークション宅急便のご利用に当たっては、あらかじめオークション宅急便の利用者登録を行っていただきます。利用者登録後、ヤマト運輸の社員がご登録いただきました住所にオークション宅急便IDの入った封書をお届けしまして、本人様の所在をまず確認をいたしております。ご利用の方は、お届けしたオークション宅急便IDを利用してログインすることで、商品の出品や落札ができるようになっております。オークション宅急便は、各社様が提供されているオークションサイトで売買契約を成立させた後、双方がオークション宅急便を利用するという合意の上でご利用いただくという流れになっております。

出品者が、オークション宅急便のサイト上で落札された商品の取引内容を登録することで、落札者宛の取引内容の確認メールが送信されます。落札者は、出品者が登録した内容を確認し承認いたします。承認した結果は、出品者にメールで通知されますので、出品者は送り状を発行の上、落札者に商品を発送するという形になります。

ヤマト運輸は、商品のお届けと同時に商品代金を集金し、領収書を発行いたします。オークション宅急便の場合、特別の対応といたしまして、商品受取日の翌々日の正午まで、時間で言いますと36時間、商品確認の時間がございまして、この時間内であれば落札者の方は商品に問題がないか確認を行いまして、万一の場合、決済の取消しやキャンセルを行うようになっております。キャンセルがなければ、概要図の流れに沿いまして、集金日の4日後に商品代金を出品者の方に支払います。

万一キャンセルが発生した場合につきましては、ヤマト運輸は決済を中止します。また、落札者の方は一旦受け取りました商品を出品者に返送するという流れになっております。返送いたしました商品が出品者の方に到着しましたら、その2日後にヤマト運輸はお預かりしております商品代金を落札者の方に返金するという仕組みになっております。

また、このオークション宅急便の商品の配送に当たりましては、通常の宅急便とは別に匿名配送を行っております。匿名配送というのは、ヤマト運輸に商品やお名前の登録はいただくのですが、宅急便の伝票には相手様の住所や名前が表示されていないため、出品者、落札者の双方の方は、自らの住所や名前を相手の方に知られずに商品の配送ができる、そういった宅急便の仕組みでございます。

以上がオークション宅急便の概要でございます。

次のページをお開きください。ここでは、先ほどの宅急便の安心のポイントと同じように、オークション宅急便についての安心のポイントをまとめさせていただいております。

オークション宅急便では、従来の代引のサービスの安心ポイントに加えまして、オークション宅急便独自の安心ポイントがございます。これによりまして、より安心、安全にお取引いただくことができるようになっております。一部繰返しになりますけれども、1つ目には商品代金を受領して領収書を発行しておりますので、二重請求の防止につながっているというふうに考えております。また、2つ目には商品配送と同時に商品代金を集金しておりますので、代金の詐取の防止ができていると思っております。また、3つ目には代引よりさらに1日短い4日の支払サイトになっておりますので、個人の皆様のスムーズな現金化、商品を出してスムーズに現金化できるということにつながっております。4つ目には、発送から精算までのお金の流れをシステムですべて管理しておりますので、非常に安全性の高いシステムになっているのではないかなというふうに考えております。5つ目には、商品代金の上限は30万円までの少額の決済に限定をさせていただいております。6つ目には、商品の配送が伴った商品代金の決済を行っております。

こういった宅急便に準じましたポイントに加えまして、さらにオークション宅急便独自の安心ポイントといたしまして、1つ目には先ほどもご説明させていただきましたけれども、落札者の方は商品受取後、36時間以内であれば決済の取消しができるようになっております。また、2つ目には住所や名前などの個人情報を開示することなく、先ほどお話しさせていただきました匿名配送で取引を行うことができるようになっております。このようなさまざまな安心のサービスを提供することで、ご利用者の方の利便性の向上と、オークション市場の活性化に努めているというふうに考えております。

以上で、ヤマトフィナンシャルが提供しております「代金引換サービス」及び「オークション宅急便」の説明を終わらせていただきます。

ご清聴いただきまして、ありがとうございました。

○岩原座長

どうもありがとうございました。それでは、ただいまの芝﨑様と佐々木様のご説明に対してご質問等ございましたら、どうぞお願いしたいと思います。

和仁委員、お願いします。

○和仁委員

ご説明ありがとうございました。非常にわかりやすいご説明でした。

この受け取られた資金について、販売者に渡さなくてはいけないお金ですけれども、別の口座で預かられているんでしょうか。それとも、ヤマトさんの固有の口座というか、ご自身の口座で預かっていらっしゃるんでしょうか。

○芝﨑委員

ヤマト運輸では運賃や何かと一緒です。フィナンシャルに入りますと別口座です。私のところはお金をそういう管理する会社ですから、品代金の口座でやっております。

○岩原座長

吉野委員、どうぞ。

○吉野委員

先ほどのご説明ですと、ほとんど問題なく今までずっとうまくいっているようなお話だったんですけれども、何か途中でトラブルがあったら教えていただきたいことと、それから商品の売手の方で、しょっちゅう返品がある売手さんとか、あるいは買手の方で返品が多いとか、そういう場合にはその商品を受け取らないとかいう形でトラブルの防止をなさっていらっしゃるのかどうか。

それから、ネットワークの、コンピューター上に全部の情報が登録されて、東京とかどこかで1つで決済されているのかどうか教えていただきたいと。

○芝﨑委員

それでは、トラブルにつきまして申し上げます。

まず、中身が違うじゃないかといったようなトラブルはゼロではないわけですね。それは、箱を開けなかったらわからないところがあります。そういった場合、返金しろといった場合は、原則として加盟店を私どもで指導しまして、返金させるようにさせていただいております。明らかに買手側に落ち度がなくて、加盟店側に問題があった場合につきましては、その購入者側のほうと相談をして加盟店に指導していくという形をとらせていただいているというところが一つ。

それからあと、加盟店そのものが詐欺だったというケースが、現実、新聞に載っていますからございました。昨年の春に、スーパー何とかという、中国で、質屋さんでもわからないというブランド品のものがあって、これの摘発のときに私どもを使っていたというのがあります。このときは警察から打診があった段階から全面協力しまして、全部実はお金は払わないでこちらで押さえまして、最終的に返金があるものは裁判、それから警察を通じて返金をするという形で全部供託をかけて対応させていただいておりました。

大きなトラブルというのはそういうところで、あと荷物を壊したのはだれか、届いてから壊れたのかとか、輸送中に壊れたのかといった問題がございますが、その辺は適宜必要に応じて対応させていただきまして、明らかにおかしいなというもの以外は、どちらかというとヤマト運輸及びヤマトフィナンシャルの方で負担をするケースが現実は多いというところでございます。

あと、返品に関しましては、個人の方の返品に関しましては、実は最近、通販の買い方で少しサイズを変えていくつか取ってみて、着てみてからこれがいいといって返品をする。色違い、モデル違い、こういうのがありまして、個人の方の返品に関しては、一切何ら我々はかかわりなく返品を受け付けておりまして、これは逆に通販の加盟店の販社の方とも、もうそれは仕組み化する時代ですよねという話が進んでいると。

逆に、一定の加盟店から返品が多いケースにつきましては、実はこれ、チェック帳票をいくつか作ってありまして、まず立替払いされていたお客様はすぐ立替払いをやめますし、それから集金払いのお客様に対しましても、営業マン、審査マンが行きまして内容を再度確認させてもらいまして、一番問題があるといった場合には取引停止させていただいております。これは現実に年に何件かは起こりまして、やはりそのヤマトブランドを使ってその詐欺的行為は困りますので、非常に私どもブランドが傷つきますので、それはもうお断りしています。

それからあと、最初の審査もありますし、そのときにクレジットカード系等が一緒にやる場合は、クレジットカード会社さんの審査というのは、それぞれの会社によって多少ニュアンスは違うんですが、実は一番厳しいところにそのまま準拠させてもらっています。これは私どものリスクも踏まえてそこに合わさせていただいています。そんな形でこれはやらせていただいております。

それから、コンピューターネットワークは、それは全部ホストで、東京にありますホストで基本処理を1か所でやっております。ただし、バックアップとしまして、東京の方にホスト1に対してバックアップ1がありまして、大阪の方にバックアップ1、バックアップ2がありますから、四重化というんでしょうか、そういった処理をさせていただいておりまして、宅急便のデータ及び品代金データ、それにつきましては四重化保全処置ということで、同じ建物内のメイン1、2の関係でのダウンでしたら数秒で切り換わります。東京、大阪ですと5分ぐらいかかると思いますけれども、そういった形でバックアップはさせていただいております。

○岩原座長

米澤委員、どうぞ。

○米澤委員

手数料ですけれども、この代引を選択したときに、通常の宅急便の送料にプラスして、その代引の手数料というのを当然お取りになっているんだろうと思うんですが、その水準というのはどのぐらいかということ、もちろんそれは当然発送者からのみお取りになるんだと思いますけれども、その水準と、それからこのオークションの場合の手数料とこの普通の代引でやる場合の手数料とが同じなのか違うのか、その辺を教えていただけますか。

○芝﨑委員

手数料の平均単価でございますよね。

○米澤委員

というか、単純な送料との比較がわからない。

○芝﨑委員

まず、送料とは別に確実にいただいております。まず完全に別ですと、これが一つございます。手数料につきましては、9ページに出ているとおりなんですけれども。

○米澤委員

あっ、これがサービスだけの手数料ですか。

○芝﨑委員

はい。運賃とは別でございます。

○米澤委員

運賃とは別。

○芝﨑委員

もちろん相対商売のところもありますが、これが標準価格でございます。

○米澤委員

そうすると、大きさとは関係なく、これは金額だけで。

○芝﨑委員

そうです。オークションについては……。

○佐々木参考人

オークション宅急便につきましては、代引についてはこちらの代引手数料と同じ金額でいただいております。

○岩原座長

ほかに何かどうでしょうか。

金丸委員。

○金丸委員

17ページの図で、最初に出品者、落札者というのは、そのヤマト運輸さんに事前登録するということになってございますよね。このときのIDとその下の取引の流れで外部オークションサイトで実際の取引が成立すると思うんですけれども、この外部オークションサイトも複数あって、この外部オークションサイトもそれぞれIDで登録していますよね。その関係と、そしてそのヤマトフィナンシャルさんのところで実際業務委託なさっていて、そのお金の何か決済の機能といいますか、そこになっていらっしゃると思うんですけれども、そのときのヤマトフィナンシャルさんにおけるその個人のIDというんですか、いわゆるIDの種類とその扱い方について、ちょっとご説明いただけますでしょうか。

○佐々木参考人

まず、ヤマト運輸のオークション宅急便をご利用の際にIDがございますけれども、これは外部のオークションサイトでご利用になっているIDとは、基本的には一致していないといいますか、特に関連性がありません。外部のオークションサイトでどこのサイトであって、どういったお取引をしているかにかかわらず、出品者の方、落札者の方相互がオークション宅急便でやりましょうと合意しますと、事前に出品者、落札者の方がオークション宅急便IDが必要になって、利用者登録が必要になりますけれども、ご利用いただけるという形になります。

ご利用いただくに当たりまして、代引で基本的にやっていただくわけでございますけれども、出品者の方、実際に後ほどお振込が必要になりますので、お振込先口座につきましては、ヤマト運輸のID登録のときに登録をいただきますと、そのお振込先の情報が私どもヤマトフィナンシャルの方に連絡が来まして、そのお振込先の情報に従いましてお振込をするという流れになっております。

○岩原座長

はい。よろしいでしょうか。

では、原委員。

○原委員

金丸委員と関連したあたりのことの質問なんですけれども、まずこのオークション宅急便というのがどれぐらいの市場規模で今行われているのかという、前半の代金引換は市場規模が出ておりましたけれども、どれぐらいかというのが1つと、それからもう1つが、オークションは、例えば後半ちょっとご説明があると思いますけれども、いろいろなオークションのサイトがあって、そこで詐欺もどきみたいな、それから詐欺みたいなものも入り込むわけですけれども、その際の責任のようなものは、今の金丸委員の質問への回答で見ると、全くその代金を支払うところだけなので、全く責任は負っていないという仕組みのように聞こえたんですけれども、やっぱりそのとおりですかという確認をしたいということ。

それから、18ページですけれども、実際に決済の取消しができるというのが36時間以内ということで1日半なんですが、例えばクーリングオフのようなものであれば8日というような期限の定めがありますから、何かそれに比べると非常に短い時間で切っておられるというので、この3つの質問ということで、この36時間というこの短さはどういうところから決められたのか、お聞きしたいと思います。

以上です。

○芝﨑委員

市場規模から申し上げます。私どもが扱っていますのは、現実的には年間1,000個いきません。決済が終わってしまったオークションの商品を宅急便で運ぶ数は相当数ございますが、決済付の数は、サービスは提供しておりますが、年間で1,000個ないという現状でございます。ですから、メニューには持っていますが、どうかというようなところの位置づけではございます。

それから、36時間は4日間から逆算でございまして、品代金については出品者の方に4日目にお支払いしますから、そこの4日間が最初にありましたので、そこから振込ぎりぎりのところがおおよそ36時間でございまして、その振込、約定のお金を払うところからの逆算でぎりぎり待てるのが36時間というのが、この計算、仕組み、理屈でございます。

○佐々木参考人

先ほどの詐欺等が発生した場合の対策がきちんととられているかということでございますけれども、あくまでもオークション宅急便につきましては、商品をお届けした後、購入者の方は、落札者の方は確認をすることができます。ですので、商品を確認して、さらに36時間以内にそれが正しいかどうか確認をすることができますので、詐欺に対しては防止ができているというふうに考えております。

以上でございます。

○岩原座長

よろしいですか。

じゃ、高橋委員。

○高橋委員

このオークション宅急便について、代引サービスのところでご説明いただいたわけですが、そのほかにイーバンク銀行での引落しとクレジットカードがありますね。この3つを比べた場合に利用者の比率はどんな感じなのかというのと、それぞれのメリット・デメリットを教えていただきたいと思います。

○芝﨑委員

クレジット、それからイーバンクの現金の比率でございますか。

○佐々木参考人

オークションのでよろしゅうございますか。

○高橋委員

はい。オークション宅急便で。

○佐々木参考人

オークション宅急便の今現状でございますけれども、代金引換が約8割でございまして、あとイーバンク銀行の比率が大体10%強でございます。今クレジットカードが一番件数的にも金額的にも非常に少ないというのが現状でございます。

クレジットカードが少ない理由につきましては、先ほどはご説明しませんでしたけれども、金額の上限を設けておりまして、1件3万円までという上限を決めておりますので、その結果クレジットカードのご利用が少ないという現状がございます。

○岩原座長

よろしいですか。

じゃ、高橋室長。

○高橋決済システム強化推進室長

3点ほど技術的な点を確認させていただきたいんですが。

1点目は、領収書の発行はフィナンシャルで切っておられるのかヤマト運輸で切っておられるのかという点です。

2点目は、電子マネーあるいはクレジットでの支払があると思うんですけれども、そのときは端末を持っていって、その端末の利用をしていただいているのか、それともヤマトフィナンシャルさんがまずお金を受けて送るという、現金に代えてクレジット等でヤマトさんに支払うという仕組みをとっているのか、いずれなのかという点です。

3点目は、配送者の方の審査をされておられると言っておられるんですけれども、そのときに当然、その会社の実存みたいなものも確認された上で、さらにその扱っておられる商品の良し悪しというか、反社会的であるか等というところまで見ておられるのか。どの程度その審査というか、契約の際に見ておられるのかについて教えていただきたいと思います。

○芝﨑委員

1点目の領収書ですが、ヤマトフィナンシャルの領収書になっております。したがいまして、余計なことですけれども、印紙税等も全部私どもの方から届出をしてやっておるという仕組みでございます。ただ、本当にごく一部のお客様が、お客様独自の領収書を伝票に入れまして、お客様への発行が一部ございます。

それから、2点目の電子マネーとクレジットのところ、もう一度ご質問いただけませんでしょうか。

○高橋決済システム強化推進室長

電子マネーあるいはクレジットで支払をするときに、誰に対する支払かということで、例えばヤマトさんは物を運んでいるだけですから、代金というのは本質的に販売をされた方に行くわけですね。そうすると、電子マネー、Edyとかで払うとすれば、そのEdyの支払は、端末によって販売者に支払うのか。販売者に対して支払うとすれば、ヤマトさんは介在する必要はなくなるんだと思うんですが、そうではなくて、加盟店としてのヤマトさんに電子マネーとかクレジットでお支払をした上で、それでもう一度送金を行うのかという点です。

○芝﨑委員

後者でございます。電子マネー、クレジットに関しましては、ヤマト運輸とヤマトフィナンシャルの関係は、うちが包括加盟店でグループの中でなっておりますので、すべての窓口は私どもになっているということでございます。

それから、3点目の審査ですけれども、審査は佐々木の方が少し詳しいので佐々木の方から。

○佐々木参考人

販売者の審査につきましては、基本的にすべての加盟店様に対しまして、ヤマト運輸のドライバー若しくはうちの営業マンがお邪魔しておりますので、そこの建物が存在しているのかですとか、商品の中身について、実際に全部確認をしているというふうに認識をしております。

○岩原座長

いいですか。それでは、少し私からも聞かせていただきたいと思います。

代引などをするときの配送担当者がお金を受け取って、事務所の方に戻られてから、さっきのお話ですと一旦ヤマトフィナンシャルの口座にそのお金を入れるんでしょうか。そのときのそのお金の管理、持って帰ったとき、その後どのようにして、どの口座に入れさせることにしているかとか、それを何時間以内にするとか、そういうことをまずお聞きしたいのが第1点。

第2点といたしまして、先ほども詐欺の例をおっしゃいましたけれども、それ以外にも多分いろいろトラブルはあり得ると思います。そういうときには支払を止めるということもちょっとおっしゃっていましたけれども、その判断をどうやってやるのか。当然それぞれの言い分があるわけでしょうから、それをどう判断し、どうにも判断がつかない場合はどのように対応されているのか。さっきの原さんのご質問の、いわばクーリングオフが36時間という時間でできるのかという質問にもかかってくると思うんですけれども、その36時間以内に判断できないような場合どうするのかというのが第2点。

第3点が、支払サイトが最短5日と短く、資金が滞留しないというふうに書かれていますが、逆に一番長くなるのはどれぐらいなのか。その場合の資金の管理、最初の質問にかかわってきますけれども、それをどのようにされているのか。その3点を伺えればと思います。

○芝﨑委員

それでは、お金の流れですが、まずドライバーが集金をいたします。そうしますと、ヤマト運輸の営業所に来ますと手持ちのハンディーターミナルでの現金計が出ます。これは運賃だとかコレクト以外のもの全部含めて、明細は別にありますけれども、合計がありまして、実はそこに入金機という機械がありまして、これは大手2社の警備保障会社さんにお願いをしまして、そこに現金を入れましてレシートが出ます。その段階で、これはもうお金が触れない状態になりまして、そこから警備保障会社経由でヤマト運輸側の口座に一旦運賃も入っていますので振り込まれまして、その中ではもう実は電子的には仕分けが終わっておりまして、その電子的に仕分けが終わったものを3日のサイトでヤマトフィナンシャル側の口座に振り込まれます。その際には、やはりこちらが電子データを持っておりますので、そこの数字の一致等を確認しまして、まれに過不足がありますので、それについては確認をして処理をすると、お金の流れはそんな形でございます。お金の流れはこれでよろしゅうございますか。

それから、最長の支払サイトは、月払いになりますので、7月1日にお預かりした品代金が、8月8日ですとこれで39日、これが多分最長のサイトになると思います。

○岩原座長

そうすると、その間の約一月ぐらいのフロート期間は、何らかの形で運用される性格のものですか。

○芝﨑委員

そこは、一切運用しておりません。私どもの方の口座でそのままになっております。

○岩原座長

当座預金口座みたいなところ、あるいは普通預金……。

○芝﨑委員

当座です。

○岩原座長

当座に入っている。一切預金金利がつかない形。

○芝﨑委員

小倉が先見の明があったと思いますのは、小倉昌男の方ですけれども、こういうお客様から預かったお金と自分たちのお金は分けるべきだ。だから、会社を別にしよう。運送屋が現金管理するとぐちゃぐちゃになるので、分ける。発想が元々それでございましたので、ここは完全に口座が分かれておりまして、一切運転資金とは関係なく保持されているというのが現状でございます。

それから、2つ目のトラブルのときですけれども、ちょっと私から説明して佐々木から補足させますが、業者の言い分で判断がつかないケースにつきましては、弁護士と相談しまして都度供託をいたします。金額が小さいときだと全部しますかと言われますと、金額が小さいその紛争というのがほとんどありませんので、実際起こすのは結構大きな金額になりますので、そういった場合は弁護士と相談しまして、基本的に手を挙げちゃうんですね、供託をして。そういう形をとっております。

○岩原座長

法務局への供託をされているということですね。わかりました。

○芝﨑委員

ちょっと補足があると思いますので。

○佐々木参考人

私どもでお預かりしている商品につきましては、宅急便でお届けしておりますので、お預かりした基本的には翌日ですとか翌々日には現金化されているというのが実態でございます。宅急便ですので、ほぼ90%以上、金曜日に締めて水曜日に払いますと、基本的には99%は現金化されているというか、集金が完了しています。ですから、そういう悪意を持った方の荷物というのは、もうその時点ではほとんど逆に集金されていないのですごく目立つんですね。

ですから、お客様が、うちが悪意を持っているとか持っていないとかというよりも、その事実をもとに、おたくはきちんとした入金がされていないので、お振込はできないという形できちんとお伝えすれば、今現実にはお振込しないでやれると。詐欺の場合であっても、実際には資金をうちから変な振込をしないで止めることができるという現状がございます。

以上、補足でございます。

○岩原座長

どうもありがとうございました。よろしゅうございましょうか。

それでは、高橋さん。

○高橋委員

先ほど3つの決済方法を伺ったんですが、約款で見ると、クレジットは確かに3万円なんですけれども、30万円というのはイーバンクの場合で、いわゆる代引は25万円じゃないかというふうに読めるんですが、私の読違いでしょうか。

○佐々木参考人

今のご指摘はそのとおりでございまして、今回オークション宅急便につきましては、基本ラインで最大のお取扱金額が30万円という思いがございまして、本日の説明は30万円というふうにさせていただきました。今、イーバンクさんの決済は30万円、宅急便の場合は25万円、クレジットカードの場合は3万円というふうに差をつけておりまして、クレジットカードにつきましては、クレジットカードの悪用を防止するためが基本でございます。代金引換につきましては、通常の商品としては30万円なんですけれども、オークションの性格上、商品代金プラスそういった決済手数料などを付加して決済されることが多うございますので、そういった手数料とかが付加されることを加味した上で最高の金額、代引の最高金額を25万円というふうにいたしました。

実態としまして、決済が行われている金額というのは、2万円ぐらいでございますので、そういった金額を25万円にしたりしても、ほとんどの方に対しては影響がないというのが現状でございます。

○岩原座長

よろしいですか。

○高橋委員

すみません、もう1点。キャンセルしたときのいろいろな手数料とか収入印紙とか、そういうものが発生するようですけれども、それはどういう形で回収していらっしゃるのか教えてください。

○佐々木参考人

基本的には、私どもの場合は、手数料等につきましては購入者の方が負担というのが原則になっております。オークション宅急便につきましてです。

○岩原座長

よろしいですか。

○高橋委員

そういうと、その場でキャンセルという形になる。そこで集金して帰るということですか。

○佐々木参考人

商品をお届けした際に、最終的にキャンセルとなった場合につきましては、最終的に手数料部分をいただく方がいないので、手数料自体は社内で私どもが負担していて、決済手数料については両方からいただけないので、いただいていないというのが現状です。

○岩原座長

よろしいですか。

それでは、どうもありがとうございました。

続きまして、「受け取り後決済サービス」などにつきまして、ヤフーの別所様からご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○別所委員

ヤフーの別所でございます。私の方からは、ヤフーの方で今いろいろな提携先と一緒に提供しております「代金支払い管理サービス」と「受け取り後決済サービス」についてご説明させていただきたいというふうに思います。

両方とも、実はオークションの決済サービスということですので、最初にオークションの概要、既にご存じだと思いますけれども、ご説明させていただければと思います。

インターネットオークションというサービスの決済部分を提供しているんですけれども、インターネットオークションというのは、名前がオークションとなっていますけれども、実際はご存じのようにオークションではなくて、一種のコンピューターを使った広告掲載システムみたいなもので、最高値の人に商品の取引をするきっかけが与えられるように、出品者と落札者双方に連絡先のEメールのアドレスが飛ぶという仕組みになっております。落札によって自動的に取引が成立するわけではなくて、落札後の出品者と落札者の間のいろいろなやりとりで最終的に取引に入るかどうかを決めていただくというような部分です。

システム的にはそういうふうになっておりますので、オークションの運営サイドとしては、落札後どういうやり取りをされたのかというのは全くわからない状況になっております。その中で、後ほど述べますように、いろいろなことを考えて決済のシステムの提供を始めたというところでございます。

今インターネットのオークションというのは、もともとCtoCの取引が中心だというふうに言われておりましたけれども、若干実態を申しますと、店舗としてオークションに参加されている方の取引量が全体の4分の1弱ぐらいになっております。これは私どもが店舗だというふうにわかって契約をしている方ですので、個人としてご登録いただいているんですけれども、実態的に取引を繰り返していて、CなのかBなのかよくわからないという方を除く数値ですので、そういった方々を入れてくると、BtoCと言われている取引が占める割合というのは、比較的高くなっているのかなというふうに思っています。

諸外国の例を見ますと、欧米ではイーベイというところが最大手ですけれども、イーベイさんの状況からいうと、CtoCよりもBtoCの取引の場として現状使われるようになってきているというのが、インターネットオークションの実態というふうにお考えいただければというふうに思っております。

オークションの決済なんですけれども、まずオークションに参加していただくために何をやっているかというと、ここに配送本人確認手続というのがあるんですけれども、誰でも出品できるというふうに今実はしておりませんで、ヤフーのインターネットオークションに参加されたい場合、出品者については佐川急便さんと提携していまして、私どもが用意した出品者用のパスワードを書いた紙を届けていただくことになっています。その紙を指定した住所に佐川急便さんの配送の方が届けて、その場で運転免許証等の身分証明書を提示していただいて、住所が一致しているかどうか、写真が一致しているかどうかを確認した上で、運転免許証の番号を端末から入力していただいて、私どもに飛ばしていただいているという本人確認をしております。

実は、そのヤフーオークションが始まって、最初に始めた本人確認というのが、銀行の口座か、クレジットカードの番号を私どもへの支払のために登録していただくということで始めていて、今もそれは続いているんですけれども、出品者をかたる詐欺とかいうのは、ニュースでご覧になっていただいていると思いますけれども、なかなか減らずに、実際には銀行口座の売買とか、クレジットカードの不正な入手とかいうことですり抜けられるということで、ほかの銀行さんとかクレジットカード会社さんがやっている本人確認に加えて、自らの仕組みで本人確認を行おうということで、今言いました配送による本人確認というのを現状やっているというところでございます。

ですから、登録した住所に確かにその人が住んでいて、それが運転免許証にも記載されていて、写真等も一致しているというところと、その運転免許証等の番号が確認できるというレベルまでの出品者確認をしているというところでございます。

蛇足ですけれども、本人確認はそうやって番号がちゃんとわかる身分証明書を使っていますので、あいにく住基ネットのカードは使えません。あれは番号が表示されていないので、住基ネットのカードが何で使えないのかというクレームが総務省さんに入りまして、何とかならないかというようなご連絡をいただいたんですけれども、あいにく番号が使えないので、本人確認手段としては私どもとしては使えないというような状況になっているというところです。そういう手続をした後で出品物を出していただいて、落札者がいれば落札数値が飛んで連絡を取り合っていただくというところです。

ここまでが実はオンラインでできるようになっているのですけれども、やっぱり利用者の方々からすると、その後の手続についてもできるだけPCあるいはモバイル上でできればよいというようなご要望とかもありまして、出品者の方もできればすぐに決済の確認ができた方がいいというようなことがあって、決済の仕組みをオークションとは別に提供をし始めたということでございます。

今言ったようなニーズから、今私どもが提供していますのは「かんたん決済」というものと「ネットバンキング支払」というものでございます。これをちょっと先に説明させていただいて、後にエスクローとエスクローもどきのお話をさせていただきたいと思いますけれども、こういう支払方法にプラスして、より安全でトラブルのない取引のニーズというのがありますので、決済と配送をなるべく同じタイミングでできるようなものをしたいということで、そのかんたん決済とネットバンキング支払というものをベースにした受け取り後決済と、それから代金支払い管理サービスというものを今追加しているというのが実情でございます。

これはご参考までに申し上げますが、インターネットオークションで今一番頭が痛い問題はやはり詐欺でして、インターネットオークションに関する相談件数が、平成18年度は若干減りましたけれどもまだ多いと。実数でいっても1年前に比べると詐欺被害というのは大分減ってはきているのですけれども、まだまだ対策を継続する必要があるというような状況で、そういうものへの対応ということで、安全な決済方法ということを考えているものでございます。

これは先ほどちょっとご説明しました配送による本人確認のところの仕組みになっております。これから説明します決済も、すべて出品者についていうと、この配送本人確認済みの方についてのみ行われるものでございますので、そういう意味でいうと、決済でお金を受ける受手の方の確認は、一応できる限りしっかりしているものだというふうに私どもとしては考えております。

これが、次にクレジットカードを使ったかんたん決済の仕組みです。かんたん決済というのは、決済の仕組みとして銀行口座を使ったものとクレジットカードを使ったものと2種類ありまして、これはクレジットカード決済を使ったものです。これは簡単に一言で説明しますと、ネットラストというヤフーの子会社が、あおぞら銀行さんと一緒に作っているジョイントベンチャーなんですけれども、一旦立替払をさせていただいて、立替払をした商品の代金を後でクレジットカードで精算していただくというような仕組みになっています。立替払型のクレジットカードをクレジットカードなしに行っておりますので、クレジットカード的な観点からいうと、一種のアクワイアリング的な業務をしているというふうにお考えいただければありがたいなというふうに思っております。

クレジットカードの裏側では、オーソライゼーションをプロセッシングの会社に頼んでおります。ちょっと名前は書いておりませんけれども、スマートリンクさんという会社さんを通じてやっておりまして、あそこは認証のレベルを大分強化していますので、e-SCOTT(イースコット)という認証のレベルを使えるというところで、そちらと提携をさせていただいております。

この後、クレジットカードではなくて、銀行の口座を使った仕組みの図をご説明させていただきますけれども、ちなみにクレジットカードを使っている、かんたん決済をご利用いただいている中でクレジットカードによる決済を使っている場合と銀行の決済を使っている場合の比率が大体8対2ぐらいになっております。クレジットカードをお使いのケースの方が件数としては多いということです。

それと、ここには書いていないんですけれども、かんたん決済のもう1つのクレジットカードを使ったものの特徴は、クレジットカードの決済代金を落札者が負担するという仕組みになっているところです。普通はクレジットカードの場合は、商品を売った方が決済代金というのを負担する仕組みになっていますけれども、このかんたん決済のクレジットカード版というのは、実は決済に係る費用のところを落札者側が負担するというような仕組みになっているのも一つの特徴になっております。これがクレジットカードを使ったものです。

次が、今言いました銀行を使ったものです。銀行の場合には、立替払ではなくて収納代行スキームをとっておりますので、先にネットラストの銀行口座に入れていただいて、確認次第出品者の方にお金を送金するというような仕組みを採用しております。

その次がネットバンキングの支払のご説明をさせていただきたいと思います。Yahoo!ネットバンキングというのは、ヤフーが銀行をやっているわけではなくて、提携先の銀行さんといろいろなデータのやり取りをさせていただいていると。落札者とか出品者の意思表示を伝えるという役割を担っているのですけれども、提携先の銀行さんはジャパンネット銀行(JNB)さんで、そちらの銀行さんの仕組みを使わせていただいているというところです。

ここに聞きなれないワンタイム口座というのが出てきますが、これは何かというと、実はインターネットのオークションでの取引というのは、1人の人がたくさんの出品をしていて消込みが大変です。何の代金が支払われたのか、金額だけで見なければいけないというのが結構大変なので、このワンタイム口座というのは、出品ごとにその口座番号を変える仕組みでして、この口座番号を見ると、どの出品に対して、つまりどの落札に対してお金が支払われたかわかるというようなものです。一種の仮想口座というふうに考えていただいていいと思います。落札後にワンタイム口座の発番がされて、その口座の番号が落札者の方に通知されますので、落札者の方はJNBのその口座番号宛に振込さえすれば、出品者の方はその番号を見るだけで、ああ、この出品に対してお金が入りましたねというのが確認できるという仕組みになっております。

これを一覧で見られるようにしているオークション出納帳というサービスがあるんですけれども、そちらで簡単に消込みができるということと、入金の連絡とかがオンラインで出品者に連絡が入るというような仕組みになっています。

ただ、これは当然なんですけれども、出品者がJNBさんの口座を持っていないと使えない仕組みですので、JNBさんの口座をお持ちの方だけのサービスというふうに限られているというところが多少難点です。ちなみに、これもご参考までにですけれども、ヤフーに出品をいろいろされている方の大体3割弱の方がJNBさんの口座をお持ちです。逆に言うと、7割強の方はJNBさんの口座をお持ちでないので、この仕組みを使うことは直ちにはできないというような状況になっております。

これらの仕組みをベースにどういうものを上乗せしたかというと、1つが受け取り後決済サービスでございます。これはネットバンキングと指定の配送会社とのサービスを一体化させることで、エスクローを実現するというようなものでございます。提携させていただいていますその配送をやっていただく会社さんは、日通さん、ヤマトさん、それからセブン-イレブンさんというようなことになっております。仕組みとしてはこんな形になっておりまして、ネットバンキングという画面経由で発送元の住所の入力と代金の請求をしていただいて、落札者側からはお届け先の住所の入力をしていただく。これが終わると、受取後決済用のその口座番号が発番されて、受取後そちらの方に入金をしていただくと。入金が終わると、入金完了の連絡が出品者に行きますので、商品の発送をしていただいて受取をしていただくのと同時に、配送会社さんの配送員の方からの端末からの信号の送信を待って、提携先の銀行さんに連絡が入って、それがトリガーになって出品者に入金されるというような仕組みになっております。

これも、先ほどちょっとヤマトさんもおっしゃっていましたけれども、実は配送会社さんからの連絡があって、直ちに出品者に入金されるわけではなくて、やはり返品の期間を翌々日までとっていますので、翌々日まで待って、あとはシステム的に自動的に出品者の口座に入金がされるというような仕組みになっております。

商品の発送については、自宅への集荷をして、ご自宅へ配送することもできますし、コンビニ発送でコンビニ受取ということもできます。これはご参考までになんですけれども、大体全体の60%ぐらいが実はコンビニ配送を希望されています。残りがヤマトさんか日通さんを使われているというところです。実は、料金体系からいうと、日通さんが若干安くて、ヤマトさんとセブンイレブンさんが、同じ値段でちょっと高めなんですけれども、コンビニを使われる方というのが非常に多くて、多分自宅に直接届けられるよりも、近くのコンビニで預かっておいて欲しいというようなニーズですとか、お一人で住まわれている女性の方とかが自宅まで届けられたくないとか、いろいろなご希望があってコンビニでの受取というのを希望されているというのが実態だというふうに私どもとしては考えております。

これが「受け取り後決済サービス」になります。今のところ、運送会社さんについていうと2社に限定されています。それから、ヤフーオークションのどのカテゴリーの商品にも使うことができます。落札者が払う振込手数料は、振込先の口座がJNBさんの口座になっているだけで、落札者自身の使用する銀行さんには指定がないので、普通に必要な振込手数料だけということです。

それから、出品者には特に手数料がかからない形になっております。それから、返品のことは先ほどお話をさせていただいているところです。それから、これは後ほど言うサービスとちょっと違うところは、配達完了の情報がちゃんとその運送会社さんの方からシステム的に入ってきて、それがトリガーになって出品者側に入金がされるという仕組みになっております。このサービスなんですけれども、やはりなかなか利用の普及が図れないところがあって、それを解決するために新しく今年になってから追加したサービスが代金支払い管理サービスでございます。

どこが一番違うかというと、実は商品発送のところを全くこれは管理をしていない仕組みになっています。ヤフーのオークションでいいますと、今平均の落札価格が5,000円前後というところです。そういう商品について、すべからく宅配便並みの料金を全部いただくというのは、なかなかお支払いする側としては難しいようで、特に例えばCDとか、普通のその80円切手があれば送れてしまうとか、もうちょっとするんですかね、郵送でできちゃうようなものについて何百円も郵送費をかけたくないというようなものも結構あったりして、そうするとそこの配送手段をもう少し広める方法はないかということで今始めているものがこちらのサービスになります。

これはその代金の支払と入金の連絡とはシステム的にやるんですけれども、実はその商品の発送、受け取りましたという連絡は、落札者が自分で手動で操作をするということになっています。自分で確認した上でボタンを押していただいて、そのボタンが押されたというのがトリガーになって、入金の処理がされていくというようなことになっています。現状は、ここを完全に落札者が忘れずにやってくれるかどうかという担保がまだないので、どういうふうにしているかというと、14日間たっても何もボタンも押されないと自動的に入金されてしまうということになっています。逆に言うと、もしトラブルがあれば14日以内に何か申し出をしていただければ、14日以内であればホールドしていますので、何らかの形でお支払、今まで一度もないですけど、お支払を止めるなり何なりの手立てをとれるというような仕組みになっているというのが一つの特徴でございます。

ここのところに、その代金支払い管理サービスを出品者が選んでいると表示がされるというような仕組みになっています。ここに選択されていれば、落札者はこれで支払いますということを選択できる仕組みになっています。これは出品のときにチェックボックスがあって、あらかじめ支払方法を指定するんですけれども、この中に代金支払い管理サービスというのが入っているというふうになっております。

これがまずかんたん決済を使った代金支払い管理サービスのフローになっております。先ほどのかんたん決済のフローの中に受取の連絡というところと入金というところの、ここがシステム的に追加されているというのが見てとれると思いますけれども、その部分を追加したものだというふうに考えていただければいいというふうに思っています。

ただ、配送会社について言うと、トラブル防止のためにきちんと配送番号をつけて配送管理しているものを選んでくださいということにしてありますので、配達番号もないところも事実上利用できますけれども、そういうものを利用した場合には、詐欺等の被害に遭った場合の補償の対象外にしますというふうなルールづけをしております。

もう一つは、現行ではシステムのキャパシティーもありまして、3つのカテゴリーでしか利用できないというふうになっています。逆に言うと、この3つのカテゴリーは受け取り後決済か、代金支払い管理サービスか、代引のどれかを選択してくださいというのが必須になっています。カーナビゲーションと携帯電話の本体とギフト券という3つのカテゴリーです。この3カテゴリーは、実は去年の私どもの社内の調査で、詐欺とか詐欺的な被害に遭うのが最も多かったトップ3を選んでここに持ってきております。これについて言うと、後払方式でないと利用できませんよということで、この仕組みを導入させていただいております。

それから、この仕組みについてなのですけれども、代金支払い管理サービス用の特別な料金は、プラスアルファとしては一切いただいておりませんので、普通のかんたん決済でご利用いただくのと全く同じ料金をお支払いいただいているというところで、コスト分多少かかるんですけれども、そこはヤフーとネットラスト側で全部負担しているということでやっております。

あと代金支払い管理サービスは、ネットバンキングとYahoo!かんたん決済の2つのサービスで構成されています。どちらも選ぶことができるのですけれども、いずれにしても先ほど言いましたように、決済と物流を結びつけて事故を減らしたいというところから始めております。ネットバンキングの方は、裏側がJNBさんなんですけれども、物流は手出しができませんねというところですし、宅配の事業者さんはなかなか為替取引に該当しそうなものというのは難しいでしょうというところで、こういう工夫をとりあえずしてみましたと。

提携先の銀行さんについて言うと、かなりの額の出資をさせていただいて、提携をした上でようやくここまでこぎつけることができましたというところです。ただ、当然ですけれども、利用者全員がその銀行さんに口座を作ってくれるというわけではないので、そういう口座を持たない、先ほど言いました7割のお客様の選択肢というのもきちんと用意する必要があるということで、かんたん決済を使った手段というのを提供したというような背景がございます。

「終わりに」ということで、これは、すみません、感想だけ書いてあるのですけれども、繰り返しになりますけれども、現状のインターネットオークションに関して言うと、やはり喫緊の課題は詐欺対策だというふうに考えています。一般論として皆さんから昔からいろいろなところで、エスクローを必須化しろというふうに言われてきているんですけれども、先ほどヤマトさんのご説明にありましたけれども、従来型のエスクローの利用率は極めて低くて、何年かかっても普及しないと。相当プロモーションもかけましたし、料金を安くしてみたりとか、いろいろな工夫はしているのですけれども、全く普及していなくて、なかなか市場のニーズに合っていないのではないかなというふうに正直なところは考えています。

これは欧米の実態もそうで、エスクローというサービスは、昔から欧米の方が先に始めていますけれども、エスクローが盛んに使われているという実態は全くないというのが実情です。

一方で、前払というのは、どうしても売手と買手の力関係からいうと、今までその前払がどうしても多いというのもあって、日本の場合は銀行さんの送金が非常に安定しているので、お金を入手したい犯罪者にとっては、非常に安心してできる支払手段なわけですね。そういう意味でいうと、そこのところを何とか工夫して決済とその反対給付とを結びつける仕組みを考案していく必要があるのではないかという問題意識は持っています。現状、私どもとしても、これが完全なのかというと、法律的な評価とかも含めてきれいに説明ができている自信はない部分はあるのですけれども、ただ利用者保護という観点から何らかのものをやりたいということで今の形をやっているということです。

もう1つは、インターネットのビジネスですので、マーケットに受け入れられない仕組みを採用してそれを強制すると海外に出ていくだけだというふうに思っていますので、先ほどちょっとお話しさせていただきましたけれども、欧米ではそのイーベイというところがナンバー1のオークションのサイトになっています。イーベイが今、日本語化したサイトを日本の中で展開していて、その中でPayPalとか使えるようにしているなど、いろいろなことがもう既に起きていて、GoogleとかYouTubeを持ち出すまでもなく、外国の事業者が表示を日本語化して、あるいは日本語の翻訳をつけることで日本からの利用というのができるようになりますので、そういうところも踏まえながら、いろいろな対策とか規制とかというのを考えていかないと、日本から有利でなければ事業体自体が撤退していくというようなことも簡単に起きかねないかなという懸念は一方でありつつ、どういう工夫ができるかなというのが問題意識としてはあるというところでございます。

以上で、私の方からの説明は終わらせていただきます。

○岩原座長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの別所様のご説明に対してご質問がございましたら、よろしくお願いいたします。

佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員

大変わかりやすい説明、ありがとうございました。2点ほど教えていただきたいと思います。

1点は3ページのところで、出品者の本人確認については、運転免許証で確認をするということをお話しいただきました。運転免許証をお持ちでない方の本人確認はどのような形でやっておられるのかというのが1点です。

それから、2点目は7ページのところで、かんたん決済のクレジットカード決済についての説明をしていただきました。このときに落札者の方が決済手数料を負担しますよというご説明がありました。一般的にクレジットカードの手数料については加盟店が払っていて、表には出ない形になっていますが、かなり幅があろうかと思います。この場合は、手数料率だとかなんかも表に見えるという形になろうかと思いますが、どれぐらいの率が設定されているのかを教えていただきたいと思います。

○別所委員

運転免許証以外も一応その番号がついているものというところでやっておりますので、基本的にはその写真と番号がついているという意味でいうと、ほかの代表例でいうと、例えばパスポートとかそういうようなものもありますけれども、大半がドライバーズライセンスで足りているというふうにこちらとしては認識しております。まれに、先ほど言いましたように、番号がないものを提示されて確認ができなかったりということも実際には起きているということですけれども。

それから、手数料ですけれども、今のかんたん決済のクレジットカードの手数料、今どういう体系になっているかというと、3,000円以内であると108円、3,001円から6,000円の間が198円、6,001円から1万円の間が298円、それから1万1円以上が振込金額の税込5.25%というのが今の料金体系になっております。

あと、すみません、先ほどちょっと説明し忘れましたけれども、机の上にまた後ほど回収させていただこうと思ったんですけれども、数字が言えないので、ご参考までに数値を先ほどいくつか説明しましたけれども、どの程度何が使われているのかという比率とか、正確なパーセンテージを置いてありますので、お読みいただければというふうに思います。

○岩原座長

ほかにいかがでしょうか。

高橋委員。

○高橋委員

私も何度か利用させていただいたことがありますし、5月からこの代金支払い管理サービスが使えるようになって、安心度が増したというふうに実感しています。

それで、先ほどヤマトさんの方にも伺ったんですけれども、クレジットとか銀行ネットによって、その利用限度額というのがどういうふうになっているのか、なかなかホームページにわかりやすく明示されていないと思うんですが、何か理由があったら、それもあわせて教えてください。

○別所委員

そうですね。すみません、ちょっとネットバンクの方が今手元に資料がないので。かんたん決済の方は、ちょっと見にくいんですけれども、一応カードが100万円が限度額というふうに規約上は表示されています。ただ、実際にはそのクレジットカードの決済金額がクレジットカードごとに違っていますので、そこでオーソリがとれる額ということですので、多分一番多いのが30万円とか60万円ぐらいが現実的な限度額になっているというふうに考えておりますけれども。

あと金額のところは、状況を見ながらいろいろ考えなければいけないので、なかなか規約の中に、特に銀行の方まで組み込めていないというところが実態です。

○高橋委員

今、約款を確認しましたら、クレジットカードの方が月間総額100万円、ネット、銀行の方は限度なしというふうに書いてありますけれども、今の時点ではそうなっているということですか。

○別所委員

そうです。

○高橋委員

本来、これらはもっとわかりやすく明示するものではないかと思っていたので、何か理由があるのかなと思ったのですが。

○岩原座長

特に回答はないわけですね。

○別所委員

すみません。

○岩原座長

じゃ、吉野委員、どうぞ。

○吉野委員

最後の「終わりに2」のところの下から3、4行のところに、これから海外との競争があったときに、日本のいろいろな規制とかコストがあると、なかなか日本にいる企業が対抗できなくて、海外に負けてしまうというような書き方なんですけれども、具体的にどういうところでいろいろ問題がありそうか、教えていただきたいんですけれども。

○別所委員

一つは、今の日本の状況に照らして、今ご説明しましたようなシステムを入れたり、あるいは代金支払い管理サービスのようなものを入れて、そのカテゴリーによっては、それを必須ですという話をさせていただいているのですけれども、諸外国でそういうことをやっているところがあるかというと、実はないというのが実態です。

オークションについていうと、詐欺等の被害は確かに多くて、事業者として補償制度もやっていますし、いろいろなところでできるだけ安心にというふうに思っているのですけれども、多分利用者の方々の利用実態からいうと、どちらかというとあまり詐欺に遭うことを考えずに使われているというのが実態で、安心ですよということが、多分マーケット的に全く売り物にならないというのが現実だというふうに考えています。

そういう中で、特定のものを強制しなければというようなことに、もしなってきたりすると、そういうものがなくて自由に出品できるようなところが外国にあって、その外国のサイトの方が使われ出すということは容易にあり得るかなというふうに思っております。

ほかの例で言うと、著作権法の関係で日本の著作権法は非常に厳しいところがあって、YouTubeみたいなサービスは全くできないのですけれども、アメリカの著作権法はDMCA(Digital Millennium Copyright Act)という仕組みがあるので、YouTubeみたいなものができるんですね。結局今何が起きているかというと、YouTubeにみんな集まってしまっているという状況で、日本で同種のものをやるというのがもうほとんど困難だというような状況にもう既に陥っているというようなところがありますので、同じようなことがこういうサービスでも起きないことを願っているというところであります。

それからもう1つ、これはPayPalの例ですけれども、イーベイという会社が支払手段としてPayPalという子会社を持ってやっているんですけれども、あそこは実は悪質な取引相手かどうかというのを送金データを見ながら判断をどうもしているらしいんですね。特定の人に集中した送金が行われているような事実があったりすると、そちらの方からも考証が上がってきて止められると。日本の場合は、今部分的にしかできていないのもあるんですけれども、送金のところは全くというか、ほとんど手出しできていない部分が多いので、そういうデータというのは、オークションをやっている側の事業者には全くわからないところもあって、防犯という観点からもそういうものが、もし同種のものが組み込めれば、安全性は高まるかもしれないというふうには思っているというところで、そういうものも外国には存在していて、そこも差はついているかなという意識はあります。

○岩原座長

原さん。

○原委員

ご説明ありがとうございました。このネットオークションは登場したときから、非常にトラブルが多いだろう、それから詐欺が入り込むだろうということは消費者側は予測をしておりまして、確かにそういうところが出てきて、ヤフーさんとしても非常にいろいろな苦労を重ねておられて今の姿になっていると思うのですけれども、確かにこの代金支払い管理サービスというのは一歩前進で、安心感に結びつくと思うのですが、最後20ページに書いておられる決済と物流が統合することが求められるというふうに書かれていて、これが厳しい規制強化ではなくて、市場の安心のために求められるというような書き振りになっているのですが、具体的には今行っていらっしゃる代金支払い管理サービスより、もう一歩先の姿は、決済と物流を結びつけたときに具体的に何を考えておられるのかというのをお聞きしたい。

それから、今イーベイの話で、送金量が多数入り込むところのサイトは怪しいと思ってチェックができるようになっているということですけれども、例えば振り込め詐欺や何かのときも、特定の口座に入金が集中するというところを見て、おかしいということを銀行側が判断したりするわけなんですけれども、そういったところの、この決済と物流を統合するのとはまた別に、今のようなイーベイがやっていらっしゃるような形の、これは一種の新しい仕組みだと思いますけれども、そのことについては導入することは、もしも可能であればいいということになるわけでしょうか。

ちょっと2つの質問が入っておりますけれども、お願いしたいと思います。

○別所委員

もちろん、その今の形が完成形だと思っていないので、次のステップを考えている部分はありますけれども、ちょっと今日この場でそれをご説明するというのは難しいかなというふうに思ってはいます。

ただ、先ほど言いましたように、今の例えば受け取り後決済とかも、JNBさんの口座がないと使えないというような欠点とかがありますので、それを何らかの形で克服できるようなスキームはないんだろうかというのが1つの課題としてはあって、その辺を少し進めていけそうだというふうには実は思っている部分があります。

もう1つは、決済の部分で支払が集中しているとかというのがもしわかってくるようであれば、そういうものを詐欺とか詐欺類似行為の防止のために使っていきたいなというふうには思っていますので、先ほど触れませんでしたけれども、かんたん決済という仕組みも、そもそも出品者の出品状況とかもスコアリングして実は調べていて、すべての出品者に対して認めているわけではなくて、一定のスコアを超えた人については利用を断るとかというのもしておりますし、決済情報は集まってくるところで、やっぱり怪しい動きがあれば止められる部分もあったりしますので、それをもう少し広く使っていければいいなというふうには思っています。

ただ、JNBさんとやっている部分は、そちらの流れはJNBさんなので、銀行としてそれができるかどうかというのが別に入ってきてしまうというふうに思っていますので、そこは別途もしやるのであれば、別な課題としては残るかなというふうには思っていますが。

○岩原座長

よろしいでしょうか。

それでは、いろいろご意見いただきましたけれども、時間もまいりましたので、次回は収納代行サービスについて議論をしたいと考えておりますので、本日はこのあたりで議論を終了させていただきたいと存じます。

最後に、事務局の方から連絡がございましたらお願いします。

○高橋決済システム強化推進室長

次回につきましては、今座長からお話がありましたように、収納代行サービスについてご議論をいただく予定です。日程につきましては、現在調整をさせていただいておりますので、決まり次第ご連絡をいたします。

よろしくお願いいたします。

○岩原座長

それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。

どうもありがとうございました。

以上

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