金融審議会 市場ワーキング・グループ
「フェア・ディスクロージャー・ルール・タスクフォース」(第2回)議事録

  • 1.日時

    平成28年11月21日(月)10時00分~12時00分

  • 2.場所

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【黒沼座長】

ただいまより、金融審議会市場ワーキング・グループ「フェア・ディスクロージャー・ルール・タスクフォース」第2回会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところ、ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

それでは、議事に移らせていただきます。議事次第にありますように、本日は、まず事務局から、本日の討議事項について説明いただきます。その後、質疑応答、意見交換を行いたいと思います。本日の議事は、このような流れで進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは事務局より、説明をお願いします。

【田原企業開示課長】

おはようございます。それでは、お手元の資料1に従いまして、本日ご議論いただきたい点につきまして、ご説明をさせていただきたいと存じます。前回ご議論をいただきましたものを、こちらで論点としてまとめさせていただいたものでございます。全体は3つになっておりまして、1つ目は、現在の状況ということについてでございます。2点目が、本ルール導入の意義。主には3つ目の、本ルールの具体的な内容という、5項目とその他からなっておりますが、そこについて、本日はご議論をいただければと考えております。

まず、1ページ目の、発行者による公平な情報開示をめぐる状況でございますけれども、我が国におきましては、情報開示ルールとして、臨時報告書制度あるいは適時開示制度といったものが整備されているわけでございますけれども、前回ご議論いただきましたフェア・ディスクロージャー・ルールについては置かれていないということでございますが、2つ目の丸にありますように、発行者の内部情報を顧客に提供して勧誘を行った証券会社の行政処分の事例などにおきまして、発行者が特定の方にのみ情報を提供していたという問題が発生しているということでございます。

フェア・ディスクロージャー・ルールにつきましては、欧米、アジアの主要国ではルールが整備されているということでございまして、前回ご紹介させていただいたように、米国、EUにおいて、ここに記載されているようなルールが導入されておりまして、アメリカですとマテリアル・インフォメーション、欧州ですとインサイド・インフォメーションというものを特定の方に開示されるときには、その情報をほかの方にも公表するというルールになっているということでございます。前回のご議論では、本ルールの導入について考えるべきということだったと思いますが、この際、具体的にどういう中身にするかということについて、ご議論があったということかと考えております。

1ページおめくりいただきまして、その際に考えるべきルール導入の意義ということでございますけれども、本ルールにつきましては、発行者による公平かつ適時の情報開示を確保するということを目的とするものでありまして、欧米の事例などもベースに前回ご議論いただきまして、ここに5つ掲げておりますことについても意義として考えるべきじゃないかということであったかと考えているところでございます。

特に留意しなければいけないのは、おそらく、ここが今日の議論にもなるのかと思いますけれども、最初のポツの、発行者側の情報開示ルールを整備・明確化することで、早期の情報開示を促進して投資家との対話を促進するという観点が非常に重要じゃないかということでありますし、あるいは、アナリストの方が、より客観的で正確な分析・推奨がしやすくするようにするということが大事であるということ。また、早耳情報ではなく、中長期的な視点に立って投資を行うという投資家の意識改革を促すと。こういった考え方が非常に重要だということだったかと思っております。

3ページ目以降、本日、具体的にご議論いただきたい項目、5項目を掲げさせていただいております。まず、対象となる情報の範囲ということでございますけれども、前回のご議論では、対象の範囲について、欧米の制度と同様に、投資判断に影響を及ぼす重要な情報ということで、アメリカで言いますところのマテリアル・インフォメーション、あるいは欧州で言いますところのインサイド・インフォメーションと、こういうものを対象にするべきだということでは、ほぼご議論は一致していたのではないかと思います。

一方、日本の場合、臨時報告書、インサイダー取引規制、あるいは取引所規則における適時開示などにおける重要な情報というものについては、軽微基準が置かれているということでございまして、ここのところが、例えば決算情報などとの関係で問題になるということではなかったかと思っております。

先般の証券会社の行政処分の事例などを踏まえますと、機関決定に至っていない情報ですとか、軽微基準の範囲を超えるような事実というのはないという情報につきましても、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす場合があり得るということであったかと思っておりますので、こういうものが全部、軽微基準という形で外れるようなたてつけですと、問題があるんじゃないかということであるかと思います。

そういうことで、本ルールにつきましては、決算情報や業務提携などの重要な情報を対象として、臨時報告書等よりも、時期・影響の程度において適切に拡張した範囲の情報というのを対象にするということが、必要になってくるのかということだったかと思うんですが、この点につきましては、前回の議論に引き続き、ご議論をいただければと考えているところでございます。

(1)マル2として書かせていただいておりますのは、そういう意味で、マテリアル・インフォメーションですとかインサイド・インフォメーションという意味では一つの考え方なわけですけれども、軽微基準との関係で、拡張が必要になってくるということを考えたときに、エンフォースメントというものについてどう考えていくかということも、ご議論があったかと考えております。

そこで、発行者による積極的な情報提供というものを考えていくときに、そういう新しいルールとの関係で、ルール違反への対応というものについては、よく考えていく必要があるというご議論であったかと思いまして、ここでは、本ルールに違反した場合については、例えば情報の速やかな公表についての指示や命令ということで、行政的な対応によって本ルールの実効性を確保していくということが基本になるのではないかというご議論であったかと考えております。

1ページおめくりいただきまして、4ページでございますけれども、ルールの対象となる情報提供者の範囲と情報受領者の範囲ということを、(2)、(3)で記載をさせていただいております。この点について、前回、アメリカ型と欧州型、正確にアメリカ型、欧州型ということではないかもしれませんが、大きな考え方としてご議論いただいて、意見は分かれていたように思いますけれども、このルールの先ほど申し上げましたような性格からいたしますと、情報提供者の範囲については、発行者の業務遂行において情報提供に関する役割を果たし、それに責任を有する者に限定する、具体的には、発行者の役員のほか、従業員、使用人並びに代理人のうち、後述の情報受領者の方への情報を伝達する業務上の役割が想定される者に限定をするというご意見が多かったように考えておりまして、そういう形で、ここでは記載をさせていただいているということでございます。

また、受領者の範囲につきましても、本ルールにつきましては、公平で適時な情報開示に対する市場の信頼を確保するためのルールということでありまして、また、金融商品取引法が、資本市場にかかわる者を律する法律であるということを踏まえますと、有価証券の売買に関与する蓋然性が高いと想定される以下の者とすることが適当ではないかというご議論が多かったということで、ここではそういった形で整理をさせていただいておりまして、具体的には、証券会社、投資運用業者、投資顧問業者、信用格付業者などの有価証券に係る売買や財務内容等の分析結果を第三者へ提供することを業として行う者、その役員や従業員、それから、発行者から得られる情報に基づいて発行者の有価証券を売買することが想定される者とすることについて論点とさせていただいております。

1ページおめくりいただきまして、5ページ目でございますけれども、発行者の方が行われるさまざまな事業活動の中におかれましては、例えば証券会社に資金調達の相談をする場合など、本ルールの対象となるような情報提供を正当な事業活動として行うことが必要な状況も想定されるということでございまして、こういった場合について、守秘義務と投資判断に利用しない義務を負っていればルールの対象とする必要はないのではないかというのが、前回の大体のご意見だったのではないかということで、こういう形で論点をまとめさせていただいております。

なお、その際に、ここは本日ご議論いただければと思っておるわけですけれども、この一次受領者の方が守秘義務に違反して当該情報を他の二次受領者の方に伝えられ、かつ、その伝達の事実を発行者の方が把握された場合、EUでは、情報の秘密性が保たれていないということを理由にして、発行者の方に情報の公表というものをお願いしているということになっています。一方、アメリカでは、そういった場合に、発行者の方に情報の公表義務というのは課されていないということでありまして、我が国におきましてどういったルールにしていくかということで、情報開示に対する市場の信頼を確保するためのものということを考えれば、一次受領者の方が守秘義務に違反して情報を二次受領者に伝達したことを発行者の方が把握された場合については、発行者の方に情報の公表を求めるということが考えられるのではないかと書かせていただいておりますが、この点について、本日ご議論いただければと考えているということでございます。

それから、最後でございますけれども、情報の公表方法ということで、情報の公表方法については、前回のご議論では、ほぼホームページなどで公表すればよいのではないかというご議論をいただいたので、そういう形で論点として書かせていただいております。なお、ホームページとSNSの利用状況について、前回ご質問を頂戴したわけですけれども、ホームページは、かなり国民の中に浸透しているという総務省の統計がございますが、SNSなどは、まだそこにかなり遠い状況でございますので、SNSについては今のところは含めない形で論点を書かせていただいているところでございます。その他の点も含めまして、ご議論を頂戴できれば幸いでございます。

以上、簡単でございますが、論点についてご説明申し上げました。

【黒沼座長】

ありがとうございました。

これから討議に移りたいと存じます。なお、三瓶委員より資料の提出がございましたので、席上配付させていただいております。

本日の討議資料につきまして、委員の皆様から、どの点でも、どなたからでも結構ですので、ご発言をお願いします。

真野委員。

【真野委員】

ありがとうございます。まず、今回の議論の中で、おそらく一番問題になるのが情報の範囲という論点だと思うのですが、適切に拡張した範囲の情報が対象となるようにすることが適当ではないかということで、論点整理をしていただいております。

前回の議論を踏まえていろいろと検討もしてみたのですが、発行体側の立場から意見を述べさせていただきますと、一番重要なのは、おそらく予見可能性だと思うんですね。何をすればルール違反になって、何をすればルール違反じゃないのかという予見可能性がないと、非常に動きがとりにくくなるというところが最大の論点だと思います。

予見可能性という意味においては、既に判例なんかも積み重なっておりますインサイダールールの重要事実というところが、一番ある意味では予見可能性が高いと我々は見ており、その予見可能性という観点で、きちんとした形ができるといいと考えております。

あともう一つは、予見可能性を求めるがために、かなり細かいところまで決めるとなると、おそらく企業によって、重要事実は相当違っていますので、ここの部分についても配慮が必要と思います。一例ではありますけれども、例えば小売業界にしてみると、毎月の売り上げがとても重要ですけれども、総合商社にとってはあまり重要ではないということで、あまり細かく決めてしまうと、却ってルールが適用しにくくなるということもありますので、ある意味では予見可能性がある、我々としてはインサイダー取引の重要事実で、ある程度は欧米から見ても整合性はあるのかなと思っています。そこから先は、例えばこれは一案ですけれども、個社ごとに、何が重要事実と考えるかということを、ちゃんと明示してもらうことでどうかと。ただ、それは個社の判断に任せるという形で、市場の皆様から見ていただくことにする。そうすると、市場との対話の中から、もうちょっと重要事実って広いんじゃないですかとか、個社ごとに決めることもできると思いますので、法律で決めるものと、あと、個社で判断して開示するものということを、分けてみたらいかがでしょうかと考えております。

以上です。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

大崎委員。

【大崎委員】

ありがとうございます。私、前回の議論で、インサイダー取引規制における重要事実というのと、このフェア・ディスクロージャーにおいて対象となるべき情報というのは、全く同じというわけにはいかないんじゃないかと。それは、この資料にも書いていただいております例の事案のことなどを考えますと、少なくとも軽微基準に該当するから重要事実ではないんじゃないかと思われる情報でも、株価に大きな影響を与えることがあるという、その点を踏まえればということで申し上げました。

ただ、今日、この三瓶委員の文書を拝見いたしまして、大変よく練られたいいご提案をしていただいているなと思いまして、私は、ここに書かれたような考え方をとるのであれば、基本的にインサイダー取引規制上のコンプライアンスで留意しなきゃいけない事柄と、フェア・ディスクロージャーという観点から気をつけなきゃいけない事柄を一致させるべきだというのについては、全く賛成、同意見でございます。

委員以外の方ともいろいろ意見交換いたしましたが、法律家の方から、少なくともインサイダー取引規制のコンプライアンスと、このフェア・ディスクロージャーの実務が大きくかけ離れるようなことがあっては、非常に混乱が生じて、多分、危ない橋は渡らないという観点から言えば、誰にも会わない、何も言わないという、極めて消極的な対応を取らざるを得なくなるんじゃないかというご指摘も強くいただいておりまして、私も、三瓶委員もここに書かれておりますが、そうなることを最も恐れておりますので、その点を考えれば、ここに書かれたような考え方でルールを設計するというのが最も適切であろうと思いますし、先ほどの真野委員がおっしゃったことも、基本的にここに書かれている考え方と同じじゃないかなと思っております。

また、今回、どういうルールをつくっても、インサイダー取引規制そのものが変わるわけではありませんので、バスケット条項をどのように解釈・運用するかは、これは最終的には裁判所がお決めになることだと思いますので、今後の実務の発展の中で、もしかしたらバスケット条項というものの意義づけが、我々が今ここで議論しているときに考えているものとは違ったものになってくる可能性もあるとは思いますが、当面は我々としては、限定的に列挙されたインサイダー取引規制上の重要事実という範疇を少し超えるものを対象にするんだけれども、それは我々が理解するところの、今、バスケット条項が含まれるものをカバーするんだと、そういう認識でルール設計をするというのでいいんじゃないかと思う次第です。

それから、もう1点だけですが、これはルールに書き込むということじゃないんですが、今後の、これ、金融庁としてやっていただくのか、東証にやっていただくのか、よくわからないんですが、おそらく上場会社に対して、このルールの趣旨と望ましい対応というのを、啓蒙・宣伝・啓発活動をやっていかなきゃいけないと思いまして、これは非常に重要なことだと思うんですが、その中で、アナリストやファンドマネジャーからの個別の特に細かい質問に対してできるだけ前向きに回答するということは、このフェア・ディスクロージャー・ルールの趣旨に反するものでは全くないんだということを、ぜひ強調していただきたいと思うんですね。

前回もご指摘ありましたとおり、各アナリストやファンドマネジャーが独自の観点から、一般的な人があまり気にしていないようなことを聞いて、それをヒントに長期的な企業価値についての考え方を形成するという、これは非常に重要ですし、それが市場の機能を高めていくと思いますので、そういうことに対して全てノーコメントで通すのは、極めて不適切な実務であるということを徹底していただきたいなと思います。

【黒沼座長】

寺口委員、お願いします。

【寺口委員】

今、話されている情報の範囲に関してですけれども、前回のタスクフォースのときにも、これは証券業協会で定めたアナリストの取材等及び情報伝達行為に関するガイドラインと整合的であれば、実務的になじみやすいのではないかと申し上げましたが、今回、ここでご提案いただいているのは、それに基本的にはなじみやすいものになっているのではないのかなと思います。

そのアナリストのガイドラインの内容のところですけれども、発行体への取材等というところで、マル1協会員のアナリストは、未公表の決算期の業績に関する情報の取材等は例外を除き行わないこととする。マル2協会員のアナリストは、発行体に対して未公表の決算期の業績以外に関する定量的な情報のうち、業績が容易に把握できることとなるものは取材等を行わないこととすると明確に規定しており、各協会員のアナリストは、これにのっとって現状を取材しているという状況でございます。

また繰り返しになってしまうんですけれども、こういった協会員のアナリストの、実務としてやっている、もしくは準拠しているガイドライン、こういったものと今回の情報の範囲の定義とで整合性がとれているものとしていただきますようぜひお願いしたいと思いますし、今回、幾つか、今、議論されている内容を考えますと、基本的には、この整合性はとれているのではないのかなと思います。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

三瓶委員、お願いします。

【三瓶委員】

情報の範囲の話になっているので、今、配付していただいた意見書について、お読みになっていただいている方もいらっしゃると思いますが、簡単にだけご説明させていただいてよろしいでしょうか。

この意見書に書かせていただいたのは、まず、対話についての認識の確認です。一つは、エンゲージメントとか建設的対話と言われているのが、英国でのエンゲージメント、これが大体イメージされていると思っています。片や米国のヘッジファンドが特にやっているようなアクティビストの活動というのは、かなり異質なものであるということの認識が、まず必要かなというのがあります。ですから、これはある種のヒエラルキーで考えると、企業のトップマネジメントとのミーティングをして、会社のやっている業務の中身とかいうことを知るためのミーティングというのは、通常の誰でもやっているようなミーティング。その上に、いろいろな意見交換をしながら改善を促していくような活動、これがエンゲージメント、または日本語で言うと建設的な対話で、あくまでも建設的な関係ですね。

そのさらに上に行ったときに、なかなか企業経営者が株主の言うことを聞いてくれないというときに、敵対的・威圧的に行動をとっていく、これがアクティビストのやっている行為であったりして、このときには、えてしてインサイダー・インフォメーションは、あえてとりに行く。それを合意しながら、例えば逆に株主提案をするとかいうことをやっていきますので、この両者、エンゲージメントとアクティビスト活動は随分違うということを、まずお話ししておきたいと思います。その両者が違うことによって、情報の取り扱いが違う。先ほど申し上げた、あえてインサイダーになってもいいという立場でやるか、そうでないかということです。英国のエンゲージメントであれば、インサイダー・インフォメーションに触れずに、これは十分にできるんですということが言われています。

今回の情報の範囲ですが、先ほどご説明がありましたが、確かに軽微基準について、今、2のcのところですが、場合によっては緩すぎるのではないか。例えば軽微基準にあります純利益の予想値に対する変動率30%未満とか、純資産の2.5%未満という軽微基準の枠がありますけれども、これを現実的に考えたときに、いろいろな条件設定によって違いますけれども、例えば純利益が予想と20%違うということについて、我々投資家からすればこれはかなりプライス・センシティブであろうと思うので、おそらくそんなことを聞いたときには、社内的にはインサイダー情報が入ったのではないかという取り扱いをします。純資産についても、2.5%未満ということは、例えば純資産について2%の場合でも、簡単に言うと、ROEで2%動く、8%が10%に変わるようなことも含みますから、これも軽微基準は大枠で共通の基準なので、このようになっているんでしょうけれども、若干緩いのではないかという懸念があるのは確かです。ただ、これをどうやって厳しくしていくかということで、厳しくしていこうとすると、今度は、当初、この軽微基準を決めたときに難しかった問題と同じことにぶち当たってしまうんだろうと思います。

とはいえ、あまり曖昧というか、漠然とここについて発行者が考えて行動するようにと言うと、これまた非常に幅が広くなって、先ほど何人かの委員の方がおっしゃっていましたけれども、かなり手前でブレーキをかけることによって情報開示は後退する。開示というのは文書での開示だけじゃなくて、ここで主に気にしているのは、面談をしたときに、そこで何を答えてくださるかというところですね。ここについて、いや、それについては答えられませんということばかりになってしまう可能性が高いということです。これが、そのように答えられませんとなっていけばいくほど、企業に対して何らかの改革を促したいと思う株主は、アメリカのように一歩踏み込んで、あえてインサイダー情報が入ってもいいという中で行動しようとして、決して建設的というよりは、敵対的になっていく。そういうことで、この辺の考え方というのは非常に注意が必要かなと思います。

そこで、提案としてあえて出させていただいたのは、先ほど大崎委員からもご説明いただいたんですけれども、バスケット条項、インサイダー取引規制。言い忘れましたけれども、どこの国でも、フェア・ディスクロージャーとインサイダー規制がある場合に、この取り扱う情報の範囲というのは一致しています。ただ、先ほど申し上げたような理由で、インサイダー取引規制の軽微基準によって緩くなってしまう部分があるのではないかということで、そこをうまく捉えようとすると、インサイダー取引規制のバスケット条項の解釈を、ここに書いてあるように、3のbですけれども、変えると、かなりうまくいくのではないか。例えば事例として挙げられています証券会社2社の行政処分の事案についても、ここにある言葉で言うと、未公表の正確な情報、こういったところでひっかかってくるのではないかと考えています。

そして、3のbに書いています、このように読みかえたらいいのではないかという解釈ですけれども、これはEUの市場阻害行為規制の文言です。英語の文章もここに載せていますけれども、グローバルな投資家がどのようにインサイダー情報というのを管理しているかというと、米国型の言い方もそうですし、欧州型の言い方もそうですけれども、全部これひっくるめて、平たく言えばプライス・センシティブ・インフォメーションだなというところで、最後、くぎを刺すんですね。アナリストとかファンドマネジャーが、日々、企業とコンタクトしている中で、瞬時にこれはまずいとかいうことを判断しなければ、取引につながってしまうわけですから、瞬時に判断する一番の軸になるところはプライス・センシティブ・インフォメーションという理解です。

そういう意味で、ここに書きましたけれども、投資家の中で、バスケット条項の解釈の仕方をこのように変えたところで、何ら混乱とか影響はありません。むしろ国際的に考えれば、こういう文言を使うと、米国型の投資家だけじゃなくて、欧州とその他アジアでも、広く共通の言い回しだということで受け入れやすいということになると思います。

そのようなことで、言葉だけでご説明すると、うまく伝わらないところもあるかなと思いまして、文書にして提出させていただきました。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

上柳委員、お願いします。

【上柳委員】

ありがとうございます。今まで出てきた、特に三瓶委員からペーパーが出ていて、大変傾聴に値すると。これが実現すればよいなと思いますが、この時点で、タスクフォースとしては、このようにはなかなかならないんじゃないかと思うところです。

三瓶委員のおっしゃっているところというのは、インサイダー取引なりと統一的に解釈することによって、少なくとも発行体であるとか、あるいは情報を管理される方の便宜に資するといいますか、ある意味では履行がきちんとできるという意味では大変筋が通っていると思います。けれども、ペーパーの3ページのbなりcなりに書かれているように、インサイダー取引のバスケット条項の解釈について、今の時点で解釈変更というか、解釈確認というか、我が国でもできるのであれば、もちろん一番いいとは思いますけれども、それはなかなか難しいのではないか。インサイダー取引規制の全体にかかわるかもしれませんし、軽微基準については、ご指摘ありましたように、これまでも相当議論しながらなかなかうまくいっていないところもありますので、そう簡単ではないかと思うんですね。

他方、今回の議論が始まってきたきっかけといいますか、立法事実というのは、三瓶委員のペーパーで言うと、2ページの2のcのところですか、例に挙げていただいているのは、純利益が予想率に対して、例えば純資産の2%変動すると。このような情報は、軽微基準でインサイダー問題にはならないかもしれないけれども、今回、あるいは近時、大きな社会問題になり、あるいは国際的にも批判があったところで、ここに対する解決がないとまずいのではないかと私は思っていまして、そういう意味では、その点だけを捉えると、欧米とは違うのかもしれませんけれども、インサイダー取引関係の規律と、このフェア・ディスクロージャーとは、異なっても仕方がない、あるいは異なるべきであると。

つまり、開示基準なり、あるいはインサイダー問題ということとは違って、そういう規制にはかからないけれども、情報を一定の方に提供してしまった場合に、その後、フォローして、ほかの方にもわかるようにしようというのがフェア・ディスクロージャー規制の根本だと思いますので、ここの時点では、情報の範囲が異なってもやむを得ないと。あるいは、むしろそのようにしないと、もともとこの問題を議論したことに応えないのではないかと私は思います。

以上です。

【黒沼座長】

今の点ですけれども、私の理解では、三瓶委員のご意見というのは、現在のインサイダー取引規制のバスケット条項の解釈がこうだから、インサイダー取引規制と同じような形式で規定するべきだというご意見ではなくて、むしろ現在のインサイダー取引のバスケット条項が、法律的に言うと、仮に「前三号に掲げる場合を除き」と書いていなかったような、そういうイメージで捉えて、そうすると、この提案に書かれているようなことが実現して、現在のインサイダー取引規制とそれほど範囲の変わらないものを実現できるのではないかと。そういうご意見ではないかと思うんですが。

【上柳委員】

私が勘違いしているのかもわかりませんけれども、三瓶委員がおっしゃるのは、このように解釈できるということで、現に解釈しているということではないんじゃないんでしょうか。そこは一定のインサイダー取引についての実務なり運用の変更を前提とされているように受けとめたんですけれども。そうでなければ、よいと思いますけれども。

【黒沼座長】

三瓶委員、お願いします。

【三瓶委員】

明確でないところがありまして、申しわけありません。3のbのところについて、「バスケット条項を、本ルールにおいては」ということで、あくまでもインサイダー取引規制について見直すとか、解釈を変えるとか、そういうことではございません。FDに関して、この本ルールに関してだけ、この部分は、全くインサイダー取引規制のバスケット条項と同じではなくてということです。

ですから、厳密に言えば、気持ちとしては、インサイダー取引規制の情報の範囲とフェア・ディスクロージャー規制の情報の範囲が全く一緒であったらうれしいわけですけれども、こういう事情を鑑みて、若干このバスケット条項の部分の解釈が両者で違うと。結果的には若干拡張しているということになるんだろうと思います。

【上柳委員】

違いがあるということを理解いたしました。

【黒沼座長】

神作委員、お願いします。

【神作委員】

どうもありがとうございます。これまでのご議論においては、フェア・ディスクロージャー・ルールにおける情報の範囲について、内部者取引規制における重要事実の範囲とできるだけそろえてほしいというご意見が多数出ていると思います。その根拠としては、予見可能性を高めることが指摘されてました。さらに実質的には、スチュワードシップ活動と申しますか、エンゲージメントを委縮させないという配慮があると思います。ご質問させていただきたいのは、インサイダー情報がある程度予見可能性があるというのは、日本の内部者取引規制の非常に大きな特徴であるかと思いますけれども、予見可能性を重視すると、当然、内部者取引規制における重要事実にできるだけそろえてほしいということになるかと存じます。先ほどのバスケット条項のところはもう少し柔軟に広く解釈するということがあるにしても、基本的には重要事実の範囲と合わせるという、こういうご意見が出るのは当然と思うのですけれども、他方で法人関係情報の規律というのも既に金商法は導入しておりまして、法人関係情報についての実務というのも既にあると思うわけです。

私は前回、内部者取引規制における重要事実の範囲よりは少し広くないといけないのではないか。まさに軽微基準の問題その他あって、内部者取引規制における情報の範囲よりも広くなければならないのではないかと申しましたけれども、他方で法人関係情報よりは狭くあるべきではないかと申し上げました。特に実務の方にお伺いしたいと思うのですが、とりわけ発行会社の側にお伺いしたいのですが、法人関係情報については、すでに金商法上規律が置かれており、証券会社においては少なくとも社内的には整備されてワークしているという中で、なぜフェア・ディスクロージャー・ルールについての情報の範囲は内部者取引規制に合わせないと法的な予見可能性が害されるのか、私には理解できないところがございます。

もちろん、法人関係情報自体が非常に不明確で、そこの予見可能性がないという反論は当然あり得るかと思いますが、しかし、そこは既に法律上の事務として存在しているところでございますので、私の印象としては、法人関係情報の範囲と内部者取引規制の情報の範囲の間に収まっていれば、さらにその間でどこに線を引くかという、また非常に重要な問題があるかと思いますが、予見可能性について大きな問題が生じることはあるのでしょうか。三瓶さんの今日のご提案の中では、未公表の情報が正確である必要があるという、3ページの2行目のところの正確性というのと、それから、価格に重大な影響を及ぼすという2つの具体的な基準を挙げていただいているという点は非常に参考になるかと思いますけれども、なぜ内部者取引規制における情報の範囲と合わせなければいけないと言われるのか、そのご趣旨についてご教示いただければありがたいと思います。

【黒沼座長】

これはどなたに。

【田原企業開示課長】

これは真野委員と神山委員に。

【黒沼座長】

それでは、真野委員、いかがでしょうか。

【真野委員】

あえてこの場で恥を忍んで聞いてしまいますが、法人関係情報になったときの例えば広がりについて、今、神作先生にご指摘頂いた点ですが、どのぐらいまで広がるのかということを少し教えていただければと思っております。我々IR側からすると、インサイダー取引といったものについては当然重要視しているんですけれども、法人関係情報と言う場合に、例えばどういうところを開示の対象に広げてほしいのかとか、そういったところがもしわかれば、もう少し我々の参考のためにお聞かせいただければというのが、逆に質問です。

【黒沼座長】

待ってくださいね。

大崎委員、先にご発言お願いします。

【大崎委員】

何か議論が混乱しちゃっているような気がするので、私の理解で整理いたしますと、法人関係情報というのは金融商品取引業者の規制に出てくる概念ですので、証券会社が法人関係情報を入手したときに、適切に管理することが要求されていまして、上場企業サイドで、法人関係情報に該当する情報について特別な管理を要求する法令のルールは、たしか存在しないと思うんですね。また、取引所の適時開示ルールで開示を要求しているものも、法人関係情報という呼び名は使っておりませんので、おそらく上場企業の実務担当の方は、あまりそういう名前のカテゴリーを意識されていないと思うんですね。

重要事実ということについては、上場企業の開示実務の方だけじゃなく、社員のインサイダー取引防止の観点からも、重要事実を持っているか持っていないかみたいなことを確認したりする実務が定着していますので、そういう意味で、重要事実ということを非常に強調されているんだと思います。

法人関係情報は、とにかく証券会社の人は詳しいんですけれども、それ以外の人は、あまり意識していないというのが実情だと思います。

【黒沼座長】

先に神作委員、お願いします。

【神作委員】

ありがとうございます。法人関係情報が、金融商品取引業者等について、また、場合によってはその役員・従業員等も含まれますけれども、それらを対象んした規制であるということは、十分私も理解しております。私が申し上げているのは、証券会社では法人関係情報という概念が導入されていて、それが運用されているのに、なぜそれを発行会社に持ってこれないのかというご質問でございます。

【黒沼座長】

これは金融庁に聞いたほうがいいですか?

事務局から何か。

【田原企業開示課長】

おそらくできないということはないのではないかと思いますけれども、マテリアル・ノンパブリック・インフォメーションというものについて、各企業で管理するための手間という要素が大きいのではないかなと思うので、真野委員、神山委員にお伺いした次第でございます。

【黒沼座長】

神山委員、お願いします。

【神山委員】

私もまことに不勉強で申しわけありませんが、法人関係情報というものを、私どもの社内で実務的に何か管理するであるとか、取り扱うということはしていません。金融商品取引法上の重要事実、および東証の適時開示ルールに基づく重要事実、こういったものについてはしっかりと管理をしているということが実態です。

【黒沼座長】

神作委員。

【神作委員】

私の理解が間違っておりましたら訂正していただきたいのですが、現行法における法人関係情報も、基本的には会社に関する未公表の重要な情報と定義されていると理解しておりまして、それは、現在、このフェア・ディスクロージャー・ルールの対象とする情報の範囲と、基本的には非常に近い概念であると理解しております。もし、そこの前提が違っておりましたら、ぜひご教示いただきたいと思います。

【黒沼座長】

寺口委員。

【寺口委員】

法人関係情報の定義に関して言うと、これは金融商品取引業等に関する内閣府令の第1条4項14号だと思うんですが、上場会社等の運営業務または財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断に影響を及ぼすと認められるものなどと規定されていると思います。内容は個別の規定はなくて、包括的な規定のみでございまして、主体としては金融商品取引業者及びその役職員の行為を規制するものであるというのは、先ほどご説明があったとおりだと思います。

軽微基準等々はなくて、あくまでも投資判断に影響を及ぼす情報という定義をしていると思います。そして、これも先ほどございましたように、法人関係情報を提供した勧誘、それから法人関係情報に基づく自己売買、取引推奨行為、これらが、禁止をされているという状況だと思います。

ですから、先ほどからご議論あるように、法人関係情報というのと、今、議論をしている情報の範囲というのは、極めて近いところにあると思います。

【黒沼座長】

大崎委員、お願いします。

【大崎委員】

その点で、私、いい概念があるからといって、そのままパッと持っていくと危ないんじゃないかと懸念しますのは、投資判断に影響を及ぼすかどうかというのは、日ごろ株式市場と接している人にとっては、わりあい適切に判断ができるんですけれども、企業の例えば製造現場におられる方とかですと、自分の持っている情報が投資判断に影響するかどうかという観点からの判断というのは、非常に難しいんじゃないかと思うんですね。

なので、おそらくフェア・ディスクロージャー・ルールは、上場企業に対して義務を課すものになるわけですから、少なくとも金商業者の間ではそれなりに適切に運用されているからといって、法人関係情報という概念をそのままポコッと持ってくると、相当混乱し、かつ、相当程度、まさに危うきに近寄らない委縮した実務になるんじゃないかなということを懸念いたします。

【黒沼座長】

ありがとうございました。今の点でもいいですし、ほかの点でも結構ですので。

上柳委員、お願いします。

【上柳委員】

管理可能性とか、発行会社、そのほかの方々の実務との関係というのは重要な要素ではありますけれども、そちらばかりを強調すると、大方の批判に耐えないのではないかと思います。

私、さっき少し読み方を誤解しておりましたけれども、三瓶委員のおっしゃる重大な影響を及ぼす可能性というところの範囲にもよるわけですけれども、これは内部者規制とは異なり、広がるのではないかと。それが神作先生がおっしゃる法人関係情報のところまで広がるのかどうか、よくわかりませんが、私の感じとしては、法人関係情報については、確かに守るべき主体は異なりますけれども、それなりに実務運用も重なってきていますので、それなりに外縁ははっきりしているのではないかと。

繰り返しですけれども、一部の方に情報を話した場合に全体に知らせようということであり、それから、私は若干異論はありますけれども、エンフォースメントの面で、内部者取引なり、あるいは法人関係情報とは、かなり違うといいますか、緩いといいますか、エンフォースメントが想定されていますので、少しずつ日本の情報開示についてのあり方を変えていくという意味で、きちんと広めに定義すべきだと思います。

【黒沼座長】

わかりました。ありがとうございます。

神作委員。

【神作委員】

ありがとうございます。先ほどの大崎委員のご発言に対する私の考えを述べさせていただきます。

私は前回、もしこのルールを、先ほど私が述べたような情報の範囲で設定するとすると、発行会社において情報を提供する側の範囲を絞ることも考えるべきではないかと発言いたしました。さらに、受け取る者の範囲も考えるべきではないかと申しました。それはまさに、大崎委員のご懸念にある程度応える必要があると思っているからであります。フェア・ディスクロージャー・ルールの実効性を確保するために情報の範囲を内部者取引規制における重要事実よりも広めにとる場合には、そういった情報を専門的に扱う人たちに、このルールの適用範囲を限定するべきではないかと考えたのは、そのような考慮がございました。私は、全体として規制をそのように設定することによって、このルールがワークすると思うのです。

さらに、今、上柳委員からもご説明がございましたように、私は前回、場合によっては自主規制によってやることも検討の対象からはずすべきではないと申し上げました。これは専らサンクションのことを念頭に置いておりまして、私は、このルールは、例えば刑事罰ですとか課徴金という厳格な制裁を課すルールだと、ある程度情報を絞って、非常に予見可能性を重んずるというルールが望ましいと思われますけれども、しかし、今回、フェア・ディスクロージャー・ルールについて議論している背景から考えると、情報の範囲を内部者取引規制における重要事実よりは少し広くとるとともに、適用される射程は絞るのが望ましいと考えます。制裁については、上柳委員の言葉をかりれば、少し柔軟に適用するという考え方で、規制の全体像を考える必要があると思う次第です。

【黒沼座長】

ありがとうございます。それぞれの論点についていろいろな考え方があるので、組み合わせもいろいろとあるとは思うんですけれども、ご意見を出していただくのは歓迎いたしますので、よろしくお願いいたします。

奥野委員。

【奥野委員】

拡張しなければならないということは、みんな多分同意しているので、拡張するときに、情報を出すほうの発行体の方が一番アプローチしやすいやり方というのが現実的だろうと思います。重要性は情報の出し手、受け手によって変わる曖昧性を持っているので、法律で厳格に決定することはそもそも困難だと思います。

なので、ガイドラインを決めるときに、三瓶委員のおっしゃった「未公表の正確な情報」という基準はすごくいいなと思っています。未公表で正確でない情報というのは、世の中にはたくさんあるけれども、未公表の正確な情報というのは、ありそうでそんなにないわけです。そのほかには、株価にインパクトがあるという基準で、それぞれの発行体が、何が重要で何が重要でないかということをちゃんとエクスプレインしていただくという、独自の路線でやっていただければいいのかなと思います。要は拡張するときのやり方を合理的にできればいいのではないかと思っています。

【黒沼座長】

それでは康委員から、お願いします。

【康委員】

皆さんの議論の中で、どちらからのアプローチなのかというのが分かれていますけれども、私の素朴な考えといたしましては、原点ってそもそも何なのか、何のためのルール化なのかというところで、公平性を確保することによって市場の信頼を高めるということで、その中で建設的な対話、それを私なりに言うなら、より緊張感のある建設的な対話というものを、発行者、投資家及びアナリストの間でより促進をしていくということではないのかなと思います。確かにインサイダーからのアプローチなのか、法人関係情報からのアプローチなのかというのは、具体的な情報の定義は一体何なのかという議論をすればするほど、ここの部分というのはより明確にしなければいけないというのではありますけれども、まさしく、今、委員がおっしゃったように、これをより即効性のある形で早急にルール化して、建設的な対話を促進するというのならば、現実的なアプローチが容易な発行者がなじみのあるインサイダーからアプローチするべきではないかなと思います。結果として、インサイダーよりは拡張的でありながら、法人関係情報よりは狭いところに、最終的な落ち着きどころとしてはなるのではないかなと考えております。

その際に重要なのは、資料の3ページにありますけれども、エンフォースメントだと思います。つまり、今回、私、これを読ませていただいたときに、非常にバランスがとれているなという印象を持たせていただいたんですが、軽微基準を一部含めてより拡張した範囲としながらも、罰則規定に関しては、基本、行政的な対応ということで緩目にするということで、試行錯誤でケーススタディーを積み上げていくことによって、建設的な対話を促進させていくという趣旨での、これは非常によくバランスがとれた形ではないかなと考えております。また、そのようなものをより速やかに促進させていくためにも、大崎委員もおっしゃられていましたけれども、これをガイドラインのようなものでいかに啓蒙していくのかが、大事だと考えます。基本、重要情報というのは、発行者が決める部分と、ルールとして法律で決める部分というのがありますけれども、より具体的なところというのは、業界、業種、発行者によって変わってくると思いますが、そこのガイドラインの部分を何らかの形で、当局なり、あるいは取引所なりが示すのが重要ではないかなと考えています。

それはなぜかといいますと、上場企業の中でも大手の企業の方々というのは、しっかりしたIR室あるいはIR部署があって、自ら情報の定義というのができると思いますけれども、その一方で、大半の企業というのは、ディスクロージャーというのは非常に重要であると、建設的な対話は大事であるというのは認識をされながらも、具体的にどうすればいいのか、新しい法律が出てきた場合に具体的にどうすればいいのかというのは、非常に彼らも対応が難しいところがあると思いますので、そこの部分を、1回目の議論の中にもありましたけれども、発行者が委縮しないように、できる限りガイドラインというのを速やかに示して啓蒙を行うべきではないかなと考えております。一方で、そのような啓蒙をしても、これを理由にして、投資家なり、あるいはアナリストとの対話を拒絶する発行者も出てくるのではないかなと思います。そのような発行者に対して、しっかりと投資家なりアナリストなりが金融市場でメッセージを送るというのが、我々インベストメント・チェーンの役割・責任ではないかなと理解をしております。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

三瓶委員、お願いします。

【三瓶委員】

検討資料でいただいているところのページ4のところに、これ、議論はこれからかもしれないんですけれども、情報受領者の範囲というのがあります。この情報受領者の範囲でこれがいいのではないかというのは、有価証券売買に関与する蓋然性が高いとされる者という、こういう点はまず一つ押さえておきつつ、2ページ目の意義のところですね。意義のところに幾つかありますが、市場の信頼ということが、まず全体として言えるのではないかと思います。こういうことを考えて、しかも、そのために具体的に何がアンフェアでフェアなのかということを考えたときには、有価証券の売買ということに直接に事象としてはかかわってくると思います。

ですから、有価証券の売買に関して、どんな情報がアンフェアに出てはいけないとか、フェアはどういうことかということを考えるべきだと思うのです。今、康委員がおっしゃったこととかなり重複しますけれども、そういうことに立って考えると、法人関係情報というものよりも、もう少し具体的な情報の範囲、具体的にどんなアクションが問題なのかを明らかにすべきと考えます。なので、先ほど提案のところで一つ書かせていただいたのは、最終的な、そういう意味で、くさびを刺す意味では、プライス・センシティブということが非常に重要な鍵になるということです。

あえて申し上げると、米国型の表現とか今のバスケット条項は、比較的投資家の目線で書いた言葉になっています。こちらに解釈として提案させていただいたのは、発行者の視点で考えてもわかるであろうという書き方なので、そこについて、若干違う。とにかく大事なのは、株価に影響を与えて、その株価をアンフェアに取引できてしまうことを排除するということが、究極の目的ではないかなと思います。

【黒沼座長】

神山委員。

【神山委員】

康委員や三瓶委員からも、いろいろと貴重なご意見いただきました。それから、先ほど来、発行体の実務に沿っていろいろとルールをつくっても、それだけでは十分ではないのではないかというご意見もあったかと思います。しかし、発行体側としては、これも先ほど康委員からもございましたけれども、大企業ばかりではありません。上場会社というのは、非常に範囲が広いわけで、それぞれの発行体がそれなりに対応できるようなものでなければ、実効性はなかなか得にくいのではないかと思っています。

それでインサイダー規定の中のルールを援用しつつ、その軽微基準の範囲を広げていこうというご議論があるかと思いますが、いずれにしても何らかの、特に多くの発行体にとってわかりやすい基準、あるいはガイドラインになるのかもしれませんけれども、これはぜひつくっていただきたいと思っております。そして、それは何らかの定量的な基準になるのだろうと思います。いろいろ皆さんからご意見はありますけれども、株価に影響を与える情報というのは、これは本当に情報を受け取った側の問題というのもあるでしょうし、あるいはそのときの市場の状況等に影響を受けることもあり、予見性があるかというと非常に困難です。それを発行体側に責任を取れというのは、なかなか難しい問題なのではないかと思っております。何らかの具体的な、可能な限り定量的な基準、あるいはガイドラインというものをつくっていただくことが、本ルールの実効性を担保するという意味でも重要なことではないかと考えております。

【黒沼座長】

大崎委員、お願いします。

【大崎委員】

先ほど来、情報の範囲についてはいろいろな議論がありましたので、それ以外の点について意見を申し上げたいと思うんですが、まず情報提供者の範囲については、先ほど神作委員からご指摘があった点、非常に重要だと思いまして、これは情報開示ルールということですから、インサイダー取引のような何人もが規制されるものとは全く違いますので、情報開示にかかわる人たちが金融庁による規制の対象であるとすべきだと思います。

それからもう一つ、大事なことで、前回確認したかどうか記憶が曖昧ですが、これ、発行者とずっと書いてありますけれども、これは上場会社ですよね。有価証券報告書提出会社まで広げると、いろいろ混乱が生じると思いますので、これは上場会社に限定したルールであるということが大前提かなと思っております。

それから、情報受領者の範囲についても、この紙に書いていただいたような形で限定することが非常に適切だと思っておりまして、インサイダー取引ですと、これもまた何人もという話になるわけですが、たまたま重要な情報を知ってしまった業務上情報伝達にかかわらない内部者からたまたま聞いた友達みたいなのが情報を持っているからといって、会社に開示義務が発生するというのは非常におかしな話ですので、そういうことではないと。ただ、その不心得な人たちが取引をすれば、それはインサイダー取引で捕まえればいいと、こういう理解だと思っております。

それから、5ページのところの、公表を必要としない情報提供のところですが、こういう論点が出てくるという論理的な必然性は理解できるのではありますが、なかなかこれを具体的なルールにしたときに厄介なことにならないかと心配しておりまして、つまりここに書いてあります「一次情報受領者が守秘義務に違反して情報を二次受領者に伝達したことを発行者が把握した場合には云々」というやつですが、これはどちらかというと、私のイメージとしては、こういう形できっちりとルール化するというよりは、今、前提となっているこのルールのエンフォースの仕方というのは、例えば当局として何らかのそういう事態が発生しているということを把握した場合に、情報を速やかに公表することを命じるとかいうような、そういう手当てをしようという議論でしたよね、少なくとも前回。で、この紙にもそう書いてありますよね。であれば、当局としてこういうようなことが起きているんじゃないかと思ったら、情報開示命令を出していただくというのが一番いいのかなという気がしておりまして、もちろん、発行者の側で、これは明らかにあいつがしゃべっちゃったなという心当たりがあれば、それは公表するというのは望ましい対応であるとは思うんですが、それを何かルールに書き込むと、かえってそれを気にして、いろいろなサブルールみたいなものをつくるというような妙なことになるんじゃないかなということを心配いたします。

以上でございます。

【黒沼座長】

発行者の意義についてはどうですか。

【田原企業開示課長】

前者につきましては、上場会社と、それに類似する、例えば上場リートなどが対象になると思いますが、範囲についてはよく検討させていただきたいと思います。後者については、ここでは、まず二次受領者に伝達したことを把握した場合ということで、情報伝達の状況を完全に管理しろということではないと思っておりますのと、アメリカでは、一次受領者Aが二次受領者Bに伝えたということを明確に把握しても、そこに対して公表義務がかかっていないと聞いておりますので、論点として挙げさせていただきました。

【黒沼座長】

柳澤委員。

【柳澤委員】

ありがとうございます。情報の範囲に関しまして基準を設定するという論点も出ていますので、この点で補足的にコメントさせていただければと思います。

仮に基準を設定する場合ですけれども、既にある基準、ガイドラインをベースに設定していくというのであれば、企業側も投資家側も、おそらくある程度、範囲に対する目線が共有されていて、意識も備わっていると考えられますので、対話の現場におきましても、どこまで踏み込んでいいのかといったことなど、互いに留意しやすくなるように思います。例えば企業と投資家の双方で常に留意しておけるような範囲についての包括的な定義があって、さらに基準、ガイドラインというものが付されていれば、対話の現場でも、より効果的に浸透・機能するのではないかという感じがしております。

その意味で申し上げますと、情報の範囲に対する意識と実効性を高めるために、包括的な定義づけと併せて、何らか依って立つことのできる基準、ガイドラインというものを検討しておく必要性は、十分あるというように認識しております。ただし、明確に線引きするような基準、特に定量的な基準を一律に設定していくというのは、企業ごとに状況も異なりますし、そもそも実質的に難しいと想定されますので、こういった点も踏まえまして、基準の設定の仕方について相応の工夫が必要になってくるものと考えております。

以上です。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

三瓶委員。

【三瓶委員】

4ページの(3)の情報受領者の範囲ですが、こういった範囲でおおむねいいのかなとは思いますが、前回の会合で配られたペーパーで、これはほとんど米国の考え方に近いと思うんですけれども、米国の場合、もう1行ありまして、投資会社及びその系列にある者というのが書いてありました。なので、それがあえてここで書いていないのはなぜかなということと、おそらくそれはあったほうがいいんだろうという感じはします。ただ、その理由がわからないので、もしご説明いただければ。

あったほうがいいと思うのは、ここに書いてある証券会社、投資運用業者というのは、レギュレーテッドな運用業者であって、おそらく米国で投資会社及びその系列にある者というのは、レギュレーションの範囲に入っていないファンド等、そういったものを捉えて言っているのではないかなと思ったので、本来であれば、それを捉えるべき。ただ、この文言でも含まれるのであれば、それは結構です。

もう1点、5ページの、先ほど大崎委員がご指摘されていたポイントです。(4)の2つ目の丸ですけれども、私は、ここは企業に判断を任せていいのではないかなと思います。というのは、情報の範囲、いろいろありますけれども、特に業務提携みたいなものの交渉中であったりするときに、何らかのことが一部漏れたと。ただ、そのときにはまだ交渉の途中であるとか、また、全体の中での一部であって、その時点で公表してしまうと、提携の交渉とそのものについて非常に左右してしまうというケースもあり得るのではないかなと。そういう意味では、どの段階で公表するかというのは、企業に判断を任せてもいいかなと。

ただ、任せたときに、全くそれがいろいろなところから漏れ伝わっているにもかかわらず、公表されないことがあるかというと、現実的には、そういう状況があると、かなり問い合わせがあって、大変なことになっていると思うんですね。そこで、それについては単なるうわさで何も言えませんということを、あまり長い間、放置は現実的にできないのではないかということからすると、発行体企業の判断に任せても大丈夫ではないかと思いました。

【黒沼座長】

第1点目について、事務局から。

【田原企業開示課長】

1点目でございますけれども、日本の場合はほとんど投資信託ということですので、ここで言うと投資運用業者ということでカバーができるのではないかということですが、例えば投資法人とその関係者を含めるべきかどうかということであれば、それは含めるべきであるということかと思います。

【三瓶委員】

ありがとうございます。

【黒沼座長】

真野委員、お願いします。

【真野委員】

ありがとうございます。議論が全体に及んでいるので、その他の、今、お話に出ているところも含めて、少し申し上げます。

範囲のところの議論に加えて、情報提供者の範囲、それから受領者の範囲については、今回の討議資料としてつくっていただいた形で、発行体側としては問題ないと思っています。ですので、この形であれば、よろしいかと思います。

5ページの、今、まさに幾つか既にご意見が出ている二次受領者のお話ですけれども、フェア・ディスクロージャーは当然発行体側のルールという形になりますので、二次受領者については、発行体が自ら何か動いて探さなくちゃいけないということがない限りにおいては、それほどの負担ではないとは思っています。わかった場合にはディスクローズしてねということであれば、それほどの負担ではないとは考えています。ですので、その考え方であれば、我々としては対応できるかなとは思っています。

それとあと、エンフォースメントのところですが、3ページの一番下、3.マル2ですけれども、行政的な対応ということで、特に異論はないのですが、行政対応を最初から公表するというと、上場企業は公表されることを非常に嫌うところもありまして、最初は例えばほんとうに、指示いただくとか、公表ではない形でアドバイスいただけると、より手が縮こまらないかなと。いきなり最初から公表ということになると、場合によっては躊躇するところが出てくるという可能性は感じております。

それとあと、最終的にですが、多分、このタスクフォースの議論を終えた後、法制化等々を考えていかれるのだと思いますけれども、ぜひ産業界と、よりすり合わせをしていっていただければというところは、少しお願いとしてはございます。

あと、全体論として、範囲の話がずっとさっきから出ているのですけれども、上場企業側の考え方としてはということですが、フェア・ディスクロージャー・ルールそのものの導入とか意義については、第1回目でお話しいただいたとおり、多分皆さん全く異論がないということからすると、なるべく混乱がない形で、なるべく速やかに導入できるように持っていったほうがいいと思うんですよね。ということから考えると、今あるものからあまりにも広げたものとか、かちかちっという完璧なものをつくろうと思うと、最初にまず混乱とか、あと、時間がかかり過ぎるというところがありますので、どちらかというと、このフェア・ディスクロージャーという意義をちゃんと浸透させて、これから啓蒙活動を続けるという意味においては、まずは現状から近いものから始めて、実際にその中のやりとりの中からだんだん深めていくというほうが現実的じゃないかなと。そのほうが、逆に言うと、本来、この議論をしている趣旨に沿うのではないかなと考えます。

以上です。

【黒沼座長】

ありがとうございました。

青委員、お願いします。

【青委員】

恐れ入ります。まず情報の範囲についてですけれども、先ほどから皆さんご指摘いただいているように、このフェア・ディスクロージャーにつきましては、建設的な対話を促進するというところが基本的なところだと思っておりますので、そういう意味で、実務がやりやすいように、特に上場会社がある程度判断しやすいものという形で考えていく必要があると思っております。先ほどのご意見と同様でございます。

それから、情報受領者の範囲でございますけれども、フェア・ディスクロージャー規制というものは、開示ということで、会社のしかるべき方から投資家に情報が流れた過程について、そこで公平性を確保して、証券市場の信頼性・透明性を高めていくというところが主眼かと思います。そのように考えますと、受領者の範囲につきましても、原案にあるように、有価証券の売買に関与する蓋然性が高いと想定される者という整理でよいのかなと思う次第であります。

以上です。

【黒沼座長】

ありがとうございました。

大崎委員。

【大崎委員】

1点、事務局としてのお考えを確認したいんですが、しつこいんですけれども、さっきの公表を必要としない情報提供のところに絡んでですけれども、フェア・ディスクロージャー・ルールの対象とする情報受領者というのは、業者とイメージされるような人たちに限定しようという趣旨だと思うんですが、一方で、こっちについては、ですから守秘義務とか投資判断に利用しない義務を負っている人ということですから、そういう人にしゃべっても、逆に直ちにフェア・ディスクロージャー違反にはならないという人から別のところへ行ったという、そういう話ですよね。

そうすると、例えば変な話、M&Aなんか進めているときに、会社の重要なOBみたいな方に、事前にここだけの話ですがお耳に入れておきますみたいなことを言ったら、なぜかその人が新聞記者か何かにしゃべっちゃって、新聞にでかでかと載っていますなんていうことがあった場合には、これはどうも漏れたとすると、あの方からしかないよなと会社が判断した場合には、公表義務を負うというような、そんな理解ですか。

【田原企業開示課長】

(3)と(4)の関係についてみると、一次受領者としてルールの対象となる際に、(3)で対象をかなり絞っていますし、(4)でさらに絞った形になっているということだと思うんですけれども、(4)の絞る条件としては守秘義務があり、そこが、アメリカのルールだと、守秘義務が守られない場合に会社の公表義務がないとされていることについて、どう考えるかについてのご意見をお伺いしているということでございます。

【黒沼座長】

私のほうで確認したいんですけれども、大崎委員のご理解というのは、(3)の本ルールの対象となる情報受領者の範囲以外の者も、(4)の守秘義務とか投資判断に利用しない義務を負う者に含まれるから、その者が伝達した場合にも2つ目の丸のルールが適用されるのかという、そういうご質問だったと思うんですけれども、このペーパーのつくりは、(3)の範囲内であっても、例えば証券会社に情報伝達をするけれども、このような場合があると、そういう話じゃないでしょうか。

【田原企業開示課長】

5ページのところに「例えば、証券会社に資金調達の相談をする場合など」と書いてありまして、OBの方は、ここに書いてあるものにはあたらないと考えます。

【黒沼座長】

例えば事業提携を行う際に、他の事業会社に対して伝達を行うときは、そもそも(3)の対象になっていないので、(4)のルールも適用されないと。ただ、大元のインサイダー取引規制は適用されるという、そういう理解。

【大崎委員】

いや、もしそういう理解でよろしいんでしたら、私としては、あまり強い異論はないです。いいんじゃないかと思います。

【黒沼座長】

わかりました。

寺口委員、お願いします。

【寺口委員】

(4)の公表を必要としない情報提供について、先ほどよりどちらかというと2つ目の丸に関連して皆さん議論されていると思うんですが、1つ目の丸の守秘義務について、これは今、「例えば、証券会社に」というご説明もあったように、基本的に証券会社の業務そのものに深くかかわるところですので、1点だけ申し上げます。守秘義務をどのような形で負うべきなのかということを書いていないんですけれども、現状、ご案内のように、例えばアナリストですとかセールスですとか、アウト部署の人間は当然ですけれども、今回の例で言うと、情報受領者の対象と定義をされるべきだと思います。

一方、投資銀行業務、イン業務をやっている部署の人間についてですが、こちらに関しては、既に証券会社の役職員は日本証券業協会の規則による守秘義務を負っており、それから、社内的にチャイニーズウォールがインとアウトの間に制度上敷かれているということで、既に守秘義務が存在している前提で業務を行っています。今回新たに、例えば個別案件ごとにもう1回守秘義務を結ぶというやり方になってしまうと、通常の業務に多大なる影響が出てしまいます。ここに関しては、既にチャイニーズウォールがきっちり制度上整備されていることを踏まえて、公表を必要としない情報提供の定義を行っていただきたいと思います。

【黒沼座長】

わかりました。ほか、いかがでしょうか。

青委員、お願いします。

【青委員】

5ページの(4)の、公表を必要としない情報提供について確認をさせていただきたいんですけれども、一次受領者と二次受領者の概念はいずれも、(3)で定めている情報受領者に該当する人に限られるという理解でよろしいんでしょうか。それとも、二次受領者は広くということでしょうか。事務局のお考えをお聞かせいただければと思います。

【田原企業開示課長】

それはこの場でご議論いただくべき課題かと思っております。

【黒沼座長】

狭く解すべきではないとおっしゃるんですね。いかがでしょうか。ですが、ここに書いてあるだけで、明確に出てきませんので、わかりにくいんですけれども、第二次受領者は。

青委員、ご意見ありますか。

【青委員】

二次受領者につきましても、基本的には(3)の情報受領者の範囲に記載いただいている人たちが対象ということがよいのではないかなと思われます。そこは先ほど申し上げましたように、投資者の情報の公平性というところが基本的なところかと思いますので、そこのところを押さえておけば十分かなと思っているところでございます。

以上です。

【黒沼座長】

真野委員。

【真野委員】

同意見です。基本的に、これを読ませていただいたときに、私も、二次受領者は多分、(3)を想定しているんでしょうねと。つまり、もともとの情報受領者の範囲には入っているんだろうなと。実際、二次受領者がどこから情報を得たかを上場企業が知るのはとても難しく、誰からそれをもらったのか、しかも更に広がると、例えば発行者が把握した場合といっても、ほんとうにそれがどこから出たんだろうというのを把握するのは、発行者はとても難しいと思うんですよね。

ただ、それはフェア・ディスクロージャーという観点からすると、市場に影響を与える方々と見ていただくのが正しいと思うんですね。それを多分、二次だから広げましょうというと、メディアの方々とか、あらゆる人たちまで入ってしまうと、それはフェア・ディスクロージャーというもともとの考え方から、また外れるようになっちゃうかなと思うので、二次についても基本的には、最初の情報受領者の範囲というものと同じという形が正しいのかなとは考えます。

【黒沼座長】

上柳委員、お願いします。

【上柳委員】

ありがとうございます。今の点ですけれども、私は、この二次受領者は、広く一般ではないかと思います。ある意味では一次受領者の人がきちんと情報を管理していただくということが前提での守秘義務だろうと思いますので、守秘義務を守らなかったときの、ある意味では統制として、一次受領者の方が処分されるというのは十分あり得るのではないかと考えているところです。

ついでに、情報の範囲のところですけれども、私は法人関係情報のように広くでもいいのじゃないかと思っておりますけれども、仮に三瓶委員のような考え方をとる場合に、一つだけ、このヨーロッパの規定の「シグニフィカント」を「重大」と訳しておられますけれども、これは「重要」ではないかと。私の好みで言うと、さらに「実質的な」とかになるんですが、ご検討いただければなと思います。

もう一つは情報受領者の範囲でございますけれども、私は、広くこれも第三者で、ヨーロッパのように規定するのがよいと思います。仮に限定するとしても、今日の資料1の4ページで言いますと、財務内容等の分析結果を第三者に提供することを業として行う者とか、あるいは2つ目のポツは大変重要な事項だと思います。総合的に考えると、導入する際に若干の限定をすることは、一つの考え方としてあり得るのかなと思います。

5ページの第二次受領者に伝達したことを発行者が把握した場合については、これはきちんと規定をしておいて、必要があれば行政的な対応ができるようにしておく必要があると思います。

それから、今の行政的な対応のことに関連するわけですけれども、行政命令なりに十分対応しないと、それに対する違反があった場合は、これはもう少し重い課徴金なり罰が想定されているんだろうと思いますけれども、確認のために申し上げておきます。

以上です。

【黒沼座長】

大崎委員、お願いします。

【大崎委員】

さっきの一次受領者、二次受領者の話ですけれども、私は個人的な意見としては、先ほどの発言で申し上げたように、こういうルールまでつくる必要がほんとうにあるのかなというのは、やや疑問に思っているというのはそうですが、仮につくるんだとしたら、これは論理的に考えて、二次受領者の範囲は限定すべきではないと思います。二次受領者も限定してしまうと、あまりというか、全然意味のないルールになるので、それは論理的に二次受領者というのは限定されないのだろうなと思います。

そこのところは、ただ、発行者の方としては、どこで出ていても自分たちに責任が及ぶのかということで、非常に気になるかもしれないんですが、これはあくまでも発行者が守秘義務違反が発生したということを把握した場合ということですから、何だかよくわからないけれども、かなり正確な情報が出回っているという場合は、直ちに発行者に公表義務は発生しないという運用をすることで、ご安心がいただけるのかなと思っております。

それから、情報受領者の範囲で、さっき三瓶委員から投資会社というご指摘ありましたけれども、あれはアメリカの場合は、40年投資会社法の登録を受けているということを意味するんだと思うので、日本で言えば、運用業者、投資顧問業者という表現をしているところにほぼ近いんだろうなと思うんですが、先ほど事務局からお話があったような、投資法人どうするんだというのは、確かに技術的に読みにくい文章にはなるんでしょうけれども、書かないとまずいよなという気が、私もいたします。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

康委員、お願いします。

【康委員】

まず1点、確認ですけれども、4ページの(3)のところです。今も議論がありましたが、投資運用業者、投資顧問業者というのは、当然ながら、海外の投資家も含まれるという理解でよろしいですよね。ありがとうございます。

その次、5ページのところの、先ほどから議論にある二次受領者ですが、私も基本、大崎委員のご意見に賛成でございまして、二次受領者は限定すべきではないだろうなと考えております。例えば二次受領者が守秘義務を負っている者であるならば、それは公表する必要もないのであって、むしろこの二次受領者が、一次受領者が言った情報に基づいて売買を行った場合、その場合に証券市場への信頼を損なうということから、もしこのような二次受領者へ情報が漏れた場合に公表するというルールを定めるのであるならば、限定すべきではないと考えております。

ただ、その一方で、ここまで厳しくやる必要があるのかどうなのか。もちろんルール化されたほうが明確であるという一方で、ある程度、金融市場なりの健全性というものに期待してもいいのかなと思っておりまして、もしそのような情報が漏れて、それで株価が変動した場合には、それは最終的に上場会社がマーケットで評価を受けることでありまして、そのようなことがあった場合、守秘義務の相手方に対してより強い情報管理を求めるとなるでしょうから、そのような自律的な改善機能、市場の修復機能なり評価というものを期待してもいいのかなと。そうしないと、あまりがちがちにルールで定めてしまいますと、これがまた実際の運用の中で障害になってしまうことを懸念いたします。

実際、このルール、法制化とはいっても、私の認識では、みんなでこれからつくっていく、ケースを積み上げていって、よりよい形の具体的なものにしていくルールではないのかなと。それが、先ほど申し上げましたけれども、公平な情報の提供であり、建設的な対話の促進というものだと思いますので、ある程度のルール化はしながらも、ケーススタディーを積み上げていくことによって、市場という場を使って、上場会社と投資家及びアナリストが、よりよい対話のルールを決めていくというのがよいのではないかなと考えております。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

真野委員。

【真野委員】

今の二次のお話をお伺いしていて、先ほどの、クラリフィケーションだけですけれども、一次受領者が守秘義務に違反して二次受領者に伝えたということが明確な場合に限ってということだと、そこがとても重要なのですが、先ほど申し上げたとおり、実際にはどこから情報が伝わったかわからないケースがほとんどだと思います。メディアの方々は絶対に情報ソース言いませんので、メディアの方々に漏れたときに、それが我々の責任なのかどうかというのを、もしくは一次受領者が漏らしたのかどうかというのは、多分ほとんどクラリファイできないと思いますので、そのときもフェア・ディスクロージャーの対応になりますよというと、多分膨大な作業が出てくる可能性があるので、あくまでも一次受領者が守秘義務に違反したということが明確に確認できた場合ということであれば、先ほどの二次受領者の範囲を限定しないという意見もわかりますので、それでもよろしいかと思います。

ただ、実際に、先ほど何とか対応できると思いますと申し上げた一方で、今、まさに康委員がおっしゃられたとおりで、今後のいろいろな中の積み上げで考えるべきで、最初から全部そこまで決める必要がないというのであれば、そのほうが望ましいとは思います。

【黒沼座長】

ありがとうございました。

永沢委員。

【永沢委員】

ありがとうございます。出席しておりますのに何も発言しないで帰るわけにいかないと思いまして、発言させていただきます。私は個人投資家の立場ですし、実際のところ実務がどのようになっているのかということは、本日、お話を伺いながら、なるほどと思いながらも、自分の考えがなかなかまとまらないため、発言をしないまま座っておったんですが、最後に一言、申し上げさせていただきたいと思います。

今日、示していただきました論点につきましては、上柳先生が言われたように、エンフォースメントの点では緩く想定されていることを考えると、情報の範囲なども広くとってもいいのではないかと思いつつも、実務の方々のいろいろなご意見を伺っておりますと、また日本の企業の文化や体質を考えますと、がちがちに考えがち、萎縮するということもあります。今回の出発点である建設的な対話というところを阻害するようなことがあってはいけないとは思いながら、どちらの意見につくべきなのかは、今のところ、まだわからないというのが現実でございます。

私は、個人の立場から、本日の論点ペーパーの(5)のホームページのところに関して、意見を申し上げたいと思います。事務局にいろいろ調べていただきまして、60歳未満の個人投資家はほぼ全員がインターネットを使っているという実情を知ることができました。確かに60歳以上は半数程度にとどまっていますけれども、この世代も時代とともにインターネットを利用するということもわかっていますし、EDINETやTDnetというものは、一般の個人にはアクセスが難しく、ホームページで速やかに開示いただくということが大事であり、個人投資家にとって情報開示が大幅に進んだと評価していただけることと思います。また、情報伝達に要する時間が大幅に短縮されていますので、情報はネットによって瞬時に広まります。三瓶委員がペーパーでご指摘のように、正しい情報というものが市場に提供されることが、市場を混乱に陥らせないようにすることが一番大事なことだと思っております。株価に影響を与えるような情報を提供してしまったと判断される場合には、発行者側で正しい情報を速やかに開示ということをお願いしたいと思います。

また、エンフォースメントについては、今回は、罰則というよりも、当局が発行者に対して公表を促すという方法をとられるという点は評価したいと思います。指示・命令と書いてあるので、厳しいもののようにも見えるのですが、ソフトな方法でされるのが望ましいと思います。また、金融庁と発行者との間でも対話を盛んにしていただいて、望ましい開示のプラクティスをこれからつくっていくということが望ましいと思いました。

それから、最後になりますけれども、三瓶委員のお話を伺いながら思ったことでございますが、フェアかアンフェアかというのは投資家側の視点であるのに対して、今回のいろいろな検討というのは、情報を出される発行者側のことを議論しているわけでございまして、そういった意味では、先ほど三瓶委員が、投資家の目線で書かれているものから発行者の目から見てもわかるものであってほしいという趣旨のご発言をされまして、そのご提案はなるほどなと思いました。また、発行会社におかれましては、投資家からどう見えるか、フェアかアンフェアかというのは投資家側がどう思うかというものでもございまして、その辺のイマジネーションというものを、先ほど康委員がおっしゃったようなケーススタディーを積み重ねて、投資家からどう見えるかという視点を発行者の方々にも育んでいただくというところが大事かと思いました。この点、ルールよりも、自主的な取り組みで積み上げていく部分が、かなり多いのではないかと思っております。

以上、雑駁な意見でございました。

【黒沼座長】

それでは、大崎委員、寺口委員の順番でお願いいたします。

【大崎委員】

今のお話に関連しまして、私も、先ほど来、何人もの方が言われておりますが、プラクティスを積み上げていくということですとか、あまり厳しいエンフォースメントに陥らないということは、非常に重要だと思います。他方で、前にどなたかご発言になっていましたけれども、こういうことですから速やかに実施すべきだと、これもそのとおりだと思いますので、ぜひ制度をつくるときに、例えば行政的な命令権みたいなものを監視委員会、金融庁が持つことになるという場合も、その行使について一定の裁量が認められるような技術的な配慮というのを、ぜひしていただきたいなと。現在の課徴金納付命令ですと、基本的に裁量が全くないように読める条文になっておりますが、フェア・ディスクロージャーに反することを当局が認知したら必ず命令を出さなきゃいけないとしか読めない条文になってしまうと、かなりそれだけでも萎縮効果があるのかなと懸念をいたします。

それで、ぜひ少なくとも最初のころは、どちらかというと、例えば東証の自主規制法人で、エクイティ・ファイナンスのプリンシプルというのをつくられましたけれども、あのような形で、この事案はフェア・ディスクロージャーになっているとは思えないよみたいなことを公表するという段階から始めていったほうがいいんじゃないかなと。そうすることによって、実際、何がだめなのかということが、市場に浸透していくんじゃないかなと思う次第です。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

寺口委員、お願いします。

【寺口委員】

今、永沢委員から個人投資家というお言葉が出ていまして、前回も申し上げたんですけれども、このフェア・ディスクロージャー、こちら、発行者による公平かつ適時な情報開示を確保するという趣旨からすると、得てして機関投資家を対象とした議論に陥りがちだと思うんですけれども、個人投資家というのをきっちり念頭に入れておかないといけないのかなと。我々取引仲介業者としても、機関投資家、個人投資家、いずれも大変重要なお客様です。

前回も申し上げたんですけれども、機関投資家の方々は、決算説明会ですとか、さまざまなカンファレンス等々に比較的出席する機会が多く、企業と直接対話をする機会も多い一方で、個人投資家の方々は、なかなかそういう機会が得られていないと思います。そこで、今回、情報の公開方法というところではホームページということが規定されていくのであれば、ホームページを積極的に活用されて、機関投資家の方々に説明をされたプレゼンの資料ですとか、そういったときの例えば動画等々があるのであれば、ベタープラクティスというという形で、ぜひ個人投資家の方々に対する公開も、これを機会に進めていただければよろしいかなと思います。

【黒沼座長】

ありがとうございます。

三瓶委員。

【三瓶委員】

もう何名かの委員の方がおっしゃっていたんですが、公表の方法について、ホームページの公表を認めるというのは、意義のところに書いてある「早期の情報開示を促進し」ということと整合性がとれていて、非常に前向きでいいのではないかと思います。

あと、先ほど上柳委員がご指摘された英文と邦文の訳ですね。「重大」と。ここは、もともと討議資料の1ページ目の注のところにある括弧書きのところを拝借していますので、一般的な訳なのかなということで、私の好みで訳したわけではないんです。念のため、お伝えしておきます。

【黒沼座長】

康委員。

【康委員】

先ほどの寺口委員のご意見に、全く私も賛成でございまして、市場というのは常に開かれていなければいけない。開かれる対象というのは、発行者、上場企業との間での投資家であり、アナリスト。ただ、その投資家というのは、機関投資家だけではなくて、個人投資家であり、また、それほど規模としては大きくないような中小の、あるいは独立した運用会社に対しても、公平に開かれていなければいけないと考えておりまして、そういう意味でも、このフェア・ディスクロージャーのルール化というのは、先ほども私申し上げましたけれども、早急に導入すべきであって、建設的な対話というのを促進すべきだろうと考えております。

現状置かれております状況というのは、確かに日証協さんのガイドラインで、証券会社に対してのある程度のガイドラインというのはありますけれども、投資家にはないわけですね。ですから、例えば発行者と大手の運用会社の間では、このようなフェア・ディスクロージャーなりというのはない。あるいは海外の投資家ともそういうのはないという中で、独立系の運用会社、それほど資産規模が大きくない運用会社であったり、個人投資家に対しての、公平性が確保されているのかというと、これは疑問のある状況ではないかなと考えておりますので、とにかく早急に導入すべきであると考えています。

そうすることによって、例えばこれは運用業界の発展も促進されるのではないかなと考えておりまして、大手の運用会社だけではなくて、中小の独立した運用会社も、同じ情報に基づきながら、同じルールの下でパフォーマンスを競うことができ、それが、ひいては個人投資家の資産形成への貢献になるという意味でも、繰り返しになりますけれども、できる限り速やかに導入していただきたいと考えております。

【黒沼座長】

ありがとうございました。

上柳委員、先ほど手を。

【上柳委員】

三瓶委員の訳ではなくて、事務局もそのように訳されていることを認識いたしましたが、事務局にも。

【田原企業開示課長】

「シグニフィカント」の意味であるのはご指摘のとおりです。「重要」と訳したり、「重大」と訳したりしております。

【上柳委員】

ありがとうございます。よろしくお願いします。

繰り返しですけれども、このフェア・ディスクロージャー・ルールの議論というのは、アメリカ、ヨーロッパでは多分10年以上前に議論されていて、私の記憶では金融審議会そのほかでも当時議論されたような気がします。当時は、内部者取引なり、そのほかの規制で日本では大丈夫じゃないかということで、明示的な法制化までには至らなかったのではないかと認識しています。が、残念ながら、繰り返しになりますけれども、早耳情報なり、あるいは問題事例が起こって、今回のタスクフォースになっていると思いますので、きちんとした実効性ある規制を早く導入すべきだと思います。

【黒沼座長】

ありがとうございます。ほかにご意見ありますか。

柳澤委員、お願いします。

【柳澤委員】

ありがとうございます。情報の提供者の範囲という点と、エンフォースメントに関して、コメントを簡単にさせていただければと思います。

まず情報提供者の範囲に関してですが、「発行者の業務遂行において情報提供の役割を果たし、それに責任を有する者に限定する」ということで、特に異論はありません。ここで意味するところが、内部情報を雇用または職務上の通常の履行の過程で伝達するということであれば、IRや広報部門で職務に従事されている方は、当然対象になるものと理解しています。

一方で、例えば工場見学や研究所見学、事業別説明会といった情報提供のイベントなどで、工場長、研究所長、事業部門長といった方々が一時的にその役割を担うといったような場合、基本的には通常の履行の過程ではありませんので対象にはならないと理解しておりますが、こうした扱いについてはどうしていくのか、考え方を整理しておく必要があるかと思っております。

それから、エンフォースメントに関してですが、基本的に違反への対応はあまり重いものにすべきではないという考えをしております。規範の強さをどう定めるかという点につきましては、対象となる情報の範囲、これをどう定めるかにもかかわってくると思いますけれども、規範の程度によっては、結果的に情報開示の後退につながるリスクが出てきますので、企業の積極的な情報開示姿勢を抑制することのないよう、慎重に検討していく必要があると思います。

こういった観点で見た場合、資料3ページに示されている基本的な対応方針、「例えば情報の速やかな公表についての指示・命令といった行政的な対応」をもって実効性を確保するという内容に関して、特に違和感を覚えるものではありません。前回も申し上げましたけれども、エンフォースメントのあり方によって企業の開示姿勢が大きく左右されるというように考えておりますので、罰則の適用の仕方なども含めまして、開示姿勢の後退を招くことのないよう、十分な配慮を持った環境整備というものを望んでおります。

以上です。

【黒沼座長】

ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

議事進行がまずくて、いろいろな論点に飛びましたけれども、細かい点から理論的な点まで、幅広く議論ができたのではないかと思います。ほかにご意見、ご質問がございませんようでしたら、討議を終わらせていただきます。

皆様、活発なご討議をいただき、ありがとうございました。本日ご議論いただいた内容につきましては、事務局で整理させていただきます。次回は、これまでのご議論を踏まえまして、取りまとめに向けた審議をお願いしたいと考えております。

最後に、事務局からご連絡等がございましたら、お願いします。

【田原企業開示課長】

本日は、ご議論、ありがとうございました。次回のタスクフォースの日程でございますけれども、皆様のご予定を最終的に確認した上で、後日、ご案内させていただきたいと思いますが、おそらく12月上旬ぐらいになるのではないかと考えております。よろしくお願いいたします。

事務局からは、以上でございます。

【黒沼座長】

どうもありがとうございました。

それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきます。ありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局企業開示課(内線3665、3802)

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