金融制度ワーキング・グループ(第2回)議事録

  • 1.日時

    平成28年10月18日(火)16時30分~18時30分

  • 2.場所

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【岩原座長】

それでは、予定の時刻になりましたので、ただいまより「金融制度ワーキング・グループ」第2回会合を開催いたします。皆様、お忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

さて、本ワーキング・グループにおいては、前回の討議にもございましたように、フィンテック等の金融サービスをめぐる環境変化に対応した制度面での課題を検討していくことといたしまして、当面は主に決済業務に係る法制面の整備等の課題に焦点を当てて議論をしていくこととされております。

本日は、まず事務局から資料マル1の決済をめぐる法制面の論点及び資料マル2の中間的業者の取扱いについて説明いただきます。

その後、資料マル1について討議を行った上で、資料マル2についての討議を行いたいと考えております。

それでは、事務局から説明をお願いします。

【井上信用制度参事官】

信用制度参事官の井上でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、事務局から、お手元の資料のうち、まず、資料マル1「決済をめぐる法制面の論点」とある資料からご説明させていただきます。

表紙をおめくりいただきまして、1ページ目でございますけれども、まず、決済をめぐって、今後、より横断的な法制を構築していくという問題意識に立った場合に、どのような論点が考えられるかということをご紹介させていただきたいと思っております。

1ページ目の右側に決済業務をめぐる現在の規制体系ということで図を掲載しておりますが、これからご説明いたします資料の左側のマル1からマル4の論点は、この図のマル1からマル4に対応してございます。

まず、論点の1つ目として、「資金移動業に近接したプリペイドカードの取扱い」についてご紹介させていただきます。

資金移動業規制の対象となる為替取引とは、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動するということでございますが、現行では、プリペイドカードのうち、発行者がプリペイドカードの払戻しを行わないものについては、資金移動に用いられる余地がないものとして、資金移動業に該当しないとされております。

他方、ITの進展によりまして、例えば、一部のサーバ型プリペイドカードにおいて、ID番号を電子メールで送付することにより、隔地者間で汎用性の高いプリペイドカードの移転が可能とされるなど、隔地者間での資金移動と近接した機能を提供し得るものが登場しているという状況にございます。

こうしたプリペイドカードにつきまして、払戻しを行わないものも含めて、その法的整理についてどう考え、また、その際、例えば、プリペイドカードについては、顧客からの預り資産の半額の保全で足りるとされておりますけれども、資金移動業については預り資産の全額保全が求められているということなどを踏まえまして、資金移動と近接した機能を提供するプリペイドカードの取扱いについてどのように考えるかが論点になると考えております。

次に、1ページおめくりいただきましてマル2でございます、「送金上限なく為替取引のみを行う業者の位置付け」についてでございます。為替取引のみを行うものの、単なる少額の送金サービスの提供を超えて決済機能を提供する業というものを想定した場合、そうした領域に係る法制面の建付けを将来的にどう考えるかという大きな論点があるのではないかと考えております。

この問題を考えていくに当たっては、2ページ目の左側の2つ目のマルに記載されておりますように、例えば

  • 銀行業が提供する各種の機能、安全資産提供、金融仲介機能・信用創造機能、決済機能を結合的に提供することの意義、あるいは、そこから決済機能を分離することの意義等、
  • 仮に、決済機能のみを分離して実行する業を想定した場合に、銀行業に係る各種規制の趣旨を踏まえつつ、そうした領域における規律付けがどうあるべきと考えられるか、
  • 預金保険制度をはじめとする諸制度との関係をどのように考えるか

といったような論点があるものと考えられ、これらの点を踏まえ、多面的に検討していくことが必要ではないかと考えられます。

続きまして、3ページにございます「損失分担ルール」についてでございます。まず、この問題を議論していただくに当たりまして、そもそも現状の銀行と顧客との間の損失分担ルールがどうなっているかということを確認していただくことが必要かと思っております。

右側の参考の欄をご覧いただければと思います。まず、我が国の銀行業に係る損失分担ルールでございますけれども、銀行と個人との間では預貯金者保護法で規律がされているところでございまして、例えば預金者の過失が無過失である場合には全額補償されるというような建付けになってございます。

これらはどのような考え方に基づき整理されているかということについては、そのページの右下に記載されております預貯金者保護法の考え方のところをご覧いただければと思います。まず、民法の原則、これは銀行が善意・無過失である限りにおいて弁済は有効というものでございますけれども、この預貯金者保護法でその修正が図られているところでございます。これは、金融機関と預金者では、一般的に立証能力等に差があり、このような上記原則をそのまま適用するのでは預金者側に酷な場合が多いというような考え方に基づくものとされております。また、個人口座と法人口座を区別した制度設計がなされておりますけれども、これは法人については不正払戻しを防止するための能力が個人に比して高く、保護の必要性が低いと考えられることによるものとされております。

このように、銀行と顧客との間では一応の整理がなされているところでございますが、こうした考え方を銀行だけでなく、資金移動業者やプリペイドカード発行業者に拡張した場合にどう考えるか、この考え方をそのまま踏襲するだけでは十分ではないということが想定されますことから、この点を民法などの私法との関係でどう整理していくのか検討が必要であると考えております。

続きまして、4ページ目でございます。ここはいわゆる中間的業者の取扱いについてでございますけれども、ページの左側に記載がございますように、大きく分けて上の2つの論点があると考えております。1つ目は、利用者保護が十分かという問題でございます。銀行等と顧客の間で、顧客のために決済指図の伝達等を行う中間的業者が登場しておりますけれども、それらをめぐる法的な取扱いが不明確であって、その全てについて、利用者保護上、十分な対応がとられているか、不安を指摘する声がございます。

2つ目は、オープン・イノベーションを阻害しないかという点でございまして、オープン・イノベーション、銀行とフィンテック企業等との連携・融合の観点から、銀行界を中心に関係者が連携して、オープンAPIの検討が進められていますけれども、法制度が整理されていないということがそのような取り組みの妨げになるのではないかという指摘も寄せられているところでございます。

さらに、3つ目のマルで記載してございますように、現行の銀行代理業規制は形式面に偏っている部分がございます。それについては、多様なサービスが展開される中で適合的といえるか、オープン・イノベーションの妨げにならないかという指摘もあるところでございます。

ページの右側の「参考」のところに記載しておりますように、金融庁のFinTechサポートデスクに寄せられた指摘の一つとして、「APIを公開した金融機関と連携したサービスの提供等を検討しているが、現行の法制度に必ずしも適合する枠組みが無いことが、銀行との連携・協働等の妨げとなり、円滑なサービス展開等の障害となっている。」というようなものもございます。こうした点をどう考えるか検討が必要と考えております。

また、このようないわゆる中間的業者は、実際に既に出現してきているということもありますので、そのようなことを踏まえますと、フィンテックをめぐるオープン・イノベーションの展開等も踏まえて、今までご紹介した4つの論点の中では、このいわゆる中間的業者の取扱いが最も喫緊性が高いと考えられますことから、事務局としては、まずはこの論点について議論を進めていただけないかと考えているところでございます。

以上が資料マル1の説明でございます。

次に、お手元にございます資料マル2「中間的業者の取扱い」とある資料をご覧いただければと思います。

1ページおめくりいただきまして、「中間的業者の取扱いマル1」でございます。決済をめぐる法制面の論点のうち、まずは中間的業者の取扱いについてご議論いただくということを前提にいたしまして、どのような法的な整理ができるのかという点につきまして、銀行等と顧客との間でサービスを提供する業者をどのような視点あるいはメルクマールで分類することが考えられるかを整理させていただいたところでございます。

1ページ目の左側の1つ目のマルの下に3つ、矢羽がございますが、その1つ目は「誰の委託を受けて業を行っているか」という点、例えば銀行等からの委託なのか、あるいは顧客からの委託なのか、その両方からの委託なのかといった点でございます。2つ目は、特に銀行代理業との関係で、「如何なる行為を業として行っているか」という点でございまして、契約締結に向けられた代理及び媒介行為を行っているのか、あるいは契約締結に向けられているが、代理・媒介に至らない事実行為というものを行っておられるのか、あるいは契約締結に向けられていない事実行為というものもあるかと考えております。3つ目といたしまして、銀行業務には主に預金・融資・決済というような中核的な業務があるかと思いますけれども、そのうち、決済とそれ以外は切り分けて、決済に関してサービスを提供するものか、あるいは、それ以外の預金・融資といったものに関してサービスを提供するものかというものを分けて考えたほうが望ましいのではないかということでございます。

ページの右側の「参考」をご覧ください。銀行等と顧客との間で仲介を行う業者を分類してみたものでございます。この表の縦の列で、「銀行の委託を受けて業務を行う(A)」のか、あるいは「顧客の委託を受けて業務を行う(B)」のかに分けられ、「銀行の委託を受けて業務を行う(A)」業者については、基本的に銀行の法制でカバーされており、それは銀行代理業や、銀行の外部委託先など、先ほどページ左側でお示しいたしました「如何なる行為を業として行っているか」によって分類されていると考えております。一方、「顧客の委託を受けて業務を行う(B)」者は、現在、規制がされていないという理解でございます。

また、その表の横の行は銀行のどの業務と接続するかという観点から、決済とそれ以外で分類したものでございます。

この分類に基づきまして、次のページで幾つか今後の議論の進め方についてご提案をさせていただいております。

  • 1つ目としましては、こうした銀行等と顧客との間で顧客から委託を受けて仲介を行う者を、仮にこの議論の場で「中間的業者」と呼ぶこととした場合、この中間的業者の取扱いについては、全体の整合性に留意しながらも、過剰規制とならないよう、リスクに応じた議論をしていく必要があるのではないかという点。
  • 2つ目として、その場合、決済に関する業務やそれ以外である預金・融資に関する業務ごとに、問題状況や関係する利害が異なり得ることを踏まえると、これらの取扱いについてはそれぞれの業務ごとに検討していただく必要があるのではないかという点でございます。
  • 3つ目といたしまして、現状、決済を中心に中間的業者の業務が展開されており、欧州でも決済に関する中間的業者についての法制の整備が図られているということを踏まえれば、まずは、決済に関する中間的業者の取扱いについて検討を進めていただくということが適当ではないかということで、今後の議論の進め方について、3点をご提示させていただいております。

さらに1ページおめくりいただきまして、3ページでございます。今後、中間的業者の取扱いに係る具体的な中身についてご議論していただく際の視点ということで提示させていただいているものでございます。

  • 1つ目は、業者自身の態勢としてどういうものが必要なのか、
  • 2つ目は、顧客との関係で規律が必要なのか、また、それが必要である場合、どのような規律であるべきかという点、
  • 3つ目は、銀行との関係でどういうことに留意しなければならないかという点、

そのほかにも委員の皆様方から留意しておくべく点についてご指摘をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

引き続きまして、4ページと5ページでございますけれども、議論の参考といたしまして、決済に関する中間的業者として、現状どのようなものがあるのかということを簡単にご紹介させていただいております。

4ページ目の上の図は「口座振替代行サービス」でございますけれども、これは利用者が預金している銀行に対しまして、利用企業を通じて、口座振替の申し込みをしておけば、決済指図を口座振替代行業者を通じて行うことで、利用料等の支払いが可能となるというものでございます。

ページの下のほうの図は、いわゆる「送金プラットフォームサービス」と言われているものでございまして、スマートフォンを用いた番号送金のようなものでございます。利用者と送金先の方がアプリ提供事業者に対しまして口座情報を登録しておくということを前提に、相手方の口座番号がわからなくても、携帯電話の番号と送金する金額のみで決済が可能となるというようなサービスでございます。

最後の5ページ目でございますけれども、こちらは顧客からの口座情報取得依頼に基づきまして、顧客の銀行口座を取得して、スマートフォン等で、情報を顧客のニーズに応じて、解析あるいは統合した形で提供する、いわゆる家計簿サービスのようなものでございます。このようなサービスは一般にPFM、個人財務管理サービスと呼ばれておりますけれども、銀行口座の情報を取得、あるいは銀行口座にアクセスしてサービスが提供されるという点では、先ほどご紹介した送金プラットフォームと同様なものがございます。また、顧客においては決済等を行う前提として、この個人財務管理サービスを使って残高照会等を行っておられるという実態もあるかと思います。また、ビジネスとしても、このようなサービスを提供している事業者の多くが送金サービスを扱っておられたり、あるいは将来的な送金サービスの事業の前提として、個人財務管理サービスを行っているという状況も踏まえまして、決済に関するサービスの一つということで、この場でご紹介させていただきました。

事務局からの説明は以上でございます。

【岩原座長】

どうもありがとうございました。

それでは、まず、資料1の「決済をめぐる法制面の論点」につきまして討議を行いたいと存じます。どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いしたいと存じます。

いかがでしょうか。関委員、どうぞ。

【関委員】

ご説明ありがとうございました。

2つほど申し上げたいと思います。まず1ページ目の資金移動業に近接したプリペイドカードの取扱いというところですが、例えば従来の商品券のようなものでも同様の状況だと思うのですけれども、ID番号をEメールで送付することによって、他者がプリペイドカードを使えるようになるというサービスは確かにあるのですが、こういう機能があるからといって、資金移動業と同じような形で扱うべきだということについては疑義がございます。そもそも現金化できないという点で、機能として根本的に異なっており、したがって、リスクの程度についても資金移動業とはかなり違うということですので、この法制化の検討にあたっては、資金移動業とはかなり切り離した形で、例えば預り資産の保全の話についてもリスクの程度が相当違うということで、前払式支払手段と資金移動業を区別している現状の考え方のように、かなり違った議論をすべきなのではないかと思います。

それから、まだちゃんと理解できていないのですけれども、3ページ目の損失分担ルールのところで、銀行業に係るルールがここに説明としてあるのですが、新たに出てきているフィンテック、特にベンチャービジネスとしてやっているものに、そのまま適用するというのは無理な面もあると思っております。リスクの程度も相当考慮した上で、あるいは新たにベンチャーとして発生してきているビジネスということも十分考慮した上で、もしルールが必要ということであれば、それは検討すればいいということで、慎重な検討が必要かなと思います。

とりあえず以上でございます。

【岩原座長】

いかがでしょう、今のご発言についてでも結構ですし、ほかの論点でも結構ですが。加毛さん、どうぞ。

【加毛委員】

ありがとうございます。

論点マル4については、後半で議論があると思いますので、論点マル2マル3について、1つずつ意見を申し上げたいと思います。

まず、論点のマル2は「決済制度の高度化に関するスタディーグループ」のころから議論されてきた点です。銀行が従前担ってきたさまざまな機能のアンバンドリング化が進んでいき、例えば決済機能のみを行う業者が登場した場合に、何をもって規制の根拠とするのかということは、真剣に議論しなければならないことだろうと思います。しかしこれまで議論が全くないわけでもないのでして、近時、日本銀行・金融研究所の「金融取引の多様化を巡る法律問題研究会」の報告書が公表されています。そこでは決済機能のみを業として営む主体を規制する根拠として、システミック・リスクへの対処と小口債権者の保護を挙げたうえで、後者の点がヨリ重要な問題であるとしています。

多数存在する小口債権者は業者に対するモニタリングを行うインセンティブを有しません。株式会社である業者については、株主によるモニタリングも想定されますが、株主と債権者というのはしばしば利害が対立するので、債権者のためのモニタリングが適切に行われるかには疑問があります。そこで金融庁をはじめとする監督官庁の規制が必要とされると考えられるわけです。

仮にこのような説明が正しいのだとしますと、適切なモニタリングを期待できる大口債権者との関係では、規制の必要性が低いといえるかもしれません。資金決済法の制定当時から100万円という上限が実務の展開を妨げているという議論があるわけですけれども、机上の空論かもしれませんが、大口債権者のみを対象とする業者というものを想定できるのであれば、そのような業者については、小口債権者の保護という規制の趣旨が妥当しないこともあり得るだろうと思われます。

他方で、小口債権者の保護につきましても、前回の会合で申し上げた点にかかわりますが、もし非常に少額な決済取引のみを提供するタイプの業者が存在するのであれば、そのような業者に対する規制を緩和する可能性はあるように思われます。例えば2~3万円程度の金額を上限とする決済取引のみを提供する業者を想定すれば、その業者が破綻して顧客にお金が返ってこない状況になったとしても、消費者である顧客はその程度の損失であれば負担することができる。むしろ、そのような業者を規制しないことによって、低額のサービスが提供されることにメリットを見出すという考え方はあるように思われます。このように、為替のみを行う業者の規制の根拠論について、学界においても徐々に議論が蓄積されつつあることを申し上げたいと思います。

続けてよろしいでしょうか。

【岩原座長】

どうぞ続けてください。

【加毛委員】

次に、論点マル3の損失分担ルールですが、私法の原則に立ち返った検討が必要であるという井上参事官のご指摘はそのとおりだと思います。3ページでは、銀行の弁済が有効となるかならないかという民法478条の解釈が紹介されていますが、さらに考えなければならないのは、支払指図がいかなる法律構成なのかということだと思います。ここで取り上げられている偽造・盗難カード、あるいはインターネット・バンキングの不正取引など、いわゆる無権限取引と呼ばれるものについて、それを私法上にどのように構成するのかという問題にも関わります。無権限取引においては顧客による権限の授与なしに第三者が決済取引を行ったということを前提として、法的議論を組み立てていくことが必要になるように思われます。後半で議論になるであろう中間的業者、とりわけ顧客から委託を受けたタイプの業者について、損失分担ルールを考える上では、顧客がいかなる授権を行っていたのかということが重要な問題になると思いますので、そのあたりの法律関係の整理が必要になるだろうと思います。

以上を前提として、ややセンシティブな質問ですけれども、論点マル3は新たに出てきた業態に対する問題として検討することをお考えなのか、それとも、既に預金者保護法の適用対象とされている、あるいは全銀協による申し合わせがある、銀行など既存の金融機関も含めて検討することを想定されているのか、お考えを伺えればと思います。

【岩原座長】

それでは、今のご質問について、井上さん。

【井上信用制度参事官】

ここでご提案させていただいているのは、むしろ、どのような順番でマル1からマル4までをご議論いただきたいかというところでの材料を提供させていただくという意味です。マル3についても、将来議論いただくときの考え方としては、横断的な法制を考えた場合に、今、銀行と顧客との間で、ルールは一応、確立しているわけですけれども、それを資金移動業者やプリペイドカード発行業者に拡張するということで、このルールが妥当かどうかという論点をひとまず提示させていただいたという理解でございます。

【岩原座長】

よろしいですか。加毛さんが最初に提起された問題を含めて、何か加毛さんからのご発言に何かご意見ございますか。よろしいですか。

では、ほかのご質問、ご意見でも。はい、森下さん。

【森下委員】

ありがとうございます。

私は全体として事務局からご説明があった方向性については違和感がなく受けとめさせていただきました。

まず、1点目ですけれども、恐らくここで問題関心として抱かれていますのは、汎用性の高いプリペイドカードというところだと思いますので、通常の商品券を視野に入れて、そういったものを資金移動と同列に扱おうというようなお考えではなく、現金とは換価できないものの、それに近いような機能を果たすようなものが出てきているのではないか、社会が、人々がそれと同じような機能を見出せるようなものが出てきたとしたら、何らかの手を打つ必要があるのではないかというような問題関心であるのではないかとお伺いしました。そういう方向性自身は十分あり得るべき方向ではないかと感じております。

2点目に関して、いろいろアンバンドリング化をされてくる中で為替取引のみを行う業者について、従来の銀行規制とは異なる何らかの規制の切り口が必要になってくるのではないかというようなことですけれども、それ自体も十分、その方向で検討を進めるべきなのではないかと考えております。

従来の銀行規制は、どうしても事業者が破綻してはいけないというところに重きを置いてきたように思います。そうすると、例えば金額が小さければ破綻してもリスクは小さいのではないかとか、あるいは大口の利用者であれば破綻リスクを甘受させてもいいのではないかというような考え方もあるかもしれません。しかし、決済に関するルール、規制というのは、必ずしも事業者の破綻に限らず、例えば情報管理ですとか、セキュリティー、あるいは決済自体が確実になされることの担保といったような問題にも広がりを見せているように思われますので、そういった観点から規制の切り口を考えていくということは十分あり得るのではないかと思います。

3番目でございますけれども、3番目については加毛先生から銀行も含めて考えるのかというようなお話がありましたけれども、銀行について考えましても、今、例えば損失分担に関するルールは、全国銀行協会による申し合わせに委ねているという状況です。そのほかにも、諸外国の決済法制では法令として手当てがなされているような問題について、日本では明確な規定がないといったこともあろうかと思います。同じ決済業務を行う点では、銀行も資金移動業者も一緒です。銀行と全く同じ規制を資金移動業者とかもう少し小規模な事業者についても適用することが望ましいということではないですが、決済事業者の規制としてどのようなメニューが必要なのだろうかということを議論するに当たっては、銀行が行っている為替取引などについても視野に入れた議論がなされていく。そんな意味では、分野横断的な議論がなされるべきではないかという事務局からのご説明は、私はあるべき方向を示されているのではないかとお伺いしました。

以上でございます。

【岩原座長】

ほかに、長楽さん。

【長楽委員】

関委員からもお話がございましたが、1ページの「決済をめぐる法制面の論点マル1」について1点申し述べさせていただきます。これまでも申し上げているところですが、前払式支払手段は、あくまで発行者等から物品の購入やサービスの提供を受けるための前払いであること、前払式支払手段に未使用残高が残っていても、原則、払戻しができないこと、実態として小口の支払手段として利用されているというように、その金融機能が他の金融業態と比べて限定されているところに特性があり現在の規制の枠組みができているものと考えております。

ここに記載されておりますID番号をEメールで送付することにより、隔地者間で汎用性の高いプリペイドカードの移転が可能とされる、サーバ型前払式支払手段でございますけれども、私の理解では、これは一般的に個人間のギフトとして利用さており、贈られた方がID番号等を入力することにより、発行者等が提供する物品やサービスの範囲内でその支払いに充当されるものであり、仮に残高が残っても、原則、現金には換金できないものであり、これらが前払式支払手段の特性であると思っております。

一方、隔地者間の資金移動につきましては、一般的に換金・払戻しができるということが前提であり、その機能においては異なる面があるではないかと考えております。そのような点を十分踏まえてご検討いただければと思います。

以上でございます。

【岩原座長】

永沢委員、どうぞ。

【永沢委員】

ありがとうございます。

私はよく理解していないので、とぼけた質問になってしまいますが、マル1のところに関しまして質問があります。先ほどのお話ですと、原則、換金できないというお話だったんですが、原則という表現が引っかかりました。

サーバ型プリペイドカードというものを私自身が使ったことがないので何とも言えないですが、事務局からご提示いただいた資料を読む限りにおいては、サーバ型プリペイドカードについては、やはり何らかの対応が必要ではないかと私自身は感じております。(前払い式の分野については)中小業者が多いということで配慮が必要な分野であるということは理解できます。しかし、半額の保全で足りるという合理的な理由があるならば別なのですけれども、そうでないなら、代替措置を考える必要があるのではないかと、この資料を読む限りでは感じた次第です。いずれにしても、原則、換金できないときという言葉がちょっと引っかかったということで、もう少し補足をいただけたらと思っております。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

プリペイドカードは資金決済法の第20条第2項で「保有者に払戻しをしてはならない」というのがございますけれども、ただし書きがございまして、「払戻金額が少額である場合その他の前払式支払手段の発行の業務の健全な運営に支障が生ずるおそれがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない」という条文がございます。引っ越しされるとか、そういう形でもう使わないとか、そういう場合に一定の範囲内で払戻しを認めるというものでございます。

【岩原座長】

永沢さん。

【永沢委員】

ご説明ありがとうございます。

現実のところ、ご説明いただいた要因、理由以外のことでの払戻しというのはないのでしょうか。長楽委員にお伺いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。ただ今、払戻しがされる例外的なケースの場合をご説明いただきましたが、それ以外はないという理解でよろしいのでしょうか。

【岩原座長】

長楽さん。

【長楽委員】

私の理解では、先ほど申し上げたように前払式支払手段は、物品の購入やサービスの提供を受けるための前払であるということ、未使用残高が残っていても原則払戻しができないという点で換金性が極めて低いということ、また前払式支払手段の利用は小口のものが多いという特性がございます。サーバ型前払式支払手段発行者についてはその規模等の実態をよく承知していないのではっきりしたことは言えないですが、前払式支払手段発行者は総じて小規模事業者が多い、そういう特徴もあろうかなと思っております。

【永沢委員】

もう一度、よろしいでしょうか。

【岩原座長】

はい、どうぞ永沢さん。

【永沢委員】

ここで事務局からご提示いただいているものは、やはりサーバ型プリペイドカードの普及を意識しての対応と思いますので、サーバ型プリペイドカードの分野の事情といいますか、現状を踏まえた上で、今後どうするのかということを検討したほうが望ましいのではないかと私は感じます。

以上です。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

その部分については、この点を議論するときに実際のビジネスの実態も整理してご提示差し上げたいと思います。前回、第1回のときに事務局から若干ご説明させていただきましたのは、このようなサーバ型プリペイドカードを用いた送金と、それが電子モール等で広く使われるという、その決済と組み合わせることによって、事実上、送金機能が出てきているのではないかというご指摘だけをさせていただいております。

【岩原座長】

実際、そういうモデルも使える。そうなれば、広く資金決済の方法として使われる可能性もあり得るということでご議論いただいているわけです。現時点では、日本ではまだそうなっていませんけれども、今後の可能性を考えてということだと思います。

はい、関さん。

【関委員】

今もご説明いただいたのですが、資金移動業と同じように扱うべきだと事務局が考えるほど汎用性の高いプリペイドカードが具体的にどのようなものなのか、その機能に着目して、もうちょっと詳しい説明がいただきたい。現実、今、日本ではないという理解でしょうか。

そう申しますのは、確かに利用範囲が広いプリペイドカードはあると思うのですけれども、とはいえ、別に汎用性という点では、換金ができないという点で制限がかかっておりますので、大きな違いがあると思っています。特定のサービス提供を受けるとか、特定の店から商品を買うだとか、そういったことに限って使えるものだと思いますので。それでも資金移動業と同じように扱わなければいけないほど汎用性の高いプリペイドカードというのはどういうものなのか、ちょっとよく理解できておりません。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

先ほど座長からご整理いただきましたように、将来的にそのようなサービスが出てくればという前提でございますけれども、前回ご説明した資料の中にも、プリペイドカードでMMFが購入できるというような外国の例をご紹介差し上げたと思いますけれども、仮にMMFが購入できるということになると、それは当然、その先、換金もできるということかと思いますので、そのようなものが仮に日本で出てきた場合には、議論の俎上に上げていただくことも適当かと思っております。

【岩原座長】

舩津さん。

【舩津委員】

ありがとうございます。

私は今のご議論を聞いておりまして、少し違和感といいますか、根本的なところをちょっと見直す必要があるのかなという気がしております。すなわち、為替取引とは一体何なのだろうということだと思います。メルクマールとして、換金ができないということで、だから為替取引じゃないというような議論、あるいは将来的には換金ができるようになるから含めておいたほうがいいという議論であったわけですけれども、果たしてこの資金移動業等で保護しなければいけないという要請が、現金化の可否で決まるのかというと、私は必ずしもそうではないのではないかという気がしております。すなわち、経済的に何らかの有用なものを買う期待というものがプリペイドカードなりにあるということで、それが失われるということについての保護の要請ではないかと考えた場合に、果たして為替取引が現金化かどうかというところで切っていいのかどうかというところですね。ただ、逆に今度、為替取引から現金化というメルクマールを取り除いた場合に、今度、じゃあ、どこまで経済的な価値があるものを移動せることが為替取引になるのかという話になってきかねないという意味で、今の進展している電子マネー等の状況からしますと、現金化するかどうかというのはあまり問題ではないと思う反面、あまりに広くなり過ぎるというのも危険なのではないかという気がしております。

【岩原座長】

おっしゃるように、為替取引の定義は最高裁の平成13年3月12日判決(刑集55巻2号97頁)で出ているわけでありまして、まさに井上さんがおっしゃったように、現金を用いずに資金を移動する仕組みかどうかということであって、そこからは実際に資金移動ができるのであれば、現金の払戻しがあるかどうかということとは直接には関係ないと理解できます。むしろ、現金の払戻しがあるかどうかということは、預金の受け入れ、若しくは預り金に当たるかという問題として出てくるだろうと思います。預金の受け入れに当たると、これは銀行業を行ったことになりますから、銀行法違反になります。預り金にあたると、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反になります。ただ、現金の払戻しがあることから資金としての汎用性が高いと、資金移動の仕組みとして使われる可能性が高まる、そういう意味ではないかと思います。

ほかにどうでしょうか。古閑さん、どうぞ。

【古閑委員】

論点4は後ほど資料2のところでいうのがいいかなと思いますので、ここでは論点3についてです。1つは先ほど加毛先生もおっしゃっていたことと同じように思っていまして、資金決済のスキームは、いろいろありますので、それをどう整理するかというのと、支払指図が、どういうものであるのかを解明した上で、本当にこういった損失分担の対象になり得るのかというのはよく議論していく必要があるかなと思っております。

それから、2点目ですけれども、先ほどこちらの位置付けとして将来的な横断的な法制も踏まえたというお話がありましたので、ちょっと申し上げますと、この問題は、銀行も含めて、どうやって不正をなくすのかをセットで考えていく必要があるなと思っておりまして、利用者保護の観点だけで議論を進めるとよくないと思っています。例えばPCとかスマホの状態をユーザーの方がどう保っているのかとか、パスワードの管理をどうされているのかとか、ウイルスメールを安易に開いていないかとか、最低限、そういったことをやっていかないと、不正というのはなくなっていかないわけでして、では、今回のこの事故がどういう原因によって生じたのかって、もちろん、切り分けられるものもあると思うのですけれども、なかなか原因究明が難しいというものもある中で、銀行さんでも、今のルールのどれに当たるかという判断を、苦労されてやっていらっしゃると思います。それをもっと一般的にはリソースが少ない資金決済の事業者でできるかという事実上の問題もあると思いますし、利用者保護に傾け過ぎると、ユーザーも事業者から補塡を受けられて痛まないため不正がなくなっていかないと思うので、それも踏まえてどういう制度が適切なのかというのを、この機会なので改めて議論できるといいかなと思いました。

【岩原座長】

EUの場合は、そういうアンオーソライズト・ペイメント・トランザクションズに関しても、EUのディレクティブで一般的なルールが決まっていて、中間的業者についての責任も、EUのディレクティブの第73条2項で規定されているわけです。ところが日本の場合は、そもそも森下さんからご指摘がありましたように、銀行についてすら、カードを使った場合以外は法律的なルールがなくて、申し合わせという形で対処されている状態です。中間的業者についての制度の仕組みも考えていくとすれば、中間的業者を含めた、資金移動取引に係る人が不正行為による無権限取引についての損失分担について、どういう役割を担うべきかということを明らかにして、その上でルールづくりをする必要があります。どのような業者を使って行われても、利用者保護が図られて、安心して決済サービスが受けられるようにするというのがおそらく制度づくりの目的だろうと思います。

ほかに何かよろしいですか。

それでは、特になければ、また戻ってご議論いただいても結構ですので、引き続き、資料2の中間的業者の取扱いについての討議に移りたいと思います。

どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いしたいと存じます。いかがでしょう。はい、神作さん。

【神作委員】

ありがとうございます。

資料2の1ページ、最初の参考の図でございますけれども、金融商品取引法では誰が行うかということではなく、どのような機能を提供するかということで、横断的な規制を行う方向で平成18年の改正がなされたと理解しておりますけれども、銀行法ないしは資金決済法の分野においても、誰が行っているかということではなくて、何を行っているかということに着目した、そういう意味では横断的な規律規制を考えるのが方向として第一に考えるべきではないかと思います。

では、具体的に、どのようにするかということですけれども、考え方としては、例えば銀行については既に規制がありますので、銀行を介して規制する、いわゆる間接規制の方式をとる場合と、それから現在空白になっている部分については、直接規制を行う2つが考えられ、この2つを適宜組み合わせながら検討していくことになるのではないかと思います。もっとも、本日の問題は、顧客からの委託があるのに対し、銀行からの委託がない業者について問題になっているということですので、銀行を通じた規制には大きな限界があるということなのではないかと思います。しかし、そのような間接方式による規制手法が全くないというわけでもないと思いますので、今後の議論において論じられるべきだと思います。

次に、3ページの論点についてですけれども、中間的業者自身の態勢としては、顧客の委託を受けて、きちんと業務を遂行できる、そのための基盤があることが、直接的な規制を入れるとしたら考えられるべき要素であると思います。また、顧客との関係からすると、先ほど森下先生が資料1についてご指摘された点だと思いますけれども、顧客資産の保護、顧客情報の保護、それからセキュリティーの保護の3つについて、どのように考えるかという論点が出てくると思います。

銀行との関係で残された論点は、先ほど岩原先生からご説明がありましたように、資料1の業者と利用者との責任分担、損失分担のルールがおそらく前提となり、そのような前提のもとで、銀行と中間的業者の間で、一体、どのように損失分担をするのかという論点が生じます。この問題は資料1で問題となった、より大きな論点の中の一部であると思います。

【岩原座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。翁さん、どうぞ。

【翁委員】

中間的業者といっても、幾つかご紹介がありましたように、ビジネスモデルはいろいろ多様であると思います。今、既に出ているものについてのご説明があったと思うのですが、その意味では、あまり画一的なルールを当てはめるのは適切でないと思っております。それから、またこういった分野は新規参入がこれから多い分野であると思うので、そういった新規参入を妨げないといった配慮も非常に重要ではないかなと思っております。

先ほど決済をめぐる法制面の論点の4の課題の最後のところに書いてありましたけれども、やはり銀行代理業規制とか、こういったものは本当に形式面に偏っていると感じております。こういう悩みはどの諸外国でも抱えていて、欧州については横断的規制についてのご紹介がありましたけれども、最近、シンガポールについてはアクティビティベースでのフレームワークについて、コンサルテーション・ペーパーが出てたりいたしております。そういう意味で、新しいビジネスモデルがどんどん出てくるというようなところについて、他の国々もどういう対応をしているのかということについて、一度、ご説明をいただければなと思っております。いずれにせよ、もちろん、利用者に不利益が行かないようにとか、セキュリティー、体制整備といったことは重要な論点だと思っておりますけれども、そういった諸外国の状況などについても、もし新しい動きなどありましたら教えていただきたいと思っております。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

諸外国の規制の動向については、次回以降、改めて整理して、ご議論の材料にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【岩原座長】

いかがでしょうか。はい、関さん。

【関委員】

ありがとうございます。

3つほどございまして、まず1ページ目の右側の図について、銀行からの情報を参照するだけのサービスを提供している業者と、送金も含めた更新系のサービスを提供しているケースと特に分けてないのですけれども、その両者についてはリスクの度合いがかなり違うと思いますので、今後の議論に当たっては、明確に区別した形で議論したほうがいいと思います。

それから、2ページ目、次回、海外の法制について、またご説明があるということだったのですが、前回も欧州の法制の紹介はあったのですけれども、他の、例えば米州等がどうなっているのかを含めて、欧州についても法制の評価をもう少し詳しく厳密にしていただけたらと思っています。

それから、4ページ、5ページに業者の例が幾つかありますけれども、まず、1個目の口座振替代行サービス、これは具体的にどういうサービスを想定しているのかというのがまだよく理解できていません。例えば収納代行みたいなものはすべからくこれに含まれるというようなイメージなのでしょうか。あと、この口座振替代行サービスに限らず、残りの2つについても、具体的なサービスの仕組みがこの図だけではよくわからないので、実際にサービス事業者から説明をしていただくなり、もうちょっと詳しい説明がないと、あるべき制度の仕組みについても議論が不十分になるかなと思います。

以上でございます。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

1点目のご指摘は、今後の検討の視点として承らせていただきます。

2点目については、先ほど翁委員のご質問にお答えしたとおり、次回以降、整理させていただきたいと思います。

3点目につきましては、事務局のほうで改めて整理をするか、あるいは関係する業者の方に情報を提供していただくかも含めて、これも整理させていただければと思います。

【岩原座長】

他にいかがでしょう。永沢さん、どうぞ。

【永沢委員】

ありがとうございます。

資料の後ろのほうで3つのサービス事例をご紹介いただいておりますけれども、これを利用する者というのは一般の消費者を想定しているということを前提にしての意見ですけれども、一般の消費者からすると、便利なサービスがあるという程度の認識で、誰とこの契約を結んだのかというのは特に意識しないだろうと思われます。そのことを前提にして考えていかなくてはいけないだろうと思っておりまして、利用者保護の枠組みが違うのだろうとは思いますけれども、結果的に消費者から見たときに利用者保護に違いがあるということはあってはいけないと思っておりまして、そのあたりのところをご留意いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【岩原座長】

ほかに何か。福田さん、どうぞ。

【福田委員】

大幅に遅れてきて、全体の流れを必ずしも理解していないのですけれども、皆さんのご意見を少しお伺いしてごもっともなことだと思います。特にこういう問題というのは、新しい技術がどんどん登場したときに、もともとどういう理由で規制が必要なのかということに立ち返って、そういう意味では舩津委員がおっしゃったように、形式的にどう規制すべきかということではなくて、もともとの理由に立ち返って問題を考えるべきだと思います。例えば銀行がなぜ規制が必要なのかという、預金者がいたり、あるいは資金決済をして、それがいろんなシステミックなリスクをもたらすという問題があるから、やっぱり規制をしなければいけないということだと思いますので、そういうことに立ち返って議論をするのがいいのだろうとは思います。

他方で、やはり色々な人たちを保護しなければいけないということは永沢委員がおっしゃるように事実だとは思いますけれども、どんどん新しい技術がこういう中間的業者の中で生まれてきている。そういうところで、日本だけ厳しい規制をしていいのかという問題はあるとは思うので、ほかの国とのバランスも考えながら、考えていかなければいけない。日本だけ、確かに利用者が心配だからということで規制を強くするということは、必ずしも技術進歩という意味では望ましい面はないだろうということが一つあると思います。

それから、もう一つ、やっぱりサイバー上の問題になると、事実上、国境があるのかないのかもわからないという問題もあり得ると思います。すなわち、自分がアクセスしている取引業者は国内の業者だと思っていたら、実は海外の業者だったということも十分あり得るのだと思いますし、そうすると、日本だけそんなことを規制してもしようがないし、逆に日本の規制が大きければ、むしろ、日本の規制の及ばないところの取引が増えてしまうというような弊害も生まれ得るだろうと思います。そういう意味では、問題は決して簡単なことではなくて、私も何でも自由にすればいいということではなくて、皆さんの色々なご懸念もその通りだと思いますので、技術進歩や、それから規制逃れのようなことが起こらないのかということも気にしながら、全体のバランスを考えていかなければいけないということだろうと思います。

【岩原座長】

他にいかがでしょうか。加毛さん、どうぞ。

【加毛委員】

ありがとうございます。

既に出た質問の繰り返しになってしまうかもしれず、また外国の法制については次回以降の検討事項であるというお答えになるかもしれませんけれども、先ほど神作先生がご指摘になった、資料3ページの「顧客との関係」に関する顧客資産の保護について、お伺いしたいことがございます。今回検討の対象とする中間的業者は、PSDIIのように顧客の財産を預からないタイプのものを想定しているのでしょうか。既存の金融機関にある口座に対してアクセス権限などを与えられた中間的業者が主たる検討の対象であるのかを確認させていただきたく存じます。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

少なくともヨーロッパの法制をベースにして考えていくということであれば、彼らのディレクティブの中でPISPと呼ばれている業者は資金を預からないということを前提にしていると思います。もちろん、今後のビジネスの発展によってということはございますけれども、今、事務局として念頭に置いているのはそのようなものでございます。

【岩原座長】

加毛さん。

【加毛委員】

そうだとすると、前半に森下先生がおっしゃったとおり、中間的業者に対する規制としては、業者が破綻した場合の顧客保護の問題よりも、損失負担のルールや行為規制としての情報提供などのほうが中心になるのではないかと思います。

その上で、損失負担のルールについて、先ほど来、PSDIIの話が出ており、岩原先生からもPSDII第73条2項に言及がございましたが、そこで示されている考え方は、無権限取引がなされたときに、口座を提供している業者がまず顧客に返金することを前提とした上で、中間的業者に対して一定の賠償請求をしていくというものだと思います。他方で、今回、中間的業者という概念によって捉えようとしているのは、銀行から切り離されたタイプの業者であるように思われ、そうすると、果たしてPSDIIのようなルールがうまく妥当するのかよく分からないところがあります。今回で取り上げようとしている中間的業者との関係で、どのような損失分担のルールを想定されているのか、お考えをお聞かせいただければと思います。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

これも次回以降、議論を整理してお示ししたいと思っておりますけれども、加毛委員ご指摘のとおり、顧客との関係において、まず、前提となる銀行等と中間的業者の関係がどうなるかというのは議論の前提となる、リンクし得ると事務局としても考えております。

【岩原座長】

加毛さん。

【加毛委員】

ただいま、銀行と中間的業者の関係が問題となるというお話が出ましたので、2つ伺いたいことがあります。まず資料1ページの右側の図の一番下の※印のところで、中間的業者の中には銀行と顧客の双方から委託を受けるものもあり得るだろうという指摘がございます。これは具体的に言うと、銀行側からどのような委託をして、顧客側からどのような委託をする場合を想定しているのでしょうか。双方からの委託を受けるということの意味について、もう少し教えていただきたいというのが1点目の質問です。

第2の質問は、資料1の4ページの右側の「APIを公開した金融機関と連携したサービスの提供等を検討している」という文章に関連します。ここでは、中間的業者が金融機関のネットワークにアクセスすることが想定されていると思うのですが、今回の検討においても、そのようなタイプの中間的業者が出てくることが前提とされるのでしょうか。オープンAPIを前提とした銀行と中間的業者の関係についても、検討対象とするのかについて伺いたいと思います。

【岩原座長】

井上さん。

【井上信用制度参事官】

まず、2点目のほうから先にお答えさせていただきますと、先ほどお答えしたとおり、中間的業者と銀行との関係をどう規律するかということによって、顧客と中間的業者の関係も変わり得ると思っています。それはPSDIIの議論を拝見させていただいていても、オープンAPIというのを前提にしたような制度をつくった場合には、当然、顧客と中間的業者の間、あるいは銀行と中間的業者の間の関係も影響を受けると考えております。

1点目の銀行代理業との関係で、銀行と顧客の双方から委託を受けるというのはどういうものかということですけれども、例えば現状の家計簿サービスみたいなものをやっていらっしゃる業者の中にも、基本はお客さんからID、パスワードを預かって委託を受けて銀行にアクセスするということですけれども、銀行との間でもある意味、顧客の勧誘という形で委託されるという提携をしているところもあると承知しております。

【岩原座長】

よろしいでしょうか。

他にどうでしょう。森下さん。

【森下委員】

ありがとうございます。

今まで色々なご指摘があって、なるほど、そうだなと思ってお伺いしていたのですけれども、中間的業者といっても、やはり業者の対応によって、あるいはスキームによってリスクの対応が違うのではないかと、一くくりに語ることはできないのではないかというのはまさにおっしゃるとおりなのかなと思います。中間的業者のリスクが従来の銀行などが持っていたリスクと違うということもそうでしょうし、中間的業者の中でもいろいろなリスクがあるだろうと。利用者保護を考える必要があるのではないか、イエスかノーかというような大雑把な議論ではなくて、例えば中間的事業者によって、どういったリスクがあるのか、それがどれぐらいあって、どうやって解決されるのが望ましいと考えられるのかと。リスクの中には、業者の方がこうやって解決できるというお考えがあるものもあるかもしれません。また、消費者の方にしてみれば、中間的業者を使って何か取引をやっても、中間的業者に原因があるのか、銀行に原因があるのか、あるいはほかのところに原因があるのか全くわからないといったようなことが実態かもしれません。そういうようなことまで含めて、中間的業者を利用した取引において、どういったリスクファクターがどれぐらい考えられるのだろうかということをご紹介していただけるのであれば、もう少し深い議論ができるのではないのかなと考えております。

あと、これは恐らく神作先生からもご指摘があった点なのかと思いますけれども、例えば中間的業者と銀行との間の責任の割り振りといったような話も、これは必ずしも中間的業者に限ったわけではなくて、複数の事業者が一体となって決済サービスを提供していくという中で、誰が窓口となって、どこで顧客に対する責任を果たしていくのがいいのかというような大きな議論の一部のような気がいたします。ヨーロッパでは、そうした問題についての議論の蓄積もあったので、比較的、このような着地の仕方に馴染んだのかもしれませんけれども、日本に関して言えば、その点に関しての議論もまだこれからという気がいたします。最近の決済サービスは複数の事業者が一体となって、必ずしも金融機関に限らず、サービスを提供しておりますので、それによってどういったリスクがあって、それをどう分担していくのか、きめの細かい議論をしていくことが重要であると感じております。

【岩原座長】

今、森下委員からご指摘がありましたように、具体的に何が問題になって、規制をするとすれば、どういう目的でどこまで規制をする必要があるかということを検討する必要があると思います。

一つの観点は、先ほどから議論が出ておりますように、無権限取引、あるいはきちんと指図どおりの資金移動がされないような不適切な資金移動が行われたときの損失分担、その他のルールをどうやってうまく機能するようにしていくか、それに中間的業者が噛んでいたときにどのような扱いをするかという問題が一つ。それから、今まで若干のご指摘はありましたけど、あまり大きく議論されていないのではないかと感じている問題として、顧客情報の保護の問題があると思います。特にオープンAPIですと、銀行が持っている色々な情報、いわゆる銀行秘密と呼ばれるような顧客の情報を外で使うことになりますので、そういうことに携わることになる中間的業者について、情報が不当に利用されたりしないようにするためにどのような手当てをするかということはやはり検討する必要があるのではないかと思います。EUのPSDIIにおきましても、中間的業者に関する規制の一つの柱が情報管理というところにあるようですので、そういった点を考えていく必要があるのかなと思います。

少し余計なことを言いましたけれども、他に何かございますでしょうか。特にございませんか。

実際、規制するとしたら、一体、どこまでどういう規制をするのか。EUはかなり込み入った規制までやっていますけれども、そこまでフル装備の規制が必要なのか、先ほどの規制の必要性との関係で検討する必要があるだろうと思います。

はい、古閑さん。

【古閑委員】

今、APIのお話も出てきたので、この中間的業者がAPI連携業者等も含まれてくるのだろうと思いますので、先ほど来、いろんなパターンがあるだろうし、どこでどういう問題が起きるので、どういう手当てが必要なのかということをきめ細かく議論すべきというのは、私もそのとおりだと思っていまして、どういう立法事実があるのかという作業をもっと丁寧にしていく必要があるのかなと思っているのですけれども、それと同時に、APIみたいなものの法的性質は何なのかを考えたときに、APIも色々なつなぎ方があり得ますし、機能制御とかもかなり公開する側でできたりとかするので、それによっても、やっぱり法的構成にすると、どういう整理になるかが変わってくるような気がしますので、かなり多様なのだろうなと思っております。そこを細かく分け切ることはできないと思うのですけれども、きちんと見ていく必要があるかなとも思っていますので、何となくAPIという言葉だけが今、大分、先行してしまって、その仕組み、その実態がどういうものなのかというのが曖昧なまま議論してしまうのは、避けたほうがいいかなと思っておりまして、そこも丁寧に議論できたらと思いました。

【岩原座長】

おっしゃるとおりですね。特に古閑さんには、そういう点を、よろしくご議論いただきたいと思います。

他にどうでしょうか。特にございませんか。なければ、かなり早いですけれども、今日はこれぐらいにさせていただきたいと思います。本日いただきましたご意見やご説明を踏まえまして、引き続き検討を進めていきたいと思います。

最後に、事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。

【井上信用制度参事官】

次回のワーキング・グループの日時につきましては、委員の皆様のご都合を踏まえた上で、討議内容とあわせて、後日、事務局からご案内させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【岩原座長】

それでは、熱心なご議論をまことにありがとうございました。

以上をもって終わらせていただきます。

―― 了 ――

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