金融審議会第一部会(第32回)議事要旨

1. 日時:平成12年12月7日(木)10時00分~12時15分

2. 場所:中央合同庁舎第4号館 共用第1特別会議室

3. 議題:

  • ワーキング・グループからの報告
  • 自由討議
  • 主な規制緩和項目について
  • その他

4. 議事内容

  • ワーキング・グループの検討結果について岩原委員より報告がなされ、事務局より資料の説明を行った後、自由討議が行われた。

  • 主な規制緩和項目について事務局より説明を行った後、自由討議が行われた。

(自由討議での主な意見)

【主要株主に関するルール整備】

  • 主要株主の実質的な影響力に関して、株式はそれほど保有していなくても、例えば、大量の社債を保有している場合はどう考えるべきか。

  • 実質的な影響力を有する者を規制する方法として、制度の構築だけに負荷をかけることは困難ではないか。銀行等の経営者は、主要株主等からの不当な要求や圧力に対してきちんとした判断を行ない得る資質を備えることが必要であり、制度面と経営者の資質面で適切な対応を図ることが望ましいのではないか。

  • 実質的な影響力を規制する場合は、事前規制と事後のチェックとのバランスをいかにとるかということが問題となる。仮に、実質的な影響力があるとしても、利益相反等がなければ問題はないわけで、そういう意味では、利益相反等がどの程度大きいのかということも問題となるのではないか。

  • 実質的な影響力の判断は一般論としては難しいと思うが、現行銀行法では既にこの概念が規定されているわけであり、やれないことではないと思う。WG報告で5%超の株式保有を「届出」としているのは、5%超の株式保有を自動的に影響力があると見るのではなく、それだけの株式保有があれば実質的な利益相反行為等がないかを確認する必要があるという趣旨である。

  • 実質的な影響力については、銀行等の経営者に対しても適用されるべきではないか。報告においても不適格な経営者の排除について触れておく必要があるのではないか。

  • 5%超20%未満のマイノリティーインタレストとして出資に参画する者にも報告徴求や立入検査を行うということであれば、その目的が何であるかを明確にする必要がある。また、これらの規制の対象や内容等をあらかじめ明らかにしておかなければ、マイノリティーインタレストの負担感は大きなものとなる。

  • 不適格な主要株主や経営者等の排除については、証券業にも同様に措置すべきである。証券業ではこの関係で、証券市場への信頼性を揺るがすような大事件が実際に起きている。主要各国の例でも、イギリス、フランス、ドイツといった許可制のところはもとより、登録制を採用しているアメリカにおいても排除に関する規定がある。

【銀行業における新たなビジネスモデルと規制緩和】

  • 個人情報保護については、基本法制の整備が待たれているところであるが、異業種参入に関する報告書では何らかの記載をすべきである。情報を利用する場合には、最新のデータで本人の同意等を求めること、情報の流用をされないということが重要である。また、個人情報を販売する会社がスタートするなど、実態が先行し既成事実化していくことには危惧を覚える。

  • 銀行の社債発行手続きを改善する場合は、銀行側の利便性もさることながら、それ以上に投資家保護の観点が重要であり、商法の規定のみならず証券取引法上のディスクロージャーの規定等も含めて十分に考慮する必要がある。

  • 規制緩和については、利用者利便の向上、銀行の収益源の多様化及び国際的な競争力の強化等の観点を踏まえて、WG報告にあるような方向での付随業務の判断基準の明確化やエクセス・キャパシティの考え方の整理等が必要である。

【規制緩和推進3か年計画(再改定)関係】

  • 保険商品の窓販については、金融商品販売法の一連の流れで議論すべき問題である。商品の内容を顧客がきちんと理解した上で、フェアな競争の下に商品を販売することが金融商品販売の原則であり、そういう点で独占禁止法等に限界があるとすれば、そうしたフェアな競争の場を整備することが必要となるのではないか。

  • 保険商品の窓販では、銀行の窓口で説明義務がきちんとなされるのか、健康診断等の個人情報が融資部門に流用されることはないかといった問題の他に、競争政策上、あるいは長期性のある商品を扱う場合等の様々な問題がある中で、金融商品全般に係る制度整備のための大きな枠組みが必要ではないか。

  • 銀行が投信商品を販売して2年になるが、「本当に売る気があるのか」と揶揄されるほどリスクの説明には時間がかけられている。銀行が自らのリスクをわきまえて、コンプライアンス体制や販売体制をきちんと整備してやってきたことは考慮すべきではないか。

  • 保険商品の窓販には、銀行の優越的な立場からの問題、生命保険商品の適正な引受け機能(銀行の窓口で顧客の健康状態やモラルリスクをチェックできるのか)の問題、銀行が生命保険契約の長期性に対応できるのかという問題があるほか、生命保険では契約の長期性や再加入が制限されることから、何らかの問題が生じたとしても修正が困難であるという点を踏まえる必要がある。

  • 保険商品の窓販は、銀行業と関連性のある商品、さらに言えば、比較的簡便なアンダーライティングで引受けが可能な標準化された商品であれば問題はないのではないか。ただ、販売チャネルの健全性を歪めることのないような形で考えていくことが重要である。

  • 平成9年の保険審議会答申の趣旨については、今日的な意義はあるが、金融商品販売法も制定されるなど諸々の変化があるのも事実である。そうした中で、いわゆる商品限定、子会社・兄弟会社限定をリジッドに扱うことは、現実には何の商品も販売されないことが起こり得ることとなり、保険業法改正の趣旨にそぐわないのではないか。

  • 生命保険の構成員契約規制については、かねてから撤廃すべきと考えており、是非この方向で検討することが適当である。

  • 保険会社の代理店では、代理店契約を締結した保険会社の商品を売りたいというのは当然であり、その結果、他の保険会社は当該代理店の従業員に販売ができなくなるため構成員契約規制が設けられており、これを撤廃することは個々の顧客の選択肢を狭める等の難しい問題がある。

  • 圧力募集や圧力販売をどのように考えるか、あるいは現行とは別の形で規制することが可能かといったことが従来から議論されているが、本質論としては、広く募集一般のあり方をどのように考えるかということが重要であると思う。

  • 構成員契約規制の問題については、保険商品の販売をどうしていくかという基本線にかかわることであり、圧力販売をどのように考えるべきかというようなことは、全体的な整理の中から結論が見えてくるのではないか。

問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局信用課(内線3561,3566)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。


金融審議会第一部会第32回議事次第

  • 日時:平成12年12月7日(木) 10時00分~12時00分
  • 場所:中央合同庁舎第四号館 共用第一特別会議室
  1. 開会
  2. ワーキング・グループからの報告
  3. 自由討議
  4. 主な規制緩和項目について
  5. その他

以上


資料

サイトマップ

ページの先頭に戻る