金融審議会第二部会(第20回)議事要旨

1. 日時:平成12年10月3日(火)15時00分~17時00分

2. 場所:中央合同庁舎第4号館 共用第1特別会議室

3. 議題:

  • 部会委員等の紹介
  • 部会長の互選等
  • 個人情報保護基本法制について
  • 保険会社における金融商品の時価評価の導入について

4. 議事内容

  • (1)部会長の互選等

    • 委員の互選により、倉澤 康一郎(くらさわ やすいちろう)委員が部会長に就任した。また、倉澤部会長より、江頭 憲治郎(えがしら けんじろう)委員が部会長代理に指名された。

    • 事務局より部会運営要領、議事録の扱い等について説明があり、了承された。

    • 当部会にオブザーバーを置くこととし、その人選については部会長に一任することが了承された。

    • 当部会においては、引き続き産業構造審議会及び割賦販売審議会と合同で、「個人信用情報保護・利用の在り方に関する作業部会」が設置されていることが紹介された。

  • (2)個人情報保護基本法制について

    • 内閣官房内閣内政審議室・個人情報保護担当室より、「個人情報保護基本法制に関する大綱案」について説明が行われた。

    • 説明に対する質疑応答が行われた。(主な内容は以下の通り。)

      • 「個人情報取扱事業者は、個人データを第三者に提供してはならないものとする」とあるが、個人情報取扱事業者の倒産により、財産が競売され、保有していた個人情報が流出するケースも論理的には考えられる。このようなケースに対して基本法ではどのように手当てがされるのか。

      • そのような場合に対する手当てについては、法制化に向けた課題の一つであると認識している。今後詳細な検討を進める必要があるが、本大綱は、個人情報が不特定多数に流出してしまう場合には厳しく、個人情報を受け取る者が特定されている場合には比較的緩く、という考え方で作成されている。

      • 罰則規定を明確化しなければ、運用面で支障が生じるのではないか。

      • 個人情報一般を扱う基本法においては、刑事罰を課そうとしても、個人情報の「質」や「利用方法」を法制上区分していないことから、構成要件を規定するのが現実的に困難であるので、改善・中止命令違反に対する罰則が適用される仕組みとなっている。

      • 個人情報の取扱いについては、すでに地方公共団体によっては関連条例が制定されていたり、問題が生じた場合に裁判所によって判決のあり方が異なることがあるなど、我が国には統一的な取扱基準がないように思える。基本法では、どのようにして運用基準の統一性を図ろうとしているのか。

      • 地域・人的要因等により取扱いに差異が生じないよう、本基本法に基づき策定する基本方針においてできるだけ統一性を図りたい。

      • 「個人情報取扱事業者の正当な利益を害するおそれがある場合」には、適用が除外される義務規定があるが、いわゆる公益以外の正当な利益としてどのようなものが想定されているのか。

      • 本大綱案の基本方針の一つとして、個人情報の「保護」と「利用」のバランスを考慮している。指摘された箇所は利用促進の観点を反映させたものであり、基本法のレベルにおいて必ずしも個別具体的な事例まで想定されているわけではない。したがって、基本法の施行に当たって各省庁のガイドライン等で各業界に対して明らかにしていくことが考えられるのではないか。

  • (3)保険会社における金融商品の時価評価の導入について

    • 6月に取りまとめられた金融審議会第二部会報告書「保険会社のリスク管理について(保険会社会計を巡る論点整理)」の概要及びこの報告書に寄せられた意見の概要について説明があった。

    • 公認会計士協会(有志)における検討の状況について報告があった。

    • その後、委員による審議が行われ、部会として、取りまとめ「保険会社における金融商品の時価評価の導入について」が了承された。(審議における主な意見は以下のとおり。)

      • 責任準備金のデュレーションを計測するシステムについて、どれくらいの精度で行うことを想定しているのか。

      • 今後、さらに詰めていく必要があるが、各個社においてリスク管理をするのに必要な程度の詳細度ということになるのではないか。

      • 国際的にも一歩進んだ金融商品の時価評価を生命保険会社に適用することになると思うが、生命保険会社の経営にどのような影響を与えるのか。

      • 従来、生命保険業界は、長期性といった観点から、責任準備金に対応する債券の評価のあり方について議論を行ってきたものであり、この会計処理は、全体として受け入れ可能な適当な会計処理であると考えている。

問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画部企画課(内線3514)
本議事要旨は暫定版のため今後修正がありえます。


金融審議会第二部会委員等名簿

平成12年10月現在

部 会 長 倉澤 康一郎 武蔵工業大学環境情報学部教授
部会長代理 江頭 憲治郎 東京大学法学部教授
委   員 池尾 和人 慶應義塾大学経済学部教授
井上 定彦 連合総合生活開発研究所理事・島根県立大学総合政策学部教授
翁  百合 日本総合研究所主席研究員
斎藤 静樹 東京大学経済学部教授
杉田 亮毅 日本経済新聞社副社長
田島 優子 さわやか法律事務所弁護士
坪井 孚夫 福島貸切辰巳屋自動車(株)代表取締役相談役
深尾 光洋 慶應義塾大学商学部教授
堀内 昭義 東京大学経済学部教授
松下 淳一 学習院大学法学部教授
森田 宏樹 東京大学法学部教授
森本  滋 京都大学法学部教授
八木 良樹 (株)日立製作所代表取締役副社長
山下 友信 東京大学法学部教授

関係省庁等

鮫島 正大

日本銀行企画室参事役

【計17名】

(敬称略・五十音順)


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