金融審議会金融分科会第一部会(第36回)議事録

平成17年11月2日

金融庁 総務企画局

午前10時00分開会

○神田部会長

おはようございます。それでは予定の時間になりましたので、始めさせて頂きます。

ただいまから、金融審議会金融分科会第一部会の第36回目の会合になりますけれども、それを開催させて頂きます。

皆様方には、いつもご多忙のところお集まり頂きありがとうございます。いつものことでございますが、議事は本日も公開とさせていただいております。報道機関の方々などのために後ろの方の席を用意させていただいております。

それでは、議事に入ります前に、今回新たに専門委員にご就任されました方をご紹介させて頂きます。お一方は、日本商品投資販売業協会会長であられる加藤雅一委員でございます。

○加藤委員

加藤でございます。よろしくお願いいたします。

○神田部会長

よろしくお願いいたします。

それから、もう一方、日本ベンチャーキャピタル協会会長であられる立岡登與次委員でございます。

○立岡委員

立岡でございます。よろしくお願いします。

○神田部会長

どうぞよろしくお願いいたします。

なお、だんだん人数が増えてきておりまして、この席上で十分にご発言頂けないとお感じの方もいらっしゃると思いますけれども、毎度申し上げていることですけれども、別途、事務局あるいは私でも結構ですが、ご意見を頂けますとありがたく存じます。

本日は、田中委員、それから原委員から、意見書という形で、書面でご意見をいただいておりますので、お手元に配布しております。

今後もこの方式は続けたいと思いますので、どうか十分に意見が言えなかったとか、言いたいという方がいらっしゃいましたら、もちろんこの場でのご発言が原則ではございますけれども、やはり時間の関係等もございますので、それとは別にぜひ事務局とか、私あてでも結構ですのでお寄せ頂ければ、ありがたく存じます。

さて、今日でございますが、投資サービス法(仮称)の対象範囲についてのご議論を今日はお願いをさせて頂きたいと思います。

なお、最初にお断りというか、投資サービス法の対象範囲につきましては、集団投資スキーム、いわゆるファンドも含まれるわけですけれども、この集団投資スキームあるいはファンドにつきましては、固有の論点等がございますので、後日、今日とは別に独立したテーマとしてご審議をお願いする予定でございます。

したがいまして、集団投資スキームないしファンドは除いて、その他の点のいわゆる投資商品あるいは金融商品の範囲についてのご審議をお願いできればと思います。

それでは、お手元の議事次第に従いまして、まず投資サービス法(仮称)の対象範囲につきまして、事務局からの説明をお願いします。

○三井市場課長

お手元に多数の資料をお配りしてございます。

まず、縦紙で資料1というのがございまして文章です。その参考資料として資料の1-1から1-5までございます。資料の1-2という金融サービス利用者の相談事例には別冊というものもついてございます。これも、前回同様縦書きの資料を説明しながら、横長なり、この詳細な資料についても言及したいと思います。

ただ今回は、この資料の1-1から1-5は、大変大量でございますので、すべて説明することができませんので、割愛しながらということになりますので、ご容赦頂きたいと思います。

それでは、まず基本的考えのところから説明いたします。資料の1、投資サービス法(仮称)の対象範囲、基本的考え方です。

中間整理における指摘でございます。読み上げは省略させて頂きますが、その中間整理では、可能な限り幅広い金融商品を対象すべきであるということから、従来、証券取引法で適応対象になっていました有価証券、みなし有価証券、有価証券関係のデリバティブ。それ以外に2つ目のポツですけれども、現在法律上の規制対象になっていない法人組合などの出資者持分、あるいはそのスワップなどをデリバティブ取引など、多様なものを対象としてはどうかということでございます。

それをベースに2つ目のポツですが、投資サービス法の対象となる金融商品、仮称ですけれども、仮に投資商品とおきますと、この3つの要件というのを仮の試みの定義としておいています。

1つ目の金銭の出資、金銭等の償還の可能性を持つということ。それから2つ目が資産や指標に関連して、この2つが、まず1つ目が金融ということですのでお金で入れて、お金で取り出す可能性があるということ。それから2つ目がいわゆる博打ではなくて、これも金融であるということのものであります。

それからマル3がより高いリターン、経済的効用を期待してリスクをとるもの。これはやや実質的な、経済的な意味合いを持ったリスクとリターンの関係で、その投資商品をとらえるといった、この3つの基準の設定を試みて、投資商品の具体的な定義については、投資家保護の観点から適用と認められる商品について、ここに書いてあるような、その考え方が示される。

それから3つ目の点で、デリバティブ取引についての原資産を問わず、対象とすべきであるという3つの整理がされています。

それでは、1枚おめくり頂きまして、しばらくは事実関係であり、あるべき論ということとは少し離れまして、日本で一番幅広い金融商品、金融に限定されていますが、その範囲としてどんなものがあるということで、金融商品販売法、いわゆる金融商品販売法の規制対象となっているもの預金、保険、いわゆるその有価証券関係、広く掲げられているということであります。

それから中央の、主要国等における金融商品の範囲、これは参考資料は資料1-1にございます。英文なり、その日本語訳、詳細なものが3ページ程度書いてございます。要点をこの縦長の資料1のこの2ページ以下に抜粋しておりますので、簡単にかいつまんで説明させて頂きます。

米国ですが、日本の証券取引法のベースになった法律である、33年証券法において、証券(security)、このsecurityの中身は日本の証券取引法と異なりましてノート(note)、株式(stock)、自己株式(treasury stock)、証券先物(security future)、社債、債務証書、あるいは利益分配契約における権利参加権を表示する証書等々。それから最後に投資契約(investment contract)というものが幅広く含まれております。

この投資契約は、以前の審議で紹介させて頂きましたように、非常に幅広いものが含まれております。その中で、ここでは前々回ご紹介させて頂きました意見募集において、各論的に議論になりました預金、保険等につきまして幾つか掲げさせていただいております。

預金ですが、証券法上の証券の定義に預金証書(certificate of deposit)、預金証書というのが規定されていますが、これは判例におきまして、銀行の預金は証券に該当しない。こういうことが定義されています。理由は連邦銀行法によって規制されていると、こういうことでございます。

それから次のページ、保険でございます。保険事業の規制は州法によるということになりますので、これは連邦と州の関係がございます。そういったことがありまして、連邦制で連邦の規制がその州とどのような関係であるという論点プラスその保険の性格ということから、ここにありますように、州政府の監督を受けている会社により発行されるという限定つきの保険証書等々については、証券法の適用除外とされております。

他方、連邦最高裁、4行目ですけれども、変額年金(variable annuity)については証券法上の証券に該当すると決めております。

その後、SECが規則の151等々におきまして、セーフ・ハーバー・ルールを制定いたしております。細かい要件は省略いたしますが、こういったものが適用除外証券として書かれていまして、その裏返しとしまして、変額年金保険について証券法の適用対象になるという凡例に沿った運用をしているということあります。

マル3の先物・デリバティブでございます。これは当然のことながら、性格的に投資契約であったり証券であったりするわけですが、もう1つ、そのCFTCという商品先物取引委員会というデリバティブの幾つかの部分を所管する役所がありまして、SECとCFTCの間で、ここにありますような所管争いなり、所管に対する合意などがなされておるということであります。

マル4非営利組織証券でございます。金銭的利益を目的とするその収益のいかなる部分もいかなる個人の利益とならない組織と、こういうものについては、発行する証券は適用除外になっております。

英国でござまいす。2000年金融サービス・市場法おきまして、投資物件(investments)を定義しております。これには預金、保険、集団投資スキームのユニット、オプション、先物、差金契約等などが含まれております。

それから次の黒丸ですけれども、英国の金融サービス機構は、2005年1月に非投資性保険契約に適用される保険業務行為規範というのを作成しております。非投資性保険契約というのは、損害保険契約及び純粋保障契約というものと定義されておるということで、投資契約でないものを含んでおるということであります。

(3)のEUでございますが、金融商品市場指令におきまして、金融商品、フィナンシャル・インストルメントというものを定義しております。

ここでは逆に保険、預金は含まれないということでございますが、譲渡可能証券、短期金融市場商品、集団投資スキームのユニットは。無論、デリバティブ取引全般、すなわちその原資産問わずに、証券、通過、金利、商品関連デリバティブ、クレジット、天候のデリバティブも横断的に含まれております。

なお、その次のポツですが、金融商品市場指令では、旧投資サービス指令に含まれていなかった商品デリバティブについても、単一パスポートを付与するために含まれている。こういったことでございます。

次の金融サービス利用者の相談事例でございます。資料は多数ございます。資料1-2、それからその別冊でございますが、全て説明する時間ございませんので、ポイントを説明させて頂きます。

資料1-2ですが、東京三弁護士会の消費者問題関連委員会というところで、金融商品の被害110番といったものの集計がございます。その商品の種類でございますけれども、2枚めくって頂きまして、取引内容相談の種類の商品の種類、ガソリン、金とか、ガソリン、灯油等々と始まって、真ん中あたりが先物、それから為替証拠金取引、ファンド、未公開株。これは証券会社ではないと取り扱えないで、登録を受けていない証券会社が扱っていると無登録営業というものですが、それから保険等々ということでございます。

それから6ページ以下、これは金融庁の金融サービス利用者相談室において受け付けた苦情なり、相談の内容、これは11月に実施、紹介されたものでございますが、この中には外為証拠金、未公開株に並びまして、商品先物取引、株式投資ファンド等々、こういったものがございます。

それから最後でございます、22ページでございますが、これは独立行政法人国民生活センターが各種の国民生活をめぐる相談をしていまして、それを冊子の形で公表しています。

年に1回程度、金融商品をめぐる相談事例について、まとめた特集記事が出ますので、それをここに抜粋してございます。

それから、さらに各般からいただいた参考資料が別冊に掲げております。これも独立行政法人、国民生活センターの資料、あるいはそこからいただいた統計、これはデータとして出ていたものがつけ加えてございます。

それからその中で実際の相談事例、こういった内容の相談があります、あるいはそれに対して取引上の注意をしたらどうでしょうかという消費者への呼びかけがございます。

それから20ページ以降も同様でございます。

それからもう一つは37ページです。これが東京都の消費生活センターからいただいている資料でございまして、実際の商品は相談事例については、かなり詳細な状況が掲げられております。お時間のあるときにお読み頂ければと思います。

それでは、縦長資料の1に戻らせて頂ければと思います。検討にあたっての考え方でございまして、前々回、論点として紹介させていただいているものを再掲させていただいています。

投資サービス法の対象となる投資商品の範囲を具体的にどのように考えるか。この中で意見募集等でご議論になりました、預金、貯金、保険、共済、無尽、信託といったもので、投資商品でないものがあるのではないかというご議論がありました。ということで、その点が論点の2としています。

少し増やさせて頂きました、5ページご覧頂きたいと思います。投資商品の範囲についての考え方ですが、先ほど申しましたように金銭出資、金銭償還、それから資産や指標に関連してということで博打でないということと、リターン、リスクの関係ということでございますが、上の3つ目のパラグラフ、金融商品販売法では、顧客に説明すべき元本欠損が生ずる原因、これはここの説明義務を果たさないと、損害賠償責任の挙証責任の転換という、そういう効果があるわけですが、条文上、金利通貨の価格、有価証券市場における相場、その他の指標係る変動、いわゆる市場リスクに着目しています。

それからもう一つが、金融商品販売業者、それからその他のもの、例えば発行者の業務または財産の状況の変化、いわゆるこういった信用リスクなどが現行上は掲げられています。

もとより商品をめぐるリスクは、この2種のリストに尽きるものではありませんので、様々な整理がありますけれども、この投資サービス法における投資商品を検討するにあたって、主として考慮すべきこのリスク、リスクをとってリターンをとる、期待をするという、このリスクの義務についてどのように考えればよろしいかという点が第1点。

それから、それとの関係でそのリターンでございますが、中間整理では、デリバティブ等の新たな投資商品の出現を念頭に金銭償還の可能性等を前提とした経済的効用と幅広くとらえられてございます。ただし、典型的な投資商品については、恐らく金銭的収益がプラスのキャッシュフローを期待しているというものが多く考えられますけれども、この点についてはどのように考え方として整理したらよろしいかということでございます。

これらにつきまして、意見募集等では、預金、保険、貯金、共済、無尽、信託などにつきましては、最初の2つのポツにつきましては、消費者、弁護士関係の団体から多数意見をいただいていまして、その幅広く預金、保険等も含めて対象とすべきである。あるいは、仕組預金とか変額保険といったものを踏まえると、当然投資商品として含めるべきであるというご意見をいただいています。

他方、その金融機関あるいは金融業界、保険業界を含めまして、幾つかの反対意見をいただいていまして、預金などについては元本が保証されているとか、あるいはその社会的認知度があるのではないかとか、要は投資としてではなくて、資金がほかには決算の手段として利用されているということで、安全性とか確実性、便利さといった、投資とは違う面があるのではないかというご意見。

ただ、デリバティブ預金等商品については元本保証が大半であるということで、本当に投資商品なのだろうかというご意見。それから保険業界からですが、保険商品というのは、その投資商品と異なって、死亡、入院を初めとする契約者の経済的なリスクを保証するもので、投資預金とは言えないのではないかというご意見。それから信託ですが、ここはいわゆる投資信託的な信託という意味ではなくて、自己資産の管理とか、贈与を目的とする信託であるとか、あるいは公益信託といった、こういう投資目的とは言えない類型のものがあるのではないかと、こういう御意見がございました。

ということで、その商品によっていろいろなご意見が、ちょっと違った切り口がありますので、(3)以下では商品を種類別に意見を整理してございます。

まず預金ですが、例えばリスク・リターンの点について、これまでの意見を整理すると、このようになるのではないかと。試みの整理をしてみましたらいかがかということでありますが、まず市場リスクですが、外貨建て預金というのは為替変動があるということで、これは当然のことながらリスクはあるということでありますが、円建て預金というのは、金利変動によって利息が変動すると、こういう部分はもちろんあるということでございますが、かたやその円建ての元本保証があって、元本の欠損は生じないというのが、その実態のみならず制度上も担保されている部分がございます。これについてどのように考えるかということであります。

それからもう一つ、いわゆる信用リスクということで考えますと、銀行については、高度の財務の健全性が確保されるような法制度というのがあるということで、信用リスクは高いとは言えないのではないかと指摘があることについて、どのように考えるか。その極端な例として決済性預金というのは付利が禁止されていますので、金銭的収益、いわゆるキャッシュフローが時間的な単価量を考えると、ないということになってしまうのですが、このリターンの関係でどうかということになります。

それから貯金は預金と同様と考えられますが、保険でございます。7ページに移ります。市場リスクでございますけれども、変額保険・年金、あるいは外貨建て保険というのは運用状況とか為替変動によって解約返戻金、満期保険金、年金原資が大きく変動する可能性が一部であります。片や円建ての保険で変額年金・保険以外の場合、貯蓄的な保険、養老保険、終身保険、年金保険、積立保険等がございますが、こういったものは実績配当による上乗せがあるということなのですが、この予定納期の問題がありまして、金利による市場動向に関わる保険金額、解約返戻金というのが一定額が保障、維持されるという商品性になっている。

それから2つ目の保険会社ですが、高度の財務の健全については確保されるような法制度が整備されている。これも銀行と同様でご議論があると思います。

それからリターンにつきまして、特に短期の定期保険と、ここにあるような保険というのは保障性が強い方でございますので、リターンという面で結局そのキャッシュフローを考えると、ややそういったものから外れるのではないかというご意見があると思います。

それから制度共済。これは保険に準じた整理が可能と考えられると思います。

それから無尽ですが、現在1社だけ提供しておりまして、この商品性というのは非常に固定的かつシンプルなものであります。市場リスクで考えますと、掛金を補給するのは、いずれも固定金利になっていまして、金利条件は為替変動に関わらないということになっています。それから信用リスクについては、この金融機関並みの無尽業法による制度的な枠組みがあるということとなっております。

それから信託、これはいろいろな種類がありますので、様々なものがありという前提でございますが、例えば、その元本補填のない信託というのは、当然のことながら、運用状況、為替状況によって、信託会社の為替が大きく変動することになります。例えば元本補填つきの信託の元本の欠損は制度的に生じないようになっているということについて、ちょっと考えられないのではないか。

それから信託会社の独立性と信託会社の他業制限等におきまして、今申し上げました兼営信託銀行も提供するような信託商品について、信用リスクは必ずしも高くないのではないかという指摘がございます。

それからもう一つ、公益信託についてですが、リターンという目で見ると、いわゆるリターンを期待している、キャッシュフローを期待しているというような商品があるという指摘がございます。

それから8ページでございますが、シンジケートローン、アセットバックローンについてちょっと投資商品と違うのではないかというご意見がありましたので紹介しておきます。例えば、相対の貸し付けと同じではないかとか、投資家とされる参加者が金融機関がではないかと、こういった点でございます。

では、9ページにまいります。今、マル1マル2マル3、金銭による出資償還、それから資産や指標に関連するということと、リスク、リターンという、その3つの上から見ると投資商品、この3つの要件には当たるけれども、他に業法があるということで、それとの関係で別の政策的な考慮ないし別の実態的考慮があるのではないかといったご意見を多数頂いています。

中間整理における指摘ですが、銀行、保険といった業態に係わらず、投資商品の販売に関する一般法としてその行為規制を業態を問わず適用することが適当である。銀行法や保険業法についても、販売・勧誘に関するルールなどといって、投資サービス法と一元化することについて検討を行うべきである。3つ目で、このような検討にあたっては、預金・保険といった金融商品としての性格や現在の業務の実態を踏まえつつ行うことが必要である。こういうふうなことで取りまとめをしていただいています。

他の業法の規制につきましては、資料の1-5に、簡単に整理させていただいています。中身はこの本文で省略いたします。なお、これは投資商品、証券取引法、あるいはその金融関連手法という法律で、ある程度、横断的に見渡せるような項目について、ごくごく簡単に整理しております。中には、業法によってはその独自の観点で具体的な規制をしているというものもあろうかと思います。

検討にあたっての考え方で、これも論点でございますが、ここでは便宜上、3つの類型に分けてございます。1つ目として、論点1が金融庁所管の業法で規制されている点ということで、預金・保険などがあります。それから論点の2。金融庁と他省庁の共管の業法で規制されているものがあります。貯金、それから商品ファンド、それから不動産特定事業というのがございます。それから論点の3ですが、金融庁所管以外の他の業法で規制されているものがありまして、制度共済、それから商品先物取引、海外先物取引というものがありますし、便宜上、商品別にご意見を紹介させて頂きます。

まず預金・保険・無尽・信託。その性格とは別に業法、実態との関係で整理させていただいています。9ページの下から最初の2つのポツは弁護士会や消費者関係の方々からたくさんいただいているものですが、対象とすべきだ。

それから次の3つは、それぞれ銀行から保険、それからその他ということで、それぞれ別の業法が銀行法や保険業法、あるいは別の考えのもとに、別の監督がされているということが、この理由から別の扱いをすべきではないかと、あるいは慎重にすべきではないかという、そういうご意見があります。

それから貯金については現行と同様と考えますが、(4)商品ファンドについて。これも同様でございまして、10ページの下の方にあります最初の2つのポツというのが、どちらかというと消費者、あるいは弁護士会から出された意見が多くて、その対象とすべきであるということ。

それから最後の2つ、11ページの上の2つが、むしろ慎重に、あるいはよく検討するべきではないかと。あるいは最後のところですけれども、少し観点が違いまして、より柔軟なファンドの組成が可能となるよう運用制限を緩和すべきという部分があります。

それから(5)不動産特定共同事業でございます。上の2つは幅広く対象として含めるべきである。それから下の2つは、常にそれを別の業法で厳しい参入規制等々があるので、できれば対象外とすべきである。あるいは不動産には特殊性があるということでございました。

それから(6)商品先物でございます。これも似たような観点から整理しまして、11ページの最後の下のポツと、12ページの最初のポツは幅広い、横断的に入れるべきであるという観点からのご意見でありまして、最後の2つ、例えば12ページの上から2つ目のポツで言いますと、商品先物というのは商品調達・在庫調整・資金調達といった重要な産業インフラである商品市場に関わるものであるという観点からのご議論、あるいは商品取引上というのは、今年の5月に改正法が施行されているといったこと。そういったその規制の内容が4つ目のポツ、12ページで見ると3つ目ですが、が指摘されています。

それから、いただいている意見の中に、特にということで、真ん中あたりでございますが、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律ということにつきまして、多数意見をいただいていました。例えば規制対象が狭いとか、あるいは認可・登録の業者規制がないので、行為規制だけであって、実効性について疑問があるというようなご意見などをいただいていますが、こういうことを考えているということがございます。

それから(7)制度共済。これも同様に、最初の2つが分けるべきであるという意見ございまして、次の2つ、12ページの下の2つが別の観点であるということであります。

制度共済、13ページですが、種類がここにありますように、農協、中小企業等協同組合と、幾つかの種類の共済組合がございます。これについて多少規制の内容が精粗様々でございましてといっても、いろいろなご意見があろうと思いますので、挙げさせていただいています。

以上であります。

○神田部会長

どうも大変時間の制約がある中で、要領よくご説明頂きましてありがとうございました。

今、ご説明頂きましたように、論点のところにありますポツは、いわゆる意見照会に対して各界から寄せられましたご意見の重要なものをまとめたものでありまして、三井課長から大体どういうところからかというご紹介があったと思いますけれども、詳しく、どなたかあるいはどの団体からの意見かということをお知りになりたい方は、前にお配りしました原本というのがございますので、そちらをご覧頂ければと思います。どのポツが、原本の中のどこの意見と対応しているかということが、もし分かりにくい場合には聞いて頂ければ、示していけると思います。

そういうことでありまして、これまで各界から頂きましたご意見のうちの重要なものを最後の方にポツとしてご紹介するということでさせて頂きました。

そこで、本日は、資料1を中心にご審議を頂きたいと思います。ご意見、それからご質問等、皆様方からご自由にお出し頂きたいと思います。本日のテーマはおよそ対象の範囲と言ってしまうと、非常に論点も広範で、かつ多岐にわたると思います。時間も限られておりますので、できれば審議をスムーズにというか、効率的に進める観点から、次のようにさせて頂ければと思います。

前半と後半とを分けまして、前半でまずは、中間整理において特に引き続き検討と明記されております預金、貯金、保険、共済、無尽、信託、こういったものについて投資商品としての具体的な性格というのでしょうか、商品としての性格についてどのように考えるか、そういうことを中心にご審議いただいたらどうかと思います。

そして後半の方は、他の業法等がある投資商品の取り扱いをどう考えるかということであります。具体的には今、三井課長からもご説明にありましたように、預金、貯金、保険、共済、無尽、信託、これらもそうですけれども、そのほかに商品ファンド、不動産特定共同事業、商品先物取引、海外先物契約というのでしょうか。こういったものについてご審議を頂ければと思います。

ただ、前半と後半とでどうしても関連があるということであれば、その点をはっきりさせて併せてご発言頂く方がいいというご判断であれば、それで結構でございます。

前置きが長くなって申しわけありません。それでは、まず、前半部分、預金、保険等の投資商品としての具体的な性格につきまして、この投資サービス法のあり方、対象範囲との関係で、ご質問、ご意見等をお聞かせ頂ければありがたく存じます。

どなたからでもどうか、ご自由にお願いいたします。

木村委員、お願いします。

○木村委員

私の方から、制度共済に係る質問をさせて頂きたいと思います。

私もよく実態は分からないのですが、少なくとも全労済ぐらいしか分からないのですけれども、投資による国債の商品ないのではないかと。行政庁もそういうふうに対してはいい顔をしないだろうし、法令でも定められていないのではないかということで、そこら辺の関係省庁の方々がいらっしゃいますので、そういうことでいいのかどうかという確認をさせて頂きたいと思います。

○神田部会長

ありがとうございます。

今の点はどういたしましょうか。もしオブザーバーの方、もしここでご発言頂くならいただいて……。

どうぞ。

○村井農林水産省経営・組織対策室長

農林水産省経営・組織対策室の村井でございます。当課におきましては、農協の関係を所管しておりますけれども、現在、農協の共済につきましては、いわゆる変額保険的な性格を有するような商品は取り扱っていないということであり、基本的には、我々としては投資商品的な性格を持つ共済は取り扱っていないと認識しております。

○神田部会長

ありがとうございます。

どうぞ。

○篠原厚労省地域福祉課長

厚生労働省の関係でございましたので、消費生活共同組合、今、木村委員の方から全労済ぐらいはご存じというお話がございましたけれども、全労済の中の消費生活共同組合の方で一番品ぞろえがあるというところですけれども、そこでもいわゆる変額年金に該当するようなものを行っていないということでございまして、今、農協についてもお話がありましたけれども、消費生活共同組合に該当するようなこと、少なくとも投資商品と言えるようなものは全然ないのではないかと認識をいたしております。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

どうぞ。

○小林中企庁創業連携推進課長

中小企業庁創業連携推進課、小林でございます。

私どものところでは、いわゆる中小企業の事業協同組合を、火災共済協同組合を含めまして所管しております。扱っている商品の内容については、非常に多岐にわたっておりまして、ちょっとここの場ですべて精査しているわけではございませんけれども、今までお話のあったようなところと、同じような構成になっているものと承知しております。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、上柳委員。

○上柳委員

今の関連なのですけれども、木村さんの方のご質問が、まさにこういう投資かどうかという定義が問題なので、今までの制度の枠組みで、投資的あるいはリスクの高い商品設定を認可されないあるいは認知させないように努力されてきたということは、そのとおりかも分かりませんけれども、つまりこの投資サービス法の視点から見て、キャッシュフローが行ったり来たり、あるいは将来のリスクとの交換をするという、そういう観点から見直せば、例えば共済だってそういう側面があるのではないかということになると思うので、必ずしもその変額年金、あるいは変額保険的なものだけではなくて、金融プランに備えることというのは十分できるし、そのために今回議論しているのではないかと理解しております。

○神田部会長

ありがとうございます。

それでは、田中委員、どうぞ。それから、原委員の順でお願いいたします。

○田中委員

ここの投資サービス法との一元化ということに関して一言コメントしたいと思います。

国民経済的に見ても、この「貯蓄から投資へ」という資金シフト、円滑にお金が動くという大きな目標があり、その一方で、一昨年、外為証拠金取引という社会問題も発生した。この外為証拠金取引に関しては、証取法にもかからない、どこの業法にもかからないという、いわば法律のすき間をぬって出てきた現象ということで、今後、国民が安心して投資行動ができるようにと考えた場合、このような漏れがないように、抜けがないように、包括的な形で対応するというのが、必要なことではないかなと思います。

それと同時に、投資者保護という観点から同じような保護の施策がなされるということが非常に重要なことだと思います。

そういう中で、確かに今、事務局からのご説明がありましたように、いろいろな商品でいろいろな商品性格があり、それぞれ固有の事情があるというのは当然そのとおりであるわけなのですが、この供給者側ではなくて、いわば投資家、あるいは消費者側から見て、どういうふうに見えるのかというのが重要なポイントだと思います。

そういう中で1つ具体的な例として、例えば銀行の方で扱っている外貨建てのデリバティブ預金。これにちょっと注目して比較してみた場合、このデリバティブ預金と全く同じエコノミーの商品というのは、証券会社の方で債券として提供することができます。経済的には全く同じ。ただ、今の規制という観点から挙げますと、証券会社の方で債券を扱うには、外務員資格を持っていないと扱えない。デリバティブ預金の方は別に資格は要らない。

それから同じものを債券として証券会社が販売するにあたっては、これを購入される方に対して証取法上の適合性原則というのがかけられます。これは本当に勧める商品としていいのかどうかというのが明確に決められている。それに対して、銀行の方では預金ですので、そういうものがない。こういう違いがあります。

このように、それぞれの固有の事情があると言いましても、やはり国民サイド、消費者サイドから見て、公正で整合性のとれた規制というのが必要ではないかなと、そういう面で、投資サービス法の範囲という面ではなるべく網羅的に組み入れるということが必要ではないかなと考えます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、花岡委員。

○花岡委員

ちょっと上柳先生のご発言を聞こえなかったので、それを踏まえているかどうか分からないのですけれども、いわゆる投資商品の定義のお話ですけれども、今回の本文では、市場リスクという定義に着目したらどうかというご提案だと理解しておりますけれども、考えるにあたっての前提としては、実際問題どういう商品性がある、それに応じてどういう行為規制を有効に適用するのだということが、大変重要ではないのかなと思っておるわけでございまして、そういう前提で見たときに、いわゆる投資というものと、それから保障の対価としての保険というものとは大分違うのではないかなと。

すなわち保険というのは、共済もそうかもしれませんが、無駄な保障をカバーして利用者に無駄使いをさせないというところから一番重要なところなのだろうなと。これはちょっと市場リスクとは違うのではないのかな。それから保障定義とは違うのではないのかなと思うわけです。

もちろん、保険の中で市場リスクがあるものというのはここの本文にもありますように、変額の商品とか、それから外貨建ての商品ございます。これをもって市場リスクあり、したがって投資商品だという議論は、確かにそれはそれで議論だと思いますけれども、一般的に投資商品として保険を入れていいかというと、ちょっとそれはなじまない、それはやっぱりこれからの議論ではあるでしょうけれども、どういう行為規制をと言ったときに、多分、全然違った規制になっていくのではないのかなと思います。

ちなみに、保険に対する行為規制として業法で定めておるものがあるわけでございますが、これはこれで十分かどうかというものについては、常に検証しレベルアップしていくというべきものなのではないのかなと思います。

もっともっと前提を広げてすべて入れて、その中できちんとその商品特性の持った行為規制を、緻密に検討していくのだということであれば、それが今回の作成する思想だということであれば、それはそれでまたご議論のところだとは思いますけれども、今の整理は投資かどうかというところで入ろうとされているということを前提にしたのは、やはり物を一般的な商品というのは、なかなか投資ではないのではないかなということでございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、お隣の原委員、それから町田委員。

○原委員

発言が足らない場合は、ペーパーを提出するようにということだったのですが、十分発言はしているのですが、提出させていただいておりますが、今日のこの対象範囲については、ちょっと前半と後半を分けるということになりましたので、後半でもお話をしたいと思いますが、全体にやはり包括的にすべての金融商品を含むという、金融商品販売法が制定したときの当初のスタンスに立つべきだと考えておりまして、投資サービス法、仮称とはなっておりますけれども、それで検討に入ってしまって、投資とは何かという定義から始まってしまうというようなところがありますけれども、私としては金融サービス、それから市場、金融商品ということで、検討は深めて頂きたいと思っています。

レジュメについては、タイトルだけ申し上げておきますが、また後半申し上げますけれども、大変消費者トラブルが増えている商品先物。これは海外先物とか、それから海外先物オプションまで被害が広がっているという。それから2番目は、新聞など広告をしておいて、周知度を高めて被害を生じさせているという、こういったタイプのもの。それから3番目が、金融オンブズネットで5年間いろいろな調査をしておりますけれども、その消費者との接点があるような商品はすべてということ。それから4番目が、消費者センターに苦情とか相談で寄せられているもの。それから5番目に、銀行と保険について書いておりますので、この部分について、論点に沿って、ちょっと意見を述べさせて頂きたいと思っております。

論点なのですが、前半と後半に分かれますけれども、前半のところで4ページが論点1ということになりますけれども、論点1と論点2が書かれております。

ここで論点1は、投資サービス法の対象から投資商品の範囲という、この投資の概念については定義をどうするかというのは、神田先生を初めご苦労なさっていらっしゃいますけれども、ここはぜひ包括的にすべてが入るような定義というのを期待したいと思っていますね。

論点2のところに書かれております預貯金、それから保険、共済、無尽、信託なのですが、今、田中委員からも話されたように、外貨預金とか、そういったものはおっしゃられたようなことは私も感じておりますので、銀行が抱えていらっしゃるこういった外貨預金的なものですね。預貯金的なものは、当然配置し、預貯金全部についても検討を深めて頂きたいと思います。

それから投資信託とか、それからデリバティブとか、それから保険もそうなのですが、元本保証という言葉をよく使われていて、今回も元本保証という言葉で、そういうものがあるのは外れてもいいのではないか、取っ手がないのでないということを言っていいのではないかと言われていますが、そう言われても、手数料なんかで元本割れをする商品性というのを持っているわけで、元本保証しているから外れるということにはならないと考えています。

それから保険と共済についてなのですが、確かに投資という概念をここから考えると、難しい局面もあるのかもしれませんが、リスクとリターンという局面から注目をすると、リターンを期待していないという保険商品は、6ページから7ページにかけてが、この保険とか共済について書かれている部分なのですが、市場リスクと信用リスクとリターンを期待する商品と言えないのではないかというところがポイントなのですが、このリスクとリターンに着目をすると、やはりリターンは期待をしているということになります。

それからリスクがないのかというと、リスクについては、例えば配当金の多寡ですとか、予定利率をどう動かしていくのかとか、解約返戻金が非常に低いと言われたりとか、それから今回、明治安田生命、料金の問題になりました、損保にも広がっておりますが、不払いの問題ですね。こういうのが最大のリスクと考えておりますので、リスクとリターンという点に着目をすると、私としては当然にこの枠組みの中に入ってくると考えております。

神田先生が、いつかの段階で、消費者の家計からお金が出ていくという点については、金融商品とか金融サービスという点ではすべてくくれるのではないかというお話をなさったときがあるのですけれども、私としても、その線に沿って、金融サービス市場法としての検討で深めて頂きたいと思っております。

大変長くなりましたけれども、よろしくお願いいたします。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、町田委員、お願いします。

○町田委員

前半のテーマが投資商品の範囲についての考え方ということで、預金が結構大きい項目として最初に挙がっておりますので、少し意見を申し上げさせて頂きます。

この論点については全銀協としても意見を出させて頂いており、かつ、今回の中間整理や本日配布の資料の中にもかなり引用して頂いていますので、そこは繰り返しになりますから、ここの場で申し上げる必要はないかと思います。

資料5ページの下段にある、一方で預金については以下の主張が、私ども全体の主張なのですけれども、今、複数の委員の方々からご意見をうかがっていて、もう少し実情をご説明したいと思います。今日の資料の1-4の1ページに預金の商品が幾つか書かれています。

ただいま委員の方々からご指摘のある、例えばデリバティブを組み込んだ外貨預金、あるいは単独の外貨預金なんかも入っているのですが、ここに書かれた預金というのが、ほぼ今、銀行が扱っている預金商品のすべてです。もちろん期間の概念とか、多少のバリエーションがありますし、これ以外にも、特殊な別段預金とか納税準備預金とか、利用者の少ない預金がありますけれども、基本的には、この内容です。

銀行が預金サービスを始めてから100年以上もたっているわけですが、預金はイノベーションの少ない商品でありまして、要は100年たってもこれだけの商品です。最近、決済性預金というのができたのですが、この表のうち普通預金と定期預金の2つが銀行業界全体の預金の大宗を占めているのが実情です。

審議会でもよく例示されます、デリバティブ組込型の預金や、外貨預金などは、利用者もまだ限られております。これらの預金が他のいろいろな投資性の商品に近いということであれば、その事柄について、平等なあるいは公正な規制とか手続などが入ってくるということが検討の対象となることはよろしいのですが、そのことと大勢の方々が大昔から利用している普通預金とか定期預金など預金全体にどう規制をかけるかなどの議論とは少し違うのではないかということをあらためて主張させて頂きたいと思います。

それからもう一点だけ、ここはもう簡単にしますが、これは預金ではありませんが、シンジケートローンについてですけれども、私も今年の春から参加させて頂きましたが、預金が急に投資商品の中に入ったときにも、ちょっと驚いたのですが、シンジケートローンは恐らく議論の終盤の方で突然出てきたのかなという感じがいたします。

シンジケートローンと言うと、何やら特別なイメージがあるのかも分かりませんが、基本的には1つの銀行で融資するか、複数の銀行で、複数と言いましても2つの場合もあれば、3つの場合もあるということで、リスクシェアをしながら協調融資をするものです。

基本的には相対契約の延長線上にあるということで、現在、この市場を一生懸命つくっている最中でありますから、市場参加者としましては、できるだけこの市場を発展させるように、そういったことを皆さんにお願いしたいということでございます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

同時に手が挙がりました。では、まず和仁委員。

○和仁委員

三井課長に対する質問ですが、先ほど投資商品の定義のところで、ここに書いていないのですけれども、博打でないということ2回ほどおっしゃられたのですけれども、その博打でないということを投資商品の定義づけに入れるのでしょうか。というか、投機性があるものは除くというご指示でしょうか。私はそれはちょっとおかしいと思いますし、はっきり言って、デリバティブというのは博打ですし、保険はオプションでオプションはデリバティブ、オプションは博打ですから、博打かどうかという話をされるのはミスリーディングで、博打ではないという前提は入れられないで、ニュートラルな形で投資商品の定義を考えて頂きたいと思います。それが第1点です。

それから、もう一つ、すみません、私、前回欠席したので、よく分からないのですけれども、今までの議論を伺っていますと、どういう行為規制がかけられるのか、マキシマムの行為規制がかけられるから、そこからさかのぼってうちの商品は外してほしいというご議論がされているのですけれども、そもそもその出口が見えないと、皆さんは安心して議論ができないように見受けられます。

後半の業法規制とも絡むのですけれども、やはりそこのところで皆さん過度にプロテクティブになっていらっしゃるのではないかなという感じがします。

もう一つは、要するに誰を相手にして、どの商品を売るときにかけるのかという基準で規制をかけるのか、それとも投資対象商品全部にかけてしまえば、それについては後は全部同じルールを適用してしまうのかというところが見えていないので、皆さんご心配なのだろうと思います。

もう一つ、そこからいきますと、例えば今、町田委員がお話されていましたシンジケートローンというのは、どうして入るのか説明が必要です。今やっているのは金融機関ばかりですから。

それからシンジケートローンについて規制をかけるというのは、私はほかの国でも聞いたことがないのですが、そのバランスはどうなのでしょうか。まだ日本のシンジケートローン市場がまた伸びなくなってしまうということで、かえって紛争の種をいっぱいつくることになるのではないかなということがあります。

さらに、先ほど預金とそれから債券でデリバティブの内包したものについて、差が出るではないかということで、ご議論ありましたけれども、やはりこれも誰に対して売るのかということを考えるべきではないでしょうか。

要するに、単なる債権と単なるローンと、確かに法律的には両方とも消費貸借の形式の本質を持っているわけですけれども、誰が売るか、誰に対して売るかということで違う。誰が売るかということもやはり関わってくるのかもしれない。これは後半の議論だと思います。そこから考えた場合に、ハイブリットになっている、組み合わせ商品になっているか、なっていないかということに基づいて、その組み合わせの中に何が入っているのか、組み合わせ商品が危ないから、つまりリスクが高いから行為規制をかけましょうという話になるのだろうと思います。

そういう意味で、今の現況では確かに、ご指摘があったようにおかしなことが起こっていて、デリバティブ預金というのは有価証券店頭デリバティブ取引にはならないとされています。理由は預金だからということになっていますが、預金だからといって、それが許されるというものでもないと思いますので、あれは、現行の法制が私はおかしいのではないかなと思っていますけれども、だからそれを正す意味では、こういうような投資サービス法で市場にある程度規制を入れるということは、あるいは正しいのかもしれません。

同じような議論は、例えば生命保険であっても、いわゆる保障型のものと、それから変額保険型のではやはり違うのでしょうということに当てはまります。ここで対象にする商品を決めましょうと議論をしているのですけれども、一体どういうふうな形で分けて、誰に、何について規制をかけるのかというのが見えないと、皆さん議論しづらいと思いますので、その辺の交通整理もちょっとお願いしたいと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

○三井市場課長

お尋ねの博打でございます、ちょっと表現が下品で申しわけないのですが、金融取引の幾つかの定義がありまして、やや言い過ぎのところがあるかもしれませんが、誰かがお金を出して、お金で償還を受ける場合の出している額と償還を受ける額が、金銭の額が違うということなるのですが、それが何に相関するかという点で、一般的に言えば例えば金利であるとか各種相場であるとか、そういったものから始まって、例えば企業であれば、企業のとか、そういう意味ではございません。

したがいまして、例えばデリバティブですと、一般的にデリバティブを資産や指標に関連して、お金を出した者が先に決済できるということで、まさにこのマル1マル2の金融商品的、投資商品的なものにあたるという意味であります。

このマル2で、資産、指標に関連してということで外れるのは、サイコロを転がした結果、受け取る額が変わってくるのがこれで外れてくるとか。比喩的に言うとやるとそういうことです。緻密に議論されるとそこのところはいろいろお考えあると思いますが、そういうことです。

○神田部会長

どうもありがとう。

どうぞ。

○和仁委員

そうしましたら、ウェザーデリバティブはどうするのですか。クレジットデリバティブという名称がありますけれども、あれサイコロ賭博と結構近いですよ。だから、やはり賭博性は議論からそもそも外された方がいいと思いますが。

○三井市場課長

そこはぜひご議論頂きたいところでありまして、金融資産とか、金融指標でなくて、例えば資産や指標に関連してという、広く書かせていただいたのは、クレジットデリバティブであるとかですね。それからウェザーデリバティブなんかがあるということを念頭に、苦心惨たんして、とりあえずこのたたき台としてお出ししていまして、もしこれが、そういったものが入らないということであれば、さらに適切な方法に変えていくというのです。

○神田部会長

ありがとうございます。お二人の法律家の間で議論を続けていただいてもいいとは思いますけれども、よろしいでしょうか。

私も昔デリバティブを同僚の刑法の先生方に聞きまくったことがあります。これは賭博ですかとたずねますと、一生懸命私が商品性を説明すればするほど、「神田君、それは賭博だよ」と言われました(笑)。それではこれは違法なのですかとたずねますと、そしてまた一生懸命説明しますと、それはそういう取引が経済合理性を持ち、社会の役に立つような形で使われているというものであれば、それは賭博罪にはあたらない。そこのところはいわゆる社会通念で決まるのですと。したがって、それは時代によって変わりうる。100年前はひょっとすると社会通念上、賭博であったけれども、今は金融市場で使われているそういうものは商品と理解できるのではないかと教わりました。そういう意味では、和仁委員がおっしゃっている賭博というものを広く定義すれば、現在刑法等で許されないさっきのサイコロのような許されない賭博と、それから経済・社会等に役に立つということで、社会通念上、許されるというか、許容されるような賭博とがある。和仁委員は両方を賭博と呼んでおられるわけですけれども、事務局の説明はそのうちの許されるというか、投資商品としてのものを性格づけるとこういうことになるのではないかということだと思いますので、ご意見に実質上の差はなくて、言葉の問題だと理解して、先へ進ませて頂きたいと思います。

それでは、花岡委員。

○花岡委員

原先生のご意見に対して、ちょっと私の方も補足しておかなければいけないかなと思って、挙手したのですが、その前に行為規制、和仁先生がおっしゃった行為規制とセットでないとというのはそのとおりだと思っていますし、それからもう一つ言えば、行政が多元的になるということ自体も大丈夫なのかなという不安があるのでしょうと思うのですよ。だから、そういうものとセットで、これ議論していくということになるのですけれども、そうだとしたら、延々時間かかってしまいますし、それは1つの割り切りということで今回出された投資は何ぞやという内容で市場リスクがあるものと、これは1つの私は客観的な線引きとしては妥当だと思いますし、それは国際的にもそういう国があるということだと思います。

そうした中で、原先生がおっしゃったリスクとリターンのところですが、通常の生命保険の場合、やはり死亡リスクとか、生存リスクとかいったものを保障して、その対価としての保険料拠出金があるのだということで、これを否定することは、まずできないだろうなということですね。

ただ、解約返戻金が低いではないかとか、なかったりするではないかというようなことです。これは諸外国にあるかもしれないですけれども、日本の生命保険会社が売っている解約返戻金につきましては、保証しています。それから契約時に解約返戻金額を記した書面を交付しているということにおいて、相当強い約束になっておりまして、これを変えるということは予定利率を変更するのと同じぐらいの契約変更になってしまうと、こういう強制力がある契約内容であるということですね。

それから配当金の問題は、かつては確かにALMでもやっていなくて、出てきた利益はそのまま配当してご迷惑をかけたということがありますが、今はALMもやっていますから、およそ配当金の生じる要素としては経営の合理化でありますとか、あらかじめ見積もっておりました死亡率の精算でありますとか、いわゆる見積もりの保険料の精算要素でありますので、これが投資に対するリターンというのもなかなか無理があるのではないのかなということですね。

それから不払いの問題は確かに皆様にご心配、ご迷惑をおかけしているということにおいて、大変重い問題ですが、これこそ私が申し上げましたような、無駄な保障を交わしたと。保険のために無駄金を使わせたということに対する問題でありまして、これはこれで今業法規制において、それは説明責任でありますとか、契約の確認の義務とか、そういったところがありますので、そこによってそういう行為規制をよりレベルアップするとかいうことになるのではないかなと思うのですね、というようなところです。

○原委員

恐縮です。大変申しわけありません。和仁委員がおっしゃられた、実際にどういうルールがかけられるかによって、どれを対象にするのかというのも決まってくるというのは、そのとおりなのですが、多分事務方としても苦労なさっていて、どちらの論点を先にやるのかということで、順番を決めていらっしゃるようなところがあるのかなと思いますので、行きつ戻りつになるのだろうと思っています。

今、なされているのは、シルクハットの図で、保険と金融、銀行のところに販売勧誘ルール等という形でかかっていて、この販売勧誘ルールは金融商品販売法がありますが、この等が何を指しているのか、どこまでの範囲なのかということを質問をしたときもあったと思うのですが、回答を得ないままに来ているという状況ですね。参入、それから販売勧誘、それから契約締結後のルール、そして苦情とか紛争とかの解決の場合にある、実効性の確保。このあたりは私は共通的なルールとしてあるのではないかということが1つです。

それから、銀行と保険についてそれぞれなのですが、銀行については、確かに町田委員がおっしゃられたように、100年変わっていないとおっしゃったのですが、100年を変えるこの10年の変化がものすごいと考えておりまして、金融オンブズネットでは、広告調査というのを毎年天体観測のようにやっていますが、5年前と今を比べても激変をしていて、今年だと外貨預金、外債、投資信託、住宅ローン、個別の消費者ローン、それから預金とそれから投資信託を組み合わせた商品と、こういったように扱っていらっしゃる商品が非常に多様化している。

それから実際に、窓口業務もいろいろな商品を扱っていらっしゃるということと、それから銀行代理店の制度も国会で成立しているという状況から考えると、扱っている金融商品の多様さと、それから金融サービスの多様さから考えると、当然、サービス市場化の方は入ってこられるべきだと思っております。

それから保険については、先ほど申し上げましたので、再度は申し上げませんが、私としては、リスクとリターンの説明だけでも、なかなか自分としても十分言えたかどうかというところもありますので、やはり金融商品ということで、家計からお金を受けているというところで、見て頂きたいと思っております。

解約返戻金の話が出ましたので補足をしますと、ドイツの消費者団体が訴訟しまして、今年、この夏ですね。異常に解約返戻金が低いということで、訴訟して消費者側が勝ちまして、支払った保険料の半分ぐらいは戻るというようなケースも出てあるというような形にしておりますので、これはまた保険の方で別途……

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは、町田委員、それから鈴木委員、淵田委員の順番でお願いします。

○町田委員

今の原委員のお話について一言だけちょっと申し上げるのですけれども、原委員のおっしゃることよく分かります。

ただ、この中間整理の中でも私ちょっと気になったのですが、銀行は今、業務の規制の緩和の中で、従来、預金と貸し出ししかやれなかったものが、投資信託も販売できる、国債も売れる、それから保険も売れる、このように、順次規制が緩和されていまして、今の銀行はいろいろなことを窓口の中でやっているということは事実です。したがって、銀行がデパート化をしているとか、銀行がいろいろなことをやっているということでありますが、この間、預金という商品がどれほど変化してきたのかというと、これは違う話です。原委員がこの10年で激変と言いますけれども、それは恐らく銀行業務がデパート化しているということでありまして、預金について言いますと、先ほど私が述べたとおり、これ以上のものは存在していません。多くの利用者の方々が、例えば普通預金とか定期預金について、何か新たな規制を入れて欲しいかどうか、新たな方策が欲しいと考えているかどうか。もし、そういうことがあれば、それは本当に考えないといけないし、私どもも反省しなければいけないと思います。

ただ、繰り返しますが、銀行がデパート化しているということと、預金商品が非常に複雑多様化していることとは、少し違うのではないのかということなのです。

○神田部会長

それでは、鈴木委員。

○鈴木委員

損害保険につきまして一言申し上げたいと思います。

先ほど、和仁先生からお話ありましたように、業界として行為規制との関係が心配だというところが実は正直なところなのですが、損害保険の場合はそれ以前にご案内のとおり、掛け捨て保険が圧倒的に多い。その対象を自動車保険、火災保険、おなじみのものでございますが、そういったものが占めている中で、先ほど、消費者からどう見えるかというようなお話もございましたけれども、自動車保険、火災保険が投資商品と言われてもかえって消費者の方はピンとこないのではないかという、極めて単純な言い方で恐縮ですが、そういうことではないかと思いまして、さらに申し上げれば、そういったものの保険金額というのは、これは補償額でありまして、市場動向に左右されるものではありませんし、中間整理にあります投資の定義。より高いリターンを求めるというような、そういうことからは当然該当しないということからしますと、なかんずく、その損保というのは投資商品対象とは言えないのではないかと考えております。

もとより、消費者保護ということについては、重要なことであるということは認識しておりますが、その商品の特性というのは十二分に留意する必要があると考えます。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

淵田委員、どうぞ。

○淵田委員

資料にありました各種の消費者団体等の相談事例等を見ますと、件数的に見て、保険が断トツに多くて、次が預金で、外為証拠金などよりも件数がはるかに多いですね。これは社会的にた広く利用されているということの裏返しかもしれませんが、それほど汎用性が高く、社会的認知度も高いはずの商品もので、これほど疑問なり不満なりというのが殺到しているということは、これはこれで重く受けとめる必要があるかなと思います。

預金だから、保険だからという、そういう名前がついた途端、最初からこの投資サービス法の議論に関わりないという議論をされるのであれば、そもそもその先の行為規制をどうするなどという出口の議論をしようにもできないわけでありまして、それでは建設的な議論にならないと思うのですね。

保険に関しては、少なくとも各種の資料見ますと、変額年金につきましては随分といろいろな問題が出ているようでありますし、アメリカでも変額年金というのは投資信託と極めて似ているということで、証券法の規制対象になっている。

それから預金についても、例えば最近出ている満期延長型の預金という、満期延長のオプションを銀行が持っているというものについては、解約した場合に手数料で元本割れる可能性もあるということです。それからアメリカの判例で預金は証券法の適用対象にならないという事例が資料に紹介されておりましたけれども、アメリカの場合は、同時に商品取引所法があるわけでありまして、ハイブリット型の預金につきましては、これは商品取引所法の適用対象になります。なりますが、重要なことは、ほかでもそうですが、真っ当なことを普通にやっている場合には、規制がさらに強化されるということではなくて、2000年商品先物近代化法には適用除外の要件がいろいろ書いてありまして、普通の預金と同じような形で販売されるものについては、ハイブリットでも適用除外になるという枠組みになっています。

ですから、最初から投資サービス法に入れないというのではなくて、入れた上で問題のないものについて、さらなる規制をかけるということをしない一方、問題のあるようなことが起きた場合に、何らかの形でそれに対処できるようにしておくことが大事だと思います。

シンジケートローンも同じでして、ここの理屈の中でシンジケートローンについては相対だというようなことが書いてありますが、実際には社債と区別が困難な販売のされ方がされ得るわけですね、今、されているということではなくて、され得るわけですし、参加者の対象が金融機関といいますが、これは今はそうですけれども、米国を見ると機関投資家が活発に参加するマーケットになるわけです。

シンジケートローンの発展を阻害するといいますが、そうではなくて、やはり当初から利用者の保護に耐える仕組みにしていくことこそが私は真の発展につながると思うのですね。特に、アメリカの場合シンジケートローンが何で発展したかといったら、やはり金融機関以外の投資家がどんどん入ってきたということが発展の背景にあるわけでありまして、やはりそういう利用のされ方を最初から想定した設計にしておくべきだと思っています。

もちろん通常のローンと同じような形で、利用されているものを追加的に規制するという話ではなくて、そういうのは幅広く適用除外にすればいいわけであります。

ただ、万一、社債の規制を受けたくないという理由でローンの名のもとに事実上社債と同じように大口で流通性のある商品で資金調達をするという人々が出てきたとき、そういう極端な場合に、何も適用する法律がないというのは困ります。これはローンだから関係ないということになったら困りますから、やはりそういうときのために法的な手当てを今から考えておく必要があるのではないかと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

池尾委員、それから市川さんの順番でお願いいたします。

○池尾委員

投資サービスとして認められない方が何かいいという感じがあって、もし投資サービス法がそういう法律だとしたら、それは私の個人的な判断からすると、投資サービス法自体が意味のない法律だと思うのですね。

やはり投資サービスとして認められることが名誉であるという法律内容にならないとおかしい。どういうことかというと、要するに投資サービスとして認められているというのはきっちりしているという社会的評価になって、投資サービスにさえ認められていないなんていうのは、きっちりしていないのだという形に、法律内容がなるべきだと思うのですね。

だからいたずらに、要するに業者に負荷をかけるだけの法律ということであれば、それはそんなものを認められない方がいいだろうという話になると思うのですが、これはまた議論を蒸し返すような形になるかもしれませんが、目的論になりますけれども、やはり投資サービス法というのは本来、日本における投資サービス業を発展させて市場機能を向上、確保させるための法律、そういう意味の制度インフラとしてやろうということではなかったかと私は思っておりまして、当然そういうサービス業が発展するためには、顧客第一というのが長期的には絶対発展の基本的な条件になりますから、投資家保護というのは必至の要件というか、目的になるわけですけれども、業の発展ということを抜きに、単にとにかく投資家を保護するという話の法律として考えていたわけではなかったと私個人は理解しているのですが、どうも何かそういう日本における金融サービス業といいますか、投資サービス業の健全な長期的発展を図るための制度インフラとして、この法律を考えてやっているのだという議論、基本認識がどうもどこかに飛んでしまっているような気がして、非常にちょっと聞いていて少し残念だなという気がいたしまして、今、申し上げたような基本認識、私が勝手に思い込んだだけかもしれませんが、それがもしあるとすると、冒頭で申し上げましたことの繰り返しですが、投資サービスとして認めてもらえないというのは恥ずかしいことだということになるのではないかと私は思うのです。

○神田部会長

どうもありがとうございます。

それでは、市川さん。

○市川経産省産業資金課長

簡単に申し上げますが、経済産業省でもまた、実務に携わっていらっしゃる方からご意見伺っていますので、ご紹介をさせて頂きます。

まずは今の総論的な話ですけれども、これは恐らく規制の内容が明らかでない部分があるためだと思いますが、規制される対象について、法律上で明確に定義してほしい、あるいは明確でないと、そもそもその経済活動が抑制されると、そういう意見を伺っているところでございます。不必要な規制はやめて頂きたいというのはもちろんなのですが、その規制の内容と、規制の対象、このあたりの関係を確認して頂きたいということでございます。

それから具体的な対象について、先ほどからご議論になっておりますけれども、例えばシンジケートローンでございますが、これもあるいは規制の内容がはっきりしないことによるのかもしれませんけれども、やはり企業に対するこういった貸出債権について新たに追加的な規制をとらえる必要性はないのではないかという意見をよくお伺いするところでございます。

それから、今日ご議論あまり出ていないかもしれませんけれども、例えばLLPのような、組合員全員がその組合の業務執行にあたることが制度上に担保されているようなものと、こういうものは投資家保護を図る必要はないのではないかということ、あるいは組合員それぞれの専門性を生かして、互いに協力して事業を行うような、例えば映画の制作委員会、こういったようなものも規制が不用ではないかと言われてございます。このあたりは、後の別の日の議論かもしれませんが。

それから最後にもう一点ですけれども、信託の関係でございますが、信託受益権全般がその投資商品になるかという整理がされてございますけれども、既に信託関連の法令によりまして、受益者保護が図られているということ。あるいはその先ほどの事務局のご説明にもあったかもしれませんが、その信託の要件によりまして、その投資性の強弱にも差がありますので、一律に投資サービス法の対象とすべきではないのではないかというような意見も伺っているところでございます。ご参考にして頂ければと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

後半の議論に移ろうかと思いますが……。どうぞ、羽田委員、それから花岡委員。

○羽田委員

先ほどから業界と、それ以外の方といろいろ議論が伯仲しておりますけれども、外資系の損保という立場から見た考えを申し上げたいと思います。

今日配布されました資料1に中間整理のまとめが出ておりますけれども、投資サービス法の対象となる商品、これがマル1マル2マル3、という基準として出ておりますけれども、この基準はこれでよろしいのではないかと思っています。この基準をベースにした、今日の資料の1-6ページの最後、保険についてですけれども、事務局の方で7ページの上の方に整理された考え方、3つ黒ポチがありますけれども、この考え方、これはこの考え方で一番妥当というか、ふさわしいのではないかという気がします。

保険全般について、金融商品というくくり、そういう考え方は分からないわけではないのですけれども、現実的に消費者なり保険契約者の言い分を考えますと、この事務局のまとめ、これがやはり一番適切ではないかと考えます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

花岡委員、どうぞ。

○花岡委員

池尾先生のおっしゃっているところ、賛同しております。保険だから外してほしいということ申し上げていると誤解があろうかと思いますが、そういうことでは申し上げておりません。市場リスクということで着目して頂ければということでございまして、現実にこれから市場リスクのある商品を生保会社が開発して、それが認可されれば当然に投資サービス法の対象になるのだと思ってございますし、今ある変額年金だけでも、例えば住友生命におきましては、新契約の保険料の年間の保険料の約3割ぐらいいっているのですね。これからの退職金マーケットの伸びで考えたら、これは主力商品になるという可能性もあるわけでございまして、だから保険を外してほしいということを私は申し上げているのではないということはよくご理解頂きたいのです。

だから、我々変額保険におけるトラブル事例、たくさんここにもありますけれども、大変重く受けとめておりますし、そこにおいて本来投資サービス法を適用していただいて、安心して変額年金に入って頂けると、こういう状況になることは1つの選択肢としてあり得るのではないかということは念頭においてございます。

○神田部会長

ありがとうございます。

それでは、田中委員、どうぞ。

○田中委員

先ほど和仁委員の方から、出口が見えないからなかなか議論しづらいという発言がございましたが、適用された場合の、規制の考え方として、私の方で想定しておりますのは、消費者の方から見て、どういう状況が安心できるのかと考えた場合、いろいろな業者の方がいろいろなものを勧めてくると。そのとき、業者の利益のために持ってきているのではなくて、消費者にとって本当にいい商品なのかどうか、安心できる状況を設定することが一番重要ではないかと思います。

そういう面で、具体的に言えば、この適合性の原則というものがどこまで導入できるかというのが最大の検討ではないかなと私は考えております。

そういう観点で見た場合、今回配布されている資料の1-5のところで、各業法における適合性の原則というのが載っているのですが、例えばこの6ページで、証取法に関して、適合性の検討、第43条の第1号のところで、後半部分を読みますと、「顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資家の保護に欠けることとなっており、または欠けることとなるおそれがあること。」とあります。つまり、証取法ではこういった知識、経験及び財産の状況に照らしてという基準をいっております。

それに対して、例えば次のページの7ページで、下の方の商品投資販売業者の業務に関する命令、こちらの方の第7条の3のところを見ますと、「顧客が被る損失の範囲について十分な知識を有しない顧客に対し・・・」というような形で、こちらの方では知識があるかないかという形で規制が行われています。

つまりこのいろいろな各業法でそれぞれ適正な対応がなされているということになっているのですが、私どもが考える最も重要なポイントの適合性の原則というところでも、各業法によってみると、レベルが違うというのが現状だと思います。こういうような状況では消費者の立場から見て、非常に安心していろいろなものを、相談できる状況ではないというのが今の状況です。

したがって、先ほど申し上げたようにこれは包括的に同じレベルの行為規制がかけられるというのが必要なことではないのかなと思います。

先ほど1つの例として挙げました、デリバティブ預金に関しては、先ほどもちょっと申し上げたように、適合性の原則そのものが適用されていないという状況なのですね。同じレベルで、この適合性の原則が働くべきではないかなと考えます。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。そろそろ後半にとは思いますけれども、どうぞ。

○東委員

1ページ目の投資商品の経費の3番目についてなのですが、大変事務局もご苦労されていると思うのですが、より高いというのは何より高いのかというところですね。大変幅が広い気がします。ですから、基本的な考え方としては、「より高い」はとるべきなのだろうと思います。つまり基本的にはリスク・リターンの関係のあるものは投資商品として対象にするということです。その上で、現実を踏まえて除外するものを考えていくというのが基本的な考え方の定義としてはふさわしいのではないかと思います。

つまり、「より」と言った場合に、現状あるものは全部認めて、それより高いリスク・リターンのものだけ投資サービスになるというニュアンスに受けとられかねないという意味で、ここはより高いというのをとって、幅広くまず考えるというのが、この投資サービス法の基本的な精神ではないかと考えています。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、そろそろ後半の方のご議論の方頂きたいと思います。前半の部分についてさらにご意見ございましたら、繰り返しになりますけれども、また事務局あるいは私までお出し頂ければと思います。

前半部分はご意見が分かれている点もあると思うのですが、共通している点もあることは間違いないので、どこまで共通しているかということを、本当は確認できるといいのですけれども、ちょっと時間の関係もありますので、引き続きのご審議ということになろうかと思います。

ただ2点だけ、従来の第一部会の流れからいって確認させて頂きたいと思うのですが、1点は池尾委員のおっしゃった、なぜ投資サービスをつくるのかという点については、多分第一部会においては合意があると思います。それは、顧客を保護する横断的な法制をつくることによって、投資サービスを発展させ、貯蓄から投資への流れを後押しするような基本法をつくるのだと。したがって、私も従来申し上げていたことですけれども、投資サービス法に規制されるから入りたくないと、嫌われる法律だったらつくらない方がいいわけですから、先ほどもちょっと池尾先生がスマートな表現でおっしゃいましたけれども、投資サービス法というのはメリットがあるのであって、ただ規制する法律ではないという点を、きちんとメッセージを出す必要があるように思います。

それはともかく、目的については、池尾委員のおっしゃっていることは、ほぼ基本的なところにおいては、第一部会について従来から合意があると思います。

それからもう一点は、和仁委員を発端として、どういうルールになるのかが分からないと入り口が議論できないという指摘です。全くそのとおりでして、実はこの点は池尾委員が前に随分強調されたことでして、なかなか両方同時並行的議論しにくいのですけれども、これは田中委員に具体的な例を挙げて頂きましたけれども、差し当たりイメージとしては、例えば金融商品販売法というのがありますけれども、それ自体もちろん改善を要するという声もありますし、原委員からは販売勧誘等の「等」は何かという、そういう課題はありますが、差し当たりのイメージとして言えば、たとえ金融商品販売法というものを業者ルール化したら、どういうイメージかというふうに考えると分かりやすいと思いますね。

すなわち、金融商品販売法は現在違反があっても、私法のルールですから、監督官庁が出ていって行政処分することはあり得ません。あれを業者ルール化したらどうなるかというと、田中委員のおっしゃった証取法については、そういうことなのですけれども、これは監督官庁が出ていって、違反があった場合には、そこで行政処分をしますと。こういうインフラはどうかという話です。ですから、実質で言いますと、そこでは市場リスクだけではありません。この紙にも書いてありますけれども、投資リスクについて、あるいは金融商品を購入する側から見て、金融商品についてのリスクについて定めているわけでして、金融商品販売法を業者ルール化したような法律として、投資サービス法というイメージでいいのか、それがいわゆるシルクハットスタイルとか呼んできたものです。それとも、やっぱり商品の特性からして、業者ルールの場合には、もうちょっと違うものがあるのか。そういうところをもう少し今度詰めていくようにする必要があるのではないかと、これは感想として申し上げます。

何か間違ったことを言っているかもしれませんけれども、時間の関係で、次に後半部分、30分ぐらいしかなくて申しわけありませんけれども、他に業法等がある投資商品の取り扱いにつきまして、具体的には預金、貯金、保険、共済、無尽、信託も入りますけれども、そのほかにも商品ファンド、不動産特定共同事業、商品先物取引、海外先物等ございますので、どなたからでも、あるいはご質問、ご意見、ご自由にお出し頂ければと思います。

それでは、まず国土交通省から、どうぞお願いします。

○石塚国交省不動産市場整備室長

国土交通省でございます。

資料1の11ページになりますが、不動産特定共同事業についての論点をご紹介いただいております。この不動産特定共同事業法につきまして、政府の所管する立場から、その法律の特徴につきまして、やや分かりにくいかと存じますので、ちょっと補足させて頂きたいと思います。

不動産特定共同事業法でございますが、事業参加者からの財産の出資などに基づきまして、不動産を預かりましてそれを経営する。その収益を参加者に分配するという契約を事業参加者との間で結ぶということで、不動産をいわば共同経営するという形態の業務の実施を許可制度のもとにおいています。当然ながら無許可での営業はできないという建前になっているわけでございます。また、その許可の要件といたしまして、宅地建物取引法の免許の取得でありますとか、あるいは原則1億円以上の資本金の確保でありますとか、あるいは業務の監督下に行うその業務管理者という社を事務所ごとに設置するといったこと等、不動産に着目した人的構成、あるいは業務遂行能力、財産的基礎となることを求めております。

同時に、事業者が参加者との間で、契約を結ぶ際に用いる役割につきましても、契約上のトラブルを未然に防止するという観点から、その約款が一定の基準に適合しているかどうか、行政庁が業許可の際に合わせて審査をいたしまして、許可をする仕組みとなっておりまして、許可された約款により契約を締結することが義務づけられております。

一方、不動産につきましては、隠れたリスクが存在する可能性がございまして、取引対象としてふさわしいかどうかが一見して分かりにくいという物件自体の特性もございますし、また万一の管理の質の善し悪しがその不動産の価値を大きく左右するといった面で、管理面での特性もこざいます。こういったことを受けまして、契約締結前の行為規制として、事業者が都市計画法、あるいは建築基準法に基づく対象不動産に対する土地利用規制の具体的な内容などを初めとしまして、一定の重要事項を事業参加者に直接対面で説明すると同時に、その事業者が物件の管理運営団体まで一貫して責任を持って運用にあたるように求めております。

さらに、その契約締結後につきましては、事業参加者が物件の管理運営状況を継続的にモニタリングできるように、随時事業参加者に対して説明を行うことでありますとか、あるいは定期的に財産管理報告書を発行することを義務づけております。さらに、新規の開発あるいはその建築を伴う不動産物件の場合につきましては、開発建築前の段階では物件がどういうものになるか確定いたしませんので、開発建築に必要な許可、あるいは確認等の処分があるまでの間は契約の締結やご報告につきましては禁止をするといった形で、開発前のリスクを回避しております。

こういった形でこの特定共同事業法におきましては、不動産取引に参加します参加者の保護を図る観点から、不動産の賃貸経緯に至るまでの一連のプロセスを業務としてとらえまして、不動産の特性に着目した固有の業法規制、あるいは行為規制を一貫して措置しているものと理解しております。

ご参考にして頂ければと思います。

○神田部会長

どうも、ご丁寧なご説明頂きまして、ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

それでは、どうぞ。

○檀野委員

今の国土交通省さんから不動産特定共同事業について説明がありましたけれども、当該事業をやっておる立場からちょっとご説明をさせて頂きたいと思います。不動産特定共同事業の生い立ちでございますけれども、皆様ご承知のようにバブル当時には、不動産の小口化商品というものが供給されてございました。バブル崩壊等によって、その小口化商品を出している業者等が破綻し、投資家に被害をもたらしたというところから、こういった不動産小口化商品といったものに対して、規制を加えようということで、不動産特定共同事業法が成立したといういきさつがございます。

したがいまして、投資家保護の観点から、また不動産に対する共同事業という観点から、相当細かい規制が定められております。現在、その規制に基づいて投資家保護が図られているというのが実態でございます。

先ほどのお話にもございましたように、参入規制としては許可制ということで、事業者の資本金額等、財政的な確認といった規制もございますし、宅地建物取引業務で不動産の取引を行うと同等の不動産に関する様々なリスク等についての説明義務もございます。

それに加えて、元本割れが生じる可能性があるといった市場リスクについても十分説明するように義務づけられておるというのが実態でございまして、現在、様々な商品が供給されておるわけでございますけれども、現時点では、お客様との間でトラブルが発生しているということについて認識はしておりません。

こういった形で、投資家に非常に支持されて、しかもその投資家保護の仕組みや、また不動産特有の様々なリスクについても、それなりのきちんとした配慮がされておるということでございますので、不動産特定共同事業法については、やはり独立した法体系として残すべきで、投資サービス法の対象とするということについては、ちょっと慎重に考えていただいた方がいいのではないかなと考えております。

以上でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、上柳委員どうぞ、それから加藤委員の順番でお願いします。

○上柳委員

今、不動産特定共同事業が例になっていたと思いますので、お聞きしたいのですけれども、私もこの法律ができる前になるのですが、先ほど紹介ありましたように、商品で被害を受けた方の裁判になっていますので、名前挙げていいと思うのですけれども、マルコーの事件をやったのですが、たくさん同じような当社だけではなくて、被害が出たような認識をしております。

ただし、十分ないわゆる被害者救済がはかられたかというと、ごくわずかの事例しか解決はしていないのではないかというのがあって、マルコー社について一定の解決が図られた1つの理由は、たまたま日本とアメリカの両方に公判手続が進みましたので、被害者のグループの方としては、アメリカの手続で資料をいただいて、それから業者の中で、あるいは不動産の投資の実態を解明していって、それをまた日本の裁判所に使うというようなことができたそうなのです。

ですから何が言いたいかと言いますと、ルールが仮に、その後できたとしても、それを実際に実行していくエンフォースメントの観点から見れば、いろいろ工夫が必要ですし、それから何よりも資源が必要だと思います。これは、私、全部賛成しているわけではないのですが、なるべく政府が効率化するという観点から言えば、大変な力がかかる、あるいは人材も必要なそのエンフォースメントに対してなるべく効率化して、そのためには、各省庁で議論あるいは努力されていることは、もちろん認めるわけですけれども、それに統一化して、1つの法律のもとに集中投資して、その辺エンフォースメントを図っていくというのが大事かと思います。もちろん投資家から、あるいは消費者から見れば、その予算の小口化商法あるいは定住用の家を買うのか、あるいはタリュウキンをする物件を買うのかとか、そういうのも含め、財産の一環ですので同じように見える。

そちらの側面から、もちろん私は検討すべきだと思いますね。どうしても、やはり側面も大事だと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは、加藤委員。

○加藤委員

大変貴重なお時間を頂きまして、ただいま、論点2にも出ております商品ファンドについては明記されておりますので、一つ、私の方から商品ファンドの実態と現状について、簡単にご説明させて頂きたいと存じます。

商品ファンドの特徴といたしまして、設定形態なのですが、商品ファンドは主として商品投資により運用するファンドでございまして、商品投資に係る事業の規制に関する法律、これは通称商品ファンド法と言わせていただいておりますが、これによって規制されております。

現在の商品ファンドの設定形態といたしましては、大きく分けて組合型と信託型がございます。組合型につきましては、投資家の皆様から集めた資金を海外に設立いたしましたSPCにおいて管理しておりまして、商品投資販売業者は投資家の皆様と海外SPCの組合契約の代理媒介を行っておるわけでございます。信託型につきましては、組合型と同様に、投資家の皆様から集めた資金を信託銀行において管理しており、商品投資販売業者は主に商品投資受益権の販売を行っておる次第です。

この販売勧誘についてでございますが、商品ファンドの販売勧誘につきましては、投資家に対する広告・勧誘に関する規制、契約前交付書面と、契約時開示書面の2度の書面を義務づけておりまして、特に個人投資家に対してはクーリングオフ制度、これは10日間でございます、これがございます。これを遵守することによりまして、投資家に十分説明をし、リスク等をご納得の上でご購入いただいている次第でございます。

なお、商品ファンドの販売勧誘に関しましては、金融商品販売法の対象にもなっておりまして、各社勧誘方針を策定し、投資家に対する事前説明もなされていると考えております。また、投資家に対するファンド運用の結果報告につきましても、定期的な報告義務をつけております。これらの義務を確実に履行することによって、商品ファンドの販売に関して、当協会への投資家から寄せられる苦情、相談はほとんどございません。

また、運用に関してでございますが、商品ファンドの運用につきましては、商品ファンド法の許可を受け、商品取引に関する専門的な運用能力を持った商品投資顧問業者が行ってございます。

この商品ファンドの持ち分の性格といたしましては、株式や債権のような有価証券のように流通するものではなく、一般の組合契約と同様に譲渡性がないものということでございます。

以上のこと、簡単ではございますが、皆さんのご議論の足しにして頂ければと思います。

ありがとうございました。

○神田部会長

ご説明頂きまして、どうもありがとうございました。

それでは、原委員。

○原委員

今日、レジュメを提出しておりますので、少しそれに沿って意見を申し上げたいと思いますが、今、不動産特定共同事業のお話と、それから証券ファンドについて出ておりますが、私も意見書の真ん中あたりに、ちょっと省きがたいのですが、いんちき投資商品・業者リストというのが出ておりますが、これは東京都の消費生活総合センターの相談業務に携わっていらっしゃる方々が、こういう報告書をまとめていらっしゃるのですが、そこから抜き刷りをしたものです。

これを見る限り、その中に、既に不動産ファンドと呼ばれるものが4件入っておりまして、商品ファンドという言葉がないようですが、多分、商品ファンドは含まれているのではないかと。それから、不動産ファンドは不動産として共同事業に基づいたものもあり、商品もありますけれども、もどきの商品も出ておりまして、消費者側としては非常に混乱をしているという状況です。それから両者とも、一般誌に広告をしていらっしゃるので、一般の消費者がこういうのをする、特に団塊の世代がリタイヤをしていく今からが、かなりオーバーヒートしていく分野ではないかと思っておりますので、ぜひここの枠組みの中に入って頂きたいと。

特に、その不動産については非常にしっかりおやりになっていらっしゃるということでしたので、それであればこの新しいこの法律の範囲に入っていらっしゃるのには、何も差し障りはないのではないかなと考えております。

それから私のリスト、意見書の最後のページになりますけれども、これは最後2枚というのは、やはり東京都の消費生活総合センターに寄せられた「利殖商法」に関しての苦情とか相談の分類なのですが、今までの数字を見ると、圧倒的に為替相場とか、それから石油相場とか、そういう相場関連が並んでいます。

もともと私の意見書の最初に戻って頂きたいのですが、商品先物ですね。このトラブルが大変増えております。今年の5月に、商品取引所法が改正をされたので、これを見て頂きたいというのが、夏前のご意見ではあったのですけれども、やはり相談としては大変枠組みとしては多いものだということと、海外先物、それから海外先物オプションにまで、被害を広げてきているということをぜひお考え頂きたいと思います。

それから、2つ目に挙げております新聞などで広告をして認知度を上げて、消費者に販売をするということで、私のレジュメで4枚目に、外国為替証拠金という、これが2001年の段階で一般新聞広告に出ていたということですね。

それからその次のページは、今、平成電電と匿名組合の話が大変問題になっておりますが、去年、新聞広告が出されて、今年9月まで、第21期の募集があったということになりますけれども、新聞広告を何回も打たれたので、非常にここに商品があるのだというか、そういうなじみがあるような印象を残されていて、かなりの方が出資をなさって被害に遭われたとなっています。

こういう後追いになるケースが大変多くて、こういう後追いが起こらない仕組みで利用して頂きたいと思っています。

あと、私のレジュメの2ページ目のところなのですが、ここのところに挙げましたように、一般投資の消費者の触れる形の広告掲載されているものは前に使って間を借りて頂きたい。銀行の話で、個別単体の商品があるような印象を持たれたかもしれませんが、広告で見る限り、投資信託と、それから預金の金利を連動させた組み合わせ商品というものもありまして、投資信託を30にするか50にするか70にするかによって、預金の金利を上げるという形の組み合わせ商品なんかも出て、広告には登場しておりますので、ぜひそういうものも留意頂きたい。

それから4番目は、消費生活センターに寄せられるようなものがもれなく入る形で、どうしても入ってこないものについては、行政が調査権限を持つなり、何らかの処分というのでしょうか、出せるような形にするようにして頂きたいと申し添えます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、宮本課長、それから今尾委員の発言の順番でよろしいですか。

○宮本経産省商務課長

オブザーバーとして一言申し上げます。

商品先物については、事実関係のみ申し述べさせて頂きます。本年5月に施行をいたしました改正商品取引所法は、まさに幾つかの資料にございますような、不当な行為、これを何とか減少させたいという趣旨で行ったものでございます。トラブルの1つの原因になっております、勧誘を繰り返すという再勧誘、これを禁止するなどの勧誘規制を強化いたしましたし、これもご議論になっております適合性原則、説明義務などについても法整備をいたしました。さらにほかには例がないと思いますが、政府のガイドラインにおきまして、例えば年金で生計を立てていらっしゃる方などへの原則勧誘禁止や、未経験者へのご措置などを定めまして、適合性などの具体化を図っていくというところでございます。

原委員の資料を初め、幾つかの資料にございますとおり、過去、平成15年、16年などは年間7,000件を超える苦情といいますか、相談といいますか、これが国民生活センターの方に寄せられていることは確かでございます。ただ本年、改正法が施行された5月から、まさに直前の10月まで、ちょうど半年間でございますが、この間の苦情につきましては、決して褒められるわけではないと思いますが、1,600件ちょっとということで、改正法を機に、かなり減少傾向にあることは見てとれると思っています。

もちろんこれらについては集計作業の関係で今後、当然変わっていくと思いますし、ただ、一方でこの苦情件数が必ずしも施行後の取引がすべてというわけではなく、施行前のものもあるという点も考慮が必要かと思っております。

もちろん商品取引所法の改正の効果というのは、苦情件数のみで本来図るべきものではないと思っていますし、減少しているとはいえ、まだ多いことは確かでございますので、この点はもちろん真摯に受けとめたいと思います。その上で、違法な行為に対しては、さらに商品取引所法の厳正な執行に努力したいと思っているところであります。

それから次回、あるいは次々回の議論になるかもしれませんが、商品ファンドについても、加藤委員からご発言、その他ございましたので、一言だけ申し述べさせて頂きます。商品ファンドにつきましては、先ほど申し上げた商品先物、これは実際の商品の売買などに重点をおいた体系や実務になっているわけですが、これに比べれば、当然金融商品としての類似性は高いとは思っています。

ただ一方で、先ほど加藤委員からご発言がございましたけれども、現在の法律そのもので適正な業務は行われているわけでございます。したがいまして、この法律が絶対だというつもりはないのですが、どんな規制になるかは別といたしましても、現在こういう形で行われた業務の実態、すなわち例えば譲渡性がないという商品の実態、こうしたものには十分な配慮はいずれにしても必要だと思われます。また、言葉が適切でないかもしれませんが、例えば証券取引法を単純に拡大適用するような、結果として過剰な規制になるということによりまして、適正に行われていた業務が突然不可能になるような事態がないよう配慮が必要ではないかと思っているところでおります。

また、商品ファンドにつきましては、先ほどの加藤委員の発言にもありましたが、商品投資顧問業者という専門家の運用を経て、結果的に商品市場に資金供給が図られるというものでありまして、そういう意味で言いますと、商品市場の流動性を確保するための、いわば新しい担い手、プロの手を経た上で入ってくる資金供給、新しいルートをと期待されているわけでございまして、この意味でも、例えばいかなる規制になるかは別といたしましても、商品ファンドの活性化、ひいてはその商品市場、市場そのものの活性化に資するという観点が忘れられてはいけないと思っているところでございます。これについてはまた別の場での議論かもしれませんが、こうした点についてご配慮頂ける必要があるかなと思っております。

以上でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは次に、今尾委員。

○今尾委員

資料1の9ページの論点3に、「他の業法で規制される制度共済」とあり、それから12ページには「保険類似商品を取り扱いながら保険業法の適用を受けない事業者の規制が重要」とありますので、2点ほど申し上げたいと思います。

まず第1点は、第34回会合でも申し上げましたけれども、協同組合の行う共済事業では、メンバーが事業利用のために出資をし、事業運営に直接、もしくは間接に構成員が参画できると、こういうことが組織の原則としてあります。そうなりますと、構成員は出資に応じた何らかの責任があるということだろうと思っています。したがって、そういう協同組合組織およびその構成員に、一般の会社とその利用者と同じような整理がなじむのか、基本的に、疑問を持っております。

また、これは協同組合の共済一般ではなくて、私のところの農協の共済について言いますと、昨年の農協法改正を通じまして、農水省、金融庁、それぞれの指導のもとに、保険業法との整合性を可能な限り実現していくということで、制度を整備いたしました。

保険業界と同じ対応ができるところは、協同組合の特徴を維持しながらも同じルールでやっていくということできており、今後ともこのスタンスは基本的に変わらないだろうと思っています。

したがって、先ほど村井室長からもありましたように、現在は農協の共済は変額共済や外貨建ての共済をやっておりませんが、将来万が一という前提ではありますが、そういう商品を扱うことになったときには、一般の保険会社に適用される部分について、協同組合の組織運営や農協法との整合性を踏まえながら、可能な限り同じような整理をしていくということでいかざるを得ないかと思っています。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、お隣の今松委員、どうぞ。

○今松委員

簡単にお話ししますけれども、基本的な考え方として、やはり中間整理という3つの視点という、そのことをやはり踏まえてというか、いく必要があると。私これは全面的にこれには同意というか、賛成いたします。したがって、それぞれ業法がある。それは業法がそれぞれのものについて早急のもの、あるいはどうしてもほかとの差違があるものについては、これは業法当然これからも時期必要があるだろうと思います。

同時に、金融、投資商品、あるいはさらに進んで金融サービス市場法とも展望した場合には、金融商品全体をどのように包括していくかということ、これが重要でありまして、これは先ほど池尾委員の方から指摘があったところですけれども、この他業法のところでも基本的にはこれは同じようなルールというものを明確にした上で、その中でどのような投資の全体として活性化していくのだという仕組みをつくっていくという、これが重要ではないかと思います。

例えば新しい商品が出てくる場合には、やはり一定の明確なルールというもの、これがあることでより投資家あるいは消費者が一定安心してそれにアクセスできるとか、そういうことになるわけでありまして、そこのところが、この中に業法だけでやっていく、あるいは場合によって全くのルールなしということになった場合には、これは極めておかしな形のルールの仕組みというか、投資の仕組みになってしまうと思いますので、やはり基本的に全体を包括したというところを見据えた形での議論というか、取りまとめの方向にいくのが重要であろうと思います。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。壇野委員、最初にどうぞ。

○檀野委員

先ほど、原委員の方からいんちき投資商品という形で不動産ファンドという例が話されましたが、前回もお話をさせて頂きましたけれども、不動産への共同投資の形態について、現状あるものについて、ちょっとお話をさせていただいて、ご理解を深めて頂ければなと思っております。

現在、不動産の共同投資ということでは、投信法に基づくREITと、それからSPC法に基づく優先出資証券と、それに加えて、今回仕組み規制のないファンドということで有限会社プラス匿名組合出資という信託受益権を対象とした共同投資、それと不動産特定共同事業の4つの類型が主だったものでございます。REITにしろ、優先出資証券にしろ、それから今回の不動産特定共同事業にしろ、これは業規制の方で投資家保護が図られているということと、REITと優先出資証券については、証取法上の規制もあるということでございます。

先ほどの有限会社プラス匿名組合出資という信託受益権を対象とした共同投資につきましては、みなし有価証券ということで、既に証取法の規制の中で位置づけられており、投資サービス法の中でも規制されようとしているということでございまして、いんちき投資商品というのは、どういったものなのか、ちょっと私も分からないところでございますけれども、不動産に対する投資商品につきましては、既に業規制があるものと、今回投資サービス法で規制対象に加わるものもございますので、不動産特定共同事業法は、既に長い間投資家保護が図られている法体系としてきちんと運営されておりますので、1つの独立した法体系として、存続させていくべきではなかろうかと思います。現在、投資サービス法で、議論されている規制については、相当程度、不動産特定共同事業法の中でも規制がされており、新たな規制は必要ではないとの意見を述べさせていただいたものです。いんちき投資商品という形での不動産ファンドと不動産特定共同事業というものを一緒にみるというのはちょっと言い過ぎではないかなと思います。

○神田部会長

原委員、手短に。

○原委員

誤解があるといけないので、正確にお伝えしたいと思います。タイトルがいんちき投資商品となっておりまして、私としては出典を明らかにしなければいけないということもあって、ご本人たちにどうしようかというお話をご相談したのですが、このままで出してほしいということだったので、タイトルのとおりに出させていただいております。

不動産の関連で4点挙げられておりましたけれども、1点だけちょっと詳しく紹介をされておりまして、この案件の場合は、最初不動産投資信託と事業者は主張していて、違うではないかというと、その次には不動産小口化商品だと言って、それも法的根拠がなくて違うのではないかと言うと、匿名組合をつくって出資を引き受けた私募債という主張をしたということなのですが、私募債の割には広く販売をしていたということで、それも違うということで、実際には若干の返金があったということで解決をしているということの集積で、不動産関連は今も4つの類型があるとおっしゃられたのですが、やっぱりその類型もよく消費者は理解できていないし、不動産投資もどきと呼ばれているようなものもあって、法律は整備されているとおっしゃったのですが、消費者側はかなり混乱している状況にあるということで、不足の説明をさせて頂きます。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは、木村委員、どうぞ。

○木村委員

中間整理に受けます3点の考え方につきましては、私どもも賛成をするのですけれども、12ページの制度共済、今尾委員の方からもご指摘ございましたけれども、私どものそういう立場で制度共済を行う協同組合というのは、組合の出資と、事業運営参加、そしてチェック、民主的な運営が行われておって、そのバランスが担保されているというふうに言われているわけであります。

だから対象外にせよということを言うわけでもありませんで、将来的にそういう本来法律がポテンヒットが出たときにどう消費者を保護するかということがまずスタートだと思います。そういう方向での議論を望みたい。

一点言いたいのは、意見に対する意見ということなのですが、その黒丸の一番上の英国の例を出してございますけれども、ほかのところにもこの記載があるのですけれども、英国では保障制度を扱う事業として、日本のような協同組合法による組織がほとんど無いので、同じような形でそのまま日本も適用すべしというその論理は私どもとしてはちょっと理解できないといったところだけ意見を述べさせて頂きます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。ちょっと予定の時間も7分強過ぎておりますけれども、もしどうしてもというご意見があればお出して頂ければと思いますけれど……。よろしゅうございますでしょうか。

後半の点については、なかなか意見の違いというか、そういう部分があるようですけれども、問題点の認識の点においてはそんなに違わない点もあるように思いますので、違わない点を確認して、違いの部分を審議会としてどのようにコンセンサスをつくっていくのかということで、引き続きご議論をお願いできればと思います。

ご意見等は、事務局までさらにお寄せ頂けましたら、大変ありがたく思います。

今日はこちらの不手際でちょっと延長してしまいまして申しわけありませんでした。貴重なご意見を多数頂きまして、どうもありがとうございました。

それでは本日の審議はこれまでとさせて頂き、この後、記者会見を行いまして、本日の模様について私からお話をさせて頂きます。

最後に事務局からの連絡をお願いいたします。

○三井市場課長

次回は、11月10日木曜日、午前10時から2時間程度を予定しております。よろしくお願いします。

○神田部会長

それでは、これで散会いたします。どうもありがとうございました。

午前12時08分閉会

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