金融審議会金融分科会第一部会(第13回)議事要旨

1. 日時:平成15年12月9日(火)13時00分~16時00分

2. 場所:中央合同庁舎4号館9階 金融庁特別会議室

3. 議題:

  • ○  論点メモ
    • 市場監視機能・体制強化
    • 投資教育のあり方
    • 投資サービスにおける投資者保護のあり方
  • ○  ワーキング・グループ報告
    • 取引所のあり方に関するワーキング・グループ
    • ディスクロージャー・ワーキング・グループ
  • ○  銀行等への証券仲介業の解禁

4. 議事内容:

  • 島崎委員によるインサイダー取引規制の明確化について説明。
  • 事務局による市場監視機能・体制強化、投資教育のあり方、投資サービスにおける投資者保護のあり方の論点メモの説明。
  • 岩原座長による金融トラブル連絡調整協議会の審議経過について説明。
   
  • 池尾座長・事務局より「取引所のあり方に関するワーキング・グループ」報告の説明。
  • 岩原座長・事務局より「ディスクロージャー・ワーキング・グループ」報告の説明。
   
 日興コーディアル証券 安倍秀雄常務取締役、水戸証券 小林一彦取締役、内藤証券 内藤誠二郎取締役及び事務局より「銀行等への証券仲介業の解禁」について説明。

(主な発言は以下のとおり)

  • 金融トラブル連絡調整協議会の活動の中から浮かび上がってきた問題の一つとして、投資教育に係る問題がある。実際、投資教育の不足からトラブルがこじれ、問題が起きている。ADR活動をより積極的に行い、その中からそういった反省点あるいは学ぶべき点を抽出することによって、いかなる消費者教育が必要かということを学び取っていって、消費者教育に活用していくことが大きな成果として期待されるところである。

  • 外国為替証拠金取引というのは、現在の各金融に関する法制の谷間に抜け落ちており、証券取引法なり金融先物取引法、その他どれをとっても入ってこない分野になっている。中には規制を受けている業者が扱っている部分も若干はあるが、全く何ら規制を受けていない業者が扱っている場合が非常に多いことが明らかになっている。そして、いわばそういう各業態の谷間に落ちたところで紛争が起き、それに対する紛争解決のチャネルが全くないという状態に陥っており、法制による投資者保護が図られていないといった問題が明らかになっている。

  • 投資事業有限責任組合についても、全くトラブルがないということではないと思う。スキームができれば、必ずそれを悪用する人は出てくるものなので、証取法についても前向きに適用を考えて、安心感を示すということは重要ではないか。

  • 既に紛争処理のいわゆるADRのようなものを持っている業界団体でも、それが法定化されていないために、自主規制が働かないという問題が起きている。日本証券業協会のあっせん制度のように法定化しているものは徐々に実効性が上がっているが、そうでないものに関してどうしていくかという問題がある。また、投資取引についてのトラブルは増加している一方、日本証券業協会のあっせん制度は、対象となるものが有価証券かつ日証協の会員であるという規定がついており、例えば昨年から銀行の窓販も始まったが変額年金などは証券会社が販売してもその対象外である。外国為替証拠金取引などはどこの業界ADRにも持っていけない状況になっている。このような問題もあるので、有価証券概念の拡大、自主規制のあり方などの論議はやはり審議会でやるべきだと思う。

  • 日本の場合には、インサイダー取引の判例等の事例が少ないので、予見可能性を向上させるために会社名まで出すかどうかは別にして、課徴金を課した事例や検討調査したけれども課徴金を課さなかった事例等を公開してはどうか。

  • 転売制限に関する要件の緩和であるが、券面に転売を禁止するということが書きにくいようなときには、券面に書かなくてもよくて、書面を交付すべきだということであるが、これはぜひ、さらにこの証券が転売していったときにも、最初の発行が少人数私募なりプロ私募だったということが後の投資家にも分かるようにしなければいけないのではないか。

  • 証券取引法第17条の民事責任規定の立証責任をどうするかが問題。米国では、たとえ直接交付しなかった資料であってもそれによって誤った市場価格が形成されて損害が生じた場合、市場に対する詐欺として理論付け賠償責任の対象となってくる。そういうことも含めて、市場監視機能体制強化の中の一部として今後検討していくべき内容ではないか。

  • 銀行等への証券仲介業の解禁について証券業界が反対ということで一致しているわけではない。個人投資家の証券市場への参入を促進するということで賛成するものもいる。市場誘導ビジネスについても、貸出業務と証券引受業務の利益相反の有効な防止措置が取られていないので問題であるという意見と、企業の資金調達手段を間接金融から直接金融へ移行させるという意味でメリットが大きいのではないかという賛成の意見と、両方の意見があった。

以上

問い合わせ先

金融庁 総務企画局 市場課
電話 03(3506)6000 (内線 3614)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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