金融審議会金融分科会第一部会(第34回)議事要旨

1.日時:平成17年10月5日(水)10時00分~12時00分

2.場所:中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3.議題:

  • ○  「中間整理」に関する意見募集の結果について
  • ○  投資サービス法(仮称)をめぐる主要論点(案)について
  • ○  自由討議

4.議事内容:

○  専門委員の異動について部会長より紹介

○  事務局の異動について市場課長より紹介

○  「中間整理」に関する意見募集の結果について事務局より説明

  • 主な意見は以下のとおり

消費者団体と事業者団体との構造的な格差のようなものを感じる。事業者団体は、非常に緻密に意見を出されてそれが丁寧に紹介されている一方で、消費者団体は一くくりにされている。

事業者側の意見と非事業者側の意見を分けるとか、主要論点に関する賛成と反対と中間的な意見と分けるとか、そういう整理をしていただきたい。

○  投資サービス法(仮称)をめぐる主要論点(案)について事務局より説明

  • 主な意見は以下のとおり

我が国の金融情勢を鑑みると貯蓄から投資へということが大きな課題であるのに対し、個人が投資そのものに関する十分な知識を持ち合わせていないため、投資サービス法の目的に「公衆の理解の向上」をぜひ入れるべきではないか。

経済学的観点からみると、資本市場法制の整備の目的は市場機能の確保であろうと考える。目的達成のために必要なものとして、投資家保護、不公正取引の防止、市場阻害行為の禁止等が市場機能の確保という大目的から派生的に規定されるのではないか。

プロとアマを二者択一という概念でとらえるのは、非常に無理があるのではないか。現実には、その間の中間ゾーンがあると考えており、その取扱いを念頭に置く必要があるのではないか。

資本市場は重層的な構造を持ったものと捉えたほうがいい。本当のプロ同士が取引をするハイエンドのところでは、放任しておくが、個人は入れないようにすべき。個人が参加するところは今よりも投資家保護を充実させるなどメリハリをつけることが望ましい。資本市場を3つか4つの層に分けて、その層に応じて規制の体系を考えることが柔構造化、柔軟化ということではないか。

一定のアマとされた者に対して厳しい規制をかけることについては、いわゆる無能力者制度との関係で問題ありと指摘されたことがあり、そのような側面があることを考えるべき。

市場参加者がプロからアマへと段階的になっていることは間違いないと考えるが、どこで線を引くか決めるのは困難になってきて、混乱しているのではないか。個人的には2つに分けるべきと考える。個人はプロになれず、プロは法人、典型的には機関投資家だけだろうと考える。アマとプロの中間的な層に対しては、まさに適合性原則に基づき知識あるいは経験に照らして勧誘していくべき。

中間層は日本では少し不安定な層ではないか。7月に最高裁で、適合性原則と助言義務についての判決が出ており、この事例の投資家が中間層に該当すると思うが、きちんと分類された集団となるかについてはやや懸念を持っている。現状はプロ・アマと2分論という段階ではないか。

投資サービス法の規制対象は道路に一番近いのではないか。F1とリアカーが一斉に乗り合わせた場合、非常に問題が多いのではないか。国際的にもキャピタルマーケットはいろいろな仕分けになっており、日本だけ、すべての車両を一律の法律でというのは、相当無理があるという前提をまず置くべきではないか。ターミナルまでは自由度を制限しても、ターミナルから先は移動の自由を100%確保する方法も選択肢にあり、最初にリアカー、人力車を前提として全部つくってしまうのは、日本の社会においては無理があるのではないか。

市場の重層化について、商品で分ける方法も考えられる。米国では、価格形成等の要素を考慮して、上場株式についてはプロ間私募市場を認めていない(33年証券法規則第144条A)。一方、社債については認めている。エクイティとデットで分ける方法や、ABS等仕組みの存在で分ける方法など、市場の方にもう少し着目した分類を考えなければいけないのではないか。

生命保険に係るリスクは、加入者が死亡することにより生じる経済的損失を保障するためのもの。一方、投資商品のリスクは拠出した資金が毀損または拠出額以上のロスを被るという性質のもの。リスクの違いに着目すれば議論の結果出てくるルールは違うものになる可能性も高いのではないか。

個別業法によって規制されている商品の取扱いについては、さらに検討する必要があると考える。変額年金やデリバティブ預金等の性格が他の投資商品と類似しているのなら、一元的な規制に服すべきではないか。個人的にはシルクハットの枠組みに賛成であるが、業規制との二重規制になることにより、一部過剰規制になるのではないか。

預金・保険を含めるべき。保険の特性について意見があったが、消費者側から見ると保険も他の商品と変わらないように思える。金融サービス法において同じ理念の下、保険のルールも規定すべき。

自主規制機関について、業界団体と捉えている者と新たな独立性の高い非営利法人と捉えている者があり、人によって自主規制機関のイメージが異なる。どちらのイメージかについて明確にしてから議論していくべき。

自主規制機関の加入義務付けについては、現在構想中のADR機関に片面的拘束力を設けるべきかどうかと絡めて検討すべき。仮に自主規制機関へは任意加入としても、事実上全ての機関に加入を促すよう、どのような形でインセンティブを高めるかについて検討を尽くすべき。

以上

問い合わせ先

金融庁 総務企画局 市場課
電話 03(3506)6000(内線3619)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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